JP2994627B2 - 空調・換気装置 - Google Patents

空調・換気装置

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JP2994627B2 JP10247191A JP24719198A JP2994627B2 JP 2994627 B2 JP2994627 B2 JP 2994627B2 JP 10247191 A JP10247191 A JP 10247191A JP 24719198 A JP24719198 A JP 24719198A JP 2994627 B2 JP2994627 B2 JP 2994627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多目的体育館や恒温
工場などの大空間の空調・換気装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】多目的体育館、展示場、ロビー・アトリ
ウム、ホール、倉庫などの大空間における均一な空気調
和を行うものとして、図9に示すような、空調・換気装
置25が使用されている。この空調・換気装置25は小
容量のファン26、小口径のダクト27および吹出ノズ
ル28からなり、該吹出ノズル28から噴射した高速空
気の運動エネルギーを利用して室内全体の空気を撹拌し
て調和するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の空調・
換気装置の吹出ノズルは、それぞれ静止した垂直ノズル
と水平ノズルとからなり、これらのノズルで室内の温度
を均一にしているため効率が悪かった。
【0004】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、大空間における均一な空気
調和を効率的に行う空調・換気装置を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、ダクトの所定箇所に設けた吹出ノズルから
噴射した空気の運動エネルギーを利用して室内全体の空
気を撹拌して調和する空調・換気装置において、前記吹
出ノズルを固定管部と回転管部とから構成し、該回転管
部をフレキシブル管にして噴射空気の水平分力で回転で
きるように折曲形成し、前記固定管部と回転管部との間
には回転調整機構が設けられ、該回転調整機構は固定管
部に設置された固定板と、回転管部に設置された回転板
とが重なるようにして支軸で連結され、これらの固定板
と回転板との間にスペーサが設置されるとともに、前記
支軸には回転板と接した下部スペーサが設けられ、該下
部スペーサと支軸の調整ナットとの間にスプリングが設
けられたことを特徴とする。
【0006】請求項1の発明によれば、吹出ノズルを折
曲形成して噴射空気の水平分力で回転できるようにした
ことにより、吹出ノズルから空気が噴射されると、その
噴射空気の水平分力で吹出ノズルが自転しながら空気を
噴射することにより室内の温度が均一になる。また回転
管部を任意の角度に折り曲げることにより、吹出ノズル
の回転速度を任意に調整することができるとともに、噴
射空気の範囲も任意に変えることができる。また回転調
整機構におけるスプリングによって下部スペーサと回転
板との摩擦力を調整することにより回転管部の回転速度
を任意に調整することができる。また固定板と回転板と
の間に設置されたスペーサによって回転管部がスムーズ
に回転する。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の空調・換気装置の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は空
調・換気装置を取り付けた断面図、図2は吹出ノズルの
正面図、側面図および平面図である。
【0014】図1は、工場などの大きな建物に設けた空
調・換気装置1を示したものであり、ファン2と、該フ
ァン2に接続されたダクト3と、該ダクト3の所定箇所
に設けた吹出ノズル4とから構成され、前記ファン2に
よって室内の空気が吸引されるとともに、この吸引され
た空気がダクト3を通じて吹出ノズル4から高速噴射さ
れる。
【0015】吹出ノズル4は、図2に示すように固定管
部5と回転管部6とから構成され、該回転管部6は固定
管部5に対して右方向に湾曲し、かつ手前側に所定の角
度で傾斜している[同図の(1)および(3)]。また同
図の(2)は(1)の右側面図であり、回転管部6が固
定管部5に対して30度の角度をもって傾斜した状態を
示している。この回転管部6はフレキシブル管であるた
め、任意の方向、または角度に折り曲げることができ
る。したがって、この折曲角度と噴射空気の噴射力とに
よって吹出ノズル4の回転数と、均一な温度範囲とが決
定される。
【0016】固定管部5には、図3に示すように、接続
管7が嵌合され、該接続管7が玉軸受け8を介して空気
チャンバー9の下面に回転自在に取り付けられている。
この取り付けは天井の種類など応じて自由に変えること
ができる。また空気チャンバー9はアングル10で天井
11に固定され、上部の接続管12によってダクト3に
接続されている。
【0017】図3の(2)はダンパー4aを固定管部5
に設置したものであり、同図の(3)に示すように、ダ
ンパー4aの角度を変えることによって風量を調整する
ことができる。この場合は室内側に目盛付調整スイッチ
を設けてあるので、室内側において風量の調節をするこ
とができる。
【0018】図5は、吹出ノズル4の回転作用を示した
ものであり、(1)に示すように、回転管部6の先端か
ら噴射した空気の水平分力が矢印Aの方向に作用し、こ
れによって吹出ノズル4が回転する[同図の(2)およ
び(3)]。例えば、30mmφの吹出ノズル4に10
0mmAqの圧力をかけると、7×10-42×10k
g/m2≒70gの推力が生じる。このとき回転管部6
の角度が30゜の場合[図2の(2)]、水平分力は70
g×sin30゜=35gとなり、この水平分力によっ
て吹出ノズル4が回転する。この場合、吹出ノズル4は
11.8秒で5回転しており、温度を均一にするには十
分な回転量である。このような回転に伴って噴射空気が
吹出ノズル4を中心にした広い範囲をカバーして部屋全
体の温度を均一にする(図6参照)。
【0019】したがって、吹出ノズル4は、他の動力を
必要とせず、噴射空気の水平分力を利用して自転するこ
とにより、噴流を広い範囲に吹き出すことができ、空気
の効率的な撹拌ができるとともに省エネルギーも達成で
きる。
【0020】図7および図8は、回転管部6が固定管部
5に玉軸受け8を介して回転自在に取り付けられるとと
もに、これらの回転管部6と固定管部5との間に回転調
整機構13を設けた吹出ノズル14であり、この回転調
整機構13によって回転管部6の回転速度を任意に調整
することができる。
【0021】回転調整機構13は、固定管部5に設けた
固定板15と、回転管部6に設けた回転板16と、これ
らの固定板15と回転板16とを連結した支軸17とか
ら構成されている。固定板15は、中央の基板15aか
ら上方へ放射状に伸びた腕部15bが固定管部5の鍔部
18に溶接して固定されている。また回転板16も固定
板15と同じ構成であり、中央の基板16aから上方へ
放射状に伸びた腕部16bが回転管部6の固定リング1
9に溶接されている。そして回転板16が固定板15に
重なるようにして支軸17で連結されるとともに、該支
軸17には上部スペーサ20と、中間部スペーサ21
と、下部スペーサ22とがそれぞれ設けられている。ま
た下部スペーサ22と支軸17の調整ナット23との間
にはスプリング24が設けられて下部スペーサ22を常
時回転板16に押し付ける働きをしている。したがっ
て、調整ナット23を作動させてスプリング24を縮め
ると、下部スペーサ22と回転板16との摩擦力が大き
くなるため回転管部6が回転しずらくなる。一方、調整
ナット23を作動させてスプリング24を伸ばすと、下
部スペーサ22と回転板16との摩擦力が小さくなるた
め回転管部6が回転し易くなる。このように調整ナット
23の調節によって回転管部6の回転速度を自在に調整
することができる。
【0022】したがって、図1に示すように、ファン2
から近い位置の吹出ノズル14はスプリング24を縮め
て下部スペーサ22の摩擦力を大きくするとともに、フ
ァン2から遠い位置の吹出ノズル14はスプリング24
を伸ばして下部スペーサ22の摩擦力を小さくすること
により、全ての吹出ノズル14の回転速度を同一にして
室内全体の温度を均一にすることができる。一方、室内
温度を場所によって変化させる場合は、前記とは反対に
ファン2から近い位置の吹出ノズル14はスプリング2
4を伸ばして下部スペーサ22の摩擦力を小さくすると
ともに、ファン2から遠い位置の吹出ノズル14はスプ
リング24を縮めて下部スペーサ22の摩擦力を大きく
する。
【0023】前記支軸17には、摩擦を作用させないと
きに対する回転数比が目盛りとして付けられている。し
たがって、摩擦を作用させないで各部の1分間当たりの
回転を計測すると、回転数比(例えば、最大回転数)に
対応して支軸17を調整することにより回転数比の調整
が簡単にできる。
【0024】また調整ナット23をモータ(図示せず)
などで回転させて、スプリング24を自動的に伸縮させ
ることもでき、前記モータを遠隔操作で稼働させると作
業者が吹出ノズルの回転速度をいつでも簡単に調節でき
るようになる。
【0025】
【発明の効果】吹出ノズルを、他の動力を必要とせず、
噴射空気の水平分力を利用して自転させることができ
る。
【0026】吹出ノズルからの噴射空気の水平分力で吹
出ノズルを自転させることにより、噴流を広い範囲に吹
き出して空気の効率的な撹拌ができるとともに、温度を
均一にすることもできる。
【0027】回転管部の折り曲げ角度により、吹出ノズ
ルの回転速度を任意に調整することができるとともに、
噴射空気の範囲も任意に変えることができる。
【0028】回転調整機構におけるスプリングによって
下部スペーサと回転板との摩擦力を調整して回転管部の
回転速度を任意に調整することにより、空気・換気装置
における全ての吹出ノズルの回転速度を均等にすること
ができる。
【0029】固定板と回転板との間のスペーサによって
回転管部をスムーズに回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】工場などの大きな建物に空調・換気装置を取り
付けた断面図である。
【図2】(1)は吹出ノズルの正面図、(2)は同側面
図、(3)は同平面図である。
【図3】(1)は空気チャンバーの断面図、(2)はダ
ンパーの側面図、(3)はダンパーの下面図である。
【図4】空気チャンバーの平面図である。
【図5】(1)〜(3)は吹出ノズルの回転作動図であ
る。
【図6】噴射空気の拡散範囲を示す図である。
【図7】回転調整機構を備えた吹出ノズルの断面図であ
る。
【図8】図7のA−A線断面図である。
【図9】従来の空調・換気装置の取付図である。
【符号の説明】
1、25 空調・換気装置 2、26 ファン 3、27 ダクト 4、14、28 吹出ノズル 5 固定管部 6 回転管部 7 接続管 8 玉軸受け 9 空気チャンバー 10 アングル 11 天井 12 上部の接続管 13 回転調整機構 15 固定板 16 回転板 17 支軸 18 鍔部 19 固定リング 20 上部スペーサ 21 中間部スペーサ 22 下部スペーサ 23 調整ナット 24 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野沢 清治 東京都港区赤坂5−2−39 日本フレク ト株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−275872(JP,A) 実開 平5−79342(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24F 13/065 F24F 13/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダクトの所定箇所に設けた吹出ノズルか
    ら噴射した空気の運動エネルギーを利用して室内全体の
    空気を撹拌して調和する空調・換気装置において、前記
    吹出ノズルを固定管部と回転管部とから構成し、該回転
    管部をフレキシブル管にして噴射空気の水平分力で回転
    できるように折曲形成し、前記固定管部と回転管部との
    間には回転調整機構が設けられ、該回転調整機構は固定
    管部に設置された固定板と、回転管部に設置された回転
    板とが重なるようにして支軸で連結され、これらの固定
    板と回転板との間にスペーサが設置されるとともに、前
    記支軸には回転板と接した下部スペーサが設けられ、該
    下部スペーサと支軸の調整ナットとの間にスプリングが
    設けられたことを特徴とする空調・換気装置。
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