JP2995606B2 - 超音波送信及び又は受信装置 - Google Patents

超音波送信及び又は受信装置

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JP2995606B2
JP2995606B2 JP5240475A JP24047593A JP2995606B2 JP 2995606 B2 JP2995606 B2 JP 2995606B2 JP 5240475 A JP5240475 A JP 5240475A JP 24047593 A JP24047593 A JP 24047593A JP 2995606 B2 JP2995606 B2 JP 2995606B2
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宗宏 伊達
洋之 山上
隆 瀬上
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Rion Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波送信及び又は受信
装置に関し、例えば超音波診断装置の超音波送受信器に
適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば生体内部の組織状態を検査
し、又は診断する手段の1つとして超音波診断装置が広
く用いられている。超音波診断装置は、超音波を被検体
の内部に放射したときに当該被検体内部の各物体点にお
いて散乱した当該超音波(以下これを散乱波と呼ぶ)の
一部を受波し、当該散乱波の強度及び伝送時間に基づい
てモニタ画面の輝度を濃淡させることにより被検体の内
部を画像表示するようになされている。
【0003】例えば特開平2-63440 号公報に開示されて
いる図15に示すような超音波診断装置1では、超音波
を被検体2に向けて放射する第1及び第2の送信器3、
4と散乱波を受波する受信器5とを有する。この場合第
1及び第2の送信器3、4は、それぞれパルス発振器6
からスイツチ7を介して所定のタイミングで順次供給さ
れる所定電圧の駆動パルス信号S1に基づいて検査領域
全域に向けて所定周波数の平面波状の超音波を順次送波
し得るようになされている。
【0004】受信器5においては、その受信面に例えば
圧電素子でなる複数の受信素子が配設されてなる。この
場合各受信素子は、入射する散乱波の強度に応じたレベ
ルの信号電圧を発生し、これを受信信号S2として信号
処理部8のマルチプレクサ回路9に送出するようになさ
れている。これにより当該超音波診断装置1において
は、検査モード時、第1の送信器3がパルス発生回路6
から供給される駆動パルス信号S2に基づいて超音波を
検査領域に向けて送波すると共に、マルチプレクサ回路
9がこの結果として受信器5の各受信素子から供給され
る受信信号S2のうち超音波の送波前に予め選定した受
信素子から供給される受信信号S1だけを対数アンプ1
0を介してアナログデイジタル変換回路11に送出し、
これを当該アナログデイジタル変換回路11においてア
ナログデイジタル変換した後メモリ12に記憶させる。
【0005】続いて超音波診断装置1は、同様の動作を
受信器5の各受信素子に対して順次実行すると共に、こ
の後第2の送信器4を用いて同様の動作を実行すること
により、各受信素子から出力される受信信号S2に基づ
く散乱波の強度データを順次メモリ12に蓄えるように
なされている。ここでメモリ12に蓄えられる各強度デ
ータには、それぞれ検査領域内の各点において反射した
各散乱波の強度データが混じつている。すなわち図16
に示すように、送信器3、4から送信された超音波が物
体点aに入射し、かつ送信器3、4から送信された超音
波が物体点bに入射するものとすると、受信器5の第
1、第2、第3及び第4の各受信素子20A、20B、
20C及び20Dにはそれぞれ物体点aにおいて散乱さ
れた散乱波と物体点bにおいて散乱された散乱波とがそ
れぞれ入射する。
【0006】従つてこの受信器5の第1〜第4の各受信
素子20A〜20Dからは、それぞれ図17(A)、図
17(B)、図17(C)及び図17(D)に示すよう
な物体点aから入射する散乱波の強度に応じた信号レベ
ルの第1のパルスP1A、P1B、P1C、P1Dと物
体点bから入射する散乱波の強度に応じた信号レベルの
第2のパルスP2A、P2B、P2C、P2Dとを含ん
だ受信信号S2A、S2B、S2C及びS2Dが出力さ
れる。このため通常この種の診断装置では、メモリ12
に蓄えられた各強度データから所望の物体点における超
音波の散乱強度を得る場合には、各強度データの中から
当該物体点で散乱された散乱波の強度に関するデータ部
分をそれぞれ取り出し、これらを足し合わせることによ
り加算結果をこの物体点における最終的な超音波の散乱
強度としている。
【0007】この場合、被検体2内部の任意の物体点の
座標を(X0 、Y0 、Z0 )、受信器の任意の受信素子
(以下これを第Kの受信素子)の座標を(XSK、YSK
SK)、点(X0 、Y0 、Z0 )及び点(XSK、YSK
SK)間の平均音速をV、及び送信器3、4から出力さ
れた超音波が物体点(X0 、Y0 、Z0 )に到達するま
での時間をTA とすると、送信器3、4から出力された
超音波が物体点(X0、Y0 、Z0 )において散乱され
た後受信器5の第Kの受信素子に入射するまでの時間T
0 は、送信器3、4から出力された超音波が物体点(X
0 、Y0 、Z0)に達するまでの時間TA が次式
【数1】 で与えられ、かつこれによつて生じた散乱波が物体点
(X0 、Y0 、Z0 )から当該第Kの受信素子に達する
までの時間TB が次式
【数2】 で与えられることから次式
【数3】 のように表すことができる。
【0008】従つてこの場合、送信器3、4から超音波
を発射した時間をt=0とし、第Kの受信素子から出力
された受信信号S2に基づく物体点(X0 、Y0
0 )における超音波の散乱強度をSK (t)とする
と、最終的な当該物体点(X0 、Y0 、Z0 )の超音波
の散乱強度Kは次式
【数4】 から得ることができる。これにより超音波診断装置1で
は、メモリ12に記憶された複数の強度データを用い、
3次元像復元回路21において(4)式に基づく演算を
実行することにより検査領域内の各サンプリング点(例
えば10×10×10〔cm3 〕の検査領域で1〔mm〕ステツプ
でサンプリング点を設定したとして100 ×100 ×100
個)における超音波の散乱強度をそれぞれ順次算出し、
かくして得られた各サンプリング点の散乱強度データに
基づいて例えばデイスプレイ22の表示画面の輝度の濃
淡を変化させることにより被検体2の内部の様子を3次
元的に再現するようになされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの種の診断
装置1においては、各送信器3、4から検査領域全域に
超音波を送波する構造のために当該検査領域内の任意の
点における超音波の音圧は微弱であり、従つて受信器5
に入射する散乱波の音圧も微弱なものとなる。このため
この種の診断装置1に用いる受信器5としては、できる
だけ高感度であるものが望まれる。ここで受信器5の感
度を上げるためには、受信素子としてできるだけ広い領
域からの散乱波を検出でき(すなわち指向性が小さ
い)、かつ特性が揃つているものを使用すれば良い。
【0010】この場合、例えば図18に示すように、一
定音圧の超音波(波長をλとする)が円形形状の受信素
子(直径をdとする)に入射する場合には、当該受信素
子の直径dが小さい方が斜め方向から入射する超音波に
対して感度の低下が少ない。従つて受信素子の指向性を
小さくするためには受信素子の直径を波長単位でなるべ
く小さくすれば良い。ところが図15に示すように、こ
の種の超音波診断装置1の場合、受信器5の各受信素子
はそれぞれ当該各受信素子に接続されているリード線を
介して信号処理回路部8に受信信号S2を送出している
ために当該受信信号S2の伝送時における減衰率が大き
い(すなわち受信信号S2の伝送効率が悪い)問題があ
る。
【0011】例えば受信素子及びリード線間の静電容量
に対する等価回路を示す図19において、受信素子20
A(20B〜20D)に発生した電圧をV0 、当該受信
素子の静電容量をC0 、リード線の浮遊容量をCS とす
ると、当該リード線を介して出力される電圧VOUT は、
次式
【数5】 のように与えられる。従つて受信素子20A(20B〜
20D)として受信面積が0.78〔mm2 〕、厚さがほぼ16
0 〔μm 〕のポリフツ化ビニリデンを用いるものとする
と、当該受信素子の静電容量C0 はほぼ0.5 〔pF〕であ
り、従つてリード線の浮遊容量CS を10〔pF〕とすると
当該リード線を介して出力される受信信号の信号レベル
は20分の1に低下する。
【0012】このため当該超音波診断装置1では、受信
器5に用いる各受信素子の受信面積を小さくすればする
ほど当該各受信素子の静電容量が小さくなるために、受
信信号S2の伝送効率がさらに低下する問題があり、従
つて各受信素子の受信面積を小さくし難いために受信器
5の感度を向上させ難い問題があつた。またこの種の診
断装置1においては、(3)式及び(4)式からも明ら
かなうように、測定及び演算結果として得られる散乱強
度には送信器3、4の配設位置と受信器5の配設位置に
関する情報が含まれており、従つてこれらの位置が不正
確である場合には被検体2内部の注目する物体点の再現
像を得る際、送信器として第1の送信器3を用いる場合
と第2の送信器4を用いる場合とで同一の点が空間的に
一致せずに像に歪みが生じることがある。
【0013】従つてこの種の診断装置1では、このよう
な像の歪みの発生を回避するために第1及び第2の送信
器3、4と受信器5との位置関係を精密に調整する必要
がある。ところが、このような調整作業は煩雑であり、
また当該調整作業に用いる調整装置が高価であるために
超音波診断装置1自体の価格が高くなる問題があつた。
【0014】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、信号の伝送効率を劣化させずに広い領域から入射す
る超音波を高感度で検出でき、かつ煩雑な調整作業を必
要としない超音波送信及び又は受信装置を提案しようと
するものである。
【0015】かかる課題を解決するため本発明において
は、基板40と、基板40の一面に配置された複数の電
極41と、基板40の一面のうち各電極41及び各電極
41の周辺部42を除くほぼ全面に亘つて各電極41と
絶縁した状態に形成された導電性の駆動電極層43、7
2と、電極41及び駆動電極層43、72に積層され、
外部から入射する超音波の強度に応じた信号レベルの信
号電圧を厚さ方向に発生すると共に、駆動電極層43、
72に所定電圧の駆動信号S10、S10X、S10Y
が供給されたときに励振することにより外部に所定周波
数の超音波を放射する圧電変換手段44と、基板の他面
に配置されたインピーダンス変換機能を有するインピー
ダンス変換手段48と、基板40を貫通して各電極41
及びインピーダンス変換手段48を電気的に接続する接
続手段47とを設け、各電極41と対向する領域内にあ
る圧電変換手段44の内部で発生した信号電圧を、それ
ぞれ対応する各電極41、接続手段47及びインピーダ
ンス変換手段を介して出力するようにした。
【0016】また本発明においては、超音波受信装置に
おいて、超音波の受信面33A、71Aに、入射する超
音波の強度に応じた信号レベルの信号S11を出力する
複数の受波手段34を、近接する少なくとも3つの中心
が同一直線上に位置しないように、受信面33A、71
Aの全面に分散して配置するようにした。さらに本発明
においては、超音波送受信装置において、超音波の送受
信面33A、71Aに、入射する超音波の強度に応じた
信号レベルの信号S11を出力する複数の受波手段34
を全面に分散して設けると共に、当該送受信面33A、
71Aに、超音波を送波する送波手段43、44を全面
に亘つて受波手段34を避けて設けるようにした。さら
に本発明においては、超音波受信装置において、基板4
0の一面に複数設けられ、入射する超音波の強度に応じ
た信号レベルの信号S11を出力する圧電変換手段34
と、圧電変換手段34にそれぞれ対応させて基板40の
他面に設けられたインピーダンス変換機能を有するイン
ピーダンス変換手段48とを設け、各圧電変換手段34
から出力される信号S11をインピーダンス変換手段4
8を介して外部に出力するようにした。
【0017】
【0018】
【作用】基板40の一面に複数の電極41を配置すると
共に、当該電極41及びその周辺部42を除く当該基板
40の一面全面に当該電極41と絶縁した状態に導電性
の駆動電極層43、72を形成し、かつ当該電極41及
び駆動電極層43、72に圧電変換手段44を積層した
ことにより、煩雑な調整作業を必要とせずに超音波の送
信部としての圧電変換手段44と受信部としての電極4
1との間に常に一定の位置関係を得ることができる。
【0019】また超音波の受信面33A、71Aに、受
波手段34を当該受信面33A、71Aの全面に分散す
るように、かつ近接する少なくとも3つの中心が同一直
線上に位置しないように配置するようにしたことによ
り、アーチフアクトの発生を未然に防止することができ
る。さらに超音波の送受信面33A、71Aに、入射す
る超音波の強度に応じた信号レベルの信号S11を出力
する複数の受波手段34を全面に分散するように設ける
と共に、当該送受信面33A、71Aに、超音波を送波
する送波手段43、44を全面に亘つて受波手段34を
避けて設けるようにしたことにより、煩雑な調整作業を
必要とせずに受波手段34及び送波手段43、44の位
置関係を常に一定とすることができる。さらに基板40
の一面に複数設けられ、入射する超音波の強度に応じた
信号レベルの信号S11を出力する圧電変換手段34
と、圧電変換手段34にそれぞれ対応させて基板40の
他面に設けられたインピーダンス変換手段48とを設
け、各圧電変換手段34から出力される信号S11をイ
ンピーダンス変換手段48を介して外部に出力するよう
にしたことにより、各圧電変換手段34から出力される
信号S11をそれぞれ効率良く外部に出力することがで
きる。
【0020】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0021】(1)第1実施例 (1−1)超音波診断装置の全体構成 図15との対応部分に同一符号を付して示す図1におい
て、30は全体として超音波診断装置を示し、駆動電源
部31は高圧のパルス電圧を発生し、これを駆動信号S
10としてスイツチ部32を介して超音波送受信器33
に送出する。
【0022】超音波送受信器33は、駆動信号S10に
基づくパルス電圧の入力に応じて超音波の送受信面(以
下、これを単に送受信面33Aと呼ぶ)から順次所定周
波数の超音波を検査領域に向けて送波する。また超音波
送受信器33においては、当該送受信面33Aに複数の
受信信号出力部34を有し、超音波の送波後、各受信信
号出力部34に入射する散乱波の強度に応じた信号レベ
ルの受信信号S11をそれぞれ各受信信号出力部34か
らマルチプレクサ回路9に送出する。
【0023】マルチプレクサ回路9は、超音波送受信器
33から供給される複数の受信信号S11の中から超音
波の送波前に予め選択した受信信号出力部34から供給
される受信信号S11だけを対数アンプ10を介してア
ナログデイジタル変換回路11に送出し、これにより当
該受信信号S11に基づく当該受信信号出力部34に入
射した散乱波の強度データをメモリ12に記憶させる。
さらに当該超音波診断装置30では、同様の動作を各受
信信号出力部34に対して実行し、これにより各受信信
号出力部34から出力される各受信信号S11に基づい
て得られる各受信信号出力部34に入射した散乱波の各
強度データを順次メモリ12に蓄える。
【0024】さらに当該超音波診断装置30では、この
後3次元像復元回路21によつて図15において説明し
た場合と同様の演算を実行することにより検査領域内の
各サンプリング点における超音波の散乱強度を順次得、
当該各散乱強度に基づいてデイスプレイ22の表示画面
の対応部分を濃淡させることにより被検体2の内部の様
子を3次元的に再現するようになされている。
【0025】実際上超音波送受信器33においては、超
音波を受波し、かつ送波する受波する手段として、図2
及び図3に示すように、プリント基板40の一面に受波
信号出力部34を形成する円形状の受信素子電極41が
2次元マトリクス状に設けられ、当該プリント基板40
の各受信素子電極41及び各受信素子電極41の周辺部
(以下これをリング状ギヤツプ42と呼ぶ)を除く送受
信面のほぼ全面に亘つて形成された導電性の駆動電極層
43において駆動信号S10を受信するようになされて
いる。
【0026】この場合駆動電極層43及び各受信素子電
極41の受信面には厚さ方向に分極された圧電性の高分
子フイルム(高分子圧電フイルム)が積層されることに
より圧電層44が形成されると共に、当該圧電層44に
はアース接地された導電性のグランド電極層45及び絶
縁性の保護膜層46がそれぞれ順次形成されている。こ
れにより当該超音波送受信器33においては、駆動電極
層43に駆動信号S10に基づく高圧パルス電圧が供給
された状態では高分子圧電フイルムが励振し、かくして
当該高分子圧電フイルムから平面波状の超音波を放射し
得るようになされている。
【0027】また特に図3からも明らかなように、各受
信素子電極41はプリント基板40を貫通するように形
成された導電性の貫通孔47(以下、これをスルーホー
ル47と呼ぶ)を介してプリント基板40の他面(以
下、この面を裏面と呼ぶ)に当該各受信素子電極41と
それぞれ対応するように設けられたインピーダンス変換
回路48と電気的に接続されている。これにより当該超
音波送受信器33においては、外部から送受信面33A
に入射する散乱波の強度に応じた信号レベルで圧電層4
4の内部で発生する信号電圧を各受信素子電極41でそ
れぞれ受信し、これを各受信素子電極41から受信信号
S11としてそれぞれスルーホール47及びインピーダ
ンス変換回路48を介してマルチプレクサ回路9に送出
するようになされている。
【0028】この実施例の場合、図1に示すように、ス
イツチ部32は第1及び第2のスイツチ切換え端32A
及び32Bを有し、駆動電源部31から出力された駆動
信号S10を第1のスイツチ切換え端32Aにおいて入
力すると共に、第2のスイツチ切換え端32Bがアース
接地されている。この場合当該スイツチ部32において
は、通常、第1のスイツチ切換え端32Aに接続されて
いるスイツチが、駆動信号S10に基づく1パルス分の
パルス電圧が通過する毎に第2のスイツチ切換え端32
Bに順次切り換わるようになされ、これにより超音波送
受信器33の受波時に超音波送受信器33の各受信素子
電極41と対向する領域外の圧電層34内部で発生され
た信号電圧をアース放電し、かくして当該信号電圧がイ
ンピーダンス変換回路48に流れ込むのを防止し得るよ
うになされている。
【0029】またこの実施例の場合、超音波送受信器3
3においては、圧電層44を形成する圧電高分子フイル
ムとして、厚みがほぼ0.16〔mm〕、面積が12×12〔c
m2 〕の厚み方向に分極されたフツ化ビニリデン−3フ
ツカエチレン共重合体を用い、当該圧電高分子フイルム
をエポキシ系の接着剤を用いて駆動電極層43及び受信
素子電極41の受信面に接着することにより検査領域に
向けて3.5 〔MHz 〕の超音波を出力し得るようになされ
ている。このため当該超音波送受信器33では、各受信
素子電極41の直径を圧電層44から出力される超音波
のほぼ2波長分に相当する0.9 〔mm〕に選定し、これに
より各受信素子としての受信信号出力部34の指向性を
小さくし得るようになされている。また各スルーホール
47は直径が0.2 〔mm〕に選定され、これにより中央部
に穴が開いていることによる当該各受信素子電極41の
受信特性にほぼ影響を与え得ないようになされている。
【0030】さらにこの実施の形態の場合、各インピー
ダンス変換回路48は、図4に示すように電界効果型ト
ランジスタ(FET :Field Effect Transistor)T1を用
いて構成されている。この場合この電界効果型トランジ
スタT1においては、ゲート端子が受信素子電極41の
第1の信号出力端に接続されると共に、ソース端子が抵
抗R1を介して受信素子電極41の第2の信号出力端と
共にアース接地されている。また電界効果型トランジス
タT1においては、ドレイン端子が所定電圧(+V)の
駆動電源に接続されていると共に、ゲート端子が抵抗R
2を介して所定電圧(−V)の駆動電源に接続され、こ
れにより受信素子電極41から供給される受信信号S1
1をほぼ同じ信号レベルでソース端子及び抵抗R2の接
続中点からマルチプレクサ回路9に送出し得るようにな
されている。
【0031】さらに当該インピーダンス変換回路48に
おいては、抵抗R1に対して入力保護回路50を形成す
るダイオードD1及びD2がそれぞれ互いに逆向きに並
列接続され、これにより駆動電極層43に印加される駆
動信号S10に基づく高圧パルス電圧が各受信素子電極
41に流れ込むのを防止し、かくして当該高圧パルス電
圧の流入に起因する電界効果型トランジスタT1の破損
及びインピーダンス変換回路48の飽和による一時的な
動作不良を防止し得るようになされている。さらに当該
インピーダンス変換回路48においては、電界効果型ト
ランジスタT1として入力容量が1〔pF〕以下のものが
使用され、これにより受信信号S11をマルチプレクサ
回路9に送出する際の当該受信信号S11の減衰を効果
的に防止し得るようになされている。
【0032】さらにこの実施例の場合、各リング状ギヤ
ツプ42には、図5に示すように、導電性の環状のガー
ドリング60が形成されると共に当該各ガードリング6
0はスルーホール61を介してプリント基板40の裏面
でアース接地されている。これにより当該超音波送受信
器33は、駆動電極層43に印加される駆動信号S10
に基づく高圧パルス電圧が各受信素子電極41に流れ込
むのを防止し、かくして当該高圧パルス電圧の流入に起
因する電界効果型トランジスタT1の破損及びインピー
ダンス変換回路48の飽和による一時的な動作不良を防
止し得るようになされている。
【0033】(1−2)第1実施例の動作 以上の構成において、この超音波送受信器33では、駆
動信号S10の入力に応じて圧電層44が励振されるこ
とにより当該圧電層44から当該圧電層44の厚さ方向
に所定周波数の平面波状の超音波を放射する。また駆動
信号S10が供給されていない状態では各受信素子電極
41に入射する散乱波の強度に応じて当該各受信素子電
極41と対向する圧電層44内部において発生した信号
電圧を対応する各受信素子電極41で受信し、これをそ
れぞれスルーホール47及びインピーダンス変換回路4
8を介して続く信号処理回路(この実施例ではマルチプ
レクサ回路9)に送出する。
【0034】この場合当該超音波送受信器33では、超
音波送信手段としての圧電層44と超音波受信手段とし
ての各受信素子電極41との位置関係が常に一定である
ために超音波送信手段及び超音波受信手段間の位置調整
を必要としない。また当該超音波送受信器33では、受
信信号S11の出力段にインピーダンス変換回路48を
設けたことにより受信信号S11の伝送時における減衰
を効果的に低減できる。従つて当該超音波送受信器33
においては、インピーダンス変換回路48の入出力特性
を調整することによつて各受信素子電極41の静電容量
の低下に伴う受信信号S11の伝送効率の低下を防止す
ることができ、かくして伝送効率を低下させずに受信素
子電極41の受信面の面積を小さくすることができる。
【0035】(1−3)第1実施例の効果 以上の構成によれば、プリント基板40の送受波面に複
数の受信素子電極41及び厚み方向に分極された高分子
圧電フイルムを順次積層するようにしたことにより、超
音波送信手段と超音波受信手段との位置関係を常に正確
に得ることができ、かくして送信部と受信部との間の煩
雑な位置調整作業を必要としない超音波送受信器を実現
できる。
【0036】またこの場合、各受信素子電極41をスル
ーホール47を介してプリント基板40の裏面に配設さ
れたインピーダンス変換回路48に接続し、各受信素子
電極41が受信した信号電圧をスルホール47及びイン
ピーダンス変換回路48を介して続く信号処理回路に送
出するようにしたことにより、受信素子電極41の受信
面の面積を小さくすることに起因する信号の伝達ロスを
効果的に防止することができる。従つて必要に応じて各
受信素子電極41の受信面の面積を小さくすることがで
き、かくして信号の伝送効率を低下させずに広い領域か
ら入射する超音波を高感度で検出できる超音波送受信器
を実現できる。
【0037】(2)第2実施例 (2−1)超音波診断装置の全体構成 図1との対応部分に同一符号又は同一符号に添字X、Y
を付して示す図6は第2実施例による超音波診断装置7
0を示し、超音波送受信器71の駆動電極層が複数部分
に分割されていることと受信素子電極41の配置状態を
除いてほぼ第1実施例の超音波診断装置30と同様に構
成されている。すなわち当該超音波診断装置70におい
ては、複数の駆動電源回路31X、31Y及びスイツチ
回路32X、32Yを有し、当該各駆動電源回路31
X、31Yがそれぞれ駆動信号S10X、S10Yを同
じタイミングで各スイツチ回路32X、32Yを介して
超音波送受信器71に送出するようになされている。
【0038】超音波送受信器71においては、図2及び
図3との対応部分に同一符号を付して示す図7及び図8
のように、駆動電極層72がギヤツプ73によつて複数
の駆動電極層部72A、72Bに分割され、駆動電源回
路31X、31Yから供給される駆動信号S10X、S
10Yをそれぞれ対応する当該各駆動電極層部に72
A、72Bにおいて受信するようになされている。この
場合当該駆動電極層72の分割数は、駆動電源回路31
X、31Yの出力インピーダンスの大きさに応じて選定
されており、これにより当該超音波送受信器71及び駆
動電源回路31X、31Y間のインピーダンス整合の不
釣り合いに起因する超音波送受信器71全体の超音波の
送波効率の低下を防止し得るようになされている。
【0039】また超音波送受信器71においては、特に
図7からも明らかなように、各受信素子電極41がその
送受信面71Aにお互いに近接する任意の3つができる
だけ同一直線上に位置せず、かつ全面に亘つて均一に分
散するような条件の元でほぼランダムに配置されてい
る。すなわち、図9のように平面波形状の超音波を送波
する平面P上に複数の受信素子80A、80B、80
C、80Dが同一直線K1上に配置されている場合、当
該直線K1を含み平面Pと垂直な平面をQ、当該平面P
と平行な平面をR、当該平面R上の任意の物体点をα、
当該物体点αと平面Qに対して面対称な点をβとする
と、直線K1上にある各受信素子80A〜80Dから物
体点αまでの距離と各受信素子80A〜80Dから点β
までの距離とはそれぞれ等しく、従つて平面Pから送波
された超音波が物体点αで散乱された後直線K1上にあ
る任意の受信素子80A〜80Dに入射する時間と送受
波面71Aから送波された超音波が点βで散乱された後
当該受信素子80A〜80Dに入射する時間とが等しく
なる。
【0040】従つて当該各受信素子電極80A〜80D
の出力に基づく強度データ及び(4)式を用いて点βに
おける超音波の散乱強度を求める場合には、結果的に物
体点αの散乱強度に関するデータ部分を用いることにな
り、この結果点βの位置に物体がない場合でもある程度
の大きさの散乱強度が得られるために演算結果に基づく
表示映像に虚像(以下これをアーチフアクトと呼ぶ)が
生じるおそれがある。
【0041】ただしこの場合においても、例えば受信素
子電極80Dが他の受信素子電極80A〜80Cに対し
て遠く離れているときには、点βの散乱強度の計算結果
に対する当該受信素子電極80Dの寄与は小さい。この
ため当該超音波送受信器71では、各受信素子電極41
をお互いに近接する任意の3つの受信素子電極41がで
きるだけ同一直線上に位置しないように配置することに
よりアーチフアクトの発生を未然に防止し得るようにな
されている。
【0042】また例えば図9との対応部分に同一符号を
付して示す図10において、平面R上にある2つの物体
点をそれぞれU及びVとし、当該各物体点U及びVから
送受信面Pにおろした垂線のあしをそれぞれUP 、VP
とする。ここで、一般的に受信素子が図18に示すよう
な指向特性を有し、かつ散乱波の音圧レベルが当該散乱
波の発生源までの距離に反比例することから、例えば物
体点Uにおいて生じた散乱波が同じ入射角及び同じ音圧
レベルで入射する、点UP を中心とした半径rの円周上
にある各受信素子からは当該物体点Uにおいて生じた散
乱波の入射に応じてそれぞれ同じレベルの出力が得られ
る。この出力は、当該半径rの増加に伴つて急減する。
【0043】従つて平面P上に配置された複数の受信素
子(図示せず)の各出力及び(4)式に基づいて第1実
施例と同様にして各物体点U及びVにおける超音波の散
乱強度を算出するとき、点UP 及び点VP をそれぞれ中
心とする所定半径rの各範囲内に存在する受信素子の数
が大きく異なる場合には、本来同じ程度の散乱強度が得
られるはずの各計算結果が大きく異なつてくるおそれが
ある。このため当該超音波送受信器71では、各受信素
子電極41を送受信面に均一に分布することにより検査
領域内の各サンプリング点における散乱強度を正確に得
ることができるようになされている。
【0044】実際上この超音波送受信器71では、各受
信素子電極41をお互いに近接する任意の3つができる
だけ同一直線上に位置せず、かつ全面に亘つて均一に分
散するように送受信面71Aに配置する方法として、図
11に示すように、送受信面71Aの中央部に受信素子
電極41を配置する領域(以下、これを受信素子電極存
在領域71Bと呼ぶ)を設定すると共に、図12に示す
ように、当該受信素子電極存在領域71Bを横幅がLn、
縦幅がLmの長方形に順次分割する複数の仮想的な縦線K
10及び横線K11を考え、当該各縦線K10及び各横
線K11の各交点Oとそれぞれ重心が一致する複数の長
方形形状の各領域(以下これを電極配置領域71Cと呼
ぶ)内にそれぞれ1つずつの受信素子電極41をランダ
ムに配置している。
【0045】すなわち当該超音波送受信器71では、任
意の受信素子電極41に対し、まず電極配置領域71C
内の交点OをXY平面上の原点とし、各電極配置領域7
1Cの横方向の幅をLnx (Lnx ≦Ln)、縦方向の幅をLm
x (Lmx ≦Lm)として、コンピユータに乱数を発生させ
ることによりX座標値を−Lnx /2からLnx /2の範囲
で求め、かつY座標値を−Lmx /2からLmx /2の範囲
で求める(以下このステツプを乱数決定ステツプと呼
ぶ)。
【0046】続いて、得られた座標に受信素子電極41
を配置したときに当該受信素子電極41が駆動電極層7
2(図7)のギヤツプ73(図7)に重なるか否かを判
断し、重なるような場合には乱数決定ステツプを繰り返
すことにより当該受信素子電極41がギヤツプ73に重
ならないようなX座標値及びY座標値をそれぞれ決定す
る。(以下このステツプを補正ステツプと呼ぶ)。さら
にこの乱数決定ステツプ及び補正ステツプを各受信素子
電極41に対して順次実行し、これにより各受信素子電
極41の配置位置を決定する。
【0047】続いて決定された各受信素子電極41のX
座標値及びY座標値に基づいて当該各受信素子電極41
の配置位置をモニタ画面にプロツトし、近接する任意の
3つの受信素子電極41がなるべく同一直線上になく、
かつ当該受信素子電極41が均一に分散しているか否か
を目視によつて確認する。このとき近接する任意の3つ
の受信素子電極41が同一直線上になく、かつ均一に分
散している場合にはこのときの各受信素子電極41の位
置を最終的な配置位置として決定し、これに対して近接
する任意の3つの各受信素子電極41が同一直線上にあ
り、及び又は均一に分散していない場合には対応する各
受信素子電極41を近接する任意の3つが同一直線上に
なく、かつ均一に分散するように順次ずらすことにより
各受信素子電極41の最終的な配置位置を決定してい
る。
【0048】この実施例の場合、超音波送受信器71に
おいては、送受信面71Aの縦幅及び横幅がそれぞれ12
〔cm〕に選定されると共に、当該送受信面71Aに縦幅
及び横幅がそれぞれ11〔cm〕の受信素子電極存在領域7
1Bが設定され、検査領域に向けて3.5 〔MHz 〕の超音
波を送波することにより10×10×10〔cm3 〕の領域を検
査し得るようになされている。このため高分子圧電フイ
ルムとして面積が12×12〔cm2 〕、厚さが0.16〔mm〕の
ポリフツ化ビニリデンを用い、当該ポリフツ化ビニリデ
ンをエポキシ系の接着剤で駆動電極層72及び受信素子
電極41に貼着することにより圧電層44を形成してい
る。
【0049】この場合超音波送受信器71においては、
送信部分の静電容量が9000〔pF〕となるために動作周波
数3.5 〔MHz 〕では、極めて小さいインピーダンスとな
る。これを防止するため、駆動電極層72を4〜7個に
分割し、これにより超音波送受信器71及び駆動電源回
路31X、31Y間のインピーダンス整合をとつてい
る。また駆動電極層72の各ギヤツプ73は幅が0.3
〔mm〕程度に選定されている。
【0050】(2−3)実施例の効果 以上の構成によれば、各受信素子電極41を、近接する
3つが同一直線上に位置せず、かつ全面に亘つて均一に
分散するようにそれぞれ超音波送受信器71の送受信面
71Aに配置したことにより、アーチフアクトを低減
し、ゴースト等の発生の少ない明瞭な再生画像を得るこ
とができ、かくして第1実施例よりも信頼性の高い超音
波送受信器を実現できる。また超音波送受信器71の駆
動電源層72を所定数に分割したことにより、当該超音
波送受信器71の送波効率を向上させ得る。
【0051】(3)他の実施例 なお上述の第1及び第2実施例においては、本発明を超
音波診断装置30、70の超音波送受信器33、71に
適用するようにした場合について述べたが、本発明はこ
れに限らず、例えば超音波探傷装置等この他被検物の内
部の様子を検出する手段として超音波を用いる種々の装
置の探触子に適用して好適なものである。
【0052】また上述の第1及び第2実施例において
は、本発明を超音波送受信器33、71に適用するよう
にした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
超音波を受波するだけの受信器又は超音波を送信するだ
けの送信器にも適用して好適なものである。この場合当
該送信電極を接地状態にすることによりノイズの混入を
防止することができる。
【0053】さらに上述の第1及び第2実施例において
は、平面板状のプリント基板40を用いて超音波送受信
器33、71を形成するようにした場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、例えば図13に示すような
被検物90の形状に応じて屈曲したプリント基板91を
用いて超音波送受信器を形成するようにしても良い。
【0054】さらに上述の第1及び第2実施例において
は、超音波送受信器33、71の送受信面71Aに形成
された各受信素子電極41と超音波送受信器33、71
の裏面に形成されたインピーダンス変換回路48とを電
気的に接続する手段としてスルーホール47を用いるよ
うにした場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、要は各受信素子電極41及びインピーダンス変換回
路48をプリント基板40を貫通する導電性の接続手段
で電気的に接続するのであれば、接続手段としては特に
スルーホールでなくても良い。
【0055】さらに上述の第1及び第2実施例において
は、超音波送受信器33、71のプリント基板40の裏
面に各受信素子電極41に対応させてインピーダンス変
換回路48を形成するようにした場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、各受信素子電極41から出
力された各受信信号S11を減衰によるノイズの影響を
受けずに(又は受け難く)続く信号処理回路8に送出す
ることができるのであれば超音波送受信器33、71の
プリント基板40の裏面にインピーダンス変換回路48
に代えて増幅回路等この他種々の回路を形成するように
しても良い。
【0056】さらに上述の第2実施例においては、駆動
電極層72を4〜7個の駆動電極層部72A、72Bに
分けるようにした場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、駆動電極層72の分割数は駆動電源回路31
X、31Yのインピーダンスに応じて選定すれば良い。
【0057】さらに上述の第2実施例においては、各受
信素子電極41を、近接する3つが同一直線上に位置せ
ず、かつ均一に分散するように送受信面71Aに配置す
る方法として、超音波送受信器71の送受信面71Aに
複数の電極配置領域71Cを設定し、当該各電極配置領
域71C内にそれぞれ1つずつの受信素子電極41をラ
ンダムに配置するようにした場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、例えば図12との対応部分に同一
符号を付した図14に示すように、各交点Oとそれぞれ
中心が一致するように複数の円形状の電極配置領域10
0(例えば半径は圧電層44から出力される超音波の波
長をλとして10λ程度)を設定し、当該各電極配置領域
100内に1つずつの受信素子電極41をランダムに配
置するようにしても良い。
【0058】因にこの場合各受信素子電極41の各電極
配置領域100内における配置位置を決定する方法とし
て、コンピユータを用いて各受信素子電極41の電極配
置領域100内における交点Oからの距離ra 及び基準
線からの角度θを乱数により決定し、この後第2実施例
の場合と同様の手順により近接する3つの受信素子電極
41が同一直線上に位置せず、かつ均一に分散するよう
に超音波送受信器71の送受信面71Aに配置するよう
に補正すれば良い。
【0059】また各受信素子電極41の受信素子電極存
在領域71A(図11)内における配置位置のX座標値
及びY座標値を全くランダムにコンピータの乱数で決定
し、この後第2実施例の場合と同様の手順により近接す
る3つの受信素子電極41が同一直線上に位置せず、か
つ一面に均一に分散するように当該受信素子電極41を
超音波送受信器71の送受信面71Aに配置するように
補正するようにしても良く、近接する3つが同一直線上
に位置せず、かつ一面に均一に分散するように各当該受
信素子電極41を超音波送受信器71の送受信面71A
に配置する方法としてはこの他種々の方法を適用でき
る。
【0060】さらに上述の第2実施例においては、各受
信素子電極41の電極配置領域71C内におけるX座標
値及びY座標値の求め方としてコンピユータに乱数を発
生させる方法を適用するようにした場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、各受信素子電極41の電極
配置領域71C内におけるX座標値及びY座標値の求め
方としては人為的にランダムに決定する等この他種々の
方法を適用できる。
【0061】さらに上述の第1及び第2実施例において
は、スイツチ部32、32X、32Yのスイツチが第1
のスイツチ切換え端32A、32XA、32YAに接続
後、直ちに第2のスイツチ切換え端32B、32XB、
32YBに切り換わることにより超音波送受信器33、
71の各受信素子電極41と対向する領域外の圧電層4
4内部で発生した信号電圧を放電するようにした場合に
ついて述べたが、例えばパルス発生手段のインピーダン
スが小さいときにはスイツチ部32、32X、32Yを
設けくても良い。この場合でも同様の効果を得ることが
できる。
【0062】さらに上述の第2実施例においては、近接
する3つが同一直線上に位置せず、かつ一面に均一に分
散するように各当該受信素子電極41を超音波送受信器
71の送受信面71Aに配置するようにした場合につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、要は各受信素子電
極41の出力に基づく表示映像にゴーストが発生しない
ように当該各受信素子電極41を超音波送受信器71の
送受信面71Aにランダムに配置するのであれば、受信
素子電極41の配置条件としてこの他種々の配置条件を
適用できる。
【0063】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、基板の一
面に複数の電極を配置し、当該電極及びその周辺部を除
く当該基板の一面全面に当該電極と絶縁した状態に導電
性の駆動電極層を形成すると共に当該電極及び駆動電極
層に圧電変換手段を積層し、かつ各電極を基板の裏面に
配置されたインピーダンス変換手段と当該基板を貫通す
る導電性の接続手段を用いて電気的に接続すると共に、
当該各電極が受信した信号電圧を接続手段及びインピー
ダンス変換手段を介して出力するようにしたことによ
り、煩雑な調整作業を必要とせずに超音波の送信部とし
ての圧電変換手段と受信部としての電極との間に常に一
定の位置関係を得ることができると共に、当該各電極か
ら出力された信号電圧をそれぞれ効率良く伝送すること
ができ、かくして信号電圧の伝送効率を低下させずに広
い領域から入射する超音波を高感度で検出できると共
に、煩雑な調整作業を必要としない超音波送信及び又は
受信装置を実現できる。また本発明によれば、超音波受
信装置において、超音波の受信面に複数の受波手段を、
隣接する少なくとも3つの中心が同一直線上に位置しな
いように、受信面の全面に分散して配置するようにした
ことにより、アーチフアクトの発生を有効に防止するこ
とができ、かくして信頼性の高い超音波受信装置を実現
できる。さらに本発明によれば、超音波送受信装置にお
いて、超音波の送受信面に複数の受波手段を全面に分散
して設けると共に、当該送受信面に送波手段を全面に亘
つて受波手段を避けて設けるようにしたことにより、受
波手段及び送波手段の位置関係を常に一定とすることが
でき、かくして煩雑な調整作業を必要としない超音波送
受信装置を実現できる。さらに本発明によれば、超音波
受信装置において、基板の一面に複数の圧電変換手段を
設けると共に、圧電変換手段にそれぞれ対応させて基板
の他面にインピーダンス変換手段を設け、各圧電変換手
段から出力される信号をインピーダンス変換手段を介し
て外部に出力するようにしたことにより、各圧電変換手
段から出力される信号をそれぞれ効率良く外部に出力す
ることができ、かくして信号電圧の伝送効率を低下させ
ずに広い領域から入射する超音波を高感度で検出できる
超音波受信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例による超音波診断装置の全体構成を
示すブロツク図である。
【図2】第1実施例による超音波送受信器の送受信面の
様子を示す平面図である。
【図3】第1実施例による超音波送受信器を示す断面図
である。
【図4】受信信号出力部の詳細を示す平面図である。
【図5】インピーダンス変換回路の詳細を示す回路図で
ある。
【図6】第2実施例による超音波診断装置の全体構成を
示すブロツク図である。
【図7】第2実施例による超音波送受信器の送受信面の
様子を示す平面図である。
【図8】第2実施例による超音波送受信器を示す断面図
である。
【図9】アーチフアクトの説明に供する概念的な斜視図
である。
【図10】受信素子電極の分布の均一性の説明に供する
概念的な斜視図である。
【図11】受信素子電極存在領域を示す平面図である。
【図12】受信素子電極存在領域における各受信素子電
極の配置方法の説明に供する平面図である。
【図13】他の実施例を示す略線的な斜視図である。
【図14】他の実施例を示す略線的な斜視図である。
【図15】従来の超音波診断装置の全体構成を示すブロ
ツク図である。
【図16】各受信素子に入射する散乱波の様子を示す略
線的な斜視図である。
【図17】各受信素子から出力される受信信号の様子を
示す波形図である。
【図18】受波面が円形状に形成された受信素子の指向
性の説明に供する特性曲線図である。
【図19】受信素子及びリード線間における静電容量の
等価回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1、30、70……超音波診断装置、3、4……送信
器、5……受信器、33、71……超音波送信及び又は
受信装置(超音波受信器)、34……受波手段(受信信
号出力部)、40……基板(プリント基板)、41……
電極(受信素子電極)、42……周辺部(リング状ギヤ
ツプ)、43……駆動電極層、送波手段(駆動電極層)
44……圧電変換手段、送波手段(圧電層)、47……
接続手段(スルーホール)、48……インピーダンス変
換手段(インピーダンス変換回路)、S2、S11……
信号(受信信号)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬上 隆 東京都国分寺市東元町3丁目20番41号リ オン株式会社内 (72)発明者 落合 勉 東京都国分寺市東元町3丁目20番41号リ オン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−232425(JP,A) 特開 昭58−143265(JP,A) 特開 昭61−234697(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、 上記基板の一面に配置された複数の電極と、 上記基板の上記一面のうち上記各電極及び上記各電極の
    周辺部を除くほぼ全面に亘つて上記各電極と絶縁した状
    態に形成された導電性の駆動電極層と、 上記電極及び上記駆動電極層に積層され、外部から入射
    する超音波の強度に応じた信号レベルの信号電圧を上記
    厚さ方向に発生すると共に、上記駆動電極層に所定電圧
    の駆動信号が供給されたときに励振することにより外部
    に所定周波数の超音波を放射する圧電変換手段と、 上記基板の他面に配置されたインピーダンス変換機能を
    有するインピーダンス変換手段と、 上記基板を貫通して上記各電極及び上記インピーダンス
    変換手段を電気的に接続する接続手段とを具え、上記各
    電極と対向する領域内にある上記圧電変換手段の内部で
    発生した上記信号電圧を、それぞれ対応する上記各電
    極、上記接続手段及び上記インピーダンス変換手段を介
    して出力することを特徴とする超音波送信及び又は受信
    装置。
  2. 【請求項2】超音波の受信面に複数設けられ、入射する
    上記超音波の強度に応じた信号レベルの信号を出力する
    受波手段 を具え、 上記受波手段は、 近接する少なくとも3つの中心が同一直線上に位置しな
    いように、上記受信面の全面に分散して配置された こと
    を特徴とする超音波受信装置。
  3. 【請求項3】上記受信面は、基板の一面であり、 上記受波手段は、圧電変換材料を用いて形成され、 各上記受波手段にそれぞれ対応させて上記基板の他面に
    設けられたインピーダンス変換機能を有するインピーダ
    ンス変換手段を具え、 各上記受波手段から出力される上記信号を上記インピー
    ダンス変換手段を介して外部に出力する ことを特徴とす
    る請求項2に記載の超音波受信装置。
  4. 【請求項4】超音波の送受信面の全面に分散して設けら
    れ、入射する上記超音波の強度に応じた信号レベルの信
    号を出力する複数の受波手段と、 上記送受信面の全面に亘つて上記受波手段を避けて設け
    られた、上記超音波を送波する送波手段と を具えること
    を特徴とする超音波送受信装置。
  5. 【請求項5】上記受波手段は、 近接する少なくとも3つの中心が同一直線上に位置しな
    いように上記送受信面に設けられた ことを特徴とする請
    求項4に記載の超音波送受信装置。
  6. 【請求項6】上記送受信面は、基板の一面であり、 上記受波手段は、圧電変換材料を用いて形成され、 上記受波手段にそれぞれ対応させて上記基板の他面に設
    けられたインピーダンス変換機能を有するインピーダン
    ス変換手段を具え、 各上記受波手段から出力される上記信号を上記インピー
    ダンス変換手段を介して外部に出力する ことを特徴とす
    る請求項4又は請求項5に記載の超音波送受信装置。
  7. 【請求項7】基板の一面に複数設けられ、入射する上記
    超音波の強度に応じた信号レベルの信号を出力する圧電
    変換手段と、 各上記圧電変換手段にそれぞれ対応させて上記基板の他
    面に設けられたインピーダンス変換機能を有するインピ
    ーダンス変換手段と を具え、 各上記圧電変換手段から出力される上記信号を上記イン
    ピーダンス変換手段を介して外部に出力する ことを特徴
    とする超音波受信装置。
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