JP2988622B2 - Ibdv抗原蛋白質 - Google Patents

Ibdv抗原蛋白質

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JP2988622B2 JP9017817A JP1781797A JP2988622B2 JP 2988622 B2 JP2988622 B2 JP 2988622B2 JP 9017817 A JP9017817 A JP 9017817A JP 1781797 A JP1781797 A JP 1781797A JP 2988622 B2 JP2988622 B2 JP 2988622B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝染性滑液包病ウ
ィルス(IBDV)ゲノムのクローニング及び特徴化、
IBDVの宿主保護性抗原のためのクローン化された遺
伝子の同定、E.コリ(E.coli)又は他の宿主細
胞におけるIBDVの宿主保護性抗原の全部又は一部を
コードするcDNA挿入体の発現及び鶏における、ウィ
ルス中和性抗体の産生における発現された抗体の使用に
関する。本発明は、さらに、発現された抗原を用いてI
BDVに対する有効なサブユニットワクチンの製造及び
診断試験、検定及び同様のものにおいて発現された抗原
の使用に関する。
【0002】
【本発明の説明】1つの特に好ましい観点においては、
本発明は、IBDVの“正しく”プロセスされた抗原の
製造における組換えDNA技法の使用のための方法に関
する。そのような“正しく”プロセスされた抗原の製造
は、たとえばこれらの抗原が中和性及び保護性抗体の製
造のためにワクチン成分として有効的に使用され得るこ
とを確保することにおいて特に重要なものである。オー
ストラリア株(002−73)のIBDVのポリペプチ
ドが最近、特徴づけられて来た。先の国際特許PCT/
AU84/00256明細書において、32Kd構造タン
パク質がIBDVの主免疫原であり、そしてインビトロ
でウィルスを中和し、そしてIBDV感染から鶏を保護
する抗体を鶏中に生成することが開示されている。
【0003】さらに研究は、IBDV株002−73の
ゲノムの特性及び分子クローニングを導びき、そしてこ
のゲノムは、それぞれおよそ3400b.p.(MW 2.
06×106 )及び2900b.p.(MW 1.76×1
6 )の長さである二重鎖(ds)RNAの2つのセグ
メントから成ることが示されている。インビトロでの翻
訳研究は、大RNAセグメントが3種の主構造タンパク
質をコードし、そして前に同定された32Kd宿主保護性
抗原を含むことを示す。長い二重鎖RNA分子のクロー
ニングのための新規方法が開発され、そしてIBDVの
完全なゲノムをクローン化するために使用されて来た。
クローン化されたcDNA挿入体に関与する分子ハイブ
リダイゼーション及び発現研究は、32Kd宿主保護性抗
原をコードするIBDVゲノムの領域の同定を可能にす
る。この抗原の全体又は一部をコードする、クローン化
された遺伝子は配列決定され、そしてE.コリ中に発現
される。さらに、発現されたポリペプチドの鶏における
免疫原性及びウィルス中和性抗体を産生するためのそれ
らの能力が試験されて来た。
【0004】これに関しての初期研究は、融合タンパク
質の形でIBDVの32Kd宿主保護性抗原の製造を導び
く。この試験結果は、その融合タンパク質がひじょうに
免疫原性であり、そして変性された32Kdタンパク質を
認識する抗体を産生することを示す。しかしながら、こ
れらの抗体は、弱いELISA及び弱いウィルス中和性
力価を有する。その融合タンパク質は、MAb 17−
80(変性された32Kdウィルスタンパク質を認識する
モノクローナル抗体)と強く反応するが、しかしウィル
ス中和性MAb 17−82とは弱く反応する。これら
の結果は、これらの遺伝的に構成された融合タンパク質
がウィルス中和性抗体及び保護性抗体の産生のために必
要な正しい立体構造を持たず、又は他のウィルスタンパ
ク質がエピトープを持たず又は完全なウィルスの中和に
関与されるエピトープの形成において重要でないことを
提案する。
【0005】さらに研究は、IBDVの感染を中和する
モノクローナル抗体(MAb 17−82)が、52Kd
前駆体タンパク質を遺伝子内にコードされたエピトープ
を認識することを示す。タンパク質はIBDVの41Kd
及び37Kd構造タンパク質にプロセスされる。MAb
17−82と反応する、52Kd領域から発現されたポリ
ペプチドは、32Kd構造タンパク質(MAb 17−8
0)に対して特異的なモノクローナル抗体によって認識
されるエピトープを含まない。
【0006】本発明の1つの観点によれば、IBDV
RNAのすべて又は一部と、特におよそ3400b.p.の
IBDV RNAセグメントと実質的に対応するヌクレ
オチド配列を含んで成る組換え体DNA分子を提供す
る。好ましくは、そのヌクレオチド配列は、IBDVの
少なくとも1つの構造タンパク質のすべて又は一部をコ
ードする。本発明の1つの特定の観点においては、DN
A分子は、IBDVの37Kd又は41/37Kd構造タン
パク質に実質的に対応する抗原性を示すポリペプチドと
して発現され得る。
【0007】本発明の観点の例示によって、ヌクレオチ
ド配列は、実質的に図10〜15に示されるような塩基
配列を有する少なくともその一部、又は前記塩基配列の
1又は複数の部分によって特徴づけられ得る。IBDV
ゲノムの大セグメントの完全なヌクレオチド配列及びそ
れに由来されたアミノ酸配列は、図10〜15に示され
る。
【0008】ウサギ網状赤血球及び小麦生殖細胞フリー
システムにおけるIBDV大セグメントのゲノムRNA
のインビトロでの翻訳は、IBDVゲノムの大セグメン
トの3′末端で1つの停止コドンのみが存在するが、ウ
ィルスタンパク質にサイズ的に等しい不連続ポリペプチ
ドの合成を導びいた。そのウサギ網状赤血球及び小麦生
殖細胞フリーシステムは、ウィルスのポリタンパク質の
プロセスを助けるプロテアーゼを含むことができ、そし
てIBDVゲノムによってコードされたポリペプチドの
1つは、特定のプロテアーゼであると思われる。さらに
これに関する研究は、上記の融合タンパク質の代わりに
正しくプロセスされたIBDVの32Kd又は41/37
Kdタンパク質の製造を可能にして来た。
【0009】従って、本発明の特に好ましい態様におい
ては、IBDVの32Kd構造タンパク質又は52Kd前駆
体タンパク質のすべて又は一部をコードするヌクレオチ
ド配列、及び前記32Kd又は41/37Kd構造タンパク
質を正しくプロセスするためにさらにポリペプチド又は
タンパク質をコードする3400b.p.セグメントのさら
に一部を含んで成る組換えDNA分子が提供される。こ
の分子の発現は、正しくプロセスされたタンパク質とし
て32Kd又は41/37Kd構造タンパク質の発現を導び
く。そのような分子は、32Kd構造タンパク質及び付加
のポリペプチド又はタンパク質の両者をコードすること
ができ、そして32Kd構造タンパク質を正しくプロセス
するのに必要なプロテアーゼを含むことができる。
【0010】本発明の観点のヌクレオチド配列は、天
然、合成又は半合成源から、又は天然の材料の操作によ
って得られることが認められるであろう;さらにこのヌ
クレオチド配列は天然に存在する配列であることがで
き、又はそれは、そのような配列を含有するDNA分子
がIBDVの1又は複数の構造タンパク質の抗原性を示
すポリペプチドとして発現され得るとすれば、突然変
異、たとえば単一又は複数の塩基の置換、欠失、挿入及
び逆位によって、そのような天然に存在する配列に関係
され得る。ヌクレオチド配列は、それに隣接して配置さ
れている発現制御配列、たとえばIBDVの核酸又は異
種源のいづれかに由来される制御配列を含むことができ
る。
【0011】本発明はまた、プロモーター配列及びイニ
シエター配列を含む発現制御配列、及びIBDVの少な
くとも1つの構造タンパク質のすべて又は一部をコード
するヌクレオチド配列を含んで成る組換え体DNA分子
を提供する。さらにもう1つの観点において、本発明
は、プロモーター配列及びイニシエター配列を有する発
現制御配列を含んで成る、IBDVの少なくとも1つの
構造タンパク質のすべて又は一部を発現することができ
る組換え体DNAクローニングビークル、及びIBDV
の少なくとも1つの構造タンパク質のすべて又は一部を
コードするヌクレオチド配列を提供する。さらに観点に
おいては、上記のような組換え体DNAクローニングビ
ークル及び/又は組換え体DNA分子を含む宿主が提供
される。
【0012】さらにもう1つの観点においては、上記の
ようにして組換え体DNAクローニングビークルにより
形質転換又は感染された宿主細胞によって産生され得
る、IBDV抗原性を示すポリペプチドが提供される。
そのように発現されたポリペプチドは、図10〜15に
実質的に示されるような塩基配列に由来するIBDVの
少なくとも1つの構造タンパク質のすべて又は一部、又
は前記配列の1又は複数の部分を含むことができる。そ
のようなポリペプチドは、宿主細胞から単離され、そし
て必要なら、宿主細胞又は他のタンパク質を実質的に含
まないポリペプチドを提供するために精製され得る。発
現されたポリペプチドが融合ポリペプチドの形で存在す
る場合、それらは“外来性”ペプチド部分を除去するた
めに切断され得る。
【0013】上記のような発現されたポリペプチドは、
図10〜15に示されたヌクレオチド配列の一部のパー
ミューテーション及び組合せによって構成され得る。本
発明はまた、IBDVの少なくとも1つの構造タンパク
質のすべて又は一部、特に32Kd及び/又は41/37
Kd構造タンパク質の抗原性を示す合成ペプチド又はポリ
ペプチドに及ぶ。
【0014】本明細書に使用される場合、用語“合成的
な”とは、ペプチド又はポリペプチドが、化学的及び/
又は生物学的手段、たとえば化学的合成によって、又は
生物学的合成を導びく組換えDNA技法によって製造さ
れることを意味する。もちろん、そのようなポリペプチ
ドは、正しくプロセスされ、そして折りたたまれたタン
パク質の、宿主細胞による直接的な発現によって、又は
当業界で良く知られた方法による、宿主細胞により産生
された融合ポリペプチドの切断及び宿主細胞又はクロー
ニングビークルのDNAによってコードされた付加ポリ
ペプチドから目的とするポリペプチドの分離によって得
られる。他方、いったんその目的とするポリペプチドの
アミノ酸配列がたとえばその目的とするポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列の決定によって確立されれ
ば、そのポリペプチドは、たとえば良く知られたMerrif
ieldの固相合成法〔Marglin and Merrifield, (1970)〕
によって合成的に製造され得る。
【0015】IBDVの構造タンパク質の抗原性特性を
示すポリペプチドは、血清学的診断、及び良く知られた
当業界のワクチン製造法による、IBDVに対する単価
又は多価ワクチンの製造に利用されるであろう。さら
に、そのようなワクチン及びその使用法並びに定量及び
定性分析が国際特許PCT/AU84/00256明細
書に詳しく開示されている。次の詳細な説明は、IBD
V株002−73のゲノムの特性及び分子クローニング
に関する。添付図面において、図1は、ウサギの網状赤
血球溶解物中に合成されたIBDV RNA翻訳生成物
の電気泳動、特に翻訳生成物のMW及びIBDV RN
Aセグメントのコード割当て(i)MW標準;(ii)画
分化されていないIBDV RNA;(iii )IBDV
RNAの大セグメント;(iv)IBDV RNAの小
セグメントを示す。
【0016】図2は、IBDVの完全な大RNAセグメ
ントを包含するクローン化された挿入体のマップであ
る。材料及び方法 材料及びそれらの源は、DNAポリマラーゼ1のクレノ
ウフラグメント、S1ヌクレアーゼ、DNアーゼ1及び
RNアーゼA(Boehringer);ウサギ網状赤血球溶解
物、〔α−32P〕ATP,〔γ−32P〕ATP、
35S〕メチオニン及びPstI(Amerisham );RN
アーゼ不含スクロース、DNAポリマラーゼ1及び小麦
生殖細胞溶解物(Bethesda Research Laboratories);
RNアーゼ不含プロナーゼ(Calbiochem);アガロース
及びリゾチーム(Sigma );低融点のアガロース及びS
DS(Bio-Rad )、ジエチルピロカルボネート及びアク
リジンオレンジ(Merck );ニトロセルロースフィルタ
ー及びNA45メンブランフィルター(Schleicher and
Schuell);逆転写酵素(RTアーゼ)(Life Science
s Incl, st, Petersburg, Fla.);ターミナルトランス
フェラーゼ(Ratliffe, LosAlamos, N.M.);RNアシ
ン(Promega Biotech, Madison, Wisc. )である。
【0017】ランドムプライマーを、Taylorなど., (19
76) によって記載された方法によって羊DNAから調製
した。UKウシのロタウィルス二重鎖RNAが、Dr.M.D
yall-Smithによって調製された。ウィルス:IBDV株
002−73は、オーストラアにおいて、Firth (1974)
によって市販の鶏群に最初に報告され、そしてCentral
Veterinary Laboratory, Weybridge, U.K でIBDVと
して確認された。そのウィルスは、4〜6週のSPF Whit
e Leghorn 鶏に日常、担持され、感染後3日で滑液包か
ら単離され、そしてスクロース及びCsClグラジェン
トに基づいて連続的分別によって精製された。
【0018】IBDV RNAの単離及び精製 新たに感染された滑液包のホモジネートを、0℃で15
分間、17,000gで回転せしめた。透きとおった上
清液を、2mlスクロースクッション(40%)の上層に
注ぎ、そしてそのウィルス粒子を、2℃で2.5時間、
22,000rpm でBeckman SW40ローター
でクッションを介してペレット化した。そのペレット
を、10mMのTris.(pH7.5)、10mMのNaC
l、10mMのEDTA、0.2%のSDS及び0.1%
のジエチルピロカルボネート中に懸濁し、そして37℃
で1時間、RNアーゼ不含プロナーゼ(1mg/ml)によ
り消化した。
【0019】その溶液を、フェノール及びクロロホルム
(1:1)により抽出し、そして水性相中のRNAを、
エタノールによる沈殿によって回収した。その二重鎖ウ
ィルスRNAを、示差塩沈殿法(differential salt pr
ecipitation)(Diaz-Ruiz andKaper, 1978)によって、
鶏の細胞性RNAから精製した。個々のRNA又はDN
Aセグメントを、NA45メンブランフィルター上で電
気泳動し、次に70℃で1MのNaCl及び0.05M
のアルギニンにより溶離することによってアガロースゲ
ルから単離した。他方、RNAバンドを、低融点のアガ
ローススラブゲルから切断し、そして0.5% SDS
を含む低塩緩衝液5モル中に溶融(70℃)した。その
溶液を、フェノールにより抽出し、そしてアガロース相
中のRNAを、エタノールにより沈殿せしめた。
【0020】ハイブリダイゼーション プローブ 温和なアルカリ消化に続いて、〔r−32P〕により、I
BDV RNAをラベルした(Goldbachなど.1978)。
cDNAプローブを、RTアーゼの存在下でcDNA合
成を開始するために、ランドムプライマーを用いて、変
性された二重鎖RNAから調製した。次に、RNA鋳型
を、NaOHによる消化によって破壊した。クローン化
されたDNAフラグメントのニック翻訳を、Rigby など
(1977)によって記載されているようにして本質的に行
なった。すべての放射能によりラベルされたプローブ
を、室温で2Mの酢酸アンモニウム及びイソプロパノー
ルからの沈殿(3x)により、反応しなかったアイソタ
イプから精製した。
【0021】インビトロでのIBDV RNAの翻訳 10mMのリン酸(pH6.8)3μl中IBDV RNA
(1〜2μg)を、2分間100℃で加熱し、そしてす
ぐに、ドライアイス/エタノール中で冷却した。次に、
40mMの水酸化メチル水銀1μlを添加し、そしてその
混合物を室温で10分間、放置した。700mMのβ−メ
ルカプトエタノール1μl及びRNアジン1μl(25
ユニット)を添加し、そしてその溶液を室温でさらに5
分間、インキュベートした。アリコート(1μl)を、
35S〕メチオニン(乾燥した)5μCi及びウサギ網状
赤血球溶解物30μlを含む管に移し、そしてその溶液
を30℃で1時間、インキュベートした。
【0022】その反応混合物を、引き続けて鶏の抗血
清、ウサギ抗−鶏IgG及びプロティンA−セファロー
ス(Pharmacia )と反応せしめた。そのプロティンA−
セファロース−抗原−抗体複合体を0.1% NP−4
0を含むリン酸緩衝溶液により広範囲にわたって洗浄
し、そして次に2% SDSを含む緩衝液中で煮沸し
た。そのプロティンA−セファロースを回転沈殿し、そ
して上清液中の翻訳されたタンパク質をポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(12.5%ゲル)によって分析し
た。次にそのゲルを、AMPLIFY(Amersham)と反
応せしめ、乾燥せしめ、そしてスクリーン(Dupont Cro
nex Lightening Plus AA)を強化することによりフジR
Xフィルムに露光した。
【0023】二重鎖RNAから二重鎖cDNAの合成 好ましくは5mMのリン酸緩衝液(pH6.8)9μl中I
BDV RNA 5μgを、2分間100℃で加熱し、
そして次にすぐに凍結せしめた。そのRNAが融解した
後、100mMの水酸化メチル水銀1μlを添加し、そし
てその混合物を室温で10分間放置した。次に、RNア
ジン2μl(50ユニット)及び700mMのβ−メルカ
プトエタノール4μlを添加し、そしてその混合物を室
温でさらに5分間放置した。
【0024】次に、煮沸及びすぐに冷却することによっ
て別々に変性されたランドムプライマー(50μg)
を、その混合物に添加し、cDNA合成を始めた。その
混合物(100μlの最終体積)は、RTアーゼ(50
ユニット)及びcDNA合成のために必要な他の反応体
を含んだ。42℃で2時間のインキュベーションの後、
RNA鋳型をNaOHによる消化によって破壊し、そし
てcDNAをゲル濾過によって精製した。相補的cDN
Aフラグメントを、90℃で3分間の初期加熱の後、6
5℃で2時間、0.3MのNaCl中でアニールした。
次に、その溶液を、1時間にわたって室温にしだいに冷
却した。そのアニールされたcDNAセグメントを、修
復し、そして鎖をDNAポリマラーゼ1により延長し
た。その二重鎖cDNA鎖を、さらにRTアーゼにより
延長し、DNAリガーゼ及びS1ヌクレアーゼにより処
理し、そして最後にゲル濾過によって精製した。
【0025】IBDV二重鎖cDNAのクローニング 二重鎖cDNAをターミナルトランスフェラーゼにより
C末端化し、G−末端化された、Pst−切断のpBR
322(New England Nuclear )にアニールし、そして
Escherichia coli RR1細胞中にク
ローン化した。その組換え体コロニィーを、IBDV
RNAセグメントから製造された放射性プローブと共に
ハイブリダイズし、そしてオートラジオグラフ処理し
た。Australian Recombinant DNA Monitoring Committe
e によって挙げられた生物学的汚染レベルを使用した。
【0026】プラスミドDNAの単離 プラスミドDNAを、Birnboim及びDoly(1979)によっ
て記載された方法のIsh-Horowicz及びBurke (1981)の
変法、及びさらに次の変法によって本質的に単離した。
RNアーゼ消化を、リゾチーム処理により同時に行な
い、そしてそのプラスミドDNAを、ポリエチレングリ
コールからの沈殿によるRNA分解生成物から精製した
(6.5% PEG、0.8MのNaCl、0℃、1時
間)。
【0027】コロニィーハイブリダイゼーション 組換え体コロニィーを、Grunstein 及びHogness (197
5)によって記載されたようにして放射性プローブと共
にハイブリダイズした。その溶液をプレハイブリダイゼ
ーションのために使用し、そしてハイブリダイゼーショ
ンは、5×Denhardt溶液、10mMのHEPES
(pH7.0)、0.1% SDS、3×SSC、10μ
g/mlのE.コリtRNA及び18μg/mlの、音波処
理され、そして変性されたニシンの精子DNAを含ん
だ。フィルターを、65℃で2時間、プレハイブリダイ
ズし、そして次に、65℃で16〜20時間、放射性プ
ローブと共にハイブリダイズした。そのフィルターを、
65℃で0.5×SSC、0.1% SDSにより4×
30分間、洗浄し、そして次に、フジRXフィルムを用
い、そしてスクリーンを強化することによりオートラジ
オグラフ処理した。
【0028】結果 1.RNAの単離及び精製。上記のRNA単離法は、簡
単且つ速く、そして良好な品質のRNAの高い収率をも
たらす。低速度回転の滑液包ホモジネート、次に40%
スクロースクッションを通してのウィルス粒子の沈降
は、実質的にすべての細胞性DNA及び90%以上の細
胞性RNAの除去をもたらした。プロナーゼによる消化
及びフェノール及びクロロホルムによる抽出の後、合計
RNAを、示差塩沈殿法(Diaz-Ruiz and Kaper, 1978
)によって分別した。細胞性単離RNAを、2MのL
iClから沈殿せしめ、そして上清液中ウィルスの二重
鎖RNAを、4MのLiClからの沈殿による低MW汚
染物及びいづれかの汚染性DNAからさらに精製した。
【0029】2.ウィルスゲノムの物理−化学的特性
オーストラリアン単離物IBDV002−73のRNA
が二重鎖であるかどうかを決定するために、単一鎖の細
胞性RNAから完全に精製されなかったウィルスRNA
を、非変性条件下で電気泳動し、アクリジンオレンジに
より染色し、そしてその核酸バンドをuvトランスイル
ミネーター上で目に見えるようにした。DNA標準、二
重鎖UKウシロタウィルスRNAセグメント及びゲルの
上層部中のIBDV RNAの2つのセグメントは、二
重鎖核酸を予期する明るい緑色バンドらしく(Lerman,
1963)、ところがゲルの低層部近くの単一鎖細胞性RN
Aは、明るい赤色のようであった(Blake and Reacock
e, 1986)。
【0030】さらに、28S及び18SのrRNAを完
全に破壊するRNアーゼA消化条件下で、IBDV R
NAの2つのセグメントは、非変性条件下で電気泳動さ
れる場合、そのまま残った。従って、IBDV株002
−73のゲノムは、菌株Cu−1(Mullerなど、1979)
及びCentral Veterinary Laboratories, Weybridge,U.
K.で単離された菌株(Todd and McNulty, 1979)につい
ての場合に示されているように二重鎖RNAの2つのセ
グメントから成る。
【0031】非変性条件下で電気泳動される場合、IB
DV RNAの2つのセグメントは、DNA標準と比較
して、それぞれ3825及び3400b.p.であると思わ
れる。これらの値は、2つのセグメントのために、それ
ぞれ2.52×106 及び2.2×106 のMWに対応
する。非変性条件下でUKウシロータウィルスの二重鎖
セグメントと比較する場合〔このセグメントのサイズは
電子顕微鏡によって得られた(Rixon など、1984)〕、
IBDV二重鎖RNAの2つのセグメントは、それぞれ
約3400b.p.(MW 2.06×106 )及び290
0b.p.(MW1.76×106 )であると思われる。
【0032】3.インビトロでのIBDV RNAの翻
。インビトロでのタンパク質合成のために、二重鎖R
NAを、広範囲にわたって変性すべきである。100℃
での加熱の後、すぐにドライアイス/エタノール中で冷
却することは、十分でなく、そして90%ジエチルスル
ホキシド中でそのRNAを加熱することは、矛盾の多い
結果を与えた。最良の結果は、その加熱変性されたRN
Aが10mMの水酸化メチル水銀中でさらに変性された場
合に得られた。これらの処置の後でさえ、TCA−沈殿
性材料中に導入された放射能の量は、ロータウィルスの
単鎖RNA又はグロビンmRNAの類似量を翻訳する場
合に得られた放射能の10〜20%のみであった。
【0033】翻訳生成物の免疫沈殿法は、合計のIBD
V RNAがおよそ90Kd,52Kd,41Kd,32Kd,
18Kd及び16KdのMWの6個のポリペプチド〔図1、
(ii)〕をコードすることを示す。ゲル電気泳動によっ
て精製された大RNAセグメントは、90−Kdポリペプ
チド〔図1、(iii )〕を除くすべての翻訳生成物を生
成する。ゲル電気泳動によって完全には精製され得なか
った小RNAセグメントがインビトロで翻訳される場
合、すべての微量翻訳生成物が見られるが、しかしその
90−Kdタンパク質は、最とも顕著なタンパク質である
〔図1、(iv)〕。この90−Kdタンパク質は、大RN
Aセグメントの翻訳生成物の間で、一貫して不在である
ので、90−Kdタンパク質を除くすべてのIBDVタン
パク質は、大RNAセグメントによってコードされてい
ると思われる。
【0034】4.IBDV二重鎖DNAの分子クローニ
ング。完全なIBDVゲノムを包含するcDNAの合成
において生じる問題を克服するためには、長い二重鎖分
子のクローニングのための他の方法が開発された。二重
鎖RNAが水酸化メチル水銀中で変性され、そしてラン
ドムプライマーが使用され、RTアーゼの存在下で同時
にRNAの両鎖上でcDNA合成が開始された。次に、
そのRNAを破壊し、そして相補的cDNA鎖を再アニ
ールした。DNAポリマラーゼ1を用いて修復し、そし
てcDNA鎖を延長し、次にこれを、さらにRTアーゼ
により延長した。次に、二重鎖cDNA分子を、DNA
リガーゼ、次にS1ヌクレアーゼにより処理した。その
二重鎖cDNA分子をC末端化し、そしてG−末端化さ
れたpBR322にアニールし、そしてE.コリRR1
細胞を形質転換するために使用した。
【0035】組換え体コロニィーを、IBDV RNA
の大又は小セグメントから製造された放射性プローブと
共にハイブリダイズし、そしておのおののプローブに対
して陽性の200コロニィーを、さらに特徴づけのため
にランダムに選択した。その陽性コロニィーを、アガロ
ースミニゲル上でコロニィー溶解物を電気泳動すること
によって、プラスミドサイズについてスクリーニングし
た。大セグメントプローブに対して陽性の少々のこれら
のコロニィーを、プラスミドDNA単離のために5ml
Lブイヨン中で増殖した。
【0036】そのプラスミドをPstIにより消化し、
そしてその挿入体のサイズを電気泳動によって決定し
た。定義されたサイズのこれらの挿入体は“ニック翻訳
され”、そして同一セットの陽性コロニィーをプローブ
するために別々に使用された。クローンD6(1100
b.p.)、L6(1900b.p.)及びM7(450b.p.)
からの挿入体は、根本的に3種の異なったセットのコロ
ニィーとハイブリダイズした。クローンG2(1600
b.p.)からの挿入体は、D6又はL6プローブのいづれ
かにより(但し両者によらない)前もってハイブリッド
されたコロニィーにハイブリダイズした。
【0037】同様に、N9挿入体(950b.p.)は、L
6又はM2のいづれかに対して(但し両者に対してでは
ない)陽性であるコロニィーによりハイブリダイズし
た。その挿入体のサイズ及び大RNAセグメントに対し
て陽性のコロニィーとクロス−ハイブリダイズする程度
及び能力から、完全な大RNAセグメントを包含するオ
ーバーラップcDNAフラグメントがクローン化された
ことを示すために試験的な地図を構成することが可能で
あり、そしてすべての陽性コロニィーの相対的位置を、
この地図上で決定することができた。
【0038】次の詳細な説明は、IBDVの宿主保護性
抗原のための遺伝子をコードするcDNAフラグメント
のE.コリ中における発現に関する。添付図面におい
て、図3は、IBDVの変性された32Kdタンパク質と
反応するモノクローナル抗体(MAb 17−80)に
対して陽性のタンパク質を発現するいくつかのE.コリ
コロニィーを示す。図4は、電気泳動にゆだねられ、そ
して(a)クーマシーブルーにより染色され、又は
(b)ウェスターンブロットされ、そしてMAb 17
−80と反応するE.コリコロニィーからのタンパク質
を示す。矢印1及び2は、それぞれ融合タンパク質及び
β−ガラクトシダーゼの位置を示す。サンプルは、
(i)HB101細胞、(ii)pUK290を含むHB
101、(iii )〜(viii)MAb17−80(図3)
との反応によって可能な陽性として同定されたいくつか
の組換え体クローンである。
【0039】図5は、(a)IBDVゲノムの大セグメ
ント上でのクローンD6からの挿入体の位置;(b)ク
ローンD6及びD1からの挿入体の制限地図を示す。
6は、融合タンパク質の発現のための最良条件の決定を
示す。細胞を、0.2のO.D.660 に増殖し、(i)
次に1.5mMのIPTGによる誘導により又は誘導なし
で次のように:(ii)1.5時間、(iii )1.5時間
+IPTG、(iv)3時間、(v)3時間+IPTG、
(vi)4時間、(vii )4時間+IPTGによりさらに
増殖せしめた。サンプルを電気泳動し、そしてクーマシ
ーブルーにより染色した。矢印は融合タンパク質の位置
を示す。
【0040】図7は、クローンD1からの融合タンパク
質のアフィニティ精製を示す。(i)合計E.コリのタ
ンパク質;カラムから溶離された(ii)〜(vii )画
分。図8は、クローンD1及びD6からのアフィニティ
精製されたタンパク質を示し、電気泳動され、そしてク
ーマシーブルーにより染色され(a)、抗−β−ガラク
トシダーゼと反応せしめられ(b)そして抗−32Kd−
モノクローナル抗体と反応せしめられた(c)。図9
は、フロイトアジュバント中においてクローンD1又は
D6からの融合タンパク質により注入された、感作され
ていない(10 )又は感作された(20 )鶏からの血清
のウェスターンブロット分析を示す。ワクチン投与の前
に得られた血清(0)、融合タンパク質の注入の後、3
週間(3)、又は融合タンパク質の第2注入の後、4週
間(7)。
【0041】材料及び方法 材料及びそれらの源は次のものである:DNアーゼ1、
リゾチーム、アガロース、BSA、イソプロピルβ−D
−チオ−ガラクトシド(1PTG)及び1−エチル−3
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(Sigm
a );ヤギ抗−マウスIgGホースラディシュペルオキ
シダーゼ接合体(GAM HRP )、ヤギ抗−ウサギIgGホ
ースラディシュペルオキシダーゼ接合体(GAM HRP )及
びHRP発色試薬(BioRad);α〔32P〕dATP、〔
125I〕プロティンA及びPstI(amersham);ニト
ロセルロースフィルター及びMA45メンブランフィル
ター(Schleicher and Schuell);CH−セファロース
4B(Pharmacia );DNAポリマラーゼ(Boehringe
r);ウサギ抗−マウスIgG〔Dako免疫グロブリン(D
enmark )〕。IBDVに対するモノクローナル抗体
は、下記のようにして製造され、そして特性化された。
【0042】IBDV株002−73は、前記のように
して増殖され、そして単離された。コロニィー及びサウ
ザーンブロットハイブリダイゼーション、プラスミドD
NAの単離、ハイブリダイゼーションブローブの製造、
アガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(Laemli)及びオートラジオグラフィーが前記のよ
うにして行なわれた。
【0043】組換え体コロニィーにおける発現したタン
パク質のイムノアッセイ:組換え体コロニィーを、30
μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上のニトロ
セルロースフィルター上で増殖した(37℃)。すべて
の次の段階は室温で行なわれた。そのニトロセルロース
フィルターを、1% SDSにより飽和されたWhatman
No.3ペーパー上にクロロホルム雰囲気下で30分〜1時
間、置いた。そのフィルターを、50mMのTris−H
Cl(pH7.5)、150mのNaCl(TBS)に
よりすすぎ、細胞破片を除去し、そして次に3% BS
A、5mのMgCl2 、1μg/mlのDnase及び
40μg/mlのリゾチームを含むTBS中で振盪しなが
ら1時間、インキュベートした。
【0044】この後、モノクローナル抗体からの上清液
中で1時間、インキュベートした。次に、そのフィルタ
ーを、TBS中で10分間、TBS−0.1% NP4
0中で10分間、そして最後にTBS中で10分間洗浄
した。時々、そのフィルターを、3% BSAを含むT
BS中で第2抗体(ウサギ抗−マウスIgG)と反応せ
しめ、そして前記のようにして洗浄した。初期実験にお
いて、目的とするタンパク質を発現する組換え体コロニ
ィーを、〔 125I〕プロティンAを用いることによって
同定した。抗体との反応の後、そのフィルターを、3%
BSAを含むTBS中で〔 125I〕プロティンAと共
にインキュベートした。
【0045】次に、そのフィルターを、5mのTri
s−HCl(pH7.5)、1のNaCl、5mのE
DTA、0.25%ゼラチン、0.4% SarKos
yl中で90分間洗浄し、そして前記のようにしてオー
トラジオグラフ処理した。後の実験において、モノクロ
ーナル抗体との反応及び洗浄の後、そのフィルターを、
ヤギ抗−マウスIgGホースラディシュペルオキシダー
ゼ接合体又はヤギ抗−ウサギIgGホースラディシュペ
ルオキシダーゼ接合体(第2抗体により増幅される場
合)と、3% BSAを含むTBS中で1時間、反応せ
しめた。次に、そのフィルターを、リン酸緩衝溶液中で
20分間、洗浄し、次にBioRadによって記載され
ているようにして、HRP発色試薬を用いて発色せしめ
た。
【0046】E.コリ細胞から単離された小量のタンパ
ク質のアッセイ:E.コリ培養物(Eppendorf
管中において0.8ml)を、アンピシリンを含むLブイ
ヨン中で1〜2時間増殖せしめ、必要ならIPTGによ
り誘発し、そしてその細胞を遠心分離によって集めた。
タンパク質がポリアクリルアミドゲル電気泳動によって
分析される場合、その細胞ペレットを60mのTri
s−HCl(pH7.5)、2% SDS、10%グリセ
ロール、5% β−メルカプトエタノール、0.001
%プロモフェノールブルーを含む負荷緩衝液中に直接的
に懸濁し、そして2分間煮沸した。50μlアリコート
を、2つのゲル上に2通り負荷した。1つのゲル上のタ
ンパク質をクーマシーブルーにより染色し、そして同じ
ゲル上のタンパク質をニトロセルロースフィルター上に
移した。
【0047】単離されたタンパク質の急速なイムノアッ
セイのためには、細胞ペレットを、40μg/mlのリゾ
チームを含むTBS緩衝液300μl中に懸濁し(0
℃、15分)、そして次に1% SDSを添加し、そし
てその溶液を室温で30分間放置した。他方、その細胞
ペレットを、TBS緩衝液300μl中に懸濁し、そし
て音波処理した。両方の場合において、細胞破片を遠心
分離によって除去し、そしてその上清液100μlを、
Schleider and Schuell Manifold装置を用いてニトロセ
ルロースフィルター上に吸取った。次に、そのフィルタ
ーを、前記のようにして組換え体コロニィーについてイ
ムノアッセイした。
【0048】ウェスターンブロット アクリルアミドゲル上で電気泳動されたタンパク質を、
Bio−Radによって記載された緩衝液及び方法を用
いて、Bio-Rad Transblot 装置によりNCフィルターに
移した。前記のようにしてフィルターをイムノアッセイ
することによって、対象のタンパク質を検出した。発現された融合タンパク質の精製 融合タンパク質を、アフィニティークロマトグラフィー
によって精製した(Ullmann, 1984 )。
【0049】融合タンパク質による鶏へのワクチン投与 アフィニティー精製された融合タンパク質、D1及びD
6の調製物を、同体積の完全フロイントアジュバント中
に乳濁し、そしてその1mlを、一連の成熟White Leghor
n 鶏に筋肉注射した。そのワクチンを、SPF鶏及び生
きているIBDVによる接種により前もって(>8週
間)感作された鶏の両者に注射した。不完全フロイント
アジュバント中に乳濁されたそれぞれの融合タンパク質
により、3週間後、その鶏に再ワクチン投与し、そして
週ごとに採血した。
【0050】結果及び検討 1.pURベクター中へのcDNA挿入体のサブクロー
ニング: IBDV RNAの大セグメントは、32Kd宿主保護性
抗原を含む3種の主要構造タンパク質をコードする。I
BDV RNAの大セグメントにハイブリダイズできる
cDNA挿入体を、PstIによる“混合”プラスミド
の消化によってcDNAライブラリィから回収し、そし
てその“混合”挿入体を、pUR発現ベクター290,
291及び292(Ruther and Muller-Hill, 1983)の
PstI部位中にサブクローンし、そしてこれらを用い
てE.コリHB101細胞を形質転換した。これらの3
種のベクターは共に、lacZ遺伝子の3′末端ですべ
ての3種のフレーム中に制限部位を含む。正しいクロー
ニング部位へのcDNAの挿入は、活性β−ガラクトシ
ダーゼと外来性cDNAによってコードされたペプチド
との融合タンパク質を導びく。
【0051】2.32Kdポリペプチド又はその一部を発
現するコロニィーの同定 IBDV RNAの大セグメントにハイブリダイズでき
るcDNA挿入体を含む組換え体コロニィーを、アンピ
シリン(30μg/ml)を含むLBプレート上のニトロ
セルロースフィルター上で増殖した。このコロニィー
を、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(I
PTG)により誘導し、そして次に1%SDSにより飽
和されたWhatman No.3ペーパー上にそのフィルターを置
くことによって、クロロホルム飽和雰囲気下で細胞溶解
した。
【0052】BSAによるブロッキングの後、そのフィ
ルターを、ウェスターンブロットに基づいて、32Kdポ
リペプチドを認識するモノクローナル抗体(MAbs
17−80)と反応せしめた。次に、そのフィルター
を、ウサギ抗−マウスIgG、次に〔 125I〕プロティ
ンAと反応せしめ、そしてオートラジオグラフ処理し
た。32Kd構造タンパク質に対して特異的なモノクロー
ナル抗体と反応するタンパク質を発現する多くの可能な
陽性クローンを、オートラジオグラフ上で見ることがで
きた(図3)。その方法は、後の実験のために変えられ
た。モノクローナル抗体とのインキュベーションの後、
そのフィルターを、ヤギ抗−マウスIgGホースラディ
シュペルオキシダーゼ(BioRad)と反応せしめ、そして
発色反応せしめた。
【0053】合計20の可能な陽性コロニィーを、さら
に特徴づけのために選択した。これらのコロニィーを、
LBプレート上に広げ、そして得られた10の個々のコ
ロニィーを、変性された32Kdタンパク質に対して特異
的なモノクローナル抗体により再プローブした。初めの
可能な陽性コロニィーのうち3コロニィーのみが、モノ
クローナル抗体と反応したポリペプチドを発現した。
【0054】3.発現されたタンパク質の特性 その発現されたタンパク質を、ポリアクリルアミドゲル
電気泳動及びウェスターン法によって特徴づけた。Lブ
イヨンのEppondorf管中で増殖された細胞を回
転沈殿し、そして2% SDS中で2分間煮沸し、そし
て2つの別々のゲル上に2通り負荷した。電気泳動の
後、1つのゲルをクーマシーブルーにより染色し、そし
て他のゲルからのタンパク質を、ニトロセルロースフィ
ルター上で電気ブロットし、そして32Kdポリペプチド
に対して特異的なモノクローナル抗体によりプローブし
た。
【0055】染色されたゲルの試験は、β−ガラクトシ
ダーゼよりも大きな顕著なポリペプチドバンドを示さな
いが(図4、a)、しかしその同じサンプルのウェスタ
ーンブロットは、β−ガラクトシダーゼよりも大きな、
ひじょうに目だったポリペプチドバンドを示した(図
4、b)。すべての陽性クローンから発現された融合タ
ンパク質は、同じサイズのものであるが、しかしいくつ
かのクローンは、発現されたタンパク質を他よりも一層
産生し、そしてこれはより速く増殖し、そして融合タン
パク質を一層発現するクローンの同定を可能にした。
【0056】32Kd宿主保護性抗原をコードするIBD
Vゲノムの領域の同定 PstIによる消化によって得られた、すべての陽性ク
ローンからのcDNA挿入体は、約450b.p.の同一の
サイズのものであった。これらの挿入体を、“ニック−
トランスレートし”、そしてIBDVゲノムの完全な大
セグメントを包含するオーバーラッピングフラグメント
網を含む一連のcDNAクローンとハイブリダイズし
た。あらゆる場合、発現性クローンからの挿入体は、I
BDV RNAの大セグメントの3′末端を補うクロー
ンD6(図5、aを参照のこと)及びIBDVゲノムの
同じ領域からの種々のサイズの挿入体を含む他のcDN
Aクローンと特異的にハイブリダイズした。
【0057】その発現性クローンからの挿入体は、同一
の制限地図を有し、そして同一のサイズのものであっ
た。従って、十分に増殖し、そして融合タンパク質を高
レベルに発現する1つのクローン、D1を、さらに研究
のために選択した。D1の挿入体は、ベクターpUR2
90に存在する。クローンD1(450b.p.)及びD6
(1100b.p.)からの挿入体の制限地図(図5、b)
の比較は、D1挿入体がD6挿入体の3′末端の方に位
置することを示す。配列決定の研究は(後で参照のこ
と)、D1挿入体の位置を確認し、そしてそれが開始コ
ドン及び終止コドンを欠き、そして約50%の32Kd宿
主保護性抗原を構成することを示す。他方、クローンD
6の挿入体は、完全な32Kdポリペプチドをコードする
のに十分に大きい。従って、クローンD6からの挿入体
を、pURベクター中にサブクローンし、そしてクロー
ンD1からの融合タンパク質よりも大きな融合タンパク
質を発現するクローンを得た。
【0058】十分に増殖し、そして高レベルに融合タン
パク質を発現する、pURベクター291中にD6挿入
体を含むクローンを、さらに研究のために選択した。ク
ローンD1(450b.p.挿入体)及びクローンD6(1
100b.p.挿入体)の両者は、融合タンパク質を産生
し、そしてここでβ−ガラクトシダーゼに融合されたC
−末端ポリペプチドは、32Kd宿主保護性抗原に対して
特異的なモノクローナル抗体と強く反応する。クローン
D1及びD6は、次に続くすべての研究のために使用し
た。
【0059】発現のための最適条件 融合されたタンパク質の発現のための最適条件は次の通
りであった(図6)。細胞を、アンピシリン(30μg
/ml)の存在下でLブイヨン中で0.2のO.D.66
0に増殖し、そして次に、1.5mの1PTGにより
4時間、誘導した。誘導の開始後、3時間で融合タンパ
ク質の有意な合成は存在せず、そして誘導の4時間後、
融合タンパク質の合成が劇的に上昇した。一層長い期間
又はより高い細胞濃度での誘導は、高い収率の融合タン
パク質をもたらさなかった。
【0060】融合タンパク質の精製 クローンD1及びD6からの融合タンパク質を、Ullman
n (1984)によって記載されているようにしてアフィニ
ティー精製した。pURベクターを発現のために使用す
る場合、融合タンパク質のβ−ガラクトシダーゼ成分は
酵素的に活性であり、そしてβ−ガラクトシダーゼのた
めの基質に結合するであろう〔Ullmann(1984)〕。
【0061】1.6MのNaClを含む緩衝液中、E.
コリ細胞溶解物を、p−アミノフェニル−β−D−チオ
ダラクトシドに結合されるCHセファロースを含むアフ
ィニティーカラムを含み、そして同じ緩衝液により平衡
化されたアフィニティーカラムに通した。それに融合さ
れるβ−ガラクトシダーゼ又はタンパク質のみが、これ
らの条件下でアフィニティーカラムに結合するであろ
う。その結合されたタンパク質を、100mの硼酸塩
(pH10)により量的に溶離した。クローンD1からの
融合タンパク質の精製を図7に示す。
【0062】高く精製された融合むた(D1及びD6)
及び遊離β−ガラクトシダーゼ(図8、a)を、約1〜
2mg/mlのひじょうに高い濃度で回収し、そして培養リ
ッター当り20mgまでのアフィニティー精製タンパク質
を得た。しかしながら、その融合タンパク質は、β−ガ
ラクトシダーゼに類似する又はそれよりも早い電気泳動
移動度を有する、実質的な量のポリペプチドの存在によ
って示されるように、タンパク質分解しやすかった。3
つのバンドが、クローンD6及びD1からのアフィニテ
ィー精製タンパク質に見られる。
【0063】そのバンドのすべては、抗−β−ガラクト
シダーゼIgGと反応し(図8、b)、ところがそれぞ
れD6及びD1からのバンド1a及び1bのみが、抗−
32Kdモノクローナルと反応する(図8、c)。しかし
ながら、それは、主に、実質的に分解されるC−末端の
IBDVタンパク質である。IBDV発現タンパク質の
この分解は、単離方法によって引き起こされるように思
われない。なぜならば、電気泳動の前、SDS中で直接
的に煮沸された細胞がまた、完全な融合タンパク質の他
に実質的な量の遊離β−ガラクトシダーゼを含むからで
ある。
【0064】32Kd宿主保護性抗原に対して特異的なモ
ノクローナル抗体と発現されたタンパク質との反応 IBDVの32Kd構造タンパク質を認識し、そして/又
はウィルスを中和する多くのモノクローナル抗体(MA
b)が産生された(後で参照のこと)。これらは2種の
クラスに分かれる。1つのクラスのMAb(たとえば、
17〜80)は、ウェスターン法に基づいて32Kdタン
パク質と反応するが、しかしウィルスを中和せず、とこ
ろが他のクラスのMAb(たとえば、17〜82)はウ
ィルスを中和するが、しかしウェスターン法に基づいて
32Kdタンパク質と有意に反応しない。これは、ウィル
ス中和性モノクローナル抗体がコンホーメーショナルエ
ピトープを認識することを示す。
【0065】SDS中で煮沸される場合、クローンD1
及びD6中に発現される融合タンパク質は、ウェスター
ン法に基づいて32Kd構造タンパク質を認識するモノク
ローナル抗体とひじょうに強く反応する。SDSにより
処理されない場合、発現された両融合タンパク質はま
た、ウィルスを中和するモノクローナル抗体と弱く但し
特異的に反応する。クローンD1中に発現されたIBD
Vポリペプチドは、150個のアミノ酸残基のみであ
り、そして32Kdタンパク質の約半分を構成するが、し
かしウェスターン法に基づく32Kdタンパク質に対して
特異的であるMAb(17〜80)によって認識される
エピトープ、及びウィルスを中和するMAb(17〜8
2)によって認識されるエピトープの少なくとも一部を
含むことは有意義である。
【0066】発現されたタンパク質の免疫性 クローンD1及びD6からの融合タンパク質を、材料及
び方法で記載したようにして、SPF鶏及び前もって生
きたIBDVにより感作された鶏の両者に注射した。両
鶏の群から得られた血清における抗体の特異性を、電気
泳動にかける前、SDS中で煮沸された全IBDV粒子
のウェスターンブロットによって分析した(図9)。
【0067】前もって感作された鶏は、融合タンパク質
によるワクチン投与の前、比較的低レベルでIBDVの
32Kd,37Kd及び42Kd構造ポリペプチドに対する抗
体を有した。クローンD6及びD1からの融合タンパク
質は、すべてのこれらの鶏において、特定の抗−32Kd
抗体反応を呼び戻したが、ところが他の構造タンパク質
への結合の強さは、変化されず残存した。感作されてい
ないSPF鶏においては、融合タンパク質は、いくつか
の鶏のみに抗体の合成を誘導した。しかしながら、抗体
が検出される場合、それらは、IBDVの32Kd構造ポ
リペプチドのためにウェスターン法によって特定され
た。従って、クローンD6及びD1中に発現された融合
タンパク質は、感作された及び感作されなかった両鶏に
おいて32Kdポリペプチドに対して特異的な抗体を誘導
する。
【0068】融合タンパク質により感作された鶏及びワ
クチン投与されたSPF鶏から得られた血清を、ELI
SA及びその生来のコンホーメーションにおいて感染防
御免疫原を認識するように設計されたマイクロ−ウィル
ス中和アッセイによって検定した。ELISAによって
検出できる抗体のレベルは、たとえそれらがウェスター
ンブロットされたウィルスタンパク質とひじょうに強く
反応したとしても、感作された鶏において前もって存在
するレベルよりも2〜4倍以上又はSPF鶏において
は、ベースラインレベル(<1:100)以上増大しな
かった。
【0069】ウィルス中和アッセイはまた、前もって感
作された鶏における抗体のレベルにおいて劇的な上昇を
示さないが、しかしクローンD1からのアフィニティー
精製されたタンパク質によりワクチン投与された1又は
2種のSPF鶏においては、1:320〜1:160の
力価を検出した。その抗体の力価は、クローンD1から
のタンパク質の第2回目の注射の後、3〜4週間でピー
クに成り、そして6週間以上の間、持続した。ウェスタ
ーン法による、D1タンパク質に対するこの鶏の多クロ
ーン性反応は、IBDVの32Kdポリペプチドに対して
特異的であった。
【0070】従って、融合タンパク質に対して産生され
た抗体は、ウェスターンブロットされた、IBDVの3
2Kd宿主保護性抗原とひじょうに特異的に且つ強く反応
するが、しかし比較的弱いELISA力価及び4匹の鶏
のうち1匹のみにおいて、ウィルス中和活性を有する。
さらに、発現されたタンパク質は、ウィルスを中和する
モノクローナル抗体とひじょうに弱く反応する。これら
の結果は、免疫原性ではあるが、β−ガラクトシダーゼ
に融合した、発現されたIBDVタンパク質が、ウィル
ス中和又は感染防御抗体の一貫した誘導のために必要な
正しいコンホーメーションを持たないことを強く示す。
正しいコンホーメーションを有する、非融合タンパク質
の発現は、たぶん、IBDVに対する、より効果的なサ
ブユニットワクチンを産生するために必要とされるであ
ろう。
【0071】このような関係においては、クローンD1
からの融合タンパク質により注射された1匹の鶏の血清
は、有意なウィルス中和活性を有したことがくり返され
るべきである。この場合、IBDVタンパク質は、β−
ガラクトシダーゼをタンパク質分解的に切断し、そして
ウィルス中和性抗体反応を誘導するために必要とされる
コンホーメーションを仮定し得る。次の実験において、
非融合タンパク質を産生するベクター中に32Kdタンパ
ク質のための遺伝子を発現することによって、非融合3
2Kdタンパク質を、産生された。
【0072】この非融合タンパク質は、変性された32
Kdタンパク質と殆んど反応するMAb 17〜80とよ
りも少ない程度ではあるが、ウィルス中和性MAb 1
7〜82と反応した。従って、正しい立体構造を有する
32Kd抗原を産生するための1つの手段は、2つのタン
パク質の接合点で、化学的又は酵素的切断によってアフ
ィニティー精製された融合タンパク質からIBDV抗原
を切断することである。この方法は、さらに再生段階を
必要とするが、非融合タンパク質と比べて、融合タンパ
ク質の発現のレベルはひじょうに高く、そしてその融合
タンパク質は、アフィニティークロマトグラフィーによ
って容易に精製され得る。次の詳細な説明は、IBDV
RNAの大セグメントのヌクレオチド配列及びIBD
Vの32Kd宿主保護性抗原をコードするcDNAクロー
ンのアミノ酸配列の決定に関する。添付図面において:
【0073】図10〜15は、IBDVの大RNAセグ
メントの配列分析を示す。予測されたアミノ酸配列は、
cDNAクローンに由来されたヌクレオチド配列の上に
単一の文字コードで表わされる。他の広範な読み取り枠
は存在しない。アミノ酸配列は、位置1として37Kdタ
ンパク質のN−末端から連続して番号をつけられてい
る。cDNAクローンM7,G6,L6,D6及びD1
によって包含される領域が示されている。
【0074】二塩基性残基は箱に囲まれ、そして反復ユ
ニットA−X−A−A−Sは同様に、強調されている。
トリプシンペプチドに由来されたN−末端配列は、37
Kdのために(−−−−>)として、28Kdのために(・
・・・>)として及び32Kdタンパク質のために(- -
- - >)として示されている。37Kdタンパク質のN−
末端のみが、完全なタンパク質に基づく直接的な配列決
定によって得られ、そしてこれは残基1から示されてい
る。
【0075】結果及び討論 ランダムヌクレオチド配列決定 IBDVの完全な大RNAセグメントを補うcDNA挿
入体(350〜2000b.p.)の混合集団を、選択され
たcDNAライブラリィのPstI消化の後、1%アガ
ロースゲルからDEAE−セルロース上に回収した。N
ACSカラム(Schleicher & Schull )上での精製の
後、両端から50よりも少ないヌクレオチドを消化する
ようにされた制御反応(2ユニット、20℃、10分)
において、Bal31エキソヌクレアーゼを用いてホモ
ポリマー性テールを、除去した。次に、そのフラグメン
トを、DNAポリマラーゼ(クレノウフラグメント)に
よりブラント末端化し、そしてSmaIにより制限され
たM13mp10ベクター中に連結し、次にE.コリJ
M101を形質転換した(Sangerなど., 1980 )。
【0076】単鎖の鋳型を、M13−特異性プライマー
を用いる感作合成法(Sangerなど.,1980 )によって、
但し、鋳型における二次構造の領域にわたっての転写忠
実度を改良する変法により配列決定した。これらは、逆
転写酵素及び最適比(1:30A;2:15C;1:1
5G;2:3T)のジデオキシヌクレオチド:デオキシ
ヌクレオチドを用いて、そして30℃又はそれよりも高
い温度で反応を行なうことにより、緩衝液からのNaC
lの除去を包含した。配列は、Dr.T.Kyne による修飾を
含む、Staden(1982)のプログラムを用いるVAX/U
MSコンピューターシステムを用いて、作られた。
【0077】指図された化学的配列決定 pBR322又はpUR発現ベクターのいづれかの特異
的cDNAフラグメントを、まず37℃で1時間、逆転
写酵素及びα−32P−dATP又はα−32P−dCTP
のいづれかによりラベルされた末端である制限部位を同
定した後、Maxam 及びGilbert (1977)の方法によって
配列決定した。この方法は、しばしば、一端のみで放射
性ラベルを有する分子を生成するために逆転写酵素段階
の後、第二制限消化を必要とした。
【0078】次に、そのフラグメントを、8%ポリアク
リルアミドゲルから電気溶離によって精製した。化学的
な分解の後、配列決定サンプルを、90%ホルムアミド
を含む、変性ポリアクリルアミドゲル(Sanger and Cou
lson, 1978)上に負荷した。これらの条件下で、50℃
以上の温度を保持する装置により25Wで20cm×40
cmのゲルを行なう場合、その二次構造が完全に破壊され
た。
【0079】IBDVの大RNAセグメントのヌクレオ
チド配列分析 cDNAライブラリィーは、平均長さ20〜30個のヌ
クレオチドのG/Cホモポリマーテールにより構成され
ているので、M13ベクター中へのPstIフラグメン
トの簡単なサブクローニングによって、直接的にこれら
のテールにわたる明確な配列を得ることはできなかっ
た。その代わりに、テールを除去し、そして次にSma
Iにより消化されたM13mp10中にブラント末端連
結によりIBDVゲノムのランドムcDNAフラグメン
トをサブクローンするために、Bal31エキソヌクレ
アーゼを用いる方法を採用した。
【0080】大RNAセグメントに由来した場合、その
cDNAフラグメントを、最初に、特定のプローブとの
コロニィーハイブリダイゼーションによって選択した。
ランダムヌクレオチド配列をすぐに選別し、そしてコン
ピュータープログラムの助けにより一致した配列中にオ
ーバーラップした。最終配列は2950b.p.を含み、そ
して60以上のオーバーラッピング配列から構成され
た。点突然変異又は転位は、ランダムにプライムされた
転写、次に再アニーリング及びポリマラーゼ延長により
元のライブラリィ構成体が著しくエラーを持たないこと
を確認するオーバーラッピング配列中には見つけられな
かった。
【0081】しかしながら、2つの問題がこのアプロー
チから現われた。第1に、サブクローニングが明確にラ
ンダムでない;いくつかの領域に何度も配列され、とこ
ろがヌクレオチド2250〜2600からの領域を含む
cDNAフラグメントはM13中にサブクローンされ得
なかった。第2に、Sangerなど.(1980)の鎖終結方法
によって得られたヌクレオチド配列の一般的性質が、転
写酵素反応における未成熟終結を引き起こす二次構造の
多領域により不十分であった。
【0082】この後者の問題は、標準のDNAポリマラ
ーゼ(クレノウフラグメント)よりもむしろ最適な条件
下での逆転写酵素の使用によって一部克服した。これら
の二次構造問題は、他の遺伝子が同時に配列決定される
ので(Hudsonなど., 1984 ;McIntyreなど., 1985 )、
この二重鎖RNAウィルスに関して特にひどいように思
われる。これらの問題を克服するために、二次構造及び
配列決定序列を決定するために、変性ホルムアミドゲル
の使用によってほとんど影響を受けない、Maxam and Gi
lbert (1977)の化学的分解技法に頼った。
【0083】興味深いことには、最ともひどい第二構造
問題を有する領域(ヌクレオチド2540〜2565)
が、M13中にサブクローンされ得なかったフラグメン
ト内に得られた。M13に対して致死的であるこの構造
の重要性は、さらに特徴づけられてはいない;それは3
2Kdタンパク質生成物のコード領域内に得られる。
【0084】32Kd宿主保護性免疫原をコードする遺伝
子の同定 2つの方法が平行して試みられた;トリプシンペプチド
のタンパク質配列決定は、精製された32Kdタンパク質
及び融合タンパク質として32Kd抗原のフラグメントを
発現するcDNAクローンのイムノブロットアッセイに
よる同定に由来した。発現研究のためには、ベクターが
最近、記載されている。ここでcDNAフラグメント
は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子の3′末端中に連結さ
れ得る(Ruther and Muller-Hill, 1983;Stanley and
Luzio, 1984 )。
【0085】これらの構成法によって産生された融合タ
ンパク質は、特に安定しているようであり、そして宿主
細胞タンパク質の30%までのハイブリッド−タンパク
質合成の要求を導びいた。適切な誘導可能プロモーター
に関しては、十分なタンパク質が、封入体として現われ
る非晶形細胞塊を形成するために産生される。cDNA
によってコードされる遺伝子のみを発現するようにされ
たプラスミドベクター(pUC,pCQV)は、そのよ
うな高レベルの発現タンパク質を産生するように思われ
ない。
【0086】これらの理由のために、まだホモポリマー
テールを含む、完全なIBDVゲノムを補うcDNAフ
ラグメントの混合集団を、ベクター、pUR290,p
UR291,pUR292のPstI部位中にサブクロ
ーンし、すべての3つの読み枠に翻訳を確保する。組換
え体コロニィーを、変性された32Kdタンパク質に対し
て生じさせられたモノクローナル抗血清を用いるイムノ
ブロットアッセイ(後を参照のこと)、次に 125I−プ
ロティンAを用いるオートラジオグラフィ又はペルオキ
シダーゼ接合の第二抗血清による目での検出のいづれか
によってスクリーンした。2つのコロニィーが抗−32
Kd抗血清によって認識されたエピトープを発現した;1
つは前に記載された1100b.p.フラグメントD6の直
接的サブクローンであり、そして他は、D6内に完全に
含まれる、短い450b.p.のcDNAフラグメントD1
であった(図10〜15)。
【0087】pURベクターにおいてEcoRI部位か
らホモポリマーテールにわたって配列決定する、指図さ
れたヌクレオチドは、クローニングベクター(D1のた
めにはpUR290;D6のためにはpUR291)及
び組換え体生成物の翻訳相の両者を容易に同定した。D
6及びD1の完全なヌクレオチド配列を、適切な末端を
ラベルされたフラグメント上にMaxam 及びGilbert 技法
によって得た。この配列は、ランダム配列決定アプロー
チによって生成されたコンセンサスをオーバラップし、
従って、M13中にサブクローンされ得なかった領域を
補足し、そして図10〜15に示されている3129b.
p.ゲノムを完結した。
【0088】D6領域の例外に関して、ゲノム配列の残
余を、多数の独立cDNAクローンから集めた。このラ
ンダムアプローチは、cDNAライブラリィーの元の構
成が著しくエラーを持たないことを示したが、D6中に
二次構造を有する領域が間違って転写されたことに関心
が持たれた。この点を克服するために、それぞれ125
0〜2750及び2210〜3150の残基を補う、さ
らに2種のクローン(G2及びN1)を、直接的化学方
法によって完全に配列決定した。D6とIBDVゲノム
の転写が正しかったことを示すこれらのクローンとの間
に不明瞭さは見出されなかった。
【0089】cDNAクローンの間に観察された相違の
みが、ホモポリマーテールに隣接する最後の10個のヌ
クレオチドに常に存在した。これらの配列が、DNAポ
リマラーゼフィル−イン反応(Hudsonなど., 1984 )に
よって発生される潜在的エラーを含むことが知られてい
て、そして従って、コンセンサスに含まれなかった。ラ
ンダム配列決定アプローチに影響を及ぼす二次構造によ
る潜在的な不明瞭さの領域を、一緒になって図10〜1
5に示されている全配列にわたるM7,A3,L6,G
2又はD6のcDNA挿入体内の適切な制限部位から直
接的な化学的配列決定によって解決した。コンセンサス
の5′及び3′末端配列を、それぞれM7及びD6の末
端によって定義する。
【0090】32Kd抗原の構造 図10〜15上の矢印は、ホモポリマーテールに隣接す
る初期残基が含まれていないことを示す、D6及びD1
のpURサブクローン中の翻訳相を示す。残基3065
での終止コドンは明確であるが、32K抗原のN−末端
残基は明確でない。関連したIPNV又はDrosph
ila Xウィルスを包含する場合、そのタンパク質が
ポリシストロニックRNA鋳型から生成されるなら、サ
イズ見積と一致する、29Kdの生成物を与えるMET2
287での開始を予期できるであろう。しかしながら、
32Kdタンパク質が前駆体のプロセシングによって生成
されるなら、C−末端が完全であることを仮定して、M
ET残基の前のどこかでタンパク質分解による切断を予
期できるであろう。
【0091】トリプシンフラグメントのペプチド配列決
定は、D6及びD1発現ベクターから予測されるリーデ
ィング相及び32Kdタンパク質が残基2372〜300
8を補足することの両者を確認した。現在までに配列決
定されたすべての9個のペプチドは、領域3′〜MET
2287に位置する。しかしながら、完全な32Kd抗原
は、タンパク質分解の後、N−末端残基としてGln2
274をたぶん示す、ブロックされたN−末端を有す
る。
【0092】IBDVゲノムの大セグメントの完全なヌ
クレオチド配列に由来するアミノ酸配列を、図10〜1
5に示す。精製されたウィルスタンパク質の一部のペプ
チド配列決定は、これらの配列を確認し、そしてゲノム
の大セグメント上にウィルスタンパク質のコード領域の
位置決定を可能にした。ゲノムRNAの3′末端で、た
った1つの翻訳終結コドンが存在し、そしてその安全な
ゲノムは、単一のポリタンパク質として発現され、ここ
でウィルスタンパク質は、次の順序:N−41/37Kd
−28Kd−32Kd−Cで配列されているらしい。
【0093】ウィルスタンパク質に対するこの大きな前
駆体の正確なプロセシングメカニズムはまだ定義されて
いない。真核性前駆体タンパク質のためにたびたび目標
である二塩基性残基は、残基451〜452及び721
〜722で便利に位置し、そしてこれらの部位での切断
は、予測される28.2Kdタンパク質を切り出すであろ
う。その切断部位は、37Kdタンパク質が少なくとも塩
基残基32〜1316にわたり、28Kdタンパク質が少
なくとも塩基残基1160〜1870にわたり、そして
32Kdタンパク質が少なくとも塩基残基2310〜30
30にわたることを確認するペプチド配列決定データと
一致する。
【0094】37Kdタンパク質をコードする領域はま
た、37Kdタンパク質よりもより大きな52Kd及び41
Kd前駆体をコードすると思われる。他方の切断部位は、
残基483〜503の間で3回くり返えされ、そしてま
た残基752〜756で現われるペプチド配列、A−X
−A−A−Sであることができる。次の詳細な説明は、
IBDVに対するモノクローナル抗体の産生及びこれら
のモノクローナル抗体を用いて、IBDV上の中和性エ
ピトープの同定に関する。添付図面において:図16
は、SDS−PAGEの後、完全なウィルスに対する抗
−IBDV MAbのウェスターン法分析を示す。図1
は、抗−IBDV MAbとIBDVに対する鶏抗−
32Kd特異性抗血清との間のコンペティティブELIS
Aを示す。
【0095】結果及び討論 IBVウィルスに対するマウスモノクローナル抗体(M
Ab)を、精製されたウィルスによりBalb/Cマウ
スを高度免疫化し、そしてHewishなど(1984)の方法に
従って、SP2/0骨髄腫細胞と免疫脾臓細胞とを融合
することによって調製した。抗体分泌性コロニィーを、
完全なウィルスに基づいてのイムノドットアッセイ(Bi
o Rad )によって、及びヤギ抗−マウスIg−HRP
(Bio Rad)を用いることによってマウス抗体を検出す
るために改良された、国際特許PCT/AU84/00
256明細書に記載されているIBDウィルスELIS
Aによって検出した。陽性コロニィーを、少なくとも3
回、限界希釈することによってクローン化し、おのおの
のクローニングで上のアッセイによって陽性コロニィー
を選択した。
【0096】MAbの特異性を、ウサギ抗−マウスIg
(Sera-Lab)を用いることによってマウス抗体を検出す
るために再び改良された、完全なウィルスに基づくウェ
スターン法(特許PCT/AU84/00256明細
書)によって査定した。大多数のMAbは、図16に示
されているシリーズ1及び17のMAbによって例示さ
れているように、IBDウィルスの32Kd構造ポリペプ
チドに対して特異的であった。1つのシリーズのMA
b、すなわちシリーズ6のみが42Kdポリペプチドを認
識し(図16)、そして37Kdポリペプチドと特異的に
反応するものはまだ得られていない。
【0097】シリーズ17MAbのサブクローン(17
−82と名づけられている)は、SDSにより変性され
たIBDウィルスポリペプチドに結合しなかった(図1
6)。ウェスターン法に基づいて、ウィルスポリペプチ
ドに対して陽性であるすべてのMAbはまた、IBDウ
ィルスの既知構造タンパク質よりも低い分子量のもので
あるブロット上の物質に結合し(Dobos, 1979 ;特許P
CT/AU84/00256明細書)、そして従って、
変性されたウィルスタンパク質を表わすことができる。
特に17−80及び17−83系の抗−32Kdモノクロ
ーンは、約55Kdの分子量を有する大きな分子に結合
し、そして前記のプロセスされていない前駆体分子を表
わすことができる。
【0098】MAbの相対的抗体活性は、ELISA及
びイムノドットアッセイによって査定され;後者は、変
性された及び変性されていないウィルスの両者に基づく
(第1表)。シリーズ1及び17の骨髄腫細胞により接
種されたマウスからの腹水は、17−82系のイムノド
ット反応性がSDS及び煮沸することによるウィルスの
処置によって止められたけれども、天然ウィルスに基づ
いて行なわれたELISA及びイムノドットアッセイ
(2 14 19)によって高い抗体の力価をすべて有し
た。この時、イムノドットアッセイにおけるMAbの反
応性は、SDS及び煮沸することによりウィルスを処置
することによって増強されるけれども、シリーズ6のM
Abは、両アッセイにおいて弱く反応した(第1表)。
【0099】
【表1】
【0100】MAbのウィルス中和活性を、ミクロ−ウ
ィルス中和アッセイ(特許PCT/AU84/0025
6明細書)により査定する場合、17−82系のMAb
のみがウィルスの伝染性を中和した。その腹水は214
力価を有した。シリーズ1及び6並びに17−80系の
MAbはすべて陰性(<24 )であった。
【0101】17−82MAbの特異性は、ウェスター
ン法によるIBDウィルスの32Kdポリペプチドに対し
て特異的な鶏抗血清に対してのコンペティティブ阻害E
LISAにより調べられた。17−82MAbは、鶏抗
−32Kd抗体と効果的に競争し(図17)、ところが1
7−80MAb及びシリーズ6MAbはそれよりも効果
的でない(図17)。17−82MAbはまた、多特異
的な鶏抗血清と競争し、そしてそれはウェスターン法に
基づいて32Kd,37Kd及び42Kdのウィルスポリペプ
チドを認識し(データーは示されていない)、17−8
2MAbがウィルスに基づく優性の免疫原に対してであ
ることを指摘した。
【0102】抗−IBDウィルスMAbのイソタイプ
を、第2段階の試薬として抗−マウスλ鎖、IgM,I
gG1,IgG2a+2b,IgG2b又はIgG3の
いづれかを用いるELISAによって決定した。すべて
のMAbは、マウスIgG1のクラスのものであり、但
し17−82系MAbはIgG2bクラスのものであっ
た。
【0103】シリーズ6MAbは、37Kd及び42Kdポ
リペプチド(後者は、前者の前駆体である)のトリプシ
ン及びクロモトリプシン消化物のHPLC分析から明ら
かなように、特に興味の対象であった。従って、シリー
ズ6MAbは、オーストラリアンタイプ−1IBDウィ
ルスの主な37Kd構造ポリペプチドの形成の間、切断さ
れたペプチド配列を確認するように思われる。SDSに
より変性された、IBDウィルスの32Kdポリペプチプ
を認識するそれらの能力により、17−80系のMAb
を用いて、上記のようにして32Kdポリペプチドの一部
又はすべてを発現する組換え体細菌コロニィーを選択し
た。次の詳しい説明は、その非配合形での32Kd構造タ
ンパク質の産生に関する。
【0104】添付図面において:図18は、クローンD
6,D1及びP1において発現されたタンパク質及びI
BDVタンパク質を示し、これらは、ウェスターンブロ
ットされ、そしてMAb17−80と反応した。クロー
ンP1の挿入体を、ApaI制限部位を通してL6及び
D6挿入体を連結することによって構成し、この領域に
わたる生来のIBDVの正確なゲノム配列を保持した。
図19は、種々の処置によって溶解されたクローンD
1,D6及びP1、並びにニトロセルロースフィルター
上にブロットされ、次にMAb 17−80又はMAb
17−82のいづれかと反応せしめられたタンパク質
を示す。その発現されたタンパク質は、〔 125I〕プロ
ティンAとの反応によって、次にオートラジオグラフィ
ー処理によって目に見えるようにした。
【0105】図20は、32Kd抗原の正しいプロセシン
グのために発現されるべき前駆体ポリペプチドの最小サ
イズを示す。IBDVゲノムの大セグメントの完全なコ
ード領域を含む、クローンP0の挿入体を、特定の制限
部位での5′末端で漸進的に短くし、そしてその得られ
たフラグメントを、E.コリ中のpPLベクターに発現
した。発現された遺伝子生成物を、ウェスターンブロッ
トし、そしてMAb17−80と反応せしめた。図21
は、ウィルス中和性モノクローナルMAb 17−82
によって認識される抗原決定基となることができる前駆
体ポリペプチドの領域を示す。種々のサイズの前駆体を
含むクローンからの非変性タンパク質を、ニトロセルロ
ースフィルター上にブロットし、そしてMAb 17−
80又はMAb 17−82と反応せしめた。
【0106】塩基425〜3145を補う大きな組換え
体分子を、クローンD6(32Kdタンパク質をコードす
る)及びクローンL6(28Kdタンパク質及び41/3
7Kdタンパク質の主要部分をコードする)の挿入体を連
結することによって構成した−これらの両クローンの詳
しい説明は上に示されている。L6及びD6挿入体を、
ApaI制限部位を通して連結し、この領域にわたる生
来のIBDVの正確なゲノム配列を保持した。
【0107】この大きな組換え体分子(PI)を、E.
コリ中のpURプラスミドに発現し、そしてその発現さ
れたタンパク質を、ウェスターンブロット及びMAb
17−80との反応によって分析した(図18)。その
大きな挿入体は、M>80Kd(又は融合タンパク質とし
て〜190Kd)のウィルス性ポリタンパク質を発現する
ように思われるが、しかし代わりに、MAb 17−8
0と特異的に反応する別々の32Kdタンパク質を産生し
た。
【0108】発現されたポリペプチドの正しいプロセシ
ングがそれらの正しい折りたたみを導びくかどうかを見
るために、クローンP1中に発現されたタンパク質を、
ウィルスを中和するが、しかし変性された32Kdウィル
スタンパク質とは反応しないモノクローナル抗体(MA
b 17−82)を用いて、イムノブロットアッセイ
(図19)によって分析した。その発現されたタンパク
質は、MAb 17−82とひじょうに強く反応する
が、しかしこの反応は、その発現されたタンパク質が最
初にSDSにより変性される場合、完全に止められた。
SDSによる変性の後、その発現されたタンパク質は、
変性された32Kdタンパク質を認識するMAb 17−
80と強く反応した。従って、遺伝子工学的に製造され
たポリペプチドは、MAb 17−82及びMAb 1
7−80に対する完全なウィルス粒子の免疫反応をまね
る。
【0109】これらの結果は、32Kdタンパク質、28
Kdタンパク質及び41/37Kdタンパク質の主要部分を
コードする大cDNAフラグメントの発現が、IBDV
の変性された32Kd宿主保護性抗原と反応するモノクロ
ーナル抗体(MAb 17−80)によって認識される
非融合32Kdタンパク質の合成をもたらすことを明らか
に例示する。“生来”形において、遺伝子工学的に製造
されたポリペプチドは、ウィルス中和性モノクローナル
抗体(MAb 17−82)と特異的に反応し、それら
が生来のウィルス抗原と同じコンホーメーションで折り
たたまれ得ることを提案する。
【0110】IBDVの大RNAセグメントの完全なコ
ード領域を含む大きな組換え体分子(P0)を、通常の
Ndel制限部位を通して、クローンP1の挿入体をも
う1つのクローンG6の挿入体に連結することによって
構成した。P0を、E.コリのpEXベクター〔Stanle
y and Luzio, (1984) 〕に発現した。P1の場合、これ
は、MAb17−80と反応する、正しくプロセスされ
た32Kdポリペプチドの産生をもたらした。
【0111】クローンP1及びP0に産生された32Kd
タンパク質は、ウィルス特異性のプロテアーゼによって
プロセスされ得る。他方、E.コリのリボソ−ムによっ
て認識される翻訳開始部位は、32Kdタンパク質のために
遺伝子内又はそのすぐ前に存在することができる。次
に、この場合、28Kdタンパク質内でのフレームシフト
の導入が、クローンP0の32Kdタンパク質の産生に影
響を及ぼすべきでない。28Kdタンパク質のために遺伝
子内のEcoRI又はBamHI部位に1.3KdKmR
フラグメント(Vieira and Messing, 1982)を挿入し、
又はEcoRI−BamHIフラグメントを欠失するこ
とによって、フレームシフトを導入した。これらの場
合、ウェスターンブロットに基づいてMAb 17−8
0と反応した、32Kd又はそれよりも高い分子量のタン
パク質が産生されなかった。これは、32Kdタンパク質
が独立した翻訳開始部位から発現される可能性を規定し
た。
【0112】推定上のウィルス特異性のプロテアーゼを
配置するために、クローンP0からの挿入体を、特定の
制限部位で5′末端から漸進的に短くし(図20)、そ
して得られた異なったサイズのフラグメントを、融合タ
ンパク質又は非融合タンパク質のいづれかを産生するベ
クター中に挿入し、そしてその同じ結果を、使用したベ
クターのタイプに関係なく得た。E.コリ中に発現され
たタンパク質を、ウェスターンブロットし、そして32
Kdポリペプチドの他に、いかに多くのコード配列が、正
しくプロセスされた32Kdタンパク質を産生するため
に、発現されるべきかを知るために、MAb 17−8
0と反応せしめた(図20)。図20は、発現されたタ
ンパク質に約7KdのXN遺伝子生成物を付加する融合ベ
クター(pPL)中に発現によって得られた結果を示
す。
【0113】37Kdタンパク質の52Kd前駆体又は28
Kdタンパク質のN−末端部分をコードする遺伝子の一部
又は全部の欠失は、32Kdポリペプチドの産生を決して
妨げなかった。しかしながら、28Kdタンパク質をコー
ドする遺伝子のさらに先の部分(BamHI及びHin
dIII 制限部位)の除去は、たとえ、32Kd及び28Kd
タンパク質の間のおおよその接合点で、二塩基性残基が
今までどおり存在したとしても、32Kdタンパク質のプ
ロセシングを阻害した。類似した結果を、Kmカセット
を用いての部位特異的挿入突然変異生成研究によって得
た〔Vieira andMessing, (1982)〕。
【0114】28Kdタンパク質の5′末端の近くのEc
oRI部位への10個のコドンの‘イン−フェース(in
-phase)’挿入は、正しくプロセスされた32Kdタンパ
ク質の産生に影響を及ぼさず、ところが28Kdタンパク
質の中間のBamHI部位への4個のコドンの‘イン−
フェース’挿入は、32Kdタンパク質のプロセシングを
阻害し、そしてより大きな前駆体分子が産生される。2
8Kdタンパク質が成熟したウィルス粒子中にひじょうに
少量且つ種々の量で存在する事実と共にこれらの結果
は、28Kdタンパク質が大きな前駆体ポリペプチドのプ
ロセシングに関与するIBDV特異的プロテアーゼであ
ることを示すであろう。
【0115】クローンP1及びP0中に発現されたタン
パク質は、ウィルス中和性MAb17−82と強く反応
する。クローンP1及びP0は正しくプロセスされた3
2Kdタンパク質及び大セグメントによってコードされた
他のタンパク質を産生するので、大きな前駆体分子の発
現から得られたタンパク質の正しいプロセシングが、ウ
ィルス中和性MAb 17−82によって認識される正
しい立体構造を取る、発現されたポリペプチドを導びく
かどうかを知ることが重要であった。
【0116】32Kdタンパク質のための遺伝子及び28
Kd及び52Kdタンパク質のための遺伝子の一部又は全部
を含む、種々のサイズの組換え体分子は、E.コリ中に
発現された。変性されていない、発現されたタンパク質
を、ニトロセルロースフィルター上にブロットし、そし
てMAb 17−80又はMAb 17−82と反応せ
しめた(図21)。MAb 17−80は、すべての構
造体に発現されたタンパク質と反応するのに対して、ウ
ィルス中和性MAb 17−82のみは、37Kdタンパ
ク質の52Kd前駆体の実質的部分を保持するクローンに
発現されたタンパク質と反応した(図21)。
【0117】他方、図20は、32Kdタンパク質の正し
いプロセシングが52Kdタンパク質のいづれの部分又は
28Kdタンパク質の最極端のN−末端部分でさえ必要と
しないことを明らかに示す。従って、32Kdタンパク質
の正しいプロセシングのみがMAb 17−82による
認識を確保し、そして52Kd前駆体タンパク質の一部
は、直接的に又は間接的にそのプロセスに関与され得
る。ウィルス中和性MAb 17−82によって認識さ
れる抗原性決定基は、32Kd及び41/37Kdタンパク
質の両者からの領域を与えることから成る不連続エピト
ープから成ることができる。非変性状態のクローンD6
及びD1からの融合タンパク質は、ウィルス中和性MA
b 17−82と弱く、但しひじょうに特異的に反応す
る。32Kd遺伝子のAhaII−PstIフラグメントの
発現によって産生された非融合タンパク質はまた、MA
b 17−82と反応する。
【0118】従って、32Kdタンパク質又はその一部
は、MAb 17−82によって弱く認識される。MA
b 17−82がまた、41及び37Kd構造タンパク質
の52Kd前駆体タンパク質と反応したかどうかを見るた
めに、28Kd及び32Kd構造タンパク質をコードするこ
れらの遺伝子なしに、この領域をコードする遺伝子を、
E.コリ中のpEXベクターに発現した。変性されてい
ない、発現されたタンパク質はMAb 17−82と強
く反応し、そして52Kd前駆体はまた、ウィルス中和性
MAbによって認識されるエピトープを含んだことを指
摘した。32Kd構造タンパク質と41/37Kd構造タン
パク質との間の相互作用が、ウィルス中和性及び/又は
保護性抗体を誘導するエピトープの形成に関与されるこ
とは可能である。
【0119】従って、正しくプロセスされ及び折りたた
まれた抗原を産生することへの1つの効果的なアプロー
チは、32Kd,28Kd及び52Kd前駆体タンパク質の実
質的な部分を保持する完全なコード領域又は前駆体を発
現することである。この方法によって産生された抗原
は、モノクローナル抗体を用いるアフィニティークロマ
トグラフィーによって、又は発現された抗原の末端で特
異的な配列を製造することによって容易に精製され得
る。
【0120】もう1つのアプローチは、32Kd及び/又
は52Kdタンパク質のための完全な遺伝子又はそのフラ
グメントを発現することである。続く再生段階は、必要
とされても、又は必要とされなくても良い。このアプロ
ーチは完全に実行できる。なぜならばSDS−ポリアク
リルアミドゲルから単離されたウィルス32Kdタンパク
質が再生され得、そして鶏に注射される場合、ウィルス
中和性及び保護性抗体を産生し得ることが前に例示され
たからである(国際特許PCT/AU84/00256
明細書)。
【0121】さらに、pCAV2ベクター中の32Kd遺
伝子のAhaII−PstIフラグメントの発現によって
産生された30Kdの非融合タンパク質は、ウィルス中和
性MAb 17−82と反応する。41Kd及び37Kd構
造タンパク質の52Kd前駆体のための遺伝子から発現さ
れたタンパク質もまた、ウィルス中和性MAb 17−
82と反応する。E.コリ中にウィルスタンパク質を産
生するための3番目のアプローチは、酵素又は化学的切
断部位がIBDV及び宿主タンパク質の間の接合点で作
られている融合タンパク質を産生することである。融合
タンパク質の発現のレベルは、ひじょうに高く、そして
その発現されたタンパク質は、アフィニティークロマト
グラフィーによって容易に精製され得る。そのIBDV
タンパク質は、その精製された融合タンパク質の酵素又
は化学的切断によって回収され得る。
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ウサギの網状赤血球溶解物中に合成さ
れたIBDV RNA翻訳生成物の電気泳動図であり、
翻訳生成物のMW及びIBDV RNAセグメントのコ
ード割当て(i)MW標準;(ii)画分化されていな
いIBDV RNA;(iii)IBDV RNAの大
セグメント;(iv)IBDV RNAの小セグメント
を示す。
【図2】図2は、IBDVの完全な大RNAセグメント
を包含するクローン化された挿入体のマップであり、生
物の形態を示す図面代用写真である。
【図3】図3は、IBDVの変性された32Kdタンパ
ク質と反応するモノクローナル抗体(MAb 17−8
0)に対して陽性のタンパク質を発現するいくつかの
E.コリのコロニィーを示し、生物の形態を表わす図面
代用写真である。
【図4】図4は、電気泳動にゆだねられ、そして(a)
クーマシーブルーにより染色され、又は(b)ウェスタ
ーンブロットされ、そしてMAb 17−80と反応す
るE.コリコロニィーからのタンパク質を示し、電気泳
動図を示す図面代用写真である。矢印1及び2は、それ
ぞれ融合タンパク質及びβ−ガラクトシダーゼの位置を
示す。サンプルは、(i)HB101細胞、(ii)p
UK290を含むHB101、(iii)〜(vii
i)MAb 17−80(図3)との反応によって可能
な陽性として同定されたいくつかの組換え体クローンで
ある。
【図5】図5は、IBDV RNAの大セグメントと、
種々のcDNAクローンの関係を示す図である。
【図6】図6は発現した融合タンパク質の電気泳動図で
あり、図面代用写真である。
【図7】図7はクローンD1からの融合タンパク質精製
の電気泳動図であり図面代用写真である。
【図8】図8は、クローンD1及びD6の融合タンパク
質精製物並びに遊離のβ−ガラクトシダーゼ電気泳動図
であり、図面代用写真である。
【図9】図9は、クローンD1及びD6からの融合タン
パク質により免疫した鶏の血清中の抗体を、全IBDV
粒を使用するウェスタンブロットにより検出した結果を
示す電気泳動図であり、図面代用写真である。
【図10】図10は、IBDVの大セグメントのヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列の1部分を示す図
である。
【図11】図11は、IBDVの大セグメントのヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列の1部分を示す図
である。
【図12】図12は、IBDVの大セグメントのヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列の1部分を示す図
である。
【図13】図13は、IBDVの大セグメントのヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列の1部分を示す図
である。
【図14】図14は、IBDVの大セグメントのヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列の1部分を示す図
である。
【図15】図15は、IBDVの大セグメントのヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列の1部分を示す図
である。
【図16】図16は、SDS−PAGEの後、完全なウ
ィルスに対する抗−IBDV MAbのウェスターン法
分析を示す電気泳動図であり図面代用写真である。
【図17】図17は、抗−IBDV MAbとIBDV
に対する鶏抗−32Kd特異性抗血清との間のコンペテ
ィティブELISAを示すグラフである。
【図18】図18は、クローンD6,D1及びP1にお
いて発現されたタンパク質及びIBDVタンパク質を示
す電気泳動図であり、図面代用写真である。
【図19】図19は、種々の処置によって溶解されたク
ローンD1,D6及びP1、並びにニトロセルロースフ
ィルター上にブロットされ、次にMAb 17−80又
はMAb 17−82のいづれかと反応せしめられたタ
ンパク質を示す電気泳動図であり、図面代用写真であ
る。
【図20】図20は、32Kd抗原の正しいプロセシン
グのために発現されるべき前駆体ポリペプチドの最小サ
イズを示す電気泳動図であり、図面代用写真である。
【図21】図21は、ウィルス中和性モノクローナルM
Ab 17−82によって認識される抗原決定基となる
ことができる前駆体ポリペプチドの領域を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (72)発明者 アザド,アーメド アブダラー オーストラリア国,3107,ビクトリア, ロウワー テンプルストー,バレリー ストリート 11 (72)発明者 ハドソン,ピーター ジョン オーストラリア国,3108,ビクトリア, ドンカスター,グレンファーン アベニ ュ 28 (72)発明者 ファエイ,ケビン ジョン オーストラリア国,3106,ビクトリア, テンプルストー ラワンナ アベニュ 24 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) EPAT(QUESTEL)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.次のアミノ酸配列(A): 【化1】 を含んで成るポリペプチドと他のポリペプチドとの融合
    蛋白質あるいは前記アミノ酸配列(A)において1個〜
    複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修
    飾されているアミノ酸配列を含むポリペプチドと他のポ
    リペプチドとの融合蛋白質であって、鳥類において、上
    記アミノ酸配列(A)を含んで成るポリペプチドと他の
    ポリペプチドとの融合蛋白質が伝染性滑液包病ウイルス
    (IBDV)中和抗体を生じさせる免疫原性を有する融
    合蛋白質。 2.次のアミノ酸配列(B): 【化2】 を含んで成るポリペプチドと他のポリペプチドとの融合
    蛋白質あるいは前記アミノ酸配列(B)において1個〜
    複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修
    飾されているアミノ酸配列を含むポリペプチドと他のポ
    リペプチドとの融合蛋白質であって、鳥類において、上
    記アミノ酸配列(B)を含んで成るポリペプチドと他の
    ポリペプチドとの融合蛋白質がIBDV中和抗体を生じ
    させる免疫原性を有する請求項1に記載の融合蛋白質。 3.次のアミノ酸配列(A): 【化3】 を含んで成るポリペプチドと他のポリペプチドとの融合
    蛋白質あるいは前記アミノ酸配列(A)において1個〜
    複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修
    飾されているアミノ酸配列を含むポリペプチドと他のポ
    リペプチドとの融合蛋白質であって、鳥類において、上
    記アミノ酸配列(A)を含んで成るポリペプチドと他の
    ポリペプチドとの融合蛋白質がIBDV中和抗体を生じ
    させる免疫原性を有する融合蛋白質の製造方法におい
    て、該融合蛋白質をコードするDNAを含んで成る発現
    ベクターにより形質転換された宿主細胞を培養し、該培
    養物から前記融合蛋白質を採取することを特徴とする方
    法。 4.前記融合蛋白質が、次のアミノ酸配列(B): 【化4】 を含んで成るポリペプチドと他のポリペプチドとの融合
    蛋白質あるいは前記アミノ酸配列(B)において1個〜
    複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修
    飾されているアミノ酸配列を含むポリペプチドと他のポ
    リペプチドとの融合蛋白質であって、鳥類において、上
    記アミノ酸配列(B)を含んで成るポリペプチドと他の
    ポリペプチドとの融合蛋白質がIBDV中和抗体を生じ
    させる免疫原性を有する融合蛋白質である、請求項3に
    記載の方法。 5.次のアミノ酸配列(A): 【化5】 を含んで成るポリペプチドと他のポリペプチドとの融合
    蛋白質あるいは前記アミノ酸配列(A)において1個〜
    複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修
    飾されているアミノ酸配列を含むポリペプチドと他のポ
    リペプチドとの融合蛋白質であって、鳥類において、上
    記アミノ酸配列(A)を含んで成るポリペプチドと他の
    ポリペプチドとの融合蛋白質がIBDV中和抗体を生じ
    させる免疫原性を有する融合蛋白質を含んで成る鳥類に
    おいてIBDVに対する免疫応答を刺激するための組成
    物。 6.前記融合蛋白質が、次のアミノ酸配列(B): 【化6】 を含んで成るポリペプチドと他のポリペプチドとの融合
    蛋白質あるいは前記アミノ酸配列(B)において1個〜
    複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修
    飾されているアミノ酸配列を含むポリペプチドと他のポ
    リペプチドとの融合蛋白質であって、鳥類において、上
    記アミノ酸配列(B)を含んで成るポリペプチドと他の
    ポリペプチドとの融合蛋白質がIBDV中和抗体を生じ
    させる免疫原性を有する融合蛋白質である、請求項5に
    記載の組成物。
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