JP2996411B2 - 壁体カバー - Google Patents

壁体カバー

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JP2996411B2
JP2996411B2 JP2101200A JP10120090A JP2996411B2 JP 2996411 B2 JP2996411 B2 JP 2996411B2 JP 2101200 A JP2101200 A JP 2101200A JP 10120090 A JP10120090 A JP 10120090A JP 2996411 B2 JP2996411 B2 JP 2996411B2
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幸雄 石川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建物の外壁、屋根等の壁体に設けられてこれ
らの水分蒸発冷却を促進する壁体カバーに関する。
〔従来の技術〕
建物の屋根部分等へ散水することにより蒸発熱で建物
の内部を冷却する手段が利用されている。
ところが屋根への散水は建物表面へ均一に散布するの
が難しく、また散水後に次第に流下するので蒸発熱を継
続して利用することができない不具合を有する。
〔発明が解決すべき課題〕
本発明は上記事実を考慮し、建物の壁面を均一に蒸発
熱で冷却し、かつ効果的な冷却が可能な壁体カバーを得
ることが目的である。
〔課題を解決するための手段〕 請求項1に記載の発明では、保水機能を備え、壁体の
端部に設けられた支持部材により壁体の端部と非接触状
態とされ、略密着して展開される可撓性の長尺シート
と、壁体の両端部に設けられ、略密着した状態の長尺シ
ートを巻取り及び巻出す巻取装置と、を有することを特
徴としている。
このため、壁体に略密着して展開された長尺シートは
自重により自然に撓んで壁体に密着し、散水又は散水パ
イプにより屋根の頂部から水を落下させると、この長尺
シートは保水機能を有しているため、水分が徐々に浸透
して長尺シート全体に満遍なく拡がっていく。このた
め、散水後に長時間に亘って蒸発熱による冷却作用で壁
体の外表面の温度を直接下げることができる。また、壁
体の端部に設けられた支持部材により壁体の端部と長尺
シートとが非接触状態となるため、壁体の両端部に設け
られた巻取装置による巻取り及び巻出しによって壁体の
端部を傷つけることなく、長尺シートの保水可能な面積
を変え、冷却温度を調整できる。
請求項2に記載の発明では、巻取装置が長尺シートの
両端にそれぞれ配設され、互いに連動して長尺シートを
巻取り及び巻出し、保水機能を備える保水領域と、壁体
の外表面を露出させる非保水領域と、を有することを特
徴としている。
ここで、巻取装置は互いに連動して長尺シートを巻取
り及び巻出すことにより、保水機能を備えた領域と壁体
の外表面を露出させる非保水領域を使い分けることがで
きる。
従って、夏期は長尺シートの保水機能を備えた保水領
域は自重により自然に撓み壁体に密着し、散水又は散水
パイプにより屋根の頂部から水を落下させると、水分が
徐々に浸透して保水領域全体に満遍なく拡がり、長時間
に亘って蒸発熱による冷却作用で壁体の外表面の温度を
直接下げることができ、また、冬期は壁体の外評面を露
出させる非保水領域を用い、雨の保水による蒸発冷却が
起こらないようにすることができる。さらに、降雪時は
長尺シートを巻取り及び巻出すことによって積雪排除用
とすることができる。このため本発明は工場、住宅、軽
構造建築物等に広く適用して夏期における冷房を行った
り、温室の屋根部分に適用して室内用の温度調整等を行
うことができる。
請求項3に記載の発明では、長尺シートの保水領域が
毛細管機能を備えた多孔質材で構成されていることを特
徴としている。
このため、多孔質材で構成された保水領域に、部分的
に散水が行われても毛細管現象によって水分が拡がるの
で均一な冷却が可能となる。
〔発明の実施例〕
第1図には本発明が適用された家屋12が示されてい
る。この家屋12の屋根14は頂部に一対の巻取装置16が設
置され、軒下に巻取装置18が設置されている。これらの
巻取装置16、18の巻取軸16A、18Aには長尺シート22の両
端部がそれぞれ係止されており、巻取軸16A、18Aが図示
しないモータの駆動力で回転されると巻取り、巻出しが
行われるようになっている。なお屋根14の下端部には長
尺シート22の中間部を巻掛けて案内するガイドローラ24
が軸支されている。
第2図に示される如く長尺シート22は経材26と緯材28
とがメツシユ状に交差連結された構成となっている。こ
れら保水領域を構成する経材26、緯材28は各々複数のフ
イラメント糸、金属線等が撚り合わされた構成とするこ
とができる。従って長尺シート22は散水が一度に流下す
ることなくメツシユ内に滞る時間が長くなり、保水機能
を有しており、この経材と緯材の直径やメツシユの大き
さを変更することによって保水性能を様々に変更でき
る。
長尺シート22は長手方向の端部22A、22Bを巻取軸16
A、18Aへと係止することになるが、この実施例では端部
22B部分は緯材28が省略され、非保水領域としての経材2
6のみとされている。このためこの経材26部分が屋根14
に対応した場合には屋根14の大部分が露出するので直射
日光が照射し易くなり、また保水性が低いので雨水の蒸
発冷却が起りにくく、冬期の対策として最適となる。
この実施例においては巻取装置16のケーシング32の一
部に散水パイプ34が設けられ、図示しない給水源からの
水を屋根14上へと流下させることができるようになって
いる。また屋根14の側方には散水ポール36を立設し、そ
の頂部からは矢印Aで示される如く屋根14に向けて散水
できるように給水手段を配置してもよい。
このように構成される本実施例では、巻取軸16A、18A
を交互に反対方向に回転させることによって長尺シート
22の異なる部分を順次屋根14の表面へと対応させる。こ
のため散水パイプ34、或いは散水ポール36によって散水
が行われると、水は長尺シート22に保持されると共に、
長尺シート22内の全域へ毛細管現象によって移動し、屋
根14の表面を均一に覆うことになる(第3図)。また長
尺シート22のメツシユ内へ水を膜状に張設するようにメ
ツシユの大きさ等を考慮してもよい。
このような保有水の蒸発熱によって屋根14が冷却され
る。散水時に長尺シート22は一方の巻取装置16又は18へ
と次第に巻取ることによって屋根14との相対位置を徐々
に変更し効果的な冷却が可能であるが、散水時に長尺シ
ート22を停止させた状態であってもよい。
また経材26、緯材28によるメツシユのサイズが変更さ
れた部分を長尺シート22の長手方向(第2図上下方向)
の異なる位置に設けておき、照射日光の強弱や屋根14の
温度に応じてこれらを選択的に屋根14と対応させるべく
巻取装置16、18を駆動するようにしてもよい。
冬期には散水を必要としないので第4図に示される如
く緯材28が対応しない経材26のみの部分を屋根14へと対
応させれば、降雨が蓄積されず、蒸発冷却による不必要
な屋根14の冷却がない。しかし積雪時には第3図の夏期
と同様状態とし、その後に長尺シート22を巻取装置18へ
と巻取ると、落雪作業を行うことができる。
第5図には本発明の第2実施例が示されている。この
実施例では屋根14が大型である場合に最適な構成となっ
ており、長尺シート22が2分割された長尺シート42、44
を備えている。上側の長尺シート42は一端部が屋根14の
頂部に設けられた巻取装置16へ巻取られ、他端部は屋根
14の中間部に設けられた巻取装置18へと巻取られる。ま
た下側の長尺シート44は一端部が屋根14の中間部に設け
られた巻取装置16へ巻取られ、他の一端部は軒下に設け
られる巻取装置18へと巻取られる。
なお上記実施例における長尺シート22、42、44はメツ
シユ状や布状に限らず、小円状、ハニカム状等の各種の
多孔質構成が適用できる。また長尺シートを構成する材
料としては金属、合成樹脂の他にも、布材、無機多孔質
材等の保水性の大きな材料が適している。
〔発明の効果〕
本発明は上記の構成としたので建物壁面を効果的に冷
却することができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用された実施例を示す縦断面図、第
2図はこの実施例に用いる長尺シートの平面図、第3図
及び第4図は第1図の作動状態を示す斜視図、第5図は
本発明の第2実施例を示す斜視図である。 14……屋根、 16……巻取装置、 18……巻取装置、 22……長尺シート、 42、44……長尺シート、
フロントページの続き (72)発明者 三上 忠雄 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−43626(JP,A) 実開 平2−24265(JP,U) 実開 昭55−53196(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24F 5/00 E04D 13/00 - 15/07 E06B 9/00 - 9/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保水機能を備え、壁体の端部に設けられた
    支持部材により壁体の端部と非接触状態とされ、略密着
    して展開される可撓性の長尺シートと、前記壁体の両端
    部に設けられ、略密着した状態の前記長尺シートを巻取
    り及び巻出す巻取装置と、を有することを特徴とする壁
    体カバー。
  2. 【請求項2】前記巻取装置が前記長尺シートの両端にそ
    れぞれ配設され、互いに連動して長尺シートを巻取り及
    び巻出し、長尺シートが保水機能を備える保水領域と、
    壁体の外表面を露出させる非保水領域と、を有すること
    を特徴とした請求項1に記載の壁体カバー。
  3. 【請求項3】前記長尺シートの保水領域が毛細管機能を
    備えた多孔質材で構成されていることを特徴とした請求
    項1又は2に記載の壁体カバー。
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