JP2998169B2 - 異方導電体用構造体及び異方導電体の製造方法 - Google Patents

異方導電体用構造体及び異方導電体の製造方法

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JP2998169B2 JP2094975A JP9497590A JP2998169B2 JP 2998169 B2 JP2998169 B2 JP 2998169B2 JP 2094975 A JP2094975 A JP 2094975A JP 9497590 A JP9497590 A JP 9497590A JP 2998169 B2 JP2998169 B2 JP 2998169B2
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    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、厚さ方向には導電性を有するが、面方向
には絶縁性である、いわゆる異方導電体用構造体及び異
方導電体の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
厚さ方向には導電性を有するが、面方向には絶縁性で
あるいわゆる異方導電体は、電子機器等の分野において
広く利用されてきている。
たとえば、異方導電体は、その性質を利用して、プリ
ント回路基板同士の接続やプリント回路基板と各種の電
気電子素子、特に接続ピッチの細かな液晶表示板の接続
などによく使用されている。
また、異方導電体は、ノンインパクトタイプのプリン
タの印字用電極に応用することもできる。すなわち、イ
ンク媒体のインクを熱によって被記録媒体上に転写して
画像の記録を行うノンインパクトタイプのプリンタにお
いて、インク媒体への画像情報に応じた熱エネルギの印
加を、画像情報に応じて発熱する記録ヘッドによって行
うのではなく、インク媒体自体に発熱層を担持させ、こ
のインク媒体の発熱層に異方導電体からなる印字用電極
を通して画像情報に応じた領域にのみ通電を行い、イン
ク媒体の発熱層を画像情報に応じて発熱させることによ
って画像の記録を行うようにしたものである。
このような応用例を考えた場合、異方導電体の導体
は、導通抵抗及び接触抵抗が低く、かつ導体が強度を有
し、外力が加わったり擦られたりしても抵抗値が安定し
ていることが望ましい。この観点からは、異方導電体の
導体に金属繊維等からなる線状導体を用いるのが好適で
ある。
従来、この種の線状導体を用いた異方導電体及びその
製造方法に関するものとしては、次に示すようなものが
ある。すなわち、特公昭58−58766号公報、特公昭60−3
2282号公報、特公昭61−46922号公報に示すように、ほ
ぼ等しい長さを有する多数の磁性線状導電体を電気的に
絶縁特性を有するマトリックス液中に分散させ、その混
合液を前記磁性線状導電体の長さにほぼ等しい厚みのシ
ート状に保持するとともに、このシート状混合液を規則
的に配列された多数の凸部を有する磁極面に近接して対
向させ、シート状混合液に厚み方向の不均一磁界を作用
させて磁性線状導電体を前記磁極面の凸部に集中させる
とともにこれを前記厚み方向に配向させ、この状態を維
持しつつ前記マトリクス液を固化せしめるように構成し
たものが提案され、実際に製造されてもいる。
一方、特開昭59−93323号公報や特開昭61−133586号
公報に示すように、絶縁性材料に金属線または金属繊維
を混合したのち、これを円盤状に成型される金型にその
中心部から円周方向に射出成形して金属線または金属繊
維が射出方向に配向された円盤状成形品を作り、ついで
この成形品をその円周方向に沿ってスライスし、連続シ
ート状体を取得するように構成したものも提案されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点
を有している。すなわち、前者の異方導電体及びその製
造方法の場合には、マトリックス液中に分散された金属
繊維を磁界で配向させるものであるため、導体の密度を
高めたり、導体を規則的に配列させようとすると、一部
に磁界を集中させたり、磁界を規則的に発生させる必要
があるため、複雑な形状の磁極が必要となる。そのた
め、異方導電体を製造するための製造装置の構成が複雑
になりコスト高になるとともに、大きなサイズの異方導
電体を製造するのが困難であるという問題点がある。
また、硬化前のマトリックス液に磁界を作用させて、
マトリックス液中に分散させた金属繊維を配向させるも
のであるため、金属繊維が絶縁材料中で容易に動き得る
ものでなければならない。そのため、マトリックス液
は、必然的に未硬化の際の粘度が低いものに限定される
ので、硬化後のマトリックスは、可撓性を有するシート
状のものとなり、プリンタの印字用電極のような所定の
形状を維持し得る構造体をつくるのが困難であるという
問題点がある。
一方、後者の異方導電体及びその製造方法の場合に
は、金属繊維を混合した絶縁性材料を金型に射出成形し
て製造するものであるため、大きなサイズのものをつく
るのは容易であるが、金属繊維を射出成形時の流動特性
によって配向させるものであるため、導体を規則的に配
列させることはできずしかも必ずしも全部の導体が絶縁
性材料を貫通して導通しているわけではないという問題
点がある。また、導体の密度の制御が困難であるばかり
か、異方導電体を精度良く薄く切断するための装置等が
必要であり、製造装置の構成が複雑になるという問題点
を有している。
そこで、上記の問題点のうち、生産性の問題点を解決
し、金属製繊維を導体とする異方導電体を効率良く製造
するための方法としては、特開昭63−34806号公報に示
すように、静電植毛法を応用したものが既に提案されて
いる。
これは、離型シート上に植毛用樹脂層を形成し、樹脂
層に導電性を有する短繊維を離型シートの離型面に短繊
維の一端が実質的に到達するように植毛し、樹脂層を硬
化させた後、植毛した短繊維の樹脂層から突出する部分
を個々に絶縁性樹脂の塗膜で覆い、離型シートを剥離し
て構成したものである。
しかし、この方法は、厚さ方向の導通を得るために導
電性繊維を植毛のベースとする樹脂層を貫通させる必要
があるため、樹脂層の粘度が高くなったり、厚さが厚く
なったりすると貫通しない導電性繊維があらわれ、導通
不良が起こるほか、樹脂層の粘度が低いと樹脂層が硬化
するまでに、植毛された導電性繊維が倒れてしまい、面
方向に導通してしまうという問題点を有している。ま
た、導電性繊維が樹脂層に横に寝て付着するのを防止で
きないうえ、横に寝て付着した導電性繊維を除去できな
いので、面方向に導通が生じるのを防止することができ
ないという問題点をも有している。このほか導体を規則
的に配列させることができないという問題点もある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、導
体として線状導体を用いることによって、導体の導通抵
抗及び接触抵抗が低く、かつ導体が強度を有し、外力が
加わったり擦られたりしても抵抗値が安定しているのは
勿論のこと導体の経時変化が少なくしかもサイズの制約
がなく、導体を高密度にかつ規則的に配列できるととも
に、様々な絶縁体を使用できる異方導電体を、簡単な製
造装置によって製造することができ、コストダウンが可
能な異方導電体用構造体及び異方導電体の製造方法を提
供することにある。
すなわち、この発明に係る異方導電体用構造体は、第
1図に示すように、静電植毛用の電極上に塗布され、構
造体を形成する絶縁性材料3が硬化した後は除去されて
しまう導電性の接着剤層4と、この導電性接着剤層4に
静電植毛される多数本の線状導体2、2…と、植毛され
た線状導体2、2…の間に充填・硬化され、線状導体
2、2…がその厚さ方向に配向しており、かつ線状導体
2、2…の両端が表裏両面から露出している構造体を形
成するための絶縁性材料3を備えるように構成されてい
る。
そして、この異方導電体の第1の製造方法としては、
第2図(a)に示すように、静電植毛用の電極上に導電
性の接着剤を塗布する接着剤塗布工程A1と、静電植毛用
電極上に塗布された導電性接着剤層上に多数本の線状導
体を静電植毛する静電植毛する静電植毛工程A2と、静電
植毛用電極上の導電性接着剤層に植毛された線状導体間
に絶縁性材料を充填硬化させ、異方導電体用構造体とし
ての絶縁性構造体を形成する絶縁性構造体形成工程A3
と、絶縁性構造体の片面に固着している静電植毛用電極
を除去した後、絶縁性構造体の表裏両面を研磨して、線
状導体の両端を絶縁性構造体の表裏両面から露出させる
研磨工程A4とからなる。
また、この異方導電体の第2の製造方法としては、第
2図(b)に示すように、静電植毛用の電極上に導電性
のホットメルト接着剤を塗布する接着剤塗布工程B1と、
静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層上に多数
本の磁性を有する線状導体を静電植毛する静電植毛工程
B2と、導電性のホットメルト接着剤を軟化させた状態
で、静電植毛用電極上の導電性接着剤層上に植毛された
線状導体に磁界を印加することにより、線状導体の直立
性を向上させる磁界印加工程B3と、静電植毛用電極上の
導電性接着剤層に植毛された線状導体間に絶縁性材料を
充填硬化させ、絶縁性構造体を形成する絶縁性構造体形
成工程B4と、絶縁性構造体の片面に固着された静電植毛
用電極を除去した後、絶縁性構造体の表裏両面を研磨し
て、線状導体の両端を絶縁性構造体の表裏両面から露出
させる研磨工程B5とからなる。
さらに、この異方導電体の第3の製造方法としては、
第2図(c)に示すように、静電植毛用の電極上に導電
性の接着剤を塗布する接着剤塗布工程C1と、静電植毛用
電極上に塗布された導電性接着剤層上に、線状導体を所
定のパターンにしたがって植毛するための植毛位置規制
部材を敷設する植毛位置規制部材敷設工程C2と、静電植
毛用電極上に塗布された導電性接着剤層に多数本の線上
導体を静電植毛する静電植毛工程C3と、静電植毛用電極
上の導電性接着剤層上に植毛された線状導体間に絶縁材
料を充填硬化させ、絶縁性構造体を形成する絶縁性構造
体形成工程C4と、絶縁性構造体の片面に固着された静電
植毛用電極を除去した後、絶縁性構造体の表裏両面を研
磨して、線状導体の両端を絶縁性構造体の表裏両面から
露出させる研磨工程C5とからなる。
さらにまた、この異方導電体の第4の製造方法として
は、第2図(d)に示すように、静電植毛用の電極上に
導電性のホットメルトと接着剤を塗布する接着剤塗布工
程D1と、静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層
上に、線状導体を所定のパターンにしたがって植毛する
ための植毛位置規制部材を敷設する植毛位置規制部材敷
設工程D2と、静電植毛用電極上に塗布された導電性接着
剤層に多数本の磁性を有する線状導体を静電植毛する静
電植毛工程D3と、導電性のホットメルト接着剤を軟化さ
せた状態で、静電植毛用電極上の接着剤層に植毛された
線状導体に磁界を印加することにより、線状導体の直立
度を向上させる磁界印加工程D4と、静電植毛用電極上の
導電性接着剤層上に植毛された線状導体間に絶縁性材料
を充填硬化させ、絶縁性構造体を形成する絶縁性構造体
形成工程D5と、絶縁性構造体の片面に固着された静電植
毛用電極を除去した後、絶縁性構造体の表裏両面を研磨
して、線状導体の両端を絶縁性構造体の表裏両面から露
出させる研磨工程D6とからなる。
このような技術的手段において、上記絶縁性構造体を
形成する材料としては、例えばシリコンゴム、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂からなるものが用い
られるが、これに限定されるものではなく、線状導体と
する金属等との密着性が良く、注型することによって所
定の形状に成形可能なものであれば、他の材料を用いて
も良いことは勿論である。また、上記絶縁性構造体とし
ては、例えばセラミックスやガラスのスラリーを用いる
ことによって、耐熱性を有する異方導電体を製造するこ
とができる。
また、導電性の接着剤としては、ホットメルト接着剤
が用いられるが、ホットメルト接着剤を要件としない請
求項に記載の発明にあっては、必ずしもこれに限定され
るわけではなく、通常よく用いられる接着剤やタックシ
ートを接着剤層として用いてもよい。
さらに、線状導体としては、金属製の短繊維や炭素繊
維等からなるものが用いられる。この線状導体は、異方
導電体の抵抗を低くするという観点からすれば、比抵抗
の小さい銅、アルミニウム、銀等の金属あるいはこれら
の合金を素材としたものを用いればよく、また、入手
性、価格の適当な点からすれば、例えば鉄、ニッケル、
錫、コバルトあるいはこれらの合金(Ni−Co,Co−Sn,ス
テンレス,青銅(Cu−Sn),黄銅(Cu−Zn),Cu−Be,リ
ン青銅,洋白(Cu−Ni−Zn),コバール(Ni−Co−F
e),Cu−Fe,Fe−Ni等)を選択することができる。ま
た、線状導体の長さ、太さについては、異方導電体の特
性等を考慮して決定される。
また、上記線状導体に磁性が要求される場合には、ニ
ッケル、鉄、フェライト又はマルテンサイト系のステン
レスのような磁性を有する金属ならばそのまま用いるこ
とができ、更に、銅、銀、アルミニウムのような磁性を
有しない金属でも、表面に磁性を有するニッケルや鉄等
をメッキすることによって使用することができる。
さらに、上記線状導体の表面に表れている部分には、
金や錫等をメッキすることにより、接点の耐食性を向上
させることができるとともに、接触抵抗を低減させるこ
ともできる。また、上記線状導体の表面には、必要に応
じて絶縁処理を施すことによって、線状導体が互いに接
触することによる面方向の導通を防止することができ
る。
そして、上記金属短繊維の製造方法としては、金属の
溶湯を細いノズルから高速回転するロールにジェット噴
射させるメルトスピニング法、線引き法による引抜き成
形で長い金属繊維を制作した後これを分断する方法、板
材をせん断する方法、びびり振動切削法で直接母材から
生成する方法等適宜選択して差し支えない。
また、接着剤層に線状導体を静電植毛する方法として
は、静電界の作用によって帯電された線状導体を接着剤
層側へ飛翔させて植毛するものであれば適宜選択して差
し支えない。この場合において、線状導体の飛翔方向に
ついても、上方から下方へ飛翔させるダウン法、下方か
ら上方へ飛翔させるアップ法、横方向へ飛翔させるサイ
ド法等適宜選択して差し支えないが、線状導体のロスを
少なくし、回収を容易にするという観点からすれば、ア
ップ法が好ましい。
〔作用〕
上述したような技術的手段によれば、接着剤層に線状
導体を静電植毛するように構成されているため、線状導
体を起立した状態で容易に植毛することができ、線状導
体間に絶縁性材料を充填硬化させた場合でも、線状導体
を絶縁性構造体の厚さ方向に配向させることができ、異
方導電体の厚さ方向のみの導電性を線状導体によって確
保することができるとともに、異方導電体の面方向の導
通を防止することができる。
また、絶縁性構造体は、接着剤層上に線状導体を静電
植毛し、線状導体間に絶縁性材料を充填硬化させること
によって形成されるので、絶縁性構造体の材質は特に限
定されず、しかも異方導電体を任意の形状に成形するこ
とができる。
さらに、異方導電体は、主に静電植毛工程と、絶縁性
構造体形成工程と、研磨工程等からなるため、簡単な製
造装置でしかも比較的短時間に製造することができ、コ
ストダウンが可能となる。
また、線状導体を規則的に配列する場合でも、静電植
毛工程に先立って植毛位置規制部材を接着剤層に敷設す
ればよく、極めて簡単な工程で線状導体が規則的に配列
した異方導電体をも製造することができる。また、植毛
位置規制部材を用いることによって線状導体が接着剤層
に横に寝て付着するのを防止することができるので、面
方向の絶縁性を保つことができる。
しかも、請求項第1項乃至第8項の異方導電体用構造
体及び異方導電体の製造方法によれば、線状導体を静電
植毛するための接着剤層が導電性を有しているので、静
電植毛に際して線状導体に帯電した電荷は、線状導体が
接着剤層に植毛されたときに、接着剤層を介してアース
に逃げ中和されるため、線状導体が帯電したまま植毛さ
れる場合のように、線状導体の先端部に帯電した電荷が
互いに反発して、線状導体の直立性が乱されるのを防止
することができる。また、上記線状導体は、植毛後に再
度静電誘導現象によって電荷の分極が起こるが、接着剤
層側の電荷はアースに逃げて中和されるので、植毛され
た線状導体の下端は、下方に配置される高圧電極からク
ーロン力によって引かれ、この点からも線状導体の直立
性を保持することができる。
〔実施例〕
以下、添付図面に示す実施例に基づいてこの発明に係
る異方導電体用構造体及び異方導電体の製造方法を詳細
に説明する。
実施例1 第3図及び第4図はこの発明に係る異方導電体用構造
体を用いた異方導電体の一実施例を示すものである。
図において、1は異方導電体を示すものであり、この
異方導電体1は、静電植毛用の電極上に塗布され、構造
体を形成する絶縁性材料3が硬化した後は除去されてし
まう接着剤層4と、この接着剤層4に静電植毛される多
数本の線状導体としての金属短繊維2、2…と、植毛さ
れた金属短繊維2、2…の間に充填・硬化され、金属短
繊維2、2…がその厚さ方向に配向しており、かつ金属
短繊維2、2…の両端が表裏両面から露出している構造
体を形成するための絶縁性材料3を備えるように構成さ
れている。上記金属短繊維2、2…は、複数本集まった
ものが集合体を形成しており、この金属短繊維2、2…
は、第3図に示すように、絶縁性基板3の表面に碁盤の
目状に配列されている。
この実施例において、上記絶縁性基板3としては、厚
さ0.8mmのシリコンゴムからなる可撓性を有するシート
状のものが用いられる。
また、上記金属短繊維2としては、ニッケルの棒状材
料からなる母材をびびり振動切削して製造したものが用
いられる。このびびり振動切削法は、第5図に示すよう
に、母材5を回転可能に支承して適宜切削速度vで回転
させる一方、びびり振動Fが生じ得る弾性切削工具6に
第6図(a)(b)に示すように超硬チップ6a(のこぎ
り刃6a′を有する超硬チップ)を取付けると共に、上記
母材5に上記超硬チップ6aを好ましくは負に大きなすく
い角をもって接触させ、母材5の表面を旋削することで
積極的にびびり振動を生起させ、これにより超硬チップ
6aの変位(後退と突入)で母材5から金属短繊維2を製
造するものである。
このようにして製造された金属短繊維2は、第7図に
示すように、金属短繊維2の長さ、太さの平均は1.2mm,
50μmであった。
次に、上述した異方導電体の製造方法について説明す
る。
先ず、静電植毛用の電極上に接着剤を塗布する接着剤
塗布工程を行う。すなわち、第8図(a)に示すよう
に、所定の大きさの矩形状に形成された電極としてのア
ルミ板10を用意し、このアルミ板10上に、導電性のホッ
トメルト接着剤4を塗布する。この実施例では、導電性
のホットメルト接着剤4として、ポリアミドのホットメ
ルト接着剤4に200メッシュ以下の電解銀粉を75wt%混
合したものが用いられる。また、上記ホットメルト接着
剤4の塗布方法としては、ローラの表面に塗膜の厚さを
規制する溝が設けられ、接着剤4を均一な厚さに塗布可
能なローラコータを用い、電極とするアルミ板10上に40
μmの厚さに導電性のホットメルト接着剤4を塗布す
る。
次に、上記静電植毛用電極上に塗布された接着剤層上
に、線状導体を所定のパターンにしたがって植毛するた
めの植毛位置規制部材を敷設する植毛位置規制部材敷設
工程が行われる。この植毛位置規制部材敷設工程におい
ては、第8図(b)に示すように、上記アルミ板10上に
金属短繊維2を所定の位置に植毛するための植毛位置規
制シート11が敷設される。この植毛位置規制シート11と
しては、第9図に示すように、例えば感光性のポリビニ
ルアルコール樹脂を、所定のパターンに従って感光させ
て、植毛位置規制用の正方形状の孔12、12…を所定のピ
ッチで基盤の目状に穿設したものが用いられる。この実
施例では、上記植毛位置規制シート11として、500μm
ピッチで一辺が300μmの平面正方形状の孔12、12…
を、碁盤の目状に穿設した厚さ100μmのものを用い
た。
その後、第8図(c)に示すように、上記静電植毛用
電極上に塗布された接着剤層に多数本の磁性を有する線
状導体に静電植毛する静電植毛工程が行われる。この金
属短繊維植毛工程において用いられる静電植毛法は、所
謂アップ法と称されるもので、第10図に示すように、高
圧電極13を略水平方向に配設するとともに、この高圧電
極13には高圧電源からなる高圧発生器14を接続する。ま
た、高圧電極13の上方には、高圧電極13に対向する接地
電極としてのアルミ板10を、アクリル製のカバーCを介
して適宜間隔(この実施例では17cm)離して配設し、高
圧電極13上に多数の金属短繊維2、2…を載置する。
尚、第10図中、Dは絶縁性の基台を示している。
また、上記アルミ板10の上部には、シリコンラバーヒ
ータ15を載置するとともに、このシリコンラバーヒータ
15に通電して発熱させて、アルミ板10上に塗布されたホ
ットメルト接着剤4を軟化させる。そして、上記高圧電
極13に高圧発生器14からの高電圧(この実施例では約+
27KV)を所定時間(この実施例では3分)印加すること
により、高圧電極13上の金属短繊維2、2…を帯電させ
ると同時に、高圧電極13と接地電極としてのアルミ板10
との間に鉛直方向に作用する電界Eを形成し、この電界
Eに沿って上記金属短繊維2、2…をアルミ板10の接着
剤層4側へ飛翔させ、接着剤層4に金属短繊維2、2…
を静電気力で植毛するものである。その後、高圧電極13
に電圧を印加したまま、シリコンラバーヒータ15への通
電を停止してアルミ板10を冷却し、ホットメルト接着剤
4を硬化させて、金属短繊維2、2…を接着剤層4に固
定する。
上記静電植毛に際して、上記接着剤層4の表面側に
は、植毛位置規制シート11が配置されているため、金属
短繊維2、2…は、植毛位置規制シート11の開口部12、
12…を通してのみ植毛される。その結果、金属短繊維
2、2…は、第8図(c)に示すように、植毛位置規制
シート11の開口部12、12…に、十数本が比較的直立した
状態で植毛される。
この金属短繊維植毛工程においては、電界Eの作用方
向は接着剤層4に直交するため、電界Eの作用方向に沿
って飛翔する金属短繊維2、2…は上記接着剤層4に起
立した状態で、高密度に植毛されることになる。
なお、上記金属短繊維2、2…が植毛される接着剤層
4は、導電性を有しているので、静電植毛に際して金属
短繊維2、2…に帯電した電荷は、金属短繊維2、2…
が接着剤層4に植毛されたときに、接着剤層4及びアル
ミ板10を介してアースに逃げ中和される。そのため、金
属短繊維2、2…が帯電したまま植毛される場合のよう
に、金属短繊維2、2…の先端部に帯電した電荷が互い
に反発して、金属短繊維、2、2…の直立性が乱される
のを防止することができる。
また、上記金属短繊維2、2…は、植毛後に再度静電
誘導現象によって電荷の分極が起こるが、接着剤層4側
の電荷はアースに逃げて中和されるので、植毛された金
属短繊維2、2…の下端は、下方の高圧電極13からクー
ロン力によって引かれ、この天からも金属短繊維2、2
…の直立性を保持することができる。
尚、静電植毛法としては、上記のものに限られるもの
ではなく、例えば、第11図に示す所謂ダウン法と称され
るもの、具体的には、植毛用の金属短繊維2、2…が収
容されるホッパ19の下面部に金属ネット等からなる高圧
電極16を略水平方向に配設するとともに、この高圧電極
16の下部には高圧電極16に対向する接地電極17を配設
し、上記高圧電極16に高圧発生器18からの高電圧を印加
することにより両電極16、17間に鉛直方向に作用する電
界Eを形成し、接地電極17側に配置された接着剤層4に
上記金属短繊維2、2…を植毛するようにしたものや、
第12図に示す所謂サイド法と称されるもの、具体的に
は、植毛用の金属短繊維2、2…が収容されるホッパ19
の下方側に高圧電極20と接地電極21とを略鉛直方向に沿
って対向配置し、高圧電極20に高圧発生器22からの高電
圧を印加することにより両電極20、21間に水平方向に作
用する電界Eを形成し、接地電極21側に配置された接着
剤層4にホッパ19から落下する金属短繊維2、2…を略
90゜方向転換させて植毛するようにしたものであっても
よい。
その後、上記静電植毛用電極上の接着剤層上に植毛さ
れた線状導体に磁界を印加することにより、線状導体の
直立度を向上させる磁界印加工程が行われる。すなわ
ち、上記の如く金属短繊維2、2…が植毛されたアルミ
板10を植毛装置から取り出し、このアルミ板10を磁界発
生装置23に取り付ける。
この磁界発生装置23は、第13図に示すように、断面コ
字形状に形成されたヨーク24の互いに平行な対向面に固
着された一対の永久磁石25、26を備えており、両永久磁
石25、26の対向するN極とS極との間に均一な磁界Hを
発生させるものである。そして、上記金属短繊維2、2
…が植毛されたアルミ板10を支持部材27によって支持す
ることにより、両永久磁石25、26の対向するN極とS極
との中間に配置するとともに、アルミ板10の背面にシリ
コンラバーヒータ15を載置する。
次に、このシリコンラバーヒータ15に通電してアルミ
板10を加熱し、アルミ板10上に塗布されているホットメ
ルト接着剤4を軟化させる。この状態で数分間保持する
ことによって、金属短繊維2、2…は、ホットメルト接
着剤層4の軟化に伴ってある程度自由に動き得るように
なり、磁界発生装置23によって形成される磁界Hに沿っ
て配向し、植毛位置規制シート11の孔12、12…内におい
て直立した状態となる。その後、シリコンラバーヒータ
15への通電を停止してアルミ板10を冷却し、アルミ板10
上に塗布されているホットメルト接着剤層4を硬化さ
せ、金属短繊維2、2…を起立した状態に保持する。こ
うすることによって、第8図(d)に示すように、金属
短繊維2、2…の直立性をさらに向上させることができ
る。
本発明者は、上記磁界印加工程による金属短繊維2、
2…の直立性の向上を確認するため、磁界印加工程終了
後の金属短繊維2、2…の植毛状態を顕微鏡で観察した
ところ、金属短繊維2、2…の直立性が確実に向上して
いることがわかった。
なお、この実施例では、上記磁界発生装置23として、
約500〔gauss〕の均一な磁界を発生するものを用いた。
さらに、上記静電植毛用電極上の接着剤層に植毛され
た線状導体間に絶縁性材料を充填硬化させ、絶縁性基板
を形成する絶縁性基板形成工程が行われる。その際、絶
縁性合成樹脂の充填に先立って、植毛部を磁界発生装置
23から取り出し、金属短繊維2、2…と絶縁性基板3を
構成するシリコンゴムとの接触性を向上させるため、金
属短繊維2、2…の表面にプライマA(信越化学工業株
式会社製)がを塗布される。そして、第8図(e)に示
すように、植毛部の周囲に注型用の型枠30を取付け、シ
リコンゴム(KE1300RTV:信越化学工業株式会社製)を注
型脱泡し、このシリコンゴムを100℃の温度で30分間保
持して硬化させる。
最後に、上記絶縁性基板の片面に固着された静電植毛
用電極を除去した後、絶縁性基板の表裏両面を研磨し
て、線状導体の両端を絶縁性基板の表裏両面から露出さ
せる研磨工程が行われる。すなわち、上記シリコンゴム
3が硬化した後、植毛部をアルミ板10から取り外し、絶
縁性基板3の上下を順に#500、#1000、2000のサンド
ペーパーで研磨し、シリコンゴム3の表面を平滑にする
とともに、表面からニッケル製の金属短繊維2、2…の
端面を露出させ、第8図(f)に示すように、シリコン
ゴムを絶縁性基板3とする可撓性のある異方導電体1を
製造した。その際、アルミ板10上に塗布された接着剤層
4も、研磨工程によって絶縁性基板3の表面から除去さ
れる。
このようにして、製造された異方導電体1の厚さは0.
8mmであり、絶縁性基板3の表面には、500μmピッチで
線状導体であるニッケル製の金属短繊維2、2…が碁盤
の目状に配列していた。
次に、上記異方導電体1の厚さ方向及び隣接する導体
間の抵抗値を、デジタルボルトメータによって測定し
た。
異方導電体1の厚さ方向の抵抗値の測定は、第14図に
示すように、絶縁性の基盤31上に幅1cmの導体パターン3
2を設け、その上に試作された異方導電体1を載置する
とともに、さらに、異方導電体1上の導体パターン32に
対応した位置に、直径1.3mm(面積1cm2)の金属棒33の
端面を載置し、導体パターン32と金属棒33との間の抵抗
値をデジタルボルトメータによって測定し、異方導電体
1が導体パターン32と金属棒33との間に介在しないとき
の抵抗値を減算することによって求めた。
また、異方導電体1の隣接する導体間の抵抗値は、第
15図に示すように、試作された異方導電体1上に2つの
幅1cmの電極34、35を厚さ0.1mmの絶縁性テープ36を介し
て面方向に載置し、両電極34、35間の抵抗値をデジタル
ボルトメータによって測定し、異方導電体1が両電極3
4、35間に介在しないときの抵抗値を減算することによ
って求めた。
上記の測定の結果、異方導電体1の厚さ方向及び隣接
する線状導体間の抵抗値は、約20mΩ及び無限大であっ
た。
実施例2 第16図及び第17図はこの発明の第2の実施例に係る異
方導電体を示すものであり、前記実施例と同一の部分に
は同一の符号を付して説明すると、この実施例では、植
毛位置規制部材として線状導体を高密度で規則的に配列
するためにステンレスメッシュを用いているとともに、
絶縁性基板としては、構造体等をも製造可能なようにエ
ポキシ樹脂を用いている。
そして、この実施例に係る異方導電体は、第18図に示
すようにして製造される。
先ず、第18図(a)に示すように、所定の大きさの矩
形状に形成された電極としてのアルミ板10を用意し、こ
のアルミ板10に第19図に示すように矩形状の開口部40を
形成する。そして、このアルミ板10の開口部40の表面側
に、第18図(b)及び第21図に示すように、ピッチ63μ
m、開口部41aの大きさが40μm四方のステンレスメッ
シュ41(第20図に図示)を貼り付けるとともに、開口部
40の裏面側に導電コート剤を塗布し表面の抵抗値を108
〜109Ωに調整したポリアミドのホットメルト接着剤シ
ート42を貼り付ける。
この実施例では、金属短繊維2としてびびり振動切削
法によって製造された長さ、太さの平均が1.1mm,20μm
のNi金属短繊維を用いた。
次に、この金属短繊維2の表面に無電解銅メッキ法
で、厚さ1〜3μmの銅メッキ層を設け、ついでこの金
属短繊維2を過硫酸カリウム10g/と水酸化ナトリウム
50g/を混合し、102〜110℃に熱した溶液中に3〜10分
浸漬し、第22図に示すように、銅メッキ層を酸化させ酸
化第二銅からなる高抵抗層43を生成させた。その後、実
施例1と同様に、第10図に示す植毛装置にこの金属短繊
維2、2…を入れ、静電植毛工程を行う。このとき、シ
リコンラバーヒータ15に通電して発熱させてホットメル
ト接着剤シート42を軟化させるとともに、高圧電極13に
高圧発生器14からの高電圧(この実施例では約+22KV)
を所定時間(この実施例では3分)印加することによ
り、静電植毛工程を行う。こうすることによって、ステ
ンレスメッシュ41の開口部41aに金属短繊維2、2…を
高密度でしかも微細なピッチで植毛することができる。
次に、実施例1と同様に、磁界印加工程を行い、植毛
部の直立性を向上させる。
さらに、実施例1と同様に絶縁性基板形成工程を行
う。すなわち、第18図(e)に示すように、アルミ板10
の開口部40にエポキシ樹脂(CEC091C:日立化成工業株式
会社製)を注型脱泡し、このエポキシ樹脂を硬化させ
る。
そして最後に、上記植毛部をアルミ板10から取り出
し、片面ラッピングマシンで絶縁性基板3の上下両面を
順に研磨し、表面を平滑にするとともに、絶縁性基板3
の表面から金属短繊維2、2…を露出させ、第16図に示
すように、エポキシ樹脂からなる絶縁性基板3を有する
異方導電体1を製造する。
このようにして、製造された異方導電体1の厚さは0.
6mmであり、絶縁性基板3の表面には、平均12本/mmのピ
ッチで線状導体であるニッケル製の金属短繊維2、2…
が碁盤の目状に配列していた。
次に、上記異方導電体1の厚さ方向及び隣接する導体
間の抵抗値を、デジタルボルトメータによって測定した
ところ、異方導電体1の厚さ方向及び隣接する線状導体
間の抵抗値は、約20mΩ及び無限大であった。
また、異方導電体1の金属端短繊維2、2…に連続し
て大きな電流を流した場合における異方導電体1の温度
上昇を調べる測定を行った。この温度測定は、第23図に
示すように、絶縁性の基盤50上に幅3cmの導体パターン5
1を設け、その上に試作された異方導電体1を載置する
とともに、さらに、異方導電体1上の導体パターン51に
対応した位置に、直径1.3mm(面積1cm2)の金属棒52の
端面を載置し、導体パターン51と金属棒52との間に、電
源53、電流計54及び定電流負荷装置55を介して4Aの電流
を流し、金属棒52の上端、導体パターン51上の異方導電
体1表面及び導体パターン51から離れた位置の異方導電
体1表面の温度をそれぞれ測定した。
その結果、導体パターン51上の異方導電体1表面と金
属棒52の上端Tdとの温度差は24℃であった。
実施例3 第24図はこの発明の第3の実施例に係る異方導電体を
示すものであり、前記実施例と同一の部分には同一の符
号を付して説明すると、この実施例では、植毛位置規制
部材として線状導体を高密度で規則的に配列するために
ステンレスメッシュを用いているとともに、絶縁性基板
としては、可撓性を有するものを製造可能なようにポリ
イミド樹脂を用いている。
そして、この実施例に係る異方導電体は、第25図
(a)〜(f)に示すようにして製造される。
基本的な製造方法は、実施例2と同様であり、静電植
毛工程後に磁界印加工程を行い、植毛部の直立性を向上
させる。
その後、実施例1と同様に絶縁性基板形成工程を行
う。すなわち、第25図(e)に示すように、アルミ板10
の開口部40にポリイミドワニス3(カネボウNSC製IP630
を溶剤NMPに20%希釈したもの)を注型脱泡し、このポ
リイミドワニスを硬化させる。
次に、上記植毛部をアルミ板10に付けたまま、硬化し
たポリイミドワニスからなる絶縁性基板3の表面を、第
26図に示すように、ダイヤモンド砥石60で余分な金属端
繊維2、2…を切削し除去した後、植毛部をアルミ板10
から取り出し、絶縁性基板3の上下両面を、順に#100
0、#2000のサンドペーパーで研磨し、表面を平滑にす
るとともに、絶縁性基板3の表面から金属短繊維2、2
…を露出させ、第24図に示すように、ポリイミドからな
る絶縁性基板3を有する異方導電体1を製造する。
このようにして、製造された異方導電体1は、厚さ0.
15mmのフィルム状であり、絶縁性基板3の表面には、平
均12本/mmのピッチで線状導体であるニッケル製の金属
短繊維2、2…が碁盤の目状に配列していた。
次に、上記異方導電体1の厚さ方向及び隣接する導体
間の抵抗値を、デジタルボルトメータによって測定した
ところ、異方導電体1の厚さ方向及び隣接する線状導体
間の抵抗値は、約20mΩ及び無限大であった。
〔発明の効果〕
この発明は以上の構成及び作用よりなるもので、請求
項第1項乃至第8項の異方導電体用構造体及び異方導電
体の製造方法によれば、導体として線状導体を用いるも
のであるため、導体の導通抵抗及び接触抵抗が低く、か
つ導体が強度を有し、外力が加わったり擦られたりして
も抵抗値が安定しているのは勿論のこと、導体の経時変
化が少ない異方導電体を製造することができるばかり
か、接着剤層に線状導体を静電植毛するように構成され
ているため、線状導体を起立した状態で容易に植毛する
ことができ、線状導体間に絶縁性材料を充填硬化させた
場合でも、線状導体を絶縁性基板の厚さ方向に配向させ
ることができ、異方導電体の厚さ方向のみの導電性を線
状導体によって確保することができる。また、異方導電
体は、主に静電植毛工程と、絶縁性基板形成工程と、研
磨工程等からなるため、簡単な製造装置で製造すること
ができ、コストダウンが可能となる。さらに、静電植毛
された線状導体間に充填硬化される絶縁材料は、特に限
定されないので、任意形状及び大面積の異方導電体をも
製造することができる。
しかも、請求項第1項乃至第8項の異方導電体用構造
体及び異方導電体の製造方法によれば、線状導体を静電
植毛するための接着剤層が導電性を有しているので、静
電植毛に際して線状導体に帯電した電荷は、線状導体が
接着剤層に植毛されたときに、接着剤層を介してアース
に逃げ中和されるため、線状導体が帯電したまま植毛さ
れる場合のように、線状導体の先端部に帯電した電荷が
互いに反発して、線状導体の直立性が乱されるのを防止
することができる。また、上記線状導体は、植毛後に再
度静電誘導現象によって電荷の分極が起こるが、接着剤
層側の電荷はアースに逃げて中和されるので、植毛され
た線状導体の下端は、下方に配置される高圧電極からク
ーロン力によって引かれ、この点からも線状導体の直立
性を保持することができる。
また、請求項第6項記載の異方導電体の製造方法によ
れば、静電植毛した後、磁性を有する線状導体に均一な
磁界を印加することによって、線状導体の直立性を向上
させることができるので、線状導体を高密度で配列した
場合でも、異方導電体の面方向の絶縁性を確実に保持す
ることができる。
さらに、請求項第6項又は第7項記載の異方導電体の
製造方法によれば、静電植毛に先立って接着剤層の表面
に植毛位置規制部材を敷設するようにしたので、線状導
体が規則的に配列した異方導電体を極めて簡単に製造す
ることができる。
さらにまた、請求項第8項記載の異方導電体の製造方
法によれば、上記請求項第6項及び第7項記載のものの
効果を兼ね備えた異方導電体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る異方導電体用構造体を用いた異
方導電体を示す概念図、第2図(a)〜(d)はこの発
明に係る異方導電体の製造方法をそれぞれ示す工程図、
第3図及び第4図はこの発明に係る異方導電体の一実施
例を示す斜視図及び断面図、第5図は実施例1において
用いられる金属端繊維の製造方法例を示す説明図、第6
図(a)は第4図で用いられる弾性切削工具に取付けら
れる超硬チップの具体例を示す説明図、第6図(b)は
第6図(a)中X部拡大図、第7図(a)(b)は金属
短繊維を示す斜視図及び断面図、第8図(a)〜(f)
は異方導電体の製造工程をそれぞれ示す断面図、第9図
は植毛位置規制シートを示す平面図、第10図は静電植毛
装置を示す構成図、第11図及び第12図は静電植毛装置の
他の実施例をそれぞれ示す構成図、第13図は磁界発生装
置を示す構成図、第14図及び第15図は異方導電体の抵抗
値を測定する装置をそれぞれ示す斜視図、第16図及び第
17図はこの発明に係る異方導電体用構造体を用いた異方
導電体の他の実施例を示す斜視図及び断面図、第18図
(a)〜(f)はこの発明に係る異方導電体の製造工程
をそれぞれ示す断面図、第19図はアルミ板を示す断面
図、第20図はステンレスメッシュを示す平面図、第21図
はアルミ板にステンレスメッシュと接着剤シートを貼り
付けた状態を示す斜視図、第22図(a)(b)は金属短
繊維の絶縁層を示す外観斜視図及び断面図、第23図は異
方導電体の温度上昇を測定する装置を示す斜視図、第24
図はこの発明に係る異方導電体用構造体を用いた異方導
電体のさらに他の実施例を示す斜視図、第25図(a)〜
(f)はこの発明に係る異方導電体の製造工程をそれぞ
れ示す断面図、第26図は切削工程を示す側面図である。 〔符号の説明〕 1……異方導電体 2……金属短繊維 3……絶縁性構造体 4……接着剤
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 5/16 H01B 13/00 501 H01R 11/01 H01R 43/00 B05D 1/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電植毛用の電極上に塗布され、構造体を
    形成する絶縁性材料が硬化した後は除去されてしまう導
    電性の接着剤層と、 この導電性接着剤層に静電植毛される多数本の線状導体
    と、 植毛された線状導体の間に充填・硬化され、線状導体が
    その厚さ方向に配向しており、かつ線状導体の両端が表
    裏両面から露出している構造体を形成するための絶縁性
    材料を備えたことを特徴とする異方導電体用構造体。
  2. 【請求項2】上記線状導体が金属短繊維からなることを
    特徴とする請求項第1項記載の異方導電体用構造体。
  3. 【請求項3】上記線状導体が、その表面が絶縁処理され
    た金属短繊維からなることを特徴とする請求項第1項又
    は第2項記載の異方導電体用構造体。
  4. 【請求項4】上記線状導体が規則的に配列されているこ
    とを特徴とする請求項第1項乃至第3項のいずれかに記
    載の異方導電体用構造体。
  5. 【請求項5】静電植毛用の電極上に導電性の接着剤を塗
    布する接着剤塗布工程と、 静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層上に多数
    本の線状導体を静電植毛する静電植毛する静電植毛工程
    と、 静電植毛用電極上の導電性接着剤層に植毛された線状導
    体間に絶縁性材料を充填硬化させ、絶縁性構造体を形成
    する絶縁性構造体形成工程と、 絶縁性構造体の片面に固着している静電植毛用電極を除
    去した後、絶縁性構造体の表裏両面を研磨して、線状導
    体の両端を絶縁性構造体の表裏両面から露出させる研磨
    工程とからなることを特徴とする異方導電体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】静電植毛用の電極上に導電性のホットメル
    ト接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、 静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層上に多数
    本の磁性を有する線状導体を静電植毛する静電植毛工程
    と、 導電性のホットメルト接着剤を軟化させた状態で、静電
    植毛用電極上の導電性接着剤層上に植毛された線状導体
    に磁界を印加することにより、線状導体の直立性を向上
    させる磁界印加工程と、 静電植毛用電極上の導電性接着剤層に植毛された線状導
    体間に絶縁性材料を充填硬化させ、絶縁性構造体を形成
    する絶縁性構造体形成工程と、 絶縁性構造体の片面に固着された静電植毛用電極を除去
    した後、絶縁性構造体の表裏両面を研磨して、線状導体
    の両端を絶縁性構造体の表裏両面から露出させる研磨工
    程とからなることを特徴とする異方導電体の製造方法。
  7. 【請求項7】静電植毛用の電極上に導電性の接着剤を塗
    布する接着剤塗布工程と、 静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層上に、線
    状導体を所定のパターンにしたがって植毛するための植
    毛位置規制部材を敷設する植毛位置規制部材敷設工程
    と、 静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層に多数本
    の線上導体を静電植毛する静電植毛工程と、 静電植毛用電極上の導電性接着剤層上に植毛された線状
    導体間に絶縁材料を充填硬化させ、絶縁性構造体を形成
    する絶縁性構造体形成工程と、 絶縁性構造体の片面に固着された静電植毛用電極を除去
    した後、絶縁性構造体の表裏両面を研磨して、線状導体
    の両端を絶縁性構造体の表裏両面から露出させる研磨工
    程とからなることを特徴とする異方導電体の製造方法。
  8. 【請求項8】静電植毛用の電極上に導電性のホットメル
    ト接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、 静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層上に、線
    状導体を所定のパターンにしたがって植毛するための植
    毛位置規制部材を敷設する植毛位置規制部材敷設工程
    と、 静電植毛用電極上に塗布された導電性接着剤層に多数本
    の磁性を有する線状導体を静電植毛する静電植毛工程
    と、 導電性のホットメルト接着剤を軟化させた状態で、静電
    植毛用電極上の接着剤層に植毛された線状導体に磁界を
    印加することにより、線状導体の直立度を向上させる磁
    界印加工程と、 静電植毛用電極上の導電性接着剤層上に植毛された線状
    導体間に絶縁性材料を充填硬化させ、絶縁性構造体を形
    成する絶縁性構造体形成工程と、 絶縁性構造体の片面に固着された静電植毛用電極を除去
    した後、絶縁性構造体の表裏両面を研磨して、線状導体
    の両端を絶縁性構造体の表裏両面から露出させる研磨工
    程とからなることを特徴とする異方導電体の製造方法。
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