JP2988550B2 - 金属ストリップコイルの内層除去装置 - Google Patents

金属ストリップコイルの内層除去装置

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JP2988550B2
JP2988550B2 JP3356432A JP35643291A JP2988550B2 JP 2988550 B2 JP2988550 B2 JP 2988550B2 JP 3356432 A JP3356432 A JP 3356432A JP 35643291 A JP35643291 A JP 35643291A JP 2988550 B2 JP2988550 B2 JP 2988550B2
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努 藤沼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、銅圧延材の如
き金属圧延材をスリッタ等によって幅方向に分割して得
られた金属ストリップをコイル巻きして形成された金属
ストリップコイルの内層を除去する装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】金属圧延材は、スリット等によって最終
幅に加工され、ドラム巻きされて金属ストリップコイル
として出荷される。この金属ストリップコイルを得るた
めに金属ストリップをドラムに巻き上げる際に金属スト
リップの内端はドラムにグリップされるのでこの内端が
折れる傾向があり、またこの金属ストリップをドラムに
巻付ける際及びドラムから抜き出す際にコイル最内層の
表面に擦り傷がつく。従って、金属ストリップコイルの
内端及び少なくともコイル最内層は、金属ストリップコ
イルのコイル本体から除去して出荷することが要求され
る。従来技術では、金属ストリップコイルの内端とコイ
ル最内層は、作業者の手でコイル本体から取り出し、カ
ッターで切断して除去されていた。
【0003】このように、従来技術では金属ストリップ
コイルのコイル内層を除去するために作業者の手作業を
必要とするので、作業効率が低く、また金属ストリップ
コイルが金属圧延材のスリット作業及びドラム巻きによ
って形成された後、バンド掛け、計量及びパレット積み
等が自動化することができるのに金属ストリップコイル
の内層除去作業のみが自動化できないため、金属ストリ
ップの一連の処理作業を連続的に行うことができない欠
点があった。
【0004】このため、本出願人は、先に、内端が内向
きに折曲げられている金属ストリップコイルの折曲げら
れている内端とコイル最内層との間に侵入してこの内端
をコイル内層から離反するように内向きに変位する仕分
け治具を有しこの仕分け治具を少なくとも約1周して少
なくともコイル最内層を隣接する次のコイル層から離反
して仕分けする仕分け手段と、このようにして仕分けら
れたコイル最内層を把持して金属ストリップコイルのコ
イル本体から抜き出す内層把持・抜出手段と、このよう
にしてコイル本体から抜き出されたコイル最内層とコイ
ル本体との間の金属ストリップ部分で切断してコイル最
内層をコイル本体から除去する切断手段と、仕分け手段
と内層把持・抜出手段と切断手段とを所定の順序で駆動
する駆動機構とを備えた金属ストリップコイルの内層除
去装置を提案している(特願平2−115178号参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この装置は、
仕分け治具を金属ストリップコイルの折り曲げられた内
端の内側に侵入させてコイル最内層を仕分けるので、仕
分け治具は金属ストリップコイルの内端の折り曲げ部分
の内側に侵入し損なって仕分けの失敗を起こす虞があ
り、また金属ストリップを切断する際にその切断端末が
飛び上って作業者に危険を与える虞がある。また、この
先行技術の装置に用いられている切断手段は、固定載置
台の上方にあって昇降するカッターから成っているの
で、このカッターは、切断時以外には上方に退避する外
に仕分け、コイル内層部分の把持及びその抜き出しの作
業に支障がないように脇に退避させなければならないの
で、カッターを作業位置と非作業位置との間を移動する
機構が複雑となって装置が大型で複雑化する欠点があっ
た。
【0006】本発明の目的は、上記の欠点を回避し、金
属ストリップコイルの内端と少なくともコイル最内層と
を確実に効率よく除去することができ、また簡単な設備
で安全に作業することができる金属ストリップコイルの
内層除去装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、内端が内向きに折曲げられている金属ストリッ
プコイルを載置する固定載置台と、この金属ストリップ
コイルの折曲げられている内端を金属ストリップコイル
のコイル本体の内側に摘み出す内端摘み手段と、このよ
うに摘み出された内端とコイル最内層との間に割り込む
割り込み治具を有しこの割り込み治具を少なくとも約1
周させて少なくともコイル最内層を隣接する次のコイル
層から離反してコイル内層部分をコイル本体から仕分け
する仕分け手段と、このようにして仕分けられたコイル
内層部分を把持して金属ストリップコイルのコイル本体
から抜き出す内層把持・抜出手段と、コイル本体から抜
き出されたコイル内層部分とコイル本体との間の金属ス
トリップ部分を切断してコイル内層部分をコイル本体か
ら除去するカッターから成る切断手段と、金属ストリッ
プ部分の切断前にコイル内層部分の上面に係合して金属
ストリップ部分の切断時に切断端末が飛び出すのを防止
する端末飛び出し防止部材を有する端末飛び出し防止手
段と、内端摘み手段と仕分け手段と内層把持・抜出手段
とを所定の順序で駆動する第1の駆動機構と、切断手段
と端末飛び出し防止手段とを所定の順序で駆動する第2
の駆動機構とを備え、内端摘み手段と仕分け手段と端末
飛び出し防止手段とは固定載置台の上方に配置され、第
1の駆動機構は、内端摘み手段と仕分け手段と内層把持
・抜出手段とを駆動するアームを有するロボットから成
っており、切断手段と端末飛び出し防止手段とは固定載
置台の下方に配置され、第2の駆動機構は、固定載置台
に載置された金属ストリップコイルの抜き出された金属
ストリップ部分の上面を抑えつつ金属ストリップ部分を
下方から切断するように端末飛び出し防止手段の端末飛
び出し防止部材と切断手段のカッターとを固定載置台の
作業孔を通して昇降する昇降駆動源を含むことを特徴と
する金属ストリップコイルの内層除去装置を提供するも
のである。
【0008】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段による金属ストリップコイルの内層除去装置
であって、内層把持・抜出手段は、仕分け手段の割り込
み治具の平坦面に対向して割り込み治具の平坦面との間
でコイル内層部分を挟む取出しクリップから成っている
ことを特徴とする金属ストリップコイルの内層除去装置
を提供することにある。
【0009】本発明の第3の課題解決手段は、第2の課
題解決手段による金属ストリップコイルの内層除去装置
であって、前記割り込み治具は、先端が楔状である平坦
面を有する菱形の横断面を有することを特徴とする金属
ストリップコイルの内層除去装置を提供することにあ
る。
【0010】
【作用】本発明の装置は、このように金属ストリップコ
イルの折曲げられている内端を摘んでこの内端とコイル
最内層との間に割り込み治具を容易に挿入することがで
き、従って少なくともコイル最内層をその内側の隣接す
るコイル内層から離反するようにコイル内層部分を確実
に仕分けすることができる。このように仕分けられたコ
イル内層部分を把持して金属ストリップコイルのコイル
本体から抜き出し、またこのように抜き出されたコイル
内層部分とコイル本体との間で金属ストリップ部分を切
断してコイル内層部分をコイル本体から除去するので、
金属ストリップコイルの除去すべきコイル内層部分を作
業者の手作業を必要とすることなく機械的に除去するこ
とができ、従って、金属ストリップコイルの内層処理を
効率よく行うことができる。
【0011】更に、このコイル内層部分を切除する際
に、金属ストリップの切断端末が飛び出すのが防止さ
れ、従って作業を安全に行うことができる。また、切断
手段及び端末飛び出し防止手段は、固定載置台の下側に
あって固定載置台の作業孔を通して昇降するだけでよい
のでこれらの手段を固定載置台の上方に配置する場合の
ように設備が複雑化したり大型化することがない。
【0012】また、内層把持・抜出手段は、仕分け手段
の割り込み治具の平坦面に対向して割り込み治具の平坦
面との間でコイル内層部分を挟む取出しクリップから成
っていると、仕分け手段と内層把持・抜出手段とが共用
されるので、設備が簡単となり、更にこの場合、割り込
み治具は、先端が楔状である平坦面を含む菱形の横断面
を有すると、切除すべきコイル内層部分を確実に把持す
ることができるので、コイル内層の除去を確実に行なう
ことができる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細にのべ
ると、図1及び図2は本発明の金属ストリップコイルの
内層除去装置10を含む一連の金属ストリップコイルの
処理系統を示し、金属圧延材をスリッタに掛けドラム巻
きして形成された金属ストリップコイル12は、積み台
14上に積み上げられ、吸盤から成る搬入手段16によ
って、リング抜き装置18に搬入される。リング抜き装
置18は、金属ストリップコイル12の内周のリングを
抜き、このようにしてリングが抜き取られた金属ストリ
ップコイル12は、搬送装置20によって本発明の内層
除去装置10に搬入される。本発明の装置によってコイ
ル内層部分が除去された金属ストリップコイル12は、
その後バンド掛け・計量装置22に送られてバンド掛
け、計量された後、吸盤から成る搬出装置24によりパ
レット積み装置26に搬送される。
【0014】本発明の金属ストリップコイルの内層除去
装置10は、図3に概略的に示されている。この内層除
去装置10は、金属ストリップコイル12を載置する固
定載置台28と、この金属ストリップコイル12の折曲
げられている内端12a(図12参照)を金属ストリッ
プコイル12のコイル本体13の内側に摘み出す内端摘
み手段30と、このように摘み出された内端12aとコ
イル最内層12A(図14参照)との間の隙間12bに
割り込んで少なくともコイル最内層12Aをコイル本体
13から仕分けする仕分け手段32と、このようにして
仕分けられたコイル内層部分12Dを把持して金属スト
リップコイル12のコイル本体13から抜き出す内層把
持・抜出手段34とを備えている。
【0015】また、本発明の内層除去装置10は、コイ
ル本体13から抜き出されたコイル内層部分12Dとコ
イル本体13との間の金属ストリップ部分12cを切断
してコイル内層部分12Dをコイル本体13から除去す
るカッター36から成る切断手段38と、金属ストリッ
プ部分12cの切断前にコイル内層部分12Dの上面に
係合して金属ストリップの切断時に切断端末が飛び出す
のを防止する端末飛び出し防止部材40を有する端末飛
び出し防止手段42とを備えている。
【0016】本発明の内層除去装置10は、内端摘み手
段30と仕分け手段32と内層把持・抜出手段34とを
所定の順序で駆動する第1の駆動機構44と、切断手段
38と端末飛び出し防止手段42とを所定の順序で駆動
する第2の駆動機構46とを更に備えている。
【0017】内端摘み手段30と仕分け手段32と内層
把持・抜出手段34とは固定載置台28の上方に配置さ
れている。第1の駆動機構44は、内端摘み手段30と
仕分け手段32と内層把持・抜出手段34とを駆動する
アーム48を有するロボット50から成っている。図示
の実施例では、第1の駆動機構44は、図4に示すよう
に、内端摘み手段30を金属ストリップコイル12の内
端12aに誘導する内端検出センサ52から成る誘導手
段54を含んでいる。
【0018】また、切断手段38と端末飛び出し防止手
段42とは固定載置台28の下方に配置されている。第
2の駆動機構46は、固定載置台28上に載置された金
属ストリップコイル12の抜き出されたコイル内層部分
12Dとコイル本体13との間の切断すべき金属ストリ
ップ部分12cの上面を抑えつつ金属ストリップ部分1
2cを下方から切断するように端末飛び出し防止手段4
2の端末飛び出し防止部材40と切断手段38のカッタ
ー36とを固定載置台28の作業孔28aを通してそれ
ぞれ昇降する昇降駆動源56、58(図10参照)を含
んでいる。
【0019】第1の駆動機構44は、図4乃至図6に示
すように、ロボット50のアーム48の先端にリスト6
0を介して取り付けられてハンド62を構成する第1と
第2の昇降用シリンダ64、66から成り、第1の昇降
用シリンダ64は、後にのべるように内端摘み手段30
と誘導手段54とを昇降するようにこれらの手段30、
54を保持している。また、第2の昇降用シリンダ66
は、仕分け手段32と内層把持・抜出手段34を昇降す
るようにこれらの手段32、34を保持している。
【0020】内端摘み手段30は、1対の摘みクランプ
68、68’から成り、第1の駆動機構44は、第1の
昇降用シリンダ64のピストン64aに取り付けられて
内端摘み手段30の1対の摘みクランプ68、68’を
開閉する開閉シリンダ70を更に備えている。
【0021】誘導手段54は、特に図4及び図5から解
るように、昇降用シリンダ64のピストン64aにブラ
ケット72を介して取り付けられた昇降用シリンダ74
を備え、内端検出センサ52は、この昇降用シリンダ7
4のピストン74aにブラケット76を介して取付けら
れている。従って、内端摘み手段30の1対の摘みクラ
ンプ68、68’は、内端検出センサ52と共に昇降す
ることができるが、内端検出センサ52は、単独でも昇
降することができる。
【0022】仕分け手段32は、図7乃至図9に示すよ
うに、金属ストリップコイル12の内端12aが内側に
摘み出されて形成された内端12aとコイル最内層12
Aとの間の隙間12b(図14参照)に係入して金属ス
トリップコイル12の内端12aから始まるコイル最内
層12Aとコイル本体13との間に割り込む割り込み治
具78を有する。この割り込み治具78は、昇降用シリ
ンダ66のピストンに設けられたブラケット79にピン
77によって枢動自在に取り付けられている。この割り
込み治具78は、ロボット50のアーム48の運動によ
って金属ストリップコイル12の内周に沿って1〜6周
するようになっている。図示の実施例では、図15から
解るように、割り込み治具78は、一例として約2.2
5周してコイル最内層12Aと次のコイル内層12Bと
を隣接する次のコイル層12Cから離反してこれらのコ
イル内層部分12Dをコイル本体13から仕分けしてい
る。尚、この割り込み治具78は、折曲げられた内端1
2aとコイル最内層12Aとの間に侵入し易くするため
に、先端が楔78aとなっている平坦面78bを含み、
図示の実施例では楔78aが両端にある略菱形の横断面
を有する。
【0023】内層把持・抜出手段34は、仕分けされた
金属ストリップコイル12のコイル層12A、12B
(コイル内層部分12D)を割り込み治具78と共に把
持する取出しクランプ80から成っている。この取出し
クランプ80は、特に図5に示すように、仕分け手段3
2のブラケット79にピン80aで枢支され、この取出
しクランプ80が、図5及び図8に示すように、ピン8
0aを中心に枢動して割り込み治具78の平坦面78b
にコイル内層部分12Dを挟んで閉じて仕分けされたコ
イル内層部分12D把持する。ロボット38のハンド4
0は、このようにして把持されたコイル内層部分12D
を持ち上げるように移動してコイル内層部分12Dをコ
イル本体13から抜き出す。
【0024】この内層把持・抜出手段34は、取出しク
ランプ80を開閉する開閉シリンダ82を備え、この開
閉シリンダ82は、昇降用シリンダ66のピストンに斜
めに取り付けられ、そのピストン82aは、取出しクラ
ンプ80の上端80bにピン80cで枢支されている。
【0025】切断手段38と端末飛び出し防止手段42
とは、図9乃至図11に示すように、ユニットフレーム
83に一体に搭載されてユニット84を構成している。
第2の駆動機構46は、このユニットフレーム83を図
11の左右に水平移動するユニット可動手段86を含
み、このユニット可動手段86は、ハンドル88を有す
るハンドル軸90と、このハンドル軸90にベベルギヤ
92を介して接続されたスクリュー94とから成り、ス
クリュー94は、このユニットフレーム83をねじ貫通
している。尚、このユニットフレーム83は、ガイドレ
ール96に沿って摺動するようにこのガイドレール96
に係合している。第2の駆動機構46の昇降駆動源5
6、58は、ユニットフレーム83に搭載された昇降用
シリンダ56A、58Aから成っている。尚、図11に
おいて記号Xは固定載置台28の上に位置する金属スト
リップコイル12の中心を示す。
【0026】切断手段38は、そのカッター36を開閉
する開閉シリンダ98を備え、この開閉シリンダ98
は、昇降用シリンダ56Aのピストン56aに取付けら
れた可動フレーム100に支持されている。図9におい
て符号102は可動フレーム100の昇降を案内する案
内ロッドを示す。従って、この切断手段38は、昇降用
シリンダ56Aによって作業孔28aを通して昇降し、
また開閉シリンダ98によって金属ストリップ部分12
cを切断することができる。
【0027】端末飛び出し防止手段42は、その端末飛
び出し防止部材40を取付けた可動フレーム104を有
し、この可動フレーム104は、昇降用シリンダ58A
のピストン58aに取付けられている。また、可動フレ
ーム104には端末飛び出し防止部材40をその軸線を
中心に旋回する空圧式ロータリーアクチュエータ106
が搭載されている。従って、端末飛び出し防止手段42
は、昇降用シリンダ58Aによって作業孔28aを通し
て昇降し、また空圧式ロータリーアクチュエータ106
によって端末飛び出し防止部材40を旋回してこの端末
飛び出し防止部材40が金属ストリップ部分12cの上
面に係合することができるようにしている。
【0028】図示の実施例では、切断手段38及び端末
飛び出し防止手段42を切断すべき金属ストリップ部分
12cに案内するために、図9乃至図11に示すよう
に、2本のガイドバー108、108’から成るユニッ
トガイド手段110を備えている。このユニットガイド
手段110は、2本のガイドバー108、108’を取
付けた昇降用シリンダ112を含む。従って、内層把持
・抜出手段34は、切断手段38及び端末飛び出し防止
手段42が切断すべき金属ストリップ部分12cに対し
て所定の位置となるように、切断すべき金属ストリップ
部分12cの外周がこれらの2本のガイドバー108、
108’に係合するまで変位する。
【0029】図示の実施例では、内層除去装置10は、
コイル内層部分12Dが除去されて残された金属ストリ
ップの内端末12Eを矯正する端末矯正手段114を更
に備えている(図17参照)。この端末矯正手段114
は、仕分け手段32の割り込み治具78が兼用されて、
この割り込み治具78を金属ストリップの内端末をコイ
ル本体13の正しい内周に沿わせるように仕分け時と反
対方向に回転して内端末12Eを矯正している。
【0030】本発明の内層除去装置10は、内端摘み手
段30、仕分け手段32、内層把持・抜出手段34、切
断手段38、端末飛び出し防止手段42及び端末矯正手
段114を所定の順序で動作する図示しない制御手段を
備えている。この制御手段は、電気制御系統とこの電気
制御系統によって駆動される流体制御系統とから成って
いる。
【0031】次に、本発明のコイル内層除去装置10の
動作を図12から図17を参照して詳細に説明する。既
にのべたように、内層を除去すべき金属ストリップコイ
ル12は、図12に示すように、搬送装置20によって
コイル内層除去装置10の固定載置台28に搬入される
が、金属ストリップコイル12が固定載置台28の作業
孔28aに合わせて所定位置に達すると、図示しない材
料センサがこれを検出し、制御手段が始動する。
【0032】制御手段は、ロボット50のアーム48が
旋回してそのハンド62を作業位置に移動し、先ず昇降
用シリンダ64のピストン64aが下降して誘導手段5
4と内端摘み手段30とを作業位置の直上まで下降し、
この状態から誘導手段54の内端検出センサ52をその
昇降用シリンダ72のピストン72aの伸長によって更
に金属ストリップコイル12に係合する位置まで下降
し、アーム48は、この内端検出センサ52が金属スト
リップコイル12の内周に沿って変位するように回転す
る。この誘導手段54の内端検出センサ52が図13に
示すように金属ストリップコイル12の内端12aに接
触すると、ハンド62は停止し、誘導手段54の内端検
出センサ52が昇降用シリンダ72のピストン72aの
収縮によって上昇し、それと引き換えに、図14に示す
ように、内端摘み手段30の1対の摘みクランプ68、
68’が開閉シリンダ70のピストンの収縮によって金
属ストリップコイル12の検出された内端12aを摘ん
で金属ストリップコイル12の中心に向かって摘み出
す。従って、金属ストリップコイル12の内端12aと
コイル最内層12Aとの間に隙間12bが形成される。
【0033】次いで、制御手段は、仕分け手段32の昇
降用シリンダ66のピストン66aを伸長してその割り
込み治具78を隙間12bに挿入する。それと引き換え
に、内端摘み手段30の開閉シリンダ70のピストンが
伸長して1対の摘みクランプ68、68’を開き、昇降
用シリンダ64のピストン64aの収縮によって誘導手
段54と共に内端摘み手段30を上方に退避する。
【0034】一方、ロボット50のアーム48は、図1
5に示すように、金属ストリップコイル12の内端12
aとコイル最内層12Aとの間に割り込んだ割り込み治
具78が金属ストリップコイル12の内周に沿って1〜
6周(図示では約2.25周)程度公転するように移動
する。尚、割り込み治具78は、既にのべたように、ピ
ン77によって枢動できるように支持されているので、
その2つの楔78aのいずれかからでも割り込むことが
でき、また金属ストリップコイル12の内周に沿って円
滑に移動するのを助ける。このようにして、図15に示
すように、1〜6ターン分(図示では約2ターン分)の
コイル層12A、12Bを隣接する次のコイル層12C
から仕分けする。
【0035】次いで、図16に示すように、内端把持・
抜出手段34の開閉シリンダ82のピストン82aが伸
長して取出しクランプ80が図5の矢印a方向に閉じ、
割り込み治具78との間で、仕分けされたコイル層12
A、12B(切除すべきコイル内層部分12D)を把持
し、ハンド62の上昇と横移動とによって、このコイル
内層部分12Dを斜めに持ち上げながらコイル本体13
から抜き出す。この持ち上げ距離は、持ち上げられたコ
イル内層部分12Dとコイル本体13との間の切断すべ
き金属ストリップ部分12cに後にのべる切断手段38
のカッター36が入ることができるようにコイル本体1
3の幅(高さ)よりも大きな距離に設定されている。
【0036】この際、切断手段38と端末飛び出し防止
手段42とを含むユニット84を案内するユニットガイ
ド手段110がその昇降用シリンダ112のピストン1
12aの伸長によって上昇し、そのガイドバー108、
108’が図16に示すように金属ストリップ部分12
cに接触する位置まで上昇する。内端把持・抜出手段3
4は、既にのべたように、ガイドバー108、108’
に金属ストリップ部分12cが接触するようにコイル内
層部分12Dをコイル本体13の中心方向に変位する。
【0037】このようにして切断すべき金属ストリップ
部分12cが所定の切断位置に達すると、同じく図16
に示すように、端末飛び出し止め手段42が昇降用シリ
ンダ58Aのピストン58aの伸長によって上昇し、次
いで空圧式ロータリーアクチュエータ106の旋回によ
ってその端末飛び出し防止部材40を切断すべき金属ス
トリップ部分12cの上に横切るように位置させ、昇降
用シリンダ58Aのピストン58aを収縮してこの端末
飛び出し防止部材40をこの切断すべき金属ストリップ
部分12cに係合して抑え付ける。
【0038】この状態で切断手段38がその上昇用シリ
ンダ56Aのピストン56aの伸長によって上昇し、カ
ッター36が固定載置台28の作業孔28aを通して上
昇し、コイル本体13から抜き出されたコイル層12
A、12Bであるコイル内層部分12Dとコイル本体1
3との間の金属ストリップ部分12cを挟み、開閉シリ
ンダ98のピストンの収縮によってカッター36を閉じ
てこの金属ストリップ部分12cを下方から切断する。
【0039】このようにして金属ストリップ部分12c
を切断した後、ロボット50のアーム48は、切り離さ
れたコイル内層部分12Dをアーム48の旋回によって
屑入れ116の上方に運び、内層把持・抜出手段34の
取出しクランプ80を開閉シリンダ82の開放によって
開いてこの屑入れ116内にコイル内層部分12Dを落
とす。尚、金属ストリップ部分12cの切断時の切断ミ
スを検出するため内層把持・抜出手段38の取出しクラ
ンプ38と固定載置台28との間に電流を通電してお
り、従ってこの通電が切れると、金属ストリップ部分1
2cの切断が確実に行なわれたことが検出される。
【0040】その後、ロボット38のアーム48は、元
の位置に戻され、図17に示すように、端末矯正手段1
14を兼ねる割り込み治具78をコイル本体13の内周
面に沿って仕分け方向とは反対の方向に移動してコイル
本体13の切り離された内端末12dを強制的に矯正し
て、この内端末12dをコイル本体13の内周に密着さ
せる。尚、第1の駆動機構44としてロボット38を用
いると、金属ストリップコイル12の内径、ストリップ
幅、ストリップ厚、除去すべきストリップ層数等に容易
に対応することができるように制御系統を設定すること
ができるので好ましい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、金属ス
トリップコイルの折曲げられた内端と少なくともコイル
最内層とをコイル本体から仕分し、コイル本体から抜き
出すように持ち上げ、その後仕分されたコイル内層部分
とコイル本体との間の金属ストリップ部分を切断するよ
うにしたので、金属ストリップコイルのコイル内層の除
去を作業者の手作業を必要とすることなく機械的に行う
ことができ、従って、金属ストリップコイルの内層処理
を効率よく行うことができる実益がある。
【0042】特に、本発明の装置は、金属ストリップコ
イルの折曲げられている内端を摘んでこの内端とコイル
最内層との間に隙間を形成してから割り込み治具を挿入
するので除去すべきコイル内層部分の仕分けを確実に行
なうことができるので仕分の失敗を起こすことがない。
【0043】更に、このコイル内層部分を切除する際
に、金属ストリップの切断端末が端末飛び出し防止手段
によって飛び上るのが防止され、従って作業を安全に行
うことができる。また、切断手段及び端末飛び出し防止
手段は、固定載置台の下側にあって固定載置台の作業孔
を通して昇降するだけでよいのでこれらの手段を固定載
置台の上側に配置する場合のように設備が複雑化したり
大型化することがない。
【0044】また、内層把持・抜出手段は、仕分け手段
の割り込み治具の平坦面に対向して割り込み治具の平坦
面との間でコイル内層部分を挟む取り出しクリップから
成っているので、仕分け手段と内層把持・抜出手段とが
共用されるので、設備が簡単となり、更にこの場合、割
り込み治具は、先端が楔状である平坦面を有する菱形の
横断面を有するので、切除すべきコイル内層部分を確実
に把持することができるので、コイル内層部分の除去を
確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属ストリップコイルの内層除去
装置を用いた金属ストリップコイルの処理系統を示す概
略上面図である。
【図2】本発明に係る金属ストリップコイルの内層除去
装置を用いた金属ストリップコイルの処理系統を示す概
略側面図である。
【図3】本発明の金属ストリップコイルの内層除去装置
の概略側面図である。
【図4】本発明の金属ストリップコイルの内層除去装置
の内端摘み手段と仕分け手段と内層把持・抜出手段との
具体的実施例の側面図である。
【図5】本発明の金属ストリップコイルの内層除去装置
の内端摘み手段と仕分け手段と内層把持・抜出手段との
具体的実施例の正面図である。
【図6】本発明の金属ストリップコイルの内層除去装置
の内端摘み手段と仕分け手段と内層把持・抜出手段との
具体的実施例の上面図である。
【図7】本発明に用いられる1対の摘みクランプの正面
図である。
【図8】本発明に用いられる割り込み治具と取出しクラ
ンプとの関係を示す拡大上面図である。
【図9】本発明の金属ストリップコイルの内層除去装置
の切断手段と端末飛び出し防止手段との具体的実施例の
側面図である。
【図10】本発明の金属ストリップコイルの内層除去装
置の切断手段と端末飛び出し防止手段との具体的実施例
の正面図である。
【図11】本発明の金属ストリップコイルの内層除去装
置の切断手段と端末飛び出し防止手段との具体的実施例
の上面図である。
【図12】本発明の装置を用いて処理される金属ストリ
ップコイルの概略斜視図である。
【図13】本発明の装置を用いて金属ストリップコイル
の内端を検出している状態の概略平面図である。
【図14】本発明の装置を用いて金属ストリップコイル
の内端を金属ストリップコイルの中心に向けて摘んでい
る状態の概略平面図である。
【図15】本発明の装置を用いて金属ストリップコイル
の幾つかの内層部分を仕分けしている状態の概略平面図
である。
【図16】本発明の装置を用いて金属ストリップコイル
の内層部分を把持し抜出している状態と金属ストリップ
部分を切断している状態との概略平面図である。
【図17】本発明の装置を用いて金属ストリップコイル
の内層を除去した後金属ストリップの内端末を矯正して
いる状態の概略平面図である。
【符号の説明】
10 金属ストリップコイルの内層除去装置 12 金属ストリップコイル 12A コイル最内層 12B コイル内層 12C コイル内層 12D コイル内層部分 12a 内端 12b 隙間 12c 金属ストリップ部分 28 固定載置台 28a 作業孔 30 内端摘み手段 32 仕分け手段 34 内層把持・抜出手段 36 カッター 38 切断手段 40 端末飛び出し防止部材 42 端末飛び出し防止手段 44 第1の駆動機構 46 第2の駆動機構 48 アーム 50 ロボット 52 内端検出センサ 54 誘導手段 56 昇降駆動源 56A 昇降用シリンダ 58 昇降駆動源 58A 昇降用シリンダ 62 ハンド 64 昇降用シリンダ 66 昇降用シリンダ 68 摘みクランプ 68’ 摘みクランプ 70 開閉シリンダ 74 昇降用シリンダ 78 割り込み治具 80 取出しクランプ 82 開閉シリンダ 84 ユニット 98 開閉シリンダ 106 空圧式ロータリーアクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 一治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−64727(JP,A) 特開 平4−75719(JP,A) 特開 昭59−169621(JP,A) 実開 昭60−115624(JP,U) 特公 昭55−50735(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21C 45/00 - 49/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内端が内向きに折曲げられている金属ス
    トリップコイルを載置する固定載置台と、前記金属スト
    リップコイルの前記折曲げられている内端を前記金属ス
    トリップコイルのコイル本体の内側に摘み出す内端摘み
    手段と、前記摘み出された内端とコイル最内層との間に
    割り込む割り込み治具を有し前記割り込み治具を少なく
    とも約1周させて少なくともコイル最内層を隣接する次
    のコイル層から離反してコイル内層部分を前記コイル本
    体から仕分けする仕分け手段と、このようにして仕分け
    られたコイル内層部分を把持して前記金属ストリップコ
    イルのコイル本体から抜き出す内層把持・抜出手段と、
    前記コイル本体から抜き出されたコイル内層部分とコイ
    ル本体との間の金属ストリップ部分を切断して前記コイ
    ル内層部分をコイル本体から除去するカッターから成る
    切断手段と、前記金属ストリップコイルの切断前に前記
    コイル内層部分の上面に係合して前記金属ストリップコ
    イル部分の切断時に切断端末が飛び出すのを防止する端
    末飛び出し防止部材を有する端末飛び出し防止手段と、
    前記内端摘み手段と仕分け手段と内層把持・抜出手段と
    を所定の順序で駆動する第1の駆動機構と、前記切断手
    段と端末飛び出し防止手段とを所定の順序で駆動する第
    2の駆動機構とを備え、前記内端摘み手段と仕分け手段
    と端末飛び出し防止手段とは前記固定載置台の上方に配
    置され、前記第1の駆動機構は、前記内端摘み手段と仕
    分け手段と内層把持・抜出手段とを駆動するアームを有
    するロボットから成っており、前記切断手段と端末飛び
    出し防止手段とは前記固定載置台の下方に配置され、前
    記第2の駆動機構は、前記固定載置台に載置された前記
    金属ストリップコイルを下方から切断するように前記端
    末飛び出し防止手段の端末飛び出し防止部材と前記切断
    手段のカッターとを前記固定載置台の作業孔を通して昇
    降する昇降駆動源を含むことを特徴とする金属ストリッ
    プコイルの内層除去装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の金属ストリップコイル
    の内層除去装置であって、前記内層把持・抜出手段は、
    前記仕分け手段の割り込み治具の平坦面に対向して前記
    割り込み治具の平坦面との間で前記コイル内層部分を挟
    む取出しクリップから成っていることを特徴とする金属
    ストリップコイルの内層除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の金属ストリップコイル
    の内層除去装置であって、前記割り込み治具は、先端が
    楔状である平坦面を含む菱形の横断面を有することを特
    徴とする金属ストリップコイルの内層除去装置。
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