JP2998673B2 - ウェハ、該ウェハの位置合わせ方法および装置 - Google Patents

ウェハ、該ウェハの位置合わせ方法および装置

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JP2998673B2 JP766397A JP766397A JP2998673B2 JP 2998673 B2 JP2998673 B2 JP 2998673B2 JP 766397 A JP766397 A JP 766397A JP 766397 A JP766397 A JP 766397A JP 2998673 B2 JP2998673 B2 JP 2998673B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体デバイ
スの製造プロセスに関し、特に、パターンを形成するリ
ソグラフィ工程におけるマスクとウェハとの位置合わせ
を高精度で実現可能なウェハ、ウェハの位置合わせ方法
および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造プロセスにおける
リソグラフィ工程では、一般に、マスクとウェハとを位
置合わせ(以下、「アライメント」ともいう)した後、
紫外線やX線を照射してマスクのパターンをウェハ上に
塗布したレジスト(感光性樹脂)に転写し、このレジス
トを現像してウエハ上に所望のパターンを形成する。通
常は、高精度なウェハステージをもつ逐次移動式露光装
置(ステッパ)にマスクおよびウェハを装着し、ウェハ
ステージの移動とアライメントと露光とを繰り返して多
数のチップパターンをウエハ上に形成する。
【0003】アライメントは、マスクのパターン位置と
ウエハ上の下地パターンの位置とを計測し、両者の位置
が合致するようにウェハステージを移動して行う。ウェ
ハの位置の計測のために、ウエハ上にはアライメントマ
ークが形成される。図9の断面図に示すように、アライ
メントマーク114,114’は、通常は、ウェハ11
1,111’の下地パターンと同時に凹状または凸状に
形成される。そのため、アライメントマーク114,1
14’の形成によって、ウエハ111,111’上には
下地パターンと同様の段差が生じる。このように、アラ
イメントマーク114,114’は凹状または凸状に形
成されるので、次工程で加工する対象となる絶縁膜ある
いは金属膜等の薄膜112,112’や、レジスト膜1
13,113’がウエハ111,111’上に形成され
た後も、ウエハ111,111’上にはアライメントマ
ーク114,114’に対応する凹凸が残っている。
【0004】アライメントには、いくつかの方法があ
る。最も一般的な方法は、図10に示すように、レーザ
光(アライメント光)105をアライメントマーク11
4に照射し、アライメントマーク114の段差部分で回
折・散乱されたレーザ光(アライメント光)105を検
出してアライメントマーク114の位置を計測する方法
である。また、図11に示すように、回折格子状のアラ
イメントマーク124を設け、そのアライメントマーク
124に波長の異なる2種類のレーザ光125a,12
5bをそれぞれ異なる方向から照射し、それによって発
生した2つの回折光を干渉させ、その位相からアライメ
ントマーク124の位置を計測する方法もある。さら
に、波長帯域幅の広いアライメント光をアライメントマ
ークに照射し、その反射光を画像処理してアライメント
マークの位置を計測する方法もある。いずれの方法も、
基本的にはアライメントマークの段差部分での反射を利
用してアライメントマークの位置を計測している。
【0005】図12に、光リソグラフィにおける一般的
なアライメント方法を示す。光リソグラフィで使用され
るマスクは、一般にレチクル135と呼ばれている。レ
チクル135のアライメントマーク135aおよびウェ
ハ111のアライメントマーク114の位置測定をレン
ズ132を通して同時に行うためには、アライメント光
134の波長を露光光の波長と同一にする必要がある。
しかしその場合には、ウエハ111上に塗布されたレジ
ストがアライメント光134によって感光してしまうた
め、通常は、レチクル135のアライメントのためのレ
チクルアライメント光学系137と、ウェハ111のア
ライメントのためのウェハアライメント光学系136と
をそれぞれ備え、レチクル135のアライメントマーク
135aの位置測定と、ウェハ111のアライメントマ
ーク114の位置測定とを別々に行っている。
【0006】図13に、X線リソグラフィにおける一般
的なアライメント方法を示す。X線リソグラフィで使用
されるマスクは、一般にX線マスク145と呼ばれてい
る。X線リソグラフィではレンズを用いないため、波長
が露光波長と異なるアライメント光155を用いてX線
マスク145上のアライメントマーク145aとウェハ
111のアライメントマーク114の位置測定を同時に
行うことができる。通常は、アライメント光155をX
線マスクのX線透過膜を通してウェハ111のアライメ
ントマーク114に照射し、そこからの反射光とX線マ
スク145のアライメントマーク145aからの反射光
とを同時に検出して両者のアライメントを行っている。
【0007】転写したパターンと下地パターンとの位置
ずれ量をアライメント誤差という。半導体デバイスを製
造するためには、このアライメント誤差をパターンの最
小線幅の20〜30%以下に抑える必要がある。そのた
め、微細なパターンを持つ半導体デバイスほど、高いア
ライメント精度が必要となる。
【0008】アライメント精度の向上を目的として、特
公昭55−46053号公報には、裏面にアライメント
マークが設けられたウェハに対して、このアライメント
マークを検出することによりアライメントを行うアライ
メント装置が開示されている。ウェハの表面にアライメ
ントマークを設けた場合には、ウェハ表面にレジストや
薄膜を形成したとき、レジストの粘性や薄膜の膜厚の不
均一性によって、アライメントマークの凹凸形状を正確
にアライメントマークと一致させることは困難である。
したがって、ウェハの裏面にアライメントマークを設け
ることで、アライメントマークを直接検出することがで
き、アライメント精度が向上する。また、特開平5−1
14543号公報には、ウェハ表面のアライメントマー
クとウェハ裏面のアライメントマークとを工程に応じて
使い分けることで、アライメント誤差を低減する方法が
開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】半導体デバイスの集積
度の向上にともなってパターンの微細化が進み、それと
同時にリソグラフィ工程で要求されるアライメント精度
はますます高まっている。しかしながら、従来のアライ
メント方法では、ウェハのアライメントマーク上に形成
された薄膜の表面での光の反射が大きい場合には、図1
4に示すように、アライメント光105が薄膜112の
表面で反射し、アライメントマーク114の位置の計測
精度が低下してしまう。また、薄膜112の屈折率によ
っては、図15に示すようにアライメントマーク114
で反射したアライメント光105が薄膜112内で多重
干渉する場合もあり、このこともアライメントマーク1
14の位置の計測精度を低下させる一因となっていた。
【0010】また、微細パターンの転写に適したリソグ
ラフィ技術であるX線リソグラフィでは、X線マスクと
ウェハとを10〜30μm程度の非常に狭い間隔に近付
けてアライメントおよび露光を行う。このためアライメ
ント光はX線マスクのX線透過膜を通してウェハのアラ
イメントマークに照射することになるが、X線透過膜表
面での光の反射や散乱が大きい場合には、その反射光が
ノイズ成分となってウェハのアライメントマークからの
反射光の検出の邪魔をし、アライメント精度を低下させ
る一因となっていた。
【0011】一方、特公昭55−46043号公報に開
示されたものでは、ウェハの裏面のアライメントマーク
を用いているが、工程によってはウェハの両面に薄膜を
形成する場合もある。この場合には、ウェハの裏面のア
ライメントマーク上にも薄膜が形成されることになり、
結果的に、ウェハの表面のアライメントマークと同様の
位置計測誤差が生じてしまう。また、ウェハの表面に形
成した薄膜の応力によってウェハの反りが変化する場合
もあり、これによって、裏面のアライメントマークに対
する表面のアライメントマークの相対位置にずれが生じ
てしまう場合もあった。
【0012】さらに、特開平5−114543号公報に
開示された方法では、表面のアライメントマークと裏面
のアライメントマークを形成する際に、マーク検出アラ
イメントシステムの計測誤差や加工誤差等によってそれ
ぞれのマーク位置間に0.1μm程度の位置ずれが生じ
るという問題があり、0.2μm以下の微細パターンを
転写するには不十分なアライメント精度しか得られなか
った。
【0013】そこで本発明は、例えば0.2μm以下と
いった微細パターンを持つ半導体デバイスの製造におけ
る要求を満足するような、マスクとウェハとの高精度な
位置合わせを可能とするウェハ、ウェハの位置合わせ方
法および装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のウェハは、リソグラフィ技術によりパターンが
形成されるウェハであって位置合わせのためのアライ
メント光を透過する材料からなる光透過層の両面を2つ
のウェハそうで挟んだ積層体で構成され、前記ウェハ層
のいずれか一方に、前記アライメント光を前記光透過層
に入射させるための第1の穴が形成されるとともに、前
記パターンが形成される側のウェハ層に、前記光透過層
に入射したアライメント光を前記積層体から出射させる
ための第2の穴が形成され、 前記第1及び第2の穴は、
前記ウェハ層の面内方向で互いに異なる位置に形成さ
れ、かつ、それぞれ前記アライメント光を透過する材料
が埋め込まれていることを特徴とする。
【0015】本発明のウェハの位置合わせ方法は、上記
本発明のウェハの位置合わせ方法であって、前記アライ
メント光を前記第1の穴が形成された部分に照射し、前
記アライメント光を透過する材料を透過して前記第2の
穴が形成された部分から出射した光を検出することで、
前記ウェハの位置合わせを行うものである。
【0016】本発明のウェハの位置合わせ装置は、上記
本発明のウェハの位置合わせを行う位置合わせ装置であ
って、前記アライメント光を前記第1の穴が形成された
部分に照射するための光源と、前記アライメント光を透
過する材料を透過して前記第2の穴が形成された部分か
ら出射した光を検出する光検出器とを有する。
【0017】上記のとおり構成された本発明では、ウェ
ハのアライメントマークは、アライメント光が透過する
材料で構成されており、第1の穴が形成された部分を介
して光透過層に入射されたアライメント光は第2の穴が
形成された部分から出射する。そして、出射したアライ
メント光を検出することで、ウェハの位置合わせが行わ
れるわけであるが、第1の穴及び第2の穴はウェハ層の
面内方向で互いに異なる位置に形成されており、アライ
メント光の入射部分の位置と出射部分の位置とが異なっ
ているので、入射部分に入射したアライメント光の反射
光が、出射部分から出射するアライメント光に与える影
響はほとんどない。また、アライメント光が透過するア
ライメントマークを用いているので、従来のようにアラ
イメント光を反射させるための段差を設ける必要がなく
なり、平坦なアライメントマークとすることができる。
その結果、段差の影響によるアライメントマーク位置の
検出誤差もなくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0019】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態を示すウェハの断面図である。図1に示すよ
うに、シリコンからなるウェハ11には、その厚み方向
に貫通する穴11aが設けられている。穴11aには、
酸化シリコン等の、アライメント光5を透過する透光性
材料が埋め込まれ、この透光材料がアライメントマーク
14となる。穴11aに透光材料が埋め込まれることに
よって、ウェハ11の表面は平坦になっている。ウェハ
11の表面すなわちパターンが転写(形成)される面に
は、窒化シリコン等の透光性を有する薄膜12が形成さ
れ、さらにその表面にはレジスト13が形成される。
【0020】このような構造のウェハ11においては、
アライメントの際にはアライメント光5はウェハ11の
裏面側から照射される。そして、アライメント光5がア
ライメントマーク14に照射されると、アライメント光
5は、アライメントマーク14、薄膜12およびレジス
ト13を透過してウェハ11の表面側に到達する。この
アライメント光5を検出することでアライメントマーク
14の位置が計測される。
【0021】ここで、図1に示したウェハ11へのアラ
イメントマーク14の形成方法の一例について、図2を
参照して説明する。まず、図2(a)に示すように、ウ
ェハ11の両面に、窒化シリコン等の透光性を有する薄
膜12a,12bを形成する。次いで、図2(b)に示
すように、ウェハ11の裏面に形成された薄膜12a
の、アライメントマーク14が形成される部分をエッチ
ングする。次いで、図2(c)に示すように、アルカリ
水溶液による異方性ウエットエッチングで、薄膜12a
のエッチングによりウェハ11が露出した部分を除去す
る。これにより、アライメントマーク14が形成される
部分には薄膜12bのみが残り、ウェハ11には穴11
aが形成される。次いで、図2(d)に示すように、化
学的気相堆積法(CVD法)等により、酸化シリコン等
の透光性材料を穴11aに埋め込み、アライメントマー
ク14を形成する。このようにしてアライメントマーク
14を形成することで、ウェハ11の表面(薄膜12b
が形成された面)は平坦になる。
【0022】次に、図1に示したウェハを用いたアライ
メント方法について、図3および図4を参照して説明す
る。
【0023】図3は、図1に示したウェハのアライメン
トを行うための、光リソグラフィにおけるアライメント
装置の一例の概略構成図である。図3に示すように、ウ
ェハ11には、ウェハ11に転写するパターンおよびア
ライメントマーク26aが形成されたレチクル26が対
向配置される。
【0024】図3に示した例ではウェハ11のアライメ
ントマーク14の位置測定とレチクル26のアライメン
トマーク26aの位置測定とを別々に行って両者のアラ
イメントを行っている。レチクル26のアライメントマ
ーク26aの位置測定は、従来と同様に、レチクル26
にアライメント光を照射し、そのアライメント光のアラ
イメントマーク26aでの反射光を検出するレチクルア
ライメント光学系27によって行われる。
【0025】一方、ウェハ11のアライメントマーク1
4の位置測定は、ウェハアライメント光学系20によっ
て行われる。ウェハアライメント光学系20は、ウェハ
11にアライメント光25を照射するアライメント光源
21と、アライメント光源21から出射されたアライメ
ント光25を、レンズ22およびミラー23を介して検
出する光検出器24とを有する。ここで、アライメント
光源21はウェハ11の裏面側に配置され、レンズ2
2、ミラー23および光検出器24はウェハ11の表面
側に配置されている。
【0026】上記構成に基づき、ウェハアライメント光
源21から出射されたアライメント光25がウェハ11
のアライメントマーク14に照射されると、アライメン
ト光25はアライメントマーク14を透過してウェハ1
1の表面側に達する。ウェハ11の表面側に達したアラ
イメント光25はさらに、レンズ22およびミラー23
を介して光検出器24で検出され、これによってウェハ
11のアライメントが行われる。
【0027】図4は、図1に示したウェハ11のアライ
メントを行うための、X線リソグラフィにおけるアライ
メント装置の一例の概略構成図である。図4に示すよう
に、ウェハ11には、ウェハ11に転写するパターンお
よびアライメントマークが形成されたX線マスク35が
対向配置される。この場合においても、ウェハ11にア
ライメント光35を照射するウェハアライメント光源3
1はウェハ11の裏面側に配置され、アライメント光源
31から出射されたアライメント光35を検出する光検
出器34はウェハ11の表面側に配置される。
【0028】上記構成に基づき、ウェハアライメント光
源31から出射されたアライメント光35がウェハ11
のアライメントマーク14に照射されると、アライメン
ト光35はアライメントマーク14を透過してウェハ1
1の表面側に達する。ウェハ11の表面側に達したアラ
イメント光35はさらに、X線マスク35のX線透過膜
36を透過して光検出器34で検出され、これによって
ウェハ11のアライメントが行われる。
【0029】以上説明したように、アライメントマーク
14を、アライメント光25,35が透過する材料で構
成し、アライメントマーク14を透過したアライメント
光25,35を検出してウェハ11のアライメントを行
うことで、アライメント光25,35が入射する部分の
位置と出射する部分の位置とが異なるので、アライメン
ト光25,35が入射する部分でアライメント光25,
35が反射しても、その反射光が、アライメントマーク
14を透過したアライメント光25,35の検出に与え
る影響は極めて少ない。さらに、従来のアライメントマ
ークのように、アライメント光25,35を反射させる
ための段差を設ける必要がなくなるので、アライメント
マーク14上に形成された薄膜12の表面でのアライメ
ント光25,35の反射や、薄膜12内でのアライメン
ト光25,35の多重干渉に起因するアライメント誤差
がほとんど生じなくなる。その結果、高精度なアライメ
ントを実現することができ、微細パターンを持つ半導体
デバイスを容易に製造することができる。
【0030】特に、図4に示したX線リソグラフィにお
けるアライメントでは、X線マスク35のX線透過膜3
6やウェハ11の薄膜表面で反射したアライメント光3
5は逆方向へ向かうため、アライメント光35の検出に
はほとんど影響を与えない。
【0031】本実施形態では、図1に示したように、ウ
ェハ11の穴11aを完全に埋め込んだ状態でアライメ
ントマーク14を形成した例を示したが、図5に示すよ
うに、少なくともウェハ11の表面側にアライメントマ
ーク14’が形成されていればよい。この場合でもウェ
ハ11の表面は平坦となり、上述した効果と同様の効果
が得られる。
【0032】(第2の実施形態)図6は、本発明の第2
の実施形態を示すウェハの断面図である。図6に示すよ
うに本実施形態では、ウェハ51は、アライメント光4
5を透過する材料からなる光透過層56の両面をウェハ
層57,58で挟んだ積層体で構成される。各ウェハ層
57,58のうち一方のウェハ層57が、ウェハ51の
表面すなわちパターンが転写される面となる。
【0033】一方のウェハ層57には、その周辺部、お
よび各チップパターンが転写される位置に、それぞれ穴
が形成されている。これら各穴には、第1の実施形態と
同様の透光性材料が埋め込まれており、ウェハ51の表
面は平坦になっている。さらに、そのウェハ51の表面
には、第1の実施形態と同様に、透光性を有する薄膜5
2およびレジスト53が形成される。薄膜52およびレ
ジスト53の、一方のウェハ層57の周辺部に形成され
た穴に対応する部分にも穴が形成されている。このよう
に、平坦なウェハ51の表面に薄膜52およびレジスト
53が形成されるので、レジスト53の表面も、穴が形
成された部分を除いて平坦になっている。
【0034】ウェハ11の周辺部の穴が形成された部分
は、アライメント光45が導入される光導入部55とな
っている。光導入部55にアライメント光45が入射さ
れると、入射したアライメント光45は光透過層56を
透過し、その一部が、一方のウェハ層57の穴に埋め込
まれた透光性材料を通してウェハ51の表面から出射す
る。本実施形態では、このアライメント光45が出射す
る部分すなわち光出射部54がアライメントマークとし
て機能する。
【0035】ここで、図6に示したウェハ51へのアラ
イメントマークの形成方法の一例について、図7を参照
して説明する。本実施形態では、図6に示したように、
内部に光透過層56が設けられた構造を有するが、この
ようなウェハ51を作製するには、SOI(Silicon On
Insulator)基板の作製方法を用いるとよい。SOI基
板の作製方法にはいくつかの種類があるが、ここでは、
最も一般的な方法である、2枚のウェハを貼り合わせる
方法で説明する。
【0036】まず、図7(a)に示すように、1枚のシ
リコンウェハ51aの表面に透光性薄膜56aを形成す
る。そして、この透光性薄膜56aの表面にもう1枚の
シリコンウェハを貼り合せ、これにより、図7(b)に
示すように、2つのウェハ層57,58の間に光透過層
56が挟まれた積層体が得られる。次いで、図7(c)
に示すように、一方のウェハ層57の表面を研磨して一
方のウェハ層57を薄膜化する。次いで、一方のウェハ
層57の光導入部55および光出射部54となる部分を
エッチングにより除去して図7(d)に示すように穴5
7a,57bを形成し、これら穴57a,57bを、図
7(e)に示すように透光性材料55a,54aで埋め
込み、これにより光導入部55および光出射部54が形
成される。
【0037】図6に示したウェハ51を用いてアライメ
ントを行うには、ウェハアライメント光源(不図示)お
よび光検出器(不図示)は、ともにウェハ51の表面側
に配置される。そして、ウェハアライメント光源から出
射されたアライメント光45が光導入部55に照射され
ると、アライメント光45は光透過層56を通って光出
射部54から出射する。この光出射部54から出射した
アライメント光45を光検出器で検出することで、実質
的なアライメントマークである光出射部54の位置を測
定し、これによってウェハ51のアライメントを行う。
【0038】このように、光導入部55の位置と光出射
部54の位置を異ならせ、光導入部55に入射したアラ
イメント光45が光透過層56を通って光出射部54か
ら出射し、その出射したアライメント光45を検出する
ようにすることで、アライメント光45が入射される部
分と出射される部分とがウェハ51の同じ側に存在して
いても、光導入部55でのアライメント光の反射光が、
光出射部54から出射したアライメント光45に与える
影響は極めて少なくなる。さらに、光出射部54上に形
成された薄膜52の表面でのアライメント光45の反射
や、薄膜52内でのアライメント光45の多重干渉に起
因するアライメント誤差がほとんど生じなくなる。その
結果、高精度なアライメントが実現できる。
【0039】本実施形態では、光導入部55と光出射部
54とがウェハ51の同じ側に設けられた例を示した
が、ウェハ51に入射するアライメント光45の反射光
による影響をより確実に排除するためには、図8に示す
ように、他方のウェハ層58’に光導入部55’を設
け、光導入部55’と光出射部54とを反対側に配置し
てもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ウェハに
設けられるアライメントマークを、アライメント光を透
過する材料で構成し、しかも、アライメント光の入射部
分の位置と出射部分の位置とをウェハの面内方向で互い
異ならせている。このようなウェハを用い、アライメ
ントマークの出射部分から出射したアライメント光を検
出して位置合わせを行うことで、アライメント光の反射
による影響をなくすることができる。その結果、ウェハ
の位置合わせ精度を大幅に向上させることができ、ひい
ては微細パターンを持つ半導体デバイスを容易に製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すウェハの断面図
である。
【図2】図1に示したウェハへのアライメントマークの
形成方法の一例を説明するための図である。
【図3】図1に示したウェハのアライメントを行うため
の、光リソグラフィにおけるアライメント装置の一例の
概略構成図である。
【図4】図1に示したウェハのアライメントを行うため
の、X線リソグラフィにおけるアライメント装置の一例
の概略構成図である。
【図5】図1に示したウェハの応用例の断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示すウェハの断面図
である。
【図7】図6に示したウェハへのアライメントマークの
形成方法の一例を説明するための図である。
【図8】図6に示したウェハの応用例の断面図である。
【図9】従来のウェハのアライメントマーク近傍の摸式
的断面図である。
【図10】従来のアライメントマークを用いた場合のア
ライメント方法を説明するための摸式的断面図である。
【図11】従来の回折格子状のアライメントマークを用
いた場合のアライメント方法を説明するための摸式的断
面図である。
【図12】光リソグラフィにおける従来のアライメント
方法を説明するための図である。
【図13】X線リソグラフィにおける従来のアライメン
ト方法を説明するための図である。
【図14】従来のウェハでの、薄膜表面でのアライメン
ト光の反射によるアライメント誤差を説明するためのウ
ェハの模式的断面図である。
【図15】従来のウェハでの、薄膜中でのアライメント
光の多重干渉によるアライメント誤差を説明するための
ウェハの模式的断面図である。
【符号の説明】
5,25,35,45 アライメント光 11,51 ウェハ 11a,57a,57b 穴 12,12a,12b,52 薄膜 13,53 レジスト 14,26a アライメントマーク 20 ウェハアライメント光学系 21,31 ウェハアライメント光源 22 レンズ 23 ミラー 24,34 光検出器 26 レチクル 27 レチクルアライメント光学系 35 X線マスク 36 X線透過膜 51a シリコンウェハ 54 光出射部 54a,55a 透光性材料 55,55’ 光導入部 56 光透過層 56a 透光性薄膜 57,58,58’ ウェハ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/30 531J (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 9/00 H01L 21/02 H01L 21/68

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リソグラフィ技術によりパターンが形成
    されるウェハであって、 位置合わせのためのアライメント光を透過する材料から
    なる光透過層の両面を2つのウェハ層で挟んだ積層体で
    構成され、 前記ウェハ層のいずれか一方に、前記アライメント光を
    前記光透過層に入射させるための第1の穴が形成される
    とともに、前記パターンが形成される側のウェハ層に、
    前記光透過層に入射したアライメント光を前記積層体か
    ら出射させるための第2の穴が形成され、 前記第1及び第2の穴は、前記ウェハ層の面内方向で互
    いに異なる位置に形成され、かつ、それぞれ前記アライ
    メント光を透過する材料が埋め込まれていることを特徴
    とするウェハ。
  2. 【請求項2】 前記第1の穴は、前記パターンが形成さ
    れる側のウェハに形成されている請求項1に記載のウェ
    ハ。
  3. 【請求項3】 前記第1の穴は、前記パターンが形成さ
    れる側と反対側のウェハに形成されている請求項2に記
    載のウェハ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のウェハの位置合わせ方法であって、 前記アライメント光を前記第1の穴が形成された部分に
    照射し、前記アライメント光を透過する材料を透過して
    前記第2の穴が形成された部分から出射した光を検出す
    ることで、前記ウエハの位置合わせを行うウェハの位置
    合わせ方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のウェハの位置合わせ装置であって、 前記アライメント光を前記第1の穴が形成された部分に
    照射するための光源と、 前記アライメント光を透過する材料を透過して前記第2
    の穴が形成された部分から出射した光を検出する光検出
    器とを有するウェハの位置合わせ装置。
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