JP2974870B2 - ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置

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JP2974870B2
JP2974870B2 JP5072795A JP7279593A JP2974870B2 JP 2974870 B2 JP2974870 B2 JP 2974870B2 JP 5072795 A JP5072795 A JP 5072795A JP 7279593 A JP7279593 A JP 7279593A JP 2974870 B2 JP2974870 B2 JP 2974870B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガス絶縁開閉装置の
絶縁劣化に伴う部分放電を検出して、ガス絶縁開閉装置
の異常発生を初期段階で検出するガス絶縁開閉装置の絶
縁診断装置にに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図30は例えば電気学会技術報告(2
部)第402号「電力設備の運転中絶縁診断技術」19
92に示された従来のガス絶縁開閉装置の絶縁劣化検出
装置を示すブロック図であり、図において、1はガス絶
縁開閉装置、2はこのガス絶縁開閉装置1の外被、3は
スペーサ、4は導体、5はガス絶縁開閉装置1のフラン
ジ部分、6と7は電位測定のための電極、8は電位検出
器、9は増幅器、10はフィルタ、11は検波器、12
はアナログ/ディジタル変換器、13は中央演算装置、
14は自動レンジ切替え装置、15は出力装置である。
【0003】次に動作について説明する。発電所、変電
所や開閉所においてはガス絶縁開閉装置が多用されてお
り、ガス絶縁開閉装置の絶縁破壊が生じると、電力を消
費している末端である配電系統の停電事故が発生した
り、基幹系統への波及効果により発電所のトリップを誘
発したり、変電所のトリップが生じたりする可能性があ
る。従って、これらの絶縁破壊が発生した場合、絶縁破
壊発生の初期段階で異常を検知して速やかに処置を施す
必要があり、系統運用上きわめて重要なことである。
【0004】そこで、従来は図30に示すガス絶縁開閉
装置の絶縁診断装置を用いて部分放電検出による絶縁破
壊の兆候を検出し、絶縁破壊の早期発見を図っていた。
絶縁破壊の兆候を検出するに際し、ガス絶縁開閉装置内
部で発生した部分放電パルスがガス絶縁開閉装置の内部
の導体4を進行波として伝搬する場合、フランジ5の絶
縁取付け部にサージインピーダンスの不連続部分に伝電
位差が発生する。フランジ5に取付けられた電極6,7
により電位を検出し電位検出器8で電位差を求める。
【0005】そして、増幅器9で適当な利得を得て、フ
ィルタ10で適当な周波数帯域を抽出し、検波器11で
実効値を計算し、アナログ/ディジタル変換器12でデ
ータを中央演算装置13に転送する。この際、自動レン
ジ切替え装置14により最適なアナログ/ディジタル変
換を実行するためのレンジに切替えられる。転送された
データが中央演算装置13にあらかじめ設定された実効
値を越えた場合、部分放電があったと判断し中央演算装
置13が出力装置15に警報となる表示をする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のガス絶縁開閉装
置の絶縁診断装置は以上のように構成されているので、
電位差の実効値が一定の警報値を越えた場合に限り異常
と判断するが、絶縁劣化が発生していなくても微小な電
位差が常に存在しており、しかもその電位差は絶えず変
動しているので、上記の如く一定の警報値との比較では
絶縁劣化による電位差変動なのか自然界にもともと存在
している電位差変動なのかを区別できず、絶縁劣化によ
る微小な部分放電現象を検出することができないという
問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、絶縁劣化による部分放電に起因
した電位変動なのか自然界にもともと存在している電位
変動なのかを区別でき、絶縁劣化による微小な部分放電
を検出できるガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置を得るこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るガ
ス絶縁開閉装置の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置に
おいて絶縁物で電気的に隔離された二つのシース外壁間
の電位信号の変動成分を抽出するための電位検出器とフ
ィルタとを有し、診断時において、前記フィルタにより
抽出された変動成分の波形の歪度を演算し、当該診断時
の歪度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに
前記フィルタにより抽出された変動成分の波形の歪度で
あって予め求めた基準値とを比較して、当該診断時の歪
度が前記基準値に対して所定の関係を越えたときに警報
を出力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0009】請求項2の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の尖度を演算し、当該診断時の尖度と、ガス絶
縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
り抽出された変動成分の波形の尖度であって予め求めた
基準値とを比較して、当該診断時の尖度が前記基準値に
対して所定の関係を越えたときに警報を出力する異常検
出処理装置を備えるものである。
【0010】請求項3の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に当該診断時
の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準データ
との差を演算し、さらにこの差の平均値を求め、当該平
均値が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常
検出処理装置を備えるものである。
【0011】請求項4の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に当該診断時
の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準データ
との差を演算し、さらにこの差の分散値を求め、当該分
散値が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常
検出処理装置を備えるものである。
【0012】請求項5の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に当該診断時
の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準データ
との差を演算し、さらにこの差の歪度を求め、当該歪度
が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常検出
処理装置を備えるものである。
【0013】請求項6の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に当該診断時
の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準データ
との差を演算し、さらにこの差の尖度を求め、当該尖度
が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常検出
処理装置を備えるものである。
【0014】請求項7の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該診断時の確
率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常
なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の波形
の確率密度分布関数であって予め求めた基準データとの
差を演算し、さらにこの差の自己回帰モデル係数を求
め、当該自己回帰モデル係数が所定の警報値を越えたと
きに警報を出力する異常検出処理装置を備えるものであ
る。
【0015】請求項8の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該診断時の確
率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常
なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の波形
の確率密度分布関数であって予め求めた基準データとの
差を演算し、さらにこの差の自己相関関数を求め、当該
自己相関関数が所定の警報値を越えたときに警報を出力
する異常検出処理装置を備えるものである。
【0016】請求項9の発明に係るガス絶縁開閉装置の
絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で電
気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変動
成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有し、
診断時において、前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該診断時の確
率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常
なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の波形
の確率密度分布関数であって予め求めた基準データとの
差を演算し、さらにこの差の自己相関関数を求め、当該
自己相関関数の2乗和が所定の警報値を越えたときに警
報を出力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0017】請求項10の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該診断時
の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準データ
との差を演算し、さらにこの差のKullbackの情報量基準
を求め、当該Kullbackの情報量基準が所定の警報値を越
えたときに警報を出力する異常検出処理装置を備えるも
のである。
【0018】請求項11の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該診断時
の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準データ
との差を演算し、さらにこの差のフラクタル次元を求
め、当該フラクタル次元が所定の警報値を越えたときに
警報を出力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0019】請求項12の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該診断時
の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準データ
との差を演算し、次にこの差の特徴をIF〜THENなどのル
ールに基づいて求め、さらに当該診断時の特徴と、ガス
絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタに
より抽出された複数の変動成分の波形の確率密度分布関
数の差の前記ルールに基づく特徴であって予め求めた基
準の特徴とを比較し、前記診断時の特徴が前記基準の特
徴に対して所定の関係を越えたときに警報を出力する異
常検出処理装置を備えるものである。
【0020】請求項13の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、次に当該
診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の平均値を求
め、当該平均値が所定の警報値を越えたときに警報を出
力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0021】請求項14の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、次に当該
診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の分散値を求
め、当該分散値が所定の警報値を越えたときに警報を出
力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0022】請求項15の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、次に当該
診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の歪度を求
め、当該歪度が所定の警報値を越えたときに警報を出力
する異常検出処理装置を備えるものである。
【0023】請求項16の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、次に当該
診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の尖度を求
め、当該尖度が所定の警報値を越えたときに警報を出力
する異常検出処理装置を備えるものである。
【0024】請求項17の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、当該診断
時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差の自己回帰モデル
係数を求め、当該自己回帰モデル係数が所定の警報値を
越えたときに警報を出力する異常検出処理装置を備える
ものである。
【0025】請求項18の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、当該診断
時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差の自己相関関数を
求め、当該自己相関関数が所定の警報値を越えたときに
警報を出力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0026】請求項19の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、当該診断
時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差の自己相関関数を
求め、当該自己相関関数の2乗和が所定の警報値を越え
たときに警報を出力する異常検出処理装置を備えるもの
である。
【0027】請求項20の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、当該診断
時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差のKullbackの情報
量基準を求め、当該Kullbackの情報量基準が所定の警報
値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装置を備
えるものである。
【0028】請求項21の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、当該診断
時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差のフラクタル次元
を求め、当該フラクタル次元が所定の警報値を越えたと
きに警報を出力する異常検出処理装置とを備えるもので
ある。
【0029】請求項22の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、当該診断
時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形のパワスペクトル密度であって予め求めた基準
データとの差を演算し、次にこの差の特徴をIF〜THENな
どのルールに基づいて求め、さらに当該診断時の特徴
と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フ
ィルタにより抽出された複数の変動成分の波形のパワス
ペクトル密度の差の前記ルールに基づく特徴であって予
め求めた基準の特徴とを比較し、前記診断時の特徴が前
記基準の特徴に対して所定の関係を越えたときに警報を
出力する異常検出処理装置とを備えるものである。
【0030】請求項23の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の自己回帰モデル係数を演算し、次に当該
診断時の自己回帰モデル係数と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の自己回帰モデル係数であって予め求めた
基準データとの差を演算し、この差が所定の警報値を越
えたときに警報を出力する異常検出処理装置を備えるも
のである。
【0031】請求項24の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の自己回帰モデル係数を演算し、当該診断
時の自己回帰モデル係数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の自己回帰モデル係数であって予め求めた基準
データとの差を演算し、この差の自己相関関数を求め、
当該自己相関関数が所定の警報値を越えたときに警報を
出力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0032】請求項25の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の自己回帰モデル係数を演算し、当該診断
時の自己回帰モデル係数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状
態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成
分の波形の自己回帰モデル係数であって予め求めた基準
データとの差を演算し、この差の自己相関関数を求め、
当該自己相関関数の2乗和が所定の警報値を越えたとき
に警報を出力する異常検出処理装置を備えるものであ
る。
【0033】請求項26の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のKullbackの情報量基準を演算し、次に当
該診断時のKullbackの情報量基準と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形のKullbackの情報量基準であって予め
求めた基準データとの差を演算し、この差が所定の警報
値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装置を備
えるものである。
【0034】請求項27の発明に係るガス絶縁開閉装置
の絶縁診断装置は、ガス絶縁開閉装置において絶縁物で
電気的に隔離された二つのシース外壁間の電位信号の変
動成分を抽出するための電位検出器とフィルタとを有
し、診断時において、前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のフラクタル次元を演算し、次に当該診断
時のフラクタル次元と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が
正常なときに前記フィルタにより抽出された変動成分の
波形のフラクタル次元であって予め求めた基準データと
の差を演算し、この差が所定の警報値を越えたときに警
報を出力する異常検出処理装置を備えるものである。
【0035】
【作用】請求項1の発明における異常検出処理装置は、
診断時において、電位検出器とフィルタにより得られた
変動成分の波形の歪度を演算し、当該診断時の歪度と、
ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィル
タにより抽出された変動成分の波形の歪度であって予め
求めた基準値とを比較して、当該診断時の歪度が前記基
準値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力す
る。すなわち、二つのシース外被間における電位変動波
形の特徴を表すデータを正常時と比較し、このデータの
正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警報を出力
する。このため、自然界にもともと存在している電位変
動のみであれば、前記データは正常時に近いものとな
り、警報は出力されない。
【0036】請求項2の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の尖度を演算し、当該診断時の尖度
と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フ
ィルタにより抽出された変動成分の波形の尖度であって
予め求めた基準値とを比較して、当該診断時の尖度が前
記基準値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力
する。すなわち、二つのシース外被間における電位変動
波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、このデータ
の正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警報を出
力する。このため、自然界にもともと存在している電位
変動のみであれば、前記データは正常時に近いものとな
り、警報は出力されない。
【0037】請求項3の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に
当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の
絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された
変動成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の平均値を求
め、当該平均値が所定の警報値を越えたときに警報を出
力する。すなわち、二つのシース外被間における電位変
動波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、このデー
タの正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警報を
出力する。このため、自然界にもともと存在している電
位変動のみであれば、前記データは正常時に近いものと
なり、警報は出力されない。
【0038】請求項4の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に
当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の
絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された
変動成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の分散値を求
め、当該分散値が所定の警報値を越えたときに警報を出
力する。すなわち、二つのシース外被間における電位変
動波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、このデー
タの正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警報を
出力する。このため、自然界にもともと存在している電
位変動のみであれば、前記データは正常時に近いものと
なり、警報は出力されない。
【0039】請求項5の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に
当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の
絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された
変動成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の歪度を求
め、当該歪度が所定の警報値を越えたときに警報を出力
する。すなわち、二つのシース外被間における電位変動
波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、このデータ
の正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警報を出
力する。このため、自然界にもともと存在している電位
変動のみであれば、前記データは正常時に近いものとな
り、警報は出力されない。
【0040】請求項6の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、次に
当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の
絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された
変動成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた
基準データとの差を演算し、さらにこの差の尖度を求
め、当該尖度が所定の警報値を越えたときに警報を出力
する。すなわち、二つのシース外被間における電位変動
波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、このデータ
の正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警報を出
力する。このため、自然界にもともと存在している電位
変動のみであれば、前記データは正常時に近いものとな
り、警報は出力されない。
【0041】請求項7の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該
診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動
成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差の自己回帰モデル
係数を求め、当該自己回帰モデル係数が所定の警報値を
越えたときに警報を出力する。すなわち、二つのシース
外被間における電位変動波形の特徴を表すデータを正常
時と比較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲
を越えたときに警報を出力する。このため、自然界にも
ともと存在している電位変動のみであれば、前記データ
は正常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0042】請求項8の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該
診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動
成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差の自己相関関数を
求め、当該自己相関関数が所定の警報値を越えたときに
警報を出力する。すなわち、二つのシース外被間におけ
る電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、
このデータの正常時との違いが所定の範囲を越えたとき
に警報を出力する。このため、自然界にもともと存在し
ている電位変動のみであれば、前記データは正常時に近
いものとなり、警報は出力されない。
【0043】請求項9の発明における異常検出処理装置
は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得ら
れた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当該
診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶縁
状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変動
成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた基準
データとの差を演算し、さらにこの差の自己相関関数を
求め、当該自己相関関数の2乗和が所定の警報値を越え
たときに警報を出力する。すなわち、二つのシース外被
間における電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と
比較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲を越
えたときに警報を出力する。このため、自然界にもとも
と存在している電位変動のみであれば、前記データは正
常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0044】請求項10の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当
該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた基
準データとの差を演算し、さらにこの差のKullbackの情
報量基準を求め、当該Kullbackの情報量基準が所定の警
報値を越えたときに警報を出力する。すなわち、二つの
シース外被間における電位変動波形の特徴を表すデータ
を正常時と比較し、このデータの正常時との違いが所定
の範囲を越えたときに警報を出力する。このため、自然
界にもともと存在している電位変動のみであれば、前記
データは正常時に近いものとなり、警報は出力されな
い。
【0045】請求項11の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当
該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた基
準データとの差を演算し、さらにこの差のフラクタル次
元を求め、当該フラクタル次元が所定の警報値を越えた
ときに警報を出力する。すなわち、二つのシース外被間
における電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比
較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲を越え
たときに警報を出力する。このため、自然界にもともと
存在している電位変動のみであれば、前記データは正常
時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0046】請求項12の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形の確率密度分布関数を演算し、当
該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形の確率密度分布関数であって予め求めた基
準データとの差を演算し、次にこの差の特徴をIF〜THEN
などのルールに基づいて求め、さらに当該診断時の特徴
と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フ
ィルタにより抽出された複数の変動成分の波形の確率密
度分布関数の差の前記ルールに基づく特徴であって予め
求めた基準の特徴とを比較し、前記診断時の特徴が前記
基準の特徴に対して所定の関係を越えたときに警報を出
力する。すなわち、二つのシース外被間における電位変
動波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、このデー
タの正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警報を
出力する。このため、自然界にもともと存在している電
位変動のみであれば、前記データは正常時に近いものと
なり、警報は出力されない。
【0047】請求項13の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形の波形のパワスペクトル密度を演
算し、次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶
縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
り抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度であ
って予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの
差の平均値を求め、当該平均値が所定の警報値を越えた
ときに警報を出力する。すなわち、二つのシース外被間
における電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比
較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲を越え
たときに警報を出力する。このため、自然界にもともと
存在している電位変動のみであれば、前記データは正常
時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0048】請求項14の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉
装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出
された変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予
め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の分
散値を求め、当該分散値が所定の警報値を越えたときに
警報を出力する。すなわち、二つのシース外被間におけ
る電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、
このデータの正常時との違いが所定の範囲を越えたとき
に警報を出力する。このため、自然界にもともと存在し
ている電位変動のみであれば、前記データは正常時に近
いものとなり、警報は出力されない。
【0049】請求項15の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉
装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出
された変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予
め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の歪
度を求め、当該歪度が所定の警報値を越えたときに警報
を出力する。すなわち、二つのシース外被間における電
位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、この
データの正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警
報を出力する。このため、自然界にもともと存在してい
る電位変動のみであれば、前記データは正常時に近いも
のとなり、警報は出力されない。
【0050】請求項16の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉
装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出
された変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予
め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の尖
度を求め、当該尖度が所定の警報値を越えたときに警報
を出力する。すなわち、二つのシース外被間における電
位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比較し、この
データの正常時との違いが所定の範囲を越えたときに警
報を出力する。このため、自然界にもともと存在してい
る電位変動のみであれば、前記データは正常時に近いも
のとなり、警報は出力されない。
【0051】請求項17の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求
めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の自己回
帰モデル係数を求め、当該自己回帰モデル係数が所定の
警報値を越えたときに警報を出力する。すなわち、二つ
のシース外被間における電位変動波形の特徴を表すデー
タを正常時と比較し、このデータの正常時との違いが所
定の範囲を越えたときに警報を出力する。このため、自
然界にもともと存在している電位変動のみであれば、前
記データは正常時に近いものとなり、警報は出力されな
い。
【0052】請求項18の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求
めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の自己相
関関数を求め、当該自己相関関数が所定の警報値を越え
たときに警報を出力する。すなわち、二つのシース外被
間における電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と
比較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲を越
えたときに警報を出力する。このため、自然界にもとも
と存在している電位変動のみであれば、前記データは正
常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0053】請求項19の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求
めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の自己相
関関数を求め、当該自己相関関数の2乗和が所定の警報
値を越えたときに警報を出力する。すなわち、二つのシ
ース外被間における電位変動波形の特徴を表すデータを
正常時と比較し、このデータの正常時との違いが所定の
範囲を越えたときに警報を出力する。このため、自然界
にもともと存在している電位変動のみであれば、前記デ
ータは正常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0054】請求項20の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求
めた基準データとの差を演算し、さらにこの差のKullba
ckの情報量基準を求め、当該Kullbackの情報量基準が所
定の警報値を越えたときに警報を出力する。すなわち、
二つのシース外被間における電位変動波形の特徴を表す
データを正常時と比較し、このデータの正常時との違い
が所定の範囲を越えたときに警報を出力する。このた
め、自然界にもともと存在している電位変動のみであれ
ば、前記データは正常時に近いものとなり、警報は出力
されない。
【0055】請求項21の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求
めた基準データとの差を演算し、さらにこの差のフラク
タル次元を求め、当該フラクタル次元が所定の警報値を
越えたときに警報を出力する。すなわち、二つのシース
外被間における電位変動波形の特徴を表すデータを正常
時と比較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲
を越えたときに警報を出力する。このため、自然界にも
ともと存在している電位変動のみであれば、前記データ
は正常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0056】請求項22の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のパワスペクトル密度を演算し、
当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形のパワスペクトル密度であって予め求
めた基準データとの差を演算し、次にこの差の特徴をIF
〜THENなどのルールに基づいて求め、さらに当該診断時
の特徴と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに
前記フィルタにより抽出された複数の変動成分の波形の
パワスペクトル密度の差の特徴であって予め求めた基準
の特徴とを比較し、前記診断時の特徴が前記基準の特徴
に対して所定の関係を越えたときに警報を出力する。す
なわち、二つのシース外被間における電位変動波形の特
徴を表すデータを正常時と比較し、このデータの正常時
との違いが所定の範囲を越えたときに警報を出力する。
このため、自然界にもともと存在している電位変動のみ
であれば、前記データは正常時に近いものとなり、警報
は出力されない。
【0057】請求項23の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形の自己回帰モデル係数を演算し、
次に当該診断時の自己回帰モデル係数と、ガス絶縁開閉
装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出
された変動成分の波形の自己回帰モデル係数であって予
め求めた基準データとの差を演算し、この差が所定の警
報値を越えたときに警報を出力する。すなわち、二つの
シース外被間における電位変動波形の特徴を表すデータ
を正常時と比較し、このデータの正常時との違いが所定
の範囲を越えたときに警報を出力する。このため、自然
界にもともと存在している電位変動のみであれば、前記
データは正常時に近いものとなり、警報は出力されな
い。
【0058】請求項24の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形の自己回帰モデル係数を演算し、
当該診断時の自己回帰モデル係数と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形の自己回帰モデル係数であって予め求
めた基準データとの差を演算し、この差の自己相関関数
を求め、当該自己相関関数が所定の警報値を越えたとき
に警報を出力する。すなわち、二つのシース外被間にお
ける電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比較
し、このデータの正常時との違いが所定の範囲を越えた
ときに警報を出力する。このため、自然界にもともと存
在している電位変動のみであれば、前記データは正常時
に近いものとなり、警報は出力されない。
【0059】請求項25の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形の自己回帰モデル係数を演算し、
当該診断時の自己回帰モデル係数と、ガス絶縁開閉装置
の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出され
た変動成分の波形の自己回帰モデル係数であって予め求
めた基準データとの差を演算し、この差の自己相関関数
を求め、当該自己相関関数の2乗和が所定の警報値を越
えたときに警報を出力する。すなわち、二つのシース外
被間における電位変動波形の特徴を表すデータを正常時
と比較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲を
越えたときに警報を出力する。このため、自然界にもと
もと存在している電位変動のみであれば、前記データは
正常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0060】請求項26の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のKullbackの情報量基準を演算
し、次に当該診断時のKullbackの情報量基準と、ガス絶
縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
り抽出された変動成分の波形のKullbackの情報量基準で
あって予め求めた基準データとの差を演算し、この差が
所定の警報値を越えたときに警報を出力する。すなわ
ち、二つのシース外被間における電位変動波形の特徴を
表すデータを正常時と比較し、このデータの正常時との
違いが所定の範囲を越えたときに警報を出力する。この
ため、自然界にもともと存在している電位変動のみであ
れば、前記データは正常時に近いものとなり、警報は出
力されない。
【0061】請求項27の発明における異常検出処理装
置は、診断時において、電位検出器とフィルタにより得
られた変動成分の波形のフラクタル次元を演算し、次に
当該診断時のフラクタル次元と、ガス絶縁開閉装置の絶
縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出された変
動成分の波形のフラクタル次元であって予め求めた基準
データとの差を演算し、この差が所定の警報値を越えた
ときに警報を出力する。すなわち、二つのシース外被間
における電位変動波形の特徴を表すデータを正常時と比
較し、このデータの正常時との違いが所定の範囲を越え
たときに警報を出力する。このため、自然界にもともと
存在している電位変動のみであれば、前記データは正常
時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0062】
【実施例】実施例1.以下、請求項1の発明の一実施例
を図について説明する。なお、従来の絶縁診断装置と同
様な構成要素には同一符号を使用しその説明は省略す
る。図1において、16は、診断時において、フィルタ
10等により抽出された電位変動成分の波形の性質を表
す指標的なデータを演算し、当該診断時のデータと、ガ
ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタ
等により抽出された電位変動成分の波形のデータであっ
て予め求めたデータとの比較結果等に基づいて、警報を
出力する異常検出処理装置である。
【0063】この異常検出処理装置16は、人的操作等
に基づく外部指令により切替わる二つの動作態様(基準
設定モードと診断モード)を有するもので、図2のブロ
ック図に示す各要素よりなる。図2において、17はア
ナログ/デジタル変換装置(A/D変換器)12から出
力される電位変動信号の列データYi(i=1,……,
N)から電位変動波形の歪度を演算する演算器、18は
基準設定モードにおいて演算器17から出力される歪度
を記憶する設定器、19は演算器17から出力される歪
度を設定器18の値と比較する比較器、20はこの比較
器19の比較結果に基づいて警報を出力する警報器であ
る。なおここで、歪度とは、下記式(1),(2)によ
り求められる平均値μ1と分散値μ2とから、式(3)
により求められる値μ3である。また、図2において
は、基準設定モードにおける信号の流れを点線で、診断
モードにおける信号の流れを実線で示してある。
【0064】
【数1】
【0065】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器17がこの列デ
ータYiに対する式(1)〜(3)の演算を行なって、
電位変動波形の歪度を演算する。基準設定モードにおい
ては、この演算器17の出力は、図2の点線に示すよう
に設定器18に出力され、この設定器18に格納され
る。
【0066】一方、診断モードにおいては、演算器17
が演算する歪度は比較器19に出力される。そして、比
較器19は、例えば演算器17から出力される歪度が設
定器18に格納された歪度の例えば3倍を越えたとき、
警報器20に異常を示す信号を出力し、この信号を受け
て警報器20が警報を出力する。なお、この診断モード
における一連の動作は、例えば一定のサイクルタイムで
繰返される。
【0067】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す歪度が逐次求めら
れて正常時と比較され、正常時との違いが大きくなった
ときに警報が出力される。したがって、稼働時における
電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すものであ
れば警報が出力されるが、正常時にも検出されるような
自然界にもともと存在している電位変動のみであれば、
前記歪度は正常時に近いものとなり、警報は出力されな
い。
【0068】実施例2.以下、請求項2の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例2は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0069】図3は、この実施例における異常検出処理
装置16の構成を示すブロック図である。図3におい
て、21はA/D変換器12から出力される電位変動信
号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動波
形の尖度を演算する演算器、22は基準設定モードにお
いて演算器21から出力される尖度を記憶する設定器、
23は演算器21から出力される尖度を設定器22の値
と比較する比較器、24はこの比較器23の比較結果に
基づいて警報を出力する警報器である。なおここで、尖
度とは、前記式(1),(2)により求められる平均値
μ1と分散値μ2とから、下記式(4)により求められ
る値μ4である。また、図3においては、基準設定モー
ドにおける信号の流れを点線で、診断モードにおける信
号の流れを実線で示してある。
【0070】
【数2】
【0071】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器21がこの列デ
ータYiに対する式(1)(2),(4)の演算を行な
って、電位変動波形の尖度を演算する。基準設定モード
においては、この演算器21の出力は、図3の点線に示
すように設定器22に出力され、この設定器22に格納
される。
【0072】一方、診断モードにおいては、演算器21
が演算する尖度は比較器23に出力される。そして、比
較器23は、例えば演算器21から出力される尖度が設
定器22に格納された尖度の例えば3倍を越えたとき、
警報器24に異常を示す信号を出力し、この信号を受け
て警報器24が警報を出力する。なお、この診断モード
における一連の動作は、例えば一定のサイクルタイムで
繰返される。
【0073】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す尖度が逐次求めら
れて正常時と比較され、正常時との違いが大きくなった
ときに警報が出力される。したがって、稼働時における
電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すものであ
れば警報が出力されるが、正常時にも検出されるような
自然界にもともと存在している電位変動のみであれば、
前記尖度は正常時に近いものとなり、警報は出力されな
い。
【0074】実施例3.以下、請求項3の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例3は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0075】図4は、この実施例における異常検出処理
装置16の構成を示すブロック図である。図4におい
て、25はA/D変換器12から出力される電位変動信
号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動波
形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、28はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の平均値を求める演算器、29は基準設定モードに
おいて演算器28から出力される平均値を記憶する設定
器、30は演算器28から出力される平均値を設定器2
9の値と比較する比較器、31はこの比較器30の比較
結果に基づいて警報を出力する警報器である。
【0076】ここで、確率密度分布関数とは、一つの不
規則波形の振幅が、ある時刻にどのような値で表れるか
を確率により表す周知の関数で、各振幅値の分布を表す
ものでもある。この実施例の場合、ディジタル的にデー
タを処理しているので、振幅の範囲を例えば等間隔に分
割し、この分割範囲毎に振幅値がこの分割範囲に入る確
率を求めることになり、演算器25で得られるデータは
この分割数に対応した列データとなる。また、この場合
具体的には、例えば、入力データYiの中に各分割範囲
に属するデータがいくつ存在するかの割合として求めら
れる。
【0077】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器25の出力は、図4の点線に示すように
まず設定器26に出力され、この設定器26に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器25の出力は減算器27に出力され
て、この演算器25の演算結果と設定器26の格納デー
タとの差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の
差)が減算器27により求められる。次に、この減算器
27の出力データ(N個の列データ)の平均値が前記式
(1)に基づき演算器28により演算され、設定器29
に格納される。
【0078】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27の出力データの平均値が前記
式(1)に基づき演算器28により演算され、この平均
値と設定器29に格納された平均値とが比較器30で比
較されて、演算器28から出力される平均値が設定器2
9に格納された平均値の例えば3倍(警報値)を越えた
とき、比較器30から警報器31に異常を示す信号を出
力し、この信号を受けて警報器31が警報を出力する。
なお、この診断モードにおける一連の動作は、例えば一
定のサイクルタイムで繰返される。
【0079】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の平均値が逐次求められて、さらにこの
平均値が正常時の平均値と比較され、正常時との違いが
大きくなったときに警報が出力される。したがって、稼
働時における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を
示すものであれば警報が出力されるが、正常時にも検出
されるような自然界にもともと存在している電位変動の
みであれば、前記平均値は正常時に近いものとなり、警
報は出力されない。
【0080】実施例4.以下、請求項4の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例4は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0081】図5は、この実施例における異常検出処理
装置16の構成を示すブロック図である。図5におい
て、25はA/D変換器12から出力される電位変動信
号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動波
形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、32はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の分散値を求める演算器、33は基準設定モードに
おいて演算器32から出力される分散値を記憶する設定
器、34は演算器32から出力される分散値を設定器3
3の値と比較する比較器、35はこの比較器34の比較
結果に基づいて警報を出力する警報器である。
【0082】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器25の出力は、図5の点線に示すように
まず設定器26に出力され、この設定器26に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器25の出力は減算器27に出力され
て、この演算器25の演算結果と設定器26の格納デー
タとの差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の
差)が減算器27により求められる。次に、この減算器
27の出力データ(N個の列データ)の分散値が前記式
(1),(2)に基づき演算器32により演算され、設
定器33に格納される。
【0083】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27の出力データの分散値が前記
式(1),(2)に基づき演算器32により演算され、
この分散値と設定器33に格納された分散値とが比較器
34で比較されて、演算器32から出力される分散値が
設定器33に格納された分散値の例えば3倍(警報値)
を越えたとき、比較器34から警報器35に異常を示す
信号を出力し、この信号を受けて警報器35が警報を出
力する。なお、この診断モードにおける一連の動作は、
例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0084】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の分散値が逐次求められて、さらにこの
分散値が正常時の分散値と比較され、正常時との違いが
大きくなったときに警報が出力される。したがって、稼
働時における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を
示すものであれば警報が出力されるが、正常時にも検出
されるような自然界にもともと存在している電位変動の
みであれば、前記分散値は正常時に近いものとなり、警
報は出力されない。
【0085】実施例5.以下、請求項5の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例5は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0086】図6は、この実施例における異常検出処理
装置16の構成を示すブロック図である。図6におい
て、25はA/D変換器12から出力される電位変動信
号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動波
形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、36はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の歪度を求める演算器、37は基準設定モードにお
いて演算器36から出力される歪度を記憶する設定器、
38は演算器36から出力される歪度を設定器37の値
と比較する比較器、39はこの比較器38の比較結果に
基づいて警報を出力する警報器である。
【0087】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器25の出力は、図6の点線に示すように
まず設定器26に出力され、この設定器26に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器25の出力は減算器27に出力され
て、この演算器25の演算結果と設定器26の格納デー
タとの差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の
差)が減算器27により求められる。次に、この減算器
27の出力データ(N個の列データ)の歪度が前記式
(1)〜(3)に基づき演算器36により演算され、設
定器37に格納される。
【0088】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27の出力データの歪度が前記式
(1)〜(3)に基づき演算器36により演算され、こ
の歪度と設定器37に格納された歪度とが比較器38で
比較されて、演算器36から出力される歪度が設定器3
7に格納された歪度の例えば3倍(警報値)を越えたと
き、比較器38から警報器39に異常を示す信号を出力
し、この信号を受けて警報器39が警報を出力する。な
お、この診断モードにおける一連の動作は、例えば一定
のサイクルタイムで繰返される。
【0089】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の歪度が逐次求められて、さらにこの歪
度が正常時の歪度と比較され、正常時との違いが大きく
なったときに警報が出力される。したがって、稼働時に
おける電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すも
のであれば警報が出力されるが、正常時にも検出される
ような自然界にもともと存在している電位変動のみであ
れば、前記歪度は正常時に近いものとなり、警報は出力
されない。
【0090】実施例6.以下、請求項6の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例6は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0091】図7は、この実施例における異常検出処理
装置16の構成を示すブロック図である。図7におい
て、25はA/D変換器12から出力される電位変動信
号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動波
形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、40はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の尖度を求める演算器、41は基準設定モードにお
いて演算器40から出力される尖度を記憶する設定器、
42は演算器40から出力される尖度を設定器41の値
と比較する比較器、43はこの比較器42の比較結果に
基づいて警報を出力する警報器である。
【0092】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器25の出力は、図7の点線に示すように
まず設定器26に出力され、この設定器26に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器25の出力は減算器27に出力され
て、この演算器25の演算結果と設定器26の格納デー
タとの差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の
差)が減算器27により求められる。次に、この減算器
27の出力データ(N個の列データ)の尖度が前記式
(1),(2),(4)に基づき演算器40により演算
され、設定器41に格納される。
【0093】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27の出力データの尖度が前記式
(1),(2),(4)に基づき演算器40により演算
され、この尖度と設定器41に格納された尖度とが比較
器42で比較されて、演算器40から出力される尖度が
設定器41に格納された尖度の例えば3倍(警報値)を
越えたとき、比較器42から警報器43に異常を示す信
号を出力し、この信号を受けて警報器43が警報を出力
する。なお、この診断モードにおける一連の動作は、例
えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0094】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の尖度が逐次求められて、さらにこの尖
度が正常時の尖度と比較され、正常時との違いが大きく
なったときに警報が出力される。したがって、稼働時に
おける電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すも
のであれば警報が出力されるが、正常時にも検出される
ような自然界にもともと存在している電位変動のみであ
れば、前記尖度は正常時に近いものとなり、警報は出力
されない。
【0095】実施例7.以下、請求項7の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例7は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0096】図8は、この実施例における異常検出処理
装置16の構成を示すブロック図である。図8におい
て、25はA/D変換器12から出力される電位変動信
号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動波
形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、44はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の自己回帰モデル係数を求める演算器、45は基準
設定モードにおいて演算器44から出力される自己回帰
モデル係数を記憶する設定器、46は演算器44から出
力される自己回帰モデル係数を設定器45の値と比較す
る比較器、47はこの比較器46の比較結果に基づいて
警報を出力する警報器である。
【0097】ここで、自己回帰モデル係数とは、列デー
タymが与えられた場合に下記式(5),(6)で示さ
れる自己回帰モデルにおける各係数(式(5)における
右辺の係数)をいう。これら係数は、下記式(7),
(8)で定義されるF(M)の値が最小となるように決
定されるものである。なお、式(6),(7),(8)
における次数Mは、極値探索法により決定するが、実デ
ータを予め解析して、最適次数の目安をつけておくと演
算を効率的に進められる。また、式(7),(8)にお
けるεp は式(8)に示すごとく予測値と実測値の差で
あり、通常誤差信号という。
【0098】
【数3】
【0099】そして、次数Mが与えられれば、前記式
(5)で示される自己回帰モデル係数は、最小2乗法に
より求められる。すなわち、具体的には、下記式(9)
〜(11)によりこれら係数を演算することができる。
【0100】
【数4】
【0101】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す列データを演算する。基準設定モードにおいては、こ
の演算器25の出力は、図8の点線に示すようにまず設
定器26に出力され、この設定器26に格納される。そ
して、再度列データYiのサンプリングがされ、このと
きには演算器25の出力は減算器27に出力されて、演
算器25の演算結果と設定器26の格納データとの差
(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)が減
算器27により求められる。次に、この減算器27の出
力データ(N個の列データ)の自己回帰モデル係数が前
記式(9),(10),(11)に基づき演算器44に
より演算され、設定器45に格納される。
【0102】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27の出力データの自己回帰モデ
ル係数が前記式(9),(10),(11)に基づき演
算器44により演算され、この自己回帰モデル係数と設
定器45に格納された自己回帰モデル係数とが比較器4
6で比較されて、演算器44から出力される自己回帰モ
デル係数のいずれかが設定器45に格納された対応する
自己回帰モデル係数の例えば±10パーセント(警報
値)を越えたとき、比較器46から警報器47に異常を
示す信号を出力し、この信号を受けて警報器47が警報
を出力する。なお、この診断モードにおける一連の動作
は、例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0103】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の自己回帰モデル係数が逐次求められ
て、さらにこの自己回帰モデル係数が正常時の自己回帰
モデル係数と比較され、正常時との違いが大きくなった
ときに警報が出力される。したがって、稼働時における
電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すものであ
れば警報が出力されるが、正常時にも検出されるような
自然界にもともと存在している電位変動のみであれば、
前記自己回帰モデル係数は正常時に近いものとなり、警
報は出力されない。
【0104】実施例8.以下、請求項8の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例8は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0105】図9は、この実施例における異常検出処理
装置16の構成を示すブロック図である。図9におい
て、25はA/D変換器12から出力される電位変動信
号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動波
形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、48はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の自己相関関数を求める演算器、49は基準設定モ
ードにおいて演算器48から出力される自己相関関数を
記憶する設定器、50は演算器48から出力される自己
相関関数を設定器49の値と比較する比較器、51はこ
の比較器50の比較結果に基づいて警報を出力する警報
器である。
【0106】ここで、自己相関関数とは、不規則波形の
性質を表す周知の統計量で、波形間の相関の程度を表す
ものであって、例えば時系列データをx(t)とした場
合、下記式(12)で計算されるR(τ)である。な
お、式(12)におけるTの値は、理論的には無限大で
あるべきであるが、実際には調整パラメータとして予め
設定する。また、式(12)におけるτmax の値も調整
パラメータとして予め設定する。
【0107】
【数5】
【0108】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す列データを演算する。基準設定モードにおいては、こ
の演算器25の出力は、図9の点線に示すようにまず設
定器26に出力され、この設定器26に格納される。そ
して、再度列データYiのサンプリングがされ、このと
きには演算器25の出力は減算器27に出力されて、演
算器25の演算結果と設定器26の格納データとの差
(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)が減
算器27により求められる。次に、この減算器27の出
力データ(N個の列データ)の自己相関関数が前記式
(12)に基づき演算器48により演算され、設定器4
9に格納される。
【0109】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27の出力データの自己相関関数
が前記式(12)に基づき演算器48により演算され、
この自己相関関数と設定器49に格納された自己相関関
数とが比較器50で比較されて、演算器48から出力さ
れる自己相関関数が設定器49に格納された自己相関関
数の例えば±10パーセント(警報値)を越えたとき、
比較器50から警報器51に異常を示す信号を出力し、
この信号を受けて警報器51が警報を出力する。なお、
この診断モードにおける一連の動作は、例えば一定のサ
イクルタイムで繰返される。
【0110】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の自己相関関数が逐次求められて、さら
にこの自己相関関数が正常時の自己相関関数と比較さ
れ、正常時との違いが大きくなったときに警報が出力さ
れる。したがって、稼働時における電位変動が絶縁劣化
等による異常な性質を示すものであれば警報が出力され
るが、正常時にも検出されるような自然界にもともと存
在している電位変動のみであれば、前記自己相関関数は
正常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0111】実施例9.以下、請求項9の発明の一実施
例を図について説明する。なお、この実施例9は異常検
出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装置全体
の構成は図1に示される実施例1の構成と同様であるの
で、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構成要素
には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を使用
し、それらの説明は省略する。
【0112】図10は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図10にお
いて、25はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、52はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の自己相関関数の2乗和を求める演算器、53は基
準設定モードにおいて演算器52から出力される自己相
関関数の2乗和を記憶する設定器、54は演算器52か
ら出力される自己相関関数の2乗和を設定器53の値と
比較する比較器、55はこの比較器54の比較結果に基
づいて警報を出力する警報器である。
【0113】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す列データを演算する。基準設定モードにおいては、こ
の演算器25の出力は、図9の点線に示すようにまず設
定器26に出力され、この設定器26に格納される。そ
して、再度列データYiのサンプリングがされ、このと
きには演算器25の出力は減算器27に出力されて、演
算器25の演算結果と設定器26の格納データとの差
(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)が減
算器27により求められる。次に、この減算器27の出
力データ(N個の列データ)の自己相関関数の2乗和が
前記式(12)に基づき演算器52により演算され、設
定器53に格納される。
【0114】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27の出力データの自己相関関数
の2乗和が前記式(12)に基づき演算器52により演
算され、この自己相関関数の2乗和と設定器53に格納
された自己相関関数の2乗和とが比較器54で比較され
て、演算器52から出力される自己相関関数の2乗和が
設定器53に格納された自己相関関数の2乗和の例えば
±10パーセント(警報値)を越えたとき、比較器54
から警報器55に異常を示す信号を出力し、この信号を
受けて警報器55が警報を出力する。なお、この診断モ
ードにおける一連の動作は、例えば一定のサイクルタイ
ムで繰返される。
【0115】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の自己相関関数の2乗和が逐次求められ
て、さらにこの自己相関関数の2乗和が正常時の自己相
関関数の2乗和と比較され、正常時との違いが大きくな
ったときに警報が出力される。したがって、稼働時にお
ける電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すもの
であれば警報が出力されるが、正常時にも検出されるよ
うな自然界にもともと存在している電位変動のみであれ
ば、前記自己相関関数の2乗和は正常時に近いものとな
り、警報は出力されない。
【0116】実施例10.以下、請求項10の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例10は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0117】図11は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図11にお
いて、25はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、56はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)のKullbackの情報量基準を求める演算器、57は基
準設定モードにおいて演算器56から出力されるKullba
ckの情報量基準を記憶する設定器、58は演算器56か
ら出力されるKullbackの情報量基準を設定器57の値と
比較する比較器、59はこの比較器58の比較結果に基
づいて警報を出力する警報器である。
【0118】ここで、Kullbackの情報量基準とは、二つ
の確率密度分布を比較するためのメジャーのひとつであ
り、確率密度分布の列データp(x),q(x)が与え
られた場合、下記式(13)で計算されるI[p(x),q
(x)] である。
【0119】
【数6】
【0120】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す列データを演算する。基準設定モードにおいては、こ
の演算器25の出力は、図11の点線に示すようにまず
設定器26に出力され、この設定器26に格納される。
そして、再度列データYiのサンプリングがされ、この
ときには演算器25の出力は減算器27に出力されて、
演算器25の演算結果と設定器26の格納データとの差
(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)が減
算器27により求められる。次に、同様の処理が繰返さ
れてこの減算器27から二種類のデータ(N個の列デー
タ2組)が出力された時点で、これらデータ間のKullba
ckの情報量基準が前記式(13)に基づき演算器56に
より演算され、設定器57に格納される。
【0121】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27からの二つの出力データ間の
Kullbackの情報量基準が前記式(13)に基づき演算器
56により演算され、このKullbackの情報量基準と設定
器57に格納されたKullbackの情報量基準とが比較器5
8で比較されて、演算器56から出力されるKullbackの
情報量基準が設定器57に格納されたKullbackの情報量
基準の例えば±10パーセント(警報値)を越えたと
き、比較器58から警報器59に異常を示す信号を出力
し、この信号を受けて警報器59が警報を出力する。な
お、この診断モードにおける一連の動作は、例えば一定
のサイクルタイムで繰返される。
【0122】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差のKullbackの情報量基準が逐次求められ
て、さらにこのKullbackの情報量基準が正常時のKullba
ckの情報量基準と比較され、正常時との違いが大きくな
ったときに警報が出力される。したがって、稼働時にお
ける電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すもの
であれば警報が出力されるが、正常時にも検出されるよ
うな自然界にもともと存在している電位変動のみであれ
ば、前記Kullbackの情報量基準は正常時に近いものとな
り、警報は出力されない。
【0123】実施例11.以下、請求項11の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例11は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0124】図12は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図12にお
いて、25はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、60はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)のフラクタル次元を求める演算器、61は基準設定
モードにおいて演算器60から出力されるフラクタル次
元を記憶する設定器、62は演算器60から出力される
フラクタル次元を設定器61の値と比較する比較器、6
3はこの比較器62の比較結果に基づいて警報を出力す
る警報器である。
【0125】ここで、フラクタル次元とは、例えば二次
元空間上にある点列の性質を表す周知の指標的数値で、
前記点列を構成する点のうち、前記点列のいずれか一つ
を中心とする半径rの円内に入っている点の数をN
(r)とした場合に、このN(r)に対して下記式(1
4)を満足するυである。したがって、時系列のデータ
郡があれば、これを二次元空間上の点と考えて、このフ
ラクタル次元を求めることができる。
【0126】
【数7】
【0127】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す列データを演算する。基準設定モードにおいては、こ
の演算器25の出力は、図12の点線に示すようにまず
設定器26に出力され、この設定器26に格納される。
そして、再度列データYiのサンプリングがされ、この
ときには演算器25の出力は減算器27に出力されて、
演算器25の演算結果と設定器26の格納データとの差
(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)が減
算器27により求められる。次に、この減算器27から
のデータ(N個の列データ)についてのフラクタル次元
が前記式(14)に基づき演算器60により演算され、
設定器61に格納される。
【0128】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27からの出力データのフラクタ
ル次元が前記式(14)に基づき演算器60により演算
され、このフラクタル次元と設定器61に格納されたフ
ラクタル次元とが比較器62で比較されて、演算器60
から出力されるフラクタル次元が設定器61に格納され
たフラクタル次元の例えば±10パーセント(警報値)
を越えたとき、比較器62から警報器63に異常を示す
信号を出力し、この信号を受けて警報器63が警報を出
力する。なお、この診断モードにおける一連の動作は、
例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0129】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差のフラクタル次元が逐次求められて、さ
らにこのフラクタル次元が正常時のフラクタル次元と比
較され、正常時との違いが大きくなったときに警報が出
力される。したがって、稼働時における電位変動が絶縁
劣化等による異常な性質を示すものであれば警報が出力
されるが、正常時にも検出されるような自然界にもとも
と存在している電位変動のみであれば、前記フラクタル
次元は正常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0130】実施例12.以下、請求項12の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例12は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0131】図13は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図13にお
いて、25はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形の確率密度分布関数を表す列データを演算する演算
器、26は基準設定モードにおいて演算器25から出力
される確率密度分布関数を表す列データを記憶する設定
器、27は演算器25から出力される確率密度分布関数
を表す列データと設定器26の列データとの差を計算す
る減算器、64はこの減算器27の計算結果(列デー
タ)の特徴をIF〜THENなどのルールに基づいて求める演
算器、65は基準設定モードにおいて演算器64から出
力されるIF〜THENなどのルールに基づく特徴を記憶する
設定器、66は演算器64から出力されるIF〜THENなど
のルールに基づく特徴を設定器65の値と比較する比較
器、67はこの比較器66の比較結果に基づいて警報を
出力する警報器である。
【0132】ここで、IF〜THENなどのルールとは、列デ
ータXj (j=1,……,J)の特徴を求めるプログラ
ムであって、例えば下記ステップ1〜4よりなるもので
ある。 [ステップ1]j=1とし、最小値min =Jとしてステ
ップ2に進む。 [ステップ2](IF)j番目のデータXj が予め設定さ
れた基準値以上であり、かつ、番号jが最小値min より
も小さいならば、ステップ3に進む。そうでなければ、
ステップ4に進む。 [ステップ3](THEN)番号jを、基準値以上の値が発
生した発生位置として登録するとともに、前記最小値mi
n として改めて登録する。 [ステップ4]番号jがJに達していなければ、j=j
+1としてステップ2に進む。j=Jとなっていれば処
理を終了する。 なお、以上のステップ1〜4よりなるプログラムによれ
ば、基準値以上である最も若いデータの番号jが前記発
生位置として登録されることになる。
【0133】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器25がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形の確率密度分布関数を表
す列データを演算する。基準設定モードにおいては、こ
の演算器25の出力は、図13の点線に示すようにまず
設定器26に出力され、この設定器26に格納される。
そして、再度列データYiのサンプリングがされ、この
ときには演算器25の出力は減算器27に出力されて、
演算器25の演算結果と設定器26の格納データとの差
(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)が減
算器27により求められる。次に、この減算器27から
のデータ(N個の列データ)の特徴が前記IF〜THENなど
のルールに基づいて演算器64により演算され、基準の
特徴を表すデータ(すなわち、例えば前記発生位置のデ
ータ)として設定器65に格納される。
【0134】一方、診断モードにおいては、演算器25
が演算する確率密度分布関数の列データは常に減算器2
7に出力される。そして、演算器25の演算結果と設定
器26の格納データとの差が減算器27により求められ
る。次に、この減算器27からの出力データの特徴が演
算器64により演算され、この特徴のデータと設定器6
5に格納された前記基準の特徴とが比較器66で比較さ
れて、演算器64から出力される特徴が設定器65に格
納された特徴のデータに一致しないとき、比較器66か
ら警報器67に異常を示す信号を出力し、この信号を受
けて警報器67が警報を出力する。なお、この診断モー
ドにおける一連の動作は、例えば一定のサイクルタイム
で繰返される。
【0135】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す確率密度分布関数
の正常時との差の特徴が逐次求められて、さらにこの特
徴が正常時の基準の特徴と比較され、正常時と一致しな
くなったときに警報が出力される。したがって、稼働時
における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示す
ものであれば警報が出力されるが、正常時にも検出され
るような自然界にもともと存在している電位変動のみで
あれば、前記特徴のデータは正常時と一致し、警報は出
力されない。
【0136】実施例13.以下、請求項13の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例13は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0137】図14は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図14にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、71はこの減算器70の計算結果(列
データ)の平均値を求める演算器、72は基準設定モー
ドにおいて演算器71から出力される平均値を記憶する
設定器、73は演算器71から出力される平均値を設定
器72の値と比較する比較器、74はこの比較器73の
比較結果に基づいて警報を出力する警報器である。
【0138】ここで、パワスペクトル密度とは、不規則
波形の性質を表す周知の統計量で、不規則波形の周波数
成分の分布を表すものである。このパワスペクトル密度
は、前述した自己相関関数と相互にフーリエ変換の関係
にあり、例えば自己相関関数を求めた後にこれをフーリ
エ変換することにより求められる。
【0139】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器68の出力は、図4の点線に示すように
まず設定器69に出力され、この設定器69に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器68の出力は減算器70に出力され
て、この演算器68の演算結果と設定器69の格納デー
タとの差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の
差)が減算器70により求められる。次に、この減算器
70の出力データ(N個の列データ)の平均値が前記式
(1)に基づき演算器71により演算され、設定器72
に格納される。
【0140】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70の出力データの平均値が前
記式(1)に基づき演算器71により演算され、この平
均値と設定器72に格納された平均値とが比較器73で
比較されて、演算器71から出力される平均値が設定器
72に格納された平均値の例えば3倍(警報値)を越え
たとき、比較器73から警報器74に異常を示す信号を
出力し、この信号を受けて警報器74が警報を出力す
る。なお、この診断モードにおける一連の動作は、例え
ば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0141】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の平均値が逐次求められて、さらにこ
の平均値が正常時の平均値と比較され、正常時との違い
が大きくなったときに警報が出力される。したがって、
稼働時における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質
を示すものであれば警報が出力されるが、正常時にも検
出されるような自然界にもともと存在している電位変動
のみであれば、前記平均値は正常時に近いものとなり、
警報は出力されない。
【0142】実施例14.以下、請求項14の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例14は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0143】図15は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図15にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、75はこの減算器70の計算結果(列
データ)の分散値を求める演算器、76は基準設定モー
ドにおいて演算器75から出力される分散値を記憶する
設定器、77は演算器75から出力される分散値を設定
器76の値と比較する比較器、78はこの比較器77の
比較結果に基づいて警報を出力する警報器である。
【0144】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器68の出力は、図5の点線に示すように
まず設定器69に出力され、この設定器69に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器68の出力は減算器70に出力され
て、この演算器68の演算結果と設定器69の格納デー
タとの差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の
差)が減算器70により求められる。次に、この減算器
70の出力データ(N個の列データ)の分散値が前記式
(1),(2)に基づき演算器75により演算され、設
定器76に格納される。
【0145】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70の出力データの分散値が前
記式(1),(2)に基づき演算器75により演算さ
れ、この分散値と設定器76に格納された分散値とが比
較器77で比較されて、演算器75から出力される分散
値が設定器76に格納された分散値の例えば3倍(警報
値)を越えたとき、比較器77から警報器78に異常を
示す信号を出力し、この信号を受けて警報器78が警報
を出力する。なお、この診断モードにおける一連の動作
は、例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0146】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の分散値が逐次求められて、さらにこ
の分散値が正常時の分散値と比較され、正常時との違い
が大きくなったときに警報が出力される。したがって、
稼働時における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質
を示すものであれば警報が出力されるが、正常時にも検
出されるような自然界にもともと存在している電位変動
のみであれば、前記分散値は正常時に近いものとなり、
警報は出力されない。
【0147】実施例15.以下、請求項15の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例15は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0148】図16は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図16にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、79はこの減算器70の計算結果(列
データ)の歪度を求める演算器、80は基準設定モード
において演算器79から出力される歪度を記憶する設定
器、81は演算器79から出力される歪度を設定器80
の値と比較する比較器、82はこの比較器81の比較結
果に基づいて警報を出力する警報器である。
【0149】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器68の出力は、図16の点線に示すよう
にまず設定器69に出力され、この設定器69に格納さ
れる。そして、再度列データYiのサンプリングがさ
れ、このときには演算器68の出力は減算器70に出力
されて、この演算器68の演算結果と設定器69の格納
データとの差(列データのうちの対応する個々のデータ
毎の差)が減算器70により求められる。次に、この減
算器70の出力データ(N個の列データ)の歪度が前記
式(1)〜(3)に基づき演算器79により演算され、
設定器80に格納される。
【0150】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70の出力データの歪度が前記
式(1)〜(3)に基づき演算器79により演算され、
この歪度と設定器80に格納された歪度とが比較器81
で比較されて、演算器79から出力される歪度が設定器
80に格納された歪度の例えば3倍(警報値)を越えた
とき、比較器81から警報器82に異常を示す信号を出
力し、この信号を受けて警報器82が警報を出力する。
なお、この診断モードにおける一連の動作は、例えば一
定のサイクルタイムで繰返される。
【0151】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の歪度が逐次求められて、さらにこの
歪度が正常時の歪度と比較され、正常時との違いが大き
くなったときに警報が出力される。したがって、稼働時
における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示す
ものであれば警報が出力されるが、正常時にも検出され
るような自然界にもともと存在している電位変動のみで
あれば、前記歪度は正常時に近いものとなり、警報は出
力されない。
【0152】実施例16.以下、請求項16の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例16は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0153】図17は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図17にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、83はこの減算器70の計算結果(列
データ)の尖度を求める演算器、84は基準設定モード
において演算器83から出力される尖度を記憶する設定
器、85は演算器83から出力される尖度を設定器84
の値と比較する比較器、86はこの比較器85の比較結
果に基づいて警報を出力する警報器である。
【0154】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す前記列データを演算する。基準設定モードにおいて
は、この演算器68の出力は、図17の点線に示すよう
にまず設定器69に出力され、この設定器69に格納さ
れる。そして、再度列データYiのサンプリングがさ
れ、このときには演算器68の出力は減算器70に出力
されて、この演算器68の演算結果と設定器69の格納
データとの差(列データのうちの対応する個々のデータ
毎の差)が減算器70により求められる。次に、この減
算器70の出力データ(N個の列データ)の尖度が前記
式(1),(2),(4)に基づき演算器83により演
算され、設定器84に格納される。
【0155】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70の出力データの尖度が前記
式(1),(2),(4)に基づき演算器83により演
算され、この尖度と設定器84に格納された尖度とが比
較器85で比較されて、演算器83から出力される尖度
が設定器84に格納された尖度の例えば3倍(警報値)
を越えたとき、比較器85から警報器86に異常を示す
信号を出力し、この信号を受けて警報器86が警報を出
力する。なお、この診断モードにおける一連の動作は、
例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0156】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の尖度が逐次求められて、さらにこの
尖度が正常時の尖度と比較され、正常時との違いが大き
くなったときに警報が出力される。したがって、稼働時
における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示す
ものであれば警報が出力されるが、正常時にも検出され
るような自然界にもともと存在している電位変動のみで
あれば、前記尖度は正常時に近いものとなり、警報は出
力されない。
【0157】実施例17.以下、請求項17の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例17は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0158】図18は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図18にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、87はこの減算器70の計算結果(列
データ)の自己回帰モデル係数を求める演算器、88は
基準設定モードにおいて演算器87から出力される自己
回帰モデル係数を記憶する設定器、89は演算器87か
ら出力される自己回帰モデル係数を設定器88の値と比
較する比較器、90はこの比較器89の比較結果に基づ
いて警報を出力する警報器である。
【0159】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す列データを演算する。基準設定モードにおいては、
この演算器68の出力は、図18の点線に示すようにま
ず設定器69に出力され、この設定器69に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器68の出力は減算器70に出力され
て、演算器68の演算結果と設定器69の格納データと
の差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)
が減算器70により求められる。次に、この減算器70
の出力データ(N個の列データ)の自己回帰モデル係数
が前記式(9),(10),(11)に基づき演算器8
7により演算され、設定器88に格納される。
【0160】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70の出力データの自己回帰モ
デル係数が前記式(9),(10),(11)に基づき
演算器87により演算され、この自己回帰モデル係数と
設定器88に格納された自己回帰モデル係数とが比較器
89で比較されて、演算器87から出力される自己回帰
モデル係数のいずれかが設定器88に格納された対応す
る自己回帰モデル係数の例えば±10パーセント(警報
値)を越えたとき、比較器89から警報器90に異常を
示す信号を出力し、この信号を受けて警報器90が警報
を出力する。なお、この診断モードにおける一連の動作
は、例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0161】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の自己回帰モデル係数が逐次求められ
て、さらにこの自己回帰モデル係数が正常時の自己回帰
モデル係数と比較され、正常時との違いが大きくなった
ときに警報が出力される。したがって、稼働時における
電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すものであ
れば警報が出力されるが、正常時にも検出されるような
自然界にもともと存在している電位変動のみであれば、
前記自己回帰モデル係数は正常時に近いものとなり、警
報は出力されない。
【0162】実施例18.以下、請求項18の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例18は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0163】図19は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図19にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、91はこの減算器70の計算結果(列
データ)の自己相関関数を求める演算器、92は基準設
定モードにおいて演算器91から出力される自己相関関
数を記憶する設定器、93は演算器91から出力される
自己相関関数を設定器92の値と比較する比較器、94
はこの比較器93の比較結果に基づいて警報を出力する
警報器である。
【0164】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す列データを演算する。基準設定モードにおいては、
この演算器68の出力は、図19の点線に示すようにま
ず設定器69に出力され、この設定器69に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器68の出力は減算器70に出力され
て、演算器68の演算結果と設定器69の格納データと
の差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)
が減算器70により求められる。次に、この減算器70
の出力データ(N個の列データ)の自己相関関数が前記
式(12)に基づき演算器91により演算され、設定器
92に格納される。
【0165】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70の出力データの自己相関関
数が前記式(12)に基づき演算器91により演算さ
れ、この自己相関関数と設定器92に格納された自己相
関関数とが比較器93で比較されて、演算器91から出
力される自己相関関数が設定器92に格納された自己相
関関数の例えば±10パーセント(警報値)を越えたと
き、比較器93から警報器94に異常を示す信号を出力
し、この信号を受けて警報器94が警報を出力する。な
お、この診断モードにおける一連の動作は、例えば一定
のサイクルタイムで繰返される。
【0166】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の自己相関関数が逐次求められて、さ
らにこの自己相関関数が正常時の自己相関関数と比較さ
れ、正常時との違いが大きくなったときに警報が出力さ
れる。したがって、稼働時における電位変動が絶縁劣化
等による異常な性質を示すものであれば警報が出力され
るが、正常時にも検出されるような自然界にもともと存
在している電位変動のみであれば、前記自己相関関数は
正常時に近いものとなり、警報は出力されない。
【0167】実施例19.以下、請求項19の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例19は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0168】図20は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図20にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、95はこの減算器70の計算結果(列
データ)の自己相関関数の2乗和を求める演算器、96
は基準設定モードにおいて演算器95から出力される自
己相関関数の2乗和を記憶する設定器、97は演算器9
5から出力される自己相関関数の2乗和を設定器96の
値と比較する比較器、98はこの比較器97の比較結果
に基づいて警報を出力する警報器である。
【0169】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す列データを演算する。基準設定モードにおいては、
この演算器68の出力は図20の点線に示すようにまず
設定器69に出力され、この設定器69に格納される。
そして、再度列データYiのサンプリングがされ、この
ときには演算器68の出力は減算器70に出力されて、
演算器68の演算結果と設定器69の格納データとの差
(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)が減
算器70により求められる。次に、この減算器70の出
力データ(N個の列データ)の自己相関関数の2乗和が
前記式(12)に基づき演算器95により演算され、設
定器96に格納される。
【0170】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70の出力データの自己相関関
数の2乗和が前記式(12)に基づき演算器95により
演算され、この自己相関関数の2乗和と設定器96に格
納された自己相関関数の2乗和とが比較器97で比較さ
れて、演算器95から出力される自己相関関数の2乗和
が設定器96に格納された自己相関関数の2乗和の例え
ば±10パーセント(警報値)を越えたとき、比較器9
7から警報器98に異常を示す信号を出力し、この信号
を受けて警報器98が警報を出力する。なお、この診断
モードにおける一連の動作は、例えば一定のサイクルタ
イムで繰返される。
【0171】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の自己相関関数の2乗和が逐次求めら
れて、さらにこの自己相関関数の2乗和が正常時の自己
相関関数の2乗和と比較され、正常時との違いが大きく
なったときに警報が出力される。したがって、稼働時に
おける電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すも
のであれば警報が出力されるが、正常時にも検出される
ような自然界にもともと存在している電位変動のみであ
れば、前記自己相関関数の2乗和は正常時に近いものと
なり、警報は出力されない。
【0172】実施例20.以下、請求項20の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例20は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0173】図21は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図21にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、99はこの減算器70の計算結果(列
データ)のKullbackの情報量基準を求める演算器、10
0は基準設定モードにおいて演算器99から出力される
Kullbackの情報量基準を記憶する設定器、101は演算
器99から出力されるKullbackの情報量基準を設定器1
00の値と比較する比較器、102はこの比較器101
の比較結果に基づいて警報を出力する警報器である。
【0174】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す列データを演算する。基準設定モードにおいては、
この演算器68の出力は、図11の点線に示すようにま
ず設定器69に出力され、この設定器69に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器68の出力は減算器70に出力され
て、演算器68の演算結果と設定器69の格納データと
の差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)
が減算器70により求められる。次に、同様の処理が繰
返されてこの減算器70から二種類のデータ(N個の列
データ2組)が出力された時点で、これらデータ間のKu
llbackの情報量基準が前記式(13)に基づき演算器9
9により演算され、設定器100に格納される。
【0175】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70からの二つの出力データ間
のKullbackの情報量基準が前記式(13)に基づき演算
器99により演算され、このKullbackの情報量基準と設
定器100に格納されたKullbackの情報量基準とが比較
器101で比較されて、演算器99から出力されるKull
backの情報量基準が設定器100に格納されたKullback
の情報量基準の例えば±10パーセント(警報値)を越
えたとき、比較器101から警報器102に異常を示す
信号を出力し、この信号を受けて警報器102が警報を
出力する。なお、この診断モードにおける一連の動作
は、例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0176】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差のKullbackの情報量基準が逐次求めら
れて、さらにこのKullbackの情報量基準が正常時のKull
backの情報量基準と比較され、正常時との違いが大きく
なったときに警報が出力される。したがって、稼働時に
おける電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示すも
のであれば警報が出力されるが、正常時にも検出される
ような自然界にもともと存在している電位変動のみであ
れば、前記Kullbackの情報量基準は正常時に近いものと
なり、警報は出力されない。
【0177】実施例21.以下、請求項21の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例21は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0178】図22は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図22にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、103はこの減算器70の計算結果
(列データ)のフラクタル次元を求める演算器、104
は基準設定モードにおいて演算器103から出力される
フラクタル次元を記憶する設定器、105は演算器10
3から出力されるフラクタル次元を設定器104の値と
比較する比較器、106はこの比較器105の比較結果
に基づいて警報を出力する警報器である。
【0179】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す列データを演算する。基準設定モードにおいては、
この演算器68の出力は、図22の点線に示すようにま
ず設定器69に出力され、この設定器69に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器68の出力は減算器70に出力され
て、演算器68の演算結果と設定器69の格納データと
の差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)
が減算器70により求められる。次に、この減算器70
からのデータ(N個の列データ)についてのフラクタル
次元が前記式(14)に基づき演算器103により演算
され、設定器104に格納される。
【0180】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70からの出力データのフラク
タル次元が前記式(14)に基づき演算器103により
演算され、このフラクタル次元と設定器104に格納さ
れたフラクタル次元とが比較器105で比較されて、演
算器103から出力されるフラクタル次元が設定器10
4に格納されたフラクタル次元の例えば±10パーセン
ト(警報値)を越えたとき、比較器105から警報器1
06に異常を示す信号を出力し、この信号を受けて警報
器106が警報を出力する。なお、この診断モードにお
ける一連の動作は、例えば一定のサイクルタイムで繰返
される。
【0181】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差のフラクタル次元が逐次求められて、
さらにこのフラクタル次元が正常時のフラクタル次元と
比較され、正常時との違いが大きくなったときに警報が
出力される。したがって、稼働時における電位変動が絶
縁劣化等による異常な性質を示すものであれば警報が出
力されるが、正常時にも検出されるような自然界にもと
もと存在している電位変動のみであれば、前記フラクタ
ル次元は正常時に近いものとなり、警報は出力されな
い。
【0182】実施例22.以下、請求項22の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例22は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0183】図23は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図23にお
いて、68はA/D変換器12から出力される電位変動
信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変動
波形のパワスペクトル密度を表す列データを演算する演
算器、69は基準設定モードにおいて演算器68から出
力されるパワスペクトル密度を表す列データを記憶する
設定器、70は演算器68から出力されるパワスペクト
ル密度を表す列データと設定器69の列データとの差を
計算する減算器、107はこの減算器70の計算結果
(列データ)の特徴を前述したIF〜THENなどのルールに
基づいて求める演算器、108は基準設定モードにおい
て演算器107から出力されるIF〜THENなどのルールに
基づく特徴を記憶する設定器、109は演算器107か
ら出力されるIF〜THENなどのルールに基づく特徴を設定
器108のデータと比較する比較器、110はこの比較
器109の比較結果に基づいて警報を出力する警報器で
ある。
【0184】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器68がこの列デ
ータYiをもとに電位変動波形のパワスペクトル密度を
表す列データを演算する。基準設定モードにおいては、
この演算器68の出力は、図23の点線に示すようにま
ず設定器69に出力され、この設定器69に格納され
る。そして、再度列データYiのサンプリングがされ、
このときには演算器68の出力は減算器70に出力され
て、演算器68の演算結果と設定器69の格納データと
の差(列データのうちの対応する個々のデータ毎の差)
が減算器70により求められる。次に、この減算器70
からのデータ(N個の列データ)の特徴が前述したIF〜
THENなどのルールに基づいて演算器107により演算さ
れ、基準の特徴のデータとして設定器108に格納され
る。
【0185】一方、診断モードにおいては、演算器68
が演算するパワスペクトル密度の列データは常に減算器
70に出力される。そして、演算器68の演算結果と設
定器69の格納データとの差が減算器70により求めら
れる。次に、この減算器70からの出力データの前記IF
〜THENなどのルールに基づく特徴が演算器107により
演算され、この特徴と設定器108に格納された特徴と
が比較器109で比較されて、演算器107から出力さ
れる特徴のデータが設定器108に格納された基準の特
徴のデータに一致しないとき、比較器109から警報器
110に異常を示す信号を出力し、この信号を受けて警
報器110が警報を出力する。なお、この診断モードに
おける一連の動作は、例えば一定のサイクルタイムで繰
返される。
【0186】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すパワスペクトル密
度の正常時との差の特徴が逐次求められて、さらにこの
特徴が正常時の基準の特徴と比較され、正常時と一致し
なくなったときに警報が出力される。したがって、稼働
時における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示
すものであれば警報が出力されるが、正常時にも検出さ
れるような自然界にもともと存在している電位変動のみ
であれば、前記特徴のデータは正常時と一致し、警報は
出力されない。
【0187】実施例23.以下、請求項23の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例23は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0188】図24は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図24にお
いて、111はA/D変換器12から出力される電位変
動信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変
動波形の自己回帰モデル係数を求める演算器、112は
基準設定モードにおいて演算器111から出力される自
己回帰モデル係数を記憶する設定器、113は演算器1
11から出力される自己回帰モデル係数と設定器112
の自己回帰モデル係数とを比較する比較器、114はこ
の比較器113の比較結果に基づいて警報を出力する警
報器である。
【0189】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器111がこの列
データYiをもとに電位変動波形の自己回帰モデル係数
を演算する。基準設定モードにおいては、この演算器1
11の出力は、図24の点線に示すように設定器112
に出力され、この設定器112に格納される。そして、
診断モードにおいては、演算器111が演算する自己回
帰モデル係数は常に比較器113に出力される。そし
て、演算器111の演算結果と設定器112の格納デー
タとが比較器113により比較されて、演算器111か
ら出力される自己回帰モデル係数のいずれかが設定器1
12に格納された対応する自己回帰モデル係数の例えば
3倍(警報値)を越えたとき、比較器113から警報器
114に異常を示す信号を出力し、この信号を受けて警
報器114が警報を出力する。なお、この診断モードに
おける一連の動作は、例えば一定のサイクルタイムで繰
返される。
【0190】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表す自己回帰モデル係
数が逐次求められて、さらにこの自己回帰モデル係数が
正常時の自己回帰モデル係数と比較され、正常時との違
いが大きくなったときに警報が出力される。したがっ
て、稼働時における電位変動が絶縁劣化等による異常な
性質を示すものであれば警報が出力されるが、正常時に
も検出されるような自然界にもともと存在している電位
変動のみであれば、前記自己回帰モデル係数は正常時に
近いものとなり、警報は出力されない。
【0191】実施例24.以下、請求項24の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例24は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0192】図25は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図25にお
いて、117はA/D変換器12から出力される電位変
動信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変
動波形の自己回帰モデル係数を演算するとともに、この
自己回帰モデル係数を記憶する演算器、116は演算器
117から出力される自己回帰モデル係数を使用して前
記式(5)の演算を行ない列データYiの予測値を求め
る演算器、118はこの演算器116の演算結果に基づ
いて前記式(8)の演算を行ない誤差信号を求める演算
器、115は基準設定モードにおいて演算器118から
出力される誤差信号から式(7)の演算を行なう演算
器、119は演算器118から出力される誤差信号から
下記式(15)により自己相関関数を求める演算器、1
20は警報値を格納する設定器、121は演算器119
からの出力と設定器120の値とを比較して下記式(1
6)が満足されたか否か判断する比較器、122はこの
比較器121の判断結果に基づき警報を出力する警報
器、123は他の警報値を格納する設定器、124は演
算器119からの出力と設定器123の値とを比較して
下記式(17)又は(18)が満足されたか否か判断す
る比較器、125はこの比較器124の判断結果に基づ
き警報を出力する警報器である。
【0193】
【数8】
【0194】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力する。 基準設定モードに
おいては、まず、演算器117がこの列データYiをも
とに前記式(9),(10),(11)により電位変動
波形の自己回帰モデル係数を表す列データを演算する。
ついで、この演算器117が演算した自己回帰モデル係
数を使用して演算器116が前記式(5)の演算を行な
って各データYiの予測値を求め、次にこの予測値と入
力データYiとから演算器118が前記式(8)の演算
を行なって誤差信号εj (M+1≦j≦N)を求める。
さらに、演算器118から出力された誤差信号εj に基
づいて演算器119が前記式(7)によりF(M)を求
めこれを演算器117に出力する。
【0195】そして、以上の動作(図25において点線
で示す信号の流れ)が複数回繰返されている過程で、演
算器117は、演算器115から出力される前記F
(M)の値が最小となる自己回帰モデル係数を判断し、
これを内部のメモリに格納する。
【0196】診断モードにおいては、演算器116が演
算器117に格納された自己回帰モデル係数を使用して
前記式(5)の演算を行なって各データYiの予測値を
求め、次にこの予測値と入力データYiとから演算器1
18が前記式(8)の演算を行なって誤差信号εj (M
+1≦j≦N)を求める。ついで、演算器119が前記
式(15)によりこの誤差信号εi の自己相関関数φk
(i)(k=0,…,J)を求め、比較器121あるいは比較
器124に出力する。比較器121では、この自己相関
関数φk (i)のk=0の値を設定器120に設定され
た警報値Ld2と比較し、前記式(16)が満足される
と異常を示す信号を警報器122に出力し、これを受け
て警報器122が警報を出力する。また、比較器124
では、この自己相関関数φk (i)のk=3〜Jの値を
設定器123に設定された警報値Ld1 と比較し、前記
式(17)あるいは(18)のいずれかが満足されると
異常を示す信号を警報器125に出力し、これを受けて
警報器125が警報を出力する。
【0197】なお、この診断モードにおける一連の動作
は、例えば一定のサイクルタイムで繰返される。また、
警報値Ld1 あるいは警報値Ld2 の値は、例えば正常
時における誤差信号の自己相関関数の分散値の例えば3
倍に設定する。また、演算器117の自己回帰モデル係
数は例えば1年程度毎に更新される。
【0198】上記実施例の絶縁診断装置は上記のように
動作するから、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開
閉装置1で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時
に、上記基準設定モードの動作を行なっておき、その後
の稼働時には、上記診断モードの動作を行なうようにす
れば、稼働時における電位変動波形の正常時との違いを
表す誤差信号の自己相関関数が逐次求められて、さらに
この自己相関関数が正常時の値をもとに設定された警報
値と比較され、この違いが大きくなったときに警報が出
力される。したがって、稼働時における電位変動が絶縁
劣化等による異常な性質を示すものであれば警報が出力
されるが、正常時にも検出されるような自然界にもとも
と存在している電位変動のみであれば、前記自己相関関
数が警報値を越えることはなく、警報は出力されない。
【0199】なお、図26は上記誤差信号の自己相関関
数のデータ例を示すグラフであり、曲線(a)は正常時
のものを示し、曲線(b)は部分放電等が発生した異常
時のものを示している。この図26から分るように、正
常時には、kが1〜2以上で急速に減衰し低い値をと
る。この性質は前記式(7)が最小となるように自己回
帰モデルを決定したことで、理論的にも保障されてい
る。ところが、部分放電等が生じて電位変動信号の動的
特性に変化を生ずると、曲線(b)の如く大きく振動
し、kの値が大きくなっても減衰しない。本発明はこの
性質に着目したものであり、k=3〜Jの自己相関関数
φk (i)を特に監視することにより、僅かな異常をも
自然界に通常存在する電位変動と区別して検出できるも
のである。
【0200】実施例25.以下、請求項25の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例25は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0201】図27は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図27にお
いて、117はA/D変換器12から出力される電位変
動信号の列データYi(i=1,……,N)から電位変
動波形の自己回帰モデル係数を演算するとともに、この
自己回帰モデル係数を記憶する演算器、116は演算器
117から出力される自己回帰モデル係数を使用して前
記式(5)の演算を行ない列データYiの予測値を求め
る演算器、118はこの演算器116の演算結果に基づ
いて前記式(8)の演算を行ない誤差信号を求める演算
器、115は基準設定モードにおいて演算器118から
出力される誤差信号から式(7)の演算を行なう演算
器、129は演算器118から出力される誤差信号から
前記式(15)に基づき自己相関関数の2乗和を求める
演算器、130は基準設定モードにおいて正常時の演算
器129の出力を格納する設定器、131は演算器12
9からの出力と設定器130の値とを比較する比較器、
132はこの比較器121の判断結果に基づき警報を出
力する警報器である。
【0202】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力する。 基準設定モードに
おいては、まず、演算器117がこの列データYiをも
とに前記式(9),(10),(11)により電位変動
波形の自己回帰モデル係数を表す列データを演算する。
ついで、この演算器117が演算した自己回帰モデル係
数を使用して演算器116が前記式(5)の演算を行な
って各データYiの予測値を求め、次にこの予測値と入
力データYiとから演算器118が前記式(8)の演算
を行なって誤差信号εj (M+1≦j≦N)を求める。
さらに、演算器118から出力された誤差信号εj に基
づいて演算器119が前記式(7)によりF(M)を求
めこれを演算器117に出力する。
【0203】そして、以上の動作(図27において点線
で示す信号の流れ)が複数回繰返されてる過程で、演算
器117は、演算器115から出力される前記F(M)
の値が最小となる自己回帰モデル係数を判断し、これを
内部のメモリに格納する。
【0204】診断モードにおいては、演算器116が演
算器117に格納された自己回帰モデル係数を使用して
前記式(5)の演算を行なって各データYiの予測値を
求め、次にこの予測値と入力データYiとから演算器1
18が前記式(8)の演算を行なって誤差信号εj (M
+1≦j≦N)を求める。ついで、演算器129が前記
式(15)に基づきこの誤差信号εi の自己相関関数φ
k (i)(k=0,…,J)の2乗和を求め、比較器131に
出力する。比較器131では、この自己相関関数φk
(i)の2乗和が設定器130に設定された値の例えば
3倍(警報値)を越えたときに異常を示す信号を警報器
132に出力し、これを受けて警報器132が警報を出
力する。なお、この診断モードにおける一連の動作は、
例えば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0205】上記実施例の絶縁診断装置は以上のように
動作するから、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開
閉装置1で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時
に、上記基準設定モードの動作を行なっておき、その後
の稼働時には、上記診断モードの動作を行なうようにす
れば、稼働時における電位変動波形の正常時との違いを
表す誤差信号の自己相関関数の2乗和が逐次求められ
て、さらにこの自己相関関数の2乗和が正常時の値と比
較され、この違いが大きくなったときに警報が出力され
る。したがって、稼働時における電位変動が絶縁劣化等
による異常な性質を示すものであれば警報が出力される
が、正常時にも検出されるような自然界にもともと存在
している電位変動のみであれば、前記自己相関関数の2
乗和が警報値を越えることはなく、警報は出力されな
い。
【0206】実施例26.以下、請求項26の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例26は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0207】図28は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図28にお
いて、133はA/D変換器12から出力される電位変
動信号の列データYi(i=1,……,N)からKullba
ckの情報量基準を演算する演算器、134は基準設定モ
ードにおいて演算器133から出力されるKullbackの情
報量基準を記憶する設定器、135は演算器133から
出力されるKullbackの情報量基準を設定器134の値と
比較する比較器、136はこの比較器135の比較結果
に基づいて警報を出力する警報器である。
【0208】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器133がこの列
データYiのうちの2組について式(13)に基づくKu
llbackの情報量基準を演算する。基準設定モードにおい
ては、この演算器133の出力は、図28の点線に示す
ように設定器134に出力され、この設定器134に格
納される。
【0209】一方、診断モードにおいては、演算器13
3が演算するKullbackの情報量基準は比較器135に出
力される。そして、比較器135は、例えば演算器13
3から出力されるKullbackの情報量基準が設定器134
に格納されたKullbackの情報量基準の例えば3倍(警報
値)を越えたとき、警報器136に異常を示す信号を出
力し、この信号を受けて警報器136が警報を出力す
る。なお、この診断モードにおける一連の動作は、例え
ば一定のサイクルタイムで繰返される。
【0210】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すKullbackの情報量
基準が逐次求められて正常時と比較され、正常時との違
いが大きくなったときに警報が出力される。したがっ
て、稼働時における電位変動が絶縁劣化等による異常な
性質を示すものであれば警報が出力されるが、正常時に
も検出されるような自然界にもともと存在している電位
変動のみであれば、前記Kullbackの情報量基準は正常時
に近いものとなり、警報は出力されない。
【0211】実施例27.以下、請求項27の発明の一
実施例を図について説明する。なお、この実施例27は
異常検出処理装置の内部構成に特徴を有し、絶縁診断装
置全体の構成は図1に示される実施例1の構成と同様で
あるので、異常検出処理装置の内部構成要素を除く各構
成要素には実施例1と同様の符号(図1に示すもの)を
使用し、それらの説明は省略する。
【0212】図29は、この実施例における異常検出処
理装置16の構成を示すブロック図である。図29にお
いて、137はA/D変換器12から出力される電位変
動信号の列データYi(i=1,……,N)からフラク
タル次元を演算する演算器、138は基準設定モードに
おいて演算器137から出力されるフラクタル次元を記
憶する設定器、139は演算器137から出力されるフ
ラクタル次元を設定器138の値と比較する比較器、1
40はこの比較器139の比較結果に基づいて警報を出
力する警報器である。
【0213】次に動作について説明する。A/D変換器
12は、フィルタ10から出力される電位変動信号を等
時間隔ごとにサンプリングしてN個の時系列データYi
(i=1,……,N)を出力し、演算器137がこの列
データYiについて式(14)に基づくフラクタル次元
を演算する。基準設定モードにおいては、この演算器1
37の出力は、図29の点線に示すように設定器138
に出力され、この設定器138に格納される。
【0214】一方、診断モードにおいては、演算器13
7が演算するフラクタル次元は比較器139に出力され
る。そして、比較器139は、例えば演算器137から
出力されるフラクタル次元が設定器138に格納された
フラクタル次元の例えば3倍(警報値)を越えたとき、
警報器140に異常を示す信号を出力し、この信号を受
けて警報器140が警報を出力する。なお、この診断モ
ードにおける一連の動作は、例えば一定のサイクルタイ
ムで繰返される。
【0215】このため、上記実施例の絶縁診断装置によ
ると、製造時あるいは据付け時等のガス絶縁開閉装置1
で絶縁劣化や絶縁破壊が生じていない正常時に、上記基
準設定モードの動作を行なっておき、その後の稼働時に
は、上記診断モードの動作を行なうようにすれば、稼働
時における電位変動波形の性質を表すフラクタル次元が
逐次求められて正常時と比較され、正常時との違いが大
きくなったときに警報が出力される。したがって、稼働
時における電位変動が絶縁劣化等による異常な性質を示
すものであれば警報が出力されるが、正常時にも検出さ
れるような自然界にもともと存在している電位変動のみ
であれば、前記フラクタル次元は正常時に近いものとな
り、警報は出力されない。
【0216】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜27の発明に
よれば、ガス絶縁開閉装置の外被間の電位変動を自然界
に存在する通常の電位変動と区別して検出でき、微小な
部分放電等の異常も早期に発見することが可能となり、
ガス絶縁開閉装置の故障を未然に防止して電力系統の信
頼性向上に大きく貢献できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜27の発明の一実施例によるガス絶
縁開閉装置の絶縁診断装置を示すブロック図である。
【図2】請求項1の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図3】請求項2の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図4】請求項3の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図5】請求項4の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図6】請求項5の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図7】請求項6の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図8】請求項7の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図9】請求項8の発明における異常検出処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図10】請求項9の発明における異常検出処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図11】請求項10の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図12】請求項11の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図13】請求項12の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図14】請求項13の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図15】請求項14の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図16】請求項15の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図17】請求項16の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図18】請求項17の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図19】請求項18の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図20】請求項19の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図21】請求項20の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図22】請求項21の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図23】請求項22の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図24】請求項23の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図25】請求項24の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図26】請求項24の発明における異常検出処理装置
の作用を示す図である。
【図27】請求項25の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図28】請求項26の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図29】請求項27の発明における異常検出処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図30】従来のガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1 ガス絶縁開閉装置 2 外被 3 絶縁物(スペーサ) 8 電位検出器 10 フィルタ 16 異常検出処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−215074(JP,A) 特開 平4−204270(JP,A) 特開 平1−278222(JP,A) 特開 平4−140673(JP,A) 特開 平4−278471(JP,A) 特開 平4−204065(JP,A) 特開 昭62−134574(JP,A) 実開 平5−60138(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02G 5/06 - 5/08 H02B 13/06 G01R 31/12

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の歪度を演算し、当該診
    断時の歪度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なと
    きに前記フィルタにより抽出された変動成分の波形の歪
    度であって予め求めた基準値とを比較して、当該診断時
    の歪度が前記基準値に対して所定の関係を越えたときに
    警報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス絶縁開
    閉装置の絶縁診断装置。
  2. 【請求項2】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の尖度を演算し、当該診
    断時の尖度と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なと
    きに前記フィルタにより抽出された変動成分の波形の尖
    度であって予め求めた基準値とを比較して、当該診断時
    の尖度が前記基準値に対して所定の関係を越えたときに
    警報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス絶縁開
    閉装置の絶縁診断装置。
  3. 【請求項3】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を演
    算し、次に当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁
    開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより
    抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数であって
    予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の
    平均値を求め、当該平均値が所定の警報値を越えたとき
    に警報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス絶縁
    開閉装置の絶縁診断装置。
  4. 【請求項4】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を演
    算し、次に当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁
    開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより
    抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数であって
    予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の
    分散値を求め、当該分散値が所定の警報値を越えたとき
    に警報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス絶縁
    開閉装置の絶縁診断装置。
  5. 【請求項5】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を演
    算し、次に当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁
    開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより
    抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数であって
    予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の
    歪度を求め、当該歪度が所定の警報値を越えたときに警
    報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス絶縁開閉
    装置の絶縁診断装置。
  6. 【請求項6】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を演
    算し、次に当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁
    開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより
    抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数であって
    予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の
    尖度を求め、当該尖度が所定の警報値を越えたときに警
    報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス絶縁開閉
    装置の絶縁診断装置。
  7. 【請求項7】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を演
    算し、当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉
    装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出
    された変動成分の波形の確率密度分布関数であって予め
    求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の自己
    回帰モデル係数を求め、当該自己回帰モデル係数が所定
    の警報値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装
    置とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  8. 【請求項8】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を演
    算し、当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉
    装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出
    された変動成分の波形の確率密度分布関数であって予め
    求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の自己
    相関関数を求め、当該自己相関関数が所定の警報値を越
    えたときに警報を出力する異常検出処理装置とを備えた
    ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  9. 【請求項9】 ガス絶縁開閉装置における一つのシース
    外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離され
    た他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出器
    と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分を
    抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタに
    より抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を演
    算し、当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開閉
    装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽出
    された変動成分の波形の確率密度分布関数であって予め
    求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差の自己
    相関関数を求め、当該自己相関関数の2乗和が所定の警
    報値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装置と
    を備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  10. 【請求項10】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を
    演算し、当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開
    閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽
    出された変動成分の波形の確率密度分布関数であって予
    め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差のKu
    llbackの情報量基準を求め、当該Kullbackの情報量基準
    が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常検出
    処理装置とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  11. 【請求項11】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を
    演算し、当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開
    閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽
    出された変動成分の波形の確率密度分布関数であって予
    め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの差のフ
    ラクタル次元を求め、当該フラクタル次元が所定の警報
    値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装置とを
    備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  12. 【請求項12】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形の確率密度分布関数を
    演算し、当該診断時の確率密度分布関数と、ガス絶縁開
    閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽
    出された変動成分の波形の確率密度分布関数であって予
    め求めた基準データとの差を演算し、次にこの差の特徴
    をIF〜THENなどのルールに基づいて求め、さらに当該診
    断時の特徴と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なと
    きに前記フィルタにより抽出された複数の変動成分の波
    形の確率密度分布関数の差の前記ルールに基づく特徴で
    あって予め求めた基準の特徴とを比較し、前記診断時の
    特徴が前記基準の特徴に対して所定の関係を越えたとき
    に警報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス絶縁
    開閉装置の絶縁診断装置。
  13. 【請求項13】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガ
    ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    であって予め求めた基準データとの差を演算し、さらに
    この差の平均値を求め、当該平均値が所定の警報値を越
    えたときに警報を出力する異常検出処理装置とを備えた
    ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  14. 【請求項14】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガ
    ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    であって予め求めた基準データとの差を演算し、さらに
    この差の分散値を求め、当該分散値が所定の警報値を越
    えたときに警報を出力する異常検出処理装置とを備えた
    ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  15. 【請求項15】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガ
    ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    であって予め求めた基準データとの差を演算し、さらに
    この差の歪度を求め、当該歪度が所定の警報値を越えた
    ときに警報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス
    絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  16. 【請求項16】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、次に当該診断時のパワスペクトル密度と、ガ
    ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    であって予め求めた基準データとの差を演算し、さらに
    この差の尖度を求め、当該尖度が所定の警報値を越えた
    ときに警報を出力する異常検出処理装置とを備えたガス
    絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  17. 【請求項17】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの
    差の自己回帰モデル係数を求め、当該自己回帰モデル係
    数が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常検
    出処理装置とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装
    置。
  18. 【請求項18】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの
    差の自己相関関数を求め、当該自己相関関数が所定の警
    報値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装置と
    を備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  19. 【請求項19】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの
    差の自己相関関数を求め、当該自己相関関数の2乗和が
    所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常検出処
    理装置とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  20. 【請求項20】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの
    差のKullbackの情報量基準を求め、当該Kullbackの情報
    量基準が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異
    常検出処理装置とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断
    装置。
  21. 【請求項21】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、さらにこの
    差のフラクタル次元を求め、当該フラクタル次元が所定
    の警報値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装
    置とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  22. 【請求項22】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度
    を演算し、当該診断時のパワスペクトル密度と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形のパワスペクトル密度であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、次にこの差
    の特徴をIF〜THENなどのルールに基づいて求め、さらに
    当該診断時の特徴と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正
    常なときに前記フィルタにより抽出された複数の変動成
    分の波形のパワスペクトル密度の差の前記ルールに基づ
    く特徴であって予め求めた基準の特徴とを比較し、前記
    診断時の特徴が前記基準の特徴に対して所定の関係を越
    えたときに警報を出力する異常検出処理装置とを備えた
    ガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  23. 【請求項23】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形の自己回帰モデル係数
    を演算し、次に当該診断時の自己回帰モデル係数と、ガ
    ス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形の自己回帰モデル係数
    であって予め求めた基準データとの差を演算し、この差
    が所定の警報値を越えたときに警報を出力する異常検出
    処理装置とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  24. 【請求項24】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形の自己回帰モデル係数
    を演算し、当該診断時の自己回帰モデル係数と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形の自己回帰モデル係数であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、この差の自
    己相関関数を求め、当該自己相関関数が所定の警報値を
    越えたときに警報を出力する異常検出処理装置とを備え
    たガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  25. 【請求項25】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形の自己回帰モデル係数
    を演算し、当該診断時の自己回帰モデル係数と、ガス絶
    縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタによ
    り抽出された変動成分の波形の自己回帰モデル係数であ
    って予め求めた基準データとの差を演算し、この差の自
    己相関関数を求め、当該自己相関関数の2乗和が所定の
    警報値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装置
    とを備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
  26. 【請求項26】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のKullbackの情報量基
    準を演算し、次に当該診断時のKullbackの情報量基準
    と、ガス絶縁開閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フ
    ィルタにより抽出された変動成分の波形のKullbackの情
    報量基準であって予め求めた基準データとの差を演算
    し、この差が所定の警報値を越えたときに警報を出力す
    る異常検出処理装置と、を備えたガス絶縁開閉装置の絶
    縁診断装置。
  27. 【請求項27】 ガス絶縁開閉装置における一つのシー
    ス外壁と該シース外壁に対して絶縁物で電気的に隔離さ
    れた他の一つのシース外壁との間に設置された電位検出
    器と、該電位検出器から得られた電位信号から変動成分
    を抽出するフィルタと、診断時において、前記フィルタ
    により抽出された変動成分の波形のフラクタル次元を演
    算し、次に当該診断時のフラクタル次元と、ガス絶縁開
    閉装置の絶縁状態が正常なときに前記フィルタにより抽
    出された変動成分の波形のフラクタル次元であって予め
    求めた基準データとの差を演算し、この差が所定の警報
    値を越えたときに警報を出力する異常検出処理装置とを
    備えたガス絶縁開閉装置の絶縁診断装置。
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