JP2988617B2 - 移動体衛星通信システム、および同システムにおける送信電力制御方法 - Google Patents

移動体衛星通信システム、および同システムにおける送信電力制御方法

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JP2988617B2
JP2988617B2 JP7321941A JP32194195A JP2988617B2 JP 2988617 B2 JP2988617 B2 JP 2988617B2 JP 7321941 A JP7321941 A JP 7321941A JP 32194195 A JP32194195 A JP 32194195A JP 2988617 B2 JP2988617 B2 JP 2988617B2
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憲志 古川
泰樹 西
宏 小林
英司 児玉
禎久 大野
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NTT Mobile Communications Networks Inc
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Relay Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信衛星を介して
基地局および移動局が接続された移動体衛星通信システ
ムに係り、特に、基地局から移動局への下り送信電力制
御を、高精度に行うことのできる移動体衛星通信システ
ムおよび同システムにおける送信電力制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セルラシステムでは、一般に、基地局と
移動局との間で送信電力制御を行っている。たとえば、
基地局は、移動局からの受信レベル報告値を用いて、最
適な下り送信電力を決定している。これは、チャネル間
の相互干渉を低減するためである。
【0003】図1(A)および図1(B)は、このよう
なセルラシステムにおける電波伝搬特性を示す図であ
る。基地局1から発射された電波は、直接波4として、
あるいは建物3などで反射された反射波5の形で、マル
チパスを通って移動局2へ到着する。このため、電波伝
搬特性はマルチパスフェージングによって支配され、移
動局2の受信電力レベルは、図1(B)に示すように、
短い周期で大きく変動する。このため、移動局2では、
比較的短い周期のレベル測定によって、ある程度正確な
平均受信レベルを求めることができる。この平均受信レ
ベルは、移動局2から基地局1へ報告され、基地局1
は、この報告に基づいて、移動局2への下り送信電力を
制御する。
【0004】図2は、このような下り送信電力制御を示
す図である。図2(B)に示すように、移動局2は、測
定周期Tごとに平均受信レベルを計算し、その値を基地
局1に報告する。基地局1は、図2(A)に示すよう
に、平均受信レベルの報告を受けるたびに、そのレベル
に応じた送信電力で送信を行う。このような下り送信電
力制御によって、基地局1から移動局2への送信電力
は、比較的短時間で最適値に到達する。この場合、基地
局送信電力制御値に含まれる制御誤差Eは、図2(C)
に示すように、送信電力によらずほぼ一定となる。これ
は、移動局2での測定周期Tが一定のためである。
【0005】一方、基地局1と移動局2とが衛星を介し
て接続された移動体衛星通信システムでは、主に衛星の
電力を有効に利用するために、送信電力制御を行う必要
がある。
【0006】図3(A)および図3(B)は、移動体衛
星通信システムの電波伝搬特性を示す図である。基地局
1から発射された電波は、パス11を通って衛星10に
到達し、そこで中継され、パス12を通って移動局2に
到達する。このように、移動体衛星通信システムの電波
伝搬特性は、セルラシステムにおけるようなマルチパス
フェージング特性を示さず、衛星10から移動局2への
直接波が支配的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このため、図3(B)
に示すように、移動体衛星通信システムにおいては、図
2(B)に示したセルラシステムの変動と比較すると、
変動周期が長く、周期が1Hz程度の変動を示す。した
がって、短い周期でのレベル測定では、正確な平均受信
レベルは得られない。このため、セルラシステムで用い
たような送信電力制御では、正確な送信電力制御ができ
ず、回線品質が大きく劣化するばかりでなく、衛星の電
力も有効に利用できないという問題があった。
【0008】そこで、本発明の目的は、できるだけ短時
間内に、正確な送信電力制御を行うことのできる、移動
体衛星通信システムおよび同システムにおける送信電力
制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、基地局と移動局とを通信
衛星を介して接続する移動体衛星通信システムにおい
て、前記移動局は、予め定められた測定周期Tにおけ
る、実測定時間Tk および平均受信レベルQk (k=
1,2…)を求める測定手段と、前記実測定時間Tk
よび前記平均受信レベルQk を前記基地局に報告する送
信手段とを備え、前記基地局は、前記移動局からの信号
を受信し、受信信号の中から、前記実測定時間Tk およ
び前記平均受信レベルQk を抽出する手段と、前記実測
定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算する手段
と、前記総測定時間tk における平均受信レベルの測定
誤差ΔDk を求める手段と、前回測定完了時点におけ
る、前記総測定時間tk-1 、補正平均受信レベルRk-1
および送信電力制御量ΔPk-1 を格納する記憶手段と、
前記補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量Δ
k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
k 、前記実測定時間Tk および総測定時間tk に基づい
て、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平均受信
レベルRk を求める手段と、予め定められた前記移動局
の平均受信レベル目標値Rref と前記補正平均受信レベ
ルRk との差、および前記測定誤差ΔDk に基づいて、
前記基地局の送信電力制御量ΔPk を求める手段と、前
記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから今
回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づい
て、前記基地局の送信電力を制御する手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記基地局は、
さらに、前記送信電力の初期値P0を予め定められた値
に設定する手段を具備することを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、前記送信電力制
御量を求める手段は、前記平均受信レベル目標値Rref
と前記補正平均受信レベルRk との差に、前記測定誤差
ΔDk を加えて、前記基地局の今回送信電力制御量ΔP
k を求めることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、前記送信電力制
御量を求める手段は、前記平均受信レベル目標値Rref
と前記補正平均受信レベルRk との差に、前記測定誤差
ΔDk と前記基地局におけるレベル設定誤差ΔSk との
和を加えて、前記基地局の今回送信電力制御量ΔPk
求めることを特徴とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、前記測定誤差を
求める手段は、予め設定された値Cを前記総測定時間t
k の平方根で割って、前記測定誤差ΔDk を求めること
を特徴とする。
【0014】請求項6に記載の発明は、前記補正平均受
信レベルを求める手段は、次式によって、前記補正平均
受信レベルRk を求めることを特徴とする。
【0015】
【数5】 Rk ={(Rk-1 +ΔPk-1 )tk-1 +Qkk }/t 請求項7に記載の発明は、基地局と移動局とを通信衛星
を介して接続する移動体衛星通信システムにおいて、前
記移動局は、予め定められた測定周期Tにおける、実測
定時間T および平均受信レベルQk (k=1,2
…)を求める測定手段と、前記実測定時間Tk の総和で
ある総測定時間tk を計算する手段と、前記総測定時間
k における前記平均受信レベルの測定誤差ΔDk を求
める手段と、前回測定完了時点における、前記総測定時
間tk-1 および補正平均受信レベルRk-1 を格納する記
憶手段と、前記基地局から前記移動局に送信された信号
中から送信電力制御量ΔPk-1を抽出する手段と、前記
補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量ΔP
k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
k 、前記実測定時間Tk 前記総測定時間tkおよび前記
測定誤差ΔDk に基づいて、前記移動局の今回測定完了
時点までの補正平均受信レベルRk を求める手段と、前
記補正平均受信レベルRk を前記基地局に報告する送信
手段とを備え、前記基地局は、前記移動局からの信号を
受信し、受信信号の中から、前記補正平均受信レベルR
k を抽出する手段と、予め定められた前記移動局の平均
受信レベル目標値Rref と前記補正平均受信レベルRk
との差、および予め記憶されたレベル設定誤差ΔSk
基づいて、前記基地局の送信電力制御量ΔPk を求める
手段と、前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力P
k-1 とから今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力
k に基づいて、前記基地局の送信電力を制御する手段
と、今回送信電力制御量ΔPk を前記移動局へ送信する
手段とを具備することを特徴とする。
【0016】請求項8に記載の発明は、前記移動局は、
さらに、前記送信電力の初期値P0を予め定められた値
に設定する手段を具備することを特徴とする。
【0017】請求項9に記載の発明は、前記送信電力制
御量を求める手段は、前記平均受信レベル目標値Rref
と前記補正平均受信レベルRk との差に、前記レベル設
定誤差ΔSk を加えて、前記基地局の今回送信電力制御
量ΔPk を求めることを特徴とする。
【0018】請求項10に記載の発明は、前記測定誤差
を求める手段は、予め設定された値Cを前記総測定時間
k の平方根で割って、前記測定誤差ΔDk を求めるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項11に記載の発明は、前記補正平均
受信レベルを求める手段は、次式によって、前記補正平
均受信レベルRk を求めることを特徴とする。
【0020】
【数6】 Rk ={(Rk-1 +ΔPk-1 )tk-1 +Qkk }/tk −ΔDk 請求項12に記載の発明は、基地局と移動局とを通信衛
星を介して接続する移動体衛星通信システムにおいて、
前記移動局で求められ、かつ前記移動局から前記基地局
に送信された、予め定められた測定周期Tにおける、実
測定時間Tk および平均受信レベルQk (k=1,2
…)を、受信信号の中から抽出する手段と、前記実測定
時間Tk の総和である総測定時間tk を計算する手段
と、前記総測定時間tk における平均受信レベルの測定
誤差ΔDk を求める手段と、前回測定完了時点におけ
る、総測定時間tk-1 、補正平均受信レベルRk-1 およ
び送信電力制御量ΔPk-1 を格納する記憶手段と、前記
補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量ΔP
k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
k 、前記実測定時間Tk および総測定時間tk に基づい
て、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平均受信
レベルRk を求める手段と、予め定められた前記移動局
の平均受信レベル目標値Rref と前記補正平均受信レベ
ルRk との差、および前記測定誤差ΔDk に基づいて、
前記基地局の送信電力制御量ΔPk を求める手段と、前
記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから今
回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づい
て、前記基地局の送信電力を制御する手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0021】請求項13に記載の発明は、基地局と移動
局とを通信衛星を介して接続する移動体衛星通信システ
ムにおいて、予め定められた測定周期Tにおける、実測
定時間Tk および平均受信レベルQk (k=1,2…)
を求める測定手段と、前記実測定時間Tk および前記平
均受信レベルQk を前記基地局に報告する送信手段とを
具備することを特徴とする。
【0022】請求項14に記載の発明は、基地局と移動
局とを通信衛星を介して接続する移動体衛星通信システ
ムにおいて、予め定められた測定周期Tにおける、実測
定時間Tk および平均受信レベルQk (k=1,2…)
を求める測定手段と、前記実測定時間Tk の総和である
総測定時間tk を計算する手段と、前記総測定時間tk
における平均受信レベルの測定誤差ΔDk を求める手段
と、前回測定完了時点における、前記総測定時間tk-1
および補正平均受信レベルRk-1 を格納する記憶手段
と、前記基地局から前記移動局に送信された信号中から
送信電力制御量ΔPk-1 を抽出する手段と、前記補正平
均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量ΔPk-1 、前
記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQk 、前記実
測定時間Tk 前記総測定時間tk および前記測定誤差Δ
k に基づいて、前記移動局の今回測定完了時点までの
補正平均受信レベルRk を求める手段と、前記補正平均
受信レベルRk を前記基地局に報告する送信手段とを具
備することを特徴とする。
【0023】請求項15に記載の発明は、基地局と移動
局とを通信衛星を介して接続する移動体衛星通信システ
ムにおいて、前記移動局からの信号を受信し、受信信号
の中から、補正平均受信レベルRkを抽出する手段と、
予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
ref と前記補正平均受信レベルRk との差、および予め
記憶されたレベル設定誤差ΔSk に基づいて、前記基地
局の送信電力制御量ΔPk を求める手段と、前記送信電
力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから今回送信電
力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づいて、前記
基地局の送信電力を制御する手段と、今回送信電力制御
量ΔPk を前記移動局へ送信する手段とを具備すること
を特徴とする。
【0024】請求項16に記載の発明は、基地局と移動
局とを通信衛星を介して接続する移動体衛星通信システ
ムにおいて、前記移動局は、予め定められた測定周期T
における、実測定時間Tk および平均受信レベルQk
(k=1,2…)を求める測定手段と、前記実測定時間
k および前記平均受信レベルQk を前記基地局に報告
する送信手段とを備え、前記基地局は、前記移動局から
の信号を受信し、受信信号の中から、前記実測定時間T
k および前記平均受信レベルQk を抽出する手段と、前
記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算す
る手段と、前記総測定時間tk における前記平均受信レ
ベルの測定誤差ΔDk を求める手段と、前記測定誤差Δ
k と予め定められたレベル設定誤差ΔSk とを加えて
総誤差ΔEk を求める手段と、前回測定完了時点におけ
る、総測定時間tk-1 、補正平均受信レベルRk-1およ
び送信電力制御量ΔPk-1 を格納する記憶手段と、予め
定められた前記移動局の平均受信レベル目標値Rref
前記総誤差Δk、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信
レベルQk 、前記実測定時間Tk および総測定時間tk
に基づいて、
【0025】
【数7】 Rk ={(Rref +ΔEk-1 )tk-1 +Qkk }/tk によって、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平
均受信レベルRk を求める手段と、前記平均受信レベル
目標値Rref と前記補正平均受信レベルRk との差、お
よび前記総誤差ΔEk に基づいて、前記基地局の送信電
力制御量ΔPk を求める手段と、前記送信電力制御量Δ
k と前回送信電力Pk-1 とから今回送信電力Pk を求
め、この今回送信電力Pk に基づいて、前記基地局の送
信電力を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0026】請求項17に記載の発明は、基地局と移動
局とを通信衛星を介して接続する移動体衛星通信システ
ムにおいて、前記移動局は、予め定められた測定周期T
における、実測定時間Tk および平均受信レベルQk
(k=1,2…)を求める測定手段と、前記実測定時間
k の総和である総測定時間tk を計算する手段と、前
記総測定時間tk における前記平均受信レベルの測定誤
差ΔDk を求める手段と、前回測定完了時点における、
総測定時間tk-1 および補正平均受信レベルRk-1 を格
納する記憶手段と、前記基地局から前記移動局に送信さ
れた信号中から送信電力制御量ΔPk-1を抽出する手段
と、予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値
ref 、予め定められた基地局におけるレベル設定誤差
ΔSk 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
k 、前記実測定時間Tk および総測定時間tk に基づい
て、
【0027】
【数8】 Rk ={(Rref +ΔSk-1 )tk-1 +Qkk }/tk によって、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平
均受信レベルRk を求める手段と、前記補正平均受信レ
ベルRk を前記基地局に報告する送信手段とを備え、前
記基地局は、前記移動局からの信号を受信し、受信信号
の中から、前記補正平均受信レベルRk を抽出する手段
と、前記移動局の平均受信レベル目標値Rref 、前記補
正平均受信レベルRk との差、および前記レベル設定誤
差ΔSk に基づいて、前記基地局の送信電力制御量ΔP
k を求める手段と、前記送信電力制御量ΔPk と前回送
信電力Pk-1 とから今回送信電力Pk を求め、この今回
送信電力Pk に基づいて、前記基地局の送信電力を制御
する手段と、今回送信電力制御量ΔPk を前記移動局へ
送信する手段とを具備することを特徴とする。
【0028】請求項18に記載の発明は、基地局と移動
局とを通信衛星を介して接続する移動体衛星通信システ
ムにおいて、前記移動局が、予め定められた測定周期T
における、実測定時間Tk および平均受信レベルQk
(k=1,2…)を求める過程と、前記実測定時間Tk
および前記平均受信レベルQk を前記基地局に報告する
過程と前記基地局が、前記移動局からの信号を受信し、
受信信号の中から、前記実測定時間Tk および前記平均
受信レベルQk を抽出する過程と、前記実測定時間Tk
の総和である総測定時間tk を計算する過程と、前記総
測定時間tk における平均受信レベルの測定誤差ΔDk
を求める過程と、前回測定完了時点における、総測定時
間tk-1 、補正平均受信レベルRk-1 および送信電力制
御量ΔPk-1 を格納する過程と、前記補正平均受信レベ
ルRk-1 、前記送信電力制御量ΔPk-1 、前記総測定時
間tk-1 、前記平均受信レベルQk 、前記実測定時間T
k および総測定時間tkに基づいて、前記移動局の今回
測定完了時点までの補正平均受信レベルRk を求める過
程と、予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標
値Rref と前記補正平均受信レベルRk との差、および
前記測定誤差ΔDk に基づいて、前記基地局の送信電力
制御量ΔPk を求める過程と、前記送信電力制御量ΔP
k と前回送信電力Pk-1 とから今回送信電力Pk を求
め、この今回送信電力Pk に基づいて、前記基地局の送
信電力を制御する過程とを具備することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施例1 図4および図5は、本発明による移動体衛星通信システ
ムの第1実施例を示すブロック図であり、図4は基地
局、図5は移動局を示している。
【0030】これらの基地局および移動局の説明をする
前に、本明細書で使用する主な用語を説明する。移動局
は、一定の測定周期Tで受信レベルを測定する。移動通
信では通常、VOX(Voice Operated Transmission) が
使用されており、音声が存在するときにのみ電波の送信
を行っている。このため、移動局は、基地局からの電波
を連続的に受信しているわけではない。そこで、本明細
書では、測定周期T内で実際に電波を受信している時間
を、実測定時間Tk (kは、測定の順番を示す数字で、
1,2,3,…という値をとる)という。また、測定周
期T内における平均受信レベル、すなわち、測定した受
信レベルの時間積分値を実測定時間Tkで割った値を、
平均受信レベルQk という。さらに、実測定時間Tk
総和を総測定時間tk と呼ぶ。また、総測定時間tk
おいて計算した平均受信レベルの補正値を補正平均受信
レベルRk という。
【0031】図4において、移動局からの信号は、アン
テナ21で受信され、アンテナ共用器23を介して受信
増幅器25に供給される。受信増幅器25で増幅された
受信信号は、受信部27で検波、復調され、受信出力端
29から受信データとして出力される。受信部27は、
また、受信信号中から平均受信レベル報告値Qk および
実測定時間Tk を抽出する。
【0032】図6は、平均受信レベル報告値Qk および
実測定時間Tk を含む信号SGのフォーマットを示す概
念図である。この信号SGは、受信信号の中に挿入され
ており、信号の種類を示す信号識別子IDと、平均受信
レベル報告値Qk と、実測定時間Tk とから構成されて
いる。
【0033】図4に戻り、受信部27は、受信信号の中
から信号SGを抽出し、平均受信レベルQk および実測
定時間Tk を演算部31に供給する。演算部31は、後
で詳しく説明する方法で、総測定時間tk 、補正平均受
信レベルRk 、測定誤差ΔDk 、総誤差ΔEk および送
信電力制御量ΔPk を計算する。計算結果の一部は、記
憶部33および制御部35に供給される。記憶部33に
は、常に最新の総測定時間および補正平均受信レベルが
格納される。
【0034】制御部35は、演算部31から供給された
送信電力制御量D Pk に基づいて送信電力Pk を計算す
る。その詳細も後述する。
【0035】送信入力端41から入力された送信データ
は、送信部43で一定のフォーマットにフレーム化さ
れ、変調された後、送信信号として送信増幅器45に供
給される。送信増幅器45は、制御部35から供給され
た送信電力制御信号によって決まる送信電力を有する送
信信号を、アンテナ共用器23を介して、アンテナ21
に供給し、移動局に向けて送信する。
【0036】図5に示す移動局は、基地局からの信号を
アンテナ51で受信する。この受信信号は、アンテナ共
用器53および受信増幅器55を介して、受信部57に
供給される。受信部57は、受信信号を復調し、復調デ
ータ(受信データ)を受信出力端59から出力する。受
信部57は、また、受信データと受信信号とを測定部6
1に供給する。
【0037】測定部61は、受信信号のレベルを測定
し、あらかじめ定められた測定周期Tごとに平均受信レ
ベルQk を求め、実測定時間Tk とともに送信部73に
供給する。
【0038】送信部73は、平均受信レベルQk および
実測定時間Tk を、図6に示すフォーマットで、送信入
力端71から入力された送信データに挿入し、送信信号
として送信増幅器75に供給する。送信増幅器75は、
送信信号を、アンテナ共用部53を介してアンテナ51
に供給し、基地局に送信する。
【0039】図7は、基地局の演算部31および制御部
35を示すブロック図である。
【0040】演算部31は、総測定時間演算部311、
補正平均受信レベル演算部313、測定誤差演算部31
5、総誤差演算部317および送信電力制御量演算部3
19を有している。
【0041】総測定時間演算部311は、移動局から送
信され、基地局の受信部27を介して供給される、実測
定時間Tk を順次加算し、その総和である総測定時間t
k を計算する。総測定時間tk は、補正平均受信レベル
演算部313、測定誤差演算部315、および記憶部3
3に供給される。
【0042】測定誤差演算部315は、総測定時間tk
における、移動局の受信レベル測定誤差ΔDK を計算す
る。受信レベル測定誤差ΔDk は、測定時間の平方根に
反比例することが知られている(西、他、「マルチビー
ム移動体衛星通信におけるビーム選択特性」、信学技
報、SAT-89-50,1989-11 )。したがって、受信レベル測
定誤差ΔDk は、次式で表される。
【0043】
【数9】 ΔDk =C/(tk1/2 (1) ただし、Cは、衛星から移動局への直接波および反射波
のレベル比から得られる測定誤差係数であり、予め設定
できる値である。この式から分かるように、受信レベル
測定誤差ΔDk は、測定時間tk が長くなるほど小さく
なる。測定誤差ΔDk は、総誤差演算部317に供給さ
れる。
【0044】補正平均受信レベル演算部313は、次式
で与えられる補正平均受信レベルRk を計算する。
【0045】
【数10】 Rk ={(Rk-1 +ΔPk-1 )tk-1 +Qk ×Tk }/tk (2) すなわち、前回測定完了時点までの補正平均受信レベル
k-1を、前回送信電力制御量ΔPk-1 で補正したもの
と、今回の平均受信レベルQk との時間平均をとって、
今回の補正平均受信レベルRk としている。ここで、前
回測定完了時点までの総測定時間tk-1 、補正平均受信
レベルRk-1 、および送信電力制御量ΔPk-1 は、記憶
部33から供給される。また、今回測定完了時点までの
総測定時間tk は、総測定時間演算部311から供給さ
れ、今回実測定時間Tk および今回平均受信レベルQk
は、受信部27から供給される。
【0046】総誤差演算部317は、次式によって、総
誤差ΔEk を計算する。
【0047】
【数11】 ΔEk =ΔDk +ΔSk (3) ただし、ΔSk は、基地局の送信電力を制御するアッテ
ネータのステップ値に起因するレベル設定誤差であり、
あらかじめ設定可能な値である。ΔSk は、記憶部33
から供給される。ここで求めた総誤差ΔEk は、送信電
力制御量演算部319に供給される。送信電力制御量演
算部319は、次式で与えられる今回送信電力制御量Δ
k を計算する。
【0048】
【数12】 ΔPk =Rref −Rk +ΔEk (4) ここで、Rref は、予め設定された、移動局の受信レベ
ル目標値である。すなわち、今回送信電力制御量ΔPk
は、受信レベル目標値および総誤差の和と、今回の補正
平均受信レベルとの差として計算される。この送信電力
制御量ΔPk は、制御部35に供給される。
【0049】制御部35は、送信電力演算部351を有
している。送信電力演算部351は、次の式によって今
回の送信電力Pk を計算する。
【0050】
【数13】 Pk =Pk-1 +ΔPk (5) すなわち、前回の送信電力Pk−1 に、今回の送信電
力制御量ΔPk を加えて、今回の送信電力Pk を求め
る。送信電力Pk は、送信増幅器45に供給され、その
送信電力がこの値となるように制御される。
【0051】こうして求めた補正平均受信レベルRk
送信電力制御量ΔPk および総測定時間tk は記憶部3
3に記憶される。これらは、次回の補正平均受信レベル
を計算するために必要なデータである。
【0052】図8は、移動局の測定部61の内部構成を
示すブロック図である。測定部61は、測定周期制御部
611および受信レベル測定部613を有している。
【0053】測定周期制御部611は、受信信号からフ
レーム周期を抽出し、その整数倍を測定周期とする。こ
の整数は、予め定めておく。さらに、測定周期制御部6
11は、受信データに含まれるVOX 制御信号を検索
することによって、実測定時間Tk を測定する。VOX
制御は、フレーム単位で行われるため、VOX非動作の
フレーム数(すなわち音声有りのフレーム数)をカウン
トし、これに受信フレームのフレーム長をかけることに
よって、実測定時間Tk を求めることができる。測定周
期制御部611は、このようにして求めた測定周期およ
び実測定時間Tk を受信レベル測定部613に供給す
る。
【0054】受信レベル測定部613は、測定周期制御
部611から供給される測定周期毎に、受信レベルL
(t)を測定し、平均受信レベルQk を求める。平均受
信レベルQk の算出方法としては、受信レベルL(t)
の時間積分値を実測定時間Tkで割って、平均受信レベ
ルQk を求める方法や、測定周期毎のビットエラーレー
トを測定し、これを、移動局が予め記憶している変換テ
ーブルで受信レベルに変換する方法がある。
【0055】次に、図9を参照して、本実施例の動作概
要を説明する。以下の説明においては、既に説明したよ
うに、各測定周期k(k=1,2,3,…)における基
地局の送信電力をPk-1 、移動局の実測定時間をTk
実測定時間Tk における平均受信レベルをQk とし、測
定周期kの終端までの総測定時間をtk 、総測定時間t
k における補正平均受信レベルをRk とする。また、測
定周期はT(一定)とする。なお、図9に示す実測定時
間Tk や総測定時間tk は、実際に電波が受信された時
間に依存することは、既に説明した。したがって、図示
された長さよりも短くなる可能性がある。
【0056】図9(B)に示すように、移動局は各測定
周期kごとに独立に、受信レベルを測定し、その平均値
を計算する。算出された平均受信レベルQk は、実測定
時間Tk とともに、その都度基地局へ報告される。いい
かえれば、基地局は、測定周期ごとに、平均受信レベル
k と実測定時間Tk とを受信する。
【0057】基地局は、受信した実測定時間Tk の総和
を計算して総測定時間tk とし、この総測定時間tk
おける補正平均受信レベルRk 、および平均受信レベル
の測定誤差ΔDk を計算し、これらに基づいて送信電力
k を決定する。移動体衛星通信システムにおける平均
受信レベルの測定誤差は、測定時間の平方根に反比例す
ることが知られている。したがって、測定時間が長いほ
ど、測定誤差は少なくなる。このため、基地局送信電力
制御量に含まれる総誤差ΔEk は、図9(C)に示すよ
うに、徐々に減少する。これによって、移動局の受信レ
ベルも図2に示す従来例と比較して、短い時間で所望の
受信レベルに収束する。
【0058】図10および図11は、上述した送信電力
制御の動作をさらに詳しく説明するためのフローチャー
トであり、図10は移動局の動作を示し、図11は基地
局の動作を示している。なお、移動体衛星通信では、伝
搬遅延時間が大きいので、実際のシステムにおいては、
伝搬遅延を考慮する必要がある。しかしながら、伝搬遅
延対策は容易なので、以下の説明では、伝搬遅延は考慮
しないこととする。
【0059】I.移動局の制御手順 移動局の測定部61は、通信開始と同時に平均受信レベ
ルの測定を開始する。すなわち、図10のステップSP
1において、測定周期番号k=1に初期設定し、ステッ
プSP2において、予め定められた測定周期Tごとに、
実測定時間Tkおよび平均受信レベルQk を測定する。
測定された平均受信レベルQk は、実測定時間Tk とと
もに、ステップSP3において、送信部73を通して基
地局に報告される。この処理は、ステップSP4におい
て、通信終了が検出されるまで継続される。すなわち、
通信継続中は、ステップSP5において測定周期T経過
を検出する毎に、ステップSP6において測定周期番号
kをインクリメントし、ステップSP2における測定を
継続する。こうして、基地局が送信電力P0 ,P1,…
で送信したときの、移動局における平均受信レベルQ
1 ,Q2 ,…、および実測定時間T1 ,T2 ,…が基地
局に送信される。このときの信号フォーマットが、図6
に示すものであることは、既に説明した。
【0060】II.基地局の制御手順 1.初期手順 基地局は、図11のステップSP11において初期設定
した後、ステップSP12において、予め定められた初
期送信電力P0 で送信を開始する。基地局は、移動局か
ら平均受信レベル報告を受信するまで、同じ送信電力で
送信し続ける。初期送信電力P0 としては、基地局の最
大送信電力、または移動局の種類に合わせて予め定めら
れた送信電力などを採用することができる。
【0061】2.第k回目の送信電力制御手順 基地局の受信部27は、ステップSP13において、移
動局からの次回報告が受信されたか否かをチェックす
る。次回報告が受信されると、受信部27は、ステップ
SP14で、測定周期番号kをインクリメント(+1)
する。また、ステップSP15において、移動局から
の、第k回平均受信レベルQk と実測定時間Tk を抽出
し、演算部31に供給する。
【0062】演算部31の総測定時間演算部311は、
ステップSP16において、総測定時間tk を計算す
る。これは、前回までの総測定時間tk-1 に今回の実測
定時間Tk を加算した値である。演算部31の測定誤差
演算部315は、ステップSP17において、移動局の
受信レベル測定誤差ΔDk を計算し、補正平均受信レベ
ル演算部313は、ステップSP18において、補正平
均受信レベルRk を計算する。また、演算部31の送信
電力制御量演算部319は、ステップSP19におい
て、今回の送信電力制御量ΔPk を計算する。これらの
補正平均受信レベルRk 、送信電力制御量ΔPk 、およ
び総測定時間tk は、ステップSP20において、記憶
部33に記憶される。これらは、次回の補正平均受信レ
ベルを計算するために必要な値である。ステップSP2
1において、制御部35の送信電力演算部351は、今
回の送信電力Pk を計算し、送信増幅器45の送信電力
がこの値となるように制御する。
【0063】ステップSP22において、受信部27
は、通信が継続されているか否かを検出し、通信が終了
した場合には、処理終了とする。一方、通信継続中は、
ステップSP13に戻り、移動局からの次回報告の受信
を待つ。次回報告を受信すると、ステップSP14でk
をインクリメントし、同様の処理を繰り返す。
【0064】この実施例によれば、送信電力演算に、実
測定時間Tk 内の平均受信レベルQk に代えて、総測定
時間tk にわたる補正平均受信レベルRk を用いている
ので、平均受信レベル算出のための測定時間が長くな
る。この結果、従来より正確な送信電力を求めることが
可能となった。
【0065】なお、上記実施例においては、補正平均受
信レベルRk を(2)式で求めたが、これに限定されな
い。たとえば、(2)式の右辺第1項と、(4)式とに
注目すれば、
【0066】
【数14】 Rk-1 +ΔPk-1 =Rref +ΔEk-1 (6) であるから、この式の右辺を(2)式に代入して、補正
平均受信レベルRk を求めることもできる。すなわち、
【0067】
【数15】 Rk ={(Rref +ΔEk-1 )tk-1 +Qk ×Tk }/tk (7) によって、補正平均受信レベルRk を求めることが可能
である。この場合は、(6)式の左辺の値を記憶する代
わりに、総誤差ΔEk を記憶するだけで済む。
【0068】実施例2 図12および図13は、本発明による移動体衛星通信シ
ステムの第2実施例を示すブロック図であり、図12は
基地局、図13は移動局を示している。本実施例は、補
正平均受信レベルRk および測定誤差ΔDk を、移動局
側で求めて、基地局に送信するようにしている。本実施
例が、第1実施例と異なる主な点は、次の通りである。
【0069】(1)基地局の記憶部33が削除されてい
る点。
【0070】(2)基地局の制御部35が、送信電力制
御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とを加算して、今回送
信電力Pk を求めるとともに、送信電力制御量ΔPk
を、送信部43を介して、移動局に送信する点。
【0071】(3)移動局側に演算部63と記憶部65
とを設けた点。
【0072】(4)演算部63は、受信部57から供給
される受信信号から送信電力制御量ΔPk-1 を抽出し、
測定部61から供給される実測定時間Tk および平均受
信レベルQk と、記憶部65に記憶されている、前回の
補正平均受信レベルRk-1 および総測定時間tk-1 と、
受信部57から供給される送信電力制御量ΔPk-1 とか
ら、今回の補正平均受信レベルRk を求める点。
【0073】(5)移動局が、補正平均受信レベルRk
を、送信部73を介して、基地局に送信する点。
【0074】図14は、移動局の演算部63の内部構成
を示すブロック図である。
【0075】演算部63は、総測定時間演算部631、
補正平均受信レベル演算部633、および測定誤差演算
部635を有している。
【0076】総測定時間演算部631は、実測定時間T
k の総和である総測定時間tk を計算する。総測定時間
k は、補正平均受信レベル演算部633、測定誤差演
算部635、および記憶部65に供給される。測定誤差
演算部635は、総測定時間における、移動局の受信レ
ベル測定誤差ΔDk を計算する。これらの演算部631
および635の機能は、第1実施例の基地局における対
応演算部311および315と同様である。
【0077】補正平均受信レベル演算部633は、次式
で与えられる補正平均受信レベルRk を計算する。
【0078】
【数16】、 Rk ={(Rk-1 +ΔPk-1 )tk-1 +Qkk }/tk −ΔDk (8) すなわち、前回測定完了時点までの補正平均受信レベル
k-1 を、送信電力制御量ΔPk-1 で補正したものと、
今回の平均受信レベルQk との時間平均をとって得た値
から、受信レベル測定誤差ΔDk を減じて、今回の補正
平均受信レベルRk としている。ここで、前回測定完了
時点までの総測定時間tk-1 、および補正平均受信レベ
ルRk-1 は、記憶部65から供給される。また、送信電
力制御量ΔPk-1 は、基地局から送信され、受信部57
を介して供給される。さらに、受信レベル測定誤差ΔD
k は、測定誤差演算部635から供給され、今回測定完
了時点までの総測定時間tk は、総測定時間演算部63
1から、今回実測定時間Tk および今回平均受信レベル
k は、測定部61から供給される。
【0079】こうして求めた補正平均受信レベルRk
および総測定時間tk は記憶部65に記憶される。これ
らは、次回の補正平均受信レベルを計算するために必要
なデータである。
【0080】一方、基地局の演算部31は、次式で与え
られる今回の送信電力制御量ΔPkを計算する。
【0081】
【数17】 ΔPk =Rref −Rk +ΔSk (9) ここで、ΔSk は、基地局の送信電力を制御するアッテ
ネータのステップ値に起因するレベル設定誤差である。
こうして、今回の送信電力制御量ΔPk が、受信レベル
目標値およびレベル設定誤差の和と、今回の補正平均受
信レベルとの差として計算される。
【0082】基地局の制御部35は、次の式で、今回の
送信電力Pk を計算する。
【0083】
【数18】 Pk =Pk-1 +ΔPk (10) すなわち、前回の送信電力Pk-1 に、今回の送信電力制
御量ΔPk を加えて、今回の送信電力Pk を求める。そ
して、送信増幅器45の送信電力がPk となるように制
御する。
【0084】基地局の送信部43は、制御部35から供
給された送信電力制御量ΔPk を、移動局へ送信する。
これは、移動局が補正平均受信レベルRk を計算するの
に必要な値である。
【0085】図15および図16は、第2実施例におけ
る送信電力制御の動作をさらに詳しく説明するためのフ
ローチャートであり、図15は基地局の動作を示し、図
16は移動局の動作を示している。
【0086】I.基地局の制御手順 1.初期手順 基地局は、図15のステップSP31において初期設定
した後、ステップSP32において、予め定められた初
期送信電力P0 で送信を開始する。基地局は、移動局か
ら補正平均受信レベルRk を受信するまで、同じ送信電
力で送信し続ける。初期送信電力P0 としては、基地局
の最大送信電力、または移動局の種類に合わせて予め定
められた送信電力などを採用することができる。
【0087】2.第k回目の送信電力制御手順 基地局の受信部27は、ステップSP33において、移
動局からの次回報告が受信されたか否かをチェックす
る。次回報告が受信されると、ステップSP34で、測
定周期番号kをインクリメント(+1)し、ステップS
P35において、移動局からの、第k回補正平均受信レ
ベルRk を抽出する。ついで、ステップSP36におい
て、演算部31は、(9)式によって、今回の送信電力
制御量Pk計算する。ステップSP37において、基地
局の制御部35は、(10)式によって、今回の送信電
力ΔPk を計算する。そして、ステップSP38におい
て、送信増幅器45の送信電力がPk となるように制御
する。
【0088】ステップSP39において、基地局の送信
部43は、制御部35から供給された送信電力制御量Δ
k を、移動局へ送信する。これは、移動局が補正平均
受信レベルRk を計算するのに必要な値である。
【0089】ステップSP40において、受信部27
は、通信が継続されているか否かを検出し、通信が終了
した場合には、演算部31は処理終了とする。一方、通
信継続中は、ステップSP33に戻り、移動局からの次
回報告の受信を待つ。次回報告を受信すると、ステップ
SP34でkをインクリメントし、同様の処理を繰り返
す。
【0090】II.移動局の制御手順 移動局の測定部61は、通信開始と同時に平均受信レベ
ルの測定を開始する。すなわち、図16のステップSP
51において、初期設定した後、ステップSP52にお
いて、予め定められた測定周期Tごとに、実測定時間T
k および平均受信レベルQk を測定する。測定された平
均受信レベルQk は、実測定時間Tk とともに、演算部
63に供給される。
【0091】演算部63の総測定時間演算部631は、
ステップSP53において、総測定時間tk を計算す
る。これは、前回までの総測定時間tk-1 に、今回の実
測定時間Tk を加算した値である。ステップSP54に
おいて、演算部63の測定誤差演算部635は、(1)
式によって、移動局の受信レベル測定誤差ΔDk を計算
する。ステップSP55において、受信部57は、受信
信号中から、前回の送信電力制御量ΔPk-1 を抽出す
る。また、ステップSP56において、演算部63の補
正平均受信レベル演算部633は、補正平均受信レベル
k を計算する。
【0092】ステップSP57において、総測定時間t
k 、補正平均受信レベルRk および測定誤差ΔDk が記
憶部65に記憶される。これらは、次回の補正平均受信
レベルを計算するために必要な値である。ステップSP
58において、演算部63は、送信部73を通して、補
正平均受信レベルRk を基地局に報告する。
【0093】上述した処理は、ステップSP59におい
て、通信終了が検出されるまで継続される。すなわち、
通信継続中は、ステップSP60において測定周期T経
過を検出する毎に、ステップSP61において測定周期
番号kをインクリメントし、ステップSP52以下の処
理を継続する。
【0094】本実施例によれば、補正平均受信レベルの
演算が、各移動局に分散されるので、基地局の演算負荷
が軽減される利点がある。
【0095】なお、上記実施例においては、補正平均受
信レベルRk を(8)式で求めたが、これに限定されな
い。たとえば、(8)式の右辺第1項と、(9)式とに
注目すれば、
【0096】
【数19】 Rk-1 +ΔPk-1 =Rref +ΔSk-1 (11) であるから、この式の右辺を(8)式に代入して、補正
平均受信レベルRk を求めることもできる。すなわち、
【0097】
【数20】 Rk ={(Rref +ΔSk-1 )tk-1 +Qkk }/tk (12) によって、補正平均受信レベルRk を求めることが可能
である。この場合は、(12)式の左辺の値を記憶する
代わりに、レベル設定誤差ΔSk を記憶するだけで済
む。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
実測定時間が順次加算され総測定時間が求められる。ま
た、総測定時間における、移動局の補正平均受信レベル
が計算される。移動体衛星通信システムでは、受信レベ
ルの測定誤差は、測定時間の平方根に反比例することが
知られている。したがって、個々の測定周期において平
均受信レベルを求めていた従来システムと比較して、本
発明によるシステムでは、受信レベルの測定誤差を減少
させることができ、正確な送信電力制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、セルラシステムにおけるマルチパス
フェージングを説明するための概念図、(B)は、セル
ラシステムにおける移動局の受信レベル変動の一例を示
すグラフである。
【図2】セルラシステムにおける下りチャネルの送信電
力制御タイミングの一例を示す線図である。
【図3】(A)は、移動体衛星通信システムにおける電
波伝搬の様子を示す概念図、(B)は、移動体衛星通信
システムにおける移動局の受信レベルの変動の一例を示
すグラフである。
【図4】本発明による移動体衛星通信システムの第1実
施例における基地局を示すブロック図である。
【図5】本発明による移動体衛星通信システムの第1実
施例における移動局を示すブロック図である。
【図6】受信レベル報告情報のフォーマット例を示す概
念図である。
【図7】第1実施例における基地局の演算部および制御
部の内部構成を示すブロック図である。
【図8】第1実施例における移動局の測定部の内部構成
を示すブロック図である。
【図9】第1実施例における下りチャネルの送信電力制
御タイミングの一例を示す線図である。
【図10】第1実施例における移動局の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図11】第1実施例における基地局の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図12】本発明による移動体衛星通信システムの第2
実施例における基地局を示すブロック図である。
【図13】本発明による移動体衛星通信システムの第2
実施例における移動局を示すブロック図である。
【図14】第2実施例における移動局の演算部の内部構
成を示すブロック図である。
【図15】第2実施例における基地局の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図16】第2実施例における移動局の動作を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 基地局 2 移動局 21 アンテナ 23 アンテナ共用器 25 受信増幅器 27 受信部 31 演算部 33 記憶部 35 制御部 43 送信部 45 送信増幅器 51 アンテナ 53 アンテナ共用器 55 受信増幅器 57 受信部 61 測定部 73 送信部 75 送信増幅器 311,631 総測定時間演算部 313,633 補正平均受信レベル 315,635 測定誤差演算部 317 総誤差演算部 319 送信電力制御量演算部 351 送信電力演算部 611 測定周期制御部 613 受信レベル測定部
フロントページの続き (72)発明者 児玉 英司 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 エ ヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社内 (72)発明者 大野 禎久 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 エ ヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−147924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/14 - 7/26 102

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地局と移動局とを通信衛星を介して接
    続する移動体衛星通信システムにおいて、 前記移動局は、 予め定められた測定周期Tにおける、実測定時間Tk
    よび平均受信レベルQk (k=1,2…)を求める測定
    手段と、 前記実測定時間Tk および前記平均受信レベルQk を前
    記基地局に報告する送信手段とを備え、 前記基地局は、 前記移動局からの信号を受信し、受信信号の中から、前
    記実測定時間Tk および前記平均受信レベルQk を抽出
    する手段と、 前記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算
    する手段と、 前記総測定時間tk における平均受信レベルの測定誤差
    ΔDk を求める手段と、 前回測定完了時点における、前記総測定時間tk-1 、補
    正平均受信レベルRk-1 および送信電力制御量ΔPk-1
    を格納する記憶手段と、 前記補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量Δ
    k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
    k 、前記実測定時間Tk および総測定時間tk に基づい
    て、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平均受信
    レベルRk を求める手段と、 予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
    ref と前記補正平均受信レベルRk との差、および前記
    測定誤差ΔDk に基づいて、前記基地局の送信電力制御
    量ΔPk を求める手段と、 前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから
    今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づ
    いて、前記基地局の送信電力を制御する手段とを具備す
    ることを特徴とする移動体衛星通信システム。
  2. 【請求項2】 前記基地局は、さらに、前記送信電力の
    初期値P0を予め定められた値に設定する手段を具備す
    ることを特徴とする請求項1に記載の移動体衛星通信シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記送信電力制御量を求める手段は、前
    記平均受信レベル目標値Rref と前記補正平均受信レベ
    ルRk との差に、前記測定誤差ΔDk を加えて、前記基
    地局の今回送信電力制御量ΔPk を求めることを特徴と
    する請求項1に記載の移動体衛星通信システム。
  4. 【請求項4】 前記送信電力制御量を求める手段は、前
    記平均受信レベル目標値Rref と前記補正平均受信レベ
    ルRk との差に、前記測定誤差ΔDk と前記基地局にお
    けるレベル設定誤差ΔSk との和を加えて、前記基地局
    の今回送信電力制御量ΔPk を求めることを特徴とする
    請求項1に記載の移動体衛星通信システム。
  5. 【請求項5】 前記測定誤差を求める手段は、予め設定
    された値Cを前記総測定時間tk の平方根で割って、前
    記測定誤差ΔDk を求めることを特徴とする請求項1に
    記載の移動体衛星通信システム。
  6. 【請求項6】 前記補正平均受信レベルを求める手段
    は、次式によって、前記補正平均受信レベルRk を求め
    ることを特徴とする請求項1に記載の移動体衛星通信シ
    ステム。 【数1】 Rk ={(Rk-1 +ΔPk-1 )tk-1 +Qkk }/tk
  7. 【請求項7】 基地局と移動局とを通信衛星を介して接
    続する移動体衛星通信システムにおいて、 前記移動局は、 予め定められた測定周期Tにおける、実測定時間Tk
    よび平均受信レベルQk (k=1,2…)を求める測定
    手段と、 前記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算
    する手段と、 前記総測定時間tk における前記平均受信レベルの測定
    誤差ΔDk を求める手段と、 前回測定完了時点における、前記総測定時間tk-1 およ
    び補正平均受信レベルRk-1 を格納する記憶手段と、 前記基地局から前記移動局に送信された信号中から送信
    電力制御量ΔPk-1を抽出する手段と、 前記補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量Δ
    k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
    k 、前記実測定時間Tk 前記総測定時間tkおよび前記
    測定誤差ΔDk に基づいて、前記移動局の今回測定完了
    時点までの補正平均受信レベルRk を求める手段と、 前記補正平均受信レベルRk を前記基地局に報告する送
    信手段とを備え、 前記基地局は、 前記移動局からの信号を受信し、受信信号の中から、前
    記補正平均受信レベルRk を抽出する手段と、 予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
    ref と前記補正平均受信レベルRk との差、および予め
    記憶されたレベル設定誤差ΔSk に基づいて、前記基地
    局の送信電力制御量ΔPk を求める手段と、 前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから
    今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づ
    いて、前記基地局の送信電力を制御する手段と、 今回送信電力制御量ΔPk を前記移動局へ送信する手段
    とを具備することを特徴とする移動体衛星通信システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記移動局は、さらに、前記送信電力の
    初期値P0 を予め定められた値に設定する手段を具備す
    ることを特徴とする請求項7に記載の移動体衛星通信シ
    ステム。
  9. 【請求項9】 前記送信電力制御量を求める手段は、前
    記平均受信レベル目標値Rref と前記補正平均受信レベ
    ルRk との差に、前記レベル設定誤差ΔSkを加えて、
    前記基地局の今回送信電力制御量ΔPk を求めることを
    特徴とする請求項7に記載の移動体衛星通信システム。
  10. 【請求項10】 前記測定誤差を求める手段は、予め設
    定された値Cを前記総測定時間tk の平方根で割って、
    前記測定誤差ΔDk を求めることを特徴とする請求項7
    に記載の移動体衛星通信システム。
  11. 【請求項11】 前記補正平均受信レベルを求める手段
    は、次式によって、前記補正平均受信レベルRk を求め
    ることを特徴とする請求項7に記載の移動体衛星通信シ
    ステム。 【数2】 Rk ={(Rk-1 +ΔPk-1 )tk-1 +Qkk }/tk −ΔDk
  12. 【請求項12】 基地局と移動局とを通信衛星を介して
    接続する移動体衛星通信システムにおいて、 前記移動局で求められ、かつ前記移動局から前記基地局
    に送信された、予め定められた測定周期Tにおける、実
    測定時間Tk および平均受信レベルQk (k=1,2
    …)を、受信信号の中から抽出する手段と、 前記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算
    する手段と、 前記総測定時間tk における平均受信レベルの測定誤差
    ΔDk を求める手段と、 前回測定完了時点における、総測定時間tk-1 、補正平
    均受信レベルRk-1 および送信電力制御量ΔPk-1 を格
    納する記憶手段と、 前記補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量Δ
    k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
    k 、前記実測定時間Tk および総測定時間tk に基づい
    て、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平均受信
    レベルRk を求める手段と、 予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
    ref と前記補正平均受信レベルRk との差、および前記
    測定誤差ΔDk に基づいて、前記基地局の送信電力制御
    量ΔPk を求める手段と、 前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから
    今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づ
    いて、前記基地局の送信電力を制御する手段とを具備す
    ることを特徴とする移動体衛星通信システムにおける基
    地局。
  13. 【請求項13】 基地局と移動局とを通信衛星を介して
    接続する移動体衛星通信システムにおいて、 予め定められた測定周期Tにおける、実測定時間Tk
    よび平均受信レベルQk (k=1,2…)を求める測定
    手段と、 前記実測定時間Tk および前記平均受信レベルQk を前
    記基地局に報告する送信手段とを具備することを特徴と
    する移動局。
  14. 【請求項14】 基地局と移動局とを通信衛星を介して
    接続する移動体衛星通信システムにおいて、 予め定められた測定周期Tにおける、実測定時間Tk
    よび平均受信レベルQk (k=1,2…)を求める測定
    手段と、 前記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算
    する手段と、 前記総測定時間tk における平均受信レベルの測定誤差
    ΔDk を求める手段と、 前回測定完了時点における、前記総測定時間tk-1 およ
    び補正平均受信レベルRk-1 を格納する記憶手段と、 前記基地局から前記移動局に送信された信号中から送信
    電力制御量ΔPk-1 を抽出する手段と、 前記補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量Δ
    k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
    k 、前記実測定時間Tk 前記総測定時間tk および前記
    測定誤差ΔDk に基づいて、前記移動局の今回測定完了
    時点までの補正平均受信レベルRk を求める手段と、 前記補正平均受信レベルRk を前記基地局に報告する送
    信手段とを具備することを特徴とする移動体衛星通信シ
    ステムにおける移動局。
  15. 【請求項15】 基地局と移動局とを通信衛星を介して
    接続する移動体衛星通信システムにおいて、 前記移動局からの信号を受信し、受信信号の中から、補
    正平均受信レベルRkを抽出する手段と、 予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
    ref と前記補正平均受信レベルRk との差、および予め
    記憶されたレベル設定誤差ΔSk に基づいて、前記基地
    局の送信電力制御量ΔPk を求める手段と、 前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから
    今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づ
    いて、前記基地局の送信電力を制御する手段と、 今回送信電力制御量ΔPk を前記移動局へ送信する手段
    とを具備することを特徴とする移動体衛星通信システム
    における基地局。
  16. 【請求項16】 基地局と移動局とを通信衛星を介して
    接続する移動体衛星通信システムにおいて、 前記移動局は、 予め定められた測定周期Tにおける、実測定時間Tk
    よび平均受信レベルQk (k=1,2…)を求める測定
    手段と、 前記実測定時間Tk および前記平均受信レベルQk を前
    記基地局に報告する送信手段とを備え、 前記基地局は、 前記移動局からの信号を受信し、受信信号の中から、前
    記実測定時間Tk および前記平均受信レベルQk を抽出
    する手段と、 前記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算
    する手段と、 前記総測定時間tk における前記平均受信レベルの測定
    誤差ΔDk を求める手段と、 前記測定誤差ΔDk と予め定められたレベル設定誤差Δ
    k とを加えて総誤差ΔEk を求める手段と、 前回測定完了時点における、総測定時間tk-1 、補正平
    均受信レベルRk-1および送信電力制御量ΔPk-1 を格
    納する記憶手段と、 予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
    ref 、前記総誤差ΔEk、前記総測定時間tk-1 、前記
    平均受信レベルQk 、前記実測定時間Tk および総測定
    時間tk に基づいて、 【数3】 Rk ={(Rref +ΔEk-1 )tk-1 +Qkk }/tk によって、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平
    均受信レベルRk を求める手段と、 前記平均受信レベル目標値Rref と前記補正平均受信レ
    ベルRk との差、および前記総誤差ΔEk に基づいて、
    前記基地局の送信電力制御量ΔPk を求める手段と、 前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから
    今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づ
    いて、前記基地局の送信電力を制御する手段とを具備す
    ることを特徴とする移動体衛星通信システム。
  17. 【請求項17】 基地局と移動局とを通信衛星を介して
    接続する移動体衛星通信システムにおいて、 前記移動局は、 予め定められた測定周期Tにおける、実測定時間Tk
    よび平均受信レベルQk (k=1,2…)を求める測定
    手段と、 前記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算
    する手段と、 前記総測定時間tk における前記平均受信レベルの測定
    誤差ΔDk を求める手段と、 前回測定完了時点における、総測定時間tk-1 および補
    正平均受信レベルRk-1 を格納する記憶手段と、 前記基地局から前記移動局に送信された信号中から送信
    電力制御量ΔPk-1を抽出する手段と、 予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
    ref 、予め定められた基地局におけるレベル設定誤差Δ
    k 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
    k 、前記実測定時間Tk および総測定時間tk に基づい
    て、 【数4】 Rk ={(Rref +ΔSk-1 )tk-1 +Qkk }/tk によって、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平
    均受信レベルRk を求める手段と、 前記補正平均受信レベルRk を前記基地局に報告する送
    信手段とを備え、 前記基地局は、 前記移動局からの信号を受信し、受信信号の中から、前
    記補正平均受信レベルRk を抽出する手段と、 前記移動局の平均受信レベル目標値Rref 、前記補正平
    均受信レベルRk との差、および前記レベル設定誤差Δ
    k に基づいて、前記基地局の送信電力制御量ΔPk
    求める手段と、 前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから
    今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づ
    いて、前記基地局の送信電力を制御する手段と、 今回送信電力制御量ΔPk を前記移動局へ送信する手段
    とを具備することを特徴とする移動体衛星通信システ
    ム。
  18. 【請求項18】 基地局と移動局とを通信衛星を介して
    接続する移動体衛星通信システムにおいて、 前記移動局が、予め定められた測定周期Tにおける、実
    測定時間Tk および平均受信レベルQk (k=1,2
    …)を求める過程と、 前記実測定時間Tk および前記平均受信レベルQk を前
    記基地局に報告する過程と前記基地局が、前記移動局か
    らの信号を受信し、受信信号の中から、前記実測定時間
    k および前記平均受信レベルQk を抽出する過程と、 前記実測定時間Tk の総和である総測定時間tk を計算
    する過程と、 前記総測定時間tk における平均受信レベルの測定誤差
    ΔDk を求める過程と、 前回測定完了時点における、総測定時間tk-1 、補正平
    均受信レベルRk-1 および送信電力制御量ΔPk-1 を格
    納する過程と、 前記補正平均受信レベルRk-1 、前記送信電力制御量Δ
    k-1 、前記総測定時間tk-1 、前記平均受信レベルQ
    k 、前記実測定時間Tk および総測定時間tに基づい
    て、前記移動局の今回測定完了時点までの補正平均受信
    レベルR を求める過程と、 予め定められた前記移動局の平均受信レベル目標値R
    ref と前記補正平均受信レベルRk との差、および前記
    測定誤差ΔDk に基づいて、前記基地局の送信電力制御
    量ΔPk を求める過程と、 前記送信電力制御量ΔPk と前回送信電力Pk-1 とから
    今回送信電力Pk を求め、この今回送信電力Pk に基づ
    いて、前記基地局の送信電力を制御する過程とを具備す
    ることを特徴とする移動体衛星通信システムにおける送
    信電力制御方法。
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