JP2987989B2 - 硬質層被覆切削工具の製造方法 - Google Patents

硬質層被覆切削工具の製造方法

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JP2987989B2 JP3091221A JP9122191A JP2987989B2 JP 2987989 B2 JP2987989 B2 JP 2987989B2 JP 3091221 A JP3091221 A JP 3091221A JP 9122191 A JP9122191 A JP 9122191A JP 2987989 B2 JP2987989 B2 JP 2987989B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、WC基超硬合金、T
i(CN)基サーメット、Si3 4 系セラミックス、
及びAl2 3 系セラミックスのいずれか1種を基体と
し、その表面に硬質層を化学蒸着法で被覆した切削工具
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、WC基超硬合金を基体とし、その
表面に化学蒸着法や物理蒸着法等で硬質層を被覆した切
削工具が広く使用されている。一般に、WC基超硬合金
上に化学蒸着法(以下、CVD法という)及び物理蒸着
法(以下、PVD法という)で被覆した硬質層には残留
応力が存在することが知られており、CVD法による硬
質層には引張り残留応力が、PVD法による硬質層には
圧縮残留応がそれぞれ存在することが知られている。上
記CVD法で被覆した硬質層は基体との熱膨脹係数の関
係より、コーティング後には熱応力に起因する引張り残
留応力が作用するとされている(「日本金属学会誌 第
50巻第3号(1986)320−327」などを参
照)。
【0003】また、上記CVD法による硬質層は、耐摩
耗性が高いことも知られているが、CVD法による硬質
層には引張り残留応力がかかっており、そのためCVD
硬質層にはクラックが発生しやすく、このクラックが原
因でCVD被覆切削工具は耐欠損性が低下し、一方、P
VD法による硬質層は、耐摩耗性は低いものの硬質層に
かかる圧縮残留応力により硬質層被覆切削工具の耐欠損
性は優れたものとなっていることも知られている。
【0004】上記CVD法による硬質層の引張り残留応
力を低減、あるいは圧縮残留応力を付与する方法とし
て、CVD法による硬質層被覆後、サンドブラスト法又
はショットピーニング法などの機械的処理を施す方法、
またはガスをイオン化して衝突させる例えばイオン注入
法などの物理的処理を施す方法がある(特開昭64−3
1972号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のサ
ンドブラスト法及びショットピーニング法などの機械的
処理方法では、CVD硬質層の引張り残留応力を低減あ
るいは圧縮残留応力を付与する際の制御が難しく、極め
て薄いCVD硬質層にサンドまたはショットが当たると
しばしば剥離することがあり、処理効果に対する再現性
或いは安定性が低く、さらに、ガスをイオン化して衝突
させるイオン注入法などの物理的処理を施す方法では、
注入したイオンがCVD硬質層中の欠陥として作用した
り、或いは、硬質層の表面が微小破壊したりすることが
あり、耐磨耗性を維持しかつ耐欠損性の優れたCVD硬
質層を有する硬質層被覆切削工具をばらつきなく提供す
ることができない等の課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述のような課題を解決すべく研究を行った結果、超硬
合金基体の表面にCVD法により硬質層を被覆後、Nイ
オン、Arイオン、Tiイオン、Alイオン、Niイオ
ン、Mnイオン、Agイオン及びAuイオンの少なくと
も1種類のイオン照射を行うことにより、解決すること
ができるという知見を得たのである。
【0007】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、WC基超硬合金、Ti(CN)基サー
メット、Si3 4 系セラミックス、及びAl2 3
セラミックスのいずれか1種を基体とし、その表面に周
期律表の4a,5a,および6a族金属、Al,Siの
群から選んだ1種または2種以上の金属元素と、炭素、
窒素、酸素およびほう素からなる群より選んだ1種また
は2種以上の非金属元素の化合物の1種の単層または2
種以上の多重層で構成された硬質層を被覆する硬質層被
覆切削工具の製造方法において、上記化学蒸着法で被覆
した硬質層にNイオン、Arイオン、Tiイオン、Al
イオン、Niイオン、Mnイオン、Agイオン及びAu
イオンの内のいずれか1種類のイオン照射することによ
り引張り残留応力を十分に低減し圧縮残留応力を付与す
る硬質層被覆切削工具を製造する方法に特徴を有するも
のである。
【0008】上記照射するイオンは、2種以上の異なる
混合イオンでも良い。したがってこの発明は、WC基超
硬合金、Ti(CN)基サーメット、Si 3 4 系セラ
ミックス、及びAl 2 3 系セラミックスのいずれか1
種を基体とし、その表面に周期律表の4a,5a,およ
び6a族金属、Al,Siの群から選んだ1種または2
種以上の金属元素と、炭素、窒素、酸素およびほう素か
らなる群より選んだ1種または2種以上の非金属元素の
化合物の1種の単層または2種以上の多重層で構成され
た硬質層を化学蒸着法で被覆する硬質層被覆切削工具の
製造方法において、上記化学蒸着法で被覆した硬質層に
Nイオン、Arイオン、Tiイオン、Alイオン、Ni
イオン、Mnイオン、Agイオン及びAuイオンの内の
2種以上の異なる混合イオンを照射する硬質層被覆切削
工具の製造方法に特徴を有するものである。
【0009】この発明で使用するイオン照射法と従来か
ら使用されているイオン注入法との違いは、以下の通り
である。すなわち、イオン照射法とイオン注入法は、イ
オンを硬質層に向かって衝突させることは同じである
が、イオン注入法はイオンを硬質層に打ち込むに対し、
イオン照射法ではイオンを硬質層に衝突させるだけで打
ち込むものではない(イオン照射されたイオンは硬質層
に一部注入されることがあるが、その量は極めて少な
い。)。したがって、イオン注入法では、イオンを硬質
層に打ち込むために、硬質層の成分に影響を与えないよ
うなイオンを選択しなければならない。イオンの照射量
と残留応力に及ぼす効果は比例しているので、CVD硬
質層の引張り残留応力を十分に低減し圧縮残留応力を付
与するイオン照射量はコントロールが可能である。
【0010】
【実施例】つぎに、この発明の硬質層被覆切削工具の製
造方法を実施例に基づいて具体的に説明する。ISO規
格SNGN120408の形状を有する各種工具材種を
基体とし、その表面に、表1に示す成分組成の硬質層を
通常のCVD法により表1に示す平均厚さに形成した被
覆切削工具A〜Hを用意した。
【0011】上記被覆切削工具A〜Hの硬質層に表2に
示される条件でイオンを照射して本発明法1〜8を実施
し、被覆切削工具の硬質層の残留応力を測定し、それら
の結果を表2に示し、さらに、得られた被覆切削工具を
用いて、下記の条件で鋼の角材による乾式断続切削試験
を行い、それぞれ10切れ刃切削を行い欠損するまでの
衝撃回数を測定し、その平均値を表2に示した。
【0012】さらに、比較のために上記被覆切削工具A
〜Hの硬質層に表3に示される条件でイオン注入して従
来法1〜8を実施し、被覆切削工具の硬質層の残留応力
を測定し、それらの結果を表3に示し、さらに、得られ
た被覆切削工具を用いて、下記の条件で鋼の角材による
乾式断続切削試験を行い、それぞれ10切れ刃切削を行
い欠損するまでの衝撃回数を測定し、その平均値を表3
に示した。 乾式断続切削試験条件: 被削材:SCM440(HB 260) 切削速度:120m/min、 送り:0.21mm/rev.、 切込み:2.0mm、
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【発明の効果】表2〜表3に示される結果から、本発明
法のイオン照射により被覆切削工具の硬質層に圧縮残留
応力を付与すると、断続乾式切削において、いずれも長
期にわたって優れた切削性能を発揮する被覆切削工具を
常にばらつきなく提供することができるに対し、従来の
イオン注入による圧縮残留応力の付与は、注入されたイ
オンが欠陥として作用したり硬質層表面の微小破壊ある
いは組織変化などを生じている可能性が高く、したがっ
て、被覆切削工具の断続乾式切削における切削性能にば
らつきが生じ、寿命が短く、切削性能の劣った不良被覆
切削工具ができることもあり、被覆切削工具の品質にば
らつきが生ずることが分かる。
【0017】かかる効果は、イオンを硬質層に衝突させ
るイオン照射とイオンを硬質層に注入させるイオン注入
の差によるものと考えられるが、いずれにしても上述の
ように、この発明の方法によると、優れた切削性能を長
期にわたって発揮することができる硬質層被覆超硬合金
切削工具を不良品を発生することなく提供することがで
き、産業上優れた効果をもたらすものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 WC基超硬合金、Ti(CN)基サーメ
    ット、Si3 4 系セラミックス、及びAl2 3 系セ
    ラミックスのいずれか1種を基体とし、その表面に周期
    律表の4a,5a,および6a族金属、Al,Siの群
    から選んだ1種または2種以上の金属元素と、炭素、窒
    素、酸素およびほう素からなる群より選んだ1種または
    2種以上の非金属元素の化合物の1種の単層または2種
    以上の多重層で構成された硬質層を化学蒸着法で被覆す
    る硬質層被覆切削工具の製造方法において、 上記化学蒸着法で被覆した硬質層にNイオン、Arイオ
    ン、Tiイオン、Alイオン、Niイオン、Mnイオ
    ン、Agイオン及びAuイオンの内のいずれか1種類の
    イオンを照射することを特徴とする硬質層被覆切削工具
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 WC基超硬合金、Ti(CN)基サーメ
    ット、Si3 4 系セラミックス、及びAl2 3 系セ
    ラミックスのいずれか1種を基体とし、その表面に周期
    律表の4a,5a,および6a族金属、Al,Siの群
    から選んだ1種または2種以上の金属元素と、炭素、窒
    素、酸素およびほう素からなる群より選んだ1種または
    2種以上の非金属元素の化合物の1種の単層または2種
    以上の多重層で構成された硬質層を化学蒸着法で被覆す
    る硬質層被覆切削工具の製造方法において、 上記化学蒸着法で被覆した硬質層にNイオン、Arイオ
    ン、Tiイオン、Alイオン、Niイオン、Mnイオ
    ン、Agイオン及びAuイオンの内の2種以上の異なる
    混合イオンを照射することを特徴とする硬質層被覆切削
    工具の製造方法。
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