JP3000510B2 - エンジンの筒内圧検出装置 - Google Patents

エンジンの筒内圧検出装置

Info

Publication number
JP3000510B2
JP3000510B2 JP6124876A JP12487694A JP3000510B2 JP 3000510 B2 JP3000510 B2 JP 3000510B2 JP 6124876 A JP6124876 A JP 6124876A JP 12487694 A JP12487694 A JP 12487694A JP 3000510 B2 JP3000510 B2 JP 3000510B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder pressure
mask
detection signal
mask processing
ignition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6124876A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07332150A (ja
Inventor
尚己 冨澤
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ユニシアジェックス filed Critical 株式会社ユニシアジェックス
Priority to JP6124876A priority Critical patent/JP3000510B2/ja
Publication of JPH07332150A publication Critical patent/JPH07332150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3000510B2 publication Critical patent/JP3000510B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの筒内圧検出装
置に関し、詳しくは、点火ノイズによる筒内圧検出精度
の悪化を回避しつつ、点火ノイズ発生期間においても所
期の検出結果を確保し得る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの燃焼状態を把握する方法とし
て、シリンダ内での燃焼ガスの圧力を検出する方法があ
り、そのためのセンサとして、例えば実開昭63−70
049号公報に開示されるような筒圧力センサが知られ
ている。前記実開昭63−70049号公報に示される
筒圧力センサは、リング状の圧電素子と電極とを積層し
たものであり、シリンダヘッドに螺合される点火栓と該
点火栓の取付け座面との間に挟み込んで共締めされる。
そして、点火栓の座金として締付けられて与えられるセ
ンサの締付け荷重(座圧)が、シリンダ内の圧力(筒内
圧)が点火栓に作用することで増減変化し、これにより
圧電素子の出力が燃焼圧力(筒内圧)に応じて変化する
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な座金型筒内圧センサは、点火栓に近接して設けられる
ことから、点火栓から周囲に発散する点火ノイズの影響
を受け、センサ出力に基づく筒内圧の検出精度を高く維
持することが困難であるという問題があった。前記点火
ノイズの影響を排除する方法としては、点火ノイズが影
響するものと予測される期間においてセンサの検出信号
をマスクし、点火ノイズの影響を受けた検出信号に基づ
く筒内圧の検出をキャンセルすることが考えられる。
【0004】しかしながら、上記のように所定期間にお
いてセンサの検出信号をマスクしてしまうと、前記マス
ク期間を含む区間において筒内圧の検出結果を必要とす
る場合(例えばシリンダ充填効率の測定など)には、マ
スク期間における検出信号の欠落によって、筒内圧状態
の把握に誤りを生じることになってしまうという問題が
あった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、点火ノイズの影響を回避しつつ、ノイズ影響区間
においても筒内圧の検出結果を確保できる筒内圧検出装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかるエンジンの筒内圧検出装置は、図1に示すよう
に構成される。図1において、筒内圧センサはエンジン
の筒内圧を検出するセンサであり、マスク手段は、筒内
圧センサの検出信号を所定期間においてマスクする。
【0007】一方、検出値記憶手段は、マスク手段によ
るマスク処理の直前及び直後における前記筒内圧センサ
の検出信号を記憶する。そして、補間演算手段は、マス
ク手段でマスクされた前記所定期間における検出信号
を、検出値記憶手段に記憶された検出信号に基づく補間
演算により推定設定する。ここで、筒内圧積分手段は、
前記マスク手段によるマスク処理期間を少なくとも含む
所定区間を積分区間とし、前記マスク処理期間において
は前記補間演算手段で補間演算された検出信号を積分す
る一方、前記マスク処理期間以外の積分区間においては
前記マスク手段を介した前記筒内圧センサの検出信号を
そのまま積分し、該積分値をエンジンの筒内圧を示すパ
ラメータとして出力する。
【0008】請求項2の発明にかかる検出装置では、前
記検出値記憶手段が、前記マスク手段を介した前記筒内
圧センサの検出信号の変化率に基づいてマスク処理の直
前及び直後のタイミングを検知する構成とした。請求項
3の発明にかかる検出装置では、前記マスク手段が、少
なくとも点火から所定時間をマスク処理を行う所定期間
とする構成とした。
【0009】
【0010】
【作用】請求項1の発明にかかるエンジンの筒内圧検出
装置によると、筒内圧センサの検出信号が、所定期間に
おいてマスクされるが、かかるマスク処理の直前及び直
後の検出信号を記憶しておいて、前記マスク期間におけ
る検出信号が前記記憶された検出信号に基づいて補間演
算により推定される。従って、マスク処理によって検出
信号が欠落しても、最終的には、マスク処理区間を含め
て筒内圧の検出値を得ることができ、筒内圧の積分区間
にマスク処理期間が含まれる場合には、マスク処理期間
においては前記補間演算された検出信号を積分させる構
成とし、積分区間にマスク処理期間が含まれても、実際
の筒内圧に見合った積分値が得られるようにした。
【0011】請求項2の発明にかかる検出装置では、筒
内圧センサの検出信号がマスク処理されると、マスク処
理の開始時と終了時とにおいてマスク手段を介した検出
信号が急変することになるから、マスク処理後の検出信
号の変化率に基づいてマスク処理の期間を検知する構成
とした。請求項3の発明にかかる検出装置では、点火か
ら所定時間において検出信号をマスクすることで、筒内
圧検出に対する点火ノイズの影響を排除し得る構成とし
た。
【0012】
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、エンジンのシリンダヘッド1に貫
通形成された螺子孔2には、点火栓3が螺合される。前
記点火栓3とシリンダヘッド1の点火栓取付け座面4と
の間には、リング状の筒内圧センサ5を挟み込んで共締
めしてある。
【0014】尚、6は、筒内圧センサ5と点火栓3との
間に介装されたワッシャである。前記筒内圧センサ5
は、例えば、リング状の中心電極を中心にしてその上下
に2枚のピエゾ圧電素子と、更に、その外側に上面電極
と下面電極を順次積層したもので、これらの内外周を絶
縁性の樹脂材料で覆って一体に固定してある。前記中心
電極からはリード線7が前記樹脂材料を通じて取り出さ
れる。
【0015】前記筒内圧センサ5は、前述のように点火
栓3の座金として締付けられて所定の締付け荷重が与え
られる一方、シリンダ8内の燃焼圧力が点火栓3に作用
して点火栓3が押し上げられるとセンサ荷重が減少変化
し、前記締付け荷重を基準とするセンサ荷重の減少変化
によって燃焼圧(筒内圧P)を相対圧として検出し得る
センサである。
【0016】金属パイプ9は、下端の開口部内に前記筒
内圧センサ5の外周部が嵌挿される一方、点火栓3の基
端側に延設され、点火栓挿入孔10の開口端部にゴムブッ
シュ11を介して嵌挿される。そして、前記リード線7
は、前記金属パイプ9の外周壁に沿って延設され、前記
ゴムブッシュ11に設けた貫通孔を介して外部に取り出さ
れるようになっている。
【0017】一方、点火コイルと、点火信号に基づいて
前記点火コイルを駆動する点火コイル駆動回路(パワー
トランジスタを含む)とからなる点火ユニット23が設け
られている。前記点火コイル駆動回路は、コントロール
ユニット15からの点火信号に基づいて点火コイルの1次
側への通電を制御し、通電遮断時に2次側で発生する高
電圧が点火栓3に与えられるようになっている。
【0018】尚、点火ユニット23は、各気筒毎に、点火
栓3の頭部にハイテンションコードを介さずに直接的に
取付けられる構成であっても良い。また、前記筒内圧セ
ンサ5の出力経路の途中にはマスク回路24(マスク手
段)が設けられ、該マスク回路24を介した検出信号がコ
ントロールユニット15に出力される構成となっている。
【0019】前記マスク回路24には、前記点火ユニット
23に供給される点火信号が分配供給されるようになって
おり、該点火信号に基づいて少なくとも点火から所定時
間において筒内圧センサ5の検出信号をマスクすること
で、点火ノイズの影響を受けた検出信号がコントロール
ユニット15に出力されることを回避できるようにしてあ
る。
【0020】前記マスク回路24は、コントロールユニッ
ト15内又は点火ユニット23内に組入れられる構成として
も良い。前記ノイズマスク回路24は、具体的には、図3
に示すような回路で構成されている。図3において、31
はセンサ出力を増幅するためのチャージアンプ(帰還増
幅器)であり、該チャージアンプ31における増幅率を抵
抗R1とによって決定する帰還抵抗R2と並列にスイッ
チング素子32を設けてある。前記スイッチング素子32
は、遅延回路33で遅延された点火信号(ノイズマスク信
号)に基づいてON・OFF制御されるようになってい
る。
【0021】前記点火信号は、ハイレベルであるときに
点火コイル駆動回路22を構成するパワートランジスタ22
aをONさせる信号であり、点火信号の立ち上がりに同
期して点火コイル21の一次側への通電が開始され、点火
信号の立ち下がりに同期して点火コイル21の一次側への
通電が遮断され、このとき2次側で発生する高電圧が点
火栓3に供給されて点火火花が発生する。
【0022】前記遅延回路33は上記点火信号を遅延させ
るから、前記スイッチング素子32は、点火信号の立ち上
がりに対して遅れてOFF→ON切り換えされ、かつ、
点火信号の立ち下がり(点火)に対して遅れてON→O
FF切り換えされることになり、これによって少なくと
も点火(1次側への通電遮断)から所定時間は、前記ス
イッチング素子32がONされて前記チャージアンプ31の
増幅動作が停止される。
【0023】ここで、点火コイル21の1次側への通電遮
断、即ち、点火動作に伴って所謂点火ノイズが発生し、
これが筒内圧センサ5の出力に影響を与えることになる
が、前記スイッチング素子32によって点火から所定時間
(所定期間)は前記チャージアンプ31の増幅動作が停止
され、結果的に、筒内圧センサ5の検出信号がマスクさ
れるから(図4参照)、点火ノイズの影響を受けたセン
サ出力がコントロールユニット15に入力されて検出信号
のS/N比が悪化することを回避できる。
【0024】前記図3に示すノイズマスク回路24では、
増幅動作を停止させることで点火ノイズの影響を受けた
筒内圧検出信号をマスクする構成としたが、図5に示す
ような回路構成によって点火ノイズの影響を受けた筒内
圧検出信号の出力を停止させる構成としても良い。図5
に示すマスク回路24は、前述と同様に点火信号に基づき
遅延回路33で発生させるノイズマスク信号に基づいて、
筒内圧センサ5の出力を少なくとも点火から所定時間だ
けマスクするものであるが、ここでは、前記ノイズマス
ク信号によってON・OFF制御されるトランジスタ35
によってセンサ出力ラインを選択的にアースさせる構成
としてある。
【0025】即ち、前記トランジスタ35は、前記遅延回
路33からの出力される点火信号の遅延信号(マスク信
号)に基づいて、少なくとも点火から所定時間だけ筒内
圧センサ5の出力ラインをアースさせると、かかる期間
においては筒内圧検出信号の出力が停止されることにな
り、以て、ノイズ影響を受けた検出信号がマスクされる
構成となっている。
【0026】上記のような構成のマスク回路24によって
点火から所定時間においてマスクされる筒内圧検出信号
がコントロールユニット15に入力され、コントロールユ
ニット15では図6及び図7のフローチャートに示すよう
にして前記検出信号を処理する。尚、本実施例におい
て、検出値記憶手段,補間演算手段,筒内圧積分手段と
しての機能は、前記図6及び図7のフローチャートに示
すように、コントロールユニット15が備えている。
【0027】図6のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ1(図中ではS1としてある。以下同様)では、
前記マスク回路24におけるノイズマスク信号を読み込
む。該ステップ1で読み込むノイズマスク信号は、マス
ク回路24内で発生させた信号であっても良いし、コント
ロールユニット15内にマスク回路24に備えられる遅延回
路33と同じ作用の回路を設け、点火信号に基づいて独自
に発生させた信号であっても良い。
【0028】次のステップ2では、マスク処理の開始直
前であるか否かを判別し、開始時であるときには、ステ
ップ3へ進んでそのときの筒内圧検出信号をA/D変換
して読み込み、次のステップ4では前記A/D変換値を
マスク処理直前における筒内圧検出値Psとして記憶す
る。一方、ステップ2でマスク処理の開始時ではないと
判別されると、ステップ5へ進み、マスク処理の終了時
であるか否かを判別する。そして、終了時であるときに
は、ステップ6で筒内圧検出信号をA/D変換して読み
込み、次のステップ7では前記読み込んだ筒内圧検出値
をマスク処理終了直後のデータPeとして記憶する。
【0029】このようにして記憶されるマスク処理直前
の検出値Ps及びマスク処理終了直後の検出値Peは、
図7のフローチャートにおいて用いられる。図7のフロ
ーチャートは、筒内圧Pのサンプリング周期毎に実行さ
れるルーチンを示し、まず、ステップ11ではノイズマス
ク信号の発生状態(マスク処理期間内)であるか否かを
判別する。
【0030】そして、マスク処理期間内でない場合に
は、通常に筒内圧センサ5の検出信号がコントロールユ
ニット15に入力されるから、ステップ12へ進んで、筒内
圧検出信号をA/D変換して読み込む。一方、ステップ
11でマスク処理期間内であると判別されたときには、ス
テップ13へ進み、マスク処理期間が終了したか否かを判
別する。
【0031】そして、マスク処理の途中である場合に
は、ステップ14へ進み、マスク処理期間内でのサンプリ
ングタイミングの回数Nを計数する。また、ステップ13
でマスク処理期間が終了したことが判別されると、ステ
ップ15へ進み、前記図6のフローチャートで記憶される
マスク処理直前の検出値Ps及びマスク処理終了直後の
検出値Peを用い、マスク処理期間内における筒内圧検
出信号を直線補間演算により推定する。
【0032】そして、次のステップ16では、前記補間演
算結果から、マスク処理期間内におけるN回のサンプリ
ングタイミングそれぞれに該当する時点の筒内圧検出信
号を求める。即ち、コントロールユニット15には、マス
ク回路24を介して筒内圧検出信号が入力されるから、マ
スク処理期間内では筒内圧検出信号が欠落して、マスク
処理期間内における筒内圧Pを知ることができない。そ
こで、マスク処理されて欠落する直前の検出信号Ps
と、マスク処理終了直後の検出信号Peとを記憶させる
ことで、マスク処理によって欠落した前記検出信号Ps
〜Pe間の筒内圧を補間演算で予測し、マスク処理がな
されない場合にサンプリングされたであろう検出値を求
めるものである。
【0033】ステップ17では次回のマスク処理期間にお
ける処理のために前記サンプリング回数Nをゼロリセッ
トする。ステップ18では、前記マスク処理期間を少なく
とも含む所定の積分区間において筒内圧を積分する。具
体的には、マスク処理期間内でない場合には、ステップ
12でA/D変換された筒内圧Pをそのまま積分する一
方、前記マスク処理期間内では、前記マスク回路24によ
って筒内圧センサ5の検出信号がマスクされて欠落する
ので、マスク処理期間の終了後に前記ステップ15におけ
る直線補間演算の結果からステップ16で推定されるマス
ク処理期間内におけるサンプリングタイミングにおける
筒内圧Pを積分する。
【0034】そして、前記積分値Piは、エンジンの筒
内圧状態を示すパラメータとして出力され、該積分値P
iに基づいてエンジンの燃焼状態の診断や充填効率の測
定などが行われる。上記構成によると、点火ノイズの影
響を排除すべく、点火から所定期間において筒内圧セン
サ5の検出信号をマスク処理して、前記所定期間(マス
ク処理期間)において筒内圧検出信号が欠落しても、マ
スク処理期間の直前及び直後の検出結果から直線補間に
よって前記欠落した筒内圧検出信号を推定設定する構成
としたので、点火ノイズの影響を回避しつつ、筒内圧検
出信号を全行程において得ることが可能となる。
【0035】従って、上記のように前記マスク処理期間
を含む積分区間で筒内圧検出値を積分し、該積分値を用
いてシリンダ充填効率の測定などを行う場合に、マスク
処理によって前記測定精度が悪化することを回避でき
る。ところで、上記実施例では、ノイズマスク信号に基
づいてマスク処理期間を検知し、以て、マスク処理直前
の筒内圧Psと直後の筒内圧Peとをサンプリングして
それぞれ記憶させるようにしたが、マスク回路24を介し
た筒内圧検出信号に基づいてマスク処理期間を検出する
ことも可能であり、かかる実施例を図8のフローチャー
トに示してある。
【0036】図8のフローチャートは、筒内圧のサンプ
リング周期毎に実行されるルーチンを示し、まず、ステ
ップ21では、前記マスク回路24を介して入力される筒内
圧検出信号をA/D変換して読み込む。そして、次のス
テップ22では、今回読み込んだ筒内圧Pと、前回読み込
まれた筒内圧P-1との偏差(マスク処理済みの検出信号
の変化率)を、予め設定された増大変化側の基準値+Δ
P及び減少変化側の基準値−ΔPと比較する。
【0037】即ち、マスク回路24によって、点火から所
定期間において筒内圧検出信号がマスクされると(図4
参照)、通常では示すことのない急激な信号変化を、マ
スク処理開始時とマスク処理終了時に示すことになる。
従って、前記基準値+ΔP,−ΔPを、通常では越える
ことがなくマスク処理の開始又は終了時にのみ越えるこ
とになる変化率として予め設定しておくことで、マスク
処理の開始時点と終了時間とを前記偏差(P−P-1)か
ら検出することができる。
【0038】ステップ22で、偏差(P−P-1)が減少側
の基準値−ΔPを越える割合で筒内圧検出信号が減少変
化していることを示す場合には、マスク処理の開始によ
って実際の筒内圧に対応する検出信号のレベルからマス
クレベルにまで検出信号が低下したものと推定する。そ
して、ステップ23へ進んで、前回読み込まれた筒内圧P
-1を、マスク処理直前の検出値としてPsにセットし記
憶させる。
【0039】一方、ステップ22で、偏差(P−P-1)が
増大側の基準値+ΔPを越える割合で筒内圧検出信号が
増大変化していることを示す場合には、マスク処理の終
了によってマスクレベルから実際の筒内圧に対応する検
出信号のレベルにまで検出信号が増大したものと推定す
る。そして、ステップ24へ進んで、前回読み込まれた筒
内圧P-1を、マスク処理終了直後の検出値としてPeに
セットし記憶させる。
【0040】そして、マスク処理終了直後の検出値が求
められると、ステップ25へ進み、マスク処理期間内にお
ける筒内圧検出信号を、前記記憶させた検出値Ps,P
eに基づいて直線補間演算によって推定し、ステップ26
では、マスク処理期間内におけるN回のサンプリングタ
イミングにおける筒内圧を、前記補間演算による推定結
果から読み取る。
【0041】次のステップ27では、マスク処理期間内に
おけるサンプリング回数Nを計測した結果をゼロリセッ
トする。また、ステップ22で、筒内圧検出信号が、マス
ク処理の開始又は終了時点に対応する急激な変化を示し
ていないと判別されると、ステップ28へ進み、読み込ま
れた筒内圧Pが略零であるか否かを判別することによっ
て、マスク処理期間内であるか否かを判別する。
【0042】そして、筒内圧Pが略零であってマスク処
理期間内であると判別されると、ステップ29へ進んで、
マスク処理期間内においてサンプリングタイミングとな
った回数Nを計数させる。かかる計数結果に基づいて前
記ステップ26でマスク処理期間内におけるN回のサンプ
リングタイミングにおける筒内圧が、補間演算結果から
求められる。
【0043】一方、ステップ28で筒内圧Pが零でないと
判別された場合には、マスク処理期間ではないものと判
断し、ステップ30へ進んで、今回読み込んだ筒内圧Pを
そのまま積分させる。また、マスク処理期間内における
筒内圧については、前記ステップ26で求められた値が前
記ステップ30で積分されるようになっており、結果的
に、マスク処理期間を含む所定の積分区間内で、検出値
が欠落することなく積分されるようにしてある。
【0044】上記のように、マスク処理の開始時点及び
終了時点を、マスク処理を介した検出信号から検出する
構成であれば、ノイズマスク信号を読み込んだり、又
は、ノイズマスク信号を独自に発生させる必要がなく、
簡便にマスク処理による欠落部分の推定が行える。尚、
上記実施例では、マスク処理期間内における補間演算を
直線補間としたが、これは、マスク処理期間が比較的短
時間であるため、演算が容易な直線補間を行わせても、
精度上で問題となることはないためである。従って、演
算は複雑となるが、円弧補間などを用いる構成であって
も良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にか
かるエンジンの筒内圧検出装置によると、マスク処理に
よって筒内圧検出信号が一部欠落しても、該欠落部分の
検出信号を推定設定させることができ、マスク処理期間
を含んで筒内圧の積分区間を設定した場合であっても、
積分値として実際の筒内圧状態に対応する値を得ること
ができるという効果がある。
【0046】請求項2の発明にかかる検出装置による
と、マスク処理された筒内圧検出信号の変化率に基づい
てマスク処理期間を検知する構成としたので、マスク処
理期間内における検出値の補間演算による推定が簡便に
行えるという効果がある。請求項3の発明にかかる検出
装置によると、マスク処理を点火から所定時間において
行わせる構成としたので、点火ノイズの影響を回避しつ
つ、筒内圧検出値を欠落なく得ることができるという効
果がある。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】マスク回路の構成例を示す回路図。
【図4】マスク処理及び補間演算の様子を示すタイムチ
ャート。
【図5】マスク回路の別の構成例を示す回路図。
【図6】第1実施例の筒内圧検出処理を示すフローチャ
ート。
【図7】第1実施例の筒内圧検出処理を示すフローチャ
ート。
【図8】第2実施例の筒内圧検出処理を示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 3 点火栓 5 筒内圧センサ 15 コントロールユニット 21 点火コイル 22 点火コイル駆動回路 23 点火ユニット 24 マスク回路 31 チャージアンプ 32 スイッチング素子 33 遅延回路 35 トランジスタ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの筒内圧を検出する筒内圧センサ
    と、 該筒内圧センサの検出信号を所定期間においてマスクす
    るマスク手段と、 該マスク手段によるマスク処理の直前及び直後における
    前記筒内圧センサの検出信号を記憶する検出値記憶手段
    と、 前記マスク手段でマスクされた前記所定期間における検
    出信号を前記検出値記憶手段に記憶された検出信号に基
    づく補間演算により推定設定する補間演算手段と、前記マスク手段によるマスク処理期間を少なくとも含む
    所定区間を積分区間とし、前記マスク処理期間において
    は前記補間演算手段で補間演算された検出信号を積分す
    る一方、前記マスク処理期間以外の積分区間においては
    前記マスク手段を介した前記筒内圧センサの検出信号を
    そのまま積分し、該積分値をエンジンの筒内圧を示すパ
    ラメータとして出力する筒内圧積分手段と 、 を含んで構成されたエンジンの筒内圧検出装置。
  2. 【請求項2】前記検出値記憶手段が、前記マスク手段を
    介した前記筒内圧センサの検出信号の変化率に基づいて
    マスク処理の直前及び直後のタイミングを検知すること
    を特徴とする請求項1記載のエンジンの筒内圧検出装
    置。
  3. 【請求項3】前記マスク手段が、少なくとも点火から所
    定時間をマスク処理を行う所定期間とすることを特徴と
    する請求項1又は2のいずれかに記載のエンジンの筒内
    圧検出装置。
JP6124876A 1994-06-07 1994-06-07 エンジンの筒内圧検出装置 Expired - Fee Related JP3000510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6124876A JP3000510B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 エンジンの筒内圧検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6124876A JP3000510B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 エンジンの筒内圧検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07332150A JPH07332150A (ja) 1995-12-22
JP3000510B2 true JP3000510B2 (ja) 2000-01-17

Family

ID=14896285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6124876A Expired - Fee Related JP3000510B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 エンジンの筒内圧検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3000510B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4659675B2 (ja) * 2006-05-19 2011-03-30 日本特殊陶業株式会社 燃焼圧検出装置
JP2009019525A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP5762021B2 (ja) * 2011-01-31 2015-08-12 三菱電機株式会社 エンジンのノック制御装置
JP6036633B2 (ja) * 2013-10-07 2016-11-30 株式会社デンソー エンジン制御装置
JP7221214B2 (ja) * 2017-11-28 2023-02-13 日立Astemo株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07332150A (ja) 1995-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5396176A (en) Combustion condition diagnosis utilizing multiple sampling of ionic current
EP1574834B1 (en) An in-cylinder pressure detecting apparatus and method
WO2009096056A1 (ja) 筒内圧センサの出力補正装置及びこれを備えた筒内圧検出装置
JP3000510B2 (ja) エンジンの筒内圧検出装置
JPH0921381A (ja) 内燃機関の点火装置
JPS6279344A (ja) 空燃比制御装置
US5522254A (en) Knock sensing apparatus for internal combustion engine
JP2868954B2 (ja) 内燃機関ノック制御装置
JP2003184635A (ja) イオン電流を用いたエンジンの失火検出装置及び該装置に用いられるプログラムを記録した記録媒体
JP3350063B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置及びこの失火検出装置を用いた内燃機関の制御装置
US8490468B2 (en) Failure diagnosis system
JP5351425B2 (ja) 筒内圧センサの出力補正装置及びこれを備えた筒内圧検出装置
CA2029500C (en) Apparatus for detecting throttle opening of an engine
JP2003314353A (ja) 失火検出装置
JPH07317592A (ja) 内燃機関の筒内圧検出装置
JPH084565A (ja) 筒内圧センサの診断装置
JP3325132B2 (ja) イオン電流による燃焼状態検出方法
JPH10252634A (ja) 内燃機関のイオン電流検出システム
KR100598799B1 (ko) 이그니션 코일의 실화 감지장치
JP2009229329A (ja) 筒内圧センサの出力補正装置及びこれを備えた筒内圧検出装置
JP3054506B2 (ja) 酸素センサ用ヒータ制御方法
JPS63286733A (ja) 筒内圧検出装置
JPH0850071A (ja) 筒内圧センサの診断装置
KR100320536B1 (ko) 노크제어방법
KR100471200B1 (ko) 노킹방지를위한엔진의제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees