JP2988906B2 - ケーブル延線作業用ケーブル案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ケーブル延線作業区域
に張架したメッセンジャーワイヤーに沿ってケーブルを
延線する際に用いる、ケーブル延線作業用ケーブル案内
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】メッセンジャーワイヤーに適宜の間隔を
存して金車を吊設し、該金車に備えたローラを利用して
ケーブルを案内させるようにした構造のものがあるが、
金車の吊設に、所謂宙乗り作業若しくは高所作業車を利
用せざるを得ない。

【０００３】このため、ケーブル延線作業区域の一側か
ら、メッセンジャーワイヤーに、螺旋状の線材より成る
案内材（案内ロッド）を吊架しつつ順次連結して他の一
側まで前記案内材を吊架した構造のものが実用化されつ
つある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ケーブル延線作業区域
の一側から他の一側へ案内材を連結しつつ送り出してケ
ーブル案内装置とするものは、宙乗り作業或いは高所作
業車を必要としない点で利点を備えたものであるが、案
内材をメッセンジャーワイヤーに沿って前進させなけれ
ばならないので、メッセンジャーワイヤーとの関係で摩
擦抵抗が生じ、相応の腕力（押圧力）を要するのみなら
ず、該抵抗が大きすぎて案内材を連結する連結材が損傷
して吊架作業そのものを断念せざるを得なくなり、宙乗
り作業等を必要とする場合もある。

【０００５】また、案内材に案内させてケーブルを移動
させる際、すなわち、ケーブル牽引作業時に、ケーブル
と案内材との間にやはり摩擦抵抗が生じケーブルが円滑
に移動せず、相応の牽引力（腕力）を要する欠点があ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】螺旋状の線材に多数のロ
ーラを回動自在に軸支させて構成した第一案内材に、螺
旋状の線材より成る第二案内材を連結手段で連結したこ
とを基本的手段とする。

【０００７】

【作用】第一案内材のローラが、案内材吊架作業時にメ
ッセンジャーワイヤーに接触して転動し、従って、連結
手段で連結した第一、第二の案内材は全体としてメッセ
ンジャーワイヤーに沿って円滑に移動する。

【０００８】また、ケーブル牽引作業時には、移動中の
ケーブルがローラに接したときローラは回動するためケ
ーブルの移動が円滑に行われる。

【０００９】

【実施例】図面は本発明に係る、ケーブル延線作業用ケ
ーブル案内装置の一実施例を示し、図１は一部を欠截し
て示した要部正面図、図２は略示正面図である。

【００１０】本発明のケーブル延線作業用ケーブル案内
装置は第一案内材１と該第一案内材１を適宜のものの間
に配した第二案内材２を連結材３で順次螺旋状に沿って
連結して電柱ｐ，ｐ´間（ケーブル延線作業区域に対
応）に張架したメッセンジャーワイヤーｍに吊架して構
成したものである。

【００１１】第一案内材１は、螺旋状の線材４の連結部
４ａ，４ａとして端部側を残した全域に多数のローラ
５，５…を回動自在に軸支させて構成したもので、線材
４は実施例では、前記メッセンジャーワイヤーｍに組付
ける（巻き付ける）際に必要な程度の弾性変形可能な鋼
線で構成し、ローラ５は合成樹脂素材で成る。

【００１２】なお、前記線材４の螺旋ピッチ幅は、ロー
ラ５を回り易くするために可能な限り狭くすることが望
ましい。

【００１３】図中、６は、線材４に止着した抜け止めリ
ングで、このリング６によりローラ５…は線材４からの
離脱を規制される。

【００１４】前記第二案内材２は、第一案内材１の前記
線材４の内径とほぼ同形な螺旋状の線材で構成し、弾性
変形可能な鋼線より成る芯材に合成樹脂膜を被覆して構
成したものである。

【００１５】連結材３は一対の挿着管部３ａ，３ａを長
手方向に沿って互いに止着した構成の合成樹脂体で構成
したものである。

【００１６】しかして、一方の電柱ｐ側から第二案内材
２をメッセンジャーワイヤーｍにその弾性変形を利用し
て巻き付け、連結材３で順次連結し、適宜、第二案内材
２に代えて第一案内材１を第二案内材２，２介在するよ
うにして連結材３で連結することにより、電柱ｐ，ｐ´
間に第二案内材２と、適宜の該第二案内材２，２間に配
した第一案内材１が連結材３で連結した構造のメッセン
ジャーワイヤーｍに吊架された実施例装置を得る。

【００１７】なお、第一案内材１の線材４と第二案内材
２のそれぞれの内径は互いにほぼ同一にしてあり、この
ため、線材４に組付けたローラ５の存する部分における
第一案内材１部の内径は第二案内材の内径より小さくな
る。第一案内材１側を第二案内材２側より小径にするこ
とにより、ローラ５部は第二案内材２より内側（半径）
方向に突出することになり、このため、ローラ５部は、
メッセンジャーワイヤーｍ又はケーブルＣに接触して回
動する。

【００１８】なお、ケーブル線路の曲路部に存する電柱
位置に第一案内材を配するようにすると、曲路部に沿う
ケーブルの移動を円滑に行わせることができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は前記の通りの構成であるから、
ケーブル延線作業区域の一側における作業により、一側
から他の一側に案内装置を形成させることができ、ま
た、ケーブルは第一案内材の存在によりその移動が円滑
に行われ、従って、ケーブル牽引作業を能率的に行うこ
とができる。

【００２０】総じて、メッセンジャーワイヤーに組付け
にくい第一案内材を可能な限り短かくして比較的組付け
易い第二案内材と組合わせることにより、組付け作業と
ケーブル牽引作業を円滑に行える装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を欠截して示した要部の正面図。

【図２】略示正面図。

【符号の説明】

１ 第一案内材 ２ 第二案内材 ３ 連結材 ４ 線材 ５ ローラ Ｃ ケーブル ｍ メッセンジャーワイヤー

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 螺旋状の線材に多数のローラを回動自在
   に軸支させて構成した第一案内材に、螺旋状の線材より
   成る第二案内材を連結材を介して螺旋状に沿って連結し
   た、ケーブル延線作業用ケーブル案内装置。
2. 【請求項２】 螺旋状の線材に多数のローラを回動自在
   に軸支させて第一案内材を、また、螺旋状の線材によっ
   て第二案内材をそれぞれ構成し、ケーブル延線作業区域
   に張架したメッセンジャーワイヤーに、前記第二案内材
   と適宜の該第二案内材間に配した前記第一案内材を連結
   材で順次螺旋状に沿って連結して吊架した、ケーブル延
   線作業用ケーブル案内装置。
3. 【請求項３】 第一案内材の内径を第二案内材の内径よ
   り小さくした、請求項２記載のケーブル延線作業用ケー
   ブル案内装置。
4. 【請求項４】 連結材を挿着管部を備えた合成樹脂体で
   構成した、請求項１乃至３のうちいずれか１項記載のケ
   ーブル延線作業用ケーブル案内装置。