JP2994031B2 - Hiv−1又はhiv−2抗体の存在又は量の確定方法、免疫特異的試薬、合成ペプチド、診断用キット、hiv−1又はhiv−2抗体の調製方法、免疫原及び抗体 - Google Patents

Hiv−1又はhiv−2抗体の存在又は量の確定方法、免疫特異的試薬、合成ペプチド、診断用キット、hiv−1又はhiv−2抗体の調製方法、免疫原及び抗体

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ヒト免疫不全ウィルス(“HIV")抗原の抗
体結合特異性を有する合成ペプチドに関するものであ
り、より詳細に言うならば、本発明は天然HIVペプチド
の或る配列異型(variant)は、単独で又は担体蛋白質
に化学的に結合した形で使用され、HIV抗体を検出する
ためのイムノアッセイに用いられるとき、天然配列ペプ
チドと同等の又はそれよりすぐれた試薬を提供するとい
う発見に関する。本発明はさらに、機器を使用すること
なくHIVに対する抗体を迅速に目で検出し得る診断法に
合成ペプチド及び/又はペプチド蛋白質結合物を使用す
るという方法にも関する。
発明の背景 ヒト免疫不全ウィルス1型(“HIV")が後天性免疫不
全症候群(“AIDS")の病原物質であることが1983年
[バレーシヌッシ(Barre−Sinoussi)ら、サイエンス2
20巻868−871ページ、1983]及び1984年[ガロ(Garo)
ら、サイエンス224巻500−503ページ、1984年]に確認
された。ヒト免疫不全ウィルス2型(“HIV−2")は198
6年に確認され、中央及び西アフリカのAIDSの重要な原
因であり[クラベル(Clavel)ら、サイエンス223巻、3
43−346ページ]、ヨーロッパ[ブルックナー(Bruckne
r)ら、ランセット(Lancet)i;223ページ、1987;サイ
モット(Saimot)ら、ランセットi;688、1988]及び米
国(ニュージャーシーMMWR 87巻33−35ページ、1988)
でも若干の報告症例がある。
2種類のレトロウィルスは速い突然変異「ハーン(Ha
hn)ら、サイエンス232巻1548−1553ページ、1986;ウェ
ン−サイウング(Wen−Hsiung)ら、Molec Biol Evol 5
(4)巻313−330ページ、1988;サージ(Saag)ら、ネ
イチャー(Nature)334巻440−444ページ、1988」並び
に遺伝的多型を示し、DNA配列決定によってHIV−1の13
以上の菌株とHIV−2の4菌株が特徴づけられた[マイ
ヤース(Myers)ら、ヒトレトロウィルスとAIDS(Human
Retrovirus and AIDS)1988;核酸及びアミノ酸配列の
編集(A Compilation of nucleic acid and amino acid
sequences)、ロスアラモス国立研究所、ロスアラモ
ス、ニューメキシコ87545、米国]。
米国食品薬品庁(“USFDA")が現在米国での使用を許
可しているHIV感染のテストは、抗原として粉砕HIV−1
ウィルスを用い[ペトリッシアニ(Petricciani)ら、A
nn Int Med 103巻726−729ページ、1985;オステルホル
ム(Osterholm)ら、New Eng J 312巻1185−1188ペー
ジ、1985)これらの抗原製剤中のHIV−1蛋白質が感染
症の間接的測定単位としての抗体を検出するという考察
に基づいている[アラン(Allan)ら、サイエンス 228
巻1091−1094ページ、1985;ウエイン−ホプソン(Wain
−Hopuson)ら、細胞(Cell)40巻、9−17ページ、198
5]。これらのテストは、HIV−1に汚染されている血液
をスクリーニングし、AIDSウィルス感染を診断するのに
は有用であるが、単一のHIV分離物を抗原ソースとして
用いる場合は(例えばBH8分離物、米国特許第4520113
号)感度の点で制限がある、というのはHIVは上記のよ
うに速い突然変異並びに多数の遺伝的異型を生じ、抗原
性異型が存在するからである[ルーニー(Looney)ら、
サイエンス 241巻、257−359ページ、1988;パルカー
(Palker)ら、Proc Nat′1 Acad Sci USA 85巻1932−1
936ページ、1988]。感度が悪いのは、抗原ソースとし
てウィルス溶解物を使用する現在許可されているアッセ
イキットでは、HIVgp41エンベロープ蛋白質の免疫優性
領域の保存が悪いことにも起因するらしい[ステッケル
ベルグ(Steckelberg)&コッケリル(Cockerill),May
o Clinic Proc 63巻377−380ページ、1988]。その上、
現在のキットはHIV−1蛋白質マーカーを用いているか
ら、HIV−2の75%以上は検出されない[クラベル(Cla
vel)ら、New Eng J Med 316巻1180−1185ページ、198
7]。
抗原ソースとして全ウィルスの溶解物を使用するHIV
感染テストは、特異性の点で著しい欠点を有する。この
ウィルスは細胞培養で増殖させなければならず、HLAお
よびその他の細胞培養物がこの抗原に混入して間違った
陽性結果を引き起こすかも知れない[アイゼンシュテッ
ド(Eisenstaedt)ら、Am J Public Health 78巻450−4
54、1988;ゲデスト(Goedest)Ann Int Med 105巻、609
−610ページ、1988]。HIV感染症の発生率が低い集団で
は、現在のテストで繰り返し陽性である10人のうち実際
にHIVに感染しているのは1人以下である[オステルホ
ルム(Osterholm)ら、New Eng J Meg 312巻、1185−11
88ページ、1985]。
現在ある多数のテストの不十分な感度及び特異的に関
連して、或るテストは陽性サンプルと陰性サンプルとを
識別する能力をもっている。ワード(Ward)ら、JAMA25
6巻、357−361ページ、1986、は、一つのテストで得ら
れた陽性結果の半数以上が陽性/陰性境界値のほんの少
し上にあることを見いだした。最適のテストはほとんど
全てのサンプルで陽性と陰性との間に大きい差を示し、
それによって間違った陽性の試験結果の可能性を減ら
す。
その後改良されたHIV試験法−米国内での使用はまだU
SFDAによって許可されていないが−組換えDNA法によっ
て生成したHIV[ソーン(Thorn)ら、J Clin Microbiol
25巻1207−1212ページ、1987;バーク(Burke)ら、Ann
Int Med 106巻、671−676ページ、1987;ドーソン(Daw
son)ら、J Infect Dis 157巻、149−157ページ、1988;
ベルツ(Beltz)ら、米国特許第4753873号]、HIV蛋白
質に関連した合成ペプチド[ローゼン(Rosen)ら、PCT
出願第WO87/08005号;ワング(Wang)ら、Proc Natl Ac
ad Sci USA 86巻、6159−6163、1986;米国特許第473589
6号;コサンド(Cosand),米国特許第4629783号;スミ
ス(Smith)ら、J Clin Microbiol 25巻1498−1504ペー
ジ、1987;グナン(Gnann)ら、J Infect Dis 156巻、
261−267ページ、1987]、又は因子の組み合わせ[レス
リー(Leslie)ら、Vox Sang 54巻84−91ページ、198
8]を用いてきた。抗原ソースとして組換え蛋白質又は
合成ペプチドを用いる場合は組織培養汚染物による非特
異性は軽減される、そしてどちらの抗原ソースも製造プ
ロセスにおいてHIVにさらす必要がない。その上合成ペ
プチドは、純粋に化学的手段によって標準化される抗原
の製造を可能とし、遺伝子工学によって生成するHIV蛋
白質断片の製造に用いられるEsherichia coli又はその
他の宿主の蛋白質の混入に起因する非特異性を排除する
ことができる。必要ならばHIV−1又はHIV−2の突然変
異によって新しいペプチドをすみやかに製造プロセスに
組み込むこともできる;これらの突然変異は診断テスト
に用いるペプチドの抗原性に影響を与える。これらの改
良措置はHIV−1に対する抗体のテストを改善したが、
感度及び特異性のより一層の改善、HIV−2感染の発
見、及び“陽性及び陰性サンプルを識別する迅速且つ簡
単な分析試験にこれらの試薬を適用すること”に関して
はかなりの困難が残っている。
発明の概要 今や、C末端を介して担体蛋白質に結合した少なくと
も1つの合成ペプチドを含む免疫特異的試薬を使用する
ことによって、技術的に存在するこれらの及びその他の
困難を克服し、テストサンプル中のHIV−1又はHIV−2
に対する抗体の存在又はその量を確認する改善された分
析試験結果が得られることが明らかになった。免疫特異
的試薬に使われる合成ペプチドは、HIV−1のp24又はgp
41又はHIV−2のgp32蛋白質の免疫反応特異性を有する
天然又は非天然のペプチドである。本発明の免疫特異的
試薬は、例えば血液又は血清などの液体サンプルを本発
明の免疫特異的試薬と接触させ、それからその試薬に結
合した抗体の存在又は量を測定するという方法で使用さ
れる。
よって、本発明の一面において、担体蛋白質に化学的
に結合したペプチドは“遊離”ペプチドより大きい陽性
/陰性テスト比をもたらし、陽性サンプルと陰性サンプ
ルとをよりよく識別することが明らかになった。本発明
のこの面の代表的実施態様において、ペプチドはそのカ
ルボキシル末端(C−termini)に付加したシステイン
を介してその担体蛋白質に結合し、HIV−1又はHIV−2
に対する抗体を検出するための免疫特異的試薬として用
いられる。
好都合に正常血清に対しては低レベルの反応性を示す
反応性ペプチドのいくつかの天然配列異型は、不十分な
感度を有し、陽性血清の5−10%で低い反応性を与える
ことも明らかになった。同じ領域からのその他の天然異
型ペプチドは陽性サンプルとの高い反応性を示すが、正
常血清とでも許容し得ない程高い反応性を示し、その結
果低い陽性/陰性比を与え、HIV抗体を含むサンプルと
含まないサンプルとの識別が十分でない。HIV−1抗体
を検出するためのあらゆる所望クリテリアを満足する天
然ペプチドは見つかっていない。
本発明の他の面よりみれば、陽性サンプルとは高レベ
ルの反応性を維持し、陰性サンプルとは低い反応性を示
す天然HIV−1及びHIV−2の非天然配列異型がつくられ
る。好適な非天然ペプチドの担体蛋白質との化学的結合
物はこれまでに試験された天然ペプチドより高い陽性/
陰性テスト比を与える、そして遊離ペプチドでなく、そ
れらペプチドと担体蛋白質との化学的結合物のみが小さ
い粒状の固体支持体に結合するのに適していることが、
HIV−1抗体の検出のための迅速且つ簡単な分析試験法
の開発中にわかった。天然及び非天然HIV−2ペプチド
の同様な結合物は両方共、HIV−2の検出のために適し
ている。
本発明のまた別の面よりみれば、担体蛋白質に結合し
た本発明の合成ペプチド、例えばBSA又はKLH、を含む免
疫特異的試薬は単独で又はキットの形で提供され、HIV
−1及びHIV−2に対する抗体のイムノアッセイに使用
される。完了までの時間が15分以下で、HIV−1及び/
又はHIV−2抗体を検出する単純な視覚的終点を与える
特に好適な新しい迅速分析試験法が提供される。
定義 免疫化学及びペプチド化学において一般に用いられる
いくつかの用語及び略語が下記の説明及びクレイム中に
出てくる。下記の定義は説明のためのものである。
ここに用いられる用語“ペプチド”はアミノ酸から成
る蛋白質の線状配列部分である。本発明のペプチドは典
型的にはアミノ酸約5ないし約22の長さを有する。“天
然”ペプチド又は−配列異型とは、天然ソースから分離
され、前に文献に報告されているペプチド配列異型の1
つを意味する−現在HIV−1の配列異型は13種類報告さ
れている。“非天然”ペプチド又は−配列異型とは、報
告された、現在公知のあらゆる天然配列と異なるアミノ
酸配列を意味する。
用語“抗原性ドメイン”又は“エピトープ”は概して
アミノ酸約6−約11の長さをもつ蛋白質又はペプチド内
の領域で、抗体と特異的に相互作用してそれに結合する
ことができる領域を意味する。
ここで用いられる下記の頭字語は以下に示す意味を有
する; EIA=酵素免疫測定法 ELISA=エライサ法 HIV=ヒト免疫不全ウィルス HIV−1又はHIV−2(HIVの1型と2型) SIV=サル免疫不全ウィルス KLH=スカシガイのヘモシアニン BSA=ウシ血清アルブミン (S)MBS=(スルホ)マレイミドベンゾイル−N−
ヒドロキシスクシンイミドエステル (Sulfo)SMCC=(スルホ)スクシンイミジル−4−
(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボ
キシレート SPDP=N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジ
チオ)プロピオネート p24蛋白質=HIV−1のGAG遺伝子の蛋白質生成物の中
央部蛋白溶解断片 gp41及びgp32=それぞれHIV−1及びHIV−2のENV遺
伝子の蛋白質生成物の経膜的部分蛋白質溶解断片 AA=アミノ酸 下記の1文字のアミノ酸コードを用いて特異的アミノ
酸をあらわす。
アラニン=A ロイシン=L アルギニン=R リジン=K アスパラギン=N メチオニン=M アスパラギン酸=D フェニルアラニン=F システイン=C プロリン=P グルタミン酸=E セリン=S グルタミン=Q スレオニン=T グリシン=G トリプトファン=T ヒスチジン=H チロシン=T イソロイシン=I バリン=V 特に記さない限り、すべてのアミノ酸は天然L型アミ
ノ酸である。
図面の簡単な説明 図1は、HIV−1のgp41蛋白質、分離物HXB2、オーバ
ーラップするペプチドのアミノ酸配列、及びこれらペプ
チドをペプチド−蛋白質結合物としてHIV−1に対する
抗体を含む(HIV+)又は含まない(HIV−)ヒト血清プ
ールに対して試験した場合のこれらペプチドの免疫反応
性を示す; 図2は、ペプチド2S09の非天然異型のアミノ酸反応性
を示す;このペプチドは図1において蛋白質と結合した
場合には高い免疫反応性を有することが示された。各非
天然ペプチドの抗原性は、遊離ペプチドとして、ペプチ
ド2S09のBSA結合物へのHIV−1抗体の結合を阻止する能
力によってあらわされる。非天然アミノ酸は、各ペプチ
ドのカルボキシル末端に付加した非天然グリシン(G)
及びシステイン(C)を除いて、担体蛋白質への結合を
容易にする点で目立っている;図3は、ペプチド2S09の
その他の天然及び非天然異型のアミノ酸配列を示す。各
ペプチドの抗原性は遊離ペプチドとして、ザイールのHI
V−1分離物で報告される天然配列異型である2S09かペ
プチド5S67かどちらかのBSA結合物に対するHIV−1抗体
の結合を阻止する能力によってあらわされる(グアン
ら、サイエンス 237巻1346−1349ページ、1987;アリゾ
ン(Alizon)ら、細胞46巻、36ページ、1986)。各ペプ
チドは非天然のカルボキシル末端GCを含み、ペプチド2S
09から得られるアミノ酸配列のその他の異型が強調され
る; 図4は、図2及び3において遊離ペプチドとして大部
分が抗原性をもつことがわかったペプチドの各々につい
て、それをBSA結合物として用いてHIV−1抗体に直接結
合させたときの免疫反応性を示す。ペプチド2S09のAA
(アミノ酸)異型が目立っており、各ペプチドはBSAへ
のその結合を容易にするためにカルボキシル末端GCを含
んでいる; 図5は、HIV−2のgp32蛋白質、分離物ROD、のオーバ
ーラップするペプチドのAA配列を示す。これらはこの領
域のSIV AA配列とほぼ一致する。これらのペプチドの
抗原性を試験するために、ペプチド−蛋白質結合物を用
い、SIV/HIV−2に対する抗体を含む(SIV+)又は含ま
ない(SIV−)マカークザル血清のプールに対して試験
した; 図6は、図5において高い免疫反応性をもつことがわ
かったペプチドであるペプチド2S27の天然及び非天然異
型のAA配列を示す。各ペプチドの抗原性は、遊離ペプチ
ドとしてペプチド2S27のBSA結合物とSIV/HIV−2抗体と
の結合を阻止する能力によってあらわされる。非天然性
AAが目立っており、各ペプチドはBSAへの結合を容易に
するためにカルボキシル末端GCを含む; 図7は、図6において遊離ペプチドとして最も大きい
抗原性を示したペプチドの各々について、BSA結合物と
して用いてSIV/HIV−2抗体に直接結合させる場合の免
疫反応性を示す。ペプチド2S27のAA異型が目立ってい
る。各ペプチドはBSAへの化学的結合を容易にするため
にカルボキシル末端Cを含む、そして大部分は終わりか
ら2番目のGスペーサーを含む; 図8は、HIV−1 p24蛋白質のオーバーラップするペ
プチドのAA配列と、これらのペプチドをプールし、ペプ
チド/蛋白質結合として、HIV−1抗体を含む(HIV+)
又は含まない(HIV−)ヒト血清に対して試験したとき
のこれらペプチドの免疫反応性を示す。先ず異なるペプ
チド群を上記のようにBSAに結合させ、各プールの結合
物を最初に試験した。個々のペプチド−BSA結合物は、
プール中の反応性を示したペプチドからのみつくられ
た; 図9は、非天然ペプチド4S36を遊離ペプチドとして又
はBSAに化学的に結合した同量のペプチドとして3種類
のポリスチレンEIAミクロタイタープレートにコーティ
ングした場合の非天然ペプチド4S36の免疫反応性を示
す。最高の陽性/陰性比(≧20)、及び陽性及び陰性サ
ンプル間の最大の識別度はBSA−ペプチド結合物での
み、そして正常ヒト血清に対して低い反応性をもったプ
ラスチック(プラスチック1型)でのみ得られることに
注目すべきである; 図10Aは、94のヒト血清(内42がHIV−1抗体を含み、
52は含んでいない)を用いてEIAによって試験したとき
の、天然ペプチド2S06及び2S09のペプチド−KLH結合物
の免疫反応性を示す; 図10Bは、184のヒト血清(内98がHIV−1抗体を含
み、86は含んでいなかった)を用いてEIAによって試験
したときの、天然ペプチド2S09のペプチド−BSA結合物
の免疫反応性を示す; 図10Cは、185のヒト血清(内98はHIV−1抗体を含
み、87は含んでいなかった)を用いてEIAによって試験
したときの、天然ペプチド5S67のペプチド−BSA結合物
の免疫反応性を示す; 図11Aは、183のヒト血清(内98はHIV抗体を含み、85
は含んでいなかった)を用いてEIAによって試験したと
きの、非天然ペプチド4S36のペプチド−BSA結合物の免
疫反応性を示す; 図11Bは、185のヒト血清(内98はHIV−1抗体を含
み、87は含んでいなかった)を用いてEIAによって試験
したときの、非天然ペプチド5S76のペプチド−BSA結合
物の免疫反応性を示す; 図11Cは、183ヒト血清(内98はHIV−1抗体を含み、8
5は含んでいなかった)を用いてEIAによって試験したと
きの、非天然ペプチド4S36の結合ペプチド−BSA結合物
の免疫反応性を示す; 図12は、マカークザルの血清(その内7血清はHIV−
2抗体を含み、13血清は含んでいなかった)を用いてEI
Aによって試験したときの、天然ペプチド2S24、2S25、2
S27、5S84、5S85、5S86、及び非天然ペプチド5S88、5S9
0、5S91、及び5S92のペプチド−BSA結合物の免疫反応性
を示す; 図13は、HIV−1(図13A)、HIV−2(図13B)及び複
合HIV−1プラスHIV−2 EIA(図13C)試験の個々の免
疫反応性を示す:30がHIV−1抗体陽性、23がHIV−2/SIV
抗体陽性、HIV−1抗体のないヒト血清 15、SIV/HIV−
2抗体のないカマークザル血清 15であった。すべての
ペプチドはC末端でBSAに結合したものを用いた。HIV−
1プレートに非天然ペプチド4S36及び5S76の結合物をコ
ーティングした。HIV−2プレートにはペプチド2S24及
び5S86をコーティングし、複合HIV−1プラスHIV−2プ
レートには4S36(HIV−1)及び2S24プラス5S86(HIV−
2)をコーティングした; 図14は本発明の迅速試験装置の平面図である; 図15は図14の迅速試験装置の分解側面図である。
特殊な実施例の説明 本発明の一面によって、例えば血液又は血清サンプル
などの液体サンプル中のHIV−1又はHIV−2抗体の存在
又は量が下記のように測定される;C末端を介して担体蛋
白質に結合した少なくとも1つの合成ペプチドを含み、
HIV−1のp24又はgp41蛋白質、又はHIV−2のgp32蛋白
質の抗原性ドメインに特異的な免疫反応特異性を有する
免疫特異的試薬と上記液体サンプルとを接触させ、その
後その免疫特異的試薬に結合した抗体の存在又は量を調
べる。
本発明の実施において担体蛋白質に対するC−末端結
合のために用いられる代表的ペプチドは好適には天然に
発生するHIV−1及びHIV−2蛋白質の抗原性ドメインを
代表するアミノ酸配列を有する合成ペプチドである(天
然に発生するHIV−1及びHIV−2蛋白質の配列について
は、マイヤーズ(Myers)らの“ヒトレトロウィルス及
びAIDS(Human Retroviruses and AIDS)"1988、“核酸
及びアミノ酸配列の概要”ロスアラモス国立研究所、ロ
スアラモス、ニューメキシコ、87545、USA、参照)。本
発明のその他のペプチドは、HIV−1及びHIV−2の抗原
性ドレインに特徴的な免疫反応特異性を有する非天然合
成ペプチドを含める、これについては以下で詳述する。
これらのペプチドは例えば下記のような方法によって、
化学的に合成される;同時性多ペプチド合成(SMPS)と
して知られる標準メリフィールド(Merrifield)固相合
成法の変法を用いる−この方法では約70−100のペプチ
ドを同時に合成することができる(米国特許第41631211
号参照)。この方法を用いて、11のペプチド又は少数の
アミノ酸に含まれる一次及び二次構造エピトープ又は抗
原性ドメインすべてを表現し、HIV−1のgag遺伝子によ
って規定されるp24蛋白質のすべてHIV−1及びHIV−2
のeuv遺伝子によって規定される経膜的糖蛋白質の部分
を表現するペプチドが合成された。HIV−1について用
いられた最初の配列はHIVHXB2クローンのそれであり、H
IV−2ではHIVRODクローンのそれであった(マイヤーズ
ら、同上)。しかしenv経膜的糖蛋白質の免疫優性領域
が確認された場合は、その免疫反応性領域の公知の一般
的天然配列異型のすべて並びにこの領域の多くの非天然
配列異型の多くはここに記載の方法で合成された。本発
明の代表的ペプチドは約5ないし約22のアミノ酸、好適
には約11ないし約20のアミノ酸、より好適には約15ない
し約17のアミノ酸を含む。ペプチドは20以下のアミノ酸
の長さを有し、より長い分子によって生ずる硬い二次構
造を避けるのが好適である。このような硬い二次構造
は、ペプチドの形が感染患者に見いだされるHIVgp41,gp
32,又はp24抗体の抗原結合部位に適応するのを妨げる。
この技術において一般的に記されるが、図1に示される
ようなGC C末端テールをもたないいくつかのペプチ
ド、例えばペプチド4S24(19AA′s,コサンド参照)は、
部分的にオーバーラップするより短いペプチド2S01(14
AA′s)又はペプチド4S25(26AA′s,コサンド及びワン
グら、上記)に比較して、また部分的にオーバーラップ
するペプチド2S04(17AA′s)又は3S36(17AA′s)に
比較しても、免疫反応性が低いのは、このような二次構
造の考察を反映するものかも知れない。組換えDNA法
[ベルツ(Beltz)らの米国特許第4753873号参照]によ
って作成される非常に大きい蛋白質のペプチドのような
ペプチドは強い二次及び三次構造的硬さをもつと考えら
れる;これは或るエピトープのアクセスし易さを制限
し、ベルツらが認めたようにいくつかの抗体陽性サンプ
ルの免疫反応性の低下に寄与する。本発明に用いるより
小さいペプチドサイズは、ペプチドそのものだけを(担
体蛋白質と結合せずに)用いる場合にはイムノアッセイ
には不都合であると考えられる。このような小さい遊離
ペプチドは結合プロセス中に傷つけられ、低い免疫反応
性に通ずる。結合中のエピトープ妨害は、例えばグナン
らの考察(J Infect Dis 156巻261−267ページ)を説明
するかも知れない;その考察では、ポリスチレンに直接
結合した小さい免疫反応性ペプチドと反応する陽性サン
プルの65%は、1:128希釈で試験したとき、1.0以下のA4
92値を与えた。非結合ペプチドの結合中におこるような
エピトープ妨害はローゼン(Rosen)ら(PCT出願087/06
065)が好適ペプチドとして、より長いペプチドを使用
したこと並びにその中に開示されている複数(multipl
e)ペプチドの使用も説明するかも知れない。
上記とは対照的に、本発明の免疫試薬は、ここに記載
するように小さい合成ペプチドを免疫試薬として使用す
る前に、担体蛋白質に化学的にカップリングすることに
よって形成される。したがって典型的アッセイ装置のポ
リスチレン表面に結合していない短いペプチドのため
の、又はその短いペプチドとプラスチック表面との相互
作用によっておこるエピトープの遮蔽又は立体障害のた
めに抗原性ペプチドが見逃されるということはない。本
発明の合成ペプチドに結合する適切な担体蛋白質は、分
子量約5000ダルトン以上の天然に発生する又は合成のペ
プチド又は蛋白質分子で、分析すべきテストサンプルと
は免疫反応性を示さず、合成ペプチドの反応性に大きく
寄与したりそれを減じたりしないものである。代表的担
体蛋白質としてはウシ血清アルブミン(BSA)、スカシ
ガイのヘモシアニン(KLH)、ヒト血清アルブミン、ポ
リ−L−リジン、ウシ ガンマグロブリン、その他の類
似のポリペプチド分子がある。現在好適担体蛋白質はBS
A及びKLHであり、BSAは最適アッセイ感度及び特異性を
得るために現在特に好適である。本発明の合成ペプチド
は、それらのカルボキシル末端を介して担体蛋白質に化
学的に結合したとき高度の免疫反応性を保有することが
明らかにされた。これらペプチドと担体蛋白質との結合
は、適した結合剤、例えばマレイミド安息香酸、p−メ
チルジチオ安息香酸、無水マレイン酸、無水琥珀酸、グ
ルタルアルデヒド、又はその他の類似の結合剤などを用
い、一般的ペプチド結合手段によって実現される。とく
に適した結合剤は、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロ
キシスクシンイミドエステル(MBS)、スルフォマレイ
ミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミド(SMB
S)、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、
スルフォスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(sulfoSMC
C)及びN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルチ
オ)プロピオネート(SPDP)である。
担体蛋白質への結合を容易にするために、本発明の合
成ペプチドは、抗原性ドメインをあらわすペプチド部分
のカルボキシル末端に位置するアミノ酸スペーサーテー
ルをもっているのが好ましい。適切なスペーサーテール
は、ペプチドと担体蛋白質との結合の際に抗原性ドメイ
ンの免疫反応性を保護し、所望のアミノ酸を結合にあず
かるようにする機能をもつ。適切なスペーサーテール
は、0ないし4個のグリシンAAスペーサーを有し、担体
蛋白質に結合するためのシステイン基に終わるペプチド
セグメントである。ここに詳細に説明され、図に示され
る特に好適な実施例において、アミノ酸スペーサーテー
ルはペプチド中でC末端−GC基によってあらわされる、
但しその他のスペーサーテールもこの目的のために用い
られる。約50のHIV−1抗体陽性血清のプールに対する
免疫反応性、又は約6のHIV−2抗体陽性血清のプール
に対する並びにHIV−1又はHIV−2抗体のないことがわ
かっている血清のプールに対する免疫反応性について、
本発明の好適ペプチドがEIA法によってスクリーニング
された。血清プールを用いてEIAスクリーニングするこ
とによって、HIV感染中の霊長類において最大の抗体反
応をおこすペプチドを確認し、個々の人に見られるエピ
トープの配列決定(Mapping)は避けた。ひとたび有望
なペプチド領域が確認されたならば(図1、5、8)そ
の後の合成によって最適免疫反応性ペプチドが解明され
(図2−4、6、7)、それから最適ペプチドを多数の
個々の血清に対してスクリーニングした(以下参照、図
10−13)。これらの最適ペプチド−C末端がBSAに結合
したもの−のなかで最もよいものを、機器を必要としな
い目で見る迅速試験の開発のために用いた(図14)。
これらの研究は、配列IWGCSGKLICTTAVPGC(2S09)
(下線部分は免疫反応性を保護し、結合を容易にするた
めにスペーサーテールに付加した非天然アミノ酸を意味
する)をもつgp41天然配列ペプチドが、システインを介
して担体蛋白質に結合したときHIV−1抗体の検出のた
めに最大に免疫反応性であることを明らかにした(図
1)。さらに、配列DQARLNSWGCAFRGVC(2S24)ARLNSWGC
AFRQVCHGC(2S25)、及びSWGCAFRQVCHTTVPGC(2S27)を
もつ3つのgp32天然配列は、システインを介して担体蛋
白質に結合したときHIV−2抗体の検出のために最大に
免疫反応性であることが明らかになった(図5)。p24
蛋白質でも、システインを介して担体蛋白質に化学的に
結合したときに顕著な免疫反応性を示す配列ALGPAATLEE
MMTACGC(5G94)をもつペプチドが確認された(図
8)。
本発明のペプチドによってあらわれるHIV−1に対す
る免疫反応性領域は、ワング(Wang)らの米国特許第47
35896号及びコサンド(Cosand)の米国特許第4679783号
によって確認された領域のC末端に位置する。配列RILA
VERYLKDQQLLGIWGCSをもつワングの免疫反応性ペプチド
及び配列IKQLQARILAVERYLKDQQ(4S24)及びRILAVERYLKD
QQLLGIWGCSGKLIC(4S25)をもつコサンドの免疫反応性
ペプチドは、本発明の目的であるペプチドとは下記の点
で異なる。ワンダのペプチド全体の18/21を占めそのC
末端をすべて含む本発明のより短いペプチドAVERYLKDQQ
LLQC(2S01)、ERYKLDQQLLGIWGC(2S02),及びYLKDQQL
LGIWGCSGC(2S03)は、C末端を介してBSAに化学的に結
合した担体蛋白質結合物として用いたときの本発明の免
疫反応性ペプチドより著しく小さい免疫反応性をもつ
(図1)。ペプチドIKQLQARILAVERYLKDQQ(コサンド参
照、上記)はどの観点でも本発明のHIV−1免疫反応性
ペプチドにオーバーラップしない、そしてGCを介してBS
Aに結合している遥かに長いペプチドRILAVERYLKDQQLLGI
WGCSGKLIC(4S25コサンド、参照,上記)は、GCスペー
サーを介してBSAに結合したC末端化学的結合物として
用いるとき、KDQQLLGIWGCSGKLGC(2S04)、QQLLGIWGCSG
KLICGC(3S36)、LLGIWGCSGKLICTTGC(2S06)及びLGIWG
CSGKLICTTAGC(2S07)を含む本発明のいくつかの比較的
短いペプチドより低い又は同等の免疫反応性を示す(図
1)。しかしながらワングら、又はコサンドの特許いず
れにも見いだされなかった重要な配列を含む本発明の新
しいペプチドを用いて最良の免疫反応性が得られる。こ
れらの配列はワング及びコサンドのペプチドについたC
末端であり、例えばBSAなどの担体蛋白質にカルボキシ
ル末端GCを介して結合するときペプチドの免疫反応性を
維持するのに重要である。このより高い反応性を示すペ
プチドは、IWGCSGKLICTTAVPGC(2S09),GCSGKLICTTAVPW
NGC(2S11)、CSGKLICTTAVPWNAGC(3S51),SGKLICTTAVP
WNASGC(2S13)、GKLICTTAVPWNASWGC(3S55)及びKLICT
TAVPWNASWSGC(2S15)である(図1)。これらの天然配
列高反応性ペプチドのいくつかは、ローゼンらが記載し
たもの(PCT出願 WO87/06005)と類似している。しか
しながら非結合型のペプチドを使ったローゼンとは異な
り、これらのペプチドの最適免疫反応性はそれらをペプ
チド−担体蛋白質結合物として用いたとき、例えばそれ
らのC末端に付加したグリシン−システインスペーサー
を介してBSAに結合させたときにのみ得られる(図1、
5、8、9)。最大陽性/陰性比、及びHIVに対する抗
体を含むサンプル(HIV抗体陽性)とこれを含まないサ
ンプル(HIV抗体陰性)との最も良い識別は、このよう
な結合物でのみ得られ、ペプチドそのものでは得られな
い(図9)。さらに、これらペプチドの迅速診断分析試
験への適用は、C末端ペプチド−蛋白質結合物によって
のみ可能であり、ペプチドそのものでは迅速試験のため
のコロイド金又はEIA法には適さない。これについては
後でより詳しく述べる。(実施例15−19、4表)。
カルボキシル末端GCを介して担体蛋白質に結合したと
きHIV抗体の検出のための高い性能を保持するペプチド
をもつこれら結合物のなかで最も有望なものを多数の血
清標本に対して試験した。これらの研究は、EIAに使用
するためのペプチド−蛋白質結合物を作るにはBSAがKLH
よりすぐれていること(図1、5、10、11)、HIV−1
−又はHIV−2抗体の検出において十分の感度を得るた
めには1個以上のペプチドとBSAとの結合物が好適であ
ること(図10−13)、そしてHIV−1のために適したペ
プチドはHIV−2の検出のためには適さないこと(図1
3)などを示している。グナン(Gnann)ら[サイエンス
(Science)237巻1346−1349ページ、1987]が記載した
ように、ザイールの分離物で報告された、ロイシンの代
わりにヒスチジン置換基を含む配列異型は、HXB2配列異
型とでは低い免疫反応性をもつ若干の血清においてHIV
−1抗体を検出することができることが確認された(図
4及び10C)。しかしながら、これらのヒスチジン含有
配列異型は、HIV抗体を含まない血清との許容し得ない
高い反応性を与える(図10C)。カルボキシル末端によ
ってBSA又はその他の抗体蛋白質に結合した単一のペプ
チド又はペプチド組み合わせをEIA法の抗原として用い
た場合、感度又は陽性サンプルと陰性サンプルとの区別
に関して最適アッセイ性能を与える、発見ずみのエピト
ープの天然配列異型は見つかっていない(図10)。そこ
で、HIV抗体を含まない血清に対しては所望でない非特
異的反応性を示すことのない、HIV抗体のための高い免
疫反応性を保持する配列を決定するために、免疫優性HI
V−1gp41エピトープの50以上の非天然配列異型を合成し
た。本発明の重要な点は、HIV抗体には高度の免疫反応
性を保持し、HIV抗体のない正常なヒト血清とは不都合
に反応しない、図2−4、6、7、11に示されるHIV−
1及びHIV−2両方の非天然配列異型の発見である(図1
1)。これらの高度に免疫反応性の非天然配列異型は技
術的に開示されたペプチドとは著しく異なる。これらの
ペプチドのうち2つ、4S36と4S76、はそれらのカルボキ
シル末端によるBSAとの結合物として用いたとき、優れ
たアッセイ性能を与え、高レベルの感度及び特異性、非
常に高レベルの陽性及び陰性サンプル間の識別(図11
C)、そして2つの商業的に承認されたEIA試験で間違っ
た陽性反応を与えることが判明した血清サンプルに対し
ては非常に低い反応性(実施例8、表1)を示した。こ
の種のアッセイ性能−陽性は492nmの吸光度が1.25以下
でなく、陽性の最低と陰性の最高との間のA492値の間隔
は1.0吸光単位以上である−は、ペプチド−BSA結合物と
して用いられるここに記載の結合非天然ペプチドによっ
て可能となる。この種のアッセイ性能は最適であり、ベ
ルツ(Beltz)らの米国特許第4753873号に記載されてい
る組換えDNA法によってつくられる非常に大きいポリペ
プチド−それはここに記載の領域を含めたHIVのgp120及
びgp41の大部分を含む−の性能とよい対照となる。ベル
ツらの特許に記載されているA490単位における陽性及び
陰性サンプル間の間隔はたった0.1で、陽性サンプルの1
1%が1.2以下のA492値を有する。本発明の合成ペプチド
法は、ベルツらの特許の場合のように単一のHIV分離物
に依存するよりもむしろ、HIVエンベロープの臨界的免
疫優性領域に対する抗原性変異の全範囲をあらわすいく
つかの異なるペプチドを挿入することができる。また、
ペプチド合成によって、免疫優性領域のみが使用抗原に
含まれ、HIVenv遺伝子生成物のあり得る交差反応部分を
含むことによって導入される非特異性、又は組換えDNA
によって表現される蛋白質をつくるために用いる細菌性
宿主に由来する汚染蛋白質に起因する非特異性を避ける
ことができる。
本発明の免疫特異的試薬は、液体サンプル、例えば血
液又は血清サンプル中のHIV蛋白質に対する抗体を検出
する、又はHIV蛋白質抗原を検出するためのイムノアッ
セイに用いられる。その試薬は、熟練せる当業者には公
知の種々のアッセイフォーマット、例えばエライサ法
(ELISAアッセイ)、その他の酵素免疫測定法(EIAアッ
セイ)、ラジオイムノアッセイ(RIAアッセイ)、及び
免疫特異的結合パートナーを必要とするその他のアッセ
イフォーマットに広く用いられる。その試薬は好適には
HIV蛋白質に対する抗体の検出のためのアッセイに用い
られ、分析すべき液体サンプルを本発明の試薬と接触さ
せ、試薬に結合した抗体の存在又は量をサンプル中に存
在するHIV抗体の存在又は量のインディケーションとし
て測定する。好適には、試薬/抗体複合物をサンプル混
合物から分離し、形成された試薬/抗体コンプレックス
の検出のために検出可能の標識を用いる。分離は、試薬
を固相に固定するか、形成されたコンプレックスを反応
混合物から濾別するか、又は当業者には一般的なその他
の方法によって行われる。適切な固相としてはミクロタ
イタープレート、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、
ラテックスビーズ、微粒子、セルロースマトリックス、
ニトロセルロースマトリックス、シリカゲル、及びその
他類似の固相表面があるが、これに制限されるものでは
ない。当業者には公知のように、試薬/抗体コンプレッ
クスの検出に役立つ種々の標識が用いられる。例えば適
切な標識として酵素、放射性核種、発光部分、蛍光標
識、化学発光標識、磁性粒子及び直接目に見える例えば
コロイド金のような標識があるが、これに制限されるも
のではない。
現在、HIV抗体の検出のために合衆国でUSFDAによって
承認されている試験法はEIA法である。これは高価な機
器を必要とし、完了までの時間が2ないし4時間かか
り、多数の血清を一度に試験するように設計されてい
る。多くの場合には、機器に頼らない、簡単なフォーマ
ットと目で見える終点をもち、少数のサンプルで行うこ
とができ、15分以内で終了する信頼できる試験法があれ
ば、HIV抗体の検出の改善が可能となる。よって、5個
より少ないサンプルと対照とを用い、目による試験を行
うように設計された方法及び簡単な装置による迅速試験
フォーマットがここに提供される。この装置を使用する
ための2種類のフォーマットは以下の実施例15及び16に
記載されている。各場合に本発明のペプチド/蛋白質結
合物を用いて、15分以内に終わる簡単な目による試験を
実施する。実施例に説明されるように、これらの目的の
ためには遊離のペプチドは無効であるか、比較的効果が
小さい、一方ペプチド/BSA結合物はよく機能する。概し
て、EIA試験で最もよい性能を与える同じペプチド/蛋
白質結合物も、簡単に実施できる目による迅速試験にお
いてすぐれた性能を発揮する。
上述の発見は、熟練せる当業者には明らかないくつか
の変更を含むものである。例えば、本発明は、G(グリ
シン)スペーサー及びC(システイン)C末端アミノ酸
を経てBSAに結合したとき、HIV抗体の検出のためにこれ
までに報告されたペプチドのどれよりもすぐれた天然及
び非天然両方のペプチドを明白にしている。しかしなが
ら、このようなペプチド/蛋白質結合物ですぐれたアッ
セイ性能が得られるという発見は、下記のような類似の
結合物にもあてはまるかも知れない:1)結合するC末端
アミノ酸が異なる、システインでなく例えばメチオニ
ン、チロシン、リジン、アルギニン、グルタミン酸又は
アスパラギン酸など;2)結合のために用いる蛋白質が異
なる、例えばウシ ガンマグロブリン、KLH,ポリ−L−
リジン、又はHIV抗体を含まない正常ヒト血清との結合
物のイムノアッセイ反応性には貢献しない分子量5000以
上のその他の純粋ポリペプチド又は蛋白質;3)ここに詳
細に示されるもの以外のリンカーを用いて、ペプチド上
のチオール、カルボキシル、又はその他の基と、結合の
ために用いるポリペプチド又は蛋白質上の類似の反応性
基との間に共有結合を形成せしめる;4)0−4グリシン
を用いて反応性ペプチドとC末端アミノ酸との間を架橋
する;5)ペプチドのC末端の1−3アミノ酸を変化させ
る。しかしながら、これらの変更のいくつかは、ここに
記載される好適ペプチド/BSA結合物に比較してアッセイ
性能が劣ることがわかった。例えば、本発明のペプチド
は、システイン及びそれらのC末端を介して蛋白質担体
に結合するとき高度に反応性である。この同じペプチド
は、アミノ基及びそのN末端を介して結合するときに
は、最適に免疫反応性であることは期待できない、なぜ
ならばこの結果、ペプチドの別の部分が抗体との相互作
用にさらされるからである。ペプチドの方向づけが重要
であるというこの原理を証明したのはドライベルグ(Dr
yberg)及びオルドストン(Oldstone)(J Esp Med 164
巻、1344−1349ページ、1986)であった。実際、最適免
疫反応性をもったペプチド4S36及び5S70(図2−4)が
それらのアミノ基を介して、カルボジイミドを用いてカ
ルボイシル化ラテックスに共有結合した場合、すべての
免疫反応性は失われる(実施例16参照)。
下記の実施例は、本発明に定義された天然及び非天然
ペプチド/蛋白質結合物を用いる、HIV抗体検出用の数
種のアッセイ及び試薬の計画及びアッセイフォーマット
を説明する。これらは、EIA試験ではポリスチレン プ
ラスチック表面に結合した抗原としての結合物の使用、
迅速試験フォーマットに使用するためのコロイド金で標
識した抗原としての結合物、そして迅速EIAフォーマッ
トではラテックスに結合した抗原としての結合物の使用
を含める。しかしながら、熟練せる当業者にはその他の
応用も容易に理解でき、本発明の範囲はペプチド−蛋白
質結合物のこのような他の可能な同等の使用を含むこと
を意味する。例えば、用いられる固体表面はポリスチレ
ン表面又はラテックスビーズに限られることなく、ガラ
ス、ポリプロピレン、デキストラン、ナイロン、ニトロ
セルロース、ゼラチン、紙、シリカゲル、赤血球、リポ
ソームなどを含める。同様に、ペプチド/蛋白質結合物
と、ペプチド/ペプチドポリマーとは同様によく機能
し、またこのような結合物の標識化はコロイド金に限る
必要はない。ペプチド含有ポリマーを標識化する別の方
法は、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、抗体標識、リ
ポソーム標識、遊離基標識又はバクテリオファージ標識
を含める。診断試薬としての有用性に加えて、ここに記
載されるペプチド/蛋白質結合物は、免疫原として用い
られ、例えば動物を免疫して診断用ペプチドエピトーム
に対するポリクローナル抗体を高め、ハイブリドーマ
テクノロジーの準備にマウスに免疫反応をおこしてその
ペプチドに対するモノクローナル抗体をつくり、また霊
長類を免疫して、あらわれるペプチド内に含まれるHIV
蛋白質の重要ドメインに向けられる防御的免疫反応をひ
き起こすために利用される。記載されるHIVペプチド−
蛋白質結合物のこれらのおよびその他の利用は熟練せる
当業者には明らかである。
実施例 下記の実施例は、本発明の典型的な、現在好適な方法
および材料のいくつかを詳細に説明するためのものであ
る。これらの実施例は、本発明の概念を説明する目的で
提供されるものであり、添付のクレイムによって明らか
にされる発明の範囲を制限するものではない。ヒト血清
を使うイムノアッセイのすべてでは、血清サンプルはキ
ング カウンティ ヘルス デパートメント、シアト
ル、ワシントン、米国、から入手し、各血清は、商売上
の免許をもつゲネティック システムズ(Genetic Syst
ems)及び/又はデュポン(DuPont)EIA試験法で試験し
てHIV抗体陽性又は陰性と特徴づけた。アカゲザル(Mac
aca mulatta)の血清は、ワシントン大学、シアトル、
ワシントン、米国、から入手し、SIV全ウィルス溶解物E
IAによって、被験ペプチドエピトープの領域の配列がHI
V−2とほぼ同じであるSIVに対する抗体を含むか又は含
まないと特徴づけた。
実施例1 ペプチドの合成、樹脂のペプチドのHF分解、及びHPLC
によるペプチドの適切性の証明 普通は、同時マルチペプチド合成(SMPS)として知ら
れ、米国特許第4631211号に開示されているメリフィー
ルド固相ペプチド合成法の変法を用いて、72−96のペプ
チドを一度に合成した。この実施例では、96の個々のペ
プチドをペプチドアミドとして下記のように合成した:
約0.6meq/gm樹脂の置換レベルをもつ4−メチルベンゾ
ヒドリルアミン樹脂(コロラド バイオテクノロジー協
会、ブルダー、コロラド 米国;PAM又は標準メリフィー
ルド樹脂を含むその他の樹脂を用いることもできる)10
0mgを、樹脂を十分保持できる、あらかじめ秤量した20
×25mm、74ミクロンメッシュサイズのポリプロピレン製
バッグ96個の各々に秤取した。各バッグをその後インパ
ルス ヒートシーター[アクシール社(Accu Seal Corp
oration)サンジェゴ、カリフォルニア、米国]で封止
し、墨で書いた数字のラベルもバッグにヒートシール
し、合成操作中を通じて各“Tバッグ”が識別できるよ
うにした。用意した包みを塩化メチレン中で振とうする
ことにより徹底的に洗い、細かい樹脂を除去し、正しく
封止されていないバッグを見つけた、そして秤量して残
留樹脂重量と各バッグの合成のための最初の重量を確認
した。合成に用いるアミノ酸はオムニ バイオケミカル
(Omni Biochemical)(サンジェゴ、カリフォルニア、
米国)から入手した[他のソースのアミノ酸、例えばア
プライド バイオシステム社(Applied Biosystems In
c)、フォスターシティー、カリフォルニア、米国、ペ
ニンスラ ラボラトリース(Peninsula Laborarories)
ベルモント、カルフォルニア、米国、及びバチェム(Ba
chem),トレンス、カリフォルニア、米国、のアミノ酸
も使うことができる]、そしてN−アルファーアミノを
tertブチルオキシカルボニル(t−Boc)基で保護し
た。このようなアミノ酸はその他に側鎖保護基を含んで
いた、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、セリン及
びスレオニンのためにはベンジル;システインのために
はp−メチルベンジル;ヒスチジンのためにはジニトロ
フェニル;リジンのためにはオルト−クロロ−ベンジル
オキシカルボニル、;アルギニンのためにはトシル;チ
ロシンのためにはオルト−ブロモ−ベンジルオキシカル
ボニルなど。t−Bocで保護されたアミノ酸アラニン、
フェニルアラニン、トリプトファン、グリシン、イソロ
イシン、ロイシン、アスパラギン、グルタミン、プロリ
ン、及びバリンは、側鎖を保護せずに用いられた。
SMPS合成の各段階において、溶媒及び反応体と、樹脂
及び成長するペプチド鎖との接触を完全にするために、
機械的振とう機上で烈しく撹拌し、前の段階からの溶媒
のすべては、その次の段階のための溶媒を添加する前に
除去された。樹脂を含むパックを塩化メチレン中で1分
間洗い、それから5%ジイソプロピルエチルアミン(DI
EA)−塩化メチレン溶液で2分間づつ3回、それから塩
化メチレン中で1分間づつ2回洗った。樹脂のパックを
分類し、カルボキシル末端アミノ酸として所望の、個々
のアミノ酸のために適した容器に入れた。96のこの群の
すべてのペプチドはC末端システイン、その次にグリシ
ンスペーサーを含んでいたから、これらパックのすべて
は、最初の2アミノ酸については一緒に処理された。ア
ミノ酸を塩化メチレンか、90%塩化メチレン+10%ジメ
チルフォルムアミド(DMF)に、0.2M濃度に溶解し、樹
脂の8倍モル過剰の容量をもつ適当な反応びんに入れ
た。各アミノ酸溶液を使用直前に、0.2Mジイソプロピル
カルボジイミド−塩化メチレン溶液から成る活性化溶液
2ml/樹脂パックによって活性化した。適したアミノ酸の
各樹脂パックへの添加は振とう機上で1時間かけて行わ
れた。そしてその後30秒間DMFで洗い、ジイソプロピル
尿素及び残っているすべてのアミノ酸を除去し、さらに
30秒間塩化メチレンで洗った。樹脂パックのすべてを最
初の大きい反応びんに合一し、塩化メチレンで1分間づ
つ2回洗った。各樹脂に結合したアミノ酸をその後脱保
護し、55%三フッ化酢酸(TFA)、45%塩化メチレンで3
0分処理することによってN−アルファ−t−Boc基を除
去し、塩化メチレンで1分間、イソプロパノールで1分
間づつ2回洗って樹脂を収縮させ、残っているTFAを全
部除去し、塩化メチレンで1分間づつ2回洗った。アル
ファ−アミノ塩を、氷冷した5%DIEA−CH2Cl2×3で中
和し、それから塩化メチレンで2回洗った。保護アミノ
酸の結合、洗浄、脱保護などは、すべての所望アミノ酸
がペプチド鎖に付加するまで繰り返された。この時点で
N−アルファ−t−Boc基は、55%TFA/45%CH2Cl2で30
分間処理することによって各ペプチドから除去され、そ
の後CH2Cl2で1分間洗い、イソプロパノールで1分間づ
つ2回、CH2Cl2で1分間づつ2回洗い、凍結乾燥した。
完全に乾燥した樹脂パックを秤量し、重量増加を理論値
と比較することによって結合完了を予想した。ヒスチジ
ンを含むペプチドはさらに0.5Mチオフェノールで処理す
ることによってジニトロフェニル側鎖保護基を除去し
た。チオフェノールの個々の量を3回、各々1時間かけ
て加え、その後DMFで10回洗い、イソプロパノールか塩
化メチレンのどちらかで10回洗った。そのチオフェノー
ル処理樹脂を凍結乾燥機で完全に乾燥させた。HF分解、
抽出及び凍結乾燥後にHPLCによって検査したときに高純
度を示さなかったペプチドでは、再合成を行い、ピクリ
ン酸で結合完了をモニターした。結合段階後、樹脂パッ
クを0.05Mピクリン酸−塩化メチレン溶液で処理した。
目で黄色が認められれば定性的に結合完了とし、そのピ
クリン酸を5%DIEA−塩化メチレン溶液で溶出し、358n
mで測定することによって定量した。この方法は樹脂上
の未反応のアミンをたった0.5%に至るまで検出した。
24の個々のペプチドを同時処理することのできるHF分
解装置(マルチプルペプチド システムズ、ラジョラ、
カリフォルニア、米国)中で、それらペプチドをその樹
脂から分離し、同時に側鎖保護基を除去した。標準高HF
法を用いた(90% v/v無水フッ化水素(HF)、10% v
/v アニソール、0℃、60分)。分解後、N2気流と真空
との組み合わせによってHFを除去した。樹脂パックをエ
ーテルで3回洗ってカルボニウムイオン掃去剤を除去し
た。その後15%酢酸でそれから45%酢酸で抽出した。15
%酢酸で抽出したペプチドの1部を凍結してHPLCによる
分析に用い、残りの抽出液は一緒にして凍結乾燥した。
凍結乾燥ペプチドは逆相クロマトグラフィーによって分
析した、この場合、シンクロパック(Synchropak)C−
4カラム[スペルコ(Supelco)、ベレフォンテ、ペン
シルバニア、米国]を用い、0−30%アセトニトリルの
直線勾配で0.33%/minの流速で、及び0.1%三フッ化酢
酸で1ml/minの流速で溶出した。ベックマンHPLC421型
(ベックマン インスツルメント、パロアルト、カリフ
ォルニア、米国)及びヒューレット パッカード社製ダ
イオード−アレー ディテクター1040A型(ヒューレッ
ト パッカード、パロアルト、カリフォルニア、米国)
を用いた。許容し得る純度をもつと思われるペプチドは
クロマトグラムの≧90%を構成する単一のピークを示し
た。これらのペプチドを選択し、HIV抗体を検出するイ
ムノアッセイに用いる抗原としてさらに評価した。上述
の操作を繰り返し、図1−8に示される合成ペプチドの
各々を合成した。
実施例2 合成ペプチドとKLH又はBSAとの化学的結合 図1−8の合成ペプチドを、ペプチドの溶解度に応じ
て10mMボレート又はその他の緩衝液中で、4℃、pH8
で、ゆるやかに撹拌しながら、10mM DTT、又は固定DTT
(レダクタクリル、カルビオヘム、サンジエゴ、カリフ
ォルニア、米国)で一晩還元した。KLHは10mM燐酸緩衝
液−pH7.2−中に10−30mg/ml濃度に溶解し、BSAは20−8
0mg/mlの濃度に溶解して、ヘテロ二官能性リンカーMBS
(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシン
イミドエステル)、SPDP[N−スクシンイミジル−3−
(2ピリジルジチオ)プロピオネート]、又はスルフォ
ーSMCC[スルフォースクシンイミジル 4(N−マレイ
ミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト]で処理した。ヘテロ二官能性リンカーを蛋白質溶液
に、BSA100に対して又はKLH1000に対してモル過剰に加
えた。MBSはDMFに10mg/ml濃度で、SPDPは無水アルコー
ルに10mg/ml濃度で溶解し、これらの各々を蛋白質溶液
に滴下し、混合した。一方スルフォーSMCC乾燥粉末は蛋
白質溶液に溶解した。各々の蛋白質−リンカー混合物を
室温で15分ないし1時間反応させ、それからセファデッ
クスG25を用いるゲル クロマトグラフィーによって、
遊離リンカーをBSA−リンカー又はKLH−リンカーから分
離させた;KLH−MBSでは50mM燐酸塩、pH6を用い、BSA−S
PDPでは10mM酢酸塩、100mMNaCl、pH4.6を用い、BSA SM
CCでは100mM 燐酸塩、1mM EDTA,pH6.5を用いた。可溶
性DTTを用いた場合は、セファデックスG10カラムクロマ
トグラフィーによって還元ペプチドをDTTから分離し、
レダクタクリルを用いた場合は遠心分離してから0.22ミ
クロンフィルターを通して濾過した。還元ペプチドとリ
ンカー処理KLH又はBSAとを、100−1000ペプチド/KLH−M
BS、1−50ペプチド/BSA−SMCC、及び0.1−10ペプチド/
BSA−SPDPのモル比で合一した。各還元ペプチドを撹拌
しながらリンカー処理蛋白質に加え、N2で覆い、それか
ら1時間室温でおだやかに撹拌し、一晩4℃で静置し
た。SMCC−BSA結合物をさらに、最終濃度1mMのメルカプ
トエチルアミンで4時間処理し、それから4℃で100容
量の緩衝液(20mM燐酸塩、1mMEDTA,0.05%アジ化ナトリ
ウム、pH6.5)に対して一晩透析した。その他のすべて
の結合物はアジ化ナトリウムの最終濃度0.05%に調節さ
れた。結合物のペプチド/蛋白質の最適モル比は溶解度
及び抗原性(EIAによって評価した)によって決定し
た。例えば最もよい比は、約1:1(SPDP−BSA)、10:1
(SMCC−BSA)、及び100:1(MBS−KLH)であることがわ
かった。
実施例3 遊離ペプチド又はペプチド−蛋白質結合物の免疫反応性
を評価するイムノアッセイ 最初に図1−13の遊離ペプチド又はペプチド−蛋白質
結合物を免疫反応性によってスクリーニングした、その
ためにはポリスチレン ミクロタイターEIAプレート
(コスター、ケンブリッジ、マッセチュセッツ、米国)
の各ウェルに、トリス緩衝液、10mM、pH8、中の5−50
マイクログラム/ml濃度のペプチドを0.2ml量コーティン
グし、4℃で一晩置いた。EIAによって免疫反応性を示
すペプチド又はペプチド−蛋白質結合物をさらに希釈し
て、コーティングし、HIV抗体で最大の免疫反応性を示
し、正常血清で最小の非特異的反応性を示すことができ
る最低濃度を定めた。EIA試験は下記のように行った:
コーティング溶液を各ウェルから除去し、ウェルを50mM
燐酸塩、100mM NaCl、0.05%トゥウィーン20、pH7.4
(PBST)で、37℃で30分間ふさいだ。それからウェルを
ミクロタイタープレート ウオッシャーで吸引して乾燥
させ、50mM燐酸塩、100mMNaCl、0.05%トゥウイーン2
0、pH7.4(PBST)の溶液で3回洗った。試験すべき霊長
類血清の1:101希釈液(1%BSA,1%NRSを含むPBSTで)
を0.2mlとして、洗浄した各ウェルに加え、そのプレー
トを37℃で30分間インキュベートした。その後プレート
をPBSTで3回洗い、ヒトIgG,IgA,及びIgMを識別するヤ
ギ抗ヒト(GAH)過酸化酵素結合物(オルガノン テク
ニカ、キャッペル、メルバーン、ペンシルバニア、米
国)の1:2000希釈液を0.2ml量各ウェル加え、プレート
を37℃で30分間インキュベートした。プレートをPBSTで
3回洗い、0.1Mクエン酸pH5.2、0.1mg/ml o−フェニ
レンジアミン、0.01%H2O2から成る基質0.2ml/ウェルと
共に室温で、暗所で10分間インキュベートした。4N H2
SO4 50マイクロリッターで反応をとめ、発現した色を
マルチスキャン プレートリーダーでA492で測定した。
各実験系列にはポジティブ−及びネガティブ対照が含ま
れ、全テストは二重又は四重に行われた。大部分のペプ
チド及びペプチド結合物は最初はHIV陽性又はHIV陰性血
清のプールの1:101希釈にたいしてスクリーニングさ
れ、同じ血清プールを用いて種々の遊離ペプチド又はペ
プチド−蛋白質結合物の免疫反応性を定量的に比較する
ことができた。上の条件は最適試験性能を与えることが
わかった、そして以下のEIA実施例に用いられた。
実施例4 HIV−1及びHIV−2の天然配列ペプチドの免疫反応性の
比較 図1及び5のペプチドを実施例1に記載したように合
成し、実施例2に記載したようにKLH又はBSAに結合させ
た。これらのペプチド−蛋白質結合物は全部10マイクロ
グラム ペプチド/mlの濃度でポリスチレンミクロタイ
ター プレートにコーティングされ、実施例3に記載し
たように、HIV−1抗体(図1)又はHIV1抗体(図5)
を含む血清プール(それぞれHIV+/SIV+)、並びにHIV
−1抗体又はHIV−2抗体を含まないプール血清(それ
ぞれHIV−/SIV−)の1:101希釈液を用いて免疫反応性を
評価した。ペプチド2S04,4S25,3S36,2S06,2S07,2S09,2S
11、3S51、2S13,3S55、2S15のBSA−SMCC結合物(図1)
ではHIV抗体に対して顕著な免疫反応性が認められ、配
列IWGCSGKLICTTAVPGCをもつペプチド2S09の結合物では
わずかによりすぐれた免疫反応性が認められた。HIV−
2感染患者からの血清は米国では比較的手に入らないか
ら、HIV−2合成ペプチドの免疫反応性は、ワシントン
大学霊長類センター、ワシントン、米国、から入手した
SIV感染マカークザルの血清を用いて評価した。SIVのAA
配列は合成したペプチド領域においてHIV−2のそれと
ほぼ同じである(参照、マイヤーズら、ヒト レトロウ
ィルスとAIDS、1988。“核酸及びアミノ酸配列の編集”
ロスアラモス国立研究所、ロスアラモス、ニューメキシ
コ、87545、米国)。ペプチド2S23、2S24、2S25、2S2
7、及び2S28のBSA−SMCC結合物では、SIV/HIV−2抗体
で顕著な免疫反応性が認められた、最高の免疫反応性が
認められたのは、図5に示されるように2S24(配列 DQ
ARLNSWGCAFRQVCをもつ)、2S25(配列 ARLNSWGCAFRQVC
HGCをもつ)及び2S27(配列 SWGCAFRQCHTTVPGCをも
つ)であった。概して、KLH結合物よりもBSAで、よりよ
い免疫反応性が認められた。
実施例5 A.ペプチド2S06及び2S09のKLH−MBS結合物の免疫反応性
の評価 図10Aは、ヘテロ二官能性リンカーMBSを用いてC末端
GCスペーサーを介してKLHに結合したときの合成天然ペ
プチド2S06及び2S09(図1)の免疫反応性を示す。血清
サンプルを提供してくれたシアトル キング カウンテ
ィ保健部がゲネティック システムズ EIA法によって
評価した場合、血清標本の42がHIV−1抗体を含み、52
が含んでいなかった。陽性サンプルすべてを陰性サンプ
ルと区別した。しかしながら陽性サンプルの多くの免疫
反応性は低く(A492は1.0以下)、陰性サンプルの若干
は0.20より少し高いA492値を有し、その結果陽性と陰性
との識別はよくなかった。この不十分な識別のため、改
良された担体蛋白質及び/又はリンカーを探すことにな
った。
B.ペプチド2S09及び5S67のBSA結合物の免疫反応性の評
価 図10Bは、ヘテロ二官能性リンカーSMCCを用いて、C
末端を介してBSAに結合した場合の、合成提供ペプチドI
WGCSGKLICTTAVPGC(2S09)の反応性を示す。サンプルを
提供したシアトル キング カウンティ保健部がゲネテ
ィック システムズ EIA法によって評価した全部で184
のヒト血清のうち98がHIV−1抗体を含み、86が含んで
いなかった。陰性サンプルは低いA492値を示し、大部分
の陽性サンプルはより高いA492値を示したという点で、
図5Aに比較してアッセイ性能の改良が認められる。これ
は、SMCCリンカーを用いたペプチド−BSA結合物がリン
カーとしてMBSを用いたペプチド−KLH結合物よりすぐれ
たEIA試験性能を与えることを示している。しかしなが
ら、いくつかの陽性サンプルはこの結合物では非常に低
い−これらの陰性サンプルから確実に区別するにはあま
りに低い−免疫反応性をもっていた。低い反応性の若干
は、ザイールからのHIV分離物で報告されたように(グ
ナンら、サイエンス 237巻、1346−1349ページ、198
7)このエピトーム領域における遺伝的異型の抗原的差
異によるかも知れないので、天然配列異型プチド5S67
(図3)を合成し、SMCCによってBSAに化学的に結合せ
しめ、同じ血清に対して、それに加えてもう一つの陰性
血清サンプル(図10C)に対して試験した。天然2S09−B
SA結合物で低い免疫反応性を示した患者血清の多くは、
5S67−BSAではより高い反応性を与えた。しかしながら
ペプチド5SはHIV−1抗体を含まない血清と許容し得な
い高い反応性を示した(図10C)。このため、HIV−1抗
体を含む大部分の血清との高い免疫反応性を保持し、HI
V抗体のない血清とは低い反応性を示すペプチド2S09の
非天然配列異型を探索することになった。
実施例6 HIV−1gp41免疫反応性ペプチドの非天然配列異型の合成
及び最初の評価 図2及び図3は、実施例1の方法を用いて合成したペ
プチド2S09及び5S67の47の配列異型を示す。目立つアミ
ノ酸はこれらペプチドの天然配列からの異型である。遊
離ペプチドとして、ヒトHIV−1抗体と、ポリスチレン
ミクロタイター プレートに結合した天然ペプチド2S
09及び5S67のBSA−SMCC結合物との結合を阻止する能力
によって、ヒトHIV−1抗体に対する免疫反応性を保持
するこれらを確認した。図4は、図2及び図3で最大の
免疫反応性を示した7天然配列異型及び21非天然配列異
型の直接的抗体結合活性を示す。陽性血清プールに対す
るA492免疫反応性/陰性血清プールに対するA492免疫反
応性の比が最もよい結合物を、さらに評価した。非天然
ペプチドのいくつかの結合物は、図10Bの最小免疫反応
性血清で試験したとき、ペプチド2S09よりも高い免疫反
応性を与えたが、これらの若干は、ペプチド5S67で見ら
れたように(図10C)、陰性血清に対して高い非特異的
反応性を示した。その他のペプチドは大部分の陽性血清
では免疫反応性を保持し、陰性血清では免疫反応性の変
化はなかった。2つの特に好適な非天然配列ペプチド、
4S36及び5S76をさらに評価した。
実施例7 ペプチド4S36及び5S76のBSA結合物の免疫反応性の評価 図11Aは、ヘテロ二官能性リンカーSMCCを用いてC−
末端によりBSAに化学的に結合させ、ポリスチレン ミ
クロタイター プレートにコーティングし、183のヒト
血清に対してEIA法で試験したときの、非天然ペプチド4
S36(VQGCSGKLICTTAVPGC)の免疫反応性を示す。同じ98
の陽性血清、並びに図10Bの86の陰性血清のうちの85を
用いた。ペプチドのN−末端のイソロイシンの代わりに
バリンを置換したものを除いて、低陽性の免疫反応性
が、同じ配列をもつ天然配列ペプチドに比較して著しく
増加した。98の陽性サンプルのうち、A492が1.0以下で
あったものは1つもなかった。一方陰性血清のA492値は
比較的低いままであった。図11Bは、ポリスチレン ミ
クロタイター プレートにコーティングし、図10Bと同
じ陽性及び陰性血清に対し、またもう1つの陰性血清に
対してEIA法で試験したときの、非天然ペプチド5S76(I
WGCSGKMICTTAVPGC)の類似のC末端BSA−SMCC結合物の
免疫反応性を示す。5陽性サンプルが1.0以下のA492
与えたが、残りの数値は高く、図10Bでは弱く反応した
幾つかの血清に対して強い免疫反応性をもつものも含ま
れた。図11Cは、ポリスチレン ミクロタイター プレ
ートにコーティングし、図11Aと同じ血清に対してEIA法
で試験したときの、結合非天然ペプチド4S36及び5S67
の、BSA−SMCC結合物との免疫反応性を示す。陰性血清
との反応性は低いままであるが、陽性血清と結合非天然
ペプチドとの免疫反応性はどちらのペプチドでもペプチ
ド単独よりは大きかった、その結果1.25以下のA492値を
もつ陽性サンプルはなく、最低陽性と最高陰性とのA492
値の開きは1.0以上の吸収単位となった。これらのEIA試
験性能結果は、同じ試験血清で試験した他のいかなるEI
A試薬の性能よりも優れており、今までに文献に記載さ
れた結果よりも優れている。
実施例8 ペプチド4S36及び5S76のBSA結合物の免疫反応特異性 図11Cの結果は、C−末端を介してBSA又はその他の担
体蛋白質に2個以上の合成非天然gp41ペプチドを組み合
わせて結合させることによって、すぐれたアッセイ性能
及び特に良い感度が得られることを示している。このよ
うなアッセイの感度が商売上許可されたイムノアッセイ
にどの程度匹敵するかを評価するために、HIV抗体検出
のための、ゲネティック システムズ(シアトル、ワシ
ントン、米国)又はデュポン(ウィルミントン、デラウ
ェア、米国)のどちらか又は両方の市販のEIAアッセイ
で間違った陽性結果を与えた12のヒト血清を、キング
カウンティ保健部(シアトル)から入手した。これら市
販のEIAシステムでは陽性であったにもかかわらず、こ
れらの各々の血清でのウエスターン ブロット 確認試
験は完全に陰性であった。
12ヒト血清群を実施例3の方法にしたがい、合成ペプ
チド4S36及び5S76の組み合わせを用いて試験し、市販の
ゲネティック システムズ及びデュポンEIAアッセイで
得た結果と比較した。結果を下表に示す: 1表は、非天然合成ペプチド4S36及び5S76のBSA結合
物を用いてポリスチレンプレートをコーティングするEI
A法の免疫反応性を示す。ペプチド4S36及び5S76を用い
るアッセイでは12サンプル中たった1個だけが(8%)
陽性であったのに対し、デュポン及びゲネティックシス
テムズの商売上許可されたアッセイではそれぞれ12中7
(58%)及び12中11(92%)が陽性であった。これらの
結果は、市販の2アッセイに比較して、実施例8及び図
11Cにおいて構成されたEIA試験の特異性がすぐれている
ことを示している。
実施例9 4S36及び5S76のBSA結合物を用いるHIV−1抗体に関する
血清変換の検出 実施例2の方法によってSMCCを用いてC末端を介して
BSAに結合させ、実施例3の方法によるイムノアッセイ
に用いる場合の非天然ペプチド4S36(VWGCSGKLICTTAVPG
C)及び5S76(IWGCSGKMICTTAVPGC)の組み合わせペプチ
ド−BSA結合物の免疫反応性を、HIV−1に感染した1人
から集めた個々の9血清の1群(“パネルA")(ボスト
ン バイオメディカ社(“BBI")、ボストン、マサチュ
セッツ、米国、から購入した)で評価した。またBBI血
清変換パネルAは、市販のEIAアッセイを用いて、下記
の会社のEIAアッセイ用製品プロトコールにしたがっ
て、試験された:アボット ラボラトリーズ社(“アボ
ット”)、セルラー プロダクツ コーポレーション
(“セル プロ”)、デュポンコーポレーション(“デ
ュポン”。エレクトロヌクレオニックス(“ENI")、ゲ
ネチック システムズ コーポレーション(“ゲネ シ
ス”)、オルト ディアグノスティックス コーポレー
ション(“オルト”)及びオルガノン テクニカ社
(“オルグ テック”)。パネルAにより、商売上許可
されたHIV−1抗体試験の免疫反応性と、BSAとのC末端
結合物として用いられる本発明の2つの非天然合成ペプ
チドの免疫反応性とを直接比較することができる。結果
は下記の2表に示される: 2表に示されるように、組み合わせ非天然ペプチド結合
物は、アボット、デュポン、ENI、ゲン シス、オルト
を含む商売上許可された6試験には等しく敏感であっ
た、その他の試験に関する反応性についてはBBIから提
供されたデータを用いる。サンプル番号3は、サンプル
1及び2に比較してA492の2倍の増加を示した、そのレ
ベルは信頼するには不十分なレベルであるが、この血清
変換パネルではオルグテック イムノアッセイより感度
が低い可能性があることを示唆している。2表には、迅
速試験フォーマットでペプチド4S36及び5S70のBSA結合
物でこれらの血清を試験した結果も示される、これにつ
いては実施例16に、より詳細に記す。これらの結合物
は、迅速試験フォーマットを用いても6市販試験に匹敵
する感度を示した。
実施例10 HIV−2のgp32の配列異型の合成及び評価 図6に示す合成ペプチドを実施例1の方法により合成
し、実施例3の方法によって免疫反応性を評価した。
図6はペプチド2S27の3天然配列異型及び6非天然配
列異型の、ペプチド2S27−BSA結合物と抗体との結合を
阻止する、遊離ペプチドとしての能力を説明する。4非
天然配列異型、5S88、5S90、5S91、及び5S92は顕著な免
疫反応性を有することがわかった。
実施例11 HIV−2の天然及び非天然配列ペプチドの免疫反応性 図5及び図6に見られる最大の免疫反応性をもつ天然
及び非天然のHIV−2配列異型の免疫反応性を、HIV−2
抗体を含む又は含まないマカークザル血清で、実施例3
の方法で、実施例2のように結合したペプチドを用いて
評価した。結果は図7に示す。これらの図の天然及び非
天然配列異型は両方とも、陽性サンプルと陰性サンプル
とを容易に分けることができ、2S24、2S25、2S27、5S8
5、5S86、及び5S92で最も好ましい性能が認められた。H
IV−2に感染した西アフリカの患者からの血清サンプル
を含めた多数の血清を試験することにより、これら天然
及び非天然ペプチドのなかで最良のものの評価が今後さ
らにおこなわれるかも知れない。
実施例12 HIV−2抗体に関する血清変換の検出感度 実験的に0週にSIVに感染させた7匹のマカークザル
から16週間にわたって集めた一連の血清を用いて、マカ
ークザルの血清変換の検出についてHIV−2ペプチドBSA
結合物2S24、(2S24+5S86)、及び5S92を評価した。結
果は下の3表に示す。
3表からわかるように、各々の結合物は血清変換を検
出した。最も感度の良いEIA試験は、C末端を介してBSA
に結合したペプチド2S24及び5S86の組み合わせを用いた
ものである。
実施例13 HIV−1ペプチド結合物のHIV−2血清に対する反応性及
びその逆(HIV−2ペプチド結合物のHIV−1血清に対す
る反応性) HIV−1gp41ペプチドに対応するペプチド4s36(VWGCSG
KLICTTAVPGC)及び5S76(IWGCSGKMICTTAVPGC)を実施例
2の方法によりそれらのC末端を介して結合させ、これ
を実施例3のEIA法に用い、HIV−1抗体陽性血清 30、
HIV−2/SIV抗体陽性血清 23、HIV−1抗体陰性血清 1
5、HIV−2/SIV抗体陰性血清 15を試験した。図13Aに示
されるように、結合ペプチド4S36及び5S76はHIV−1抗
体陽性サンプルのみを検出し、HIV−2抗体陽性サンプ
ル23すべてを検出しなかった。HIV−2/SIV天然ペプチド
に対応するペプチド2S24(DQARLNSWGCAFRQVC)及び5S86
(SWGCAFRQVCHTSVPGC)を、実施例2の方法によりそれ
らのC末端を介してBSAに結合させ、実施例3の方法に
よるEIA法に用い、上記の血清パネルを試験した。図13B
に示されるように、結合ペプチド2S24及び5S86はHIV−
2抗体陽性サンプル23すべてを検出し、HIV−1抗体陽
性サンプル30のうち4つは0.4以上のA492を与えた。検
出ペプチド4S36及び5S76をそれから結合ペプチド2S24及
び5S86と結合させ、EIAに用いて同じ血清パネルを試験
した。図13Cに示されるように、HIV−1プラスHIV−2
結合抗原プレートはHIV−1及びHIV−2抗体陽性をすべ
て検出した。HIV−1又はHIV−2抗体陰性血清すべては
3種類の抗原試験組み合わせすべてで陰性であった。
実施例14 p24合成ペプチドの血清プール及び個々の血清に対する
免疫反応性 図8は、SMCCを用いてC末端を介してBSAに結合し、H
IV−1抗体を含む人からの約50の血清のプール、又はHI
V−1抗体のない人からの約30の血清のプールと反応さ
せたときの、HIV−1p24の合成ペプチドの免疫反応性及
びAA配列を示す。図からわかるように、ペプチド5S93−
5S96を含むプールのみが明らかな免疫反応性を示し、そ
のプールのなかで特に、配列ALGPAATLEEMMTACGCをもつ
ペプチド5S94が免疫反応性ペプチドであることがわかっ
た。リンカーとしてSMCCを用いてそのC末端を介してBS
Aに結合したこのペプチドを、HIV−1抗体を含む98の個
々の血清に対し、またこれを含まない85の個々の血清に
対して試験した。陰性血清は1つも反応しなかった(0/
85、0%)、17の陽性血清(17/98、17%)が免疫反応
性であった。無症候性感染から臨床的疾患及びAIDSへと
進行する間に、ヒトにはp24に対する抗体が失われるこ
とが報告された[フランチニ(Franchini)ら、“血液
(Blood)"69巻、(2)、437−441ページ、1987、及び
ウエーバー(Weber)ら、ランセット(Lancet)1巻119
−122ページ、1987]、これは、被験血清ではこのペプ
チドに対する抗体の発生頻度が低いことを説明するもの
かも知れない。
実施例15 HIV抗体を検出する迅速試験 迅速試験を15分以内に行うための試験装置を図14及び
15のように作成した。図14及び図15に関して言えば、装
置は、複数のじょうご状のウェル(12)をもつ(各ウェ
ルは約200マイクロリッターの容積をもつ)プラスチッ
クスライド(10)と、直径約9mmの上方流入管へり(1
4)と、直径約2mmの底部流出管(16)から成る。流出管
(16)の下面は、装置内のこれに続いて配置されている
膜フィルター(18)と滑らかに均質に接触できるよう設
計されている。膜フィルターは、そこを通過する反応体
をその大きさによって分離し、あらかじめ定められた大
きさ以上−例えば0.22ミクロン以上−の粒子、又は0.45
ミクロン以上の粒子を保持する(選択した特殊フィルタ
ーによって)、但しその装置に置かれたその他のフィル
ターは、結合又は親和性によって分離することができる
(すなわちニトロセルロース、ガラス)。フィルター膜
の下には、ウェルに置かれた液体をすべて吸収する十分
の厚さ及び吸収容量をもった吸収パッド(20)がある。
これら3成分は、頂部プレート(22)と底部支持体(2
4)とから成るプラスチックホールダー(21)のなかに
すっぽり入れられる。その入れ物の2部分は摩擦によっ
てぴったり付き、スライド、フィルター膜及び吸収パッ
ドを試験実施のために適したように支持するのに役立
つ。
遊離ペプチド2S09(IWGCSGKLICTTAVPGC)及びリンカ
ーとしてSMCCを用いてC末端を介してBSAに結合した
(実施例2の方法による)ペプチド2S09をコロイド金
(粒度20ナノメーター、ヤンセン ライフ サイエンシ
ズ、ピスカタウエイ、ニュージャーシー、米国)と反応
させた。多大の努力にもかかわらず、遊離ペプチドはコ
ロイド金とでは使用できなかった。それは電解質のよう
に作用し、コロイド金を直ちに溶液から沈殿させた。数
種類の遊離ペプチドを粒度20のコロイド金に加えたが、
結果は同じであった。20nm金粒子は直ちに溶液から沈殿
し、この効果がペプチド特異的ではないことがわかっ
た。2S09ペプチド−BSA結合物の方はこれよりもずっとB
SA単独の場合のように振る舞い、下記のようにペプチド
−BSA−Au結合物を作ることができた:C末端及びSMCCを
介してBSAに結合させたペプチド IWGCSGKLICTTAVPGC
8ml量(A280=0.50)を一晩4℃で蒸留水2Lに対して透
析した。直径20mlのコロイド金ゾル(G20、ヤンセン
ライフ サイエンシズ)2ml量を、0.2N K2CO3及び0.2N
H3PO4を用いてpH 5.0,5.2、5.5、5.8、6.0、6.1、6.
4に調節した。凝集を防ぐために、ミクロタイター プ
レートにおいて各pHに調節した金ゾル溶液200マイクロ
リッター量であらかじめチェックした。透析したペプチ
ド結合物20マイクロリッターを撹拌しながら各pHに調節
した金ゾル溶液に加え(このとき色は変化しない)、2
分間放置する。2組のミクロタイター ウェルに同じ金
ゾル溶液を容易して対照とし、ペプチド−蛋白質結合物
の代わりに緩衝液を加えた。10%NaCl 50マイクロリッ
ターを各ウェルに加えた。ペプチド−BSAを含まないも
のは、金ゾルの凝集の結果、灰色になった。各ウェルの
A580を測定した。最低値(最良の保護を意味する)はpH
6.1>pH6.0≫その他のpHであった。pH6.1でより多量の
金ゾルを用いると、保護蛋白質の最小量は透析ペプチド
−BSA 70マイクロリッター(A280=0,45)であること
が確認された。pH6.1の透析ペプチド−BSAを150,000×
gで70分間超遠心機にかけ、凝集物を除去し、超遠心物
の上澄液で最小保護蛋白質研究を繰り返し同じ結果を得
た。G20金ゾル1mlあたりペプチド−BSAの85マイクロリ
ッター量を保護のために選び、超遠心上澄液15mlを烈し
く撹拌しながら2分間で金ゾル176mlに加え、その後0,2
NK2CO3でpHを9.0に調節し、pH9の10%BSAを加えてBSAの
最終濃度を1%とした。その後溶液を4℃で30分間 12
000×g(平均)で遠心分離した。上澄液を吸引して捨
てた;10%のものは捨てずに、ペレットを懸濁させるた
めに用いた。洗浄緩衝液トリス20mM、150mM NaCl,1%B
SA、0.05%NaN3、pH8.2を最初の量に加え、遠心分離を
繰り返した。上澄液除去、再懸濁、反復洗浄及び遠心を
2度繰り返した、pH9.0に調節した同じ洗浄緩衝液を用
いた。最終的再懸濁溶液のA520は6.68で、色は深紅色で
あった。上と全く同じプロトコールで、ただしHIVとは
無関係のペプチド及びマイコバクテリウム属蛋白質配列
を用いて対照ペプチド−BSA結合物を作った。
ペプチド−BSA−金結合物の免疫反応性を試験するた
めに、未希釈の結合物10マイクロリッターを、1%NRS,
1%BSA、50mM燐酸塩、100mMNaCl、pH7.4、0.05%NaN3
1:100に希釈したヒト血清 20マイクロリッターと混合
し、室温で5分間インキュベートした。1%加熱滅菌St
ap−hylococcus aureus Cowan株I 20マイクロリッタ
ーを各血清に加え、さらに5分間室温でインキュベート
した。0.22ミクロン サイズの膜フィルターを有する上
述の装置のウェル(12)に各サンプル45マイクロリッタ
ーを入れた。20はHIV−1抗体を含み、20はそれを含ま
ない全部で40の血清サンプルを試験した。各サンプルの
液がその膜を通過し、吸収パッドに入った後、陽性血清
サンプル20のうち19並びに陽性血清と共に用いたマイコ
バクテリウム属ペプチド−BSA−金結合物において赤紫
色の点が残った。この試験は、この装置及びペプチド−
BSA−コロイド金結合物を用いてHIV抗体を検出する迅速
試験が実行可能であることを示した。さらに、このよう
な結合物をつくるためには遊離ペプチドは適さないこと
もわかった。
実施例16 ラテックス粒子上に固定したペプチド−BSA−結合物を
用いる迅速HIV−1EIA試験 実施例15に記載された迅速EIA試験実施のための迅速
試験装置の有用性は下記のようにして証明された:非天
然ペプチド4S36(VWGCSGKLICTTAVPGC)及び5S70(IWGCS
GKQICTTAVPGC)を、遊離ペプチドとして及び実施例2に
記載の方法でシステイン結合−BSA結合物として、下記
のプロトコールによりカルボキシル化ラテックスに化学
的に結合させた。10%ラテックス 125マイクロリッタ
ー量を脱イオン水375マイクロリッター量に加え、等量
(0.5ml)の1Mカルボジイミド、pH4.5、と混合した。混
合物を室温で1時間おだやかに振とうした。それから90
00×gで10分間遠心分離し、上澄液を除去し、ペレット
を脱イオン水、pH4.5、に再懸濁するという方法で3回
洗った。遊離ペプチド1mg/ml濃度(4S36及び5S70の各ペ
プチド1mlあたり500マイクログラム)、又はペプチド4S
36及び5S70のペプチド−BSA結合物 500マイクログラム
/mlを最終的に洗浄した活性化ラテックスペレットに加
えた(最初のラテックス容量125マイクロリッターあた
りペプチド含有溶液1ml量)。ラテックス ペプチド混
合物を一晩4℃でおだやかに振とうした、それから9000
×gで10分間遠心分離し、上澄液を除去した。活性化ラ
テックスと合一する前と後に、遊離ペプチド溶液の及び
ペプチド−BSA結合物のA280を測定したところ、結合物
の60%、及び遊離ペプチドの45%がラテックスに結合し
ていることがわかった。ラテックスと付着した遊離ペプ
チド又は結合物のペレットを、0.03Mトリス、pH8.0,0.8
%NaCl,1%BSA及び0.05%NaN3から成る洗浄緩衝液と共
に遠心分離することにより各3回洗った。最終的に洗浄
したペレットは、NaN3濃度を0.1%に調節した同じ洗浄
緩衝液(ラテックス希釈緩衝液)を用いてラテックス濃
度0.625%になるように再懸濁させた。ペプチド−BSA結
合物をコーティングしたラテックスのこの保存溶液はラ
テックス希釈緩衝液で1:10〜1:30に希釈され、下記の迅
速EIA法に用い得ることが確認された。これに対して、
遊離ペプチドをコーティングしたラテックスの保存溶液
は、希釈しなくても、迅速EIAフォーマットにおいてHIV
抗体を含むサンプルと含まないサンプルとを区別するこ
とができなかった。迅速EIA法のために、血清標本を、
0.8%NaCl、0.05%NaN3、0.05%トライトンx−100を含
む0.03Mトリス、pH8、から成る血清希釈緩衝液で希釈し
た。アッセイのために、希釈血清1滴(20マイクロリッ
ター)を1:10希釈保存ラテックス1滴(20マイクロリッ
ター)に加え、混合し、試験管中で室温で1−2分間イ
ンキュベートした。この混合物1滴(20マイクロリッタ
ー)を、0.45ミクロン サイズの膜フィルターを備えた
実施例15の迅速試験装置に加えた。混合物はほとんど直
ぐに装置内に流入し、それに続いて洗浄液(血清希釈緩
衝液)各1滴(20マイクロリッター)、4mM MgCl2を加
えたラテックス希釈緩衝液で1:20に希釈したヤギ抗ヒト
免疫グロブリン(ガンマ鎖特異的、キャッペル−オルガ
ノン テクニカ、PA)に結合したアルカリホスファター
ゼから成るアルカリホスファターゼ結合物1滴、洗浄液
1滴、基質1滴を次々に加えた。基質は、NBT(ニトロ
ブルーテトラゾリウム、シグマ ケミカル社、セントル
イス、ミズリー、米国)及びBCIP(5−ブロモ−4−ク
ロロ−3−インドキシルホスフェート、シグマ)の各々
100マイクログラム/mlを含む100mMトリス緩衝液から成
っていた。陽性は、図14の26に見られるように、概して
2分以内に膜上に青紫色の沈殿をあらわした。陰性は、
図14の28に見られるように、最低5分間は青色を発現し
なかった。3−4分後に4N H2SO4l滴を落とすことによ
って反応を止め、その試験装置は陽性(青紫色)又は陰
性(白い膜)の永久的証拠として、その結果を記録する
まで取っておくことができる。全部で200のヒト血清
(そのうち98はHIV−1抗体を含み、102はそれを含んで
いなかった)をこの迅速EIAで試験した。HIVを含むもの
97が迅速EIAフォーマットで紫色を与え、それを含まな
いものは一つも紫色を与えなかった。これは、上記のプ
ロトコール及び試験装置を用いる迅速EIAを用いてHIV抗
体を15分以内に検出できることを証明した。さらに、非
天然ペプチド4S36及び5S70のペプチド−BSA結合物は迅
速EIAに適しているが、同じペプチドでもそのアミノ基
を介してラテックスに共有結合した遊離ペプチドとして
この試験に用いる場合はこれらのペプチドは許容できな
いことも明らかになった。ラテックスに受動的に吸着し
た遊離ペプチド4S36は免疫反応性試薬を生成した、しか
しその反応動態及び陽性陰性サンプル間の識別は、この
試薬ではペプチド−BSA結合物でつくったラテックス試
薬よりもよくなかった。
実施例17 HIV−2抗体を検出する迅速EIA試験 実施例16のカルボジイミド カップリング法を用い
て、ペプチド2S24、5S86、及び5S92の共有結合したペプ
チド−BSA結合物を含むラテックスをつくった。その他
に、2S25はカルボキシル化ラテックスに受動的に吸着さ
せた。共有結合及び受動的吸着の前及び後に行ったA280
測定で、ペプチド−BSA結合物300マイクログラムが及び
受動的吸着ペプチド2S25の230マイクログラムが10%ラ
テックス125マイクロリッターに結合することがわかっ
た。実施例16に示したように処理し使用した後、両試料
共、HIV−2抗体を含む血清サンプル(HIV−2+)とこ
れを含まない血清サンプル(HIV−2−)とを区別でき
ることがわかった。しかしながらシステイン結合 ペプ
チド−BSA結合物からつくられたラテックスでは、反応
動態はより速く、HIV−2抗体を含む血清サンプルと含
まない血清サンプルとの間のより良い識別が認められ
た。
実施例18 HIV−1抗体及び/又はHIV−2抗体の同時検出のための
迅速EIA 実施例16及び17の試薬及び試験装置反応条件を用い
た。HIV−1(4S36及び5S70、図4)及びHIV−2(2S2
4、5S86、5S92、図7)の両方をあらわすペプチド−BSA
ラテックス試薬の組み合わせを含めることによって、
同じ試薬でHIV−1又はHIV−2に対する抗体を検出する
ことが可能になった。HIV−1のみをあらわすラテック
ス試薬は迅速試験でHIV−2抗体を確認することができ
なかったし、その反対も言える。
実施例19 非結合ペプチドとの反応の阻止による、迅速EIA試験に
おいて認められた陽性結果の特異性の確認 4表は、10のHIV−1抗体陽性血清及び4つのHIV−2
抗体陽性血清を用いて、競合又は阻害非結合ペプチドの
存在する場合と存在しない場合で、HIV−1ラテックス
試薬、HIV−2ラテックス試薬、及びHIV−1プラスHIV
−2ラテックス試薬で試験したときに得られた結果を示
す。予想どうり、HIV−1ペプチドのペプチド−BSA結合
物を含むラテックス試薬はHIV−1抗体を検出し、HIV−
2抗体を検出しなかった、そしてHIV−2ペプチドのペ
プチド−BSA結合物を含むラテックス試薬はHIV−2抗体
を検出したが、HIV−1抗体を検出しなかった。それに
対して、両ラテックス試薬の組み合わせは両方の抗体を
検出した。ペプチド−BSA結合物に使用されたものと同
じHIV−1gp41の遊離ペプチドは抗体のHIV−1結合を阻
止したが、HIV−2ラテックス試薬を阻止しなかった、
この反対も言える。これは、検出された抗体がHIV経膜
的糖蛋白質に向けられることを確認し、さらにその抗体
がHIV−1、又はHIV−2に、又は両方に向けられるのか
どうかを明確にした。
実施例20 動物を免疫して抗ペプチド ポリクローナル又はモノク
ローナル抗体を生成せしめるためにHIV蛋白質のペプチ
ド−蛋白質結合物の使用 実施例2におけるように、ペプチドをKLHNI結合さ
せ、これを用いて最終ペプチド濃度500μg/mlになるよ
うにフロイント不完全アジュバントの乳濁液をつくる。
この乳濁液の50μg量をマウスにIP注射するか、100μ
g量を家兎に肩甲骨下にIM注射した。1カ月後、同じ用
量レベルでブースター免疫を再び行い、各動物の血清に
ついて、遊離ペプチドか、又はKLH結合物をつくるのに
用いたもの(MBS)とは異なるヘテロ二官能性リンカー
(SMCC)によってBSAに結合したペプチドを使用して、E
IA法によってペプチドに対する抗体反応をテストした。
多価血清が直接又はその後にブースター免疫を行った後
に使用され、または、モノクローナル抗体が所望の場合
はその後標準ハイブリドーマ法が行われる[ギリス(Gi
llis)&ブチャナン(Buchanan)、Infect Immu 49巻37
1 377ページ、1982]。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−224397(JP,A) 特開 平1−153700(JP,A) 特表 平2−500597(JP,A) 国際公開87/6005(WO,A1) Science Vol.237 (4820),p1346−1349(1987) J Virol Methods,V ol.22(2/3),p173−182 (1988) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/155,16/18,7/08 G01N 33/569 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体サンプル中のHIV−1またはHIV−2に
    対する抗体の存在または量を確定するための方法であっ
    て、以下の工程; (a)HIV−1のgp41蛋白質またはHIV−2のgp32蛋白質
    の抗原性ドメインに特有の免疫反応特異性を有する少な
    くとも1つの合成ペプチドを有する免疫特異的試薬と該
    液体サンプルとを接触させる工程であって、 該HIV−1のgp41蛋白質の抗原性ドメインに特有の免疫
    反応特異性を有する該合成ペプチドが、以下: および、そのマルチマーからなる群より選択され;およ
    び 該HIV−2のgp32蛋白質の抗原性ドメインに特有の免疫
    反応特異性を有する該合成ペプチドが、以下: および、そのマルチマーからなる群より選択され、 ここで、該合成ペプチドがそのC末端を介して担体蛋白
    質に結合されている工程; (b)該免疫特異的試薬と該液体サンプルとを反応さ
    せ、HIV−1またはHIV−2に対する抗体が該サンプル中
    に存在する場合、該少なくとも1つの合成ペプチドと該
    抗体との複合体を形成させる工程;および (c)該液体サンプル中のHIV−1またはHIV−2に対す
    る抗体の存在または量の指標として、該複合体の存在ま
    たは量を確定する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】前記免疫特異的試薬が固相に結合される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法であって、前記免疫
    特異的試薬が、4S36、5S76、AB14、2S04、2S09、ならび
    にそのマルチマーからなる群より選択される少なくとも
    1つの合成ペプチドを含む、方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法であって、前記免疫
    特異的試薬が、AB18、2S25、2S27、5S85、5S86、5S92、
    ならびにそのマルチマーからなる群より選択される少な
    くとも1つの合成ペプチドを含む、方法。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の方法であって、
    前記免疫特異的試薬が、少なくとも2つの合成ペプチド
    を含む、方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の方法であって、前記免疫
    特異的試薬が、(a)4S36、5S76、AB14、2S04、2S09、
    ならびにそのマルチマーからなる群より選択される少な
    くとも1つの合成ペプチド;および(b)AB18、2S25、
    2S27、5S85、5S86、5S92、ならびにそのマルチマーから
    なる群より選択される少なくとも1つの合成ペプチドを
    含む、方法。
  7. 【請求項7】HIV−1のgp41蛋白質またはHIV−2のgp32
    蛋白質に特有の免疫反応特異性を有する少なくとも1つ
    の合成ペプチドを含む免疫特異的試薬であって、 該HIV−1のgp41蛋白質に特有の免疫反応特異性を有す
    る該合成ペプチドが、以下: および、そのマルチマーからなる群より選択され;およ
    び 該HIV−2のgp32蛋白質に特有の免疫反応特異性を有す
    る該合成ペプチドが、以下: および、そのマルチマーからなる群より選択され、ここ
    で、該合成ペプチドがそのC末端を介して担体蛋白質に
    結合されている、免疫特異的試薬。
  8. 【請求項8】前記免疫特異的試薬が固相に結合される、
    請求項7に記載の免疫特異的試薬。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の免疫特異的試薬であっ
    て、4S36、5S76、AB14、2S04、2S09、ならびにそのマル
    チマーからなる群より選択される少なくとも1つの合成
    ペプチドを含む、免疫特異的試薬。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の免疫特異的試薬であっ
    て、AB18、2S25、2S27、5S85、5S86、5S92、ならびにそ
    のマルチマーからなる群より選択される少なくとも1つ
    の合成ペプチドを含む、免疫特異的試薬。
  11. 【請求項11】少なくとも2つの合成ペプチドを含む、
    請求項9または10に記載の免疫特異的試薬。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の免疫特異的試薬であっ
    て、(a)4S36、5S76、AB14、2S04、2S09、ならびにそ
    のマルチマーからなる群より選択される少なくとも1つ
    の合成ペプチド;および(b)AB18、2S25、2S27、5S8
    5、5S86、5S92、ならびにそのマルチマーからなる群よ
    り選択される少なくとも1つの合成ペプチドを含む、免
    疫特異的試薬。
  13. 【請求項13】HIV−1のgp41蛋白質またはHIV−2のgp
    32蛋白質に特有の免疫反応特異性を有する少なくとも1
    つの合成ペプチドを含む診断用キットであって、 該HIV−1のgp41蛋白質に特有の免疫反応特異性を有す
    る該合成ペプチドが、以下: および、そのマルチマーからなる群より選択され;およ
    び 該HIV−2のgp32蛋白質に特有の免疫反応特異性を有す
    る該合成ペプチドが、以下: および、そのマルチマーからなる群より選択され、 ここで、該合成ペプチドがそのC末端を介して担体蛋白
    質に結合されている、診断用キット。
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