JP2992739B2 - 化学めっき液の金属イオン回収装置および濾材 - Google Patents
化学めっき液の金属イオン回収装置および濾材Info
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
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Description
液中の有価成分を回収する回収装置および回収のために
用いる濾材に関する。
る、プリント配線板の製造プロセスを例に挙げれば、ス
ル−ホ−ル銅・導体パタ−ンの形成に化学銅めっき液を
用いている。化学銅めっき液は析出反応により、液中の
銅イオンを金属銅として析出すると、析出量に対比して
めっき液中の銅イオン・還元剤・pH調整剤が減少する
ため、減少量に応じて銅イオン・還元剤・pH調整剤を
補給して、化学銅めっき液の成分濃度を一定に維持し作
業を継続している。一般的に銅イオンの補給源としては
硫酸銅溶液を用いており、還元剤、pH調整剤としてそ
れぞれホルマリン、苛性ソ−ダ溶液を用いている。しか
し、化学銅めっきの欠点として、前記の析出反応により
化学銅めっき液中に硫酸ソ−ダ、ギ酸ソ−ダが生じ蓄積
する。また、エア−撹拌により大気中の炭酸ガスを吸収
するため炭酸ソ−ダが生じ蓄積する。これ等の塩が蓄積
して高濃度に至ると、析出する化学銅めっきの金属皮膜
は物性が劣る脆いめっき皮膜となる。また、析出するめ
っき皮膜にはコブ状の突起(ノジュ−ル)が発生しやす
くなる傾向にあり、めっきレジスト上への銅落ちと称す
る異常析出が発生しやすくなる。そのため、化学銅めっ
き液中の上記の塩の濃度を管理し、一定量に達すると廃
棄して新しい液に更新している。
としては、産業廃棄物処理業者に処理を委託したり、も
しくは、プリント配線板の製造業者自身が有する排水処
理施設において、金属分を凝集沈降し希釈放流している
が、この化学銅めっき液の成分は、金属イオン以外にも
大量のキレ−ト剤等が含まれているため、近年、環境汚
染の問題や廃液中の有価資源の回収・再利用という観点
から、化学銅めっき液の老化廃液中の有価資源である、
銅イオンは金属銅とし、また、キレ−ト剤は晶析分離し
て回収する等の再資源化、再利用化が積極的に行われる
ようになってきた。従来の化学めっき廃液中の金属イオ
ンの回収方法は、いくつか有るが一般的には以下の方法
で行われている。一つは東京鍍金材料協同組合発行の
『めっき技術ガイドブック』の19項、めっき排水に述
べられているように、電気分解法により陰極へ金属とし
て析出分離する方法でる。二つは財団法人工芸財団発行
の『製造科学研究所研究報告(1988年No.11
2)』に述べられているように、化学めっき液の老化廃
液を加温し、無機粉体を混入して金属イオンを粉体上に
金属として析出分離する方法である。
液中の金属イオンの回収は、一般的には前記したような
方法で行われている。しかし、従来の方法である電気分
解法は、化学めっき液の老化廃液中の金属イオンの濃度
が薄くなるに従い電気分解の効率が悪くなるため、回収
のための電気エネルギ−の効率も劣る結果となる。その
ため、電気分解用の設備規模が大きくなり、特殊な電極
を必要とする等の欠点が有り、また、化学めっき液の老
化廃液によっては金属イオン回収後、有価成分であるキ
レ−ト剤を回収しようとする場合、電気分解により化学
めっき液の老化廃液中のキレ−ト剤が電解酸化し、回収
後のキレ−ト剤に不純物を含むことになり、高純度を必
要とする化学めっきの薬品として再利用するには適さ無
いことになる。次に、無機粉体析出法は、短時間に金属
イオンを析出回収するには好適な方法であるが、析出し
た金属粉の分離に特別の設備を必要とし、また分解槽に
析出した金属の除去が困難で、分解槽に析出した場合に
は、人手により分解槽から析出した金属を剥離除去しな
ければならない問題がある。本発明の目的は、上記の課
題を解決することにあり、化学めっき液の老化廃液中の
金属イオンの回収において、金属イオンの回収を小規模
設備で効率良く行い、また、再利用するキレ−ト剤に不
純物を含ませてしまうことなく、容易に金属イオンを金
属として回収することにある。
め、本発明は、化学めっき液の老化廃液貯槽と、該老化
廃液貯槽に接続され該老化廃液貯槽内の老化廃液を移送
して該老化廃液貯槽に戻すよう循環移送するための送液
配管と、該送液配管の途中にそれぞれ介在接続された循
環ポンプおよび金属イオンを還元反応で析出させる触媒
となる金属を付着させた濾材を装填した濾過器とを具備
し、化学めっき液の老化廃液中の金属イオンを前記濾材
に還元析出させ回収するようにしている。また、化学め
っき液の金属イオン回収用濾材を、濾材に化学めっき液
の金属イオンを還元反応で析出させる触媒となる金属を
付着させたものとしている。
接触面積が非常に大きく、これに金属イオンを析出させ
る触媒となる金属を付着して、化学めっき液の老化廃液
を循環した場合、めっき液中に多数の被めっき物を投入
したのと同じ効果が得られ、短時間に金属イオンをめっ
き反応で析出させ回収・除去することができる。
する。化学銅めっきの析出反応で生じた塩の濃度が、管
理限界に達した化学銅めっき槽1の化学銅めっき液2
は、送液ポンプ3で送液配管4を経由して廃液貯槽5に
移送される。廃液貯槽5の化学銅めっき液2は、加温用
ヒ−タ6で所定の温度に昇温される。化学銅めっきの析
出反応に必要な十分な量の還元剤、pH調整剤を添加し
循環ポンプ7で送液配管8を経由し、金属イオンを析出
させる触媒となる金属を付着した濾材9を装填した濾過
器10を通過し廃液貯槽5に戻り、一定の時間循環濾過
を行う。この循環濾過により、化学銅めっき液中の銅イ
オンが、濾材9に金属銅として析出する。
化学銅めっき液量は、約2600lで廃液中の銅濃度は
2.5〜2.7g/lであり、加温用ヒ−タ6で65〜
75℃に昇温した。循環ポンプ7で1分間当り500〜
600lを濾過器10に送液した。濾材9は、あらかじ
め市販のパラジウム触媒溶液に2〜3分間浸漬したの
ち、2〜3分間流水中で水洗し、水洗中から取り出し3
〜4分間液きりを行った。そして、洗浄水を循環できる
濾過器に再度装填して、10〜15分間水洗したのち、
濾過器10に20本装填した。濾材9は市販の20イン
チのカ−トリッジタイプのフィルタ−を用いた。濾材9
のメッシュは10ミクロンメ−タを用いた。濾材9は本
来めっき液中のごみ、有機物を除去するものである。ま
た、濾材9は新品のものを用いてもよいが、めっき作業
で使用され、交換、廃棄処分するものを使用すれば十分
である。また、化学銅めっき液の銅イオン除去時、還元
剤はホルマリンを用いて濃度を循環開始時3〜4ml/
lにコントロ−ルした。pH調整剤は苛性ソ−ダ溶液を
用い循環開始時pHを12.5〜12.8にコントロ−
ルした。還元剤、pH調整剤とも循環開始後は補給を停
止した。化学銅めっき液2の循環は180分間行なっ
た。
て説明したが、他の金属めっき液である化学金めっき
液、化学ニッケルめっき液等にも適用できることは云う
までもない。また、金属の回収は濾材を回収することに
より、また、回収した濾材を処理することにより容易に
行なわれ、再利用するキレート剤に不純物が含まれるこ
ともない。また、本実施例では化学銅めっき槽1の付帯
機器関係の説明は省いてある。表1に実施例1による銅
イオンの除去結果を示す。
を用いて説明する。塩の濃度が管理限界に達した、化学
銅めっき作業終了直後の液を廃液するとき、化学銅めっ
き槽1の化学銅めっき液2は、冷却することなく直接送
液ポンプ3で、送液配管4を経由し、濾材11を装填し
た濾過器12を通過し、廃液貯槽13に移送される。化
学銅めっき液2に含まれる銅イオンは、濾材11に、金
属銅として析出する。この時、化学銅めっき液2に含ま
れる銅イオンを完全に除去することは困難なため、廃液
貯槽13に移送した化学銅めっき液2は、実施例1と同
様の処理を行い銅イオンを除去する。
学銅めっき槽1の化学銅めっき液2は、化学銅めっき作
業が終了した直後のため、液温は70〜72℃に保たれ
ており、銅濃度・ホルマリン濃度・pHは各々2.5〜
2.7g/l、2〜3ml/l、12.3〜12.5に
コントロ−ルされている。液量は、約2600lであ
る。濾過器12には、あらかじめ触媒処理した濾材11
を装填した。送液ポンプ3で廃液貯槽13に、化学銅め
っき液2を1分間当たり100〜150lを移送した。
移送終了後、廃液貯槽13の化学銅めっき液2を加温用
ヒ−タ14で65〜75℃に昇温し、循環ポンプ15で
1分間当り500〜600lの量を循環配管16を経由
し、あらかじめ触媒処理した濾材17を装填した濾過器
18に送液した。濾材11および濾材17は、あらかじ
め市販のパラジウム触媒溶液に2〜3分間浸漬したの
ち、2〜3分間流水中で水洗し、水洗中から取り出し3
〜4分間液きりを行った。そして、洗浄水を循環できる
濾過器に再度装填して、10〜15分間水洗したのち、
濾過器12および濾過器18に20本装填した。濾材1
1および濾材17は市販の20インチのカ−トリッジタ
イプのフィルタ−を用いた。濾材11および濾材17の
メッシュは10ミクロンメ−タを用いた。濾材11およ
び濾材17は本来めっき液中のごみ、有機物を除去する
ものである。また、濾材11および濾材17は新品のも
のを用いてもよいが、めっき作業で使用され、交換、廃
棄処分するものを使用すれば十分である。化学銅めっき
液2を化学銅めっき槽1から、廃液貯槽13に送液する
とき20分間要した。また、廃液貯槽13での循環は1
80分間行なった。
て説明したが、他の金属めっき液である化学金めっき
液、化学ニッケルめっき液等にも適用できることは云う
までもない。また、金属の回収は濾材を回収することに
より、また、回収した濾材を処理することにより容易に
行なわれ、再利用するキレート剤に不純物が含まれるこ
ともない。また、本実施例では化学銅めっき槽1の付帯
機器関係の説明は省いてある。表2に実施例2による銅
イオンの除去結果を示す。
液中の金属イオンの処理を、短時間に金属として除去で
き、金属の回収は濾材の交換作業で簡単にできる。ま
た、回収装置を非常に小規模で安価にすることができ
る。
の実施例1の構成を示す図である。
の実施例2の構成を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 化学めっき液の老化廃液を収容する老化
廃液貯槽と、前記老化廃液貯槽に接続され前記老化廃液
貯槽内の老化廃液を移送して前記老化廃液貯槽に戻すよ
う循環移送するための送液配管と、前記送液配管の途中
に介在接続された循環ポンプ及び金属イオンを還元反応
で析出させる触媒となる金属を付着させた濾材を装填し
た濾過器とを具備し、前記老化廃液中の金属イオンを前
記濾材に還元析出させ回収することを特徴とする化学め
っき液の金属イオン回収装置。 - 【請求項2】 濾材に化学めっき液の金属イオンを還元
反応で析出させる触媒となる金属を付着させたことを特
徴とする金属イオン回収用濾材。 - 【請求項3】 濾材に化学めっき液の金属イオンを還元
反応で析出させる触媒となるパラジウムを付着させたこ
とを特徴とする金属イオン回収用濾材。 - 【請求項4】 化学めっきに使用した化学めっき液を収
容する貯槽と、前記貯層に接続され、前記貯槽内の化学
めっき液を移送して前記貯層に戻すための送液配管と、
前記送液配管の途中に介在接続され、前記送液配管に前
記貯槽内の前記化学めっき液を移送する手段と、前記送
液配管の途中に介在接続され、金属イオンを還元反応で
析出させる触媒となる金属を付着させた濾材を装填した
濾過器とを具備し、前記化学めっき液に前記濾過器を通
過させて前記化学めっき液中の金属イオンを前記濾材に
還元析出させることを特徴とする化学めっき液の金属イ
オン回収装置。 - 【請求項5】 化学めっき液を収容する化学めっき槽
と、前記化学めっき槽に接続され、前記化学めっき液を
移送するための送液配管と、前記送液配管に接続され、
金属イオンを還元反応で析出させる触媒となる金属を付
着させた濾材を装填し、前記送液配管から移送されてき
た前記化学めっき液を通過させ前記化学めっき液中の金
属イオンを前記濾材に還元析出させる濾過器とを具備す
ることを特徴とする化学めっき液の金属イオン回収装
置。 - 【請求項6】 化学めっき液を収容し、化学めっき処理
に用いられる第一槽と、化学めっきに使用した化学めっ
き液を収容する第二槽と、前記第一槽と前記第二槽とに
接続され、前記第一槽内の化学めっき液を前記第二槽へ
移送するための第一の送液配管と、前記第二槽に接続さ
れ、前記第二槽内の化学めっき液を移送して前記第二層
に戻すための第二の送液配管と、前記第二の送液配管の
途中に介在接続され、金属イオンを還元反応で析出させ
る触媒となる金属を付着させた濾材を装填した濾過器と
を具備し、前記第二槽内の化学めっき液に前記濾過器を
通過させて化学めっき液中の金属イオンを前記濾材に還
元析出させることを特徴とする化学めっき液の金属イオ
ン回収装置。 - 【請求項7】 前記第一の送液配管の途中に介在接続さ
れ、金属イオンを還元反応で析出させる触媒となる金属
を付着させた濾材を装填した第二の濾過器を有し、前記
第一槽内の化学めっき液に前記第二の濾過器を通過さ
せ、化学めっき液中の金属イオンを前記濾材に還元析出
させることを特徴とする請求項6記載の化学めっき液の
金属イオン回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33339094A JP2992739B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 化学めっき液の金属イオン回収装置および濾材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33339094A JP2992739B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 化学めっき液の金属イオン回収装置および濾材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08170177A JPH08170177A (ja) | 1996-07-02 |
JP2992739B2 true JP2992739B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33339094A Expired - Fee Related JP2992739B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 化学めっき液の金属イオン回収装置および濾材 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2992739B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100802810B1 (ko) * | 2000-05-08 | 2008-02-12 | 동경 엘렉트론 주식회사 | 액 처리 장치, 액 처리 방법, 반도체 디바이스 제조 방법,반도체 디바이스 제조 장치 |
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1994
- 1994-12-15 JP JP33339094A patent/JP2992739B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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