JP2984258B1 - 排熱利用によるガス吸収式冷暖房装置 - Google Patents

排熱利用によるガス吸収式冷暖房装置

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JP2984258B1
JP2984258B1 JP26017598A JP26017598A JP2984258B1 JP 2984258 B1 JP2984258 B1 JP 2984258B1 JP 26017598 A JP26017598 A JP 26017598A JP 26017598 A JP26017598 A JP 26017598A JP 2984258 B1 JP2984258 B1 JP 2984258B1
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IMADA KIMIKO
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KUMAKAWA TSUTOMU
KUMAKAWA YOKO
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Abstract

【要約】 【課題】 乗り物の内燃機関の排熱を有効利用して乗り
物に備えた冷凍庫や冷蔵庫を冷やすことができ、安価
で、振動や騒音ない。 【解決手段】 乗り物や船の内燃機関2の排出する排熱
を、乗り物に備えた冷凍庫3や冷蔵庫に設けた吸収冷凍
機4の発生器5の熱源Aとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排熱利用によるガ
ス吸収式冷暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍車、冷蔵車、保冷車などの車
両において、冷凍車、冷蔵車、保冷車(以下、これらを
総称して便宜上冷凍車として説明する)は車両に冷凍機
を積載して冷凍庫内を冷やすようになっている。そし
て、従来にあっては冷凍車における冷凍機はヒートポン
プ式の冷凍サイクルのものを用い、車両のエンジンでコ
ンプレッサを駆動するようにしている。
【0003】ところが、上記の従来例においては、車両
のエンジンでコンプレッサを駆動する必要があるので、
冷凍車における冷凍機を用いて冷凍庫を冷やすのにエネ
ルギーコストがかかり、また、コンプレッサを駆動する
ために、振動や騒音が発生するという問題がある。
【0004】また、従来から冷凍機としてヒートポンプ
式の冷凍サイクルのものの他に、吸収冷凍機が知られて
いる。このものはコンプレッサを必要としないが、発生
器を加熱して冷媒蒸気を発生させる熱源を必要とする。
そして、この熱源としては一般に都市ガス、プロパンガ
ス、電熱器等であり、このような熱源は車両に付設され
ておらず、したがって、従来にあっては吸収冷凍機は冷
凍車の冷凍機として使用されていないのが現実である。
また、仮に、このような熱源を車に付設できたとして
も、発生器を加熱するための熱源のエネルギーコストが
かかるという問題がある。
【0005】更に、吸収冷凍機の熱媒としてアンモニア
が使用されているが、仮に吸収式冷凍機を乗り物に装備
した場合、衝突事故などにより吸収冷凍機の配管が破損
してアンモニアガスが漏出すると、アンモニアガスは悪
臭を発生する有害ガスであるので、この有害ガスが漏出
すると周囲にきわめて悪影響を与えて環境を悪化させ、
また、交通事故にあった人の救助や事故処理の障害とな
るという問題がある。
【0006】また、上記いずれの従来例にあっても冷凍
庫内に霜が付着して冷熱効率が悪くなるという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、車両や船等の乗り物の内燃機
関の排熱を有効利用して車両や船に備えた冷凍庫や冷蔵
庫を冷やすことができ、安価で、振動や騒音なく、しか
も、簡単な構成で霜取りができ、また乗り物が事故を起
こしてアンモニアガスが漏出しても、瞬間的にアンモニ
ア水として周囲に強烈な悪臭を放つことながいようにで
きる排熱利用によるガス吸収式冷暖房装置を提供するこ
とを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るガス吸収式冷暖房装置は、車両1や船等
の乗り物の内燃機関2の排出する排熱を、乗り物に備え
た冷凍庫3や冷蔵庫に設けたアンモニアを熱媒とする
収冷凍機4の発生器5の熱源Aとし、アンモニアガスが
流れる配管の近傍に水を溜めた水溜め部17を形成し、
この水溜め部17をアンモニアガスが流れる配管よりも
強度を弱いものとして成ることを特徴とするものであ
り、このような構成とすることで、乗り物を移動させる
ための駆動源である内燃機関2の排出する排熱を有効利
用して乗り物に備えた冷凍庫3や冷蔵庫(以下冷凍庫3
を例示して説明する)に設けた吸収冷凍機4の発生器5
の熱源Aとし、これにより、冷凍庫3を冷却することが
できるものである。また、アンモニアガスが流れる配管
の近傍に水を溜めた水溜め部17を形成し、この水溜め
部17をアンモニアガスが流れる配管よりも強度を弱い
ものとしてあることで、車両1が衝突事故等を起こした
際に、アンモニアガスが流れる配管が破損する際には必
ず水溜め部17が破損して水が漏出するようにできて、
確実にアンモニアガスと水を接触させて、瞬間的にアン
モニア水とすることができるものであり、これにより、
有害なアンモニアガスが周囲に流れて環境汚染を行うこ
とがないものであり、また、水溜め部17の材料として
強度の高いものを必要としないので、コストも低減でき
るものである。
【0009】また、アンモニアガスが流れる配管部分の
外周を水を溜める外管18で囲み、この外管18を水を
溜めた水溜め部17としてあることで、車両1が事故を
起こした場合に、アンモニアガスが流れる配管が破損す
る際に外管18が同時に破損することになり、アンモニ
アガスが配管の破損により漏出する際に同時に水溜め部
17が破損して水が漏出し、漏出したアンモニアガスが
水に接触することで瞬間的に水と結合してアンモニアガ
スに比べてはるかに害の少ないアンモニア水となり、こ
の結果、有害気体であるアンモニアガスが周囲に流れ出
て周囲に悪臭がただようという事態が生じないようにで
きるものである。
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0012】本発明としては車両1や船等の内燃機関2
を備えた乗り物として図1に模式的に示す冷凍車のよう
な車両1を例として説明する。
【0013】内燃機関2を備えた車両1には冷凍庫3が
装備してあり、この冷凍庫3は以下に述べるような吸収
冷凍機4により冷やすようになっている。
【0014】本発明における吸収冷凍機4は、図2に示
すような構造となっている。すなわち、アンモニアが水
に溶解したアンモニア水溶液6を溜める受液槽7には注
入弁20が設けてあって、この注入弁20より濃度28
%以上の高濃度のアンモニア水溶液を受液槽7に所定量
供給してある。受液槽7の下部と発生器5の下部とはア
ンモニア水溶液供給管21により連通してあり、受液槽
7から発生器5にアンモニア水溶液6が供給されるよう
になっている。ここで、受液槽7と発生器5とは吸収冷
凍機4の下部のほぼ同じ高さ位置に配設してあり、受液
槽7内におけるアンモニア水溶液の水位と発生器5内に
おける水溶液の水位とが同じレベルとなっている。発生
器5は熱源Aにより加熱されるようになっていてアンモ
ニア水溶液を入れた発生器5を熱源Aにより加熱するこ
とで、アンモニアガスと水蒸気が発生する。
【0015】発生器5の上部には上昇管22の下端部が
連通接続してある。上昇管22の上端部には第1切り換
え弁10を介して分離器8とバイパス管9とが接続して
あって、第1切り換え弁10を切り換えることで、発生
器5で発生したアンモニアガスと水蒸気との混合ガスを
分離器8側に供給するかあるいはバイパス管9側に供給
するかを選択できるようになっている。
【0016】分離器8はアンモニアガスと水蒸気との混
合ガスを比重差を利用してアンモニアガスと水蒸気及び
水滴とに分離するためのものであり、分離器8の上部に
は分離されたアンモニアガスが供給されてアンモニアガ
スを凝縮するための空冷式凝縮器のような凝縮器11が
連通接続してあり、凝縮器11でアンモニアガスが凝縮
されてアンモニア液となり、凝縮器11の上流側に設け
たアンモニア溜り部12に凝縮されたアンモニア液が溜
まるようになっている。分離器8の下部には上記第1切
り換え弁10を介して分離器8で分離された水蒸気及び
水滴が流れる排出管23が連通接続してあり、第1切り
換え弁10を分離器8側が開となるように切り換えた状
態では排出管23側も開となって分離器8で分離された
水蒸気及び水滴が排出管23に流れるようになってお
り、また、バイパス管9側が開となり分離器8側が閉と
なるように第1切り換え弁10を切り換えた場合には排
出管23側も閉となるものである。
【0017】アンモニア溜り部12に連通接続した接続
管24の端部とバイパス管9の端部とはそれぞれ第2切
り換え弁14を介して気化器13の上端部に接続してあ
る。そして、第2切り換え弁14を切り換えて接続管2
4が気化器13の上端部に連通する場合にはアンモニア
溜り部12からアンモニア液が供給されて気化器13で
気化されるようになっており、この場合にはバイパス管
9と気化器13とは連通せず閉となっている。一方、第
2切り換え弁14を切り換えてバイパス管9と気化器1
3とを連通する場合には高温のアンモニアガスと水蒸気
との混合ガスが気化器13に流れて気化器13を暖房器
として加熱するものであり、この場合には接続管24と
気化器13とは連通せず閉となっている。気化器13に
は送風機25対向配置してあって気化器13に送風機2
5から送風するようになっており、この送風機25は切
り換え装置26により風速並びに風量を切り換え自在と
なっている。図の実施形態においては送風機25からの
送風が気化器13に通過するようにしているが、この送
風機25から送風される風は実際は吸収管15も通過す
るものである。
【0018】気化器13は蛇行しているが下部は下降管
27となっていて受液槽7の上面部の一端部に連通接続
してある。受液槽7の上面部の他端部には吸収管15の
下端部が連通接続してあり、吸収管15は上下方向に蛇
行しており、吸収管15の上端部が排出管23に連通接
続してあり、更に、吸収管15の上端部の排出管23と
の連通接続部分付近において上方に立ち上がった連通管
16の下端部が連通接続してあり、連通管16の上端部
が気化器13の上端部に連通接続してあって、受液槽7
の上部、吸収管15、連通管16、気化器13が連通し
た管路となっており、この管路には水素が封入してあっ
て上記管路が水素が流れる水素流路となっている。
【0019】本発明においては、上記のような吸収冷凍
機4を車両1に備えた冷凍庫3を冷やすための冷凍機と
して装備し、この吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aとし
て車両1に設けた内燃機関2の排熱を利用することに特
徴がある。
【0020】車両1に設けた内燃機関2の排熱を利用し
て上記吸収冷凍機4の排熱を発生器5の熱源Aとするこ
との例を以下に示す。
【0021】図3においては内燃機関2の多岐排気管3
0を流れる排気ガスの排気熱で発生器5を加熱する例が
示してある。すなわち、内燃機関2に接続した多岐排気
管30を合流させた合流部31に発生器5を配設し、排
気ガスの排気熱で発生器5を加熱するようにしている。
【0022】また、図4においては排気ガスを流す排気
管32又は排気管32に設けたマフラー33に発生器5
を配設して発生器5を排気ガスの排気熱により加熱する
ようにしている。
【0023】また、図5においてはエンジンを冷却する
ためのラジエーター34に発生器5を配設してラジエー
ター34の熱により発生器5を加熱するようにしてい
る。
【0024】しかして、通常車両1に備えた冷凍庫3を
冷却する場合には、発生器5で発生したアンモニアガス
と水蒸気との混合ガスが分離器8側に流れるように第1
切り換え弁10を切り換えると共に、アンモニア溜り部
12からのアンモニア液を気化器13に供給するように
第2切り換え弁14を切り換えるものである。この状態
で、発生器5を上記車両1に備えた内燃機関2の排熱に
より吸収冷凍機4のアンモニア水溶液が入った発生器5
を加熱することで、アンモニアガスと水蒸気とが発生
し、このアンモニアガスと水蒸気との混合ガスが上昇管
22を上昇し、第1切り換え弁10を経て分離器8に流
れ、分離器8で比重差を利用してアンモニアガスと水蒸
気及び水滴とに分離される。分離されたアンモニアは凝
縮器11に流れ、凝縮器11で凝縮されてアンモニア液
となってアンモニア溜り部12に流れて溜まる。アンモ
ニア溜り部12に溜まったアンモニア液は第2切り換え
弁14を経て気化器13に供給され、気化器13で気化
される。この場合、気化器13で気化するアンモニアは
水素と混合する。このようにアンモニアガスが水素と混
合することで、アンモニアの分圧が低くなって気化がよ
り促進されて急激に気化膨張して気化熱を奪い、これに
より気化器13部分が冷却される。ここで、送風機25
から送風される風が気化器13の外側を通過することで
冷風となり、車両1に備わった冷凍庫3が冷やされるも
のである。また、気化器13を流れた水素とアンモニア
ガスの混合したものが受液槽7に流れる。ここで、水素
とアンモニアガスの混合したものが気化器13を通過し
ていく際にアンモニアガスの一部が冷やされてアンモニ
ア液となって、下降管27から受液槽7に流れ落ちる。
また、他のアンモニアガスは水素とともに受液槽7の上
部の空間を通過して吸収管15に流れる。一方、分離器
8で分離された水蒸気及び水滴は排出管23から吸収管
15に流れる。そして、吸収管15を水素と共に上昇し
て流れるアンモニアガスが吸収管15を下降する水蒸気
及び水に吸収されることで、周囲から吸収熱を奪って吸
収管15部分が冷却される。ここで、送風機25から送
風される風が吸収管15の外側を通過することで冷風と
なり、冷凍庫3が冷やされるものである。このようにし
て吸収管15でアンモニアガスが吸収されることで、水
素だけが吸収管15から連通管16を上昇して気化器1
3の上端部に流れ、気化器13で気化したアンモニアと
混合され、上記と同様のサイクルを繰り返すものであ
る。そして、この水素は上記のように受液槽7の上部、
吸収管15、連通管16、気化器13により構成される
水素流路を循環して流れるものであり、この水素により
管路内の圧力が均一化されるものである。
【0025】上記のように本発明においては気化器13
部分と、吸収管15部分において冷やされることで、冷
凍庫3が冷却されるのである。
【0026】次に、第1切り換え弁10を切り換えて発
生器5から発生した混合ガスをバイパス管9側に供給す
ると共に第2切り換え弁14を切り換えてバイパス管9
から供給される混合ガスを気化器13に供給すると、発
生器5で発生した高温のアンモニアガスと水蒸気との混
合ガスがバイパス管9から気化器13に供給され、これ
により気化器13は高温の混合ガスにより暖房器とな
り、送風機25からの風が気化器13の外側を通過する
際に加熱され、したがって、上記冷凍庫3を冷却運転し
ている途中で、一時的に第1切り換え弁10及び第2切
り換え弁14を切り換えて気化器13を一時的に暖房器
とすることで、冷凍庫3が加熱され、冷凍庫3を冷やし
て使用している場合に冷凍庫3内に発生した霜を取るこ
とができるものである。
【0027】もちろん、第1切り換え弁10及び第2切
り換え弁14を切り換えることで気化器13を暖房器と
する運転を連続して行うことで、車両1に備えた冷凍庫
3を車両1に設けた内燃機関2の排熱を有効利用して加
温して温蔵庫とすることもできるものであり、冷凍庫3
と温蔵庫との使用形態を切り換えにより選択自在とした
冷凍庫付きの車両1とすることができるものである。
【0028】ここで、送風機25は切り換え装置により
風量を切り換え自在としてあり、送風機25の風量並び
に風速を切り換えることで、気化器13外部を通過する
風量並びに風速が変更され、これにより任意の冷風又は
温風を得ることができるものである。
【0029】ところで、図2に示すように、受液槽7、
発生器5を下に、凝縮器11、気化器13を上に配置す
ることで、ガスより液化して比重が重くなった場合に自
然に上部より下部に下って流れ落ちるものであり、配管
構成が合理的となり、動力を必要としないものである。
【0030】なお、アンモニア溜り部12にアンモニア
液が溜められ、このアンモニア溜り部12がドレインの
役目をして水素が凝縮器11側に流れないようになって
いる。
【0031】ところで、本発明にあっては、アンモニア
ガスの流れる配管の近傍に水溜め部17を設け、水溜め
部17をアンモニアガスが流れる配管よりも強度が弱い
ものとする。すなわち、車両1が衝突事故などの事故を
起こした場合、吸収冷凍機4の配管が破損する恐れがあ
る。この場合、アンモニアガスが流れる配管が破損する
と有害気体であるアンモニアガスが漏出し、周囲に悪臭
がただよって、事故を起こした人の救助や事故処理の妨
げになると共に、周囲の環境を悪化させるおそれがあ
る。このため、本発明においてはアンモニアガスが流れ
る配管の近傍に水を溜めた水溜め部17を形成し、水溜
め部17をアンモニアガスが流れる配管よりも強度が弱
いものとすることで、車両1が衝突事故等を起こした際
に、アンモニアガスが流れる配管が破損する際には必ず
水溜め部17が破損して水が漏出するようにできて、確
実にアンモニアガスと水を接触させて、瞬間的にアンモ
ニア水とすることができるものであり、また、水溜め部
17の材料として強度の高いものを必要としないので、
コストも低減できるものである。水溜め部17として
は、例えば図1に示すように、アンモニアガスが流れる
配管(例えば図1においては気化器13が挙げられる)
部分の外周を更に水を溜める外管18で囲み、この外管
18の両端部を密封して外管18を水溜め部17として
水を溜めてある。これにより車両1が事故を起こした場
合に、アンモニアガスが流れる配管が破損する際に外管
18が同時に破損することになり、アンモニアガスが配
管の破損により漏出する際に同時に水溜め部17が破損
して水が漏出し、漏出したアンモニアガスが水に接触す
ることで瞬間的に水と結合してアンモニアガスに比べて
はるかに害の少ないアンモニア水となり、この結果、有
害気体であるアンモニアガスが周囲に流れ出て周囲に悪
臭がただようという事態が生じないようにできるもので
ある。図1においては2重管構造(つまりアンモニアガ
スが流れる配管が内管、外管18が水溜め部17となっ
て水を溜めている2重管構造)のものの例を示したが、
図6に示すようにアンモニアガスが流れる配管20の隣
りに水を溜める水溜め部17となる配管21を並列して
形成してもよい。また、図示を省略しているが、アンモ
ニアが流れる配管と水溜め部17とを一体に結合するこ
となく、両者を少し離して配置してもよい。いずれにせ
よ水溜め部17はアンモニアを流す配管が車両1の衝突
事故等で破損する場合、同時に破損して水を漏出するこ
とができるように、アンモニアガスを流す配管の近傍に
配設するものである。
【0032】
【0033】上記した実施形態においては冷凍車のよう
な車両1を例として説明したが、内燃機関2を備えた船
に冷凍車を装備し、この冷凍庫の吸収冷凍機4の発生器
5の熱源Aとして船の内燃機関2の排熱を利用するよう
にしてもよいものである。
【0034】なお、本発明の技術は車両や船の内燃機関
2の排熱を利用して吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aと
する技術は、該吸収冷凍機4で車両や船の冷房や暖房を
行うものに適用できるものである。
【0035】
【発明の効果】上記の請求項1記載の本発明にあって
は、車両や船等の乗り物の内燃機関の排出する排熱を、
乗り物に備えた冷凍庫や冷蔵庫に設けたアンモニアを熱
媒とする吸収冷凍機の発生器の熱源としてあるので、乗
り物を移動させるための駆動源である内燃機関の排出す
る排熱を有効利用して乗り物に備えた冷凍庫や冷蔵庫
(以下冷凍庫を例示して説明する)に設けた吸収冷凍機
の発生器の熱源とし、これにより、冷凍庫を冷却するこ
とができ、この結果、乗り物の内燃機関の排熱を有効利
用して乗り物に備えた冷凍庫を冷やすことができて、エ
ネルギーのロスを少なくして省エネが図れて安価に乗り
物に備えた冷凍庫を冷やすことができるものであり、ま
た、従来のヒートポンプ式の冷凍サイクルに基づく冷凍
機を備えた冷凍車のように、乗り物のエンジンやこれと
は別のエンジンでコンプレッサを駆動する必要がなく、
この結果、騒音や振動なく冷凍庫を冷やすことができる
ものである。また、車両のエンジンとは別のエンジンを
設けてコンプレッサを駆動する必要がないので、この別
のエンジンの排気ガスによる環境悪化を防止できるもの
である。しかも、アンモニアガスが流れる配管の近傍に
水を溜めた水溜め部を形成し、この水溜め部をアンモニ
アガスが流れる配管よりも強度を弱いものとしてあるの
で、乗り物が衝突事故等を起こした際に、アンモニアガ
スが流れる配管が破損する際には必ずアンモニアガスが
流れる配管よりも強度の弱い水溜め部が破損して水が漏
出するようにできて、確実にアンモニアガスと水を接触
させて、瞬間的にアンモニア水とすることができるもの
であり、これにより、有害なアンモニアガスが周囲に流
れて環境汚染を行うことがないものであり、また、水溜
め部の材料として強度の高いものを必要としないので、
コストも低減できるものである。
【0036】また、請求項2記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、アンモニアガス
が流れる配管部分の外周を水を溜める外管で囲み、この
外管を水を溜めた水溜め部としてあることで、車両が事
故を起こした場合に、アンモニアガスが流れる配管が破
損する際に配管の外周を囲む配管よりも強度の弱い外管
が同時に破損することになり、アンモニアガスが配管の
破損により漏出する際にこの配管部分の外周を囲む外管
よりなる水溜め部が同時に破損して水が漏出し、漏出し
たアンモニアガスが水に接触することで瞬間的に水と結
合してアンモニアガスに比べてはるかに害の少ないアン
モニア水となり、この結果、有害気体であるアンモニア
ガスが周囲に流れ出て周囲に悪臭がただようという事態
が生じないようにできるものである。
【0037】また、請求項3記載の発明にあっては、上
記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、ア
ンモニアガスが流れる配管の近傍に水を溜めた水溜め部
を形成してあるので、乗り物が衝突事故等の事故を起こ
してアンモニアガスが流れる配管が破損してアンモニア
ガスが漏出したとしても、アンモニアガスが流れる配管
の近傍に形成した水溜め部を同時に破損して水が流れ出
て、アンモニアガスが水に瞬間的に接触してアンモニア
水となるものであって、周囲に有害ガスであるアンモニ
アガスが流れ出るのを防止できるものであり、この結
果、事故を起こした人の救助や事故処理に当っての支障
がなく、また悪臭による周辺への環境悪化を防止できる
ものである。したがって、アンモニアを熱媒とする吸収
冷凍庫を自動車に装備しても何ら問題がないものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略説明図である。
【図2】同上における吸収冷凍機の概略説明図である。
【図3】(a)(b)は同上の内燃機関の排熱を発生器
の熱源とする一例を示す平面図及び正面図である。
【図4】(a)(b)は同上の内燃機関の排熱を発生器
の熱源とする他例を示す平面図及び正面図である。
【図5】(a)(b)は同上の内燃機関の排熱を発生器
の熱源とする更に他例を示す平面図及び正面図である。
【図6】同上の水溜め部の更に他の実施形態の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 車両 2 内燃機関 3 冷凍庫 4 吸収冷凍機 5 発生器 6 アンモニア水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 597133019 今田 慶昭 大阪府大東市曙町六番地住道パークハイ ツ703号 (73)特許権者 598125936 祖父江 八重子 滋賀県大津市馬場3丁目6−20 (73)特許権者 598125947 熊川 勉 滋賀県草津市矢橋町381−2 (73)特許権者 598125958 熊川 洋子 滋賀県草津市矢橋町381−2 (72)発明者 池島 清美 滋賀県大津市国分1丁目46−19 (56)参考文献 特開 昭53−18140(JP,A) 特開 平9−280701(JP,A) 特開 平6−229644(JP,A) 実開 平2−67866(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 15/04 F25B 49/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両や船等の乗り物の内燃機関の排出す
    る排熱を、乗り物に備えた冷凍庫や冷蔵庫に設けたアン
    モニアを熱媒とする吸収冷凍機の発生器の熱源とし、ア
    ンモニアガスが流れる配管の近傍に水を溜めた水溜め部
    を形成し、この水溜め部をアンモニアガスが流れる配管
    よりも強度を弱いものとして成ることを特徴とする排熱
    利用によるガス吸収式冷暖房装置。
  2. 【請求項2】 アンモニアガスが流れる配管部分の外周
    を水を溜める外管で囲み、この外管を水を溜めた水溜め
    部として成ることを特徴とする請求項1記載の排熱利用
    によるガス吸収式冷暖房装置
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