JP2995821B2 - 静電モータ - Google Patents

静電モータ

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JP2995821B2 JP2220395A JP22039590A JP2995821B2 JP 2995821 B2 JP2995821 B2 JP 2995821B2 JP 2220395 A JP2220395 A JP 2220395A JP 22039590 A JP22039590 A JP 22039590A JP 2995821 B2 JP2995821 B2 JP 2995821B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、静電モータに関する。
[背景技術] 静電モータとしては、ステータに形成された複数の駆
動電極とロータとの間に駆動電圧を印加して得られる静
電容量の時間的変化を駆動のエネルギー源とするものが
あり、このような静電モータは二次元的構成であるた
め、小型化が可能である。
このため実用化をめざして静電モータの研究が進めら
れている。
第7図(a)(b)に示すものは、現在提案されてい
る静電モータの構造であって、中空円筒状をしたステー
タ51内に中空円筒状もしくは中実円柱状のロータ61が内
挿されている。このステータ51は、中空円筒状をした金
属製ステータケーシング52の内周面を絶縁接着剤からな
る絶縁層53で覆い、絶縁層53の上に湾曲した複数片の駆
動電極T1,T2,…をエアーギャップ54をあけて配置し、絶
縁層53によって各駆動電極T1,T2,…をステータケーシン
グ52に接着固定させたものであり、駆動電極T1,T2,…の
内周面にロータ転がり面55が形成されている。一方、ロ
ータ61は、ロータ電極62の外周面に絶縁膜63を形成した
ものである。
しかして、駆動電極T1,T2,…とロータ電極62との間に
印加された電圧によって働く静電吸引力による絶縁膜63
を介してロータ61の外周面とステータ51の内周面(駆動
電極T1,T2,…)とが接しており、駆動電極T1,T2,…の電
圧印加位置を順次切り換えると、ロータ61がステータ51
内で転動する。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の発案者らは、中空のロータをもつ静電モータ
を利用し、第7図(a)(b)に示すように、ロータ内
に隣接機器や別な電気系をコードα等を通線させ、モー
タのスペース利用効率を高めることを考えている。しか
し、このような静電モータにあっては、ロータ内にコー
ドα等を配線すると、コードα等とロータとが接触し、
ロータの回転が妨げられて著しい出力損失を招いたり、
コードα等の被覆が擦れ切れたり、断線したりする恐れ
があった。
本発明は叙上の技術的背景に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、ロータと接触させること
なく別な電気系のコード等を通線させることができる静
電モータを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の静電モータは、中空ステータケーシングの内
周面に複数片の駆動電極を備えたステータと、ステータ
の内径よりも外径が小さくて、ステータの内周面に沿っ
て転動するロータ電極と、ロータ電極と駆動電極を電気
的に絶縁させる絶縁膜とからなり、ロータ電極の転動に
よるロータ電極の自動を動力として取り出すようにした
静電モータにおいて、前記ロータ電極を含む筒状のロー
タ内に中空筒状のインナーチューブを挿通させ、インナ
ーチューブをステータに対して固定させたことを特徴と
している。
[作用] 本発明にあっては、固定されたインナーチューブをロ
ータ内に挿通させているので、このインナーチューブ内
に別な電気系や隣接機器のコード等を配線してもコード
等とロータとが接触せず、コード等によってロータの回
転が妨げられる恐れがない。
また、コード等もロータにこすられて被覆切れを起こ
したり、断線したりする恐れがない。
さらに、このインナーチューブを導電材料によって形
成すれば、インナーチューブが電界シールドの働きをす
るので、駆動電極のスイッチング等によるノイズをイン
ナーチューブでシールドさせることができ、特にモータ
端部における電界の回り込みによりコード等でノイズが
拾われることを防止できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を添付図に基づいて詳述する。
第1図は、本発明の一実施例の静電モータAの概略構
成を示しており、ステータ1とロータ11とから構成され
ている。
ステータ1は、円筒状をした金属製ステータケーシン
グ2の内周全面に樹脂接着剤からなる絶縁層3を形成
し、絶縁層3の表面に複数極(図示例では、8極)の駆
動電極P1〜P8を互いに離間させて周方向に一定ピッチご
とに配置したものであり、各駆動電極P1〜P8間の各エア
ギャップ4(もしくは、エアギャップ4に埋め込まれた
絶縁スペーサ)によって各駆動電極P1〜P8間を絶縁させ
てある。こうして、各駆動電極P1〜P8は、絶縁層3の接
着力によってステータケーシング2に接着され、同時
に、絶縁層3によってステータケーシング2との間を絶
縁されている。
上記ステータ1内には、外径がステータ1の内径より
も小さな金属製の中空円筒状をしたロータ11が挿入され
ており、ロータ11は、ステータ1とほぼ同じ長さを有し
ている。ロータ11は、金属製のロータ電極12と絶縁膜13
とからなっており、駆動電極P1〜P8とロータ電極12とが
電気的に導通しないよう、ロータ電極12の外周面もしく
は全表面は、絶縁性もしくは誘電性の絶縁膜13によって
被覆されている。もちろん、絶縁膜13をロータ11に設け
ず、ステータ1の内周面に設けても差し支えない。な
お、ロータ電極12は、支持部(図示せず)を介して常時
接地されている。
さらに、ロータ11内には、導電性材料によって形成さ
れた中空円筒状のインナーチューブ6が挿通させられて
いる。このインナーチューブ6は、ステータ1の軸心に
配置されている。図示例では、インナーチューブ6の外
周面がロータ11の内周面に内接するように配置されてい
るが、インナーチューブ6がロータ11に接触しないよう
にしても差し支えない。
このインナーチューブ6は、一端をステータケーシン
グ2の端に固定されている。すなわち、インナーチュー
ブ6の一端には、円環状をした環状板部7が一体に形成
されており、第2図に示すように、環状板部7の外周部
をステータケーシング2の端面に溶接、接着もしくはネ
ジ止め等によって固定している。この環状板部7の表面
は、絶縁膜によって被覆されていてもよい。なお、イン
ナーチューブ6及びステータケーシング2がいずれも合
成樹脂製の場合には、両部材を一体成形することも可能
である。
また、第3図は、インナーチューブ6の別な固定方法
であって、ステータケーシング2の端面に外周部を接着
もしくは溶接させた絶縁材料からなる円環状の絶縁用環
状板8の内周部にインナーチューブ6の端面を接着もし
くは溶接させたものである。
また、第4図はインナーチューブ6のさらに別な固定
方法を示しており、ステータケーシング2の端面に外周
部を接着もしくは溶接させた絶縁材料からなる円環状を
絶縁用環状板8の内周面にインナーチューブ6の端部を
圧入させたものである。もちろん、圧入させた後、接着
剤でインナーチューブ6を環状板8に接着させてもよ
い。
この静電モータAは、詳細は省略するが、例えば、駆
動電圧を印加する駆動電極P1〜P8の位置を周方向へ1つ
ずつ移動され、静電吸引力によりロータ11の吸引される
方向を順次反時計回りに移動させると、ロータ11がステ
ータ1の内周面を転動して反時計回りに公転し、同時に
時計回りに自転する。
また、この静電モータAにあっては、第5図(a)
(b)に示すように、隣接する機器や別な電気系のコー
ドα等をインナーチューブ6に通し、モータAを通過さ
せて配線させることができる。このようにインナーチュ
ーブ6内にコードα等を配線してあれば、コードα等と
ロータ11とがインナーチューブ6によって仕切られるの
で、コードα等とロータ11の干渉を防止することができ
る。すなわち、コードα等がロータ11に擦れて被覆切れ
を起こしたり、断線したりする恐れがなく、また、ロー
タ11の回転がコードα等で妨げられることもなく、出力
の低下が防止される。さらに、インナーチューブ6が導
電材料で形成されていれば、駆動電極P1〜P8のスイッチ
ング等によるノイズをインナーチューブ6でシールドさ
せることができ、特にモータAの端部からの電界を回り
込みによってコードα等がノイズを拾うことを防止でき
る。従って、このコードα等を接続されている機器のノ
イズ障害なども防止できる。
第6図に示すものは本発明の別な実施例である。この
実施例においては、ステータケーシング2の端部内に嵌
合された環状板8によってインナーチューブ6の一端が
固定されており、インナーチューブ6はステータケーシ
ング2の軸心で片持ち状に保持されている。21は、軸心
の回転(公転)を伴うロータ11の回転を振れのない滑ら
かな回転として取り出すための出力器であって、軸心を
中心として回転するようにベアリング22を介してハウジ
ング23に回転自在に保持された円筒状の出力軸24と、出
力軸24とロータ11とを連結するカプラ25とからなってい
る。このカプラ25は、複数枚のカップリングリング26を
径方向に遊びを持たせて連結したものであり、回転力は
伝達できるが、径方向の力は伝達できないようになって
いる。従って、カップラ25によってロータ11の回転力の
みが出力軸24に伝達され、出力軸24から振れのない回転
を取り出すことができる。
上記のように出力器21も中空構造となっているので、
インナーチューブ6は出力器21内を貫通するように延び
ており、別な電気系のコードα等をインナーチューブ6
内に通線させることにより、出力軸24及びロータ11に接
触させないようにしてコードα等を出力器及びモータ内
に配線することができる。
[発明の効果] 本発明によれば、インナーチューブ内に別な天気系や
隣接機器等のコード等を配線して、モータ内にコード等
を通すことができ、モータ内空間のスペース利用効率を
向上させることができ、しかも、コード等とロータとの
接触を防止することができるので、コード等によってロ
ータの回転が妨げられる恐れがなく、出力の低下を防止
できる。
また、コード等もロータにこすられて被覆切れや断線
を起こす恐れがなく、ショート事故等の恐れがない。
さらに、このインナーチューブを導電材料によって形
成すれば、インナーチューブが電界シールドの働きをす
るので、駆動電極のスイッチング等によるノイズをイン
ナーチューブでシールドさせることができ、特にモータ
端部における電界の回り込みによりコード等がノズルを
拾うことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す斜視図、第2図はイン
ナーチューブを固定する構造を示す一部破断した断面
図、第3図はインナーチューブを固定する別な構造を示
す一部破断した断面図、第4図はインナーチューブを固
定するさらに別な構造を示す一部破断した断面図、第5
図(a)(b)は同上のインナーチューブ内にコードを
通線した状態を示す斜視図及び正面図、第6図は本発明
の別な実施例を示す断面図、第7図(a)(b)は背景
技術の欄で説明した静電モータの斜視図及び正面図であ
る。 1……ステータ 2……ステータケーシング P1〜P8……駆動電極 6……インナーチューブ 7……環状板部 8……環状板 11……ロータ 12……ロータ電極 13……絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−96669(JP,A) 特開 平4−96671(JP,A) 特開 平4−42790(JP,A) 特開 平2−51367(JP,A) 特開 平2−32768(JP,A) 実開 平1−93990(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 1/00 H02N 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空ステータケーシングの内周面に複数片
    の駆動電極を備えたステータと、ステータの内径よりも
    外径が小さくて、ステータの内周面に沿って転動するロ
    ータ電極と、ロータ電極と駆動電極を電気的に絶縁させ
    る絶縁膜とからなり、ロータ電極の転動によるロータ電
    極の自転を動力として取り出すようにした静電モータに
    おいて、 前記ローラ電極を含む筒状のロータ内に中空筒状のイン
    ナーチューブを挿通させ、インナーチューブをステータ
    に対して固定させたことを特徴とする静電モータ。
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