JP2974762B2 - 液中に浸かつた振動コンベアを備えるバルクハンドリング可能な物品の搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、バルクハンドリング可能な物品の搬送、
特に振動コンベアにより酸素及び水を含まない非プロト
ン質の有機アルミニウム電解液からアルミニウムを電解
析出するための装置に関する。振動コンベアの搬送溝は
螺旋形に中央筒の周囲に配置され容器により囲まれてい
る。この容器は振動コンベアが中央筒と共に部分的に浸
かっている液を収容する。

金属部品の表面改良によりその寿命を延長できまた新
しい適用分野を開拓できることが知られている。例えば
軽合金及び鉄系材料の被覆は合目的的である。なぜなら
ばこれらの金属は一般に比較的卑な金属であり、その表
面は大気の作用のもとに腐食するおそれがあるからであ
る。相応の前処理により部品は裸の被覆層のない表面を
持つ。金属被膜は後処理により完全にすることができ
る。

電気めっき加工中に個々の物品が電気的接触を有する
ように、バルクハンドリング可能な小形の物品をまとめ
なければならない。他方では金属被覆ができるだけ大き
い物品表面上で行われかつできるだけ均一な電流密度が
すべての物品上で保証されるように、処理すべきバルク
ハンドリング可能な物品を分散させるべきである。均一
な層厚を有する完全な金属被膜を得るための別の重要な
前提は、めっき加工中の物品の十分な混合である。電解
表面被覆装置は電解液の中を通ってバルクハンドリング
可能な物品を搬送するための搬送装置を備え、この搬送
装置により相応の搬入エアロック及び搬出エアロックと
関連して連続的な又は間欠的な物品の搬入及び搬出が可
能となる。更に電解液中での運動及び物品の混合ばかり
でなく電解液の中を通っての搬送は、物品の穏やかな取
り扱いが保証され壊れやすい部品さえもめっき処理中に
機械的に損なわれないように行わなければならない。

しかしこれらの要求は電解表面被覆特に大量電気めっ
きの場合にだけ与えられるのではなく、例えば酸又はア
ルカリ液中での化学的及び電解的腐食の場合のような液
中でのバルクハンドリング可能な物品の電気化学的表面
処理及びアルカリ浴中での電解脱脂又は電解研磨の場合
にも生じるおそれがある。バルクハンドリング可能な物
品は電解表面処理の際に陰極として又は陽極として接続
され、その際陽極としての接続は例えば電解研磨の場合
に用いられ、他方では例えばアルミニウムの析出の際に
バルクハンドリング可能な物品は望ましくは陰極として
接続される。

大量電気めっき特にアルミニウムの電解析出のために
は、処理浴の中を通るバルクハンドリング可能な物品の
搬送のために水平及び垂直な振動成分を有する振動コン
ベアを用いる公知の装置が適している。この振動コンベ
アはバルクハンドリング可能な物品を慣性力を利用して
螺旋形の搬送溝中で、この搬送溝に結合された支柱を中
心として上昇方向へ搬送する。振動コンベアは支柱と共
に電解液を内蔵する気密な容器中に収容され、電解液中
に振動コンベアが部分的に浸っている。駆動装置として
例えば斜めに作用する振動機又は斜めに取り付けられた
連接棒が用いられる。補助的に落下管の形の重力コンベ
ヤを用いることができる。この種の振動コンベアは比較
的小さい駆動力を必要とするにすぎず、かつバルクハン
ドリング可能な物品の穏やかな搬送を可能にする。強力
な物品運動と良好な電解液交換及び分散した物品の全有
効表面にわたり均一な電流入力が得られる（ドイツ連邦
共和国特許出願公開第3524510号公報参照）。

この種の装置では中央筒及びこれに結合された搬送溝
の振動により、液例えば電解液の振動振幅に相応する部
分を押しのけなければならない。しかしながら中央筒の
外径従って搬送溝の内径と搬送溝の幅及び液柱の高さが
所定の値を超えるときに、このことは大形設備では困難
となる。

この発明の課題は、閉じた底を有する振動コンベアを
備え液中でバルクハンドリング可能な物品を搬送する装
置において、搬送溝の振動運動を改善することにある。

この発明は、駆動部の電動機容量又は偏心輪の不釣り
合いを高めれば、それにより搬送溝の振動振幅を高める
ことができるという知見に基づいている。しかしこの方
式は同時に搬送溝と中央筒並びに振動コンベアを囲む容
器の底の機械的に一層安定な構造を必要とする。更に振
動する中央筒の心出しのための機械的に一層耐久力のあ
る軸受が必要である。更に再び振動コンベアの相応に大
きい質量が生じ、この質量により補助的な要求が例えば
振動するばね及び底荷重に与えられる。出力の比較的大
きい電動機はエネルギー消費を高め、場合によっては周
囲の大きい騒音被害を予想すべきである。

それ故にこの課題はこの発明に基づき請求項１に記載
の特徴により解決される。このガスクッションにより、
予想できる圧力状態に関して気体の媒体中での搬送にほ
ぼ近似し中央筒の直径と実際上無関係となる振動コンベ
ア装置が得られる。液柱が物品搬送に対して不利な圧力
を形成するおそれなしに、ガスクッションは振動する装
置要素の上下運動により圧縮及び膨張することができ
る。

この発明の特に有利な実施態様は請求項２以下に記載
されている。

この発明の詳細な説明のために、この発明に基づく物
品搬送装置の種々の実施例を示す図面を引用する。第１
図には、ガスクッションが中央筒の底の下に配置されて
いる装置が示されている。第２図はこの装置の水平断面
を示す。第３図には、下に向かって開いた中央筒がガス
クッションのための容器として用いられている装置が示
されている。第４図には、ガスクッションが中央筒の底
の下に配置され部分的にベローにより囲まれている実施
例が示されている。

例えば酸素及び水を含まない非プロトン質の有機アル
ミニウム電解液からアルミニウムを電解析出するために
用いようとするバルクハンドリング可能な物品の搬送の
ための第１図に示す装置は、底３及び蓋４を有し容器６
から突出する中央筒２を備え、容器の蓋７は中央筒２と
気密に結合されている。中央筒２の底３の間には、中央
筒２の底３の中空円筒形突出部５により側方を画成され
潜函のように液12の下側液面11上に載っているガスクッ
ション10が囲い込まれ、この液中に中央筒２が部分的に
浸かり液の上側液面13は図面に破線で示されている。液
12は酸素及び水を含まない非プロトン質の有機アルミニ
ウム電解液とすると有利であり、この電解液は静止した
容器６と搬送溝20を備え振動する中央筒２とから成る気
密に閉鎖された装置中に配置されている。

中央筒２の蓋４の上方従って容器６の外部には、中央
筒２及びこれに結合された搬送溝20のための駆動部16が
設けられ、この駆動部は支持台17に取り付けられ駆動部
のうちジャーナル18が図示されている。駆動部16は図示
されていない偏心輪に関連して、中央筒２従って螺旋形
に中央筒２の周囲に配置された搬送溝20の振動運動をも
たらす。例えばプラスチック特に布積層成形材から成る
ことができる搬送溝20は支持梁22、28と結合され、これ
らの支持梁は望ましくは同時に陰極として働き、符号の
付けられていないブッシングにより電気的に絶縁されて
中央筒２を貫いて導かれている。軸線方向に上下に配置
された支持梁22、28はそれぞれ共通な母線34又は35を介
して陰極端子38又は39に結合されている。図面には三つ
の陽極が示され、これらの陽極は陽極孔の符号の付けら
れていない蓋に取り付けられ、その接続導体は電気的に
絶縁されてこの蓋を貫いて導かれ図面に符号47が付けら
れている。別の陽極42は容器６の壁に取り付けられてい
る。

略示された搬入縦孔56は図中にただ点として示された
バルクハンドリング可能な物品40の供給のために用いら
れ、この物品は例えば設備内で電気めっきを行おうとす
るボルト又は他の小形部品とすることができる。搬出エ
アロック62は搬出縦孔63とシュート64とを備える。液面
13の下方には液12のための供給口66が設けられている。
スプレー装置は図面に符号68で示されている。

中央筒２の底３と容器６の底８との間にはばねが設け
られ、これらのばねのうち図面には二つだけが示され符
号72、73は付けられている。心出しのために用いられる
ジャーナル74は、望ましくは自動調心形スラスト軸受と
することができる軸受75中に中央筒２の軸線方向に可動
に支持されている。軸受75は容器６の底８に取り付けら
れた軸受ケース76中に収容されている。底８は電解液12
の排出に用いられる孔78を備える。中央筒２は心出し部
81の中で軸線方向へ可動に導かれている。静止する容器
６の蓋７と可動な中央筒２との間には、気密な可撓性結
合部がベロー82により形成されている。

ガスクッション10は不活性ガスから成る。液12として
の電解液に関連して、ガスクッションは酸素を含まない
ガス特に窒素N₂から成ると有利であり、その供給口は簡
単化のために図示されていない。

この実施例ではガスクッション10は突出部５を備える
中央筒２と液12との間に囲い込まれている。液柱が物品
40の搬送に対し不利な圧力を形成するおそれなしに、こ
のガスクッション10は中央筒２及び搬送溝20から成る振
動系の上下運動により容易に圧縮及び膨張することがで
きる。

液12の液面13の上方に存在する容器６のガス室14は、
一般に不活性ガス例えば窒素を充填され、その供給口は
簡単化のために図示されていない。

アルミニウムめっきすべきバルクハンドリング可能な
物品40は搬入縦孔56を経て容器６の下側領域へ搬入さ
れ、そしてバルクハンドリング可能な物品40は搬送溝20
の符号の付けられていない下端部上に落ちる。振動溝と
して構成され螺旋形に上に向かって通じるこの搬送溝20
上を、バルクハンドリング可能な物品40が電解液12の液
面13を超えて上に向かって搬送され、そして容器６から
導出されたシュート64の漏斗形に構成された上端部中へ
落ちる。

駆動部16により搬送溝20が中央筒２を介してほぼ螺旋
形の運動を伴う振動に励起される。斜めの運動とその際
発生する加速度及び速度に基づき、螺旋形に上に向かっ
て通じる搬送溝20上に載っているバルクハンドリング可
能な物品40が運動を強制されるので、物品は常に高さを
増しながら搬送方向へ搬送される。中央筒２はばね72、
73を介して振動可能に底８上に支持され、図面に符号86
で示され閉鎖可能な孔78を介して電解液12の排出を可能
にする支持枠上に底８を支持することができるので有利
である。

略示した駆動部16は例えば不釣り合い形駆動部から成
ることができ、その電動機は両側に配置され調節可能な
偏心率を有する二つのフライホイール円板を駆動する。
この電動機の駆動軸は例えば水平に対し45゜の所定の角
度だけ傾いているので、フライホイール円板の不釣り合
いが例えば約10〜20Hzでほぼ螺旋形運動を伴う前記振動
を発生させる。

第２図に示す断面図には、容器６内の陰極22〜33及び
陽極42〜53の半径方向配置が示されている。第１図に相
応する支持梁は符号22、28が付けられている。これらの
支持梁は他のすべての梁と同様に符号のないブッシング
により中央筒２に取り付けられ、母線34、35により図面
に示されていない陰極端子38又は39に結合されている。
陽極42〜53の端子はそれぞれブッシングを用いて符号の
ない蓋を貫いて導かれ、従って電解液12の排出後に容易
に交換することができる。

バルクハンドリング可能な物品40は支持梁22〜33の接
触ボルトにより接触させられ、これらの支持梁は母線3
4、35及び陰極端子38、39を介して図示されていない電
源の負極に結合されている。装置の個々の部品への望ま
しくない析出は、電解液に接触するすべての表面がプラ
スチック被膜特にフェノール樹脂被膜又はエナメル被膜
から成ることができる絶縁部を備えることにより防止さ
れる。

陽極42〜53の接続導体は陽極孔の蓋又は容器壁を貫い
て電気的に絶縁されて導かれ、図示されていない電源の
正極に結合されている。陽極42〜53の長さは搬送溝20の
幅より著しく大きくないのが有利であり、それによりバ
ルクハンドリング可能な物品の表面と比べて大きい陽極
表面が生じ、めっき電流の通過のための最適条件が得ら
れる。電解液交換は望ましくは多孔性の搬送溝20の振動
により助長される。

液12の液面13の上方に容器６の蓋７に設けられたスプ
レー装置68は、搬送溝20の一番上の区画の範囲で電解液
12になじむ溶媒をアルミニウムめっき完了したバルクハ
ンドリング可能な物品40上に吹き掛けることができ、そ
れによりバルクハンドリング可能な物品40が付着した電
解液残留分を除かれる。この溶媒は一般に電解液中に含
まれるトルオールであり、トルオールは例えば液面13の
上方に配置され図示されていない凝縮装置で凝縮され、
スプレー装置68に再び供給することができる。

電解液12中でバルクハンドリング可能な物品40の複数
回の循環が行われる場合には、搬送溝12ははね蓋制御部
70により外から制御可能なはね蓋69を備えることができ
る。

変形構造方式の原理だけが示されている第３図の装置
の実施例では、望ましくは二重壁で下が開放された中央
筒２が用いられ、そのリング円板形底３が中央筒２の符
号のない外壁を内壁97に結合する。底８の周上にはばね
例えば４個のばねが分散配置され、これらのばねのうち
図面には二つだけが見え第１図と同様に符号72、73が付
けられている。

この実施例ではガスクッション10は潜水鐘（初期の潜
水具、ダイビングベルとも言う）のように、電解液12の
液面13の上方に内壁97と中央筒２の蓋４との間に囲まれ
ている。蓋４にはガスクッション10のための充填ガス例
えば窒素を供給するガス流入口98が示されている。搬送
溝20は第１図の実施例におけるように螺旋形に中央筒２
の周囲に配置されている。

第４図に示すバルクハンドリング可能な物品の搬送装
置の実施例では、リング形ガスクッション10が中央筒２
の下に配置されている。このガスクッションは底３とリ
ング円板とにより囲まれ、その上方には駆動部16が設け
られている。中央筒２は搬送溝20と共に電解液12中に浸
かり、その液面13上にはガス室14が設けられている。

この実施例ではガスクッション10が、中央筒２の底３
と同心配置された円筒形の二つのベロー94、95とリング
円板96とにより画成されている。孔の中には心出し軸受
として働き軸線方向に可動なジャーナル74が、軸受75及
びブッシュ76と共に第１図に示す実施例と同様に配置さ
れている。

これらの実施例ではそれぞれ物品の電気めっき装置が
設けられ、物品はこの目的のために電解液中を搬送され
る。しかしながら装置は例えば前処理例えば洗浄又は酸
洗い及び脱脂のために装置を通過する物品の搬送のため
にも用いることができる。そのとき装置は電解液の代わ
りに処理液例えば洗浄剤又は油脂溶剤を収容する。更に
装置はバルクハンドリング可能な物品の後処理例えば脱
水のために用いることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲーリング、ヨハン ドイツ連邦共和国 Ｄ―8521 シユパー ルドルフ ホーエ ワルテ ２ (72)発明者 ニツペ、ワルデマール ドイツ連邦共和国 Ｄ―8520 エルラン ゲン フイリツプ―ライス―シユトラー セ 40 (72)発明者 マウラー、アルノルフ ドイツ連邦共和国 Ｄ―8526 ブーデン ロイト ウイーゼンヴエーク 54 (56)参考文献 特開 昭62−13597（ＪＰ，Ａ) 欧州公開209015（ＥＰ，Ａ１)

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】螺旋状の搬送溝を持った振動コンベアと、
   前記搬送溝と共に振動可能な構成ユニットを形成する中
   央筒と、液（12）を収容した気密の容器（６）とを備
   え、前記振動コンベアが少なくとも部分的に上記液中に
   浸漬されたものにおいて、前記構成ユニットと液との間
   にガスクッション（10）が設けられて構成ユニットの上
   下の振動に応じて圧縮・膨張することを特徴とするバル
   ク材料の搬送装置。
2. 【請求項２】中央筒（２）が閉鎖された底（３）を持ち
   そして中空円筒形の付加部（５）を備え、上記底（３）
   と付加部（５）とが一緒になって液体12を含んだ潜水鐘
   型式のガスクッションを取り囲むことを特徴とする請求
   項１記載のバルク材料の搬送装置。
3. 【請求項３】中央筒（２）がばね弾性を有する支持部を
   備えることを特徴とする請求項１記載のバルク材料の搬
   送装置。
4. 【請求項４】中央筒（２）がばね弾性を有する支持部を
   備えることを特徴とする請求項２記載のバルク材料の搬
   送装置。
5. 【請求項５】中央筒（２）の上端部が蓋（４）により閉
   鎖され、この蓋が中央筒（２）の外被および液（12）と
   共に潜水鐘のようにガスクッション（10）を囲むことを
   特徴とする請求項１記載の装置。
6. 【請求項６】中央筒が二重壁構造とされて環状の円板型
   の底部を持ち、この装置はさらに中央筒の底（３）と容
   器の底（８）との間に配置されたコイルバネ（72、73）
   を有することを特徴とする請求項５記載の装置。
7. 【請求項７】ガスクッション（10）がリング形ガス室内
   に配置され、このガス室が、中央筒（２）の底（３）に
   より上方から、リング板（96）によって下方から、円筒
   形型ベロー（94）により外側方からそして内部の円筒型
   ベロー（95）により内側方から囲まれていることを特徴
   とする請求項１記載の装置。
8. 【請求項８】内側の円筒形ベロー（95）が少なくとも部
   分的に中央筒（２）のための心出し軸受けを囲むことを
   特徴とする請求項７記載の装置。
9. 【請求項９】中央筒に搬送溝（20）の振動運動のための
   駆動部（16）が設けられ、この駆動部が中央筒の上方で
   容器（６）の外部に配置されていることを特徴とする請
   求項１記載の装置。
10. 【請求項１０】中央筒（２）が駆動部（16）のための支
    持台（17）を備えることを特徴とする請求項９記載の装
    置。