JP2977226B2 - 文字の非線形正規化法 - Google Patents

文字の非線形正規化法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、手書き文字認識や手書き文字清書等の処理
を行うシステムにおいて、入力した文字の歪みを補正す
るための非線形正規化法に関する。
〔従来の技術〕
OCR(光学的文字認識)システム等の文字認識システ
ムにおいては、前処理で入力文字の歪みを補正するため
の正規化処理が行われる。この正規化の方法は線形正規
化法と非線形正規化法とに大別されるが、歪みの大きな
手書き文字等を扱うシステムでは非線形正規化法が有効
である。
この非線形正規化法の一つが同一出願人の平成2年4
月2日付特許出願の明細書及び図面に開示されている。
この非線形正規化法によれば、文字の歪みを特性量(線
密度すなわち線の混み具合)の文字画像上における不均
一と定義し、文字の歪みを求めるために、文字画像上の
各点について特性量を求め、文字画像上のx軸と平行な
各領域及びy軸に平行な各領域で、対応方向の特性量の
分布を求める。そして、各領域をその中に含まれる特性
量値が等しい小領域にm分割する。こうして得られたx
方向及びy方向の各領域のm+1の分割線のx座標及び
y座標を、文字画像上の代表点のx座標及びy座標とす
る。正規化後文字画像平面上の代表点(正規格子の交
点)に、これらの代表点を対応させ、2次元補間関数
(双スプライン)を用いて補間することにより文字画像
平面全域の座標変換関数を求める。この座標変換関数を
用い、正規化後文字画像平面上の各点の正規化前文字画
像平面上の対応点を求め、画素値の移動を行う。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般にOCRシステム等の開発においては認識アルゴリ
ズムに重点がおかれており、その単体の処理時間が長い
ため、前処理に位置付けられる正規化処理には時間のか
からない方法が要請される。同時に、正規化の良し悪し
により認識率がかなり左右されるので、正規化精度も高
くなければならない。
前記先行技術の非線形正規化法によれば、点単位の座
標変換ができるので、極めて自然に正規化が行え、正規
化精度の条件は満たすことができる。しかし、点単位の
座標変換関数を求める必要があり、しかも、1対応点を
求めるために32回の掛け算と30回の足し算が必要となる
ため、比較的長い処理時間が必要となるという問題があ
る。
よって本発明の目的は、より短い処理時間で高精度の
非線形正規化が可能な非線形正規化法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明は、文字画像をx,y方向に複数領域に区切り、
文字の歪みを特性量の文字画像上における不均一で定義
し、a)文字画像上の各点の特性量を求め、b)文字画
像上の各領域毎に特性量の分布を求め、c)この分布よ
り各領域の代表座標変換関数を決定し、d)この各領域
の代表座標変換関数に重み関数をかけてから組合せるこ
とにより文字画像全域の座標変換関数を求め、e)この
文字画像全域の座標変換関数を用いて正規化前後での対
応点を決定して画素値を移動することにより、前記先行
技術と同等レベルの品質の正規化後文字画像を、はるか
に短い処理時間で得ることができるものである。
〔実施例〕
第1図は本発明に係る処理システムのブロック図であ
る。100は正規化前文字画像を記憶するRAM、102は正規
化後文字画像を記憶するRAM、104は正規化処理を実行す
る処理部、106は処理部104の作業用記憶域を提供するRA
M、108は代表座標変換関数に対する重み関数を記憶する
ROM、110は文字画像全域に対する座標変換関数を記憶す
るRAMである。
実施例I 第2図は本実施例における処理フローチャートであ
る。以下、処理内容を説明する。
処理 まず、RAM100上の正規化前文字画像をx方向のn領
域、y方向のn領域に区切る。本実施例においては、x
方向には第3図(a)ないし(d)に示す4領域X1,X2,
X3,X4に区切り、またy方向には第3図(e)ないし
(h)に示す領域Y1,Y2,Y3,Y4に区切る。
処理 正規化前文字画像上の各点について特性量を抽出しRA
M106に格納する。抽出量は例えば、x方向については各
点をx方向に挟む線の間隔の逆数(線密度)、y方向に
ついては各点をy方向に挟む線の間隔の逆数である。
処理 第4図(a)に示すように、領域X1,X2,X3,X4のそれ
ぞれ毎に、x方向特性量をx方向に累積し、その結果を
RAM106に格納する。同様に第4図(b)に示すように、
領域Y1,Y2,Y3,Y4のそれぞれ毎に、y方向特性量をy方
向に累積し、その結果をRAM106に格納する。
処理 x方向の各領域の特性量の累積(分布)を、そのMAX
が正規化後文字画像高となるように正規化し(第4図
(a)参照)、この正規化後の累積(分布)を各領域の
代表座標変換関数としてRAM106に格納する。同様にy方
向の各領域の特性量の累積を、そのMAXが正規化後文字
画像幅となるように正規化し(第4図(b)参照)、こ
の正規化後の累積を各領域の代表座標変換関数としてRA
M106に格納する。
このようにして求められた領域X1,X4の代表座標変換
関数の例を第5図(a)に、領域X2の代表座標変換関数
の例を第5図(b)に、領域X3の代表座標変換関数の例
を第5図(c)に、領域Y1,Y4の代表座標変換関数の例
を第6図(a)に、領域Y2の代表座標変換関数の例を第
6図(b)に、また領域Y3の代表座標変換関数の例を第
6図(c)にそれぞれ示す。
処理 各領域の代表座標変換関数に重み関数をかけ変形す
る。第7図に示す重み関数の場合、領域X1,X2の代表座
標変換関数は重み関数をかけることにより第8図(a)
及び(b)に示すように変形される。第8図(a)から
明らかなように、両端の領域X1,X4,Y1,Y4に対しては、
重み関数の片側(第7図において、x0またはy0から右半
分または左半分)だけを用いる、そして、各領域の変形
後の代表座標変換関数を重ね合わせることにより、第9
図に示すような全域座標変換関数を求め、RAM110に格納
する。
なお、次の重み関数 x−1≦x≦x0の区画:f(x)=(x-x-1)/(x0-x-1) x0≦x≦x−1の区画:f(x)=(x1-x)/(x1-x0) y−1≦y≦y0の区画:f(y)=(y-y-1)/(y0-y-1) y0≦y≦y−1の区画:f(y)=(y1-y)/(y1-y0) を用いた場合、第10図(a)及び(b)に示すような全
領域座標変換関数となる。
また、次の重み関数 x−1≦x≦x0の区間: f(x)=(1−cos(π/2×(x−x0)/(x1−x0)))/2 x0≦x≦x−1の区間: f(x)=(1−cos(π/2×(x−x0)/(x1−x−1)))/
2 y−1≦y≦y0の区間: f(y)=(1−cos(π/2×(y−y0)/(y1−y0)))/2 y0≦y≦y−1の区間: f(y)=(1−cos(π/2×(y−y0)/(y1−y−1)))/
2 を用いた場合、第11図(a)及び(b)に示すような全
域座標変換関数となる。
処理 全域座標変換関数を用い、正規化後文字画像平面上の
各点(x′,y′)に対する正規化後文字画像上の対応点
(x,y)を求め、その画素値を点(x′,y′)に移動さ
せることにより、歪みが除去された正規化後文字画像が
RAM102に得られる。
実施例II 第12図は本実施例の処理の概略フローチャートであ
る。
処理 第2図の処理と同様に文字画像をx方向及びy方向
の4領域に区切り、第2図の処理と同様に特性量を求
め、第2図の処理と同様の各領域の特性量の累積をと
る。
処理 処理によって得られた累積関数を第13図(a)及び
(b)のように正規化後文字の側から用い、つまり累積
値=正規化座標とし、これに対応する正規化前座標を累
積関数より求める。このような見方を各領域の累積関数
に対して行い、正規化後文字平面上の同領域の代表変換
関数とする。
処理 各領域の代表座標変換関数に重み関数をかけて、他の
領域のものと重ね合わせることにより、前記実施例Iと
同様の全域座標変換関数を求める。
処理 対応点を求め、画素値を移動することにより正規化後
文字画像を得る。
なお、前記各実施例において、文字画像の領域分割数
をx,y方向とも4としたが、分割数はこれに限られるも
のではない。また、累積と重み関数より対応点を直接的
に随時求めることも可能であり、この場合は全域座標変
換関数を記憶する必要はないので第1図のRAM110は不要
である。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、前
記先行技術と同レベルの自然な正規化が可能であるうえ
に、前記先行技術に比べ処理時間を数分の1に短縮可能
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る処理システムのブロック図、第2
図ないし第11図は実施例Iに関する図であって、第2図
は処理のフローチャート、第3図は分割領域を示す図、
第4図は各領域の特性量の累積とその正規化の説明図、
第5図及び第6図は各領域の代表座標変換関数を示す
図、第7図は重み関数の例を示す図、第8図は第7図の
重み関数をかけることによる代表座標変換関数の変形の
説明図、第9図は全域座標変換関数を示す図、第10図及
び第11図はそれぞれ別の重み関数を用いた場合の全域座
標変換関数を示す図、第12図及び第13図は実施例IIに関
する図であって、第12図は処理のフローチャート、第13
図は正規化前文字画像上の各領域の特性量の累積関数か
ら正規化後文字平面上の同領域の代表座標変換関数を求
める処理の説明図である。 100……正規化前文字記憶RAM、 102……正規化後文字画像記憶RAM、 104……処理部、106……作業用RAM、 108……重み関数記憶ROM、 110……全域座標変換関数記憶RAM。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】文字画像をx,y方向に複数領域に区切り、
    文字の歪みを特性量の文字画像上における不均一で定義
    し、文字画像上の各点の特性量を求めて文字画像上の各
    領域毎に特性量の分布を求め、この分布より各領域の代
    表座標変換関数を決定し、この各領域の代表座標変換関
    数を重み関数をかけて組合せることにより文字画像全域
    の座標変換関数を求め、この座標変換関数を用いて正規
    化前後での対応点を決定して画素値を移動することによ
    り正規化後文字画像を得ることを特徴とする文字の非線
    形正規化法。
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