JP2985728B2 - 埋設杭におけるネガティブフリクションの防止構造 - Google Patents

埋設杭におけるネガティブフリクションの防止構造

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JP2985728B2 JP7117428A JP11742895A JP2985728B2 JP 2985728 B2 JP2985728 B2 JP 2985728B2 JP 7117428 A JP7117428 A JP 7117428A JP 11742895 A JP11742895 A JP 11742895A JP 2985728 B2 JP2985728 B2 JP 2985728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、埋設杭におけるネガ
ティブフリクションの防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ネガティブフリクション(以下NFと略
称する)は、図5に示すように、軟弱地盤中E1 に打設
された杭1に、周囲の地盤が沈下することによる下向き
に作用する摩擦力であり、この摩擦力によって杭1に下
向きの力が大きく加わる。この力は支持層E2 に到達し
た部分の先端支持力に対する逆向きの力であり、先端支
持力との中立点1aで最大の軸力Pmax が生じ、この軸
力Pmax が大きいと杭1が折損する惧れがある。
【0003】このNFに対する対策工法としては次の工
法がある。
【0004】(1)支持杭方式…板厚を部分的に厚くし
たり、材質を上げる。
【0005】(2)二重管方式…設計荷重を支持層に伝
える内管と、内管の周囲を周囲地盤から分離する外管と
からなるもの。
【0006】(3)SL杭方式…スリップレイヤーの略
称で、特殊アスファルトを杭表面に塗布し、このアスフ
ァルトの粘弾性特性を利用してNFを低減させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法は、正の
摩擦力の発生する地盤にどの程度打ち込むことができる
かで杭の支持力が決まり、NF対策も異なってくる。ま
た圧密層の厚さが30mを越えると過大なNF力が加わ
ることになり、耐力が持たなくなる場合が多い問題があ
る。
【0008】(2)の方法は効果は確実であるものの、
内管と外管の接合など製作が面倒であり、コスト面での
問題がある。
【0009】(3)の方法は最も実績のある工法であ
り、NFの低減に効果があるものの、上部工による荷重
が作用したときも周面摩擦が低減する問題点がある。な
お、通常杭の支持力は周面摩擦に依存する割合が大きい
ため、杭に対する載荷荷重による支持力の問題も生ず
る。
【0010】そこでこの発明は、地盤沈下時にNFを低
減でき、載荷荷重に対する抵抗力を増大させた埋設杭に
おけるNFの防止構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、軟弱地盤中
に埋設される杭の外周を断面楔形のテープ状をなした被
覆材で覆ってなり、該被覆材は、該楔形断面の拡大部を
下方に向けて前記杭の外周に沿って螺旋状に巻き付け固
定することで、前記杭の外周を沈下方向に対して摩擦力
が大で、上方向に対して摩擦力が小さな形状としたもの
であることを特徴とする(請求項1)。
【0012】またこの発明は、軟弱地盤中に埋設される
杭の外周を被覆材で覆ってなり、該被覆材は杭の外周に
コーティングされ、コーティング初期段階で表面滑性を
有し、経時変化によって粗面化される樹脂材料により構
成されていることを特徴とする(請求項2)。
【0013】
【0014】
【作用】請求項1の構成とすることにより、引抜き方向
に対しては摩擦力が小さいので、相対的にNFを低減で
き、沈下方向に摩擦力が大であることにより、載荷荷重
に対する抵抗力を増大する。また、被覆材の巻き付けに
よって物理形状を沈下しにくく、引き抜きやすい形状と
なっている。外径が大となる分周面摩擦も増加する。
【0015】請求項2の構成とすることで、埋設初期に
摩擦力が小さく相対的にNFを低減する。また、地盤沈
下時期の経過後、表面が粗面化することで、載荷荷重に
対する抵抗を増す。
【0016】
【0017】
【実施例】図1,2はこの発明の第一実施例を示してい
る。図において、中空円筒状の杭10の外周にはテープ
状をした被覆材12が螺旋状に巻き付き固定される。こ
の被覆材12は、図の一部に拡大して示すように、例え
ば炭素繊維、ゴム材、その他樹脂等の表面滑性を有する
断面が楔状をしたものであり、裏面に設けた強粘着剤1
2aを介して杭10の外周に強固に接着固定される。
【0018】この被覆材12の巻き付け方法としては、
楔形断面の拡大部を下部側として重合を避けつつ杭10
の外周に螺旋状に巻き付けることにより、傾斜状をし、
下部側に楔形段部が連続する断面形状に形成される。な
お、被覆材12は、杭10の全長に沿って配置する必要
はなく、杭10の支持地盤E2 に埋設される部分は不要
である。
【0019】以上の構成において、杭10を軟弱地盤E
1 に打ち込み、その先端を支持地盤E2 に到達させる
と、図2(a)に示すように、杭の周囲に圧密沈下が生
じ、杭10の周囲に相対的に下向きのNFが生ずるが、
杭10の外周に設けた被覆材12の傾斜面に対する摩擦
力は小さく、結果的にNFを低減できることになる。
【0020】地盤沈下完了後、図2(b)に示すよう
に、上部工14の施工によって杭10に載荷荷重が加わ
り、相対的に上向きの摩擦力が生ずるが、被覆材12に
より形成された多数の段部によって、その摩擦力は大と
なり、載荷荷重に対する杭10の抵抗力を増大させるこ
とになる。また、杭10の支持力は周面摩擦に依存する
割合が大きいが、被覆材12により周長が増加し、その
分の抵抗力増加も期待できる。
【0021】なお、以上の実施例では、被覆材12を互
いに重合を避けて一重巻きした場合を説明したが、二重
あるいはそれ以上の多重巻きとしても良い。
【0022】図3はこの発明の第二実施例を示すもの
で、杭10の外周には切削加工などにより下方に向けて
拡開する多数の楔状の段部10aが形成され、その周面
にテフロン、ポリエチレン、その他滑性のある樹脂層2
0をコーティングしている。
【0023】この実施例においても第一実施例と同様に
その物理的形状により、NFを低減するとともに、載荷
荷重に対する杭10の抵抗力を増加させることができ
る。
【0024】図4はこの発明の第三実施例を示すもので
ある。図において、中空円筒形の杭10の外周は吹付
け,ディッピング,刷毛塗りその他の塗布手段により、
被覆材30がコーティングされている。
【0025】この被覆材30は、分解性の樹脂に粒状の
顔料成分を分散配合したもので、コーティング初期段階
では(a)に示すように表面滑性を有し、圧密に対する
NFを低減する。また、圧密沈下完了後、経時変化に応
じて(b)に示すように、被覆材30の樹脂成分が分解
し、粒状の顔料成分が表面に露出することによって粗面
30aとなり、これによって上部工14の載荷荷重に対
する杭10の抵抗力を増加することになる。
【0026】なお、分解性樹脂は特定されるものではな
いが、分解剤等の含有量に応じて劣化時期を制御できる
樹脂種を選択すれば良く、地盤E1 の圧密沈下期間は分
解することなく、圧密沈下時期を過ぎたら分解すべく、
その期間を想定した配合とすれば良い。
【0027】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、上方向
に対しては摩擦力が小さいので、相対的にNFを低減で
き、沈下方向に摩擦力が大であることにより、載荷荷重
に対する抵抗力を増大するため、NFによる杭自体の折
損を防止できると同時に、SL杭方式に比べて上部工の
支持を確実にできる。また、二重鋼管方式に比べて加工
が簡単であり、コストメリットも高い。さらに、被覆材
の巻き付けにより物理形状を沈下しにくく、引き抜きや
すい形状としたので現場で簡単に加工ができる。
【0028】請求項2の構成とすることで、埋設初期に
摩擦力が小さく相対的にNFを低減し、地盤沈下時期の
経過後、表面が粗面化することで、載荷荷重に対する抵
抗を増すことができ、通常の杭にコーティング加工を施
すだけで良いため、加工も簡単である。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例による杭の説明図であ
る。
【図2】(a),(b)は同杭に対するNF、および上
部載荷荷重が加わった状態を示す説明図である。
【図3】この発明の第二実施例による杭の説明図であ
る。
【図4】(a),(b)はこの発明の第三実施例による
杭の説明図である。
【図5】従来における杭に加わるNFによる不具合を示
す説明図である。
【符号の説明】
10 杭 10a 楔状段部 12,20 被覆材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟弱地盤中に埋設される杭の外周を断面
    楔形のテープ状をなした被覆材で覆ってなり、該被覆材
    は、該楔形断面の拡大部を下方に向けて前記杭の外周に
    沿って螺旋状に巻き付け固定することで、前記杭の外周
    を沈下方向に対して摩擦力が大で、上方向に対して摩擦
    力が小さな形状としたものであることを特徴とする埋設
    杭におけるネガティブフリクションの防止構造。
  2. 【請求項2】 軟弱地盤中に埋設される杭の外周を被覆
    材で覆ってなり、該被覆材は杭の外周にコーティングさ
    れ、コーティング初期段階で表面滑性を有し、経時変化
    によって粗面化される樹脂材料により構成されているこ
    とを特徴とする埋設杭におけるネガティブフリクション
    の防止構造。
JP7117428A 1995-05-16 1995-05-16 埋設杭におけるネガティブフリクションの防止構造 Expired - Fee Related JP2985728B2 (ja)

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