JP2996517B2 - 採血容器 - Google Patents
採血容器Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、採血容器に関し、特
に、凝固・線溶系の検査に好適な採血容器に関する。
に、凝固・線溶系の検査に好適な採血容器に関する。
【0002】
【従来の技術】血液検査の中でも、血液凝固検査は、各
種の出血性疾患や血栓症等の疾患の判定のための重要な
臨床検査法である。このような血液の凝固系及び線溶系
の検査に際しては、先ず、患者の全血を試料として採血
容器内に採取する。採血容器としては、内部に抗凝固薬
剤が適当量収められたガラスまたはプラスチックからな
るものが用いられていた。抗凝固薬剤としては、クエン
酸ナトリウムやヘパリン等が用いられているが、凝固系
の検査では、通常、3.1〜3.8%の濃度のクエン酸
ナトリウム液が収納されていた。
種の出血性疾患や血栓症等の疾患の判定のための重要な
臨床検査法である。このような血液の凝固系及び線溶系
の検査に際しては、先ず、患者の全血を試料として採血
容器内に採取する。採血容器としては、内部に抗凝固薬
剤が適当量収められたガラスまたはプラスチックからな
るものが用いられていた。抗凝固薬剤としては、クエン
酸ナトリウムやヘパリン等が用いられているが、凝固系
の検査では、通常、3.1〜3.8%の濃度のクエン酸
ナトリウム液が収納されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】患者によっては、線溶
賦活剤として、例えば組織プラスミノーゲンアクチベー
タ(以下、t−PA)が投与されていることがある。こ
のような場合、該患者から採取したクエン酸ナトリウム
添加血漿では、保存中に血漿中の成分、例えばフィブリ
ノーゲンやプラスミノーゲンがt−PAの作用により消
費・分解され、保存後に実施される臨床検査、特に、凝
固・線溶系検査に著しい影響を及ぼすことがあった。
賦活剤として、例えば組織プラスミノーゲンアクチベー
タ(以下、t−PA)が投与されていることがある。こ
のような場合、該患者から採取したクエン酸ナトリウム
添加血漿では、保存中に血漿中の成分、例えばフィブリ
ノーゲンやプラスミノーゲンがt−PAの作用により消
費・分解され、保存後に実施される臨床検査、特に、凝
固・線溶系検査に著しい影響を及ぼすことがあった。
【0004】よって、本発明は、上述した従来の採血容
器における問題点を解消し、線溶賦活剤が投与された患
者の血液試料をある程度の期間保存した場合であっても
凝固・線溶系の検査を正確に行うことを可能とする採血
容器を提供することを目的とする。
器における問題点を解消し、線溶賦活剤が投与された患
者の血液試料をある程度の期間保存した場合であっても
凝固・線溶系の検査を正確に行うことを可能とする採血
容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
ような従来の採血容器における問題点につき鋭意検討し
た結果、投与されていたt−PAの作用を抑制するため
に、予め採血管内にt−PAのインヒビター等を加えて
おけば、t−PAの作用によるフィブリノーゲンやプラ
スミノーゲンの消費・分解を抑制し得るのではないかと
考え、本発明をなすに至った。すなわち、本発明の要旨
は、容器内に、抗凝固薬剤及び抗線溶薬剤を存在させた
ことを特徴とする採血容器である。
ような従来の採血容器における問題点につき鋭意検討し
た結果、投与されていたt−PAの作用を抑制するため
に、予め採血管内にt−PAのインヒビター等を加えて
おけば、t−PAの作用によるフィブリノーゲンやプラ
スミノーゲンの消費・分解を抑制し得るのではないかと
考え、本発明をなすに至った。すなわち、本発明の要旨
は、容器内に、抗凝固薬剤及び抗線溶薬剤を存在させた
ことを特徴とする採血容器である。
【0006】本発明において、採血容器は、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂もしくは変性天然樹脂のような樹脂ま
たはガラスの何れの材料から形成されていてもよい。熱
可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリ
ル酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、ポリビニルアルコールアセタール化物、ポリビニル
アルコールブチラール化物等が、熱硬化性樹脂として
は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
エポキシ−アクリレート樹脂等が、変性天然樹脂として
は、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪
酸セルロース、エチルセルロース、エチルキチン等が用
いられる。
脂、熱硬化性樹脂もしくは変性天然樹脂のような樹脂ま
たはガラスの何れの材料から形成されていてもよい。熱
可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリ
ル酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、ポリビニルアルコールアセタール化物、ポリビニル
アルコールブチラール化物等が、熱硬化性樹脂として
は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
エポキシ−アクリレート樹脂等が、変性天然樹脂として
は、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪
酸セルロース、エチルセルロース、エチルキチン等が用
いられる。
【0007】ガラスとしては、例えば、ソーダ石灰ガラ
ス、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩
ガラスや石英ガラス等が好ましく用いられる。本発明の
採血容器では、上記のような材料からなる容器内に、抗
凝固薬剤及び抗線溶薬剤が存在する。抗凝固薬剤として
は、従来より用いられているクエン酸ナトリウムやヘパ
リン等が用いられる。例えば、クエン酸ナトリウムの場
合は、通常3.1〜3.8重量%の水溶液が使用され、
採血容器の使用時に、血液中のクエン酸ナトリウムの固
形分濃度が0.2〜0.5重量%、好ましくは、0.3
〜0.4重量%となるように、該容器内に存在させる。
ヘパリンの場合は、例えば生理食塩水に、500〜10
00IU/mlの濃度に溶解されたものが使用され、採
血容器の使用時に、血液中のヘパリン濃度が5〜100
IU/mlとなるように、該容器内に存在させる。
ス、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩
ガラスや石英ガラス等が好ましく用いられる。本発明の
採血容器では、上記のような材料からなる容器内に、抗
凝固薬剤及び抗線溶薬剤が存在する。抗凝固薬剤として
は、従来より用いられているクエン酸ナトリウムやヘパ
リン等が用いられる。例えば、クエン酸ナトリウムの場
合は、通常3.1〜3.8重量%の水溶液が使用され、
採血容器の使用時に、血液中のクエン酸ナトリウムの固
形分濃度が0.2〜0.5重量%、好ましくは、0.3
〜0.4重量%となるように、該容器内に存在させる。
ヘパリンの場合は、例えば生理食塩水に、500〜10
00IU/mlの濃度に溶解されたものが使用され、採
血容器の使用時に、血液中のヘパリン濃度が5〜100
IU/mlとなるように、該容器内に存在させる。
【0008】また、抗線溶薬剤としては、t−PAのイ
ンヒビターまたは低分子セリンプロテアーゼインヒビタ
ーが用いられる。t−PAのインヒビターとしては、プ
ロリル−フェニルアラニル−クロロメチルケトン(PP
ACK)またはプラスミノーゲンアクチベーターインヒ
ビター(PAI)が用いられ、低分子セリンプロテアー
ゼインヒビターとしては、ε−アミノカプロン酸(EA
CA)、メチル酸ガベキサート(FOY)、フェニルメ
タンスルホニルフルオリド(PMSF)または(2R,
4R)−4−メチル−1−〔N2 −(3−メチル−1,
2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルフォニ
ル)−L−アルギニル〕−2−ピペリジンカルボキシル
酸モノハイドレイト(MD805)等が用いられる。
ンヒビターまたは低分子セリンプロテアーゼインヒビタ
ーが用いられる。t−PAのインヒビターとしては、プ
ロリル−フェニルアラニル−クロロメチルケトン(PP
ACK)またはプラスミノーゲンアクチベーターインヒ
ビター(PAI)が用いられ、低分子セリンプロテアー
ゼインヒビターとしては、ε−アミノカプロン酸(EA
CA)、メチル酸ガベキサート(FOY)、フェニルメ
タンスルホニルフルオリド(PMSF)または(2R,
4R)−4−メチル−1−〔N2 −(3−メチル−1,
2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルフォニ
ル)−L−アルギニル〕−2−ピペリジンカルボキシル
酸モノハイドレイト(MD805)等が用いられる。
【0009】上記のような抗線溶薬剤が、採血容器の使
用時に、血液中のそれぞれの濃度がPPACK0.01
〜0.5mM、PAI0.01〜0.5mM、EACA
0.01〜0.5mM、FOY0.1〜500μg/m
l、PMSF0.1〜500μg/ml、MD805に
ついては0.1〜500μg/mlとなるように、該容
器内に存在させる。
用時に、血液中のそれぞれの濃度がPPACK0.01
〜0.5mM、PAI0.01〜0.5mM、EACA
0.01〜0.5mM、FOY0.1〜500μg/m
l、PMSF0.1〜500μg/ml、MD805に
ついては0.1〜500μg/mlとなるように、該容
器内に存在させる。
【0010】また、上記抗凝固薬剤及び線溶薬剤は、液
状の状態で採血容器内に存在していてもよく、粉末状態
あるいは凍結乾燥状態で存在していてもよい。また、本
発明の採血容器は、例えばブチルゴム製のキャップが施
され、内部が真空にされた真空タイプのものでも、また
は、非真空タイプのものでもいずれでもよい。
状の状態で採血容器内に存在していてもよく、粉末状態
あるいは凍結乾燥状態で存在していてもよい。また、本
発明の採血容器は、例えばブチルゴム製のキャップが施
され、内部が真空にされた真空タイプのものでも、また
は、非真空タイプのものでもいずれでもよい。
【0011】
【作用】治療に際しt−PAが投与された患者の血漿中
には当然のことながら、該t−PAが存在する。従っ
て、従来の採血容器では、t−PAの作用により、放置
している間に、フィブリノーゲンの分解やプラスミノー
ゲンの分解・消費またはα 2 PI(α2 プラスミンイン
ヒビター)−プラスミン複合体が生成されてしまってい
た。そのため、フィブリノーゲン値の測定等の凝固・線
溶系の臨床検査に際し正確な値を得ることができなかっ
た。
には当然のことながら、該t−PAが存在する。従っ
て、従来の採血容器では、t−PAの作用により、放置
している間に、フィブリノーゲンの分解やプラスミノー
ゲンの分解・消費またはα 2 PI(α2 プラスミンイン
ヒビター)−プラスミン複合体が生成されてしまってい
た。そのため、フィブリノーゲン値の測定等の凝固・線
溶系の臨床検査に際し正確な値を得ることができなかっ
た。
【0012】これに対して、本発明では、採血容器内に
予め抗凝固薬剤だけでなく、上述した抗線溶薬剤が存在
されているため、抗線溶薬剤がt−PAのプラスミノー
ゲン活性化作用を阻害する。従って、t−PAを投与さ
れていた患者の血漿をある程度の期間保存したとして
も、該血漿中のフィブリノーゲンやプラスミノーゲン等
の成分の値の変動を防止することができる。
予め抗凝固薬剤だけでなく、上述した抗線溶薬剤が存在
されているため、抗線溶薬剤がt−PAのプラスミノー
ゲン活性化作用を阻害する。従って、t−PAを投与さ
れていた患者の血漿をある程度の期間保存したとして
も、該血漿中のフィブリノーゲンやプラスミノーゲン等
の成分の値の変動を防止することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。実施例1 7mlのポリエチレンテレフタレートよりなる有底採血
管に、予め、3.8%クエン酸ナトリウム及びPPAC
K(カルビオ社製)1mMを含有する液0.5mlを入
れ、本発明の採血容器を得た。この採血容器に、健常者
より採血した血液4.5mlを加え、次いでt−PA
(テクノクローン社製)5μgを加えた。よく転倒・混
和し、しかる後3000rpmの回転速度で10分間遠
心分離した。遠心分離後、上澄みの血漿を採取し、採取
直後、並びに一定時間経過毎にフィブリノーゲン値及び
α2 PI−プラスミン複合体値を測定した。
ことにより、本発明を明らかにする。実施例1 7mlのポリエチレンテレフタレートよりなる有底採血
管に、予め、3.8%クエン酸ナトリウム及びPPAC
K(カルビオ社製)1mMを含有する液0.5mlを入
れ、本発明の採血容器を得た。この採血容器に、健常者
より採血した血液4.5mlを加え、次いでt−PA
(テクノクローン社製)5μgを加えた。よく転倒・混
和し、しかる後3000rpmの回転速度で10分間遠
心分離した。遠心分離後、上澄みの血漿を採取し、採取
直後、並びに一定時間経過毎にフィブリノーゲン値及び
α2 PI−プラスミン複合体値を測定した。
【0014】なお、フィブリノーゲン値の測定は、フィ
ブリノーゲン測定試薬(国際試薬社製)を用い、フィブ
ィロメータ(BBL社製)により行った。また、α2 P
I−プラスミン複合体の測定は、PICテストEIA
(帝人株式会社製)を用いて行った。結果を、下記の表
1及び表2に示す。比較例1 採血管内にPPACKを存在させずに、3.8%クエン
酸ナトリウム液0.5mlのみを入れ採血容器を得た。
この容器を使用し、他は実施例1とまったく同様にして
血漿を採取し、実施例1と同様に、採取直後及び一定時
間経過毎にフィブリノーゲン値及びα2 PI−プラスミ
ン複合体値を測定した。結果を、表1及び表2に示す。
ブリノーゲン測定試薬(国際試薬社製)を用い、フィブ
ィロメータ(BBL社製)により行った。また、α2 P
I−プラスミン複合体の測定は、PICテストEIA
(帝人株式会社製)を用いて行った。結果を、下記の表
1及び表2に示す。比較例1 採血管内にPPACKを存在させずに、3.8%クエン
酸ナトリウム液0.5mlのみを入れ採血容器を得た。
この容器を使用し、他は実施例1とまったく同様にして
血漿を採取し、実施例1と同様に、採取直後及び一定時
間経過毎にフィブリノーゲン値及びα2 PI−プラスミ
ン複合体値を測定した。結果を、表1及び表2に示す。
【0015】表1及び表2から明らかなように、実施例
1の採血容器では、フィブリノーゲン値及びα2 PI−
プラスミン複合体値の何れもが採取直後から5時間後に
至るまでほとんど変化していないのに対し、比較例1の
採血容器では、フィブリノーゲン値が時間の経過と共に
大きく低下し、かつα2 PI−プラスミン複合体値が時
間の経過と共に非常に高くなることがわかる。
1の採血容器では、フィブリノーゲン値及びα2 PI−
プラスミン複合体値の何れもが採取直後から5時間後に
至るまでほとんど変化していないのに対し、比較例1の
採血容器では、フィブリノーゲン値が時間の経過と共に
大きく低下し、かつα2 PI−プラスミン複合体値が時
間の経過と共に非常に高くなることがわかる。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】実施例2 5mlの大きさのシリコンコーティングされたガラス採
血管に、3.13%クエン酸ナトリウム及び1mMのP
AI(アメリカンダイアグノスティカ社製)を含む液
0.2mlを入れ、本発明の採血容器を得た。この採血
容器に、実施例1の場合と同一の健常者より採血した血
液1.8mlを加え、次いでt−PA(テクノクローン
社製)2μgを加えた。よく転倒・混和し、3000r
pm及び10分間の条件で遠心分離した。しかる後、上
澄みの血漿を採取し、採取直後及び3時間経過後に、血
漿中のプラスミノーゲン活性を測定した。測定は、テス
トチームPLG(第一化学薬品社製)を用いて行った。
その結果、採取直後のプラスミノーゲン活性が105%
であり、3時間経過後においても105%と変化のない
ことが確かめられた。比較例2 採血管内に3.13%クエン酸ナトリウム液0.2ml
のみを入れ、採血容器を得た。この採血容器を使用した
ことを除いては、実施例2とまったく同様にして血漿を
採取し、採取直後及び3時間経過後の血漿中のプラスミ
ノーゲン活性を実施例2と同様にして測定した。その結
果、採取直後のプラスミノーゲン活性が105%であっ
たのに対し、3時間経過後にはプラスミノーゲン活性は
95%まで低下していた。
血管に、3.13%クエン酸ナトリウム及び1mMのP
AI(アメリカンダイアグノスティカ社製)を含む液
0.2mlを入れ、本発明の採血容器を得た。この採血
容器に、実施例1の場合と同一の健常者より採血した血
液1.8mlを加え、次いでt−PA(テクノクローン
社製)2μgを加えた。よく転倒・混和し、3000r
pm及び10分間の条件で遠心分離した。しかる後、上
澄みの血漿を採取し、採取直後及び3時間経過後に、血
漿中のプラスミノーゲン活性を測定した。測定は、テス
トチームPLG(第一化学薬品社製)を用いて行った。
その結果、採取直後のプラスミノーゲン活性が105%
であり、3時間経過後においても105%と変化のない
ことが確かめられた。比較例2 採血管内に3.13%クエン酸ナトリウム液0.2ml
のみを入れ、採血容器を得た。この採血容器を使用した
ことを除いては、実施例2とまったく同様にして血漿を
採取し、採取直後及び3時間経過後の血漿中のプラスミ
ノーゲン活性を実施例2と同様にして測定した。その結
果、採取直後のプラスミノーゲン活性が105%であっ
たのに対し、3時間経過後にはプラスミノーゲン活性は
95%まで低下していた。
【0019】
【発明の効果】本発明では、採血容器内に抗凝固薬剤及
び抗線溶薬剤が予め入れられているため、該抗線溶薬剤
の作用により患者血漿中に含まれているt−PAの作用
を抑制することができ、従ってt−PAが投与されてい
た患者の血漿を保存したとしても、保存中のt−PAの
作用によるフィブリノーゲン値やプラスミノーゲン活性
等の変動を防止することができる。従って、t−PAを
投与された患者の血漿についての血液凝固・線溶系の検
査を正確に行うことが可能となる。
び抗線溶薬剤が予め入れられているため、該抗線溶薬剤
の作用により患者血漿中に含まれているt−PAの作用
を抑制することができ、従ってt−PAが投与されてい
た患者の血漿を保存したとしても、保存中のt−PAの
作用によるフィブリノーゲン値やプラスミノーゲン活性
等の変動を防止することができる。従って、t−PAを
投与された患者の血漿についての血液凝固・線溶系の検
査を正確に行うことが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】容器内に、抗凝固薬剤及び抗線溶薬剤を存
在させたことを特徴とする採血容器であって、該抗凝固
薬剤がクエン酸ナトリウムおよび/またはヘパリンであ
り、該抗線溶薬剤が組織プラスミノーゲンアクチベータ
のインヒビターおよび/または低分子セリンプロテアー
ゼインヒビターであることを特徴とする採血容器。 - 【請求項2】請求項1記載の採血容器であって、前記組
織プラスミノーゲンアクチベータのインヒビターが、プ
ロリル−フェニルアラニル−クロロメチルケトンおよび
/またはプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター
であり、前記低分子セリンプロテアーゼインヒビター
が、ε−アミノカプロン酸、メチル酸ガベキサート、フ
ェニルメタンスルホニルフルオリド、及び、(2R,4
R)−4−メチル−1−〔N 2 −(3−メチル−1,
2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルフォニ
ル)−L−アルギニル〕−2−ピペリジンカルボキシル
酸モノハイドレイトからなる群より選ばれた少なくとも
1種であることを特徴とする採血容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18791A JP2996517B2 (ja) | 1991-01-07 | 1991-01-07 | 採血容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18791A JP2996517B2 (ja) | 1991-01-07 | 1991-01-07 | 採血容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04249767A JPH04249767A (ja) | 1992-09-04 |
JP2996517B2 true JP2996517B2 (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=11466993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18791A Expired - Fee Related JP2996517B2 (ja) | 1991-01-07 | 1991-01-07 | 採血容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2996517B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0698398A1 (en) * | 1994-08-23 | 1996-02-28 | Becton, Dickinson and Company | Blood collection device |
CN102353569A (zh) | 2002-05-13 | 2012-02-15 | 贝克顿·迪金森公司 | 蛋白酶抑制剂样品采集系统 |
CN110208411B (zh) * | 2019-06-10 | 2021-12-24 | 浙江龙传生物医药科技有限公司 | 用于药物代谢检测的羧酸酯酶抑制剂制剂 |
-
1991
- 1991-01-07 JP JP18791A patent/JP2996517B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04249767A (ja) | 1992-09-04 |
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Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |