JP2983860B2 - 光ファイバ素心線の巻取方法 - Google Patents

光ファイバ素心線の巻取方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、スクリーニン
グや出荷等のために、光ファイバ素線又は光ファイバ心
線を巻取ボビンに巻取る光ファイバ素心線の巻取方法の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ファイバ素線は、プリフォー
ムを数千℃以上の高温加熱炉で溶融しながら紡糸加工し
た後、紡糸された素線を熱硬化型シリコーン樹脂、紫外
線硬化樹脂、また熱可塑性樹脂等で被覆して緩衝層を施
し、最後にボビンに巻取られて製造される。このように
して製造された光ファイバ素線又はこの光ファイバ素線
から製造された光ファイバ心線(以下、光ファイバ素心
線と称する。)は、その後、強度等の品質確認、品質保
証のためのスクリーニングとして、リール等の案内部材
により引張荷重を加えられつつ案内されながら引取られ
て他の巻取ボビンに巻返されることが行われる。
【0003】このように、光ファイバ素心線は種々の工
程でボビンに巻取られ、特にスクリーニングのために他
のボビンに巻返しを行う場合に、光ファイバ素心線が、
リール等の案内部材を通過する際や巻取ボビンに巻取ら
れる際等に、これらのリールや巻取ボビン等の巻取りの
ための部材に摩擦接触して、プラスとマイナスが混在し
た静電気が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように光ファイバ
素心線に静電気が発生すると、その極性が同じ場合に
は、光ファイバ素心線が相互に反発し合って、光ファイ
バ素心線のボビンへの巻取状態が安定しない問題が生じ
る。具体的には、光ファイバ素心線が局部的に絡まった
り交差したりして綾が発生したり、また、図12に示す
ように、光ファイバ素心線10が局部的に浮き上がり整
列して巻取られないで適正な位置からはみ出してキンク
が生じたり、食い込み、巻き崩れ等が生じることがあ
る。
【0005】このような状態で光ファイバ素心線が巻取
られると、出荷や布設等のために、後にボビンから光フ
ァイバ素心線を繰り出す場合に、支障をきたすおそれが
ある。また、光ファイバ素心線の巻取ボビンへの巻き状
態が悪いと、例えば凹凸を有して巻取られた場合には部
分的に巻張力が変動し、また、綾やキンクが生じている
状態では、光ファイバ素心線に局部的に側圧が加わる。
このため、光ファイバ素心線は、巻き状態によってその
特性に影響が加わり、スクリーニングにおいて光ファイ
バ素心線自体が有する特性ではなく、巻き状態によって
生じた伝送特性、強度等の特性が測定され、光ファイバ
素心線の特性を正確に測定することができなくなる問題
が生じる上に、再度巻返しを行って異常箇所が同じ箇所
かを確認し異常が巻き状態によるものか又は光ファイバ
素心線自体の特性によるものかを判断しなければならず
手間がかかる欠点があった。更に、巻き状態が悪いと、
光ファイバ素心線を出荷する場合に、再度巻返しを行わ
なければならない等の問題が生じる。これらの場合、イ
オン化されたエアーを巻取ボビンの巻取表面に吹き付け
て静電気を除去することが考えられるが、この方法では
光ファイバ素心線の通常の巻張力に影響を及ぼさない程
度に静電気を充分に取り除くことができず、キンク等を
充分に防止することができない欠点がある。
【0006】本発明の目的は、上記の欠点を回避し、光
ファイバ素心線に発生した静電気を除去して巻取りの際
に光ファイバ素心線が反発してキンク等が発生するのを
防止し、光ファイバ素心線を巻取ボビンに良好に巻取っ
て、繰り出しや特性測定等の後の工程に支障が生じるこ
とがない光ファイバ素心線の巻取方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するための手段として、光ファイバ素心線をリール
等の案内部材により案内しながら引取って巻取ボビンに
巻取る光ファイバ素心線の巻取方法において、この巻取
ボビンをアース付けし、光ファイバ素心線が接触する巻
取ボビン等の接触部材の表面上の光ファイバ素心線の電
位を測定し、この電位の測定値に応じて光ファイバ素心
線の電位が巻取ボビン上又は巻取ボビン付近で0又はそ
の近傍になるように、光ファイバ素心線の巻取り中に
光ファイバ素心線に荷電電圧を制御しつつ印加して光フ
ァイバ素心線を巻取ボビンに巻取ることを特徴とする光
ファイバ素心線の巻取方法を提供するものである。
【0008】
【作用】このように、巻取り中に光ファイバ素心線に荷
電電圧を印加し、この荷電により案内部材等に摩擦接触
して巻取られる光ファイバ素心線の電位が巻取ボビン上
で強制的に0に近付き静電気を除去するが、特に、リー
ルやボビン等の接触部材の表面に位置する光ファイバ素
心線の電位を測定し、この電位の測定値に応じて光ファ
イバ素心線に印加する荷電電圧を制御すると、巻取ボビ
ン上又は巻取ボビン付近での光ファイバ素心線の電位を
より正確に0に近付けて電位を安定させることにより静
電気を確実に除去することができるため、光ファイバ素
心線が反発せず、巻取精度の信頼性を一層向上させるこ
とができると共に、帯電電圧が過度の高電圧となり光フ
ァイバ素心線の被覆を損傷させるのを防止することがで
きる。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
すると、図1は、本発明の巻取方法の一実施例を示し、
光ファイバ素心線10は、案内部材であるリール12に
より案内されながら引取られて巻取ボビン14に巻取ら
れる。この図1に示す実施例では、光ファイバ素心線1
0の強度等の品質を確認、保証するスクリーニングのた
めに光ファイバ素心線10を巻取る状態が示されてい
る。なお、本発明において、光ファイバ素心線10と
は、既に述べたように、光ファイバ素線と光ファイバ心
線の両方を示し、本発明は、光ファイバ素線又は光ファ
イバ心線のいずれの巻取りにも用いることができる。
【0010】この図1に示す実施例では、より具体的に
は、光ファイバ素心線10を繰り出す繰出ボビン16
と、回転駆動して光ファイバ素心線10を引取る2つの
キャプスタン18A、18Bと、これらのキャプスタン
18A、18Bの前後と繰出ボビン16の直後に配置さ
れ光ファイバ素心線10を案内するリール12A乃至1
2Cとを設け、これらの巻取のための部材により光ファ
イバ素心線10を巻取る。すなわち、光ファイバ素心線
10は繰出ボビン16から繰り出され、リール12によ
り案内されながらキャプスタン18により引取られて、
最終的に巻取ボビン14に巻取られる。
【0011】なお、既に述べたように、図1の実施例で
は、光ファイバ素心線10の強度保証のためスクリーニ
ング巻返しを行う状態が示されており、従って、この実
施例では、光ファイバ素心線10に所定の荷重を加える
荷重設定リール20が設けられている。この荷重設定リ
ール20は、図1に示すように、2つのキャプスタン1
8A、18Bの間の下方に配置されて光ファイバ素心線
10に抵抗を加え、光ファイバ素心線10の強度を試験
する役割を有する。但し、本発明の巻取方法は、このス
クリーニングのための光ファイバ素心線10の巻取に限
定されるものではなく、光ファイバ素心線10の巻取で
あれば広く適用することができ、他の、例えば、出荷の
ために分割巻取や再巻返しを行う場合等に適用してもよ
い。
【0012】本発明において、図1に示すように、巻取
ボビン14をアース付けし、光ファイバ素心線10の巻
取り中に光ファイバ素心線10に荷電電圧を印加しつ
つ、光ファイバ素心線10を巻取ボビン14に巻取る。
具体的には、図1の実施例では、荷電装置22が繰出ボ
ビン16の上方に設けられ、この荷電装置22により繰
出ボビン16を出た直後の光ファイバ素心線10を荷電
する。
【0013】この荷電装置22は、図2に示すように、
荷電電圧を印加すべき光ファイバ素心線10の走行通路
を覆うようにして配置される略切欠円筒状の装置本体2
4と、この装置本体24の内周壁に取付けられ光ファイ
バ素心線10を周方向から囲むように配置された複数の
荷電端子26と、装置本体24を支持すると共に図示し
ない電源に接続されこの荷電端子26に通電する支持部
28とを有している。この荷電装置22は、光ファイバ
素心線10に正又は負の直流高電圧を印加する。なお、
図2において、符号29は、光ファイバ素心線10を荷
電装置22内に通すために形成された切欠を示す。
【0014】このような荷電装置22により光ファイバ
素心線10に直流高電圧を印加すると、巻取り中に空気
や、リール12、荷重設定リール20、キャプスタン1
8等の接触部材に摩擦接触して帯電した光ファイバ素心
線10の電位が強制的に0に近付き、光ファイバ素心線
10に帯電した静電気を除去することができ、従って、
光ファイバ素心線10が反発することがなく、光ファイ
バ素心線10は巻取ボビン14に良好に巻取られる。
【0015】この場合、図1に示すように、光ファイバ
素心線10が接触する接触部材(図1に示す実施例で
は、巻取ボビン14の直前に配置されたリール12C)
の表面上の光ファイバ素心線10の電位を電位測定セン
サー30により測定し、この電位の測定値に応じて光フ
ァイバ素心線10の電位が0又はその近傍になるように
荷電装置22の荷電電圧を制御するのが好ましい。すな
わち、光ファイバ素心線10の帯電電位に応じて、光フ
ァイバ素心線10の電位が0又はその近傍になるように
印加すべき荷電電圧の正負及び値を制御する。この場
合、巻き状態を良好にするためには、巻取ボビン14上
での光ファイバ素心線10の電位が問題となるため、巻
取ボビン14上又は巻取ボビン14付近での光ファイバ
素心線10の電位が0又はその近傍になるように制御す
る。
【0016】電位測定センサー30は、図1に示すよう
に、巻取ボビン14の直前に配置されたリール12Cの
下方に設置され、このリール12Cを通過している光フ
ァイバ素心線10の電位を測定し、この電位測定センサ
ー30に接続された出力器32により電位の測定値(す
なわち、測定された帯電電圧)をモニターする。次い
で、このモニターされた電位の測定値に応じて、巻取ボ
ビン14への巻き状態を確認しながら荷電装置22に出
力器32から出力をフィードバックして荷電装置22に
より印加する荷電電圧を、光ファイバ素心線10の電位
が0又はその近傍になるように制御する。
【0017】従って、巻始め時に、電位測定センサー3
0により測定されたリール12C上の光ファイバ素心線
10の帯電電圧が、例えば−20kVであるとすると、
光ファイバ素心線10がリール12や荷重設定リール2
0、またキャプスタン18を通過する間に−20kV帯
電するということであるから、繰出ボビン16を出た直
後に予め+20kV前後の荷電電圧を印加することによ
り、巻取ボビン14の直前にきた場合に光ファイバ素心
線10の電位が0又はその近傍になり、静電気が充分に
除去され、巻取ボビン14に良好に巻取られる。その後
は、リール12C上で測定された光ファイバ素心線10
の電位が0である場合には、引き続き+20kVの荷電
電圧を印加すればよく、逆に例えば−2kVの誤差が生
じている場合には、印加する荷電電圧を+2kV上げて
+22kVに補正して対処することにより、リール12
C上の光ファイバ素心線10の電位を継続的に0に近付
いた状態に保持することができる。
【0018】なお、この具体例では、光ファイバ素心線
10の帯電電圧が−20kVであった場合に、±でちょ
うど0になる+20kVの荷電電圧を印加しているが、
印加する荷電電圧は必ずしもこの+20kVに限定され
るものではなく、例えば、リール12Cの通過後に光フ
ァイバ素心線10が受ける空気摩擦等の他の静電気要因
による影響等を考慮して決定することができる。この場
合には、これらの他の各種の静電気要因を演算処理する
回路等の演算処理手段等を出力器32等に用いて対処す
ることができる。このことは、以後、本発明の実施例に
関して具体的に数値を挙げて説明している箇所において
も同様である。
【0019】光ファイバ素心線10のうち最初に巻取ら
れた素心線部分は、既に荷電装置22を通過しており、
その後、電位測定センサー30に達するまでは制御され
た荷電電圧が印加される機会がないが、巻始め時に予め
適当な荷電電圧を印加しておくか、又は荷電電圧を印加
しない場合でも、巻取ボビン14が、図1に示すよう
に、アース付けされているため、その後、荷電装置22
により後続の光ファイバ素心線10に制御された荷電電
圧を印加することにより、この荷電電圧が巻取ボビン1
4のアースを介して抜けるため巻始めの部分にも荷電電
圧が走り、静電気がある程度除去される。
【0020】このように、リール12Cの表面に位置す
る光ファイバ素心線10の電位を測定し、この電位の測
定値に応じて光ファイバ素心線10に印加する荷電電圧
を制御すると、巻取ボビン14上又は巻取ボビン14付
近での光ファイバ素心線10の電位をより正確に0に近
付けて電位を安定させることにより静電気を確実に除去
することができるため、巻取精度の信頼性を一層向上さ
せることができると共に、帯電電圧が過度の高電圧とな
り光ファイバ素心線の被覆を損傷させるのを防止するこ
とができる。
【0021】なお、荷電装置22は、図2では、光ファ
イバ素心線10の周方向に配置された荷電端子26を有
するのが示されているが、これに限定されるものではな
く、例えば、図3に示すように、光ファイバ素心線10
を上下から荷電するように荷電端子26を配置した荷電
装置22を用いてもよい。また、これらの荷電装置22
の形態は、次に述べる第2の実施例以下に用いられる荷
電装置22についても同様に適用される。また、この実
施例では、電位測定センサー30を巻取ボビン14の直
前に配置されたリール12Cの下方に設置し、リール1
2Cの表面上の光ファイバ素心線10の電位を測定して
いるが、これは、光ファイバ素心線10はリール12や
キャプスタン18等を通過する間にこれらの接触部材等
と摩擦接触して帯電するため、最後に光ファイバ素心線
10が通るリール12C上で光ファイバ素心線10の電
位を測定するのが光ファイバ素心線10の電位を0に近
付くように制御する上で好適だからである。
【0022】次に、本発明の第2の実施例について述べ
ると、この実施例では、図4に示すように、荷電装置2
2を巻取ボビン14の直前に配置し、巻取ボビン14に
巻取る直前で光ファイバ素心線10に荷電電圧を印加し
て、静電気を除去している。このように、荷電装置22
の位置は、必ずしも、図1に示すように繰出ボビン16
の直上に限定されるものではなく、光ファイバ素心線1
0の帯電状態に応じて、適切な位置を選択することがで
きる。
【0023】この図4に示す第2の実施例では、光ファ
イバ素心線10の巻き状態に直接的に影響を与え、また
光ファイバ素心線10の電位が最も問題となる巻取ボビ
ン14の直前で、荷電電圧を印加することにより光ファ
イバ素心線10の電位を安定させて静電気を除去してい
るため、光ファイバ素心線10の巻取ボビン14への巻
き状態をより確実に良好にすることができる。
【0024】この第2の実施例においては、図4に示す
ように、巻取ボビン14の直前のリール12Cの下方に
設置された電位測定センサー30により、このリール1
2Cを通過している光ファイバ素心線10の電位を測定
し、この電位測定センサー30に接続された出力器32
により測定された帯電電圧をモニターする。次いで、こ
のモニターされた帯電電圧に応じて、巻取ボビン14へ
の巻き状態を確認しながら荷電装置22に出力器32か
ら制御信号を入力して荷電装置22により印加する荷電
電圧を、光ファイバ素心線10の電位が0又はその近傍
になるように制御する。
【0025】従って、電位測定センサー30により測定
されたリール12C上の光ファイバ素心線10の帯電電
圧が、例えば−20kVである場合には、巻取ボビン1
4の直前の荷電装置22により光ファイバ素心線10に
+20kV前後の荷電電圧を印加することにより、光フ
ァイバ素心線10の帯電電圧は、ちょうど巻取ボビン1
4上で、差引で0kVに近付くため(電位が0又はその
近傍になる)、静電気が充分に除去され、巻取ボビン1
4に良好に巻取られる。
【0026】次に、本発明の第3の実施例について説明
すると、この実施例においては、図5に示すように、繰
出ボビン16の直上に荷電装置22を設置した場合にお
いて、電位測定センサー30は、図1とは異なり、巻取
ボビン14の直上に設置され、この巻取ボビン14の表
面に位置する光ファイバ素心線10の電位の測定値に応
じて、繰出ボビン16の直上で印加する荷電電圧を制御
している。このように、巻取ボビン14上の光ファイバ
素心線10の電位の測定値(すなわち、帯電電圧)に応
じて、荷電装置22に出力をフィードバックして荷電電
圧を適切に制御すると、後に述べるように巻取ボビン1
4上の光ファイバ素心線10の電位を一層安定させるこ
とができる。
【0027】この第3の実施例において、電位測定セン
サー30を巻取ボビン14の直上に設置したのは、光フ
ァイバ素心線10を巻取ボビン14へ良好に巻取る上
で、最も問題となるのは巻取ボビン14上の光ファイバ
素心線10の電位であるため、この巻取ボビン14上の
光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じて荷電電圧を制
御するのが好適だからである。このように、電位測定セ
ンサー30の位置は、必ずしも、図1に示すように、巻
取ボビン14の直前のリール12Cの下方に限定される
ものではなく、光ファイバ素心線10の帯電状態に応じ
て適切に設定することができる。すなわち、測定する電
位は、リール12Cの表面上の光ファイバ素心線10の
電位に限られず、適切であれば他の巻取ボビン14やキ
ャプスタン18等の接触部材の表面上の光ファイバ素心
線10の電位であってもよい。
【0028】本発明の第4の実施例が、図6に示され、
この実施例においては、巻取ボビン14の直前に荷電装
置22を設置した場合において、電位測定センサー30
は、図4と異なり、巻取ボビン14の直上に設置され、
巻取ボビン14の直前で印加する荷電電圧を制御してい
る。この場合も、最も問題となる巻取ボビン14上での
帯電電圧に応じて荷電電圧を制御して静電気を除去して
いるため、光ファイバ素心線10は、巻取ボビン14上
において電位が安定し、良好に巻取ボビン14に巻取ら
れる。
【0029】上記の4つの実施例では、荷電装置22を
繰出ボビン16の直上又は巻取ボビン14の直前のいず
れか1か所にのみ設けたが、これらに限定されるもので
はなく、図7以下に示すように、荷電装置22は、2か
所以上に設置してもよい。そこで、次に、この荷電装置
22を2か所以上に設けた幾つかの実施例について図7
以下を参照して説明する。具体的には、これらの実施例
では、荷電装置22を繰出ボビン16の直上と、巻取ボ
ビン14の直前の2か所に設置して、光ファイバ素心線
10に荷電電圧を印加しながら、光ファイバ素心線10
を巻取ボビン14に巻取っている。
【0030】図7は、本発明の第5の実施例を示し、こ
の実施例では、繰出ボビン16の直上に繰出側荷電装置
22Aを、巻取ボビン14の直前に巻取側荷電装置22
Bをそれぞれ設置し、繰出ボビン16を出た直後と、巻
取ボビン14に巻取られる直前に光ファイバ素心線10
に荷電電圧を印加して静電気を除去している。この第5
の実施例においては、図7に示すように、巻取ボビン1
4の直前のリール12Cの下方に設置された繰出側電位
測定センサー30Aにより測定されたリール12C上の
光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じて出力器32A
を介して繰出側荷電装置22Aにより印加する荷電電圧
を制御すると共に、巻取ボビン14の直上に設置された
巻取側電位測定センサー30Bにより測定された巻取ボ
ビン14上の光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じ
て、同じく出力器32Bを介して巻取側荷電装置22B
により印加する荷電電圧を、光ファイバ素心線10の電
位が0又はその近傍になるように制御して、静電気を除
去する。
【0031】このように、2か所で光ファイバ素心線1
0に荷電電圧を印加することにより、光ファイバ素心線
10の巻取ボビン14への巻取精度をより一層向上させ
ることができる。具体的には、例えば、まず巻取ボビン
14の直前に配置されたリール12C上の光ファイバ素
心線10の電位を測定した結果、この電位の測定値が+
30kVであったため、巻取ボビン14上での光ファイ
バ素心線10の電位がちょうど0になるように繰出側荷
電装置22Aにより繰出ボビン16を出た直後の光ファ
イバ素心線10に−30kVの荷電電圧を印加したとこ
ろ、実際には他の何らかの摩擦原因等によって巻取ボビ
ン14上で測定された光ファイバ素心線10の電位が0
ではなく、電位に+2kVの誤差が生じていた場合に、
この巻取ボビン14上で測定された光ファイバ素心線1
0の帯電電圧に応じて、巻取側荷電装置22Bにより、
巻取ボビン14の直前で更に−2kVの荷電電圧を印加
することにより、光ファイバ素心線10の電位の誤差を
補正して、巻取ボビン14上で光ファイバ素心線10の
電位をより正確に0に近付けて、静電気を充分に除去す
ることができる。また、このように繰出ボビン16の直
上と、巻取ボビン14の直前の2か所で光ファイバ素心
線10に荷電電圧を印加すると、光ファイバ素心線10
のうちの巻始めの部分について、荷電電圧を印加しない
まま繰出側荷電装置22Aを通過させた場合において
も、その後、巻取側荷電装置22Bにより、この巻始め
の部分に荷電電圧を印加して電位を補正することにより
静電気を除去することができる。
【0032】図8は、本発明の第6の実施例を示し、こ
の実施例では、巻取ボビン14の直上に配置した電位測
定センサー30により、巻取ボビン14の表面上の光フ
ァイバ素心線10の電位を測定し、この電位の測定値
(すなわち、測定された帯電電圧)に応じて繰出側荷電
装置22Aと巻取側荷電装置22Bにより印加する荷電
電圧を制御して、光ファイバ素心線10の静電気を除去
している。すなわち、この実施例は、図7に示した第5
の実施例と異なり、1か所でのみ光ファイバ素心線10
の電位を測定し、この1か所(第6の実施例において
は、巻取ボビン14の直上)で測定された光ファイバ素
心線10の帯電電圧に応じて、荷電電圧を制御してい
る。この実施例においては、巻取ボビン14上の光ファ
イバ素心線10の帯電状態に応じて、光ファイバ素心線
10の電位が巻取ボビン14上で0となるように、繰出
側荷電装置22Aにより荷電電圧を印加し、その後、巻
取ボビン14上で測定された光ファイバ素心線10の電
位に誤差が生じていた場合に巻取側荷電装置22Bによ
り更に荷電電圧を印加して、その誤差を補正して、光フ
ァイバ素心線10の電位をより正確に0に近付けて、静
電気を除去する。
【0033】図9は、本発明の第7の実施例を示し、こ
の実施例では、巻取ボビン14の直前に配置されたリー
ル12Cの下方に設置した電位測定センサー30によ
り、このリール12C上の光ファイバ素心線10の電位
を測定し、測定された帯電電圧に応じて繰出側荷電装置
22Aと巻取側荷電装置22Bとによって印加する荷電
電圧を制御して、光ファイバ素心線10の静電気を除去
している。この実施例においては、リール12C上の光
ファイバ素心線10の帯電状態に応じて、繰出側荷電装
置22Aにより荷電電圧を印加し、その後、リール12
C上で測定された光ファイバ素心線10の電位に誤差が
生じていた場合に、このリール12C上で測定された電
位の測定値に応じて巻取側荷電装置22Bにより更に荷
電電圧を印加することにより、この誤差を補正して、ち
ょうど巻取ボビン14上で光ファイバ素心線10の電位
が0になるようにして、静電気を除去する。
【0034】図10は、本発明の第8の実施例を示し、
この実施例では、巻取ボビン14の直前に配置されたリ
ール12Cの下方に設置された繰出側電位測定センサー
30Aにより、このリール12C上の光ファイバ素心線
10の電位を測定して、この測定されたリール12C上
の光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じて繰出側荷電
装置22Aによって印加する荷電電圧を制御すると共
に、巻取ボビン14の直上に設置された巻取側電位測定
センサー30Bにより、巻取ボビン14上の光ファイバ
素心線10の電位を測定し、この測定された巻取ボビン
14上の光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じて出力
器32Bから繰出側荷電装置22Aと巻取側荷電装置2
2Bとの両方に出力をフィードバックし、繰出側荷電装
置22Aにより印加する荷電電圧及び巻取側荷電装置2
2Bにより印加する荷電電圧を、光ファイバ素心線10
の電位が0又はその近傍になるように制御して、静電気
を除去する。
【0035】この実施例においては、繰出側荷電装置2
2Aに、リール12C上と巻取ボビン14上の2か所に
おける光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じた出力を
フィードバックすることにより、リール12C上の電位
と、最も問題となる巻取ボビン14上の電位との誤差を
考慮して、繰出側荷電装置22Aにより印加する荷電電
圧を巻取ボビン14上での光ファイバ素心線10の電位
が0又はその近傍になるように制御するが、それにもか
かわらず巻取ボビン14上の光ファイバ素心線10の電
位が0又はその近傍から外れて電位に誤差が生じた場合
に、その誤差を、更に巻取側荷電装置22Bにも巻取ボ
ビン14上の光ファイバ素心線10の電位の測定値(す
なわち、帯電電位)に応じた出力をフィードバックし
て、巻取側荷電装置22Bによって巻取ボビン14上の
光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じて制御された荷
電電圧を印加して、補正することにより、巻取ボビン1
4上での光ファイバ素心線10の電位をより正確に0に
近付けて、静電気を確実に除去する。なお、この場合、
リール12C上の光ファイバ素心線10の電位の測定値
と、巻取ボビン14上の光ファイバ素心線10の電位の
測定値の2つの出力に応じて繰出側荷電装置22Aによ
り印加すべき荷電電圧を算出する演算処理手段等を設け
て対処することができる。
【0036】図11は、本発明の第9の実施例を示し、
この実施例では、巻取ボビン14の直前に配置されたリ
ール12Cの下方に設置された繰出側電位測定センサー
30Aにより、このリール12C上の光ファイバ素心線
10の電位を測定し、この測定されたリール12C上の
光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じて出力器32A
から繰出側荷電装置22Aには出力をフィードバックす
ると共に巻取側荷電装置22Bには制御信号を入力し、
繰出側荷電装置22Aにより印加する荷電電圧及び巻取
側荷電装置22Bにより印加する荷電電圧を制御すると
共に、巻取ボビン14の直上に設置された巻取側電位測
定センサー30Bにより、この巻取ボビン14上の光フ
ァイバ素心線10の電位を測定して、この測定された巻
取ボビン14上の光ファイバ素心線10の帯電電圧に応
じて出力器32Bを介して巻取側荷電装置22Bにより
印加する荷電電圧を制御して、光ファイバ素心線10の
電位を巻取ボビン14上で0又はその近傍にして、静電
気を除去する。
【0037】この実施例においては、巻取側荷電装置2
2Bに、リール12C上と巻取ボビン14上の2か所に
おける光ファイバ素心線10の帯電電圧に応じた出力を
フィードバックし、又は制御信号を入力して、リール1
2C上で測定された光ファイバ素心線10の電位の測定
値から、繰出側荷電装置22Aにより荷電電圧を印加し
てもなお生じた誤差を読み取り、また、巻取ボビン14
上の光ファイバ素心線10の電位の測定値から、最終的
に巻取ボビン14に巻取られた時に光ファイバ素心線1
0に生じている電位の誤差を読み取ることにより、これ
らの2つの誤差まで考慮した上で、巻取側荷電装置22
Bにより印加すべき荷電電圧を制御して、巻取ボビン1
4上での光ファイバ素心線10の電位をより正確に0に
近付けて、静電気を確実に除去する。なお、この場合
も、リール12C上の光ファイバ素心線10の電位の測
定値と、巻取ボビン14上の光ファイバ素心線10の電
位の測定値の2つの出力に応じて巻取側荷電装置22B
により印加すべき荷電電圧を算出する演算処理手段等を
設けて対処することができる。
【0038】なお、繰出側荷電装置22A及び巻取側荷
電装置22B、また電位測定センサー30の設置箇所や
組み合わせは、上記の図7乃至図11に示す実施例に限
られるものではなく、巻取ボビン14上の光ファイバ素
心線10の電位を0に近付けることができれば、他の選
択も可能である。また、上記の図7乃至図11に示す実
施例では、荷電装置22及び電位測定センサー30は、
いずれも、2か所までしか設けなかったが、光ファイバ
素心線10の静電気を除去する上で有効であれば、それ
ぞれ3か所以上に設置してもよいことは勿論である。
【0039】次に、本発明に関する実験例について、従
来技術に関する比較例と比べながら説明する。なお、以
下の実験例は、いずれも図11に示す状態で行った。
【0040】
【表1】
【0041】この表1は、本発明に関する2つの実験例
及び実験例と、光ファイバ素心線10に荷電電圧を
印加しない従来技術に関する比較例とによって光ファ
イバ素心線10を巻取った場合の、光ファイバ素心線1
0の帯電状態及び荷電装置22により印加した荷電電圧
と、巻取ボビン14への巻き状態との関係を示したもの
である。これらの実験例、実験例及び比較例にお
いては、いずれも、全長50kmの紫外線硬化樹脂層光
ファイバ素線を、200m/minの巻返し速度で、ス
クリーニングのために巻取ボビン14に巻取った。
【0042】その結果、表1に示すように、従来技術に
関する比較例では、光ファイバ素線は、巻取ボビン1
4の直前に設置されたリール12C上で+12kV帯電
し、最終的に巻取ボビン14上では+10kV帯電して
おり、巻取ボビン14に巻取られた時に、綾やキンクが
発生したため、その後、再度巻返しを行った。一方、実
験例では、荷重設定リール20やリール12等を通過
する際に光ファイバ素線が帯電する静電気を考慮して、
表1に示すように、繰出ボビン16の直上で−18kV
の荷電電圧を印加し、荷電した結果、巻取ボビン14の
直前に配置されたリール12C上での光ファイバ素線の
帯電電圧が−3kVと0の近傍であったため、巻取ボビ
ン14の直前では光ファイバ素線に荷電電圧を印加する
ことなく、そのまま巻取ボビン14に巻取ったところ、
最終的に巻取ボビン14上での光ファイバ素線の帯電電
圧は+2kVであった。この時の光ファイバ素線の巻取
ボビン14への巻き状態は、良好であった。
【0043】また、実験例では、表1に示すように、
繰出ボビン16の直上では荷電電圧を印加しなかった結
果、巻取ボビン14の直前に配置されたリール12C上
の光ファイバ素線の帯電電圧は+12kVであった。こ
のため、巻取ボビン14上での光ファイバ素線の電位が
0又はその近傍になるように、巻取ボビン14の直前
で、−14kVの荷電電圧を光ファイバ素線に印加した
ところ、巻取ボビン14上での光ファイバ素線の帯電電
圧は−1kVで、光ファイバ素線の巻取ボビン14への
巻き状態は良好であった。このように、本発明の巻取方
法により光ファイバ素線を巻取った場合、比較例に示
す従来技術に比べ、光ファイバ素線の静電気が充分に除
去され、光ファイバ素線の巻取ボビン14への巻き状態
が確実に良好になったことが解る。
【0044】次に、本発明に関する他の実験例及び比較
例について説明する。
【0045】
【表2】
【0046】この表2は、本発明に関する他の実験例
乃至実験例と、光ファイバ素心線10に荷電電圧を印
加しない従来技術に関する比較例とによって光ファイ
バ素心線10を巻取った場合の、光ファイバ素心線10
の帯電状態及び荷電装置22により印加した荷電電圧
と、巻取ボビン14への巻き状態との関係を示したもの
である。これらの実験例乃至実験例及び比較例に
おいては、具体的には、巻取るべき光ファイバ素心線1
0として、表1に示す実験例、実験例及び比較例
と異なり、ナイロン層光ファイバ心線を、いずれも、2
00m/minの巻返し速度で、スクリーニングのため
に巻取ボビン14に巻取った。すなわち、表1に示す実
験例が光ファイバ素線に関する実験例であるのに対し、
この表2に示す実験例は、光ファイバ心線に関して本発
明の巻取方法により巻取ボビン14に巻取った場合の巻
き状態を調べたものである。
【0047】その結果、表2に示すように、従来技術に
関する比較例では、光ファイバ心線は、巻取ボビン1
4の直前に配置されたリール12C上で+50kV帯電
し、、最終的に巻取ボビン14上では+75kVにまで
帯電しており、光ファイバ心線の巻取ボビン14への巻
き状態は、綾が発生し、その後光ファイバ心線を繰り出
すことができない状態に陥った。一方、実験例では、
光ファイバ心線が帯電するであろう静電気を考慮して、
繰出ボビン16の直上で−60kVの荷電電圧を印加し
た結果、巻取ボビン14の直前に配置されたリール12
C上での光ファイバ心線の帯電電圧は−2kVであった
ため、巻取ボビン14の直前では光ファイバ心線に荷電
電圧を印加することなく、光ファイバ心線をそのまま巻
取ボビン14に巻取ったところ、最終的に巻取ボビン1
4上での光ファイバ心線の帯電電圧は、+3kVであっ
た。この時の、光ファイバ心線の巻取ボビン14への巻
き状態は、良好であった。
【0048】また、実験例では、表2に示すように、
繰出ボビン16の直上では荷電電圧を印加しなかった結
果、巻取ボビン14の直前に配置されたリール12C上
の光ファイバ心線の帯電電圧は+50kVであった。こ
のため、巻取ボビン14上での光ファイバ心線の電位が
0又はその近傍になるように、巻取ボビン14の直前
で、−55kVの荷電電圧を光ファイバ心線に印加した
ところ、巻取ボビン14上での光ファイバ心線の帯電電
圧は、ちょうど0kVとなり(電位が0となる)、光フ
ァイバ心線の巻取ボビン14への巻き状態は良好であっ
た。更に、実験例では、表2に示すように、繰出ボビ
ン16の直上では荷電電圧を印加しなかった結果、巻取
ボビン14の直前に配置されたリール12C上の光ファ
イバ心線の帯電電圧は、実験例とは異なり、−45k
Vであった。このため、巻取ボビン14上での光ファイ
バ心線の電位が0又はその近傍になるように、巻取ボビ
ン14の直前で、+51kVの荷電電圧を光ファイバ心
線に印加したところ、巻取ボビン14上での光ファイバ
心線の帯電電圧は+1kVとなり、光ファイバ心線の巻
取ボビン14への巻き状態は良好であった。
【0049】このように、本発明の巻取方法は、光ファ
イバ心線の巻取に用いても、比較例に示す従来技術に
比べ、光ファイバ心線の静電気を充分に除去することが
でき、光ファイバ心線の巻取ボビン14への巻き状態を
確実に良好にすることができるのが解る。また、特に、
実験例と実験例を比較すると解るように、本発明の
巻取方法は、光ファイバ素心線10が正又は負のいずれ
に帯電しても、また、帯電した電位の値が異なっても、
充分に対応して、巻取ボビン14上での光ファイバ素心
線10の電位を安定させて静電気を充分に除去すること
ができる。
【0050】なお、以上の実験例から解るように、巻取
ボビン14上での光ファイバ素心線10の電位は、必ず
しも0ではなくても、その近傍であれば巻取ボビン14
への巻き状態を良好にすることができる。この場合、本
発明における「その近傍」とは、表1及び表2に示す実
験結果から推測されるように、好ましくは、±5kV以
内の範囲を示す。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、巻取り
中に光ファイバ素心線に荷電電圧を印加し、この荷電に
より光ファイバ素心線の電位が強制的に0に近付き静電
気を除去するが、特に、リールやボビン等の接触部材の
表面に位置する光ファイバ素心線の電位を測定し、この
電位の測定値に応じて光ファイバ素心線に印加する荷電
電圧を制御しているため、巻取ボビン上又は巻取ボビン
付近での光ファイバ素心線の電位をより正確に0に近付
けて電位を安定させることにより静電気を確実に除去す
ることができるので、巻取ボビン上で光ファイバ素心線
が反発せず、巻取精度の信頼性を一層向上させることが
でき、従って、繰り出しや特性測定等の後の工程に支障
が生じることがなく、また帯電電圧が過度の高電圧とな
り光ファイバ素心線の被覆を損傷させるのを防止するこ
とができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻取方法を実施する状態を示す概略図
である。
【図2】本発明の巻取方法に用いられる荷電装置の正面
図である。
【図3】本発明の巻取方法に用いられる荷電装置の他の
実施例の正面図である。
【図4】本発明の巻取方法の第2の実施例の実施状態を
示す概略図である。
【図5】本発明の巻取方法の第3の実施例の実施状態を
示す概略図である。
【図6】本発明の巻取方法の第4の実施例の実施状態を
示す概略図である。
【図7】本発明の巻取方法の第5の実施例の実施状態を
示す概略図である。
【図8】本発明の巻取方法の第6の実施例の実施状態を
示す概略図である。
【図9】本発明の巻取方法の第7の実施例の実施状態を
示す概略図である。
【図10】本発明の巻取方法の第8の実施例の実施状態
を示す概略図である。
【図11】本発明の巻取方法の第9の実施例の実施状態
を示す概略図である。
【図12】従来技術の巻取方法により光ファイバ素心線
を巻取った場合に、キンクが発生した状態を示す平面図
である。
【符号の説明】
10 光ファイバ素心線 12A乃至12C リール 14 巻取ボビン 16 繰出ボビン 18 キャプスタン 20 荷重設定リール 22 荷電装置 22A 繰出側荷電装置 22B 巻取側荷電装置 24 装置本体 26 荷電端子 28 支持部 30 電位測定センサー 30A 繰出側電位測定センサー 30B 巻取側電位測定センサー 32、32A、32B 出力器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−357136(JP,A) 特開 平4−159962(JP,A) 特開 平6−206670(JP,A) 特開 平4−265255(JP,A) 特開 平6−206662(JP,A) 特開 平3−192616(JP,A) 実開 昭60−70802(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/00 B65H 54/02 B65H 54/70 C03B 37/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ素心線を案内部材により案内
    しながら引取って巻取ボビンに巻取る光ファイバ素心線
    の巻取方法において、前記巻取ボビンをアース付けし、
    前記光ファイバ素心線が接触する巻取ボビン等の接触部
    材の表面上の光ファイバ素心線の電位を測定し、前記電
    位の測定値に応じて前記光ファイバ素心線の電位が前記
    巻取ボビン上又は前記巻取ボビン付近で0又はその近傍
    になるように、前記光ファイバ素心線の巻取り中に前記
    光ファイバ素心線に荷電電圧を制御しつつ印加して前記
    光ファイバ素心線を前記巻取ボビンに巻取ることを特徴
    とする光ファイバ素心線の巻取方法。
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