JP2994475B2 - 壁を貫通した少なくとも一つの電極を有する冶金容器 - Google Patents

壁を貫通した少なくとも一つの電極を有する冶金容器

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JP2994475B2 JP3039222A JP3922291A JP2994475B2 JP 2994475 B2 JP2994475 B2 JP 2994475B2 JP 3039222 A JP3039222 A JP 3039222A JP 3922291 A JP3922291 A JP 3922291A JP 2994475 B2 JP2994475 B2 JP 2994475B2
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は底壁を貫通した少なくと
も一つの電極を備えた溶解金属浴を収容するための冶金
用容器に関するものである。この種の容器、例えば溶融
鋼用の直流アーク炉は、金属ハウジングと耐火材料の内
側ライニングとで構成されている。これら金属ハウジン
グの底および耐火ライニングを貫通した少なくとも一つ
の電極は炉床電極とよばれている。この炉床電極の先端
は炉床の内壁と同一平面となっていて、使用時に容器中
に収容された金属浴と電気的に接触するようになってい
る。この電極は電源のターミナルに接続され、一般には
電極を支持する締付け具によって金属ハウジング上に機
械的に締付けられ且つ例えばボルトによって金属ハウジ
ングに固定されている。金属ハウジングが電極電位に達
しないようにするために、電極に電気的に接続されてい
る締付け具と金属ハウジングとの間には電気絶縁要素が
配置されている。
【0002】
【従来技術】このような電極を有する直流アーク炉を用
いてスクラップ金属を溶かし、鋼を製造する場合には、
使用時に電気絶縁の欠陥のために炉床電極またはその締
付け具と金属ハウジングとの間で電気的なフラッシュバ
ー現象が起きて、生産を停止しなければならないことが
あった。生産を停止すると、電気絶縁特性を再度セット
しなければならなくなるが、このセッティング操作では
一般に締付け具を外して新品の絶縁体を取付ける必要が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点を解決して、電気的フラッシュオーバー現象を防止
または少なくとも大幅にその頻度を減少させることにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、内側が耐火材
料でライニングされた金属ハウジングと、容器の底を貫
通し且つ電源のターミナルに接続された少なくとも一つ
の電極とを有し、この電極が金属ハウジングに機械的締
付け手段によって締付けられ且つ金属ハウジングから電
気的に絶縁されている直流アーク炉等の冶金容器を対象
としている。本発明の冶金容器の特徴は、金属ハウジン
グの内側へ向かって延び且つ電極の締付け区域を取り囲
んでいる液密の壁を有し、この壁が金属ハウジングの内
側表面上を流れる液体を保持する保持手段を形成して、
この液体が電極の締付け手段および/または電極自体と
接触するのを防止するようになっている点にある。
【0005】従来用いられてきた装置では、前記の電気
的フラッシュオーバー現象の問題、特に溶融した鉛のよ
うな重金属が金属ハウジングの表面上を流れて電極を金
属ハウジングへの締付け手段と接触し、それによって金
属ハウジングの電気絶縁を悪くすることがあった。特
に、原料として装填されたスクラップ金属に含まれる鉛
が炉の運転中に溶けると、この鉛は高温時に密度と流動
性が大きくなるため、炉の内部に拡散し、溶融鉛が炉の
耐火ライニングを通って滲み出してくる。鉛は比較的低
い融点を有しているので、金属ハウジングの壁と接触し
た場合でも液体状態を維持し、さらに低い地点へ向って
金属ハウジングの内側表面上を流れる。その結果、最後
には、締付け手段の金属要素と接触してその電気絶縁を
破壊するか、電気絶縁体中に浸透してその絶縁特性を低
下させる。さらに、電極の締付け手段は一般に冷却され
ており、その冷却温度は鉛の凝固点より低いので、溶融
鉛はこれらと接触して凝固し、電極と金属ハウジングと
の間の永久的な電気接続が形成される。
【0006】本発明の冶金容器は、溶融鉛が金属ハウジ
ングの内側表面上を流れて電極の締付け手段まで到達し
ないようにすることによって、電極の締付け手段の電気
絶縁破損を防止するものであるということは理解できよ
う。本発明の特殊な構造では、金属ハウジングの内側表
面を流れる液体が電極の締付け手段と接触するのを防止
する上記保持手段が、電極の締付け区域を取り囲んだ液
密な壁で構成されており、この壁は金属ハウジングに液
密に結合され金属ハウジングの内部に向かって延びてお
り、さらに、集めた液体を金属ハウジングの外に排出す
る排出手段が設けられている。この排出手段は保持用の
壁の周囲に形成され且つ金属ハウジングを貫通した少な
くとも一つの穴にするのか好ましい。
【0007】上記構造にすることによって、金属ハウジ
ングの内側表面上を流れる溶融鉛は電極を取り囲んだ壁
の外側の金属ハウジングの最も低い地点へ集まり、電極
の締付け手段まで到達することはない。熱められた溶融
鉛は金属ハウジングに形成された穴から外へ放出され、
回収容器に回収できる。その結果、保持用の壁の回りに
溶融鉛が蓄積して壁の頂部を越えて流出する危険を避け
ることができる。また、金属ハウジングと接触したこの
壁の温度は、鉛の凝固を防止するのに十分な高い温度で
あるので、排出穴が塞がれる危険はない。
【0008】上記の保持用の壁は、金属ハウジングの固
定された中間の小板の端縁で簡単に形成することができ
る。この小板の厚さは、その外周部に溶融鉛の保持手段
が充分に形成できるだけの高さにする。この場合には、
炉の外側を向いた側で中間の小板に電極を固定し且つ電
気的絶縁する。
【0009】電極はこの小板と接触しない状態でこの小
板を貫通している。また、この小板の上側表面はその外
周部へ向って傾斜しているのが好ましい。そうすること
によって、小板の上部にある耐火材料を通り抜けてきた
溶融鉛を集めて、小板の外周部によって形成される保持
用手段の中へ流し込むことができる。本発明の上記以外
の特徴および利点は、製鉄材料を溶融して液化鋼を製造
するための直流アーク炉に本発明を適用した以下の実施
例の説明から明らかになるであろう。以下、添付図面を
用いて説明する。
【0010】
【実施例】図1に示した炉は内側が耐火材料2でライニ
ングされた金属ハウジング1によって構成されている。
炉床電極3はこの炉の底部を貫通している。この炉床電
極3は耐火ライニング2の内側表面と同一平面の所まで
延びて、この炉中に装填されたスクラップ金属を溶融す
ることによって得られる液体金属浴4と接触している。
炉床電極3は結合具5を介して電源(図示せず)の供給
ターミナルに接続されている。この電源の他方のターミ
ナルは少なくとも一つの天井電極6に接続されている。
こうした接続方法は直流アーク炉の分野で周知である。
【0011】図2は、フランス特許第 2566984号に記載
されている炉床電極3を炉に締付ける慣例的な方法を示
している。炉床電極3の締付け具18は炉床電極3を取り
囲んでいるスリーブ7を有し、このスリーブ7は冷却さ
れたニップル8を取り囲んでいる。ニップル8は軸線9
で示したタイロッドによってスリーブ7に固定されてい
る。スリーブ7は、溝10の内部を通って内部循環される
冷却流体、例えば水によって冷却されている。スリーブ
7は、ネジ12によって金属ハウジング1の外側に締付け
られているフランジ11と溶接等によって一体化されてい
る。この構造にすることによって炉床電極の締付け具全
体を簡単に取り外すことが可能になる。炉床電極炉およ
び締付け具に対して金属ハウジングを確実に電気的に絶
縁するために、フランジ11と金属ハウジング1との間に
は絶縁材料のプレート14が挿入されている。また、ネジ
12は絶縁座金およびブッシュ13によってフランジ11から
電気的に絶縁されている。
【0012】前記の電気的フラッシュオーバー現象と絶
縁破壊は主として上記形式の炉床電極またはそれに類似
した形式の電極の締付け装置を備えた炉で生じる。すな
わち、炉の運転中に炉に供給・溶融される装填物を形成
するスクラップ金属の中には鉛が含まれることがある。
この鉛は高温で密度と流動性が大きくなるため、溶解鉛
は耐火ライニング2へ向かって図1の矢印15の方向に浸
透して、金属ハウジング1と接触するに至り、さらに
は、金属ハウジング1の内側表面上を流れてその最も低
い位置に達する。そして最後には図2の矢印16の方向に
流れて炉床電極炉3の近くに集まる。その結果、炉床電
極の締付け具と金属ハウジングとの間に電流が通れて電
気絶縁が破壊される。しかも、炉床電極とスリーブ7と
は冷却されているので、これらに近接した区域も冷却さ
れ、従って、鉛はこの区域で凝固・堆積して安定した電
気的リンクが形成される。以上、従来技術の炉の欠点を
説明したが、これらの問題点を解消するための本発明の
好ましい実施例を図3を用いて以下説明する。
【0013】本発明の炉は、炉床電極3の周囲に連続的
に設けられた液密な壁20を有している。この壁20は金属
ハウジング1に溶接され且つこの金属ハウジング1から
上へ向かって延びている。図示した実施例では、この壁
20は金属ハウジング1の底に対して高くなった中間の小
板21と一体になっている。炉床電極の締付け用フランジ
22は、上記の従来技術で説明した金属ハウジングへの直
接結合の場合と同様な方法で、この小板21にネジ12' を
用いて締付けられており、ネジ12' と中間の小板21との
間およびネジ12' とフランジ22との間には電気絶縁体23
が挿入されている。
【0014】従って、炉床電極3へ向って金属ハウジン
グ1の底面上を流れる液体鉛の流れは壁20によって形成
される保持用手段によって防止される。さらに、中間の
小板21の上側にある耐火レンガを通って浸透する鉛はこ
の小板21によって集められ、壁20の周りの金属ハウジン
グ1の最も低い地点25へ向って流れる。この最も低い地
点25に回収された鉛は、壁20の外周部の金属ハウジング
1に形成された穴26を通って金属ハウジングの外へ全て
流出できるようになっている。
【0015】本発明の炉の特に有利な点は、炉床電極を
金属ハウジングに締付ける区域を金属ハウジングの最も
低い地点に対して高くすることによって、スラグ除去ま
たは溶融金属の取出し時に炉を傾けた場合でも、鉛がこ
の区域の中へ浸透する危険を減らすことができるという
点にある。
【0016】本発明のさらに有利な点は、鉛を集めるた
めの低い地点25が炉床電極とその支持部に近い冷却区域
から離れているので、上記の低い地点25の温度が鉛の凝
固点以上に維持され、従って、金属ハウジングの内部で
鉛が凝固するのを防止することができる点にある。
【0017】本発明は上記実施例の構成に限定されるも
のではない。特に、電気絶縁性を良くするために、小板
21と壁20との間が離れている場合にはこの間に電気絶縁
要素を挿入することができる。また、壁20と金属ハウジ
ング1との間に電気絶縁要素を挿入することもできる。
さらに、壁20自体を絶縁材料で作って、金属ハウジング
上のその構成要素の集合体によって漏洩を防止し、望ま
しい電気絶縁を維持することもできる。
【0018】中間の小板21は金属ハウジングの底部上に
直接乗せることもできる。この場合には、この小板の端
縁部が鉛を十分に保持する手段を形成できるだけの高さ
となるように小板21の厚さを決める。
【0019】以上、本発明を単一の炉床電極を有する直
流アーク炉を参照して説明したが、本発明は複数の炉床
電極を有する冶金容器にも適用できる。この場合には、
一つの保持用壁で全部の炉床電極を取り囲むようにする
か、各炉床電極を個々の保持用壁で取り囲むようにし
て、排出用の単一または複数の穴を金属ハウジングの最
も低い地点に設ければよい。上記の炉床電極の締付け具
と電気絶縁手段は技術的均等手段を用いて変更・置換す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による炉床電極炉を備えたアーク炉の
概念的図。
【図2】上記の炉の炉床電極の締付け区域の詳細図。
【図3】本発明の実施例に対応した概念的部分図。
【符号の説明】
1 金属ハウジング 2 耐火ライニン
グ 3 炉床電極 4 液体金属 6 天井電極 7 スリーブ 8 ニップル 12 ネジ 11 フランジ 13 絶縁座金/ブ
ッシュ 14 絶縁板 20 壁 21 中間の小板 25 低い地点 26 穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャン−ミシェル テボー フランス国 59300 ヴァランシエンヌ アヴニュ ドゥ リエージュ 42 (72)発明者 ジスレン モレ フランス国 57160 シャテル サン ジェルマン リュ デ グレ 5 (72)発明者 フィリップ デタン フランス国 57000 メッツ リュ サ ン ジョルジュ 13 (56)参考文献 特開 昭60−20494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27B 3/08 F27B 3/20 F27D 11/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側が耐火材料 (2)でライニングされた
    金属ハウジング (1)と、容器の底を貫通し且つ電源のタ
    ーミナルに接続された少なくとも一つの電極 (3)とを有
    し、この電極 (3)が金属ハウジング (1)に機械的締付け
    手段(11, 12)によって締付けられ且つ金属ハウジング
    (1)から電気的に絶縁されている直流アーク炉等の冶金
    容器において、 金属ハウジングの内側表面を流れる液体が上記電極の締
    付け手段と接触するのを防止するための、電極の締付け
    区域を取り囲んだ液密な壁(20)を有し、この壁(20)は金
    属ハウジングの内部に向かって延び且つ金属ハウジング
    に液密に結合されており、 さらに、集めた液体を金属ハウジングの外に排出する排
    出手段が設けられており、この排出手段は上記壁(20)の
    周囲に形成された金属ハウジング (1)を貫通した少なく
    とも一つの穴(26)である ことを特徴とする冶金容器。
  2. 【請求項2】 壁(20)が中間の小板(21)を有し、この小
    板(21)は金属ハウジング (1)の底部に対して立ち上がっ
    ており、この小板(21)には電極を締付けるためのフラン
    ジ(22)が締付けられてい請求項に記載の冶金容器。
  3. 【請求項3】 上記小板(21)の上側表面(24)がその外周
    部へ向かって傾斜している請求項に記載の冶金容器。
  4. 【請求項4】 中間の小板(21)が金属ハウジング (1)か
    ら電気的に絶縁されている請求項に記載の冶金容器。
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AT (1) ATE107118T1 (ja)
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DE (1) DE69102298T2 (ja)
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