JP2986688B2 - ガス吹ノズル - Google Patents

ガス吹ノズル

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JP2986688B2
JP2986688B2 JP6196253A JP19625394A JP2986688B2 JP 2986688 B2 JP2986688 B2 JP 2986688B2 JP 6196253 A JP6196253 A JP 6196253A JP 19625394 A JP19625394 A JP 19625394A JP 2986688 B2 JP2986688 B2 JP 2986688B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造に用いられる断熱
ガス吹ノズルに関し、特に連続鋳造において浸漬ノズル
として用いられるガス吹ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属の連続鋳造において、溶鋼を
取鍋からタンディッシュへ、あるいはタンディッシュか
らモールドへ注入するために、浸漬ノズルが使用されて
いる。
【0003】例えば、タンディッシュからモールドへ注
入する場合は、浸漬ノズルを用いてタンディッシュ内と
モールド内を連続させて、溶鋼を外気に接触させないよ
うにして注入する。
【0004】それによって、溶鋼流の酸化防止や保温を
行うことができ、しかも鋳込時の溶鋼流の乱れやスラグ
のまきこみを防止することができる。
【0005】しかしながら、溶鋼に含まれる地金や非金
属介在物、例えばアルミナ(Al23 )を主成分とす
るものが浸漬ノズルの内面に付着し、それによって浸漬
ノズルが閉塞し易いという問題がある。
【0006】このような浸漬ノズルの閉塞を防止する方
法として、次に順に説明する第1〜第3従来例の方法が
提案されている。
【0007】まず、第1従来例について説明する。第1
従来例の閉塞防止方法は、浸漬ノズルのノズル孔に還元
ガスを吹き込んで、浸漬ノズルの内面に対する非金属介
在物などの付着を防止する方法である。
【0008】この第1従来例に用いる連続鋳造用浸漬ノ
ズルについて図9を参照して説明する。
【0009】図9の浸漬ノズルは、耐熱衝撃性、耐溶損
性等に優れた耐火物からなるノズル本体91を備える。
ノズル本体91は、軸心部に溶融金属の流路となるノズ
ル孔92を形成し、かつその出口となる吐出口93を下
側部に形成した有底円筒形状である。ノズル本体91の
筒部94の内周側に円筒形状の空間からなるガス吹き用
スリット95が設けられ、かつガス吹き用スリット95
の内周側に多孔質のガス吹き出し層96が設けられてい
る。さらにノズル本体91には、ガス吹き用スリット9
5に不活性ガスを供給するためのガス吹き込み用ソケッ
ト97、パウダーライン部用耐火物99が設けられてい
る。
【0010】この浸漬ノズルを連続鋳造に使用して溶融
金属をノズル孔92内に流す。それとともに、ガス源
(図示せず)からガス吹き込み用ソケット97を介して
ガス吹き用スリット95に不活性ガスを供給し、ガス吹
き出し層96を経てその内周面からノズル孔92内に不
活性ガスを吹き出させ、そのバブリング効果等によりノ
ズル本体91の内周面に対する非金属介在物等の付着を
防止して、ノズル孔92の閉塞を防止する。
【0011】このようなガスを吹き込む浸漬ノズルは、
例えば実開昭58−116148号公報、実開昭59−
190456号公報に記載されている。
【0012】次に、第2従来例について説明する。第2
従来例の閉塞防止方法は、浸漬ノズルに断熱層を設けて
浸漬ノズルの内側を保温することによって、浸漬ノズル
の内面に対する地金の付着を防止する方法である。この
方法によって、鋳造初期における溶鋼中の地金に起因す
るノズル閉塞を防止することができる。
【0013】図10を参照して第2従来例に用いる浸漬
ノズルについて説明する。
【0014】この浸漬ノズルはノズル本体101を備え
る。ノズル本体101は有底円筒形状であり、前述の第
1従来例と同様に、ノズル孔102および吐出口103
が形成され、ノズル本体101の外周面にパウダーライ
ン部用耐火物109が設けられている。
【0015】ノズル本体101の筒部104の内部に
は、断熱層105が設けられている。断熱層105の材
質としては、セラミックファイバー、アルミ箔などが使
用される。
【0016】このような断熱層を備えた浸漬ノズルは、
例えば特公昭49−27727号公報に記載されてい
る。
【0017】次に、第3従来例について説明する。第3
従来例は、特開平5−245603号公報に記載されて
いる。
【0018】図11を参照して第3従来例の浸漬ノズル
について説明する。
【0019】この浸漬ノズルはノズル本体111を備え
る。ノズル本体111は有底円筒形状であり、前述の第
1従来例と同様に、ノズル孔112および吐出口113
が形成され、ノズル本体111の外周面にパウダーライ
ン部用耐火物119が設けられている。
【0020】ノズル本体111の筒部114の内周側に
ガス吹き用スリット115が設けられ、さらにガス吹き
用スリット115を囲むように断熱層118が設けられ
ている。ガス吹き用スリット115の内周側に多孔質の
ガス吹き出し層116が設けられている。さらに筒部1
14には、ガス吹き用スリット120に不活性ガスを供
給するためのガス吹き込み用ソケット117が設けられ
ている。
【0021】この浸漬ノズルによれば、ガス吹きおよび
断熱を両方共に行うので、ガス吹き込み量を増加させる
ことなくノズル閉塞防止効果を発揮することができ、か
つ鋳片表面品質を向上することができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
第1従来例においては、閉塞防止効果を高るために、多
量のガスを吹き込む必要があるので、吹き込まれたガス
が鋳片内に滞留して、ピンホール欠陥を生じ、鋳片の表
面不良率の増大を招き易いという問題がある。しかも、
常温の不活性ガスを吹き込むため、ノズル本体が全体的
に冷却される。そのため、溶融金属中の低温域において
はガス吹き込みにより逆に付着現象が発生し易く、全体
として閉塞防止効果を高めることができない問題があ
る。
【0023】また、前述の第2実施例においては初期地
金付の防止には有効であるが、第1従来例の浸漬ノズル
と比較して非金属介在物などの付着を防止する点におい
ては、まだ問題がある。
【0024】また、前述の第3従来例においては、断熱
層118がガス吹き用スリット115を囲むように配置
されており、ノズル孔112から離れているので、ノズ
ル孔112内を効果的に断熱することができないという
問題がある。
【0025】本願発明の第1の目的は、ガス吹き用のス
リットおよび断熱層をそれぞれ有効な位置に配置して、
それらによる効果を最大限に得ることができる断熱ガス
吹ノズルを提供することにある。
【0026】本願発明の第2の目的は、ノズル孔内にお
ける溶鋼の流れを均一にして、溶鋼の片流れなどを防止
することができる断熱ガス吹ノズルを提供することであ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】前述の第1の目的を達成
するために、本願の第1発明は、ノズル本体の長手方向
に形成したノズル孔に沿ってガス吹き用スリットと断熱
層をノズル孔の方向に並べて配置したことを特徴とする
ガス吹ノズルを要旨とする。。
【0028】また、前述の第2の目的を達成するため
に、本願の第2発明は、ノズル本体の長手方向に形成し
たノズル孔に沿ってガス吹き用スリットと断熱層をスパ
イラル状に配置したことを特徴とするガス吹ノズルを要
旨とする。
【0029】
【実施例】第1実施例 図1を参照して、本発明の第1実施例によるガス吹ノズ
ル(以下、ノズルという)について説明する。
【0030】図1のノズルは、連続鋳造用の浸漬ノズル
であり、ノズル本体1やガス源11等から構成されてい
る。
【0031】ノズル本体1は、有底円筒形状であり、筒
部4、ガス吹き用スリット5、ガス吹込用ソケット7、
断熱層8、パウダーライン部用耐火物層9を備えてい
る。
【0032】筒部4とパウダーライン部用耐火物層9
は、それぞれ耐熱衝撃性、耐溶損性等に優れている。そ
れぞれの材質は、従来と同様の耐火物を採用できる。
【0033】ノズル本体1の軸心部には、ノズル本体の
長手方向にノズル孔2が形成されている。ノズル孔2
は、筒部4の内側の空間であり、鋳造を行う時に溶鋼の
流路として機能する。筒部4の下側部には、吐出口3が
形成されている。吐出口3は、ノズル孔2の出口であ
る。ノズル孔2および吐出口3の形状は、従来と同様の
形状にすることができる。
【0034】パウダーライン部用耐火物層9は、連続鋳
造の時に溶鋼のパウダーライン10に接するように筒部
4の外周面に設けられている。
【0035】筒部4の肉厚方向の中間には、ガス吹き用
スリット5および断熱用スリット8aからなる中空部分
が形成されている。ガス吹き用スリット5は、後述のよ
うにガスの流路として機能する空間である。断熱用スリ
ット8aには断熱層8が配置されている。
【0036】ガス吹き用スリット5および断熱層8は、
ノズル孔2に沿ってノズル孔2の長手方向に並べて配置
されており、しかもスパイラル状に配置されている。つ
まり、ガス吹き用スリット5および断熱層8は、ノズル
孔2と同心の螺旋に沿って互いに隣合せに配置されてい
る。
【0037】ガス吹き用スリット5および断熱層8は、
それぞれ筒部4の上端部付近からパウダーライン部用耐
火物層9に及ぶ広い範囲に設けられている。
【0038】筒部4は、ガス吹き出し層6を備えてお
り、一体的に構成されている。ガス吹き出し層6は、ガ
ス吹き用スリット5および断熱層8とノズル孔2の間に
配置されており、ポーラス材質(多孔質の材質)から構
成されており、通気性を有す。なお、ガス吹き出し層6
は、筒部4と別体に設けてもよい。
【0039】ガス吹き込み用ソケット7は、筒部4に設
けられており、ガス吹き用スリット5に接続されてい
る。ガス源11は、ガス吹き込み用ソケット7に接続さ
れており、従来と同様のものを採用できる。ガス源11
の一例が図1に模式的に示されている。
【0040】断熱層8は、断熱材から構成されており、
従来と同様のものを採用できる。断熱層8は、好ましく
はムライト、アルミナ−シリカ系、MgO、等で作られ
たセラミックファイバー層である。
【0041】断熱層8が空気層である場合は、効果的な
断熱を行うことが出来ず、好ましくは上記セラミックフ
ァイバー層を設置した方がより断熱効果に優れる。その
理由については、後述の注湯測温テストおよびコンピュ
ータシミュレーションによって詳しく説明する。
【0042】次に、このノズルを使用して、溶鋼をタン
ディッシュからモールドへ注入する場合について説明す
る。
【0043】ノズルによってタンディッシュ内とモール
ド内を連続させて、溶鋼をタンディッシュ内からノズル
孔2内に流し、さらに吐出口3を介してモールド内に注
入する。
【0044】それとともに、ガス源11からガス吹き込
み用ソケット7を介してガス吹き用スリット5に窒素、
アルゴン等の不活性ガスを供給し、さらにガス吹き用ス
リット5からガス吹き出し層6を経てノズル孔2内に吹
き出す。
【0045】このように吹き出される不活性ガスのフィ
ルム効果等により、筒部4の内周面における非金属介在
物等の付着を防止し、さらにノズル孔2からの熱放散を
断熱層8によって遮断することにより、ノズル孔2内を
保温して筒部4の内周面における地金の付着を防止す
る。それによって、ノズル孔2の広範囲にわたって、溶
鋼中の非金属介在物や地金などに起因するノズル孔2の
閉塞を防止する。
【0046】前述の第3従来例と比較して、断熱層8に
よる保温効果を大きくして閉塞防止を良好に行うことが
できる。それによって、ガス吹き出し層6を介してノズ
ル孔2内に吹き出すガスの量を、前述の第1従来例と第
3従来例のものと比較して抑え、しかもノズル閉塞を効
果的に防止することができる。この場合、従来例と比較
して鋳片表面におけるピンホール等の表面不良率を低く
抑えることができる。そのため、溶鋼中へのガス拡散が
問題となる場合に特に有効である。
【0047】しかも、ノズル孔2に少量の不活性ガスを
流すことで、ノズル孔2内の溶鋼流を均一に調整するこ
とができる。それによって、ノズルの閉塞を防止すると
ともに、吐出孔3からの片流れ等を防止することも出来
る。
【0048】次に、ガス吹き用スリット5と断熱層8の
厚み方向の幅について説明する。
【0049】好ましくは、ガス吹き用スリット5の厚み
方向の幅は1mm〜3mmであり、断熱層8の厚み方向
の幅は、3mm〜6mmである。
【0050】ガス吹き用スリット5の幅を1mm〜3m
mにすることにより、ガス吹き用スリット5中にガスを
充満させて、ガス吹き用スリット5中のガス圧を高くす
ることが容易になる。それによって、ガス吹き用スリッ
ト5からガス吹き出し層6を介してノズル孔2内にガス
が吹き出し易くなり、ノズル孔の閉塞を効果的に防止す
ることができる。
【0051】断熱層8の幅を3mmより大きくすること
により、効果的に断熱を行うことができるが、6mmよ
り大きくする場合は、ノズル肉厚との関係上、強度的な
問題を生じる。
【0052】以上説明したノズルを低炭アルミキルド鋼
の鋳造に使用し、ノズルの内周面に生じた付着物層の厚
みを測定した。その結果を図2のグラフCに示す。さら
に、ノズルの部分的な断面図(C)を図2に示す。断面
図(C)は、図1のノズルの吐出口3から上の部分の右
半分を横向きにして示す。グラフの横軸は、測定位置を
示し、断面図(C)に対応している。
【0053】第1〜第2比較例 第1〜第2比較例による連続鋳造用の浸漬ノズルについ
て順に説明する。
【0054】第1比較例の浸漬ノズルは、ガス吹き用ス
リットおよび断熱層を両方とも備えておらず、ガス吹き
および断熱を両方とも行わない。その他の構成は、前述
の第1実施例と同様である。
【0055】第2比較例の浸漬ノズルは、ガス吹き用ス
リットを備えているが断熱層を備えておらず、ガス吹き
だけを行い断熱を行わない。その他の構成は、前述の第
1実施例と同様である。
【0056】図2に、第1〜第2比較例の浸漬ノズルの
部分的な断面図(A),(B)を示す。
【0057】第1実施例と同様に、第1〜第2比較例の
浸漬ノズルをそれぞれ低炭アルミキルド鋼の鋳造に使用
し、各ノズルの内周面に生じた付着物層の厚みを測定し
た。それらの測定結果を、図2のグラフA,Bにそれぞ
れ示す。
【0058】第1実施例と第1〜第2比較例の比較 図2のグラフA,B,Cから明らかなように、第1〜第
2比較例の浸漬ノズルと比較して、第1実施例のノズル
は、ノズルの内周面の全面において付着物の発生を抑制
して、浸漬ノズルの閉塞を効果的に防止することができ
る。
【0059】注湯測温テストおよびコンピュータシミュ
レーション セラミックファイバー層が浸漬ノズルの断熱層として優
れていることを示すために、注湯測温テストおよびコン
ピュータシミュレーションを行って、セラミックファイ
バー層による断熱効果と空気層による断熱効果の比較を
行った。
【0060】次に、注湯測温テストおよびコンピュータ
シミュレーションについて順に説明する。
【0061】まず、図3および図4を参照して、注湯測
温テストについて説明する。このテストは、高周波加熱
炉23からコレクターノズル22を介して供試体21の
中に溶鋼24を流し込んで、供試体21の第1〜第5測
温部位T1〜T5の温度の経時変化を測定するテストで
ある。
【0062】供試体21は、浸漬ノズルを坩堝形状にし
たものであり、その半分に1mmの幅の空気層26を形
成し、残りの半分に5mmの幅のセラミックファイバー
層27を形成したものである。第1〜第5測温部位T1
〜T5は、供試体21の底面から上方に300mmの位
置それぞれ供試体21の内周面、セラミックファイバー
層27の外周、供試体21のセラミックファイバー層2
7側の外周面、空気層26の外周付近、供試体21の空
気層26側の外周面に設定した。図4は、図3の供試体
21の筒部の断面を拡大して示す。
【0063】この注湯測温テストの結果を図5のグラフ
に示す。このグラフから明らかなように、第2測温部位
T3の温度は、第5測温部位T5の温度より低い。つま
り、空気層26側の外周部の温度よりもセラミックファ
イバー層27側の外周部の温度の方が低い。このよう
に、5mmの幅のセラミックファイバー層27は、1m
mの幅の空気層26よりも断熱効果が大きい。
【0064】次に、コンピュータシミュレーションにつ
いて説明する。これは、注湯測温テストの結果を基にし
て、解析モデルの温度の経時変化を求めるシミュレーシ
ョンである。解析モデルは、供試体21を数値モデル化
したものであり、内孔30、耐火物層31、断熱層32
を備える。図6は、解析モデルの概念図を示し、図4に
示す供試体21の断面を扇形に分割した部分に対応す
る。
【0065】解析モデルの断熱層32が1mmの幅のセ
ラミックファイバー層である場合、3mmの幅のセラミ
ックファイバー層である場合、1mmの幅の空気層であ
る場合、3mmの幅の空気層である場合について、それ
ぞれコンピュータシミュレーションを行って、解析モデ
ルの外周面34の温度の経時変化を求めた。それらの結
果を図7のグラフにそれぞれ示す。
【0066】さらに、解析モデルが断熱層32を備えな
い場合についてもコンピュータシミュレーションを行っ
て、解析モデルの外周面34の温度の経時変化および解
析モデルの内孔部33の温度の経時変化を求めた。それ
らの結果を図7のグラフにそれぞれ示す。
【0067】図7のグラフから明らかなように、セラミ
ックファイバー層と空気層を比較すると、前者の断熱効
果の方が大きい。その差は、両者の熱伝導の形態の違い
によると考えられる。つまり、前者の熱伝導が伝熱だけ
であるのに対し、後者の熱伝導は伝熱および輻射である
という点が、断熱効果の差の主因と考えられる。
【0068】また、図7のグラフから明らかなように、
1mmの幅の空気層と3mmの幅の空気層を比較する
と、両者の断熱効果の差は小さい。1mmの幅のセラミ
ックファイバー層と3mmの幅のセラミックファイバー
層を比較すると、後者の断熱効果の方が大きい。このよ
うに、空気層の場合は幅を大きく設定しても断熱効果を
大きくすることができないが、セラミックファイバー層
の場合は、幅を3mmより大きく設定することによっ
て、断熱効果を大きくすることができる。
【0069】以上の注湯テストおよびコンピュータシミ
ュレーションから明らかなように、セラミックファイバ
ー層は、ノズルの断熱層として優れている。
【0070】第2実施例 図8を参照して、本発明の第2実施例によるガス吹ノズ
ル(以下、ノズルという)について説明する。
【0071】このノズルは、連続鋳造用の浸漬ノズルで
あり、ノズル本体41、ガス源51から構成されてい
る。
【0072】ノズル本体41は、有底円筒形状であり、
筒部44、ガス吹き用スリット45、ガス吹込用ソケッ
ト47、断熱層48、パウダーライン部用耐火物層49
を備えている。それらの材質は、前述の第1実施例と同
様である。
【0073】パウダーライン部用耐火物層49は、前述
の第1実施例と同様に筒部44の外周面に設けられてい
る。
【0074】ノズル本体41には、前述の第1実施例と
同様にノズル孔42および吐出口43が形成されてい
る。
【0075】筒部44の肉厚方向の中間には、ガス吹き
用スリット45および断熱用スリット48aが形成され
ている。
【0076】図示例においては、断熱用スリット48a
は、筒部44の中空部分の上半分に設けられ、ガス吹き
用スリット45は、筒部44の中空部分の下半分に設け
られている。ガス吹き用スリット45および断熱用スリ
ット48aは、ノズル孔42に沿って上下方向に並べて
配置されており、それぞれ円筒形状である。ガス吹き用
スリット45は、後述のようにガスの流路として機能す
る空間である。断熱用スリット48aには断熱層48が
配置されている。
【0077】図示例に限らず、ガス吹き用スリットと断
熱層をそれぞれ筒部の任意の部分に設けてもよい。例え
ば、ガス吹き用スリット及びガス吹き出し層を筒部の上
半分に設け、断熱層を筒部の下半分に設けてもよい。た
だし、いずれの場合も、ガス吹き用スリットと断熱層を
ノズル孔に沿ってノズルの長手方向に並べて配置する。
【0078】好ましくは、外気に冷却されやすい部分に
断熱層48を設ける。この場合、鋳造におけるローカル
条件の把握がノズル設計の重要な要素となる。
【0079】筒部44は、多孔質のガス吹き出し層46
を備えており、一体的に構成されている。ガス吹き出し
層46は、ガス吹き用スリット45とノズル孔42の間
に配置されており、ポーラス材質から構成されている。
なお、ガス吹き出し層46は、筒部44と別体に設けて
もよい。
【0080】ガス吹き込み用ソケット47は、筒部44
に設けられており、ガス吹用スリット45に接続されて
いる。ガス源51は、ガス吹き込み用ソケット47に接
続されている。ガス源51は従来と同様のものを採用で
きる。
【0081】第1実施例と同様に第2実施例において
も、窒素、アルゴン等の不活性ガスが、ガス源51から
ガス吹き込み口47を介してガス吹き用スリット45に
供給され、ガス吹き出し層46を経てノズル孔42内に
吹き出される。
【0082】筒部44の上半分において、断熱層48の
断熱効果により地金主体の付着物の発生を防止し、筒部
44の下半分において、ガス吹きによりアルミナクラス
ター主体の付着物の発生を防止することができる。
【0083】このように、ガス吹き用スリット45およ
び断熱層48のそれぞれの効果を別々の部分で発揮でき
るので、外気に冷却されやすい部分とその他の部分がは
っきりと区別されている様な場合に特に有効である。な
お、それぞれの効果を発揮出来る範囲が限られるため、
鋳造におけるローカル条件の影響を受けやすくなる。
【0084】断熱層48の材質および幅、ガス吹き用ス
リット45の幅は、前述の第1実施例と同様である。
【0085】変形例 本発明は、前述の第1実施例および第2実施例に限定さ
れるものではない。
【0086】例えば、本発明は、浸漬ノズルに限らず、
その他のノズル、例えば注入管(これもノズルの一
種)、取鍋用ノズル、タンディッシュ用上下ノズル、中
間ノズル等にも適用できる。いずれの場合も前述の実施
例と同様にして、ガス吹き用スリットおよび断熱層を設
置可能であり、浸漬ノズルにおける効果と同様の効果が
得られる。
【0087】また、ノズル孔の形状に対応して閉塞対策
を行ったり、あるいはそれと耐閉塞材質等との組み合わ
せが可能である。
【0088】
【発明の効果】本願の第1発明によれば、ノズル孔に沿
ってガス吹き用スリットと断熱層を並べて配置するの
で、ガス吹き用スリットと断熱層をそれぞれノズル孔に
近い有効な位置に設置できる。
【0089】それによって、ノズル孔の広範囲にわたっ
て閉塞防止を良好に行うことができ、しかも従来と比較
して閉塞防止の効果を大きくすることができる。さら
に、ノズル孔内に流すガス量を、従来と比較して抑える
ことができる。この場合は、従来と比較して鋳片表面に
おけるピンホール等の表面不良率を低く抑えることがで
きる。
【0090】本願の第2発明によれば、ノズル孔に沿っ
てガス吹き用スリットと断熱層をスパイラル状に配置す
るので、断熱層によってノズル孔を保温するとともに、
ノズル孔に少量の不活性ガスを流すことによって、ノズ
ル孔内の溶鋼流を均一に調整することができる。
【0091】それによって、ノズルの閉塞を防止すると
ともに、溶鋼の片流れ等を防止することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による断熱ガス吹ノズルを
示す断面図。
【図2】付着物層の厚みの測定結果を示すグラフおよび
第1実施例、第1〜第2比較例の各ノズルの部分的な断
面を示す図。
【図3】注湯測温テストを説明するための概略図。
【図4】注湯測温テストに用いる供試体の断面図。
【図5】測温結果を示すグラフ。
【図6】コンピュータシミュレーションにおける解析モ
デルを示す図。
【図7】コンピュータシミュレーションの結果を示すグ
ラフ。
【図8】本発明の第2実施例による断熱ガス吹ノズルを
示す断面図。
【図9】第1従来例の浸漬ノズルを示す断面図。
【図10】第2従来例の浸漬ノズルを示す断面図。
【図11】第3従来例の浸漬ノズルを示す断面図。
【符号の説明】
1,41,91,101,111 ノズル本体 2,42,92,102,112 ノズル孔 3,43,93,103,113 吐出口 4,44,94,104,114 筒部 5,45,95,115 ガス吹き用スリット 6,46,96,116 ガス吹き出し層 7,47,97,117 ガス吹込口 8,48,108,118 断熱層 8a,48a 断熱用スリット 9,49,99,109,119 パウダーライン部
用耐火物層 10 パウダーライン 11,51 ガス源 21 供試体 22 コレクターノズル 23 高周波加熱炉 24 溶鋼 26 空気層 27 セラミックファイバー層 T1〜T5 第1〜第5測温部位 30 内孔 31 耐火物層 32 断熱層 33 内孔部 34 外周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 陽一郎 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝 セラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 瀧川 整 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝 セラミックス株式会社刈谷製造所内 (56)参考文献 特開 昭63−41346(JP,A) 特開 昭62−203663(JP,A) 特開 平1−284468(JP,A) 特開 昭59−118261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/10 360 B22D 11/10 330 B22D 41/50 520 B22D 41/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体の長手方向に形成したノズル
    孔に沿ってガス吹き用スリットと断熱層をノズル孔の方
    向に並べて配置したことを特徴とするガス吹ノズル。
  2. 【請求項2】 ノズル本体の長手方向に形成したノズル
    孔に沿ってガス吹き用スリットと断熱層をスパイラル状
    に配置したことを特徴とするガス吹ノズル。
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