JP2972736B1 - 水性エアゾルスプレー塗料 - Google Patents
水性エアゾルスプレー塗料Info
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Abstract
プレー機構を具備した、水性系のエアゾルスプレー塗料
を提供する。 【解決手段】 ２５℃水中での解離定数が少なくとも１
０-6以上の塩基性官能基を有する塩基性単量体の少なく
とも３モル％以上６０％以下で構成されている、重量平
均分子量が３０００以上２００００以下の両性高分子化
合物（Ａ成分）と水（Ｂ成分）とを必須成分とし、有機
溶剤の含量が全量に対して５％未満の混合物が炭酸ガス
により１２ｋｇ／ｃｍ2 以下の圧力で、噴射ノズルを有
する１０００ｍｌ以下の圧力容器に充填されていること
を特徴とする水性エアゾルスプレー塗料。
Description
するエアゾルスプレー塗料（圧力容器に充填されたエア
ゾルスプレー塗料）の技術分野に属する。
って、数多くの製品へ応用され普及されてきた。しか
し、近年、エアゾルスプレー塗料に採用されてきた噴射
剤のフロン系ガスが地球環境破壊の源であることが分か
り、非フロン系の噴射剤への置き換えと、同時に可燃性
ガスの使用も避けて、不活性ガスを用いた非可燃性水性
エアゾルスプレー塗料の開発が進められているのは周知
のことである。
て用いることは、バインダーである樹脂を従来のエアゾ
ルスプレー塗料のように噴射剤へ溶解させる手法の設計
が難しく、液化ガス利用の弱可燃性水性系か、あるいは
不活性ガスを水性の塗料と共存させてボンベに充填し、
単なるエアスプレーのようにして使用する手法のものが
すべてである。従って、結果的に、ある程度の危険性を
持ったものか、あるいはスプレー継続時間の短いものか
大型のスプレー容器のものしか利用できていないのが実
状である。
らの従来技術の欠点を克服し、不活性ガスを用いながら
も本来の、エアゾルスプレー機構を具備したしかも水性
系のエアゾルスプレー塗料を得ることにある。
多量に存在する不活性ガスではないが比較的安定で化学
的に弱酸性を示す炭酸ガスに着目し、これを中和剤兼噴
射剤として利用することを考え中和される水溶性もしく
は水分散性の樹脂の設計、合成技術と組み合わせ、従来
のエアゾルスプレー機構を採用したエアゾルスプレー塗
料として発明するに至った。
定数が少なくとも１０-6以上の塩基性官能基を有する塩
基性単量体の少なくとも３モル％以上６０％以下で構成
されている、重量平均分子量が３０００以上２００００
以下の両性高分子化合物（Ａ成分）と水（Ｂ成分）とを
必須成分とし、有機溶剤の含量が全量に対して５％未満
の混合物が炭酸ガスにより１２ｋｇ／ｃｍ2 以下の圧力
で、噴射ノズルを有する１０００ｍｌ以下の圧力容器に
充填されていることを特徴とする水性エアゾルスプレー
塗料である。
する。炭酸ガスは有機溶剤特にアルコール類に比較的よ
く溶けることは古くから知られている。従って、このガ
スをプロペラントとしてエアゾルスプレー塗料を製造す
ることは誰でも思い付く事であろう。しかし、この考え
では、アルコール類の使用が必須条件となり、完全性の
点では不満足であることは言うまでもない。
る。すなわち、有機溶剤、アミン類などの中和剤をまっ
たく含まない高分子物質は、天然にも存在し、合成物に
もあることが知られている（例えば特公昭６２−４０４
８及び特公昭６１−８８５６など）。これらのいわゆる
完全水溶性樹脂である樹脂の構成成分であるアミノ基
を、水に溶けると微酸性を示す炭酸ガスの捕捉剤として
利用出来ないかを追求した点にある。本発明者らはこの
観点からの研究を行い、ある条件では、実用上可能な手
法を見出したのである。
解離定数が少なくとも１０-6以上である重合性塩基性化
合物（塩基性単量体）の少なくとも３モル％以上６０モ
ル％以下で構成されている、中和剤を含まなくても水に
溶解しうるいわゆる完全水溶性の特性を示す両性高分子
化合物の水溶液に対し炭酸ガスを１２ｋｇ／ｃｍ2 以下
の圧力で耐圧容器に共に封じ込めればよいのである。該
両性化合物の分子量は３０００以上２００００以下のも
のが使用できるが、あまり分子量が大きいと溶解し難い
ので使用目的に応じて選択すればよい。
体は、中和する炭酸ガスの酸性度が小さいのでできるだ
け塩基性の大きいものがよい。塩基性単量体としては、
好ましくは式
2 −Ｎ（Ｒ）2 （ここに、Ｒはメチル基またはエチル基を示す）で表わ
されるものが好ましい。
レートであるがジエチルタイプも使用できる。該両性高
分子化合物は結果的に塩基性官能基を有する塩基性単量
体の少なくとも３モル％以上６０％以下で構成された形
であればよく、塩基性単量体の重合によって塩基性基を
導入しなくとも、高分子の付加反応で導入してもかまわ
ない。また、該両性高分子化合物の酸成分は同様に重合
性酸基含有化合物、例えば、アクリル酸、あるいはメタ
クリル酸、イタコン酸を使用できる他、高分子付加反応
で酸基を導入してもよい。
善するためにＯＨ基を導入していることが好ましい。導
入法は同じく、ＯＨ基含有の重合性化合物を共重合で導
入しても良いし、高分子付加反応で導入してもよい。使
用できる重合性化合物としては、２−ヒドロキシエチル
メタクリレートあるいは２−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、あるいはヒドロキシプロピル（メタ）アクリレー
トが使用出来るしポリエチレンオキサイド鎖の長い末端
ＯＨ基を有する重合性化合物も利用しうる。さらに水に
対する溶解性が大きければ、疎水性セグメントを導入し
てもよい。これらのものは、アクリレート、メタクリレ
ート類その他、一般的に使用される疎水性の重合性化合
物が使用できる。
めるにはＡ成分は多いほど良い。しかし系の粘度はＡ成
分の量が増えると大きくなるので使用目的に応じて適正
量を用いればよいのである。また、粘度の低下にはＢ成
分を多く用いればよい。好ましくはＡ／（Ａ＋Ｂ）の値
で０．０５ないし０．７５の範囲が良いが使用目的に応
じて選択すればよい。
チレンシートで出来た巾１５０ｍｍ、長さ６００ｍｍの
袋に投入し、空気を閉じ込めないようにして、末端を封
じた。封入したものの厚みは大略１２ｍｍとなった。こ
れを板厚１．５ｍｍのステンレス製パンチングボード２
枚でサンドイッチにして１０００リットルの６８℃にコ
ントロールされている水槽に浸漬し、５時間重合した。
得られた固形樹脂を粗粉砕し、５０重量％の濃度になる
ように脱イオン水に溶解して樹脂溶液を得た。得られた
樹脂溶液をポリスチレン基準でＧＰＣ法で分子量分布を
測定した。結果は重量平均分子量で９１００であった。
このものは中和剤を含まないにも係わらず透明な水溶液
となった。この樹脂溶液の粘度は２５℃で１５ポイズで
あった。
付きの耐圧ガラス管に１０ｇとり、脱イオン水１０ｇを
加え、よく振り混ぜ透明な液を得た。これに炭酸ガスの
小型ボンベから徐々に炭酸ガスを充填し、内溶液の樹脂
の沈殿の程度をしらべた。炭酸ガスの圧力は７ｋｇｆ／
ｃｍ2 まで加えたが沈殿は生じないで透明のままであっ
た。このエアゾル試験用の耐圧ガラス管から内溶液をガ
ラス板に噴射したところ、乾燥後に透明な樹脂フィルム
が得られた。このことより炭酸ガスが中和剤と噴射剤の
役目をはたし、炭酸ガス系完全水溶性エアゾルスプレー
塗料の実現を確証できた。
機溶剤や特別の中和剤を一切使用しない完全水溶性樹脂
を用いたエアゾルスプレー塗料の発明であり、地球環境
汚染対策の一翼をになうシステムとして貢献できるもの
である。
Claims (2)
- 【請求項１】 ２５℃の水中での解離定数が少なくとも
１０-6以上の塩基性官能性を有する式 ＣＨ2＝Ｃ（ＣＨ3）ＣＯ−Ｏ−ＣＨ2−ＣＨ2−Ｎ（Ｒ）2 （ここに、Ｒはメチル基またはエチル基を示す）で表さ
れる塩基性単量体の少なくとも３モル％以上６０モル％
以下で構成されている、重量平均分子量が３０００以上
２００００以下の両性高分子化合物（Ａ成分）と水（Ｂ
成分）とを必須成分とし、有機溶剤の含量が全量に対し
て５％未満の混合物が炭酸ガスにより１２ｋｇ／ｃｍ2
以下の圧力で、噴射ノズルを有する１０００ｍｌ以下の
圧力容器に充填されていることを特徴とする水性エアゾ
ルスプレー塗料。 - 【請求項２】 圧力容器が合成樹脂製である請求項１の
エアゾルスプレー塗料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21778698A JP2972736B1 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 水性エアゾルスプレー塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21778698A JP2972736B1 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 水性エアゾルスプレー塗料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2972736B1 true JP2972736B1 (ja) | 1999-11-08 |
| JP2000044839A JP2000044839A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16709711
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21778698A Expired - Lifetime JP2972736B1 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 水性エアゾルスプレー塗料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2972736B1 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6660937B1 (en) | 2002-11-07 | 2003-12-09 | Yazaki North America | Grommet for automotive wiring harness |
| JP6496443B1 (ja) * | 2018-06-01 | 2019-04-03 | 長瀬産業株式会社 | 二酸化炭素塗装用水性塗料、コーティング組成物、及び塗装方法 |
-
1998
- 1998-07-31 JP JP21778698A patent/JP2972736B1/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000044839A (ja) | 2000-02-15 |
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