JP2993955B2 - 水域浄化装置 - Google Patents

水域浄化装置

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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば河川など
の汚濁水を浄化して水質を改善し良好な環境を維持でき
るようにした浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】河川や湖沼等の汚濁水の処理及び浄化の
方法として、従来から浚渫,浄化用水の導入及び直接浄
化の方法が採用されている。この中で、直接浄化法の一
つである礫間接触酸化法が近来では河川水の浄化の分野
では主流である。この礫間接触酸化法は、濾材すなわち
接触材に流水を接触させることにより、汚濁物質を濾材
の表面に沈殿・吸着させるともに、濾材表面に付着棲息
する生物による酸化作用によって浄化するというもので
ある。このような礫間接触酸化法を用いた浄化装置とし
て、たとえば特開平8−318106号公報や特開平8
−1180号公報に記載されたものがある。
【0003】これらの公報に記載の浄化装置も含めて、
従来の礫間接触酸化法を適用した浄化装置は、複数の沈
殿槽や接触材による吸着槽に区分けした浄化槽に河川の
水を導入していき、段階的に異物や汚濁の成分を除去す
るというものである。そして、この接触材による吸着過
程において、濾材表面に付着棲息する各種の微生物や植
物による生物酸化を利用して、生物化学的に汚濁成分が
浄化される。
【0004】このような接触材を用いる浄化装置では、
汚濁成分の吸着・生物分解効率を上げるために、接触材
の接触面積を増やすことが有効である。このため、特開
平8−318106号公報にも示されているように、接
触材としてプラスチックを用いてハニカム状としたり、
その全体の嵩に対して比接触面積が大きくなるような形
状とした接触材が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来から利
用されている浄化施設は、礫を使った礫間浄化方式とし
たものが殆どであるが、礫は空隙率が35%程度と比較
的小さい。このため、所定の実滞留時間を確保して汚濁
成分の吸着及び生物化学的な分解を図るには、施設が大
型化することが避けられない。これに対し、近来では、
空隙率が高くて接触面積が大きな濾材を使用することに
よって、施設全体の小型化を目指すようになってきた。
【0006】しかしながら、接触材や濾材についてはそ
の最適なものが追求されてはいるものの、浄化装置の槽
の大型化は依然として解消されていない現状にある。こ
のため、旧来と変わらず、処理施設のための広大な敷地
が必要となり、都市河川の浄化のための設備とするには
かなり障害がある。また、接触材としては、簡単にしか
も低廉で製作できるプラスチックが多用されているが、
リンや窒素等の吸着は不十分であり、これを補うための
設備が必要になる。
【0007】このように従来の浄化装置では、接触材と
して使用する礫の空隙率が35%程度に過ぎないことか
ら接触面積を増やすためには槽が大型化してしまうほ
か、接触材についてもその最適化が進んでいないという
現状にある。
【0008】本発明において解決すべき課題は、浄化の
ための槽設備を小型化できしかも水中に含まれた汚濁成
分を効率的に除去できる浄化装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の浄化装置は、槽
本体に、複数に分割されてそれぞれ水が取水側から排出
側までの順に巡る接触酸化式の槽を備え、これらの槽の
少なくとも1つを、空隙率が約80%のフネガイ科の貝
の殻を自然落下により投入して充填した接触酸化槽とし
てなることを特徴とする。また、浄化対象の水域から取
水して水を浄化するとともに浄化後の水を前記水域に環
流する接触酸化方式の浄化装置とすることができる。
【0010】このような構成において、前記複数の槽の
うちの少なくとも1つを、高圧軽量コンクリートを粉砕
した塊を充填した接触酸化槽としてもよい。
【0011】また、前記フネガイ科の貝の殻を充填した
接触酸化槽に対して、その下流側に前記高圧軽量コンク
リートを充填した接触酸化槽を配置するとともに、上流
側にプラスチック素材の接触材を充填した接触酸化槽を
配置した構成とすることもできる。
【0012】この場合、前記プラスチック素材の接触材
を充填した接触酸化槽を少なくとも2つ設け、上流側の
接触酸化槽には複数の波板形状のエレメントを水の流れ
方向に展開する姿勢として互いに平行間隔をおいて配列
し、下流側の接触酸化槽には比表面積が大きなネット状
のブロック接触材を配置することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の浄化装置を水,空
気及び汚泥の給排系統とともに示す概略図である。
【0014】図において、浄化装置は沈砂槽1aと、第
1,第2,第3,第4及び第5の接触酸化槽1b,1
c,1d,1e,1fに区分けした槽本体1を備えたも
のである。そして、各槽1b〜1fのそれぞれには、底
部に溜まる沈殿物を空気流にのせて回収するためのエア
リフト管2a,2b,2c,2d,2e,2fが底部の
近くまで差し込まれている。これらのエアリフト管2a
〜2fは、槽本体1の上方に配管した汚泥排出管2に接
続されるとともに、外部に設けたコンプレッサ(図示せ
ず)等の空気供給原に接続したエア供給管3から分岐し
た給気管3a,3b,3c,3d,3e,3fが接続さ
れている。これらの給気管3a〜3fの接続位置は、エ
アリフト管2a〜2fの下端から少し離れた部分であ
り、空気がエアリフト管2a〜2f内を上昇する向きの
流れとなるように、給気管3a〜3fの先端に設けたノ
ズルをエアリフト管2a〜2fの中に差し込んで上向き
の姿勢として配置する。
【0015】更に、沈砂槽1aを除く各接触酸化槽1b
〜1fには、エア供給管3に接続した散気・逆洗管3b
−1,3c−1,3d−1,3e−1,3f−1を底部
側まで配管し、これらの散気・逆洗管3b−1〜3f−
1の流路端から空気を放出可能とする。すなわち、散気
・逆洗管3b−1〜3fは、浄化しようとする水が低濃
度であるときには水中の酸素消費が少ないため、最終段
の第5接触酸化槽1fの散気・逆洗管3f−1だけから
空気を供給し、水中の溶存酸素濃度を高めてから放出す
る。逆に、浄化しようとする水が高濃度のときには、全
ての散気・逆洗管3b−1〜3fから空気を供給し、有
機物やアンモニアの酸化に必要な酸素を供給する。更
に、各接触酸化槽1b〜1fの接触材には生物膜が付着
して次第に肥大化していくので、定期的に各散気・逆洗
管3b−1〜3f−1によって接触材を逆洗する。この
逆洗によって、成長肥大化している生物膜は強制的に剥
離させられ、この剥離分は汚泥として各槽の底部に溜ま
っていき、この溜まった分はエアリフト管2a〜2fに
よる吸引によって汚泥排出管2に回収される。
【0016】沈砂槽1aの外壁には処理する水を供給す
るための供給配管4aを連結し、第5接触酸化槽1fに
は処理済みの水を回収するための放出配管4bを取り付
ける。そして、各槽1a〜1fどうしの間には、それぞ
れを連通させて水を下流の槽に移すための移送管4c,
4d,4e,4f,4gを設ける。沈砂槽1aと第1接
触酸化槽1bとの間の移送管4cは水位よりも少し下側
で水平な姿勢とした短管であり、その他の移送管4d〜
4gはいずれもその流路終端を第2〜第5接触酸化槽1
c〜1fのそれぞれの底部近くまで伸ばしたほぼ逆L字
状の配管としたものである。
【0017】このような槽本体1の構造では、供給配管
4aから送り込まれた汚水は、沈砂槽1aから各移送管
4c〜4gによって第1〜第5接触酸化槽1b〜1fの
順に流れる。そして、エア供給管3から空気を供給する
と、各給気管3a〜3eを経由した空気がエアリフト管
2a〜2eの内部を上昇流となるように送り込まれ、こ
のときの空気流に吸引されるようにして各槽1a〜1f
の底部に沈殿した懸濁物質の沈殿物がエアリフト管2a
〜2eを流れて汚泥排出管2に回収される。なお、汚泥
排出管2は配管によって汚泥濃縮槽2gに接続され、回
収された汚泥はこの汚泥濃縮槽2gで処理されて処理設
備から搬出される。
【0018】ここで、沈砂槽1aでは汚濁物質の中で比
較的速く沈殿しやすい汚濁成分を沈殿させてエアリフト
管2aからこの沈殿物を吸引して回収する。そして、こ
の沈砂槽1aの中では、嵩が比較的大きな懸濁成分の殆
どを沈殿させて回収できるようにしておけば、下流の第
1〜第5接触酸化槽1b〜1fを濾材による接触を利用
した回収濾過に当てることができる。
【0019】第1接触酸化槽1bは他の槽よりも容量が
大きく内部にはトラップ用の隔壁1b−1を設けてい
る。この隔壁1b−1は槽の底部との間に隙間ができる
ように形成されたもので、流水はこの隙間部分を通り抜
けて下流側へ流れる。そして、この隔壁1b−1によっ
て区画された二つの部屋には、プラスチックを利用した
格子状の多層接触材5を配置する。
【0020】図2は多層接触材5の詳細を示す図であっ
て、同図の(a)は平面図、同図の(b)は組み立てた
ときの斜視図である。
【0021】多層接触材5は、全体に一様な大きさの凹
凸状の波形状の断面を持たせて表面積を大きくしたエレ
メント5aと、これらのエレメント5aを互いに平行間
隔を持たせて連結するステー5bとから構成されたもの
である。これらのエレメント5a及びステー5bはいず
れもプラスチックを素材とし、ステー5bによって開け
られた間隔が上下方向に一様に展開して流路を形成して
いる。
【0022】このような波形状のエレメント5aを持つ
ものでは、ステー5bによって間隔を開けて配列される
全体の空隙率を高くすることができ、水が通過するとき
の上向きまたは下向きの方向性を与えて整流することが
できる。そして、この整流効果によって、粒径の大きな
水中浮遊物の沈降が促される。
【0023】第2接触酸化槽1cの中には、プラスチッ
ク製の小さなネットブロック接触材6を多数充填する。
このネットブロック接触材6は、図3の(a)に示すよ
うに、円筒状のブロック6aの周壁に多数の孔6bを開
けたものである。これらの孔6bは同図の(b)に示す
展開図に示すように、菱形の格子状に形成された開口の
分布である。このように中空構造であって多数の孔6b
を開けることで、ネットブロック接触材6の比表面積を
大きくすることができる。そして、円筒の中空形状と比
表面積が大きいことから、槽内にランダムな姿勢で多数
を充填することで、多層接触材5では沈殿しにくいとさ
れている浮遊性の有機物や窒素及びリンを沈殿・吸着す
るのに貢献できる。また、ネットブロック接触材6の表
面にできる生物膜を利用して懸濁物質を生物学的に分解
してこれを沈降させることができる。
【0024】第3及び第4接触酸化槽1d,1eの中に
は、産業廃棄物として回収したフネガイ科の貝として赤
貝の殻をそのまま利用した貝殻接触層7を設ける。この
貝殻接触層7は、赤貝の殻だけを自然の状態のまま投入
して第3,第4接触酸化槽1d,1eの水位近くまでほ
ぼ一様な密度となるように充填したものである。この充
填に際しては、加圧等の操作は加えず多数の赤貝殻を自
然落下により投入することで、内部にできる空隙をラン
ダムにすることができる。なお、図4に赤貝殻Sの外観
図を示す。
【0025】まず、赤貝殻の空隙率は約80%程度であ
って市販されているプラスチック濾材の空隙率(86〜
91%)に近く、従来の礫を利用した浄化設備に比べる
とほぼ2倍の空隙率を持つ。したがって、水の浄化に必
要な実滞留時間を確保して懸濁成分の除去を促す場合で
も、必要とする容積は小さくて済み、第3及び第4接触
酸化槽1d,1eの容量を小型化することができ、この
点で大きな利点を生み出す。
【0026】また、赤貝殻は天然ものを未加工でそのま
ま使用するので、プラスチック濾材と比べると親水性が
高く、浄化に貢献する微生物が付着しやすくなり、その
棲息環境を直ぐに造り出すことができる。そして、赤貝
殻の表面には微小な凹凸があるので、微生物が付着する
表面積が広くなることによっても、微生物の付着が促さ
れる。したがって、生物酸化による汚濁物質の生物学的
な分解のための環境も不足なく作られることになり、浄
化機能を確実に高めることができるという点で有利とな
る。
【0027】更に、第3及び第4接触酸化槽1d,1e
に赤貝殻を投入することでその空隙はランダムとなり、
人工的かつ規則的なハニカム状のプラスチック濾材を用
いる場合に比べると、浮遊性物質の捕捉・捕集の効果を
上げることができる。これにより、水の浄化機能が更に
一層増し、水の透明度も改善される。そして、ランダム
な空隙を水が流れる過程においては、空隙には溶存酸素
が存在する好気部分と溶存酸素がない嫌気部分とがあ
る。このため好気状態では水中のアンモニア性窒素が硝
酸性窒素に変化(硝化)し、嫌気状態ではこの硝酸性窒
素が窒素ガスに変化する。これにより、有機物の酸化と
脱窒ができるという利点もある。
【0028】赤貝殻を用いた貝殻接触層7では以上のよ
うな効果がある。たとえば牡蠣殻を利用しようとして
も、接触材には適切ではない。すなわち、牡蠣殻は一般
にカルシウムの溶出速度が速いため、濾材としての目減
り量が大きく、頻繁に補充していく作業が必要になる。
これに対し、赤貝殻ではカルシウムの溶出速度が遅いた
め、目減り量が小さくて濾材として好適な形状が長期に
亘って維持される。また、牡蠣殻は偏平な形状であるた
め、目減りが進行していくと破損や割れを生じやすく、
このような破損や割れによって空隙を詰まらせ、水の流
れを阻害しやすい。一方、赤貝殻ではその厚さが十分で
あり、曲面状のシェル構造を持つので機械的強度は大き
く、その割れ等による空隙の詰まりの懸念がない。
【0029】なお、本実施形態においては、フネガイ科
の貝として赤貝を用いたが、代わりにサルボウ(藻貝)
を用いることもできる。サルボウは赤貝と同じくフネガ
イ科に属し、上述した赤貝と同じ特徴を有しているた
め、サルボウを用いることによっても同様の効果を得る
ことができる。赤貝はサルボウよりも大きく、主に刺身
用として食されているものである。一方、サルボウは赤
貝と類似した食感が得られるため赤貝の代替品として食
用に養殖され、有明海で採取されるサルボウの身は、一
般に赤貝の缶詰として市販されている。この赤貝の缶詰
の原料としてサルボウが用いられ、産業廃棄物として大
量に発生するサルボウの貝殻を再利用することで、環境
汚染の抑制にも寄与することができる。
【0030】図1に戻って、第5接触酸化槽1fには、
高圧軽量コンクリート接触層8(以下、「ALC接触層
8」と記す)を設ける、このALC接触層8は、建築物
の廃材として回収したALCを適切な大きさの塊にぶつ
切りしたものを多数個充填したものである。その充填の
形態は、自然のままの赤貝を利用した貝殻接触層7の場
合と同様に、ALCの塊を投入するだけなので、ランダ
ムな空隙が形成される。そして、ALCを用いると、A
LCの表面のカルシウム分と水中のりん酸イオンが結合
して難溶解性のヒドロキシアパタイトに結晶化するとい
う晶析作用により、水中に含まれたリンを除去すること
ができる。このリンの除去によって、閉鎖性水域での富
栄養化の防止が図られる。
【0031】以上の構成において、供給配管4aから汚
濁水が供給されると、沈砂槽1aから第1〜第5接触酸
化槽1b〜1fを順に巡って放出配管4bに向かう。こ
のとき、沈砂槽1aでは大きな嵩の浮遊物が沈殿してエ
アリフト管2aから汚泥排出管2へ回収される。
【0032】第1接触酸化槽1bでは、空隙率の高い多
層接触層5によって内部を上昇していく水が整流され、
粒径が比較的大きな浮遊物を沈降させる。そして、沈降
した浮遊物はエアリフト管2bから汚泥排出管2へ回収
される。
【0033】第2接触酸化槽1cでは比表面積が大きな
ネットブロック接触材6によって、浮遊性の有機物やリ
ン,窒素等の沈殿及び吸着が促され、ネットブロック接
触材6の表面に付着生育した微生物による生物学的な分
解がなされて浄化される。
【0034】第3及び第4接触酸化槽1d,1eでは貝
殻接触層7によって、先に述べたように浮遊性物質を捕
捉するとともに赤貝の表面に付着した微生物による生物
学的な分解が行われて、更に浄化が促進される。
【0035】更に、第5接触酸化槽1fでは、ALC接
触層8の晶析作用によってリンが除去されて浄化され
る。
【0036】ここで、貝殻接触層7に水が入り込む前に
多層接触材5とネットブロック接触材6による捕捉が行
われるので、水中の浮遊性物質の大きな成分が貝殻接触
層7に入り込む度合いは小さくなる。このため、赤貝の
殻を何らの操作もせずにただ投入するだけで空隙を持た
せるようにしていても、空隙の目詰まりを生じることは
ない。
【0037】図5は池等の閉鎖性水域の浄化に対応させ
る場合の設備例の概略を示す平面図である。
【0038】浄化装置の槽本体1は、池等の閉鎖性水域
20に浸漬させた取水ポンプ21からの配管を供給配管
4aに接続し、放出配管4bは循環配管22に接続して
この循環配管22から浄化処理後の水を閉鎖性水域20
に戻すように設置されている。閉鎖性水域20には磁気
水処理器23及び循環ポンプ24を設置している。
【0039】このような閉鎖性水域20に本発明の浄化
装置の槽本体1を設置することで、水中浮遊物の除去,
有機物や窒素及びリンの除去とともに、磁気水処理器2
3によるアオコの発生が防止される。なお、閉鎖性の水
域を対象とする水域浄化だけでなく、取水して浄化処理
した水を放流するような浄化装置として利用できること
は勿論である。
【0040】
【発明の効果】請求項1及び2の発明では、空隙率が約
80%のフネガイ科の貝の殻の自然落下投入により充填
した槽を接触酸化槽とするので、従来の礫を使用する場
合に比べると、槽容量が小さくなり、設備の大幅な縮小
が可能となる。また、天然のフネガイ科の貝殻をそのま
ま利用できるので、人工的な接触材を槽に組み込む場合
に比べると、コスト面でも改善されるだけでなく、貝殻
の表面に微生物が付着しやすいので生物酸化が促進さ
れ、浄化度が向上する。
【0041】請求項3の発明では、高圧軽量コンクリー
トの塊によって接触酸化槽を形成することで、特殊な媒
体を備えることなく、有害なリンを回収除去でき、水域
の環境改善が図られる。
【0042】請求項4の発明では、フネガイ科の貝の殻
による接触酸化の前にプラスチック素材の接触材による
水中浮遊物が除去されるので、フネガイ科の貝の殻をラ
ンダムに充填していても空隙の目詰まりを生じることが
なく、常に高い空隙率での接触酸化が維持される。
【0043】請求項5の発明では、波板形状のエレメン
トの間を水が抜けるときに整流されるので大きな浮遊物
の沈降が促進され、また比表面積が大きなネット状のブ
ロック接触材を備えることで微小な浮遊物の付着沈降も
促進されるので、後段の貝殻による接触酸化による浄化
効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の浄化装置の概要を示す縦断面図であ
る。
【図2】 多層接触材の詳細であって、(a)はステー
によってエレメントを連結したときの平面図、(b)は
斜視図である。
【図3】 ネットブロック接触材の詳細であって、
(a)は斜視図、(b)は展開図である。
【図4】 赤貝の一般的な形状を示す図であって、
(a)はその積層方向の嵩の大きさを示すための側面
図、(b)は全体の大きさ形状を示すための正面図であ
る。
【図5】 本発明の浄化装置を池等の閉鎖性水域の浄化
に適用した例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 槽本体 1a 沈砂槽 1b 第1接触酸化槽 1c 第2接触酸化槽 1d 第3接触酸化槽 1e 第4接触酸化槽 1f 第5接触酸化槽 2 汚泥排出管 2a,2b,2c,2d,2e,2f エアリフト管 3 エア供給管 3a,3b,3c,3d,3e,3f 給気管 4a 供給配管 4b 放出配管 4c,4d,4e,4f,4g 移送管 5 多層接触材 5a エレメント 5b ステー 6 ネットブロック接触材 6a ブロック 6b 孔 7 貝殻接触層 8 高圧軽量コンクリート接触層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−1180(JP,A) 特開 平8−318106(JP,A) 特開 平8−117776(JP,A) 特開 平5−131196(JP,A) 特開 平7−60282(JP,A) 特開 平6−23380(JP,A) 実開 昭58−183300(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/02 - 3/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 槽本体に、複数に分割されてそれぞれ水
    が取水側から排出側までの順に巡る接触酸化式の槽を備
    え、これらの槽の少なくとも1つを、空隙率が約80%
    フネガイ科の貝の殻を自然落下により投入して充填し
    た接触酸化槽としてなる水域浄化装置。
  2. 【請求項2】 浄化対象の水域から取水して水を浄化す
    るとともに浄化後の水を前記水域に還流する接触酸化方
    式の浄化装置であって、槽本体に、複数に分割されてそ
    れぞれ水が取水側から還流側までの順に巡る接触酸化式
    槽を備え、これらの槽の少なくとも1つを、空隙率が
    約80%のフネガイ科の貝の殻を自然落下により投入し
    充填した接触酸化槽としてなる水域浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の槽のうちの少なくとも1つ
    を、高圧軽量コンクリートを粉砕した塊を充填した接触
    酸化槽としてなる請求項1または2記載の水域浄化装
    置。
  4. 【請求項4】 前記フネガイ科の貝の殻を充填した接触
    酸化槽に対して、その下流側に前記高圧軽量コンクリー
    トを充填した接触酸化槽を配置するとともに、上流側に
    プラスチック素材の接触材を充填した接触酸化槽を配置
    してなる請求項1から3のいずれかに記載の水域浄化装
    置。
  5. 【請求項5】 前記プラスチック素材の接触材を充填し
    た接触酸化槽を少なくとも2つ設け、上流側の接触酸化
    槽には複数の波板形状のエレメントを水の流れ方向に展
    開する姿勢として互いに平行間隔をおいて配列し、下流
    側の接触酸化槽には比表面積が大きなネット状のブロッ
    ク接触材を配置してなる請求項4記載の水域浄化装置。
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