JP2987864B2 - 架空送電線及びその設備の異常箇所探査方法及び装置 - Google Patents

架空送電線及びその設備の異常箇所探査方法及び装置

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JP2987864B2 JP2033544A JP3354490A JP2987864B2 JP 2987864 B2 JP2987864 B2 JP 2987864B2 JP 2033544 A JP2033544 A JP 2033544A JP 3354490 A JP3354490 A JP 3354490A JP 2987864 B2 JP2987864 B2 JP 2987864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、架空送電線(スリーブ、スペーサ及びダン
パを含む。)及びその設備(鉄塔、碍子など)の異常箇
所探査方法及び装置に関し、より具体的にはコロナ放電
により架空送電線及びその設備の異常箇所を探査する方
法及び装置に関する。
[従来の技術] コロナ放電により架空送電線及びその設備の異常箇所
を探査する方法及び装置は、昭和63年特許出願公表第50
3324号(PCT/CH86/00066)に開示されている。この公表
公報に開示された方法は、空中架線に沿ってヘリコプタ
を飛行させ、当該ヘリコプタに搭載したコロナ放電検出
用のアンテナにより20MHZ乃至200MHzの帯域の電波を受
信し、オシロスコープ上の波形(同公報第5図〜第9
図)により、不具合箇所を判定・検出しようとするもの
である。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来例は、測定周波数帯域が主に20MHz
から200MHzと非常に高く、従って、各部の回路素子も高
速で高価なものを使用しなければならない。
また上記従来例では、オシロスコープの波形の乱れか
ら異常の有無及び内容を判定するが、コロナ信号は数10
μsの速さで発生するので、このような判定方法では、
異常内容を定量的且つ客観的に判定することは困難であ
る。人間の目による判定であるので、個人差や、日々
毎、または時間帯による判定差があり、不正確である。
また、異常の位置を特定するのも困難である。例えば、
送電線鉄塔の碍子部分の近くで架空送電線の素線が一部
破断している場合には、異常箇所が碍子か架空送電線か
を判断し、特定するのは困難である。
そこで本発明は、これらの問題点を解決し、架空送電
線及びその設備の異常を明確に探知できる方法及び装置
を提示することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る架空送電線及びその設備の異常箇所探査
方法は、架空送電線及びその設備の異常箇所を探査する
方法であって、探査対象から放射される電波を飛翔体に
搭載した測定アンテナで測定する測定ステップと、当該
測定ステップの測定の際に、存在位置が既知の物体を示
すマーク信号を入力するマーク入力ステップと、当該測
定ステップで測定された電波信号を、突発波及び周波数
軸上の所定の低周波帯域の少なくとも一方について分析
し、もって探査対象の異常箇所を検出する分析ステップ
とからなり、当該突発波及び当該所定の低周波帯域の上
限が10kHz程度であることを特徴とする。
また、本発明に係る架空送電線及びその設備の異常箇
所探査装置は、架空送電線及びその設備からの10kHz程
度以下の低周波帯の電波によりその異常箇所を探査する
装置であって、飛翔体と、当該飛翔体に搭載され、探査
対象からの電波を受信する測定アンテナと、当該飛翔体
に搭載され、探査対象までの距離を測定する距離測定手
段と、当該飛翔体に搭載され、測定位置情報を入力する
位置情報入力手段と、当該飛翔体に搭載され、当該測定
アンテナによる受信電波信号、当該距離測定手段による
距離信号及び当該位置情報入力手段による位置情報を記
録媒体に記録する記録手段と、当該記録媒体に記録され
た信号を再生する再生手段と、当該再生手段により再生
された電波信号を、再生された距離信号により所定距離
における値に規格比する距離補正手段と、当該距離補正
手段により距離補正された電波信号を当該低周波帯にお
ける所定の1以上の周波数帯域に分割して出力する周波
数分割手段と、当該周波数分割手段から出力される1以
上の周波数帯域の信号、及び当該位置情報入力手段によ
り入力された位置情報の少なくとも一部を可視出力する
出力手段とからなることを特徴とする。
[作用] せいぜい10kHzまでの低周波の電波により異常の有無
及び内容を判別できるので、各処理は低速の回路又はプ
ログラム動作のディジタル・データ処理回路により実現
でき、従って、非常に安い費用で異常を探査できる。ま
た、距離補正を行なうことにより、測定時に、架空送電
線との距離を精密に一定に保つ必要がなくなり、データ
収拾も容易になる。これもまた費用の低減に役立つ。
個別の異常は測定電波の特定の周波数帯域又は広い周
波数帯域に特有の症状となって現われるので、異常の内
容及びその位置を的確に判別できるようになる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
架空送電線及びその設備では、通常でも一定のコロナ
放電が発生しているが、素線の腐食や汚れ、素線切れな
どの欠陥や異常に起因して局在的な異常コロナ放電が発
生し、この異常コロナ放電による電波及び伝搬する電力
により電波が周囲に放射される。発明者による幾つかの
実験により、架空送電線及びその設備からの比較的低い
周波数(せいぜい10KHZ程度まで)の電波により、上記
欠陥又は異常を検出できることが判明した。また、架空
送電線を伝搬する電力による電波の周波数は、当該電力
の周波数(50Hz又は60Hzであり、以下基本波という)に
一致し、その振幅は一般に伝搬する電力に比例する。観
測の結果、伝搬電力による放射電波の振幅が鉄塔の接地
不具合に影響されることが判明した。従って、架空送電
線及びその設備からの電波の基本波成分の振幅から、鉄
塔の不具合の有無及びその程度を判定できることが分か
った。
第1A図及び第1B図は本発明の一実施例の概略構成ブロ
ック図を示す。第1A図は、ヘリコプタに搭載する機器を
示す。第1A図において、10は架空送電線及びその設備か
ら放射される上記電波を受信する測定アンテナである。
本実施例では測定アンテナ10は、50乃至60Hzの基本波か
らせいぜい10KHz程度までの電波を受信できるアンテナ
であればよい。
12は測定対象(架空送電線及びその設備)までの距離
を電波方式で測定する電波距離計である。本実施例で
は、この電波距離計12として、日本航空電子工業株式会
社製造の距離計JRA−100を使用した。この距離計JRA−1
00は送信周波数4.3GHzのパルス電波を対象物に放射し、
対象物による反射電波を受信するまでの時間により、対
象物までの距離を測定する。この距離計JRA−100は、本
実施例の目的とする距離範囲では、±2フィートの精度
で距離を測定できる。
14はヘリコプタの位置及び対地速度を測定する位置及
び対地速度計であり、例えば周知のGPS(グローバル・
ポジショニング・システム)を利用する。16は、地上位
置が判明している固定点(例えば、架空送電線を支持す
る鉄塔、スリーブ、スペーサ、ダンパなど)の固定マー
ク信号を発生する位置固定マーカである。位置固定マー
カ16は、複数の固定点を後で区別できるように、個別に
異なる電圧を発生する複数のスイッチを具備する。位置
固定マーカ16により、測定データの分析時に地上位置を
確認するのが容易になる。対地速度計14及び位置固定マ
ーカ16の出力により、飛行位置、即ち測定位置を精確に
知ることができる。
18は、測定アンテナ10、電波距離計12、対地速度計1
4、位置固定マーカ16からの信号をデータ・レコーダ20
に記録するために信号変換を行なうインターフェース回
路である。インターフェース回路18において、92は測定
アンテナ10により受信した微弱な電波をデータ・レコー
ダ20の入力電圧範囲に増幅する増幅器、94は電波距離計
12の出力電圧を増幅する増幅器、96は対地速度計14の出
力を増幅する増幅器、98は増幅器92の出力の低周波成分
を抽出するローパス・フィルタ(LPF)、100は位置固定
マーカ16のボタン番号に応じた電圧のパルス信号を発生
するパルス発生回路である。
データ・レコーダ20は例えば、複数の記録チャンネル
を具備し、上記の各素子の測定信号及び出力データを磁
気テープ22にディジタル記録するディジタル・オーディ
オ・テープ・レコーダである。
第1A図に図示した機器を搭載したヘリコプタを、異常
探査しようとする架空送電線に沿って、できるだけ一定
速度で飛行させ、ヘリコプタと架空送電線との距離を電
波距離計12により測定しながら、測定アンテナ10により
架空送電線及びその設備からの電波を測定する。測定し
たい部分でデータ・レコーダ20の電源を入れ、又は記録
ポーズを解除し、受信電波データをデータ・レコーダ20
により磁気テープ22にディジタル記録し、同時に、電波
距離計12から出力される測定点までの距離データ、対地
速度計14の出力、位置固定マーカ16による位置情報も、
データ・レコーダ20の磁気テープ22の個別のデータ・チ
ャンネルにディジタル記録する。
なお、ヘリコプタと架空送電線との距離は、一定であ
るのが望ましいが、後述するように、本実施例では距離
による電波減衰を補正するので、ヘリコプタと架空送電
線との距離に変動があっても、適切に異常を判定・探査
できる。
このように測定データを記録した磁気テープ22を地上
で再生し、測定電波データをコンピュタにより分析し、
グラフ化して、異常箇所を判定する。第1B図は、地上に
配備した分析作図装置の構成ブロック図を示す。第1B図
において、24は磁気テープ22の記録データを再生する再
生装置、90は分析処理を担当するコンピュータである。
再生装置24は、出力信号線24aに測定アンテナ10による
測定電波データを、出力信号24bに電波距離計12による
送電線距離データを、出力信号線24cに位置固定マーカ1
6による位置マーク・データを、出力信号線24dに対地速
度計14による対地速度データを出力する。
信号線24bの距離データは統計処理回路26に入力さ
れ、そこで統計処理される。具体的には、距離データの
極端な値を排除し、その変動を平滑化する。電圧変換回
路28は統計処理回路26から出力される距離データを、距
離値に対応する電圧値の電圧信号に変換する。
距離補正回路30は、電圧変換回路28の出力、即ちアン
テナ10と、観測対象の架空送電線及びその設備との間の
距離値に従い、信号線24a上の測定電波データを所定の
一定距離における強度に補正する。ヘリコプタを架空送
電線に平行に飛行させるといっても、架空送電線までの
距離を一定に保つことは現実上は不可能に近い。架空送
電線及びその設備から放射される電波は理論的には距離
の二乗に反比例する。そこで、同時に測定した距離デー
タにより、測定電波データを一定距離での値に補正す
る。また、このような理論式による補正を行なわずに、
距離による減衰特性を実際に測定し、測定により得た減
衰特性関数に測定電波データをあてはめて、一定距離で
の値に補正するようにしてもよい。何れの補正方式で
も、距離補正回路30は実際上ディジタル演算回路で構成
されるので、実現は容易である。
距離補正回路30により距離補正された測定電波データ
は、バッファ・メモリ32を介して高速フーリエ変換回路
(FFT)34及び突発波検出回路36に供給される。本実施
例では処理能力の都合上、バッファ・メモリ32は、測定
電波データを4096個ずつ突発波検出回路36に印加し、40
96個のデータの先頭から2048個のデータを高速フーリエ
変換回路34に供給する。高速フーリエ変換回路34は、測
定電波データを22個の周波数チャンネルに分割して出力
する。高速フーリエ変換回路34の出力チャンネルの周波
数帯域を表1に示す。勿論、表1は一例であり、本発明
はこのような周波数区分に限定されない。但し、本発明
によれば、架空送電線及びその設備の異常を探査するに
は、せいぜい10KHzまでの周波数帯域を調べればよい。
距離補正回路30の出力は距離補正されているので、架
空送電線の鉄塔の接地抵抗が適切である限り、高速フー
リエ変換回路34及び突発波検出回路36の入力信号は、50
又は60Hzのほぼ一定振幅の基本波に、ノイズ成分と、素
線切れや碍子の絶縁不良などに起因して部分的に発生す
るコロナ放電による突発的な成分とが重畳した信号波形
になっている。突発波検出回路36は、基本波に重畳する
そのような突発波を検出する回路である。突発波検出回
路36の内部構成は、後で詳細に説明する。突発波検出回
路36は、検出した突発波のタイミング(即ち、発生位
置)、波高値、持続幅及び処理区間(4096データ)内で
の発生個数をそれぞれ示す信号を出力する。
再生装置24から出力される信号線24c上の位置マーク
・データは、マーク抽出回路38に印加される。マーク抽
出回路38は、入力する位置マーク・データの内、例え
ば、鉄塔などのように、地上位置が判明しているものの
位置マーク・データを抽出し、相応するパルス信号を発
生する。
また、再生装置24から出力される信号線24d上の速度
データは、統計処理回路42に入力され、そこで統計処理
される。統計処理回路42の出力は電圧変換回路44により
電圧信号に変換される。
架空送電線及びその設備には、架空送電線の腐食や老
朽化により或る程度の長い距離にわたって存在する不具
合と、鉄塔の接地抵抗不良、素線切れや碍子の絶縁不良
などといった、特定の部位で生じる故障や異常がある。
前者は、測定電波データ(例えば、距離補正回路30の出
力)において、50又は60Hzの基本波に、架空送電線に沿
ってある程度の長さにわたって重畳する低周波のノイズ
成分となって現われ、後者は故障や異常箇所に対応する
位置で重畳する突発波又は短い区間での変動成分となっ
て現われる。
観測の結果、このようなノイズ成分は、架空送電線の
老朽化乃至は交換時期を暗示しており、4KHz近辺や5〜
6KHzの周波数帯域を持っていることが判明した。そこ
で、本実施例では、架空送電線及びその設備の、異常探
査時期、交換時期などを指数として示す異常度判定回路
46を設けた。異常度判定回路46の内部構成を第2図に図
示した。
第2図において、除算回路52は突発波の波高値を基本
波の振幅で除算し、指数化回路54は除算回路52の出力値
を、例えば1,2,3,4の4段階の区分にあてはめ、該当す
る区分を示す指数値を出力する。この指数値により、緊
急に実地調査すべきか、継続監視すべきか、当面監視不
要かなどを客観的に判断できる。
測定電波データの各周波数成分(高速フーリエ変換回
路34の出力)、突発波の高さ、幅及び単位処理区間あた
りの突発波の個数並びに突発波発生位置での基本波の波
高値など(突発波検出回路36の出力)、異常度判定回路
46の出力、送電線までの距離値(電圧変換回路28の出
力)並びに固定位置マークは、プロッタやプリンタなど
の作図装置48に入力され、測定時間経過に従って(即
ち、測定した架空送電線に沿って)、各測定及び分析デ
ータ値が、紙上に印刷されグラフ化される。以上の各デ
ータに飛行速度データ(電圧変換回路44の出力)も加え
て、事後的な再分析、及び、より詳細な分析のためにデ
ータ記録装置49により大容量記録媒体、例えば光磁気デ
ィスクに記録するのが好ましい。
第3図は、作図装置48の出力例を示す。但し、突発波
検出回路36の出力(突発波の数、幅、高さ、及び突発波
検出のためのカット・レベル)、送電線までの距離、及
び、高速フーリエ変換回路34のCH1〜15の出力のみを図
示してある。固定線とは、マーク抽出回路38の出力によ
り固定位置マーク信号による位置基準線である。
第4図は、突発波検出回路36の回路構成ブロック図を
示し、第5図は突発波を分離し、突発波の発生位置など
を計算する過程での波形図である。理解を容易にするた
めに、第5図ではアナログ信号の形態で図示してある。
突発波検出回路36には、先に説明したように、バッファ
・メモリ32から4096個ずつデータが供給される。突発波
検出回路36の入力信号波形は、第5図(a)に例示する
ように、50又は60Hzの基本波に、ノイズと、素線切れな
どによるコロナ放電による突発波が重畳した波形になっ
ている。バッファ・メモリ32からのデータは、ディジタ
ル・ローパス・フィルタ(LPF)60とディジタル・ハイ
パス・フィルタ(HPF)62により、基本波成分と、基本
波より高く基本波を含まない周波数成分とに分離され
る。即ち、LPF60は50乃至60Hzの基本波成分を抽出する
ためのディジタル・フィルタであり、HPF62は基本波以
外の成分、具体的には80Hz以上の成分を抽出するディジ
タル・フィルタである。
HPF62の出力は、例えば第5図(b)に示すような、
ノイズと突発波からなる波形になる。第5図(c)は第
5図(b)の拡大図である。ピーク検出回路64はHPF62
の出力から正及び負のピーク値を検出し、絶対値回路66
はピーク検出回路64で検出されたピーク値を正値に変換
する。HPF62の出力を先に絶対値化した後でピーク検出
してもよい。ピーク検出回路64で検出されるピークは、
突発波とノイズの両方を含んでいる。統計処理回路68
は、絶対値回路66から出力される正のピーク値に対し
て、データのバラツキを少なくする統計計算及び、必要
により所定以上の高周波成分を除去する統計計算を行な
い、ノイズ・レベルを計算する。計算されたノイズ・レ
ベルはノイズ・カット回路70に印加される。
HPF62の出力はまた、絶対値回路72により負値を正値
に変換され、ノイズ・カット回路70に印加される。ノイ
ズ・カット回路70は、統計処理回路68からのノイズ・レ
ベルを、絶対値回路72の出力データから減算する。この
減算処理により、ノイズ・カット回路70の出力は、突発
波のみを含むことになる。第5図(d)は、ノイズ・カ
ット回路70の出力信号波形を示す。ノイズ・カット回路
70の出力は突発波計算回路76に印加される。突発波計算
回路76は、ノイズ・カット回路70からの出力から、突発
波の発生位置、高さ、処理区間(4096個のデータ)あた
りの突発波の数、及び密接する突発波の発生期間(即
ち、幅)を計算する。
基本波高計算回路78は、突発波の発生位置における基
本波の波高値を計算する回路であり、具体的には例え
ば、突発波計算回路76からの突発波発生タイミング信号
をサンプリング・クロックとして、LPF60の出力をサン
プリングしている。基本波高計算回路78で計算された基
本波高値は出力回路80に印加される。出力回路80にはま
た、突発波計算回路76で計算された突発波に関するデー
タも印加されており、出力回路80はこれらのデータを、
個別の信号線又はバス形式の信号線を介して作図装置48
及びデータ記録装置49に出力する。出力回路80は出力バ
ッファとして、また出力する各データの出力タイミング
を調節する回路として機能する。
本発明により、架空送電線及びその設備の不具合に対
し、測定電波の各周波数成分が以下のような変化を示す
ことが分かった。即ち、架空送電線の素線の腐食又は汚
れがあると、その程度によりノイズ・レベルが大きくな
る。素線切れがあると、程度によりシャープな突発波が
発生し、その規模により突発波の幅が変化する。また、
鉄塔の接地抵抗が不良の場合には、基本波のレベルが変
化し、他の周波数帯域でもレベル変化が生じる。例え
ば、第3図において、A,B(共にCH1)は鉄塔の接地抵抗
の不良を示し、C(CH4),D(CH12)は素線の腐食又は
汚れを示し、突発波検出結果での突発波は、その位置に
スリーブやスペーサがあるか、又は素線切れがあること
を暗示している。
本発明は、上記実施例の構成に限定されない。例え
ば、図面に図示した回路のブロックの一部又は全部を個
々に又は1つのディジタル演算処理装置により実現する
のは容易であり、これらも本発明の技術範囲に含まれる
ことはいうまでもない。
[発明の効果] 以上の説明から容易に理解できるように、本発明によ
れば、架空送電線及びその設備の不具合並びにその内容
及び位置を精密に探知することができる。また、測定対
象までの測定距離により測定値を距離補正するので、測
定機器を測定対象の架空送電線及びその設備から一定の
距離に厳密に保たなくてもよくなり、ヘリコプターなど
の飛翔体を安全に運航できる。また、測定が容易になる
ばかりか、不具合の内容及び程度をより正確に判定で
き、個人差及び日々での判定差が無くなる。
【図面の簡単な説明】
第1A図はヘリコプタに搭載される機上機器の構成ブロッ
ク図、第1B図は地上に配備される分析作図装置の構成ブ
ロック図、第2図は第1B図の異常度判定回路46の回路構
成ブロック図、第3図は突発波検出結果及び受信電波の
各周波数成分の作図例、第4図は突発波検出回路36の回
路構成ブロック図、第5図は突発波検出回路36内での各
処理段階でのアナログ信号波形図である。 10:測定アンテナ、12:電波距離計、14:対地速度計、16:
位置固定マーカ、18:インターフェース回路、20:データ
・レコーダ、22:磁気テープ、24:再生装置、26:統計処
理回路、28:電圧変換回路、30:距離補正回路、32:バッ
ファ・メモリ、34:高速フーリエ変換回路(FFT)、36:
突発波検出回路、38:マーク抽出回路、42:統計処理回
路、44:電圧変換回路、46:異常度判定回路、48:作図装
置、49:データ記録装置、50:加算器、52:除算回路、54:
指数化回路、60:LPF、62:HPF、64:ピーク検出回路、66:
絶対値回路、68:統計処理回路、70:ノイズ・カット回
路、72:絶対値回路、74:遅延回路、76:突発波計算回
路、78:基本波高計算回路、80:出力回路、90:コンピュ
ータ、92,94,96:増幅器、98:ローパス・フィルタ、100:
パルス発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山形 一雄 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (56)参考文献 特公 平7−46116(JP,B2) 特表 昭63−503324(JP,A) 米国特許4006410(US,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架空送電線及びその設備の異常箇所を探査
    する方法であって、 探査対象から放射される電波を飛翔体に搭載した測定ア
    ンテナで測定する測定ステップと、 当該測定ステップの測定の際に、存在位置が既知の物体
    を示すマーク信号を入力するマーク入力ステップと、 当該測定ステップで測定された電波信号を、突発波及び
    周波数軸上の所定の低周波帯域の少なくとも一方につい
    て分析し、もって探査対象の異常箇所を検出する分析ス
    テップ とからなり、当該突発波及び当該所定の低周波帯域の上
    限が10kHz程度であることを特徴とする架空送電線及び
    その設備の異常箇所探査方法。
  2. 【請求項2】更に、上記測定ステップの電波測定と同時
    に、上記飛翔体に搭載した距離測定装置により上記探査
    対象までの距離を測定する距離測定ステップを具備し、 上記分析ステップが、上記測定ステップで測定された電
    波信号を上記探査対象までの所定距離における値に規格
    化する距離補正ステップを含み、当該距離補正ステップ
    による距離補正値を当該突発波及び周波数軸上の当該所
    定の低周波帯域の少なくとも一方について分析すること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載の架空送
    電線及びその設備の異常箇所探査方法。
  3. 【請求項3】架空送電線及びその設備からの10kHz程度
    以下の低周波帯の電波によりその異常箇所を探査する装
    置であって、 飛翔体と、 当該飛翔体に搭載され、探査対象からの電波を受信する
    測定アンテナと、 当該飛翔体に搭載され、探査対象までの距離を測定する
    距離測定手段と、 当該飛翔体に搭載され、測定位置情報を入力する位置情
    報入力手段と、 当該飛翔体に搭載され、当該測定アンテナによる受信電
    波信号、当該距離測定手段による距離信号及び当該位置
    情報入力手段による位置情報を記録媒体に記録する記録
    手段と、 当該記録媒体に記録された信号を再生する再生手段と、 当該再生手段により再生された電波信号を、再生された
    距離信号により所定距離における値に規格化する距離補
    正手段と、 当該距離補正手段により距離補正された電波信号を当該
    低周波帯における所定の1以上の周波数帯域に分割して
    出力する周波数分割手段と、 当該周波数分割手段から出力される1以上の周波数帯域
    の信号、及び当該位置情報入力手段により入力された位
    置情報の少なくとも一部を可視出力する出力手段 とからなることを特徴とする架空送電線及びその設備の
    異常箇所探査装置。
  4. 【請求項4】更に、当該距離補正手段により規格化され
    た電波信号から、突発波を検出する突発波検出手段を具
    備し、上記出力手段が、当該突発波検出手段の検出結果
    も出力することを特徴とする特許請求の範囲第(3)項
    に記載の架空送電線及びその設備の異常箇所探査装置。
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