JP2976564B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2976564B2
JP2976564B2 JP3081828A JP8182891A JP2976564B2 JP 2976564 B2 JP2976564 B2 JP 2976564B2 JP 3081828 A JP3081828 A JP 3081828A JP 8182891 A JP8182891 A JP 8182891A JP 2976564 B2 JP2976564 B2 JP 2976564B2
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彰夫 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機やプリンター
等の画像形成装置において、像担持体に形成された静電
荷像を現像するのに使用される静電荷像現像用トナーに
係り、特に、トナーを構成する結着樹脂として、低分子
量側と高分子量側の二種類のスチレン系共重合体を含有
させた静電荷像現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置においては、像担持体に形成された静電荷像を
現像するために、様々な静電荷像現像用トナーが使用さ
れていた。
【0003】ここで、従来の静電荷像現像用トナーにお
いては、一般にトナーを構成する結着樹脂として、一つ
のピークを持つ分子量分布曲線からなる樹脂や、低分子
領域で複数のピークを有している樹脂、或いは異なる分
子量分布を有する全く異なる化合物の混合物からなる樹
脂を使用するようにしていた。
【0004】しかし、上記のような結着樹脂を使用した
静電荷像現像用トナーにおいては、一般に物理的及び化
学的特性のいずれかに欠陥を有しており、満足のいく画
像形成を安定して行なうことができなかった。
【0005】そこで、従来においても、上記のような静
電荷像現像用トナーについて様々な研究がなされ、トナ
ーにおける現像特性や定着性を改善するため、特公昭6
3−32180号公報に示されるように、トナーを構成
する結着樹脂として、低分子量側のスチレン系共重合体
と高分子量側のスチレン系共重合体とを含有させたもの
を用いるようにしたものが開示された。
【0006】ここで、このように結着樹脂として、低分
子量側と高分子量側のスチレン系共重合体を含有させた
トナーにおいては、同公報に示されるように、分子量の
大きい高分子量側のスチレン系共重合体によって耐オフ
セット性及び耐巻き付き性が向上する一方、分子量の小
さい低分子量側のスチレン系共重合体によって定着性が
向上するようになった。
【0007】しかし、同公報に示されるものにおいて
は、低分子量側のスチレン系共重合体を、高分子量側の
スチレン系共重合体より多く含有させるようにしている
ため、製造されたトナーにおける帯電の立上りが悪く、
画像形成当初やトナー補給時等において、トナーの帯電
が充分に行なわれず、形成される画像にカブリが生じた
り、トナーが装置内において飛散したりするという問題
があった。また、このような結着樹脂を用いてトナーを
粉砕により製造する場合、粉砕時における微粉の発生が
多く、トナーの収率が悪くなるという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、複写機や
プリンター等の画像形成装置において、像担持体に形成
された静電荷像を現像するのに使用する静電荷像現像用
トナーにおける上記のような問題を解決することを課題
とするものであり、特に、結着樹脂として、低分子量側
のスチレン系共重合体と高分子量側のスチレン系共重合
体とを含有させたものを使用した静電荷像現像用トナー
における上記の問題を解決することを課題とするもので
ある。
【0009】すなわち、この発明に係る静電荷像現像用
トナーにおいては、その結着樹脂として、低分子量側の
スチレン系共重合体と高分子量側のスチレン系共重合体
とを含有させたものを使用する場合において、定着性や
耐巻き付き性等の特性が優れると共に、トナーの帯電の
立上りがスムーズに行なわれ、トナーの帯電性が向上
し、画像形成当初やトナー補給時等においてもカブリの
少ない良好な画像が安定して得られるようにすると共
に、粉砕してトナーを製造する際においても微粉の発生
が少なく、トナーの収率が向上されるようにすることを
課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る静電荷像
現像用トナーにおいては、上記のような課題を解決する
ため、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する正荷電
性の静電荷像現像用トナーにおいて、上記の結着樹脂と
して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる
クロマトグラムにおける分子量分布のピーク位置の分子
量が1×103〜2×104 の範囲にある低分子量側の
スチレン系共重合体Aと、上記のピーク位置の分子量が
1×105 〜2×106 の範囲にある高分子量側のスチ
レン系共重合体Bとを含有し、この結着樹脂100重量
部中において、低分子量側のスチレン系共重合体Aが1
0重量部以上で50重量部未満、高分子量側のスチレン
系共重合体Bが50重量部以上で90重量部未満の割合
で含まれると共に、上記低分子量側のスチレン系共重合
体Aにおけるスチレン系モノマーの共重合比WA が70
〜98重量%、高分子量側のスチレン系共重合体Bにお
けるスチレン系モノマーの共重合比WB が50〜90重
量%であり且つこれらのスチレン系モノマーの共重合比
A ,WB がWA ≧WB の関係を満たすと共に、前記ス
チレン系共重合体A及びスチレン系共重合体Bの酸価が
それぞれ3〜30KOHmg/gであるものを用いるよ
うにしたのである。
【0011】ここで、上記のように静電荷像現像用トナ
ーを構成する結着樹脂に、GPCによるクロマトグラム
における分子量分布のピーク位置の分子量(以下、ピー
ク位置の分子量という。)が1×103 〜2×104
範囲にある低分子量側のスチレン系共重合体Aと、上記
のピーク位置の分子量が1×105 〜2×106 の範囲
にある高分子量側のスチレン系共重合体Bとを用いる
と、高分子量側のスチレン系共重合体Bがトナーにおけ
る耐オフセット性,耐巻き付き性,トナーの帯電立上り
性及びトナーの強度に対して良好な特性を与える一方、
低分子量側のスチレン系共重合体Aが定着性に対して良
好な特性を与えるようになる。
【0012】そして、上記のように高分子量側のスチレ
ン系共重合体Bを低分子量側のスチレン系共重合体Aよ
り多く含有させると、特公昭63−32180号公報に
示されるトナーに比べて、トナーの帯電立上りがスムー
ズになると共に、粉砕してトナーを製造する際における
微粉の発生も少なくなる。
【0013】また、この発明に係る静電荷像現像用トナ
ーにおいては、低分子量側のスチレン系共重合体Aとし
て、上記のピーク位置の分子量が1×103 〜2×10
4 の範囲のかなり低い分子量のものを用いるようにした
ため、上記のように高分子量側のスチレン系共重合体B
の量を多くした場合であってもトナーの定着性が低下す
るということがない。
【0014】ここで、上記低分子量側及び高分子量側に
おける各スチレン系共重合体A,Bにおいて使用するス
チレン系モノマーとしては、例えば、スチレン,α−メ
チルスチレン,P−クロルスチレン等のスチレン及びそ
の置換体を用いることができる。また、これらのスチレ
ン系モノマーに共重合させる共重合成分としては、アク
リル酸アルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステ
ル,アクリロニトリル,マレイン酸,マレイン酸エステ
ル,メタクリル酸メチル,アクリル酸メチル,塩化ビニ
ル,酢酸ビニル,安息香酸ビニル,ビニルメチルケト
ン,ビニルヘキシルケトン,ビニルメチルエーテル,ビ
ニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテル等のビ
ニル単量体等を使用することができ、好ましくは、アル
キル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数は1〜1
7),メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭
素数は2〜17)を用いるようにする。
【0015】また、この発明において、上記のように低
分子量側及び高分子量側の各スチレン系共重合体A,B
におけるスチレン系モノマーの共重合比WA ,WB を、
低分子量側におけるスチレン系共重合体Aでは70〜9
8重量%に、高分子量側のスチレン系共重合体Bでは5
0〜90重量%になったものを用いるようにしたのは、
スチレン系モノマーの共重合比WA ,WB が上記の値よ
り高くなると、得られるトナーが脆くなり、粉砕してト
ナーを製造する際に微粉が多く発生し、トナーの収率が
悪くなると共に、定着温度も高くなって定着性が劣化す
るためである。一方、スチレン系モノマーの共重合比W
A ,WB が上記の値より低くなると、トナーを構成する
結着樹脂が硬くなり、粉砕によるトナーの製造が困難に
なると共に、トナーの現像特性,耐オフセット性等が低
下するためである。
【0016】また、上記の各スチレン系共重合体A,B
として、それぞれその酸価が3〜30KOHmg/gの
ものを用いるようにしたのは、各スチレン系共重合体
A,Bにおける酸価が3より小さくなると、正荷電性ト
ナーにおいては、トナーの帯電量が高くなり過ぎて、現
像を行なった際にトナーと一緒にキャリアが像担持体に
付着し、形成される画像にキャリアカブリが生じたりす
る一方、酸価が30より大きくなると、帯電性が悪くな
ってトナーの帯電量が低下すると共に、トナーの環境安
定性も悪くなり、トナーが飛散して装置内が汚れたり、
形成される画像の画質が低下するためである。
【0017】なお、結着樹脂に使用する上記のような各
スチレン系共重合体A,Bは公知の方法によって製造す
ることができ、例えば、懸濁重合法,乳化重合法,溶液
重合法,塊状重合法等によって製造することができる。
【0018】また、これらのスチレン系共重合体A,B
において、その分子量を調整するにあたっては、公知の
分子量調整剤、例えば、ラウリルメルカプタン,フェニ
ルメルカプタン,ブチルメルカプタン,ドデシルメルカ
プタン等のメルカプタン類、四塩化炭素,四臭化炭素等
のハロゲン化炭素類等を使用することができる。
【0019】さらに、この発明の静電荷像現像用トナー
においては、前記の低分子量側及び高分子量側のスチレ
ン系共重合体A,Bに加えて、他の公知の樹脂を混合し
てもよく、例えば、ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,
シリコーン樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリアミド樹脂,
ポリウレタン樹脂,アクリル樹脂等を混合させることが
できるが、その量は、結着樹脂全体の30重量%を越え
ないようにすることが必要である。
【0020】また、この発明に係る静電荷像現像用トナ
ーにおいては、着色材料として公知のものをすべて使用
することができ、例えば、カーボンブラック,鉄黒,ニ
グロシン,ベンジジンイエロー,キナクリドン,ローダ
ミンB,フタロシアニンブルー等を用いることができ
る。
【0021】さらに、この静電荷像現像用トナーにおい
ては、種々の目的のために添加剤を加えることができ
る。このような添加剤としては、金属錯体,ニグロシン
等の荷電制御剤、ポリテトラフルオロエチレン,ポリエ
チレン,ポリプロピレン,脂肪酸もしくはその金属塩,
ビスアマイドのような潤滑性のある化合物、ジシクロヘ
キシルフタレートのような可塑剤等を用いることができ
る。
【0022】特に、この静電荷像現像用トナーにおいて
は、定着特性や現像特性をさらに高めるため、160℃
における溶融粘度が10〜1×105 CPS、好ましく
は70〜4000CPSのエチレン系オレフィン重合
体、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−
プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,
エチレン−エチルアクリレート共重合体,ポリエチレン
骨格を有するアイオノマー等を添加することが好まし
い。但し、その添加量が少なすぎると効果がない一方、
多すぎるとトナーの凝集性が増してトナーの流動性が低
下するため、通常は上記トナーに対して、0.1〜5重
量%、好ましくは0.2〜3重量%含有させるようにす
る。
【0023】さらに、この静電荷像現像用トナーは、必
要に応じて、鉄粉,ガラスビーズ,ニッケル粉,フェラ
イト粉等のキャリアー粒子と混合させて使用することが
でき、またその流動性を改善するため、疎水性コロイド
状シリカ微粉末や酸化セリウム等の研磨剤微粒子を混合
させて用いるようにしてもよい。
【0024】
【作用】この発明に係る静電荷像現像用トナーにおいて
は、その結着樹脂として上記のような低分子量側と高分
子量側の二種類のスチレン系共重合体A,Bを含有させ
るようにしたため、耐オフセット性や耐巻き付き性に対
して良好な特性を示すと共に、良好な定着性能を持つト
ナーが得られるようになる。
【0025】また、上記結着樹脂中において、高分子量
側におけるスチレン系共重合体Bを低分子量側における
スチレン系共重合体Aより多く含有させると共に、低分
子量側におけるスチレン系共重合体Aの上記ピーク位置
の分子量が1×103 〜2×104 の低い範囲に位置す
るものを用いるようにしたため、トナーの定着性を損な
うことなく、トナーを構成する結着樹脂の強度が増し、
粉砕してトナーを製造する際における微粉の発生が少な
くなり、トナーの収率が向上すると共に、得られたトナ
ーの帯電立上りもスムーズに行なわれ、画像形成当初や
トナーを補給した場合等におけるトナーの帯電性が向上
し、カブリの少ない画像が安定して得られるようにな
る。
【0026】また、この発明に係る静電荷像現像用トナ
ーにおいては、上記のように低分子量側及び高分子量側
の各スチレン系共重合体A,Bにおけるスチレン系モノ
マーの共重合比W A ,W B を、低分子量側におけるスチ
レン系共重合体Aでは70〜98重量%に、高分子量側
のスチレン系共重合体Bでは50〜90重量%になった
ものを用いるようにしたため、得られるトナーが脆くな
るということがなく、トナーを粉砕して製造する際に微
粉が多く発生してトナーの収率が低下するのが防止され
ると共に、定着温度が高くなって定着性が劣化するのも
抑制され、またトナーを構成する結着樹脂が硬くなって
粉砕によるトナーの製造が困難になるということもな
く、トナーの現像特性,耐オフセット性等が低下という
こともなくなる。
【0027】さらに、上記のように各スチレン系共重合
体A,Bとして、それぞれその酸価が3〜30KOHm
g/gのものを用いるようにしたため、正荷電性トナー
が適切に帯電されるようになり、現像を行なった際にト
ナーと一緒にキャリアが像担持体に付着して、形成され
る画像にキャリアカブリが生じるのが抑制されると共
に、トナーが飛散して装置内が汚れたり、形成される画
像の画質が低下するということもなくなる。
【0028】
【実施例】以下、この発明に係る静電荷像現像用トナー
の実施例について具体的に説明すると共に、比較例を挙
げ、この発明の実施例に係る静電荷像現像用トナーが優
れていることを明らかにする。
【0029】(実施例1) この実施例においては、結着樹脂として、上記のGPC
クロマトグラムにおいて測定された分子量分布のピーク
の位置における分子量5000のスチレン−アクリル酸
ブチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体
(モノマー重量比が7:1.4:1.4:0.2)35
重量部と、上記のピーク位置の分子量が200000に
なったスチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチ
ル−メタクリル酸共重合体(モノマー重量比が6:1.
9:1.9:0.2)65重量部とを使用するようにし
た。なお、上記のいずれのスチレン−アクリル酸ブチル
−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体も、その
酸価は6.5であった。
【0030】そして、これらの結着樹脂に正荷電性の荷
電制御剤であるニグロシン系染料(商品名,ニグロシン
ベースEX,オリエント化学工業製)5重量部と、カー
ボンブラック(商品名,MA#8,三菱化成社製)8重
量部と、160℃における粘度が約200CPSの低分
子量ポリプロピレン(商品名,ビスコール550P,三
洋化成社製)2.5重量部とを加え、ヘンシェルミキサ
ーにて粉砕混合した後、これらを二軸連続押出混練機に
て溶融混練した。
【0031】そして、これらを冷却した後、フェザーミ
ルを用いて粗粉砕し、次いで超音波ジェット粉砕機にて
微粉砕し、得られた粉体を風力分級機で分級して、平均
粒径が14μmになったトナー粒子を集め、このトナー
粒子100重量部に対して疎水性コロイド状シリカ粉末
0.1重量部を加え、これらを混合してトナーを製造し
た。なお、このようにして製造したトナーの収率は76
%であった。
【0032】(比較例1) この比較例のものにおいては、結着樹脂として、上記実
施例1の場合と同じものを用いるようにしたが、この比
較例では、上記のピーク位置の分子量が5000のスチ
レン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチル−メタク
リル酸共重合体(モノマー重量比が7:1.4:1.
4:0.2)を60重量部、上記のピーク位置の分子量
が200000になったスチレン−アクリル酸ブチル−
メタクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体(モノマー
重量比が6:1.9:1.9:0.2)を40重量部用
いるようにした。
【0033】そして、それ以外については、上記実施例
1の場合と同様にしてトナーを製造した。なお、このよ
うにして製造したトナーの収率は65%であり、上記実
施例1の場合に比べてトナーの収率が低下していた。
【0034】(実施例2) この実施例においては、結着樹脂として、上記のピーク
位置の分子量が15000になったスチレン−アクリル
酸ブチル−メタクリル酸共重合体(モノマー重量比が
7:2.8:0.2)47重量部と、上記のピーク位置
の分子量が350000になったスチレン−アクリル酸
ブチル−メタクリル酸共重合体(モノマー重量比が6:
3.8:0.2)53重量部とを使用するようにした。
なお、上記のいずれのスチレン−アクリル酸ブチル−メ
タクリル酸共重合体も、その酸価は6.5であった。
【0035】そして、それ以外については、上記実施例
1の場合と同様にしてトナーを製造した。なお、このよ
うにして製造したトナーの収率は73%であった。
【0036】(比較例2) この比較例のものにおいては、結着樹脂として、上記実
施例2の場合と同じものを用いるようにしたが、この比
較例では、上記のピーク位置の分子量が15000にな
ったスチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合
体(モノマ−重量比が7:2.8:0.2)を60重量
部、上記のピーク位置の分子量が350000になった
スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体
(モノマー重量比が6:3.8:0.2)を40重量部
用いるようにした。
【0037】そして、それ以外については、上記実施例
2の場合と同様にしてトナーを製造した。なお、このよ
うにして製造したトナーの収率は68%であり、上記実
施例2の場合に比べてトナーの収率が低下していた。
【0038】(実施例3) この実施例においては、結着樹脂として、上記のピーク
位置の分子量が6000になったスチレン−アクリル酸
ブチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体
(モノマー重量比が7:1.2:1.2:0.4)10
重量部と、上記のピーク位置の分子量が100000に
なったスチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチ
ル−メタクリル酸共重合体(モノマー重量比が6:1.
8:1.8:0.2)90重量部とを使用するようにし
た。なお、上記のいずれのスチレン−アクリル酸ブチル
−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体も、その
酸価は13であった。
【0039】そして、それ以外については、上記実施例
1の場合と同様にしてトナーを製造した。なお、このよ
うにして製造したトナーの収率は80%であった。
【0040】次に、上記のようにして製造した実施例1
〜3及び比較例1,2の各トナーについて、その帯電特
性及び飛散の状態を調べた。
【0041】ここで、上記の各トナーの帯電特性を調べ
るにあたっては、各トナーにそれぞれバインダー型キャ
リアを加えて、各トナーのトナー濃度が8重量%になる
ように調整し、これらを50ccのポリ瓶にそれぞれ3
0g入れ、毎分120rpmで回転する架台に乗せて、
3分後,10分後,30分後における各トナーの帯電量
[μc/g]を測定するようにした。
【0042】また、各トナーの飛散の状態を調べるにあ
たっては、各トナーにそれぞれバインダー型キャリアを
加えて、各トナーのトナー濃度が15重量%になるよう
に調整し、これらを3分間混合して各トナーを用いた現
像剤を調整した。そして、これらの現像剤をそれぞれ、
マグネットとその回りにスリーブを有するマグネットロ
ーラーの上に10gセットし、マグネットを750rp
mで回転させた場合ににおいて、飛散するトナーの量を
柴田化学社製のデジタル粉塵計を用いて1分間計測する
ようにした。
【0043】そして、これらの測定結果は、下記の表1
に示す通りであった。なお、上記トナーの飛散量[cp
m]については、計測された値が100cpm以下であ
れば極めて良好であり、また100cpm以上であって
も300cpm以下であれば実用的に使用可能な飛散量
であり、実用機に使用しても飛散によるトラブルはほと
んど発生しない範囲であるが、500cpm以上、特に
1000cpmをこえると、トナーの飛散がひどく、現
像装置周辺がトナーによって汚れたり、カブリが発生す
るなどのトラブルの原因となる。
【0044】
【表1】
【0045】この結果から明らかなように、上記実施例
1〜3の各トナーは比較例1,2の各トナーに比べて、
その帯電立上りが速くなっており、またトナーの飛散も
少なくなっていた。
【0046】また、上記実施例1〜3及び比較例1,2
の各トナーにそれぞれバインダー型キャリアを加えて、
各トナーのトナー濃度が8重量%になるように調整し、
これらを1リットルのポリ瓶に入れ、ボールミル架台に
のせ120rpmで10時間混合して現像剤を調製し
た。そして、このように調製した各現像剤を市販の複写
機(ミノルタカメラ社製,EP413Z)に供給して耐
刷試験を行ない、形成された画像におけるカブリ、キャ
リア付着、複写機内におけるトナーのこぼれ、感光体に
対するトナーのフィルミング、クリーニング性、画像濃
度の変化を調べるようにした。
【0047】ここで、画像におけるカブリについては、
1万枚と10万枚の耐刷試験時において、以下のような
5段階のランク付けを行なって評価するようにした。
【0048】 5:カブリは全くなし 4:カブリがわずかに認められる 3:カブリが若干認められるが実用上問題なし 2:カブリが多い 1:カブリが非常に多い
【0049】また、キャリア付着についても、1万枚と
10万枚の耐刷試験時において、画像上および文字回り
におけるキャリア付着について調べ、以下のようなラン
ク付けを行なって評価するようにした。
【0050】 ◎:キャリア付着全くなし ○:文字回りにわずかにあるが実用上問題なし △:画像中にキャリアが付着し、ところどころ転写ムラ
が残っている ×:キャリア付着が極めて多い
【0051】また、複写機内におけるトナーのこぼれに
ついても、10万枚の耐刷試験を行なって複写機内に飛
散したトナーや現像器からこぼれたトナーを調べ、以下
のようなランク付けを行なって評価するようにした。
【0052】 ◎:10万枚の耐刷試験後においても全く複写機内にト
ナーの汚染なし ○:10万枚の耐刷試験後においても実用上ほとんど問
題なし △:1万枚の耐刷試験ではほとんど問題なかったが、5
万枚の耐刷試験においてメンテナンスが必要 ×:2万枚の耐刷試験でメンテナンスを行なわないと、
コピー紙の裏汚れ,チャージムラ,転写ムラが生じる
【0053】また、感光体に対するトナーのフィルミン
グについては、10万枚の耐刷試験を行なった後、感光
体の表面を調べ、以下のようにランク付けを行なって評
価するようにした。なお、感光体の表面にトナー組成の
一部がうすくフィルミングすると、感光体の感光度が低
下し、残留電位が上昇してカブリが発生するようにな
る。
【0054】 ◎:全くフィルミングなし ○:現像剤のふれた部分とそうでない部分の光沢が違う
が、実用上は何ら問題がない △:感光体の表面にうっすらとフィルミングし、露光ダ
イヤルを半目盛露光オーバーにしないと適正位置がずれ
る ×:感光体の表面にはっきりと分かるフィルミングが発
生(ハーフトーンをとるとフィルミング部分とそうでな
い部分の濃淡がつく) ××:露光ダイヤルでの適正位置はない
【0055】また、クリーニング性については、5万枚
及び10万枚の耐刷試験後においてそれぞれ前半に黒ベ
タのコピーを50枚行なった後のクリーニング性を調
べ、以下のようにランク付けを行なって評価するように
した。
【0056】 ◎:全くクリーニング不良なし ○:極くわずかに認められるものの実用上問題なし △:すじ状のクリーニング不良が観察される ×:クリーニング不良多発
【0057】また、画像濃度については、DATAQU
EST社製コピーチャートのBLACK SOLID部
(画像濃度I.Dが1.6以上)を原稿として使用し、
画像形成初期と、1万枚及び10万枚耐刷試験後におけ
る画像濃度をマクベス濃度計により測定するようにし
た。
【0058】そして、下記の表2に上記のようにして評
価した画像におけるカブリ、キャリア付着、複写機内に
おけるトナーのこぼれ及び感光体に対するトナーのフィ
ルミングの結果をまとめて示した。
【0059】
【表2】
【0060】また、下記の表3においては、上記のよう
にして評価したクリーニング性及び画像濃度の測定結果
と共に、実施例1〜3及び比較例1,2の各トナーにお
ける物性値及び複写機による各耐刷試験の結果から下記
のようにランク付けした総合評価を合わせて示した。
【0061】◎:実用上問題なく使用できる。
【0062】×:信頼性に欠け、問題が多い。
【0063】
【表3】
【0064】これらの結果から明らかなように、実施例
1〜3の各トナーを使用した場合には、比較例1,2の
トナーを使用した場合に比べて、画像におけるカブリ、
複写機内におけるトナーのこぼれ及び感光体に対するト
ナーのフィルミングが少なくなっていた。
【0065】また、前記のように実施例1〜3及び比較
例1,2の各トナーを使用して60万枚の耐刷試験を行
ない、形成された画像におけるカブリを目視によって判
断した場合、上記実施例1〜3の各トナーを使用したも
のにおいてはカブリのない鮮明な画像が得られたのに対
し、比較例1,2の各トナーを使用したものにおいては
著しいカブリが発生した。
【0066】さらに、上記実施例1〜3及び比較例1,
2の各トナーについて、市販の複写機(ミノルタカメラ
社製,EP−470Z)における定着器を使用し、各ト
ナーを170℃で定着させるようにし、各トナーが定着
された画像を砂消しゴムで一定の荷重を加えて一定回数
こすり、その後の画像濃度を測定して、その残存率によ
り定着性を評価したところ、いずれトナーも充分な定着
性能を示した。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る静
電荷像現像用トナーにおいては、その結着樹脂として、
上記のような低分子量側と高分子量側の二種類のスチレ
ン系共重合体A,Bを含有させるようにしたため、耐オ
フセット性や耐巻き付き性に対して良好な特性を示すと
共に、良好な定着性能を持つトナーが得られるようにな
った。
【0068】また、この発明に係る静電荷像現像用トナ
ーにおいては、結着樹脂中に高分子量側のスチレン系共
重合体Bを低分子量側のスチレン系共重合体Aより多く
含有させると共に、低分子量側のスチレン系共重合体と
して、前記のピーク位置の分子量が1×103 〜2×1
4 の範囲になった分子量の低いものを用いるようにし
たため、トナーの定着性を損なうことなく、トナーを構
成する結着樹脂の強度が増し、粉砕してトナーを製造す
る際における微粉の発生が少なくなり、トナーの収率が
向上すると共に、トナーの帯電立上りもスムーズに行な
われ、画像形成当初やトナーを補給した場合等における
トナーの帯電性も向上し、カブリの少ない画像が安定し
て得られるようになった。
【0069】また、この発明に係る静電荷像現像用トナ
ーにおいては、低分子量側及び高分子量側の各スチレン
系共重合体A,Bにおけるスチレン系モノマーの共重合
比W A ,W B が、低分子量側におけるスチレン系共重合
体Aでは70〜98重量%に、高分子量側のスチレン系
共重合体Bでは50〜90重量%になったものを用いる
ようにしたため、得られるトナーが脆くなるということ
がなく、トナーを粉砕して製造する際に微粉が多く発生
してトナーの収率が低下するのが防止されると共に、定
着温度が高くなって定着性が劣化するのも抑制され、ま
たトナーを構成する結着樹脂が硬くなって粉砕によるト
ナーの製造が困難になるということもなく、トナーの現
像特性,耐オフセット性等が低下ということもなくなっ
た。
【0070】さらに、この発明に係る静電荷像現像用ト
ナーにおいては、上記の各スチレン系共重合体A,Bと
して、それぞれその酸価が3〜30KOHmg/gのも
のを用いるようにしたため、正荷電性トナーが適切に帯
電されるようになり、現像を行なった際にトナーと一緒
にキャリアが像担持体に付着して、形成される画像にキ
ャリアカブリが生じるのが抑制されると共に、トナーが
飛散して装置内が汚れたり、形成される画像の画質が低
下するということもなくなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前中 肇 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−27156(JP,A) 特開 平2−161465(JP,A) 特開 昭62−9356(JP,A) 特開 平1−204061(JP,A) 特開 平2−235069(JP,A) 特開 昭59−148067(JP,A) 特開 昭63−58356(JP,A) 特開 昭61−123856(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/087

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有す
    る正荷電性の静電荷像現像用トナーにおいて、上記の
    着樹脂として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ーによるクロマトグラムにおける分子量分布のピーク位
    置の分子量が1×103 〜2×104 の範囲にある低分
    子量側のスチレン系共重合体Aと、上記のピーク位置の
    分子量が1×105 〜2×106 の範囲にある高分子量
    側のスチレン系共重合体Bとを含有し、この結着樹脂1
    00重量部中において、低分子量側のスチレン系共重合
    体Aが10重量部以上で50重量部未満、高分子量側の
    スチレン系共重合体Bが50重量部以上で90重量部未
    満の割合で含まれると共に、上記低分子量側のスチレン
    系共重合体Aにおけるスチレン系モノマーの共重合比W
    A が70〜98重量%、高分子量側のスチレン系共重合
    体Bにおけるスチレン系モノマーの共重合比WB が50
    〜90重量%であり且つこれらのスチレン系モノマーの
    共重合比WA ,WB がWA ≧WB の関係を満たすと共
    に、前記スチレン系共重合体A及びスチレン系共重合体
    Bの酸価がそれぞれ3〜30KOHmg/gであること
    を特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した静電荷像現像用トナ
    ーにおいて、160℃における溶融粘度が10〜1×1
    5 CPSのエチレン系オレフィン重合体を含有するこ
    とを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 キャリアと混合して用いられることを特
    徴とする請求項1又は2に記載した静電荷像現像用トナ
    ー。
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