JP2993716B2 - 自律分散障害復旧方法 - Google Patents

自律分散障害復旧方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、網内に障害が発生した場合に、網内のノー
ド間でのメッセージのやりとりのみによって、自律分散
的に迂回ルートを探索する自律分散障害復旧方法に関す
る。
(従来の技術) 網内に障害が発生した場合にあっては、迅速な迂回ル
ートを設定するべく、障害に携わった網内の各ノードが
網を集中管理している集中制御ノードに対し、迂回ルー
トに関する指示を求めることなく、網内のノード間での
メッセージのやりとりのみによって自律分散的に迂回ル
ートを探索する自律分散障害復旧方法が採用されてい
る。ここで、集中制御ノードとは、網全体を一元的に管
理しているノードを意味しており、障害発生時には最適
な迂回ルートを設定して、各ノードにパス切替の指示を
与えるものである。
第2図(A)乃至(C)は、この自律分散障害復旧方
法の動作を説明する図である。例えば、網内のリンク10
に障害が発生したとすると、障害端のノード1,2のう
ち、例えば一方のノード1が“SENDER"、もう一方のノ
ード2が“CHOOSER"となり、以下に示す3段階フェーズ
(起動フェーズ、探フェーズ、確認フェーズ)により迂
回ルートを探索し、障害が復旧する。なお、障害端のノ
ードの内、どちらのノードを“SENDER"とするかについ
ては、例えば網内のノードに通し番号を付けておき、そ
の番号の小さい方のノードを“SENDER"とする方法が考
えられる。
起動フェーズ:“SENDER"が、迂回ルート探索のため
に必要となる復旧メッセージ5を隣接ノードに対して同
報する(第2図(A)参照)。
探索フェーズ:中間のノード3は、復旧メッセージを
受信した後に、そのメッセージを処理し、新たな復旧メ
ッセージ6を隣接のノードに対して同報する(第2図
(B)参照)。
確認フェーズ:“CHOOSER"は、複数の復旧メッセージ
を受信すると、それらの中から適切なルートを選択し、
そのルートに対して確認メッセージ7を返す(第2図
(C)参照)。
ここで、適切なルートを選択する方法としては、“SE
NDER"から送出された復旧メッセージが、“CHOOSER"に
一番早く到着したルートを選択する方法や、復旧メッセ
ージが“SENDER"から“CHOOSER"に到着するまでに中継
するリンクの数が最小であるルートを選択する方法など
が考えられる。
なお、第2図において、白色のノード(例えば、8)
は通常モード、網掛けのノード(例えば、3)は制御モ
ードを表す。ここで、制御モードとは、復旧メッセージ
を受信し、迂回ルートを探索するための制御状態となっ
ているノードのことであり、通常モードとは制御モード
となっていない通常の状態のノードのことである。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述した従来の自律分散障害復旧方法にあ
っては、次の如き解決すべき課題を有している。
まず、障害が発生すると、各ノードは迂回ルート探索
のために必要な復旧メッセージ隣接ノードに同報する。
したがって、同報された復旧メッセージは網全体に広が
っていき、迂回ルートと無関係のノードにまで影響を及
ぼすという問題点がある。従来の方式では、この復旧メ
ッセージの波及範囲を最大ホップ数を規定して制限する
ことで対処していたが、多重障害時に迂回ルートを奪い
合う可能性がある等の問題を考慮すると、できるだけ復
旧メッセージの波及範囲を押える必要がある。ここで、
ホップ数とは、復旧メッセージが中継するノードの数を
表し、復旧メッセージはノードを中継する度にホップ数
をカウントし、予め設定しておいたホップ数(最大ホッ
プ数)になると、それ以上復旧メッセージを同報しな
い。
次に、網内の各ノードは最初に復旧メッセージを受信
すると制御モードになり、確認メッセージを受信すると
通常モードに戻るが、迂回ルート上にないノードは、確
認メッセージを受信しないため制御モードの状態のまま
である。このため、従来の方式では、障害復旧後、新た
にリセットのために必要なリセットメッセージを迂回ル
ート探索の時と同様に網前提に同報しなければならない
といった問題点があった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、その目的とし
ては、復旧メッセージの波及範囲の制御を向上すると共
に、迂回ルート設定後におけるノードの通常状態への復
帰のための所要のメッセージの再転送を不要にした自律
分散障害復旧方法を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明は障害が発生した
リンクの両端の起点ノード間の迂回ルート探索のための
復旧メッセージを両起点ノードから隣接するノードを介
して波及させて行き、両起点ノードからの復旧メッセー
ジを受信したノードから返送されて来た他方の起点ノー
ドからの復旧メッセージを含んだ応答メッセージに基づ
いて一方の起点ノードが迂回ルートを設定して所定のメ
ッセージを当該迂回ルートを介して他方の起点ノードに
転送し、一方、迂回ルート外の復旧メッセージを受信し
たノードは受信した復旧メッセージに基づき所定時間経
過後に、通常状態に自動復帰することを要旨とする。
(作用) 本発明に係る自律分散障害復旧方法にあっては、障害
が発生したリンクの両端の起点ノード間の迂回ルート探
索のための復旧メッセージを両起点ノードから隣接する
ノードを介して波及させて行き、両起点ノードからの復
旧メッセージを受信したノードから返送されて来た他方
の起点ノードからの復旧メッセージを含んだ応答メッセ
ージに基づいて一方の起点ノードが迂回ルートを設定し
ており、障害端の両起点ノードから迂回ルートを探索す
ることで従来よりも復旧メッセージの波及範囲を押える
ことができる。
一方迂回ルートの設定終了後における迂回ルート外の
復旧メッセージを受信したノードについては受信した復
旧メッセージに基づき所定時間経過後に通常状態に自動
復帰することとして、従来のように多数のリセットメッ
セージを再転送する必要がない。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。第1
図(A)乃至(E)は、本発明の一実施例の動作の説明
図である。例えば、網内のリンク20に障害が発生する
と、障害端の両方のノード11,12が“SENDER"となり、以
下に示す5段階のフェーズ(起動フェーズ、探索フェー
ズ、応答フェーズ、確認フェーズ、リセットフェーズ)
により迂回ルートを探索し、障害が復旧する。
起動フェーズ:障害端の両方のノード11,12が、迂回
ルート探索のために必要となる復旧メッセージ15を隣接
ノードに対して同報する(第1図(A)参照)。
すなわち、網内のリンク20に障害が発生すると、両ノ
ード11,12共、アラーム情報によりリンク障害を認識す
る。そこで、障害端の両方のノード11,12が、同時に復
旧のために必要な復旧メッセージ15を隣接ノードに同報
するのである。探索フェーズ:復旧メッセージ15を受
信したノード(例えば、ノード13)は、復旧メッセージ
15を受信した後にそのメッセージを処理し、新たな復旧
メッセージ16を隣接のノードに対して同報する。次に、
この復旧メッセージ16を受信したノードは、同様の処理
を行うことにより隣接ノードに対して復旧メッセージを
同報する(第1図(B)参照)。
このように復旧メッセージを受信した網内の各ノード
は、上述の動作の障害端の両方のノード11,12からの復
旧メッセージが衝突するまで繰り返す。ここで、“衝
突”とは、網内のノードが障害端の一方のノードから同
報された復旧メッセージを受信した後にもう一方のノー
ドからも復旧メッセージを受信することをいう。しか
し、障害端の両方のノードから送出された復旧メッセー
ジが網内の途中のノードで同時刻に衝突する可能性は少
ないため、同一迂回ルート上において衝突の生じるノー
ドは2つ存在すると考えられる。このような2重衝突を
避けるため、障害端のノード11,12のうち予めどちらか
一方のノードを“主ノード”としておき、先に、“主ノ
ード”から転送された復旧メッセージを受信したノード
での衝突のみを実施例では“衝突”と考える。“主ノー
ド”とは、応答メッセージを受信した際に、“CHOOSER"
となって適切な迂回ルートを選択するノードのことを意
味する。
網内のノードで衝突の生じなかった復旧メッセージに
ついては、最大ホップ数を規定することにより中継した
ノードの数が最大ホップ数に達した時点でそれ以上復旧
メッセージを同報しない。
応答フェーズ:障害端の両方から送出された復旧メッ
セージは、途中のノード(例えばノード14)で衝突す
る。復旧メッセージの衝突したノード14では、お互いの
復旧メッセージの内容に、相手側のノードから転送され
てきた復旧メッセージの内容(例えば通過して来たリン
クに関する情報)を付加し、お互いの内容を統合したメ
ッセージを、応答メッセージとして、復旧メッセージの
発送元のノード11,12に対して、転送する(第1図
(C)参照)。
確認フェーズ:障害端のどちらか一方のノード(予め
決めておいた“主ノード”)が、“CHOOSER"となり、OC
HOOSER"は複数の応答メッセージを受信すると、それら
の中から適切なルートを選択し、そのルートに対して、
確認メッセージ18を返す(第1図(D)参照)。
:リセットフェーズ:上述の手順にしたがって迂回ル
ートは設定されるが、この時、迂回ルート上にあるノー
ドは、確認メッセージを受信すると同時に、制御モード
から通常モードにリセットされるが、迂回ルート上にな
いノード(例えばノード19)は、制御モードのままであ
る。従って、これらのノードを制御モードから通常モー
ドにリセットする。具体的には、制御モードのノード19
は、復旧目を受信後,その時刻から時間をカウントし予
め定めておいた時間を経過しても、確認メッセージが戻
ってこなければ、通常モードに戻る。あるいは1旧メッ
セージに含まれていた障害発生時刻から予め定めておい
た時間経過した時刻になっても、確認メッセージが戻っ
てこなければ、通常モードに戻る。
したがって、本実施例によれば、従来の方式と同様に
復旧メッセージの波及範囲を制限する方法として最大ホ
ップ数を規定するが、従来の方式と異なり障害端の両方
のノードから迂回ルートを探索するため、途中のノード
で復旧メッセージが衝突すれば、それ以降の復旧メッセ
ージの同報は不要となる。したがって、最大ホップ数を
従来の方式よりも少なく(理想的には1/2)に設定する
ことができ、このために復旧メッセージの波及範囲を押
えることができる。
また、各ノードが有する時刻情報を利用することによ
り、迂回ルート設定後に、網内に再び多数のメッセージ
(リセットメッセージ)を転送することなく、ノードの
状態を制御モードから通常モードにリセットすることが
できる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、障害が発生した
リンクの両端の起点ノード間の迂回ルート探索のための
復旧メッセージを両起点ノードから隣接するノードを介
して波及させて行き、両起点ノードからの復旧メッセー
ジを受信したノードから返送されて来た他方の起点ノー
ドからの復旧メッセージを含んだ応答メッセージに基づ
いて一方の起点ノードが迂回ルートを設定するようにし
たので、従来よりも復旧メッセージの波及範囲を押える
ことができる。
また、迂回ルートの設定終了後における迂回ルートの
復旧メッセージを受信したノードについては受信した復
旧メッセージに基づき所定時間経過後に通常状態に自動
復帰するようにしたので、従来のように迂回ルート設定
後におけるノードの通常状態への復帰のための所要のメ
ッセージを再転送する必要がない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図は従来例を
示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】障害が発生したリンクの両端の起点ノード
    間の迂回ルート探索のための復旧メッセージを両起点ノ
    ードから隣接するノードを介して波及させて行き、両起
    点ノードからの復旧メッセージを受信したノードから返
    送されて来た他方の起点ノードからの復旧メッセージを
    含んだ応答メッセージに基づいて一方の起点ノードが迂
    回ルートを設定して所定のメッセージを当該迂回ルート
    を介して他方の起点ノードに転送し、一方、迂回ルート
    外の復旧メッセージを受信したノードは受信した復旧メ
    ッセージに基づき所定時間経過後に通常状態に自動復帰
    することを特徴とする自動分散障害復旧方法。
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