JP2981306B2 - 流動制御剤およびそれを用いた水系塗料組成物 - Google Patents

流動制御剤およびそれを用いた水系塗料組成物

Info

Publication number
JP2981306B2
JP2981306B2 JP3169973A JP16997391A JP2981306B2 JP 2981306 B2 JP2981306 B2 JP 2981306B2 JP 3169973 A JP3169973 A JP 3169973A JP 16997391 A JP16997391 A JP 16997391A JP 2981306 B2 JP2981306 B2 JP 2981306B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
examples
flow control
control agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3169973A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0517707A (ja
Inventor
芳幸 朝比奈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Kogyo KK filed Critical Asahi Kasei Kogyo KK
Priority to JP3169973A priority Critical patent/JP2981306B2/ja
Publication of JPH0517707A publication Critical patent/JPH0517707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2981306B2 publication Critical patent/JP2981306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動制御剤およびそれ
を用いた水系塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、塗料を塗装する場合、適度の揺
変性がないとタレが発生する。そのため、揺変性を付与
するために多くの提案がなされている。従来、揺変性を
付与する揺変剤としては、炭酸カルシウム、有機ベント
ナイト、シリカ、ポリアミドワックスなどが使用されて
いる。このうち、炭酸カルシウム、有機ベントナイト、
シリカは、充分な揺変性を与えるが、硬化後の塗膜光沢
が低下するという欠点を有しており、そのため例えば自
動車上塗り塗料などの高い光沢が必要な分野への使用が
困難であった。有機ポリアミドワックスは、光沢の低下
はそれほどでないが、溶剤の種類により、揺変性が発現
しなかったり、あるいはまた温度が上昇すると溶解し
て、効果を失ったり、粒子が凝集してブツを生じたりす
る等の欠点を有していた。
【0003】これに対して、揺変性付与技術として、特
公昭60−23707号公報には、ベンジルアミンとジ
イソシアナート、特開昭61−97375号公報にはア
ニリン、モノエタノールアミンとジイソシアナート、特
開昭62−169874号公報には、シクロヘキシルア
ミンとジイソシアナート、特開昭62−184070号
公報には、β−フェニルエチルアミンとジイソシアナー
ト、特開平1−163279号公報には、パラトルイジ
ンとヘキサメチレンジイソシアナートが開示されてい
る。また、特開昭60−108479号公報には、アミ
ノシラン化合物およびヒドロキシモノアミンとポリイソ
シアナートが開示されている。これらは、イソシアナー
トとアミンを反応させることにより生成する尿素結合の
凝集力を利用している。
【0004】また、特開昭61−42580号公報、特
開平1−261450号公報、特開平2−208377
号公報等に開示されている一般にミクロゲルと言われる
架橋重合体粒子を塗料中に分散させ、揺変性を発現させ
る方法も提案されている。しかし、これらはいずれも溶
剤系塗料における揺変性付与技術である。近年特に地球
環境、安全、衛生などの観点から水系塗料が注目されて
いる。建築外装から産業製品、例えば食缶用、コイルコ
ーティング用等の工業塗料にも広く使用されるようにな
ってきた。更に、耐候性、耐薬品性、耐衝撃性等の高度
な品質が要求される自動車塗料、特にメタリック塗装に
関する提案も多い。これらの水系塗料においても、流動
制御が大きな課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、水系塗料組成物に揺変性を付与するための水系流動
制御剤および、それを用いた水系塗料組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、特定
の流動制御剤を水系塗料組成物に分散させることによ
り、優れた揺変性を付与することが出来、前記課題を解
決するものである。即ち本発明は、脂肪族及び/また
は脂環族ジイソシアナートから誘導されるポリイソシア
ナートの分子内に尿素結合、親水基をともに有する事を
特徴とする水系流動制御剤およびこれを用いて流動制
御された水系塗料組成物に関するものである。
【0007】本発明の流動制御剤に含まれる尿素結合
は、有機ポリイソシアナートとアミン化合物の反応によ
り形成されることが好ましい。こような有機ポリイソシ
アナートとしては、例えば芳香族、脂肪族および、また
は脂環族ポリイソシアナートおよびこれらから誘導され
たポリイソシアナートがある。芳香族ポリイソシアナー
トとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,6−トリレンジイソシアナート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシ
アナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート、
1,5−ジイソシアナートナフタリン等があり、脂肪族
ポリイソシアナートとしては、例えば、1,4−テトラ
メチレンジイソシアナート、1,5−ペンタメチレンジ
イソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナ
ート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−
1,6−ヘキメチレンジイソシアナート、リジンイソシ
アナート、1,8−ジイソシアナート−4−イソシアナ
ートメチルオクタン等があり、脂環族ポリイソシアナー
トとしては、例えば3−イソシアナートメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナート(イ
ソホロンジイソシアナート)、1,3−もしくは1,4
−ジイソシアナートシクロヘキサン、1,3−もしくは
1,4−ビス(イソシアナートメチル)−シクロヘキサ
ン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナー
ト等がある。そしてこれら単独または2種以上から誘導
されるビュレット型ポリイソシアナート、環状3量化し
て得られるイソシアヌレート型ポリイソシアナート等を
挙げることが出来る。特にイソシアヌレート型ポリイソ
シアナートが好ましく、更に脂肪族、脂環族ポリイソシ
アナートのイソシアヌレート型ポリイソシアートが好ま
しい。
【0008】イソシアヌレート型ポリイソシアナートを
合成する際、ヒドロキシル化合物を用いて変性してもよ
い。ヒドロキシル化合物としては、例えばメタノール、
エタノール、イソプロパノール、フェノール等のモノヒ
ドロキシ化合物、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、2,2,4−トリメチル1,3−ペン
タンジオール等のジヒドロキシル化合物等がある。これ
らは、単独で使用しても、2種以上の併用でもよい。
【0009】イソシアヌレート化反応は通常触媒が用い
られる。ここで用いられる触媒は、一般に塩基性を有す
るものが好ましく、例えば第4級アンモニウム塩やそれ
らの有機弱酸塩、アルキルカルボン酸のアルキル金属
塩、金属アルコラート、アミノシリル基含有化合物等が
ある。触媒濃度は、通常、イソシアナート化合物に対し
て10ppm〜1.0%の範囲から選択される。
【0010】反応は溶媒を用いても、用いなくてもよ
い。溶媒を用いる場合は、イソシアナート基に対して不
活性な溶剤を用いるべきである。反応温度は通常20〜
160℃、好ましくは40〜120℃である。反応が目
的の転化率に達したならば、例えば、スルホン酸、燐酸
等により触媒を失活させ、反応を停止する。
【0011】未反応物および溶剤を除去しイソシアヌレ
ート型ポリイソシアナート化合物を得ることができる。
前記の尿素結合を形成するアミン化合物とは分子内にア
ミノ基を有するものであり、例えば脂肪族モノアミン、
アミノシラン化合物、エーテルアミン、アルキルシクロ
ヘキシルアミン、芳香族アミン、モノヒドロキシアミ
ン、ポリヒドロキシアミン、アミノカルボン酸、アミノ
スルホン酸、ポリアミン等がある。
【0012】脂肪族モノアミンとしては、例えばベンジ
ルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、第2級
プロピルアミン、n−ブチルアミン、第2級ブチルアミ
ン、第3級ブチルアミン、n−ペンチルアミン、α−メ
チルブチルアミン、α−エチルプロピルアミン、β−エ
チルブチルアミン、γ−メチルブチルアミン、2−エチ
ルヘキシルアミン等がある。
【0013】アミノシラン化合物としては、例えばγ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、β−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン等がある。エーテルアミンとし
ては、例えば2−メトキシエチルアミン、2−エトキシ
エチルアミン、3−メトキシ−1−プロピルアミン、1
−メトキシメチルプロピルアミン、3−エトキシ−1−
プロピルアミン、p−メトキシベンジルアミン、フルフ
リルアミン等がある。
【0014】アルキルシクロヘキシルアミンとしては、
例えばシクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルア
ミン、エチルシクロヘキシルアミン、n−プロピルシク
ロヘキシルアミン等がある。芳香族アミンとしては、例
えばβ−フェニルエチルアミン、パラトルイジン、アニ
リン等がある。
【0015】モノヒドロキシアミンとしては、例えば2
−アミノエタノール、1−アミノエタノール、2−アミ
ノプロパノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ
−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパノ
ール、2−アミノブタノール、5−アミノペンタノール
等がある。ポリヒドロキシアミンとしては、例えば2−
アミノ−2−メチル−1,3プロパンジオール、2−ア
ミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等がある。
【0016】アミノカルボン酸としては、例えばグリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニ
ン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプ
トファン、プロリン、アミノプロピオン酸、アミノ酪
酸、アントラニル酸、アミノ安息香酸等がある。アミノ
スルホン酸としては、例えばタウリン等がある。
【0017】また、アミノ基、カルボキシル基、スルホ
ン基をともに分子内に有する化合物としては例えば、イ
ソシステイン、4−アミノ−2−スルホ安息香酸等があ
る。ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、ト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−
ジアミノヘプタン、1,9−ジアミノノナン、1,10
−ジアミノデカン、1,2,3−トリアミノプロパン等
がある。
【0018】これらは、単独で使用しても、2種以上を
使用してもよい。親水性基としては、カルボキシル基、
スルホン基、スルホニウム基、ホスホニウム基、アミノ
基、アルコキシ基、エーテル基等がある。これら親水性
基はそれぞれ単独で使用しても良く、2種以上を併用し
ても良い。
【0019】分子内に尿素結合と親水性基をともに存在
させる方法としては、有機ポリイソシアナートを骨格と
してアミン化合物との反応による尿素結合の形成、およ
び下記に示す親水性基の導入方法等を利用することがで
きる。親水性基の導入方法としては、活性水素と親水
性基を共に有する化合物とイソシアナートを反応させる
方法。活性水素と第3級窒素を共に有する化合物をイ
ソシアナートと反応させた後、有機酸塩、無機酸塩、第
4級アンモニウム塩にする方法。活性水素とエポキシ
基をともに有する化合物とイソシアナートと反応させた
後、 (1)2塩基酸と反応させる方法。
【0020】(2)ヒドロキシル基、メルカプト基、ア
ミノ基の3者のいずれかとカルボキシル基のメチルエス
テルを共に有する化合物を反応させた後、加水分解する
方法。 (3)カルボキシル基およびまたはスルホン基とアミノ
基を共に有する化合物と反応させる方法。
【0021】(4)オニウム塩形成性物質を有機酸もし
くは無機酸と組み合わせて反応させる方法。 等がある。上記活性水素とはイソシアナートと反応し得
るものであり、活性水素を含む化合物としては、例えば
フェノール系、ラクタム系、オキシム系、活性メチレン
系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミ
ド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系化合物等があ
る。
【0022】で用いる活性水素と親水性基をともに分
子内に含む化合物としては、例えばアミノ基とともにヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、スルホン基を同一分子
内に含む前記の化合物以外に、オキシ酸、ポリカルボン
酸、メルカプトカルボン酸、スルホン酸、メルカプトア
ルコール、アミノメルカプタン、アルコール、エチレン
オキサイド重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオ
キサイド共重合体、アクリル酸重合体、アクリル酸アミ
ド重合体、メタアクリル酸重合体、メタアクリル酸アミ
ド重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース等およびこれらで構成され
るポリマー等がある。その具体例を以下に示す。
【0023】オキシ酸としては、例えばグリコール酸、
乳酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシアクリル酸、オキ
シ酪酸、オキシ吉草酸、オキシステアリン酸、グリセリ
ン酸、タルトロン酸、サリチル酸等及びそのポリマー等
がある。ポリカルボン酸としては、例えばシュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
【0024】メルカプトカルボン酸としては、例えばメ
ルカプト酢酸、メルカプトコハク酸等がある。スルホン
酸としては、例えばイセチオン酸、スルホ酢酸、フェノ
ールスルホン酸、フェノールジスルホン酸、アミノフェ
ノールスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸等があ
る。
【0025】メルカプトアルコールとしては、例えばメ
ルカプトエタノール、ジメルカプトプロパノール等があ
る。、アミノメルカプタンとしては、例えばアミノエチ
ルメルカプタン等がある。アルコールとしては、例えば
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が
ある。
【0026】で用いる活性水素と第3級窒素を共に有
する化合物としては、例えばジメチルアミノプロパノー
ル、N−イソブチルエタノールアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチル
アミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエ
トキシプロピルアミン、N−アミノエチルピペリジン、
N−アミノプロピルモルホリン、2−(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、2−ヒドロキシピリジン等があ
る。導入された第3級窒素原子の少なくとも一部を有機
酸塩、あるいは無機酸塩、または第4級アンモニウム塩
にするためには、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ
酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;あるいは塩
酸、硫酸、ほう酸、燐酸等の無機酸;またはメチルクロ
ライド、ベンジルクロライド等のジアルキル硫酸等の4
級化剤が用いられる。
【0027】で用いる活性水素とエポキシ基を共に有
する化合物としては、例えばグリシドール等がある。 −(1)の2塩基酸としては、例えばシュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸等がある。 −(2)のヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基
の3者のいずれかとカルボキシル基のメチルエステルを
含む化合物としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メ
チルエステル、メルカプト酢酸メチルエステル,4−ア
ミノ酪酸メチルエステル等が挙げられる。
【0028】−(3)のカルボキシル基およびまたは
スルホン基とアミノ基を共に有する化合物としては、前
記のカルボキシル基およびまたはスルホン基とアミノ基
を共有する化合物等がある。 −(4)のオニウム塩形成性物質としては、塩基性ア
ミノ化合物、第3ホスフィン、第2スルフィド等があ
り、それぞれ第4アンモニウム、ホスホニウム、スルホ
ニウム塩基を生成し得る。塩基性アミノ化合物として
は、例えばジエチルアミン、ジプロピルアミン、N−メ
チルエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキ
シルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリ
アミン等がある。ポリアミンを使用するときは、その第
1級アミノ基を予め、アセトン、メチルエチルケトン、
イソブチルケトン等のケトンと反応させて得られるケチ
ミン誘導体とするのがよい。第3ホスフィンとしては、
例えばトリエチルホスフィン、トリエチルホスフィン、
フェニルジメチルホスフィン、フェニルジエチルホスフ
ィン等がある。第2スルフィドとしては、例えば硫化ジ
エチル、硫化ジプロピル、硫化ジブチル、硫化ジフェニ
ル、チオジエタノール、チオジプロパノール等がある。
前記有機酸としては、例えば蟻酸、酢酸、乳酸、プロピ
オン酸、シュウ酸、アクリル酸、p−トルエンスルホン
酸等が、無機酸としては、例えばホウ酸、塩酸、硫酸、
燐酸等がある。
【0029】これらの方法により導入された酸は中和し
ても、中和しなくても良い。中和剤としては、例えばア
ンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルフ
ォリン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−ジメ
チルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノイソ
プロパノール、N,Nジエチルエタノールアミン、2−
アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロ
ピルアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等がある。
【0030】尿素結合の導入と親水性基の導入は、イソ
シアナート基と活性水素の反応性を考慮し、それぞれ単
独に行っても良く、同時に行っても良い。尿素結合と親
水性基の組合せは、好ましくはアミノ酸の少なくとも1
種を使用することによる尿素結合および親水性基の付与
であり、更に好ましくは、脂肪族モノアミンとアミノ酸
の組合せが好ましい。
【0031】本発明の流動制御剤は、分子内に含まれる
尿素結合の凝集力、分子の絡み合い等による揺変性の発
現と親水性基の溶剤との親和性のバランスが重要であ
る。親水性が弱すぎると、塗料に分散している流動制御
剤が凝集し、得られる塗膜の表面の平滑性等が悪くな
る。逆に強すぎると、揺変性の発現が悪くなり流動制御
剤として機能しなくなる。そのバランスは、塗料の主
剤、硬化剤、溶剤、顔料等の組成により決定される。最
終的にイソシアナート基は存在すべきでない。
【0032】本発明の流動制御剤は、溶剤の存在下で製
造できる。この時使用する、溶剤としては、通常用いら
れる水性塗料の溶剤であり、例えばイソプロピルアルコ
ール、t−ブタノール、n−ブタノール等のアルコール
系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールモ
ノメチルアセテート、メチルカルビトール、エチルカル
ビトール、ブチルカルビトール等のセロソルブ系溶剤、
水等がある。これらは2種以上混合してもよい。この際
必要に応じて、有機錫化合物等の有機金属化合物を反応
促進剤として用いることができる。
【0033】また本発明の流動制御剤の製造は主剤であ
る皮膜形成成分中で行ってもよい。ここで使用される皮
膜形成成分としては、例えばアニオン系、カチオン系、
両性イオン系でも、またイオン性を持たないものであっ
てもよい。アルキド系、ポリエステル系、エポキシ系、
フッ素系、アクリル系等があり、分散型と溶解型があ
る。溶解型の皮膜形成成分としては、例えば特開昭63
−295680号公報、特開昭63−175059号公
報、特開昭62−216671号公報、特開平2−19
1692号公報等にその製造方法が開示されている。分
散型の皮膜形成成分としては、特開昭56−15735
8号公報にその製造方法が開示されている。ヒドロキシ
ル基を含有するフッ素共重合体であるフッ素系の皮膜形
成成分としては、例えば特開昭57−3410号公報、
特開昭61−231044号公報、特開平3−3725
2号公報等に製造方法が開示されている。
【0034】本発明の流動制御剤を皮膜形成成分中で製
造する場合は、有機ポリイソシアナートまたは活性水素
含有化合物のいずれか一方を予め皮膜形成成分に混合し
ておき、攪拌しながら他方を徐々に加えて反応させても
よく、また各成分を別々に皮膜形成成分に混合してお
き、それらの皮膜形成成分を混合して反応させてもよ
い。本発明の流動制御剤の配合割合は皮膜形成成分固形
分に対して0.05〜20重量%である。この割合が
0.05重量%未満の場合には、流動制御効果が不十分
になり、20重量%を越えると加熱硬化後の塗膜の平滑
性、透明性等が低下する。
【0035】本発明の水系塗料組成物を製造する場合に
は、前述の皮膜形成成分として用いられる樹脂以外に、
ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシ
アナート等を原料としたポリイソシアナート化合物に含
まれるイソシアナート基の全部または一部を低級アルコ
ール、ラクタム、オキシム、活性メチレン系化合物など
のブロック剤で封鎖したブロックイソシアナート化合
物、メラミン樹脂または尿素樹脂などのアミノ樹脂、エ
ポキシ樹脂等の硬化剤、顔料、金属粉顔料、表面調整
剤、沈降防止剤、熱および光劣化防止剤、顔料分散剤、
硬化促進剤等を配合することができる。
【0036】この様に調整された水系塗料組成物は、ス
プレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、電着塗装、浸
漬塗装等の方法で金属、プラスチック等に塗装され、耐
チッピング塗料、プレコートメタル用塗料等としても有
用である。
【0037】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。 (揺変性指数)東京計器(株)のB型粘度計を用いて、
ローターNo.3における回転数6と60rpmの粘度
比により評価した。 (塗液観察)塗液を肉眼で観察し、流動制御剤が均一分
散せずに凝集している場合は×、均一分散している場合
は○として評価した。
【0038】
【実施例1】皮膜形成成分であるアクリルポリオール
(日本触媒化学工業(株)の商品名「アロロン76」)
100部、水120部、β−アラニン1.06部、ノニ
ルアミン1.76部を充分混合し、ついでこの溶液を攪
拌しながら、酢酸エチルに溶解したヘキサメチレンジイ
ソシアナート系イソシアヌレート型ポリイソシアナート
(旭化成工業(株)の商品名デュラネートTPA10
0)50%溶液8.77部を添加した。添加後、50℃
以下で1時間攪拌を続けた。ついで、トリメチルアミン
0.70部、メラミン樹脂(三井東圧化学(株)の商品
名「サイメル350」)12.5部を加えて混合し、水
系塗料組成物を得た。揺変性指数は1.6であり、肉眼
観察によるブツの発生はなかった。
【0039】
【実施例2〜7】流動制御剤として表1に示したものを
用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に
示す。
【0040】
【比較例1】流動制御剤として表1に示したものを用い
た以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明の流動制御剤は、地球環境、安
全、衛生等に優れている水系塗料に揺変性を付与するこ
とができ、その結果、該流動制御剤を用いた水系塗料組
成物はタレが防止され、平滑な塗膜を形成することがで
きる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネ
    ートのイソシアヌレート型のポリイソシアナートの分子
    内に尿素結合、およびカルボキシル基、スルホン基、ス
    ルホニウム基、ホスホニウム基、アミノ基、アルコキシ
    基、エーテル基から選ばれる1種または2種以上の親水
    性基とともに有する事を特徴とする水系流動制御剤
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水系流動制御剤で流動制
    御された水系塗料組成物
JP3169973A 1991-07-10 1991-07-10 流動制御剤およびそれを用いた水系塗料組成物 Expired - Lifetime JP2981306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3169973A JP2981306B2 (ja) 1991-07-10 1991-07-10 流動制御剤およびそれを用いた水系塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3169973A JP2981306B2 (ja) 1991-07-10 1991-07-10 流動制御剤およびそれを用いた水系塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0517707A JPH0517707A (ja) 1993-01-26
JP2981306B2 true JP2981306B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=15896242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3169973A Expired - Lifetime JP2981306B2 (ja) 1991-07-10 1991-07-10 流動制御剤およびそれを用いた水系塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2981306B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19724408B4 (de) * 1997-06-10 2005-03-24 E.I. Du Pont De Nemours And Co., Wilmington Rheologiebeeinflusser-Zusammensetzung für Überzugsmittel
SI1641888T1 (sl) * 2003-07-08 2012-06-29 Nuplex Resins Bv Aminokislinski derivati in njihova uporaba kot sredstvo za nadzor nad usedanjem
US20080132638A1 (en) * 2006-09-05 2008-06-05 Jozef Theresia Huybrechts Aqueous compositions of sagging control agents

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0517707A (ja) 1993-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1444283B1 (en) Autodepositing anionic epoxy resin water dispersion
US10246571B2 (en) Polyfunctional amines with hydrophobic modification for controlled crosslinking of latex polymers
US8877979B2 (en) Polyhydroxy-diamines as multi-functional additives for paints, coatings and epoxies
US10479899B2 (en) Method for preparing cationic electrodeposition coating composition
KR20080083063A (ko) 에폭시-관능성 화합물용 경화제
JP5174820B2 (ja) たるみ抑制剤の水性組成物
JP2981306B2 (ja) 流動制御剤およびそれを用いた水系塗料組成物
CN109385175B (zh) 重防腐涂料用油漆套装
US20230279238A1 (en) Chromium-free anticorrosive coating composition and article made therefrom
US6225398B1 (en) Aqueous dispersions of polymers
US20190390063A1 (en) Solventborne compositions containing organic ion-exchangers to improve corrosion resistance
US20150329738A1 (en) Modified epoxy resins
JP6871032B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5607479B2 (ja) 水性プライマ−組成物
JP4529016B2 (ja) ヒドラジンベースのジウレア誘導体の針状結晶及び塗料組成物及び接着剤組成物におけるレオロジー調節剤としてのその使用
KR20040018452A (ko) 디이소프로필아민에 의해 블록킹된 수성 및(또는) 물로희석가능한 폴리이소시아네이트 가교제 및 그의 용도
KR102184077B1 (ko) 코어-쉘 구조의 실리콘 변성 아크릴계 폴리올 중합체의 제조방법 및 이를 포함하는 고내후성 친환경 수성 초중방식 도료조성물
JP3460841B2 (ja) 水性塗料組成物
JP2007119604A (ja) 水性ブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含む水性塗料組成物
JP2518730B2 (ja) 塗料組成物
JP2007314688A (ja) 水性塗料用樹脂、その製造方法及び水性塗料組成物
JPH03185083A (ja) 塗料用樹脂
JPS59129270A (ja) カチオン電着塗料用組成物
JP5622504B2 (ja) 複層塗膜形成方法
JP2009013236A (ja) 電着塗料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990907

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917

Year of fee payment: 12