JP3000686B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP3000686B2
JP3000686B2 JP3003922A JP392291A JP3000686B2 JP 3000686 B2 JP3000686 B2 JP 3000686B2 JP 3003922 A JP3003922 A JP 3003922A JP 392291 A JP392291 A JP 392291A JP 3000686 B2 JP3000686 B2 JP 3000686B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、位置検出等をせずに駆
動する超音波モータの駆動方法及び振動体の構成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】連続駆動型超音波モータは特開昭58−
148682等に多数提案されており、進行波で振動体
を励振させるものがほとんどである。またステップ駆動
型超音波モータは特願平1−273082に提案されて
おり、その原理は、定在波で振動している振動体によっ
て移動体に駆動力を与え、移動体の突起部を振動の節に
移動させ逐次振動体の節の位置を間欠的に移動させる事
によって移動体を間欠駆動させるモータである。この方
法により、回転検出機構のいらないシーケンス制御のス
テップモータが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のステッ
プ駆動の超音波モータは、長所としてシーケンス制御が
容易であることがあげられる。しかし本来振動体が形成
しやすいノードの位置を強引に移動させる方法であり、
効率を考慮すれば非合理的な駆動といえる。大きな駆動
力を得ること及び安定したノードの位置を必要としたと
きには本来振動しやすい位置で励振させる必要がある。
【0004】そこで本発明の目的は、シーケンス制御が
容易でありながら、さらに安定した位置でノードを形成
させ駆動する超音波モータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波モータ
は、複数の振動要素によって励振される振動体と、該振
動体に接する複数の突起部を有した移動体と、該振動体
に、少なくとも第1の定在波と、進行波と、第2の定在
波とが生じるように該複数の振動要素に信号を与える回
路と、を備え、該第1の定在波の節位置と、該第2の定
在波の節位置とは互いに異なり、該第1および第2の定在
波の波長方向に沿った、該複数の突起部のそれぞれの長
さは、該第1および第2の定在波の波長より短く、該複数
の突起部のそれぞれの間隔は該第1および第2の定在波の
半波長の整数倍にほぼ等しく、それらによって上記目的
が達成される。
【0006】また前記超音波モータにおいて、前記振動
体の振動要素の境界線あるいは振動要素の中間部分の剛
性あるいは質量に差をつけたことを特徴とする。
【0007】
【実施例】図1は本発明の超音波モータ及びその駆動系
の概要を示すブロック図である。1は基準クロック、2
は超音波モータの連続駆動を制御する制御回路A、3は
ステップ駆動を制御する制御回路B、4は振動子を添付
した振動体を振動させるための信号を作り出す発振回
路、5は連続駆動の駆動波形を作り出す波形形成回路
A、6はステップ駆動の駆動波形を作り出す波形形成回
路B、切り替え回路7は、連続駆動の場合は波形形成回
路Aの出力を、ステップ駆動の場合は波形形成回路Bの
出力をドライバー回路8に送出し、振動板9を加振す
る。
【0008】図2は本発明の実施例における超音波モー
タの振動体の構成を示す上面図、図3は図2の断面図で
あり、3λの振動モードを励振する場合の一例を示す。
実線は振動体(ステータ)形状9であり、12個のリブ
10が形成されている。波線は振動子(圧電体リング)
及び12個に分割した振動要素(電極パターン)の境界
11を示す。本実施例の境界線はリブの位置と一致し、
存在する2つの3λの振動モードがリブにノードを形成
するように構成されている。2点鎖線は移動体(ロー
タ)12で、6つの切り欠き部を除いた部分すなわち突
起部13が設けられている。突起部は振動体の歯15と
接し、駆動力を得ると同時に、振動のノードの位置で停
止するように構成されている。
【0009】次に本実施例の超音波モータの駆動方法を
説明する。図1の基準クロックより出力され制御回路B
を介した信号は、インバータを有する波形形成回路Bで
位相がそのままの信号+と位相が反転した信号−の2極
に分かれる。発振回路は振動体に3λの共振周波数で発
振し、切換回路及びドライバーを介して振動体に送られ
る。図4でこの時の超音波モータの移動体の動きを説明
する。+で表した振動要素に対して−で表した振動要素
に、反転した位相の信号が印加され駆動すると一転鎖線
14の位置にノードが形成される定在波が励振され、移
動体の突起部はノードに移動し停止する。駆動力の原理
は特願平1−273082に詳しい。
【0010】次に、基準クロックより出力され制御回路
Aを介した信号は、90°の位相シフタとインバータを
有する波形形成回路Aで位相が90°ずれた信号に分か
れ、さらにそれぞれにつき位相がそのままの信号+と反
転した信号−の合計4極に分かれる。発振回路は振動体
に3λの共振周波数で発振し、切換回路及びドライバー
を介して振動体に送られる。図5でこの時の超音波モー
タの移動体の動きを説明する。Aで表した振動要素に対
してBで表した振動要素に、90°位相がずれた信号が
印加され、さらにそれぞれ+−に位相が反転した信号が
印加される。そのとき振動板には進行波が励振され、移
動体は矢印の方向に移動する。駆動力の原理は特開昭5
8−148682に詳しい。
【0011】ある程度ロータが回転するに十分な時間が
経過したところ(本実施例では移動体が30°回転する
時間内)で、信号を制御回路Aで止め制御回路Bにより
出力する。この時の信号は波形形成回路Bにより第6図
に示す位置を励振する。ノードは図6に示す位置に形成
され、ロータ突起部はノード位置に移動し停止する。ロ
ータ突起部がノード位置に移動するに十分な時間で制御
回路Bにより信号を停止させる。この一連の動きでロー
タは30°回転する。この一連の動きを繰り返すことで
30°のステップ駆動が形成される。
【0012】進行波を加えず、定在波から定在波を励振
させたとき移動体の突起部の位置は次の振動の腹とな
り、回転しなかったり、逆転したりする。また進行波だ
けの駆動ではフィードバック制御が必要となる。この定
在波⇒進行波⇒定在波⇒進行波の動きを繰り返すことに
より回転検出機構のいらないステップ駆動が完成する。
【0013】本実施例の説明は、3λのモードを想定し
たものであったが、2λ、4λ、5λ・・・も可能であ
り、その時は8分割、16分割、20分割・・・の駆動
が可能となる。しかしこれらは存在する2つのモードを
利用した場合であり、本実施例3λ12分割の超音波モ
ータにおいて1つのモードしか利用しなければ3λであ
りながら6分割の駆動が可能となる。このときの1ステ
ップの送り角は60°である。また進行波を形成する
際、位相シフトの位相のズレを逆にするか機械的な位相
のズレを逆にすれば、逆転が可能となる。また本実施例
では圧電素子の分極を同じ向きにしてあるが、もともと
の圧電素子の分極を逆にすれば、波形形成回路ABで信
号を逆にする必要がなくなる。
【0014】本実施例の超音波モータの振動体の構造
は、12個のリブが形成され、12個に分割した電極パ
ターンの境界がリブの位置と一致するように構成されて
いるが、リブの位置は電極パターンの中間でもよく、ま
た3λの振動モードに対してもリブを12にする必要は
なく、最低1個でもよい。
【0015】図7は本発明の実施例を他の方法で駆動し
た場合のタイミングチャートで、図1のa〜1の部分の
信号状態を示す。例えば前記実施例で3λ12分割の振
動モードを励振させ定在波⇒進行波⇒定在波⇒進行波の
動きを繰り返すと30°のステップ駆動が生じるが、進
行波を励振させ、およそ6°進んだところで制御回路A
で信号の印加をストップさせる。次にまた進行波を励振
させ、およそ6°進んだところで制御回路Aで信号の印
加をストップさせるといった駆動を繰り返す。このとき
送り角6°のステップ駆動が提供されるが、進行波の励
振だけではロータの回転に累積誤差が生じる。従って、
例えばこのような進行波の繰り返しを4回に対し、定在
波を1回励振させると30°毎に制御が可能となり、制
御の容易なロータ1回転60分割のステップ駆動が提供
される。
【0016】また違う例では、常時進行波で駆動させて
おき必要に応じて定在波を励振させる方法も考えられ
る。例えばVTRの早送り、コマ送りといった操作が容
易にできる。
【0017】本実施例では、振動体の振動要素の境にあ
たる部分の剛性あるいは密度を他の部分と変える構造と
してリブを設けたが、図8に示すようにスリットあるい
は穴をあける、図9のように外周形状を変える、例えば
3λの振動を想定した場合は12角形にする等、その手
段は何でもよく、振動体の振動要素の境界に振動の節を
形成させることを目的に振動要素の境界あるいは中間の
剛性あるいは質量を他の部分と差をつけた構造にするこ
とである。
【0018】また進行波の励振は、本実施例図5の方法
に限定するものではなく、例えば図5でAで表した振動
要素で振動させた共振周波数とBで表した振動要素で振
動させた共振周波数の中間の周波数を発振回路から発振
させ、図4あるいは図6の定在波励振を行っても進行波
が励振される。また定在波の励振方法も本実施例に限定
するものではない。
【0019】
【発明の効果】本来振動板には振動モードを形成しやす
い位置が2カ所あり、以上述べたように本発明ステップ
駆動の超音波モータは、その2カ所の励振のみから成り
立っている。従って定在波の励振にしても進行波の励振
にしても小さい駆動電圧に対して大きな変位が得られ、
すなわち大きなロータの駆動力が得られる。特に定在波
に限ってはロータの位置を制御するためのノードが正確
に形成される。
【0020】また振動体の剛性あるいは密度を変えるこ
とで、本来振動体が持つノードを形成しやすい位置を振
動要素の境に存在させることができ、振動子の持つエネ
ルギーを効率良く振動体に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波モータ及びその駆動系の概要を
示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における超音波モータの上面図
である。
【図3】本発明の実施例における超音波モータの断面図
である。
【図4】本発明の超音波モータに定在波を励振したとき
の駆動方法の説明図である。
【図5】本発明の超音波モータに進行波を励振したとき
の駆動方法の説明図である。
【図6】図5の状態から第3図に対して定在波を直交し
た位置に形成した場合の駆動方法の説明図である。
【図7】図1のブロック図の駆動回路のタイミングチャ
ート図である。
【図8】本発明の他の実施例における振動板の構成図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例における振動板の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 基準ブロック 2 制御回路A 3 制御回路B 4 発振回路 5 波形形成回路A 6 波形形成回路B 7 切換回路 8 ドライバー回路 9 振動体(ステータ) 10 リブ 11 振動子(圧電素子)及び振動要素(電極パター
ン)の境界線 12 移動体(ロータ) 13 移動体(ロータ)突起部 14 ノード位置 15 歯 16 振動子(圧電体リング)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の振動要素によって励振される振動
    体と、 該振動体に接する複数の突起部を有した移動体と、 該振動体に、少なくとも第1の定在波と、進行波と、第
    2の定在波とが生じるように該複数の振動要素に信号を
    与える回路と、を備えた超音波モータであって、 該第1の定在波の節位置と、該第2の定在波の節位置と
    は互いに異なり、 該第1および第2の定在波の波長方向に沿った、該複数の
    突起部のそれぞれの長さは、該第1および第2の定在波の
    波長より短く、 該複数の突起部のそれぞれの間隔は該第1および第2の定
    在波の半波長の整数倍にほぼ等しい、超音波モータ。
  2. 【請求項2】前記超音波モータにおいて、前記振動体の
    振動要素の境界線あるいは振動要素の中間部分の剛性あ
    るいは質量に差をつけたことを特徴とする請求項1記載
    の超音波モータ。
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