JP2980831B2 - 発泡ビーズ混合処理土及び水中打設用発泡ビーズ混合処理土の製造方法 - Google Patents
発泡ビーズ混合処理土及び水中打設用発泡ビーズ混合処理土の製造方法Info
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Description
等の水中での使用に有用な発泡ビーズ混合処理土及び水
中打設用発泡ビーズ混合処理土の製造方法に関する。
S材)より成る成形体ブロックを盛土材料として使用し
て軟弱地盤上の盛土または掘削埋め戻しを行う工法が知
られており、実用化されている。例えば、このEPS材
を用いて道路用の盛土を行うことにより、交通相当荷重
を含む上載荷重により地盤内に発生する応力増加を防止
すること、もしくは緩和することができる。
は、EPS材自体の特性に由来する以下のごとき問題点
があるため、その応用範囲が限定されている。すなわ
ち、第一に、EPS材は、基本的に発泡性スチロール樹
脂単体からなるので、単位体積重量を広範囲に自由に変
化させることができない。
用いた施工を行った場合には、EPS材の単位体積重量
が水よりもかなり小さく、かつ、単位体積重量を大きく
増加させることが困難なことから、EPS材に過大な浮
力が作用することになるので、浮き上がり防止策を講ず
る必要がある。
ロール樹脂単体からなるので、機械的強度を広範囲に調
整することができない。しかも、発泡性スチロール樹脂
成形体は熱または溶媒による一体性の消失によって所用
の容積及び支持力を保持し得なくなる傾向を呈する。す
なわち、熱による溶融や溶媒への溶解により、発泡性ス
チロール樹脂成形体は、その形状を維持できなくなり、
盛土材料として機能しなくなる。
ば、特開平1−158106号公報には、発泡性樹脂成
形品の破砕小片を山砂に混合し、これにセメント等の固
化材料を添加してなることを特徴とする複合軽量材料が
開示されている。上記特開平1−158106号公報に
記載された複合軽量材料は、発泡性樹脂、山砂及び固化
材料を組み合わせたものであるため、その配合割合を変
更することにより単位体積重量及び強度を広い範囲に自
由に設定することができる。
性樹脂が熱または溶媒の作用下で収縮しても、固化材料
の添加によって、残余の山砂と固化材料が三次元的架橋
構造を呈するので、その結合強さに基づく一定の支持力
及び剪断強度を確保することができる。
な複合軽量材料の開発が進められているが、いずれも、
陸上での施工を対象としたものであり、水中での施工を
対象とした場合には、以下のような問題点があった。す
なわち、第一に、上述のような複合軽量材料は、流動性
を持たせるために比較的大量の水を加えた状態で水中に
打設されることになると考えられるが、この際には、軽
量な発泡性樹脂が浮力により上昇しようとする力が働く
ことになり、固化材料により複合軽量材料が有る程度固
化する前に、発泡性樹脂が分離する可能性がある。
軽量材料を施工した場合には、周囲の水による希釈、固
化までの期間等により、発泡性樹脂が上方に移動してし
まう可能性がかなり高くなり、少なくとも施工された複
合軽量材料の上部と下部とで発泡性樹脂の含有率が大き
く異なるものとなる可能性が高かった。
水圧がかかることになり、発泡性樹脂が水圧により潰れ
てしまい、必ずしも意図した単位体積重量を得られない
可能性がある。すなわち、上記軽量複合土を水中に打設
した場合に、発泡性樹脂の強度によっては、発泡性樹脂
内の気泡が潰れてしまう可能性があり、上述の土砂と固
化材料とによる三次元的架橋構造が形成される前に、発
泡性樹脂が潰れた場合には、複合軽量材料の密度が高く
なってしまう。また、固化材料による固化の過程で発泡
性樹脂が潰れた場合には、複合軽量材料の強度にも悪影
響を与える可能性がある。
であり、水中における発泡性樹脂の分離及び発泡性樹脂
の潰れを防止して、水中施工を可能とした発泡ビーズ混
合処理土及び水中打設用発泡ビーズ混合処理土の製造方
法を提供することを目的とするものである。
を重ねた結果、特定の比重と粒子径を有する発泡性樹脂
粒子(発泡粒子)を土砂及び固化材料と配合することに
より上記課題を解決できることを見いだし本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明の請求項1記載の発泡
ビーズ混合処理土は、密度が0.036g/cm3で平
均粒径が2mmの発泡性樹脂粒子と、土砂と、固化材料
と、上記土砂の液性限界の2.0倍もしくは2.2倍と
なる量の海水とを混合し、流動性を付加された状態で水
中に打設されることを特徴とする。また、本発明の請求
項2記載の発泡ビーズ混合処理土は、密度が0.036
g/cm3で平均粒径が2mmの発泡性樹脂粒子と、土
砂と、固化材料とを含有してなり、かつ、上記発泡性樹
脂粒子と土砂との容積比が土砂1に対して発泡性樹脂粒
子が0.884とされるとともに、固化材料の含有率が
全体の乾燥重量の16.5重量%となるように配合さ
れ、さらに、上記土砂の含水比が上記土砂の液性限界の
2.0倍もしくは2.2倍となるように海水が添加され
て流動性を付加された状態で水中に打設されることを特
徴とする。また、本発明の請求項3記載の発泡ビーズ混
合処理度の製造方法は、水中に打設される発泡ビーズ混
合処理土の製造方法であって、密度が0.036g/c
m3で平均粒径が2mmの発泡性樹脂粒子と、土砂と、
固化材料と、上記土砂の液性限界の2.0倍もしくは
2.2倍となる量の海水とを混合し、流動性を付加した
状態とすることを特徴とする。
度を、後述する表4の実体積及び重量から求められるよ
うに、0.036g/cm 3 としたが、密度が0.02
g/cm3未満の場合、発泡性樹脂粒子は、強度的に劣
るものであり、水中施工に際して発泡性樹脂粒子が潰れ
る可能性がある。
脂の発泡倍率すなわち単位体積重量により変化すること
が知られており、基本的に単位体積重量が小さくなれ
ば、強度が小さくなり、上述のように密度が0.02g
/cm3未満の場合には、水中施工に際し、その施工深
度にもよるが、上述のように潰れてしまう可能性が高
い。また、発泡性樹脂粒子の密度が低すぎる場合には、
発泡性樹脂粒子に大きな浮力が作用することになり、発
泡ビーズ混合処理土を打設した場合に、発泡性樹脂粒子
が上昇して分離する可能性を高めてしまう。
cm3より高い場合は、発泡性樹脂粒子を混合すること
による軽量化の効果が認められなくなり、発泡性樹脂粒
子を混入する意味がなくなる。また、発泡性樹脂粒子の
密度が有る程度高い状態で、軽量複合土の単位体積重量
を下げるためには、発泡性樹脂粒子の混入量を多くする
必要があり、コスト的に問題がある。
mm以下とすることにより、大量の水により流動性を付
加された発泡ビーズ混合処理土を水中に打設した場合
に、各発泡性樹脂粒子の浮力を制限することができると
ともに、土砂との親和性を確保することができ、発泡性
樹脂粒子の浮力による分離を防止することができる。ま
た、上記発泡性樹脂粒子を小径とすることにより、発泡
性樹脂粒子により、発泡ビーズ混合処理土の流動性が阻
害されるのを防止することができる。
は、上述のように、発泡性樹脂粒子の密度と粒径との両
方に影響を受けるものであり、発泡性樹脂粒子の浮力が
小さく、かつ、粒径が大きければ、各発泡性樹脂粒子に
大きな浮力が作用することになる。従って、本発明の発
泡ビーズ混合処理土の水中打設時の発泡性樹脂粒子の浮
き上がりを確実に抑止する上では、発泡性樹脂粒子の密
度が低い場合に、発泡性樹脂粒子の粒径が小さいことが
好ましい。 なお、上記平均粒径は重量平均粒径である。
としては、特に限定されないが、ポリスチレン及びスチ
レン−メタクリル酸共重合体及びアクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン等のスチレン系樹脂や、ポリエチレ
ン及びポリプロピレン等のポリオレフィンや、塩化ビニ
ル、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド等が
挙げられるが、なかでも強度的に優れ、かつ、低密度で
ある点からスチレン系樹脂が好ましい。
特に制限されるものではなく、ビーズ状もしくはペレッ
ト状のいずれであっても良いが、上述の如くその平均粒
径が5mm以下である必要がある。また、発泡性樹脂粒
子を得る方法としては、特に制限されるものではない
が、例えば、ビーズ状粒子の場合には、常法の懸濁重合
によって得られた発泡剤含有樹脂粒子を85〜103℃
の水蒸気と接触させて、かさ倍率5〜50倍に発泡させ
る方法が挙げられ、また、ペレット状の場合には樹脂を
押出機内で溶融混合し、次いで押出し顆粒化後、得られ
た発泡剤含有樹脂粒子泡剤を、85〜103℃の水蒸気
と接触させて、かさ倍率5〜50倍に発泡させる方法が
挙げられる。
特に限定されるものではないが、例えば、れきや、れき
質土及び固結したれき質土等のれき混じり土や、岩塊玉
石混じり砂等を含む砂や、砂質土及び岩塊玉石混じり砂
質土等の普通土や、れき混じり粘性土及び岩塊玉石混じ
り粘性土等を含む粘性土を用いることができる。
るために大量の水を含む土砂との摩擦抵抗による発泡性
樹脂粒子の浮き上がり防止を考慮した場合には、土砂の
粒子が細かいことが好ましく、上記土砂のうちの粘性土
を用いることが好ましい。さらに、細粒分の特に多い海
成粘土を用いることが、上記発泡性樹脂粒子の浮き上が
りを防止する上で好ましい。
は、特に制限されるものではなく、例えば、生石灰やセ
メントやその他の硬化物が挙げられるが、なかでも粘性
土との親和成に優れる点からセメントが好ましい。ここ
で用いるセメントとしては、例えば、普通ポルトランド
セメント、早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルト
ランドセメント等のポルトランドセメント、高炉セメン
ト、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合
セメント、アルミナセメント等が挙げられる。これらの
なかでも特に普通ポルトランドセメント、高炉セメント
が作業性に優れる点から好ましい。
泡性樹脂粒子、土砂、固化材料、海水の各成分を必須の
成分としており、発泡性樹脂粒子と土砂との容積比で土
砂を1とし場合に、発泡性樹脂粒子を0.5〜4.0と
することが得られる発泡ビーズ混合処理土の単位体積重
量を適正範囲に調整できる点から好ましい。なお、発泡
性樹脂粒子の体積は、発泡性樹脂粒子を緩詰め状態とし
た場合の見かけの体積で測定するものとする。また、発
泡ビーズ混合処理土全体(乾燥重量)に対する固化材料
の含有率が50〜0.025重量%とであることが好ま
しい。
体積重量は、具体的には0.8〜1.3t/m3である
ことが、海洋建設工事において地盤への荷重付加を低減
できる点から好ましく、なかでも1.0〜1.2t/m
3であることが、地盤への荷重付加と強度とのバランス
に優れる点からさらに好ましい。なお、本発明の発泡ビ
ーズ混合処理土においては、上記発泡性樹脂粒子、土
砂、固化材料との配合割合と海水の添加量を調整するこ
とにより、上述の単位体積重量の範囲内で単位体積重量
を調整することができる。
樹脂粒子、土砂、固化材料、海水の各成分に、さらにそ
の他の配合材料を添加することができる。その他の配合
材料としては、例えば、細粒土、ベントナイト等の難透
水性材料等が挙げられる。これらの配合量は、本発明の
効果を損なわない範囲で適宜選択し得るが、通常、発泡
ビーズ混合処理土の0.05〜5重量%である。
発泡性樹脂粒子、土砂、固化材料、海水の各成分の分離
を抑止する効果があり、上記土砂として、比較的粒子径
の大きなもの(砂、普通土等)を用いた場合には、上記
細粒土やベントナイトを混合することにより、発泡性樹
脂粒子の浮き上がりを抑止することができる。
土の製造方法について説明する。上記発泡ビーズ混合処
理土は、基本的に上記発泡性樹脂粒子、土砂、固化材料
と海水を混合することにより得られる。すなわち、上述
の配合割合の発泡性樹脂粒子、土砂、固化材料に対し
て、上記土砂の液性限界が2.0倍もしくは2.2倍に
なるように海水を添加し、これらを混合することによ
り、流動性を有する本発明の発泡ビーズ混合処理土を得
ることができる。
海水の各成分を混合する方法としては特に限定されるも
のではなく、撹拌式混合機におけるバッチ式混合や、単
軸もしくは二軸の連続混合機による連続混合等の周知の
混合方法を用いることができる。また、発泡性樹脂粒
子、土砂、固化材料、海水の各成分を混合した後に、ポ
ンプ打設やトレミー管打設を行うことで、海洋建設工事
現場等の水中において、施工に供することができる。
合処理土を打設した後に所定期間養生することにより、
必要強度を得ることができ、打設、養生後の発泡ビーズ
混合処理土は、通常、JISに準拠する圧縮強度が0.
3〜20.0kgf/cm2となる。
合処理土を海洋建設工事等の水中施工に用いた場合に
は、水中施工におていも上述のように発泡性樹脂粒子の
浮き上がりによる分離を防止することができ、陸上にお
ける従来の発泡ビーズ混合処理土と同様の作用効果を水
中においても得ることができる。
ては、海底の表層部が堆積により形成され、軟弱地盤と
なっている可能性が高く、海底において通常の土砂を、
例えば、埋立材料などとして用いた場合には、残留沈下
防止、すべり破壊防止等の目的で基礎地盤の改良、すな
わち深層混合処理、サンドパイル、プレロード等による
圧密促進及び強度向上が必要となり、その改良工事に多
大なコストと長い期間を必要とする可能性がある。
理土は、上述のように水中での施工が可能となっている
とともに、従来の発泡ビーズ混合処理土と同様に軽量で
高い強度を有するので、海洋工事等の水中施工におい
て、埋立材料などとして本発明の発泡ビーズ混合処理土
を用いることにより、基礎地盤の改良を不要とするか、
著しく軽減することができる。また、従来、埋立材料と
して適さなかった粘性浚渫土を、本発明の発泡ビーズ混
合処理土の土砂として有効に用いることができるので、
資源の有効活用を図ることができる。
を含む発泡ビーズ混合処理土を水中で施工可能としたも
のであり、発泡ビーズ混合処理土を水中で施工可能とす
ることにより、例えば、以下のような用途に用いること
ができる。第一に、本発明の発泡ビーズ混合処理土を上
述のように埋立材料として用いることができ、下部の粘
土層に加わる有効上載荷重の増加量を少なくして、これ
らの層の圧密沈下量及びそれから生じる不等沈下量を大
幅に低減することができる。
水中での埋戻し材として用いることができ、海底下に設
けられた構造物や下部の土層に加わる荷重を低減するこ
とができる。第三に、本発明の発泡ビーズ混合処理土を
護岸や岸壁の裏込め材として用いることができ、護岸壁
等の構造物に加わる土圧を低減し、止水層の役目も果た
すことができる。
水中のケーソンや二重矢板の中詰め材として用いること
ができ、ケーソンや二重矢板にかかる中詰め材による荷
重を軽減することができるとともに、それによりケーソ
ンや二重矢板等の構造部材をスリム化できるでの、構造
物全体を大きく軽量化することができる。第五に、本発
明の発泡ビーズ混合処理土を水中のマウンド基礎の置換
え材として用いることができ、この場合に浚渫土を発泡
ビーズ混合処理土の土砂として用いることにより、外部
から購入土を搬入する必要がなくなり、コストを軽減す
ることができる。
より具体的に説明するが、本発明はこれらの実験例によ
り限定されるものではない。
泡性樹脂粒子と土砂と水とを攪拌して固化材料を含まな
い混合土を作成した後に、海水の満たされたメスシリン
ダに上記混合土を流し込むことにより、水中打設時の発
泡性樹脂粒子の径と発泡性樹脂粒子の分離性との関係及
び含水比と上記混合土の流動性との関係を試験したもの
である。
は、発泡性ポリスチレン粒子を用いた。また、発泡性樹
脂粒子は、その粒径が1mm、2mm、3mmのものを
用いた。また、含水比(WL)を、2.0WL、2.2W
Lに調整した場合について試験を行った。
た後に、発泡性ポリスチレン粒子を加えて攪拌して密度
を調整して土砂と発泡性樹脂粒子の混合土を作成した。
そして、海水を入れた1リットルメスシリンダを垂直よ
り25度傾けた状態で、このメスシリンダに上記混合土
を管壁に沿わせて加えていき、発泡性樹脂粒子の分離性
及び上記混合土の流動性を観察した。
た項目は、全体的にみて発泡性樹脂粒子の分離は認めら
れ無かったが、表面の一部の粒子の浮上が観察されたこ
とを示すものである。また、*2が付された項目は、全
体的にみて発泡性樹脂粒子の分離は認められなかった
が、表面以外にも一部の粒子の浮上が観察されたことを
示すものである。また、*1及び*2の場合において
も、発泡性樹脂粒子の浮上は、実際の施工の際に問題に
成らない程度のものと判断でき、表1において分離しな
いと記載した。
泡性樹脂粒子の分離抵抗性の点から、表面の一部の発泡
性樹脂粒子の浮上が認められただけの含水比が2.0W
L以下、発泡性樹脂粒径が2mm以下が特に好ましいこ
とが判明した。なお、実験例1においては、固化材料が
混合されておらず、固化材料を添加した場合には、発泡
性樹脂粒子の分離抵抗性が向上する。
度は、0.02〜0.5g/cm3の範囲の下限側に近
いものであり、密度をさらに高いものとすれば、発泡性
樹脂粒子の分離抵抗性が向上する。従って、発泡性樹脂
粒子の粒径を上述のように2mm以下とし、含水比を
2.0WLとすることが、発泡性樹脂粒子の分離抵抗性
を高める上では好ましいが、固化材量の添加や発泡性樹
脂粒子の密度等によっては発泡性樹脂粒子の平均粒径を
2mmから5mmとしても、発泡樹脂粒子の分離を抑制
した状態での発泡ビーズ混合処理土の水中施工は可能で
ある。また、同様に含水比を2.0WLより大きくして
も、発泡樹脂粒子の分離を抑制した状態での発泡ビーズ
混合処理土の水中施工は可能である。
としてセメントを添加し、実際に発泡ビーズ混合処理土
を作成し、これを垂直に立てたパイプに打設して固化さ
せ、発泡性樹脂粒子の浮き上がりにより、パイプ中の固
化した発泡ビーズ混合処理土の単位体積重量が高さで異
なるものとなっていなかを試験した。
泡性ポリスチレン粒子、固化材料としての高炉セメント
を表2に示す含水比(WL)となるように水を加えて混
合し、発泡ビーズ混合処理土とした。
0×50cmの塩化ビニルパイプに打設し、次いで、上
記塩化ビニルパイプを垂直に立てた状態で、温度を20
±3℃として3日間密封養生した。次いで、上記塩化ビ
ニルパイプを10cm間隔で切断し、各高さの切断部毎
に密度と含水比を測定した。
度)のばらつきは、含水比を2.0WLとした場合に、
0.013g/cm3(4%)であり、含水比を2.2
WLとした場合に、0.017g/cm3(2.7%)で
ある。これらの結果から単位体積重量、含水比共にその
ばらつきは、小さなものであり、この実験例2の発泡ビ
ーズ混合処理土においては発泡性樹脂粒子の分離は無い
ものと判断できる。
観察した結果、硬化前の発泡性樹脂粒子の表面移行も認
められなかった。すなわち、この実験例2の発泡ビーズ
混合処理土は、打設から硬化までの間の安定性が高く、
軽量な発泡性樹脂粒子が浮き上がることにより、硬化し
た発泡ビーズ混合処理土の上部が軽くなるようなことが
無かった。
泡ビーズ混合処理土を水槽内に打設し、水中での流動状
況、材料特性などを試験したものである。 試験方法 発泡ビーズ混合処理土の配合を以下の表4に示す。
た粘性土1m3(密度1.336g/cm3)に対して1
00Kgの割合(土の乾燥重量の20%)で混合し、密
度を1.2g/cm3になる量の発泡性ポリスチレン粒
子を加えて発泡ビーズ混合処理土を作成した。使用した
発泡性ポリスチレン粒子は、約50倍発泡で粒径が2m
mのものである。また、上記表4に示されるように、ビ
ーズ混合土の配合においては、発泡ビーズの実体積が
8.4Lとされ、重量が0.3kgとされおり、発泡性
樹脂粒子の密度は、0.3/8.4≒0.036g/c
m 3 となる。 また、上記表4に示されるように、ビーズ
混合土の配合においては、土9.5lに対して発泡ビー
ズが8.4Lとされており、発泡性樹脂粒子と土砂との
容積比は、土砂1に対して、発泡性樹脂粒子が8.4/
9.5≒0.884となる。 また、上記表4に示される
ように、ビーズ混合土の配合においては、セメントが
5.0kgとされ、土が25.0kgとされ、発泡ビー
ズが0.3kgとされており、全体の乾燥重量に対する
固化材量の含有率が5/(25+5+0.3)×100
≒16.5%となる。
以下の表5に示す。
50cmの大きさである。そして、水槽に人工海水50
lを入れた。また、管径2.5cmの打設管の筒先を水
槽の端部から14cmの位置で底面から2.5cmの高
さに固定した。
5lずつ5回に分けて流量10l/minで打設した。
各打設回毎に側面に打設高さを細テープでなぞり勾配を
測定した。また、上述の打設終了後、参照として、気中
にて簡易モールド(φ5cm×h10cm)と軽量モー
ルド(φ10cm×h20cm)に打設し(以後、気中
打設と呼ぶ)、七日間水中養生後、それぞれ一軸圧縮試
験及び一面剪断試験を行った。また、水槽内の打設土に
ついては、打設終了後塩化ビニル管(φ7.5cm)を
押し込み、一日後に取り出し、7日間水中養生後、一面
剪断試験を行った。一面剪断試験は0.5kgf/cm
2を載下し、0.2mm/minの速度で定体積剪断試
験を行った。
る。どの打設面も勾配は1:4程度である。打設状況は
ポンプ圧で押し出される状況であり、空隙等は生じなか
った。図1(b)(c)(d)は、打設の密度、含水
比、一面剪断強度の分布を示したものである。密度分布
を見ると、流動距離には依存しないが、鉛直方向の密度
が小さくなる傾向があり、全体的には、1.06〜1.
26g/cm3となった。
密度が小さいほど含水比が高くなっており、これは打設
時に水を巻き込んだことが原因と考えられる。一方、一
面剪断強度の分布を見ると、強度は水平への流動距離や
鉛直距離にあまり依存しないようであり、七日時点で
1.37〜1.82kgf/cm2である。
養生の2.28kgf/cm2と比較すると60〜80
%になる。図2、図3及び図4は、一面剪断強度と密
度、一面剪断強度と含水比、密度と含水比の関係につい
て示したものである。一面剪断強度は、1.1〜1.2
5g/cm3程度の密度の変動に対してはあまり変化し
ない傾向がある。
質濃度(SS)とpH及び水面に浮上した粒子量を測定
した。実験中の最大値はSS=115mg/l、pH=
8.7、水面に浮いた粒子は打設全量の1.8%であっ
た。以上の結果から基本的には、発泡ビーズ混合処理土
を良好に水中に打設することが可能と判断できる。
かなように、発泡性樹脂粒子の密度を0.036g/c
m 3 とするとともに、発泡性樹脂粒子の平均粒径を2m
mとし、かつ、上記土砂の含水比が上記土砂の液性限界
の2.0倍もしくは2.2倍となるように海水を添加し
て流動性を付加した場合には、発泡性樹脂粒子を含む発
泡ビーズ混合処理土を流動化した状態で水中に打設する
ものとしても、発泡性樹脂粒子の浮き上がりによる分離
を防止することができ、水中においても陸上と同様に発
泡ビーズ混合処理土による効果を得ることが可能であ
る。
項1記載の発泡ビーズ混合処理土によれば、上記土砂の
液性限界の2.0倍もしくは2.2倍の海水により、発
泡ビーズ混合処理土が流動性を有する状態となり、発泡
ビーズ混合処理土を容易に水中に打設することができ
る。
有する状態で水中に打設するものとしても、発泡ビーズ
混合処理土を発泡性樹脂粒子、土砂、固化材量及び海水
からなるものとし、かつ、発泡性樹脂粒子の密度を0.
036g/cm 3 とするとともに平均粒径を2mmと
し、かつ、水もしくは海水の含水比を上記土砂の液性限
界の2.0倍もしくは2.2倍とすることにより、発泡
性樹脂粒子の浮き上がりによる分離を防止して、ほぼ均
一な状態で硬化させることができる。従って、上記発泡
ビーズ混合処理土を水中に打設するものとした場合に
も、発泡性樹脂粒子の浮き上がりを防止することがで
き、発泡ビーズ混合処理土を陸上とほぼ同様に用いるこ
とができ、水中においても従来の混合軽量材料を陸上で
用いた場合と同様の効果を得ることができる。
積比を土砂1に対して発泡性樹脂粒子を0.884と
し、固化材料の含有率を全体量の16.5重量%とし、
これらで発泡性樹脂粒子と、土砂と、固化材料との配合
割合を調整するとともに、海水の含水比を上記土砂の液
性限界の2.0倍もしくは2.2倍で調整することによ
り、発泡ビーズ混合処理土の単位体積重量と強度とを広
い範囲で調整することができ、発泡ビーズ混合処理土の
用途、使用場所の環境等に合わせて、その単位体積重量
と強度とを自由に設定することができる。
発泡ビーズ混合処理土の製造方法によれば、流動化した
状態で水中に打設しても、発泡性樹脂粒子の浮き上がり
による分離のほとんどない発泡ビーズ混合処理土を製造
することができる。
である。
である。
である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 密度が0.036g/cm3で平均粒径
が2mmの発泡性樹脂粒子と、土砂と、固化材料と、上
記土砂の液性限界の2.0倍もしくは2.2倍となる量
の海水とを混合し、流動性を付加された状態で水中に打
設されることを特徴とする発泡ビーズ混合処理土。 - 【請求項2】 密度が0.036g/cm3で平均粒径
が2mmの発泡性樹脂粒子と、土砂と、固化材料とを含
有してなり、かつ、上記発泡性樹脂粒子と土砂との容積
比が土砂1に対して発泡性樹脂粒子が0.884とされ
るとともに、固化材料の含有率が全体の乾燥重量の1
6.5重量%となるように配合され、さらに、上記土砂
の含水比が上記土砂の液性限界の2.0倍もしくは2.
2倍となるように海水が添加されて流動性を付加された
状態で水中に打設されることを特徴とする発泡ビーズ混
合処理土。 - 【請求項3】 水中に打設される発泡ビーズ混合処理土
の製造方法であって、密度が0.036g/cm3で平
均粒径が2mmの発泡性樹脂粒子と、土砂と、固化材料
と、上記土砂の液性限界の2.0倍もしくは2.2倍と
なる量の海水とを混合し、流動性を付加した状態とする
ことを特徴とする水中打設用発泡ビーズ混合処理土の製
造方法。
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