JP2977172B2 - 半導体の特性測定方法 - Google Patents

半導体の特性測定方法

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JP2977172B2 JP4098744A JP9874492A JP2977172B2 JP 2977172 B2 JP2977172 B2 JP 2977172B2 JP 4098744 A JP4098744 A JP 4098744A JP 9874492 A JP9874492 A JP 9874492A JP 2977172 B2 JP2977172 B2 JP 2977172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体の結晶評価に用
いられる少数キャリアの発生ライフタイムの測定方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】MOS構造にステップ状に逆方向の電圧
を印加すると、酸化膜と半導体との界面付近の空乏層領
域においてキャリアが発生する。このキャリアの発生に
よってMOSキャパシタの容量Cが変化し、C−t曲線
が得られる。このようにMOS構造のC−t特性を測定
することより、少数キャリアの発生ライフタイムτ
よびその表面再結合速度Sが求められていた。これら
の測定された発生ライフタイムτおよび表面再結合速
度Sは、半導体工業における製造工程の管理等に用い
られている。
【0003】この測定方法は、例えば、図3に示すよう
に、n型シリコンウェーハ12上に二酸化ケイ素膜13
を介してポリシリコン電極14を形成し、このMOSキ
ャパシタ11を暗箱15内に設置する。そして、このM
OSキャパシタ11を高周波容量計16に接続する。こ
の高周波容量計16は直流電源18から得られる直流バ
イアスに高周波信号を重畳して、テストシグナル(測定
周波数1MHz)を発生する。このテストシグナルがM
OSキャパシタ11のn型シリコンウェーハ12とポリ
シリコン電極14とに印加される。
【0004】このようにMOSキャパシタ11に印加さ
れるテストシグナルでは、図4に示すように、直流電源
18のバイアス電圧を−5Vから+5Vまで一旦変化さ
せる。かかる変化後、テストシグナルは、所定時間、+
5Vのバイアス電圧を維持し、空乏層の厚さをゼロにし
て、二酸化ケイ素膜13の容量COXを求める。次に、
直流電源18のバイアス電圧を再び−5Vに下げ、図7
に示すように、−5Vに下げられてからの経過時間tに
対するMOSキャパシタ11の容量Cの変化を測定す
る。この測定の結果、MOSキャパシタ11の容量Cの
最終値Cfin(図6中□印)は、経過時間t=150
0秒において19.3pFとなった。
【0005】次いで、図5のC−t曲線の解析は、図6
に示すように、Zerbst(ゼルプスト)プロットの
解析により行われる。上記容量COX、最終値Cfin
に基づいて、このC−t曲線の各測定値を、縦軸を{−
d(COX/C)/dt}、横軸を{(Cfin
C)−1}にしてプロットしてゼルプスト曲線ZPを得
るものである。そして、このゼルプスト曲線ZPにあっ
て略直線を形成する部分(例えば図8中△印と□印とを
通過する直線K)について、その傾きmを算出し、これ
に基づいて発生ライフタイムτを、この直線Kと縦軸
との切片Δより表面再結合速度Sをそれぞれ求めるも
のである。
【0006】しかしながら、このような従来のライフタ
イムの測定方法にあっては、MOS構造の半導体に生じ
る空乏層の深さ方向のライフタイムの分布については測
定することができなかった。すなわち、任意の深さでの
ライフタイムを測定することができなかった。その結
果、エピタキシャルウェーハのエピタキシャル層につい
ての深さ方向の品質評価、例えばエピタキシャル層界面
状態の評価、IGウェーハについてのDZの深さ方向の
性質の評価、また、シリコンウェーハのバルク内部につ
いての汚染状態等を知ることはできなかった。
【0007】したがって、このようなシリコンウェーハ
についての深さ方向の性質を評価するには、例えばレー
ザ光を照射してライフタイムの測定を行う反射マイクロ
波法等による場合、または、エッチングを繰り返すこと
によりその深さ方向のライフタイム測定を行うことが行
われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法にあっては、ウェーハ表面のデバイス形
成領域等浅い部分でのライフタイムの測定は困難であっ
た。また、装置が高価なものとなっていた。さらに、破
壊検査による測定のためシリコンウェーハ自体を再利用
することができないという課題があった。
【0009】そこで、本発明は、半導体ウェーハについ
て深さ方向のライフタイムの測定を、非破壊で、任意の
深さ位置について、低コストで行うことのできる測定方
法を提供することを、その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の半導体
の特性測定方法においては、半導体と導電体との間に酸
化絶縁膜を介在させてMOS構造を形成し、このMOS
構造の酸化絶縁膜の容量COXを測定する工程と、この
MOS構造に一定電圧を印加しながら、時間tに対する
上記MOS構造の容量値Cの変化を測定する工程と、こ
れらの測定値に基づいて下記の式を算出する工程と、こ
の式を空乏層幅Wで微分することにより、半導体の所望
深さでのライフタイムを得る工程と、を含む半導体の特
性測定方法である。この場合、容量値とライフタイムと
の関係は、−{qN(W)εε/2C}×d
(C/C)/dt=q∫ {n/τ(x)}
dxで表される(以下、式)。但し、qは素電荷、N
(W)はドーパント濃度、εは半導体の誘電率、ε
は真空の誘電率、Cは酸化膜の単位面積あたりのキ
ャパシタンス、Cは単位面積あたりのキャパシタンス、
は真性キャリア濃度、τ(x)はxにおける発生
ライフタイムである。ここで、空乏層幅Wは、単位面積
当たりのキャパシタンスCと、酸化膜の単位面積当たり
のキャパシタンスCとを用いて以下の式で表される。
すなわち、1/C=1/C+W/ε・εである。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、上記微分
により下記の式を得るとともに、この式に示すCを時間
tのべき関数に置換する請求項1に記載の半導体の特性
測定方法である。すなわち、τ(W)={n/N
(W)}×{2C/C}×{(dC/dt)/(d
/dt)・(C/C)}である(以下、式)。
例えば、C=At+Bt+Ct+D(但し、A、
B、C、Dは係数である)とする。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明の係る半導体の特性測定
方法にあっては、C−t曲線を測定し、式を算出す
る。そして、この式をWで微分することにより、半導
体の深さ方向でのライフタイムを得る。また、この場
合、微分により式を得るが、この式についてCを時
間に関するべき関数により置換すると、そのライフタイ
ムの測定をより簡単に行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る半導体の特性測定方法の
実施例について、図面を参照して説明する。図1は本発
明の一実施例に係るMOSキャパシタのC−t特性測定
装置を示すブロック図である。この装置は、MOSキャ
パシタ1の設置用の暗箱5と、MOSキャパシタ1の容
量測定用の高周波容量計6と、この高周波容量計6のテ
ストシグナル用直流電源8と、この直流電源8の電圧計
7と、暗箱5内に設置されMOSキャパシタ1の表面を
照射する蛍光灯9と、で構成される。
【0014】本発明のシリコンウェーハのライフタイム
の測定方法においては、まず、その表面を鏡面研磨した
n型シリコンウェーハ2を用意する。そして、このn型
シリコンウェーハ2を高温酸化雰囲気中で熱処理する。
この結果、n型シリコンウェーハ2の表面には二酸化ケ
イ素層3が22.5nmの厚さに形成される。そして、
この二酸化ケイ素層3上に1.96×10−3cm
面積のポリシリコン電極4を被着、形成する。このよう
にして、MOSキャパシタ1を製造する。
【0015】次に、このMOSキャパシタ1を、暗箱5
内に設置する。そして、このMOSキャパシタ1に、高
周波容量計6を接続する。この高周波容量計6は、テス
トシグナルとして1MHzの高周波信号を発生する。こ
の高周波信号には、直流電源8より得られる直流バイア
スが重畳される。テストシグナルは、MOSキャパシタ
1のn型シリコンウェーハ2の下面とポリシリコン電極
4の上面とに印加される。
【0016】次いで、MOSキャパシタ1に印加するテ
ストシグナルに、直流電源8より−5Vのバイアス電圧
を重畳する。すると、ポリシリコン電極4は負の電圧に
なる。このバイアス電圧の印加と同時に、暗箱5内の蛍
光灯9を点灯する。この蛍光灯9の光はMOSキャパシ
タ1の表面を照射する。その30秒後、蛍光灯9を消灯
する。なお、この蛍光灯9の照射中、直流電源8はMO
Sキャパシタ1に−5Vのバイアス電圧を印加し続けて
いる。
【0017】次に、直流電源8のバイアス電圧を−5V
から+5Vまで上げる。このバイアス電圧の変化に対す
るMOSキャパシタ1の容量Cを高周波容量計6で測定
する。このMOSキャパシタ1の容量の測定値Cおよび
電圧計7の測定値Vはコンピュータ(図示していない)
に入力される。これらの入力値は、MOSキャパシタ1
のC−V特性を示すC−V曲線に変換される。以上の測
定は300Kにて行う。さらに、このC−V曲線をデー
タ処理する。このデータ処理の結果、二酸化ケイ素層3
の容量値COXは29.5pFである。また、C−V曲
線のMOSキャパシタ1の最小値側の飽和容量値C
minは19.3pFである。
【0018】次いで、直流電源18のバイアス電圧を再
び−5Vに下げる。図2に示すように、−5Vに下げら
れてからの経過時間tに対するMOSキャパシタ1の容
量Cの変化を測定する。同時にこのC−t曲線の解析を
行う。
【0019】この場合、容量値Cとライフタイムτ
の関係は、−{qN(W)εε/2C}×d
(C/C)/dt=q∫ {n/τ(x)}
dxで表される(式)。但し、qは素電荷(1.60
219×10−19C)、N(W)はドーパント濃
度、εは半導体の誘電率、εは真空の誘電率、C
は酸化膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Cは単位
面積あたりのキャパシタンス、nは真性キャリア濃
度、τ(x)はxにおける発生ライフタイムである。
このときの空乏層幅Wの値は、MOSキャパシタの単位
面積当たりの容量値Cと、酸化膜の単位面積当たりの容
量値Cから次式により求められる。すなわち、1/C
=1/C+W/ε・εである。
【0020】そして、この式をWにより微分し、下記
の式を得る。すなわち、τ(W)={n/N
(W)}×{2C/C}×{(dC/dt)/
(d/dt)・(C/C)}である(式)。さ
らに、この式に示すCを時間tのべき関数に置換す
る。例えば、C=At+Bt+Ct+D(但し、
A、B、C、Dは係数である)とする。この結果、τ
(W)={ni/N(W)}×2X/C{6X
−2Y/C}(但しX=3At+2Bt+C,Y
=6At+2B)となり、任意の深さでのライフタイム
のτ(W)を得る。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上説明してきたように構成
されているので、半導体にあって任意の深さでのその少
数キャリア発生ライフタイムτを、非破壊状態でかつ
安価に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る半導体の特性測定装置
を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係るMOS構造のC−t特
性を示すグラフである。
【図3】従来例に係る半導体の特性測定装置を示すブロ
ック図である。
【図4】従来例に係るMOS構造へのバイアス印加電圧
の変化を時間に対して示すグラフである。
【図5】従来例に係るMOS構造のC−t特性を示すグ
ラフである。
【図6】従来例に係るMOS構造のゼルプストプロット
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 MOSキャパシタ 2 n型シリコンウェーハ 3 二酸化ケイ素層 4 ポリシリコン電極 6 高周波容量計 7 電圧計 8 直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新行内 隆之 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三 菱マテリアル株式会社 中央研究所内 審査官 川端 修 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体と導電体との間に酸化絶縁膜を介
    在させてMOS構造を形成し、このMOS構造の酸化絶
    縁膜の容量COXを測定する工程と、 このMOS構造に一定電圧を印加しながら、時間tに対
    する上記MOS構造の容量値Cの変化を測定する工程
    と、 これらの測定値に基づいて下記の式を算出する工程と、 この式を空乏層幅Wで微分することにより、半導体の所
    望深さでのライフタイムを得る工程と、を含むことを特
    徴とする半導体の特性測定方法。 −{qN(W)εε/2C}×d(C/C)/dt=q∫ { n/τ(x)}dx 但し、qは素電荷、 N(W)はドーパント濃度、 εは半導体の誘電率、 εは真空の誘電率、 Cは酸化膜の単位面積あたりのキャパシタンス、 Cは単位面積あたりのキャパシタンス、 nは真性キャリア濃度、 τ(x)はxにおける発生ライフタイム である。
  2. 【請求項2】 上記微分により下記の式を得るととも
    に、この式に示すCを時間tのべき関数に置換する請求
    項1に記載の半導体の特性測定方法。 τ(W)={n/N(W)}×{2C/C}×{(dC/dt)/ (d/dt)・(C/C)
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