JP2976779B2 - プレキャストコンクリート版及びその製造方法 - Google Patents
プレキャストコンクリート版及びその製造方法Info
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- JP2976779B2 JP2976779B2 JP5272836A JP27283693A JP2976779B2 JP 2976779 B2 JP2976779 B2 JP 2976779B2 JP 5272836 A JP5272836 A JP 5272836A JP 27283693 A JP27283693 A JP 27283693A JP 2976779 B2 JP2976779 B2 JP 2976779B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内部に塩分、ガス、
水の浸透を遮断するための樹脂・繊維複合層を設けたプ
レキャストコンクリート版及びその製造方法に関する。
水の浸透を遮断するための樹脂・繊維複合層を設けたプ
レキャストコンクリート版及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレキャストコンクリート版の施
工態様は、コンクリート建造物を構築する際に、該プレ
キャストコンクリート版自体を構造物の構造材とする場
合や、該プレキャストコンクリート版をコンクリートを
打設するための型枠として設置し内部にコンクリートを
打設するとともに、該プレキャストコンクリート版自体
をそのまま残置して外装部材とする場合などがある。
工態様は、コンクリート建造物を構築する際に、該プレ
キャストコンクリート版自体を構造物の構造材とする場
合や、該プレキャストコンクリート版をコンクリートを
打設するための型枠として設置し内部にコンクリートを
打設するとともに、該プレキャストコンクリート版自体
をそのまま残置して外装部材とする場合などがある。
【0003】そして、周知のように、コンクリートは大
気中の二酸化炭素、工場廃水、海水、または酸類等の影
響によって、表面から損食を受ける。すなわち、コンク
リート中のセメントは主として石灰石と、SiO2 、A
l2 O3 、Fe2 O3 等の石灰塩と、少量のアルカリ化
合物とからなるため、二酸化炭素等により中性化が起こ
りコンクリートそのものが変質する。一方、内部の鉄筋
等においては、かかるコンクリートの損食の進行により
間接的に、或いはコンクリート内部に存在する毛細管空
隙を浸透してきた水等により直接的に腐食される。
気中の二酸化炭素、工場廃水、海水、または酸類等の影
響によって、表面から損食を受ける。すなわち、コンク
リート中のセメントは主として石灰石と、SiO2 、A
l2 O3 、Fe2 O3 等の石灰塩と、少量のアルカリ化
合物とからなるため、二酸化炭素等により中性化が起こ
りコンクリートそのものが変質する。一方、内部の鉄筋
等においては、かかるコンクリートの損食の進行により
間接的に、或いはコンクリート内部に存在する毛細管空
隙を浸透してきた水等により直接的に腐食される。
【0004】この内部の鉄筋の腐食を防止するため、当
該プレキャストコンクリートを建物の構造材として用い
る場合には、構造材としてある程度の強度が必要とされ
るため鉄筋に代えて、例えば、錆びにくいステンレス筋
を使用する方法が採られている。また、当該プレキャス
トコンクリートを強度を要求されない外装部材として用
いる場合には、鉄筋もしくは上記ステンレス筋を使用せ
ずに、比較的安価なステンレスの短繊維、合成高分子の
短繊維、CF短繊維などを補強材としてコンクリートに
混ぜ込む方法が採られている。
該プレキャストコンクリートを建物の構造材として用い
る場合には、構造材としてある程度の強度が必要とされ
るため鉄筋に代えて、例えば、錆びにくいステンレス筋
を使用する方法が採られている。また、当該プレキャス
トコンクリートを強度を要求されない外装部材として用
いる場合には、鉄筋もしくは上記ステンレス筋を使用せ
ずに、比較的安価なステンレスの短繊維、合成高分子の
短繊維、CF短繊維などを補強材としてコンクリートに
混ぜ込む方法が採られている。
【0005】また、コンクリート中の毛細管空隙を樹脂
によって満たすことにより遮塩性、遮水性、ガス遮断性
を高め、内部の鉄筋の腐食を防ぐポリマー含浸プレキャ
ストコンクリート版がある。
によって満たすことにより遮塩性、遮水性、ガス遮断性
を高め、内部の鉄筋の腐食を防ぐポリマー含浸プレキャ
ストコンクリート版がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
テンレス筋を鉄筋に換えて用いる方法では、該ステンレ
ス筋は鉄筋に比べ高価であるため建築コストの増加を招
く。一方、短繊維を混ぜこむ方法では、打設後コンクリ
ートが硬化するのに時間を要すると言う欠点があった。
そして、これらの手段は、毛細管空隙を浸透する水等に
よる直接的な内部鉄筋の腐食を回避することはできて
も、コンクリート部分の変質自体は防ぐことができな
い。
テンレス筋を鉄筋に換えて用いる方法では、該ステンレ
ス筋は鉄筋に比べ高価であるため建築コストの増加を招
く。一方、短繊維を混ぜこむ方法では、打設後コンクリ
ートが硬化するのに時間を要すると言う欠点があった。
そして、これらの手段は、毛細管空隙を浸透する水等に
よる直接的な内部鉄筋の腐食を回避することはできて
も、コンクリート部分の変質自体は防ぐことができな
い。
【0007】また、ポリマー含浸プレキャストコンクリ
ート版では、コンクリート中へモノマー等の樹脂を含浸
させるための減圧含浸を行い、さらに該含浸後にはオー
トクレーブでモノマーを熱重合させなければならないた
め、当該ポリマー含浸プレキャストコンクリート版の製
作には多大な手間と特殊な設備を必要とする。しかも、
この手段はコンクリート内部の毛細管空隙をポリマーで
埋めて内部鉄筋の直接的な腐食等を防止するにすぎない
ため、やはりコンクリート部分の変質及びこれに起因す
る鉄筋の間接的な腐食等は防ぐことはできず十分な解決
策とはいえない。
ート版では、コンクリート中へモノマー等の樹脂を含浸
させるための減圧含浸を行い、さらに該含浸後にはオー
トクレーブでモノマーを熱重合させなければならないた
め、当該ポリマー含浸プレキャストコンクリート版の製
作には多大な手間と特殊な設備を必要とする。しかも、
この手段はコンクリート内部の毛細管空隙をポリマーで
埋めて内部鉄筋の直接的な腐食等を防止するにすぎない
ため、やはりコンクリート部分の変質及びこれに起因す
る鉄筋の間接的な腐食等は防ぐことはできず十分な解決
策とはいえない。
【0008】本発明は上記の問題に鑑みて成されたもの
であり、特殊な設備を要せずに容易に製作することがで
きるとともに、塩分、ガス、水の浸透そのものを完全に
遮断できるプレキャストコンクリート版及びその製造方
法を提供することを目的とする。
であり、特殊な設備を要せずに容易に製作することがで
きるとともに、塩分、ガス、水の浸透そのものを完全に
遮断できるプレキャストコンクリート版及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべくなされたもので、その第1の発明としての要旨
は、プレキャストコンクリート版であって、少なくとも
三層以上の多層構造を成し、外側両面の層をコンクリー
トで形成し、中間の層を樹脂、繊維複合層とし、大気、
海水若しくは地下水等のコンクリートに影響を及ぼす環
境側に面するコンクリート層の反対側のコンクリート層
内部に格子状鉄筋を配筋したものにある。
決すべくなされたもので、その第1の発明としての要旨
は、プレキャストコンクリート版であって、少なくとも
三層以上の多層構造を成し、外側両面の層をコンクリー
トで形成し、中間の層を樹脂、繊維複合層とし、大気、
海水若しくは地下水等のコンクリートに影響を及ぼす環
境側に面するコンクリート層の反対側のコンクリート層
内部に格子状鉄筋を配筋したものにある。
【0010】上記発明にかかるプレキャストコンクリー
ト版は、プレキャストコンクリート版を形成するための
型枠内に、コンクリートを打設し下層部を形成させ、次
いで該下層部表面に樹脂、繊維複合層を敷込んで中間層
を形成させ、さらに、コンクリートを打設して上層部を
形成させ、上記上層部あるいは下層部のいずれか一方の
コンクリート中には格子状鉄筋を配筋させて製作するこ
とが好ましい。
ト版は、プレキャストコンクリート版を形成するための
型枠内に、コンクリートを打設し下層部を形成させ、次
いで該下層部表面に樹脂、繊維複合層を敷込んで中間層
を形成させ、さらに、コンクリートを打設して上層部を
形成させ、上記上層部あるいは下層部のいずれか一方の
コンクリート中には格子状鉄筋を配筋させて製作するこ
とが好ましい。
【0011】また、第2の発明としての要旨は、プレキ
ャストコンクリート版であって、少なくとも三層以上の
多層構造を成し、外側両面の層をコンクリートで形成
し、中間の層を樹脂、硅砂複合層とし、大気、海水若し
くは地下水等のコンクリートに影響を及ぼす環境側に面
するコンクリート層の反対側のコンクリート層内部に格
子状鉄筋を配筋したものにある。
ャストコンクリート版であって、少なくとも三層以上の
多層構造を成し、外側両面の層をコンクリートで形成
し、中間の層を樹脂、硅砂複合層とし、大気、海水若し
くは地下水等のコンクリートに影響を及ぼす環境側に面
するコンクリート層の反対側のコンクリート層内部に格
子状鉄筋を配筋したものにある。
【0012】上記第2の発明にかかるプレキャストコン
クリート版は、プレキャストコンクリート版を形成する
ための型枠内に、コンクリートを打設し下層部を形成さ
せ、次いで該下層部表面に樹脂及び硅砂を配設して樹脂
・硅砂層を形成させ、さらに、コンクリートを打設して
上層部を形成させ、上記上層部あるいは下層部のいずれ
か一方のコンクリート中には格子状鉄筋を配筋させて製
作することが好ましい。
クリート版は、プレキャストコンクリート版を形成する
ための型枠内に、コンクリートを打設し下層部を形成さ
せ、次いで該下層部表面に樹脂及び硅砂を配設して樹脂
・硅砂層を形成させ、さらに、コンクリートを打設して
上層部を形成させ、上記上層部あるいは下層部のいずれ
か一方のコンクリート中には格子状鉄筋を配筋させて製
作することが好ましい。
【0013】
【作用】第1及び第2の発明のプレキャストコンクリー
ト版によれば、少なくとも三層以上の多層構造とし、該
多層構造の中間の層を遮塩性、ガス遮断性、遮水性に優
れた樹脂・繊維複合層あるいは樹脂・硅砂複合層とする
ことにより、コンクリートの浸食の進行及び、コンクリ
ート内部の毛細管空隙を浸透する水等を、当該樹脂、繊
維複合層で遮断することができ、もってコンクリート内
部を浸透する塩分等を有効に遮断して内部に配筋された
鉄筋等を保護し得、プレキャストコンクリート版の強度
を長期に亘って高く維持することができる。
ト版によれば、少なくとも三層以上の多層構造とし、該
多層構造の中間の層を遮塩性、ガス遮断性、遮水性に優
れた樹脂・繊維複合層あるいは樹脂・硅砂複合層とする
ことにより、コンクリートの浸食の進行及び、コンクリ
ート内部の毛細管空隙を浸透する水等を、当該樹脂、繊
維複合層で遮断することができ、もってコンクリート内
部を浸透する塩分等を有効に遮断して内部に配筋された
鉄筋等を保護し得、プレキャストコンクリート版の強度
を長期に亘って高く維持することができる。
【0014】また、上記第1及び第2の発明のプレキャ
ストコンクリート版は、通常行われているプレキャスト
コンクリート版の製作工程において、型枠内にコンクリ
ートを打設し下層部を形成させた後、該下層部表面に繊
維を敷込んで中間層を形成させ、さらにコンクリートを
打設して上層部を形成するという、簡単な工程を付加し
て下層部あるいは上層部のいずれか一方のコンクリート
内にのみに格子状鉄筋を配筋して埋設するだけで製作す
ることができるため、特殊な設備を要せず、既存の設備
を用いて容易に製作することができる。
ストコンクリート版は、通常行われているプレキャスト
コンクリート版の製作工程において、型枠内にコンクリ
ートを打設し下層部を形成させた後、該下層部表面に繊
維を敷込んで中間層を形成させ、さらにコンクリートを
打設して上層部を形成するという、簡単な工程を付加し
て下層部あるいは上層部のいずれか一方のコンクリート
内にのみに格子状鉄筋を配筋して埋設するだけで製作す
ることができるため、特殊な設備を要せず、既存の設備
を用いて容易に製作することができる。
【0015】また、第2の発明のプレキャストコンクリ
ート版によれば、上記第1の発明と同様に多層構造を成
すとともに、中間層を樹脂、硅砂複合層とすることによ
り、コンクリートの浸食の進行等を遮断できる。併せ
て、中間層に設けられる硅砂により該樹脂、硅砂複合層
と、表層のコンクリート層との付着性を高めることがで
きる。
ート版によれば、上記第1の発明と同様に多層構造を成
すとともに、中間層を樹脂、硅砂複合層とすることによ
り、コンクリートの浸食の進行等を遮断できる。併せ
て、中間層に設けられる硅砂により該樹脂、硅砂複合層
と、表層のコンクリート層との付着性を高めることがで
きる。
【0016】上記第2の発明のプレキャストコンクリー
ト版も、上記第1の発明と同様に、既存の設備を用いて
簡単な工程により、容易に製作することができる。
ト版も、上記第1の発明と同様に、既存の設備を用いて
簡単な工程により、容易に製作することができる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳
細に説明する。図1はプレキャストコンクリート版1の
斜視図である。
細に説明する。図1はプレキャストコンクリート版1の
斜視図である。
【0018】プレキャストコンクリート版1は、表裏の
表層を形成するモルタル層2、2と両面が該モルタル層
2に挟まれるようにしてプレキャストコンクリート版1
の中間に位置する樹脂・繊維複合層3と、前記モルタル
層2内の縦横に配筋される格子状鉄筋4とから概略構成
されており、コンクリート壁など建物の構造材として、
或いは建物の外層部材、地下遮水板またはRC構造物の
躯体保護用捨て型枠として用いられるものである。
表層を形成するモルタル層2、2と両面が該モルタル層
2に挟まれるようにしてプレキャストコンクリート版1
の中間に位置する樹脂・繊維複合層3と、前記モルタル
層2内の縦横に配筋される格子状鉄筋4とから概略構成
されており、コンクリート壁など建物の構造材として、
或いは建物の外層部材、地下遮水板またはRC構造物の
躯体保護用捨て型枠として用いられるものである。
【0019】樹脂・繊維複合層3は、壁面に平行な平面
内に敷設されたポリプロピレン、ポリエステル、アクリ
ル等の有機合成繊維、若しくはステンレス、炭素繊維等
によって形成された不繊布又は繊布からなる繊維層31
と、モルタル層2と繊維層31の隙間を満たすようにし
てなる樹脂層32とから構成される。この樹脂層32
は、エポキシ樹脂を用いることができるが、タルク等の
フィラー材若しくは硅砂をまぜたものとしてもよい。
内に敷設されたポリプロピレン、ポリエステル、アクリ
ル等の有機合成繊維、若しくはステンレス、炭素繊維等
によって形成された不繊布又は繊布からなる繊維層31
と、モルタル層2と繊維層31の隙間を満たすようにし
てなる樹脂層32とから構成される。この樹脂層32
は、エポキシ樹脂を用いることができるが、タルク等の
フィラー材若しくは硅砂をまぜたものとしてもよい。
【0020】そして、格子状鉄筋4は、プレキャストコ
ンクリート版1を構造材として用いるとき等、プレキャ
ストコンクリート版1が比較的強度を必要とする場合に
配筋されるものである。この場合において、格子状鉄筋
4は、環境側すなわち、大気、海水若しくは地下水等の
コンクリートに影響を及ぼすものに面するモルタル層2
1の反対側のモルタル層22内部に配筋される。
ンクリート版1を構造材として用いるとき等、プレキャ
ストコンクリート版1が比較的強度を必要とする場合に
配筋されるものである。この場合において、格子状鉄筋
4は、環境側すなわち、大気、海水若しくは地下水等の
コンクリートに影響を及ぼすものに面するモルタル層2
1の反対側のモルタル層22内部に配筋される。
【0021】
【0022】以上の構成を有するプレキャストコンクリ
ート版1を製作するには、図2(A)に示すように、ま
ず型枠5内の深さ3分の1程度までモルタルを打設して
環境側に面する側のモルタル層21を形成する。この打
設したモルタルの深さが環境側モルタル層21の壁厚と
なる。次いで、エポキシ樹脂を吹き付けなどで打設され
たモルタル層21の表面に塗布して環境側の樹脂層32
を形成する。さらに、樹脂が硬化する前に有機合成繊維
若しくはステンレス、炭素繊維などで形成された不繊布
又は繊布を敷き込み繊維層31を形成する。そして、敷
き込まれた不繊布或いは繊布の表面にエポキシ樹脂を吹
き付けて塗布することにより、不織布等をエポキシ樹脂
により挟み込んで一体化した樹脂・繊維複合層3を形成
する。
ート版1を製作するには、図2(A)に示すように、ま
ず型枠5内の深さ3分の1程度までモルタルを打設して
環境側に面する側のモルタル層21を形成する。この打
設したモルタルの深さが環境側モルタル層21の壁厚と
なる。次いで、エポキシ樹脂を吹き付けなどで打設され
たモルタル層21の表面に塗布して環境側の樹脂層32
を形成する。さらに、樹脂が硬化する前に有機合成繊維
若しくはステンレス、炭素繊維などで形成された不繊布
又は繊布を敷き込み繊維層31を形成する。そして、敷
き込まれた不繊布或いは繊布の表面にエポキシ樹脂を吹
き付けて塗布することにより、不織布等をエポキシ樹脂
により挟み込んで一体化した樹脂・繊維複合層3を形成
する。
【0023】その後、樹脂・繊維複合層3が硬化しない
うちに、格子状鉄筋4を配筋しつつモルタルを打設して
上層部のモルタル層22を形成した後、蒸気養生などを
実施し、ある程度モルタルが強度を発現した後脱型す
る。この脱型の時期は通常通り翌日には行うことができ
る。
うちに、格子状鉄筋4を配筋しつつモルタルを打設して
上層部のモルタル層22を形成した後、蒸気養生などを
実施し、ある程度モルタルが強度を発現した後脱型す
る。この脱型の時期は通常通り翌日には行うことができ
る。
【0024】なお、本実施例にかかるプレキャストコン
クリート版1の上記製作工程の変更例として、樹脂・繊
維複合層3を予め形成しておくこともできる。すなわ
ち、図2(B)に示すように、上記樹脂・繊維複合層3
を予めFRP板33として製作しておき、下層のモルタ
ル層21を打設した後、かかるFRP板33を下層モル
タル層21の上面に敷設し、次いで、上層部のモルタル
層22部分のモルタルを打設するのである。この場合に
おいて、好ましくは、FRP板の表面にアンカーとして
砂、石などの骨材34を散布接着しておいてもよい。ま
た、上層部のモルタル層を環境側とするようにして、格
子状鉄筋は下層部のモルタル層内に配筋して埋設するよ
うにしても良い。
クリート版1の上記製作工程の変更例として、樹脂・繊
維複合層3を予め形成しておくこともできる。すなわ
ち、図2(B)に示すように、上記樹脂・繊維複合層3
を予めFRP板33として製作しておき、下層のモルタ
ル層21を打設した後、かかるFRP板33を下層モル
タル層21の上面に敷設し、次いで、上層部のモルタル
層22部分のモルタルを打設するのである。この場合に
おいて、好ましくは、FRP板の表面にアンカーとして
砂、石などの骨材34を散布接着しておいてもよい。ま
た、上層部のモルタル層を環境側とするようにして、格
子状鉄筋は下層部のモルタル層内に配筋して埋設するよ
うにしても良い。
【0025】次いで、第2の実施例にかかるプレキャス
トコンクリート版(図示せず)ついて説明する。本実施
例の要旨とするところは、前述した第1の実施例と同様
にコンクリート構造物の構造材若しくは外装部材として
用いられるプレキャストコンクリート版であって、前記
実施例において中間層として配設される樹脂・繊維複合
層3に代えて、樹脂と硅砂とからなる樹脂、硅砂複合層
としてのレジン層35を配設したものにある。
トコンクリート版(図示せず)ついて説明する。本実施
例の要旨とするところは、前述した第1の実施例と同様
にコンクリート構造物の構造材若しくは外装部材として
用いられるプレキャストコンクリート版であって、前記
実施例において中間層として配設される樹脂・繊維複合
層3に代えて、樹脂と硅砂とからなる樹脂、硅砂複合層
としてのレジン層35を配設したものにある。
【0026】本実施例にかかる内部にレジン層35を有
するプレキャストコンクリート版の制作方法は、図3に
示すように、前記実施例と同様にして、環境側に面する
側のモルタル層21を形成し、吹き付けなどでエポキシ
樹脂を該モルタル層21の表面に塗布して環境側の樹脂
層32を形成する。その後、樹脂が硬化する前に硅砂を
樹脂表面に樹脂が浮かなくなる程度敷き詰めて硅砂層を
形成する。敷き込まれた硅砂の表面にエポキシ樹脂を吹
き付けて塗布して樹脂・硅砂複合層としてのレジン層3
5を形成する。
するプレキャストコンクリート版の制作方法は、図3に
示すように、前記実施例と同様にして、環境側に面する
側のモルタル層21を形成し、吹き付けなどでエポキシ
樹脂を該モルタル層21の表面に塗布して環境側の樹脂
層32を形成する。その後、樹脂が硬化する前に硅砂を
樹脂表面に樹脂が浮かなくなる程度敷き詰めて硅砂層を
形成する。敷き込まれた硅砂の表面にエポキシ樹脂を吹
き付けて塗布して樹脂・硅砂複合層としてのレジン層3
5を形成する。
【0027】このようにして製作された、第2の実施例
にかかるプレキャストコンクリート版は、中間に樹脂、
硅砂複合層を有するため、コンクリート内部を浸透する
塩分等を有効に遮断して、内部に配筋された鉄筋等を保
護することができるとともに、該複合層に含まれる硅砂
により樹脂とモルタルとの付着強度が高められ、該プレ
キャストコンクリート版の強度の向上を図ることができ
る。
にかかるプレキャストコンクリート版は、中間に樹脂、
硅砂複合層を有するため、コンクリート内部を浸透する
塩分等を有効に遮断して、内部に配筋された鉄筋等を保
護することができるとともに、該複合層に含まれる硅砂
により樹脂とモルタルとの付着強度が高められ、該プレ
キャストコンクリート版の強度の向上を図ることができ
る。
【0028】
【発明の効果】この発明にかかるプレキャストコンクリ
ート版によれば、塩分、ガス、水の浸透そのものを完全
に遮断し、コンクリート部分をも完全に遮断するため、
内部の鉄筋の腐食を防ぎ、コンクリート部分の変質の進
行も表面部分に止めることができ、プレキャストコンク
リート版の強度を長期に亘って高く維持することができ
る。また、中間の樹脂・繊維複合層或いは樹脂・硅砂複
合層と一体化したプレキャストコンクリート版となるた
め、曲げ強度の向上が図れる。
ート版によれば、塩分、ガス、水の浸透そのものを完全
に遮断し、コンクリート部分をも完全に遮断するため、
内部の鉄筋の腐食を防ぎ、コンクリート部分の変質の進
行も表面部分に止めることができ、プレキャストコンク
リート版の強度を長期に亘って高く維持することができ
る。また、中間の樹脂・繊維複合層或いは樹脂・硅砂複
合層と一体化したプレキャストコンクリート版となるた
め、曲げ強度の向上が図れる。
【0029】さらには、プレキャストコンクリート工場
での製造時に既存設備が利用でき、現場製造時には型枠
と締固め用具があれば良く特別な設備を要せず経済的に
実施できる。
での製造時に既存設備が利用でき、現場製造時には型枠
と締固め用具があれば良く特別な設備を要せず経済的に
実施できる。
【図1】第1の実施例にかかるプレキャストキャストコ
ンクリート版の斜視図である。
ンクリート版の斜視図である。
【図2】(A)は第1の実施例にかかるプレキャストキ
ャストコンクリート版の製造方法の説明図であり、
(B)は、その変更例に用いられるFRP板の斜視図で
ある。
ャストコンクリート版の製造方法の説明図であり、
(B)は、その変更例に用いられるFRP板の斜視図で
ある。
【図3】第2の実施例にかかるプレキャストコンクリー
ト版の制作方法の説明図である。
ト版の制作方法の説明図である。
1 プレキャストコンクリート版 2 モルタル層 3 樹脂・繊維複合層 5 型枠 35 樹脂、硅砂複合層(レジン層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−119244(JP,A) 特開 昭64−75752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04C 2/26 B32B 1/00 - 35/00
Claims (4)
- 【請求項1】 プレキャストコンクリート版であって、
少なくとも三層以上の多層構造を成し、外側両面の層を
コンクリートで形成し、中間の層を樹脂、繊維複合層と
し、大気、海水若しくは地下水等のコンクリートに影響
を及ぼす環境側に面するコンクリート層の反対側のコン
クリート層内部に格子状鉄筋を配筋したことを特徴とす
るプレキャストコンクリート版。 - 【請求項2】 プレキャストコンクリート版を形成する
ための型枠内に、コンクリートを打設し下層部を形成さ
せ、次いで該下層部表面に樹脂、繊維複合層を敷込んで
中間層を形成させ、さらに、コンクリートを打設して上
層部を形成させ、上記上層部あるいは下層部のいずれか
一方のコンクリート中には格子状鉄筋を配筋させること
を特徴とする請求項1記載のプレキャストコンクリート
版の製造方法。 - 【請求項3】 プレキャストコンクリート版であって、
少なくとも三層以上の多層構造を成し、外側両面の層を
コンクリートで形成し、中間の層を樹脂、硅砂複合層と
し、大気、海水若しくは地下水等のコンクリートに影響
を及ぼす環境側に面するコンクリート層の反対側のコン
クリート層内部に格子状鉄筋を配筋したことを特徴とす
るプレキャストコンクリート版。 - 【請求項4】 プレキャストコンクリート版を形成する
ための型枠内に、コンクリートを打設し下層部を形成さ
せ、次いで該下層部表面に樹脂及び硅砂を配設して樹
脂、硅砂複合層を形成させ、さらに、コンクリートを打
設して上層部を形成させ、上記上層部あるいは下層部の
いずれか一方のコンクリート中には格子状鉄筋を配筋さ
せることを特徴とする請求項3記載のプレキャストコン
クリート版の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5272836A JP2976779B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | プレキャストコンクリート版及びその製造方法 |
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