JP2971174B2 - 多層樹脂成形品の非破壊検査方法 - Google Patents

多層樹脂成形品の非破壊検査方法

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JP2971174B2
JP2971174B2 JP3112696A JP11269691A JP2971174B2 JP 2971174 B2 JP2971174 B2 JP 2971174B2 JP 3112696 A JP3112696 A JP 3112696A JP 11269691 A JP11269691 A JP 11269691A JP 2971174 B2 JP2971174 B2 JP 2971174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多数の樹脂層が積層され
てなる樹脂成形品における樹脂層相互を接着するための
接着層の有無及び接着層の厚みを検査する多層樹脂成形
品の非破壊検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用の燃料タンクは樹脂によ
り製造されることが多くなっている。図9は樹脂製の燃
料タンク10の一例を示す一部省略した斜視図であり、
この燃料タンク10のうち図10で示された断面の一部
を拡大して示すと図11の通りである。図11に示すよ
うに、この燃料タンク10は高密度ポリエチレン樹脂つ
まりHDPE樹脂よりなる外側PE層11及び内側PE
層12と、これらの内外両PE層11、12の間に積層
されたポリアミド樹脂つまりナイロンよりなる中間層
(PA層)20と、外側PE層11及び中間層20を接
着するための外側接着層31と、内側層12及び中間層
20を接着するための内側接着層32とを有しており、
合計5層となっている。それぞれの接着層31、32
は、変成ポリエチレンにより形成されている。
【0003】このような樹脂製の燃料タンク10は、一
般に、多層ブロー成形によって成形されており、成形後
に燃料タンク10全体にわたり内外両接着層31、32
が確実に形成されているか否かが重要な条件であるの
で、従来から非破壊検査法によって、接着層31、32
が形成されているかをチェックしている。特願昭63−
317350号は、内外PE層とこれらを接着するため
の接着層とを有する樹脂製の燃料タンクにおける接着層
の成形状態を検査するための非破壊検査方法を開示して
いる。この方法では、超音波探傷器を用いてこれの探触
子から燃料タンクに超音波を照射すると共にその反射波
を受信しており、各々の層相互間の界面からの反射波が
探触子により補足される。このようにして補足された反
射波を増幅した後にハイパスフィルターによりノイズ成
分を除去して、ディスプレイに投影すれば、ディスプレ
イ上に投影された波形から接着層の厚みを求めることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような超音波探傷
器を用いて、接着層の厚みを検査する場合には、従来で
は接着層自体が所定の厚み以上となっていないと、接着
層が形成されていると判断することができなかった。つ
まり、従来では、接着層が120μmあるいは140μ
m程度の厚みとなっていない場合には、接着層が形成さ
れていないと判断せざるを得なかった。なぜならば、接
着層が上述した厚みとなっていないと、ディスプレイ上
では判別できなかったためである。しかし、接着層が数
10μm程度確保されていれば、樹脂層相互を接着する
機能は充分であり、従来に比して薄い厚みの接着層の存
否を判別し得るようにする技術が要望されている。本発
明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであ
り、薄い接着層であってもそれの存在を検出し得るよう
にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、内外2層の樹脂層と、この樹脂層の間に介
在する樹脂製の中間層と、この中間層と前記両樹脂層と
を接合する内外2層の接着層とを有する多層樹脂成形品
における前記接着層の有無を非破壊で検査する多層樹脂
成形品の非破壊検査方法において、前記樹脂成形品に照
射した超音波のうち前記中間層と前記両接着層の部分の
反射波の波形を記憶し、記憶した反射波形に基いて当該
波形のうち前記成形品の外方側からまず僅かに変位する
小変位波形と、その次に反対側に変位する波形とが存在
するか否を判別し、前記反対側に変位する波形のピーク
レベルに対して150%以上のピークレベルを有する中
間層の外側境面に対応するピーク波形を判別し、当該ピ
ーク波形と前記小変位波形との間に、これらとは反対側
に変位した2つのピーク点が存在するか否かを判別し、
前記2つのピーク点が存在する場合にはこれらのピーク
点のうち前記小変位波形の次のピーク点と前記ピーク波
形との間の幅を算出してその値を外側接着層の厚みとし
て出力し、前記2つのピーク点が存在しない場合には前
記外側接着層が存在することを出力してなる多層樹脂成
形品の非破壊検査方法である。
【0006】また、本発明は、内外2層の樹脂層と、こ
の樹脂層の間に介在する樹脂製の中間層と、この中間層
と前記両樹脂層とを接合する内外2層の接着層とを有す
る多層樹脂成形品における前記接着層の有無を非破壊で
検査する多層樹脂成形品の非破壊検査方法において、前
記樹脂成形品に照射した超音波のうち前記中間層と前記
両接着層の部分の反射波の波形を記憶し、記憶した反射
波形に基いて当該波形のうち前記中間層の内面側境面ピ
ーク点を検索し、当該ピーク点よりも成形品における内
方側の次のピーク点を検索して当該ピーク点と前記内面
側境面ピーク点との間の伝播速度からこれらのピーク点
間の距離を算出し、算出したピーク点間の距離が基準値
以上となっているか否かを比較し、基準値以上となって
いれば内側接着層が存在することを出力し、基準値以下
の場合には前記次のピーク点以降のピーク点の振幅が標
準値以上となっているか否かを比較して標準値以上とな
っていればそのピーク点と前記内面側境面ピーク点との
間の伝播速度からこれらピーク点間の距離を内側接着層
の厚みとして出力してなる多層樹脂成形品の非破壊検査
方法である。
【0007】
【作用】請求項1に記載の検査方法にあっては、樹脂成
形品に対して探触子から照射した超音波のうち中間層と
これの内外両側に成形された接着層の部分の反射波の波
形に基いて、外側接着層を検査する。この場合には、外
側接着層の存在に起因した小変位波形が存在するかを検
出し、この小変位波形が存在すれば、外側接着層が存在
すると判別され、これが出力されるので、外側接着層の
存在を検知することができる。そして、その小変位波形
が存在すると共に、この小変位波形と中間層の外側境面
に対応するピーク波形との間に2つのピーク点が存在す
れば、これら2つのピーク点のうち前記小変位波形の次
のピーク点と前記外側境面に対応するピーク波形との間
の幅が、これを伝播する速度から算出される。
【0008】また、請求項2に記載の検査方法にあって
は、樹脂成形品に対して探触子から照射した超音波のう
ち中間層とこれの内外両側に成形された接着層の部分の
反射波の波形に基いて、まず中間層の内面側境面ピーク
点を検索すると共に、成形品の内方側における次のピー
ク点を検索する。そして、これらのピーク点の間の伝播
速度からこれらピーク点間の距離を算出して、この距離
が基準値以上となっているか否かを比較して基準値以上
となっていれば、薄いけれども内側接着層が存在するこ
とが検出される。一方、基準値以上となっていない場合
には、前記次のピーク点以降のピーク点の振幅が所定の
標準値以上となっているか否かを比較して、標準値以上
となっているときには、そのピーク点と前記内面側境面
ピーク点との間の伝播速度から内側接着層の厚みを算出
する。したがって、従来では内外両接着層の厚みは、そ
れぞれの厚みを算出することができる程度までの厚みを
有していなければ、接着層が存在することを検出するこ
とができなかったが、その程度の厚みを有していなくと
も、接着層が存在していることを識別することができる
ので、従来よりも薄い接着が形成された場合であって
も、その存在を識別することができ、検査能率が大幅に
向上することになった。
【0009】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る非破壊検査方
法により樹脂製の燃料タンク10を検査している状態を
示す図であり、探触子40は燃料タンク10に向けて、
20MHzあるいはそれ以上の周波数の超音波を照射する
と共に、境面からの反射波を受信する。反射波は、制御
部41内の増幅器を有する超音波制御部41aに送られ
て、ここで反射波信号が処理された後に、オッシログラ
フ42に反射波の波形が投影される。この超音波制御部
41a内にハイパスフィルターを組込むようにしても良
い。図示する場合には、探触子40による検出時にタン
ク10を水没させる水没式とするか、あるいは探触子4
0に取付けられたノズルから水をタンク10に吹き付け
るバブラー方式によって検出がなされている。また、探
触子40は、ここからの超音波が各々の層に対して垂直
に照射されるようにするため、図1において矢印で示す
ように、角度調整機能が加えられている。探触子40の
角度は、制御部41内の探触子制御部41bからの制御
信号により揺動する。
【0010】制御部41の波形処理制御部41c内に
は、演算回路と記憶媒体が組込まれており、反射信号か
らの波形が記憶媒体に記憶されると共に波形の検索や判
別がなされる。この制御部41cからは表示器やプリン
タ等の出力装置43に出力信号が送られるようになって
いる。図1において、オッシログラフ42に投影された
画像を見て波形を判断する場合には、図中破線で示され
た制御部41b、41cと出力装置43は不要である。
図11及び図1に示されたように、図示する燃料タンク
10は、外側(前側)PE層11、内側(後側)PE層
12、中間層20、外側(前側)接着層31及び内側
(後側)接着層32を有する3層の樹脂層と2層の接着
層とからなっている。尚、制御部41から出力された波
形のフーリエ変換を行ない、反射波の近辺周波数のみを
取出して、再度逆フーリエ変換を行なえば、出力される
波形はより鮮明となる。
【0011】このように、合計5層からなる部材を超音
波探傷器を用いて測定した場合において、オッシログラ
フ42上に投影される波形を示すと、図2(A)及び図
2(B)の通りとなる。図2(A)は内外両接着層3
1、32が例えば140μm程度の比較的厚く成形され
た場合における波形を示し、図2(B)はこれらの接着
層31、32が例えば80μm程度の比較的薄く成形さ
せた場合の波形を示す。また、図2(C)は接着層3
1、32が存在しなかった場合の波形、つまり内外PE
層11、12及び中間層20の3層からなるタンク10
を検査した場合の波形を示す。これらの波形は、オッシ
ログラフ42にも投影させることができ、更にはこれら
の波形に対応した波形情報を制御部41内の記憶媒体に
格納することができる。記憶されるべき波形は、1個所
について複数回測定した後に、アベレージングして整形
され細線化処理がなされる。図2(A)に示されるよう
に、内外両接着層31、32が所定の厚み以上となって
いれば、界面からの反射波のピーク点相互の間隔から厚
みが求められる。つまり、図1に示された外側PE層1
1と外側接着層31との境界面位置は、図2(A)に
おいてピーク点となってオッシログラフ42に現われ
る。同様にして、図1に示された境界面〜は、オッ
シログラフ42上に境界面位置〜として現われる。
【0012】このような波形は、樹脂等の物質内におけ
る超音波の伝播速度と、異種物質相互の境界面における
反射率との関係により、探触子40から得られた信号を
処理することによって得られる。つまり、まず、超音波
の縦波の音速Cは、伝播される物質の密度ρ、ヤング率
E、ポアソン比δ、体積弾性率K、及び剛性率μとの間
に以下の数式で示される関係がある。
【0013】
【数1】
【0014】そして、超音波は音響インピーダンスが異
なる境界面で反射・屈折を起すことになり、音響インピ
ーダンスがZ1 からZ2 の物質つまり媒質に変化する境
面に音波が垂直入射したときの反射係数Rは、R=(Z
2 −Z1 )/(Z2 +Z1 )で表わされる。したがっ
て、反射率に応じて受信信号を処理すれば、境界面の位
置をピーク点としてオッシログラフ42に投影させるこ
とができるのである。尚、音響インピーダンスZは、物
質を伝播する音の速度Cと物質の密度ρとの積で定義さ
れる。
【0015】図示するように多層樹脂製の燃料タンク1
0に使用される高密度ポリエチレン樹脂HDPE、接着
剤、中間層のポリアミド樹脂の密度ρ(g/cm3 )と、音
響インピーダンスZ(g/cm2 ・μS)と、その中を伝播
する超音波の音速C(mm/μS)との関係の代表例を示
すと以下の表の通りである。
【0016】
【表1】
【0017】したがって、図2(A)に示されるよう
に、接着層31、32が所定の厚み以上となっていれ
ば、オッシログラフ42上で各ピーク点間の距離を求め
れば、対応する境面間の距離を求めることができる。そ
して、オッシログラフ上の各ピーク点間の距離は、境面
相互間の音速に対応するので、反射波の速度を検出する
ようにすれば、同様に各境面相互間の距離を求めること
もできる。しかしながら、図2(B)と図2(C)に示
された波形を比較すると分かるように、図2(B)に示
されるように接着層31、32の厚みが、120μmな
いし140μmに達しない例えば80μm程度のような
薄い場合の波形は、図2(C)に示されるように接着層
が存在しない場合の波形と類似しているので、これらを
識別することはできず、たとえ接着層31、32が成形
されていても、接着層31、32が成形されていないと
判断さぜるを得なかったのである。ところが、たとえ薄
くとも接着層31、32が成形されていると、図2
(A)(B)に示されるように、タンク11の外側の最
初のピーク点の手前に、僅かに立ち上がる小変位波形
Rの発生が認められた。
【0018】そこで、全く接着層を成形しない樹脂製タ
ンクと接着層31、32を薄く成形した場合について、
超音波探傷器を用いて実験を行なった。図3はその実験
データを示すグラフである。このグラフにおいて、横軸
は外側接着層31の厚み(μm)を示し、横軸はテスト
ピースの数(n)を示す。横軸が0μmとなっているの
は、接着層31を有しない場合であり、×印で示すよう
に、立ち上り波形Rを識別することができなかった。つ
まり、図2(C)に示される波形となった。そして、順
次、25、30、50……90μmに形成された接着層
を有するテストピースについて実験を行なった。30μ
mの接着層31については、1つだけは前記立ち上がり
波形Rが識別できなかったが、他のものについては、○
印で示すように立ち上がり波形Rを識別することができ
た。したがって、この僅かに立ち上がる波形Rの次に、
下に振る波形(つまり小変位波形とは反対側に変位した
波形)Tが形成される場合には、必ず接着層31が成形
されている場合であると判断できる。この判断は、探触
子40からの信号を制御回路で処理することによってな
される。
【0019】そこで、次に、外側接着層31の検出手順
について、これの検出ルーチンを示す図4のフローチャ
ートを参照しつつ説明する。まず、ステップS1では、
僅かに立ち上がる小波形Rの次に、この波形Rの反転側
に変位する波形、つまり下側に振られる波形Tがあるか
否かが判断される。このステップS1でYESと判断さ
れれば、つまり最初の波形Rのピークが上側にあれば、
それは接着層31が存在することを意味する。図2
(A)及び図2(B)に示される波形は何れも接着層3
1が存在することを示している。これに対して、ステッ
プS1でNOと判断されれば、つまり、最初の波形のピ
ークが下側にあれば、中間層つまりPA層20は存在す
るが、接着層31は存在しないことを意味する。この場
合には、図2(C)に示す波形が得られた場合に相当
し、最初の波形はTとなる。図2(C)は中間層20は
あるが、接着層31が無い場合を示し、ステップS2に
おいて、表示部に接着層31が存在しないことを「N
G」表示する。
【0020】次いで、ステップS3で下側一つ目の波形
Tのピーク点のピークレベルを検出した後に、ステッ
プS4において、このピークレベルに対して150%以
上のレベルとなった波形Uが存在するか否かを検索す
る。このステップS4においてNOと判断されれば、中
間層20が存在しないことを意味し、接着層31、32
の合成層の厚みをステップS5で測定する。これに対し
て、ステップS4でYESと判断されれば、中間層20
が存在することを意味し、中間層20の厚みがステップ
S7で測定される。立ち上り波形Rも検出されず、波形
Uが波形Tのピーク点レベルに対して150%以上のピ
ーク点レベルを有していなければ、中間層20も接着層
31も存在しないことを意味する。その場合には、図示
しないステップでNGが表示されることになる。ステッ
プS5の中間層のない接着層31、32の合成層の厚み
測定ステップにおいては、オッシログラフで対応させる
と、その画面の上方から波形のピーク点を検索し、上方
から2番目までのピーク点位置を求め、これら2点のう
ち、画面において上方から見て左側(下方から見て右
側)に位置するピーク点の位置を、中間層のない接着層
31、32の合成層の底側面のエコーとする。また、そ
の画面の下方から波形のピーク点を検索し、同様にして
2点のピーク点を求めて、画面において左側のピーク点
位置を中間層のない接着層31、32の合成層の表面側
面のエコーとする。そして、これら2点間の波形の速度
を計算して、その速度の値つまり中間層のない接着層3
1、32の合成層を伝播する音速の値から中間層のない
接着層31、32の合成層の厚みを算出する。これらの
算出は、オッシログラフ上の波形に対応して記憶された
波形情報をもとに、制御部41cで演算される。
【0021】前記ステップS7の中間層20の厚み測定
ステップにおいては、オッシログラフ上で説明すると、
その画面の上方より波形のピーク点を求めて、上方から
2番目までのピーク点の位置を求める。ただし、2番目
は最大ピーク点のレベルの70%以上のレベルを有して
いるものとする。これら2点のピーク点位置のうち、最
初のピーク点つまり画面において左側の位置を中間層2
0の表面側のエコーと判断する。次いで、画面では下方
から波形のピーク点を検索し、同様にして2点のピーク
点位置データを取り込む。これら2点の位置データのう
ち、画面において右側の位置データを中間層20の底面
側のエコーと判断する。そして、これら2点間の波形速
度を計算し、中間層つまりPA層20の音速からその厚
みを算出する。図2(A)(B)においては、オッシロ
グラフ42上に示された中間層20の厚みが、D20とな
っていることを示す。
【0022】次に、ステップS8において、接着層31
が所定の厚み以上となっているか否か、つまり接着層3
1のエコーを分離できるか否かを判断する。このステッ
プS8においては、図2に示す画面では、その左側から
波形を検索し、中間層20の外側境界面のピーク波形
までに、画面において下側にピーク点が2点存在するか
否かが検索される。図2(A)に示されるように、2点
存在すれば、エコーの分離が可能であり、接着層31が
120μm以上となっていることを意味する。これら2
点のピーク値は、波形Tのピーク値の1/5程度となっ
ている。また、これら2点の存在が検出されなければ、
接着層31は存在するが、その厚みのデータを算出する
ことができないことを意味する。したがって、ステップ
S8においてNOと判断されれば、つまり図2(B)に
示されるように、接着層31は存在するが厚みを算出す
ることができないと判断され、ステップS9が実行され
て、既にステップS7で算出された中間層20の厚みデ
ータと接着層31が存在することを、ディスプレイ又は
プリンタ等の出力装置43に出力する。
【0023】一方、ステップS8においてYESと判断
されれば、図2(A)に示されるように、接着層31が
所定の厚み以上の厚みとなっていることであり、ステッ
プS10が実行される。このステップS10では、図2
(A)に示す画面において、その左側から波形を追いか
けて、第1番目の下側波形Tのピーク点位置を接着層
31の表面側のエコーであると判断し、境界面と境界
面の位置の2点間の波形速度を計算し、接着層31を
伝播する音速から接着層31の厚みを求める。このよう
にして求められた接着層31の厚みデータと、前記ステ
ップS7で既に求められた中間層の厚みデータとがステ
ップS11において出力装置に出力される。図2(A)
おいては、オッシログラフ42上に表示された接着層3
1の厚みが、D31となっていることを示す。したがっ
て、外側接着層つまり前側接着層31については、図3
の実験データから明らかなように、この厚みが30μm
以上となっていれば、120μm以下であっても、接着
層自体が成形されていることを検出することができる。
図1に示されたタンク10のうち、内側つまり後側接着
層32の厚み及び、接着層が存在するか否かは、上述し
た手法では判断することができないので、以下の通りの
手法により判断する。
【0024】図5(A)は中間層20を構成するポリア
ミド樹脂材層と、外側接着層32に相当する接着材層と
を有する板材をモデルとしてこれに超音波を照射した場
合における反射エコーによる独立波形を示す。この波形
においては、中間層と接着層のエコーピーク点が符号A
の位置となっており、次の反転ピーク点を符号Bとし、
更に次の反転ピーク点を符号Cで示している。上述した
2つのピーク点AとCの間における音波の伝播速度は、
使用した装置においては、0.125μSであった。ま
た、図5(B)は、接着層32に相当する接着材層と、
内側PE層12に相当する高密度ポリエチレン樹脂層と
を有する板材をモデルとしてこれに超音波を照射した場
合における反射エコーによる独立波形を示す図であり、
この波形は図5(A)に示されたエコーの振幅を5分の
1とした反転エコーである。このエコーのピーク点は、
符号Pで示されている。これらの波形を合成すると、接
着層32の厚みに応じて、図6(A)〜図6(C)に示
されるように変化することになる。尚、図6(A´)〜
図6(C´)は、図5(A)及び図5(B)に示された
波形が合成される前におけるそれぞれの波形を示し、図
5(B)に示された波形は、破線で示されている。この
ように、内側接着層32の厚みに応じて、この部分の音
波の伝播速度が基本の合成波形パターンモデルにおける
基準値0.125μSを境として変化することを認識
し、本発明においては、内側接着層32の存否と、それ
が所定幅以上の場合には、その厚みとを測定するように
している。
【0025】図7は接着層32の厚みを種々に変化させ
て、図6における合成波形の前記2つのピーク点AとC
の間の伝播速度との関係を実験したデータを示す。図7
に示されるように、接着層32の厚みが70μm以下の
ものについては、合成波形の両ピーク点A、C間の伝播
速度が基準値の0.125μS以下であった。そして、
厚みを80μmとしたときに、いくつかのテストピース
においては、伝播速度が0.125μSを越えるものが
あり、厚みが130μm以上となると、全て前記ピーク
点A、C間の伝播速度が0.125以下となった。図7
において、接着層32の厚みが80μmに達しない場合
には、図6(A)に相当し、この図に示されるように合
成波形における両ピーク点A、C間における伝播速度
は、合成前における伝播速度0.125μSよりも短く
なる。そして、図7において、接着層32の厚みが80
〜120μmの場合には、合成された波形における両ピ
ーク点A、C間の伝播速度が0.125μS以上になっ
た。図6(B)はこの場合に相当する。ただし、この図
6(B)に示されるように、ピーク点Pは合成波形には
現れない。
【0026】ところが、接着層32の厚みが130μm
以上となると、再度、前記ピーク点間の伝播速度は、
0.125μSか、それ以下となった。この場合におけ
る合成波形は、図6(C)に示される通りであり、ピー
ク点Pが分離することから、このように変化する。しか
し、この場合の伝播速度は接着層32が薄い場合と同様
であっても、合成波形としてはピーク点Pを有する波形
が得られることから、伝播速度が0.125μS以下で
あっても、ピーク点Pを有する波形の振幅を計測するこ
とによって、接着層32の厚みが80μmに達しない場
合と区別することができる。図6に示した合成波形モデ
ルパターンにおけるピーク点A、Cは、図2に示した実
際の反射波の波形におけるピーク点A、Cに対応する。
【0027】上述したように、接着層32の厚みに応じ
て基本的波形パターンが変化するという認識から、以下
のようにして後側の接着層32の存在と、それが所定値
以上の場合にはその厚みが測定されることになる。図8
はこの接着層の検出手順を示すフローチャートであり、
図6(A)〜図(C)に示した合成波形におけるピーク
点AとCの間の間隔つまり伝播速度が、基準値以上とな
っているか否かを判断する(ステップS21)。この基
準値は上述したように、0.125μSであり、このス
テップS21でYESつまり基準値を越える値であると
判断されれば、図7に示した実験データに示したように
接着層32は80〜130μmの厚みを有していること
を意味する。図2における実際の測定波形では、合成波
形におけるピーク点Aが、境界に相当し、合成波形に
おけるピーク点Cは、図2におけるピーク点Cに相当す
るので、ステップS21でYESと判断された場合は、
図2(B)の波形が得られた場合である。この場合に
は、ステップS22において、中間層20の厚みデータ
と、接着層32が存在することを、出力装置43に表示
する。中間層20の厚みデータは、図4のステップS7
で測定された値である。
【0028】ステップS21でNOと判断された場合に
は、接着層32の厚みが80μm以下の場合と、130
μm以上の場合とがある。そこで、まず、ステップS2
3において、ピーク点C以降のピーク点の振幅を検索
し、標準振幅以上となっているか否かを判断する。この
標準振幅は、使用した装置においては、26mVと設定
した。図2(C)に示されるように、振幅が標準振幅よ
りも小さければ、接着層32が存在しないと判断する。
この場合には、ステップS24において中間層20の厚
みデータを表示すると共に、接着層32無しのNGを表
示する。
【0029】一方、ステップS23において、YESと
判断された場合には、図2(A)に示す波形が得られた
場合に相当し、ピーク点Pに相当するピーク点つまり
内側接着層のPE側ピーク点が存在するので、2つのピ
ーク点との間の伝播速度から接着層32の厚みを、
ステップS25において測定する。測定された接着層3
2の厚みデータと、既に求められている中間層20の厚
みデータとを、ステップS26においてディスプレイ等
の出力装置43に出力する。したがって、内側接着層つ
まり後側接着層32については、図7の実験データから
明らかなように、この厚みが80μm以上となっていれ
ば、130〜140μm以下であっても、接着層自体が
形成されていることが検出できる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、樹脂層間に薄い接着層が
成形された場合には、従来では接着層が成形されていな
いと判断していたが、外側接着層つまり探触子側の前側
接着層については、30μm以上の厚みがあれば、その
存在を検出することができる。また、内側接着層つまり
後側接着層については、80μm以上の厚みがあれば、
その存在を検出することができる。したがって、従来で
は不良品と判断せざるを得なかった樹脂製の燃料タンク
であっても、最適な製品であると判断することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の多層樹脂成形品の非破壊検査方法を
具体化した検査装置を示す概略図、
【図2】(A)〜(C)は探触子によって得られた波形
を示す線図、
【図3】は実験データを示すグラフ、
【図4】は外側接着層の厚み検出の手順を示すフローチ
ャート、
【図5】(A)(B)は独立波形を示す線図、
【図6】(A)〜(C)は合成波形を示す線図、
【図7】は実験データを示すグラフ、
【図8】は内側接着層の厚み検出の手順を示すフローチ
ャート、
【図9】は樹脂製燃料タンクの一部を示す斜視図、
【図10】は図9におけるX−X線に沿う断面図、
【図11】は図10におけるXI部の拡大断面図である。
【符号の説明】
10…燃料タンク、11…外側PE層、12…内側PE
層、20…中間層、31…外側接着層、32…内側接着
層、40…探触子、41…制御部、42…オッシロスコ
ープ、43…出力装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 研一 東京都千代田区麹町5丁目7番地 紀尾 井町TBRビル1119号 日本パナメトリ クス株式会社内 (72)発明者 芝 彰男 東京都江戸川区中葛西5丁目32番8号 圭盟ビル4階株式会社アスペクト内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外2層の樹脂層と、この樹脂層の間に
    介在する樹脂製の中間層と、この中間層と前記両樹脂層
    とを接合する内外2層の接着層とを有する多層樹脂成形
    品における前記接着層の有無を非破壊で検査する多層樹
    脂成形品の非破壊検査方法において、前記樹脂成形品に
    照射した超音波のうち前記中間層と前記両接着層の部分
    の反射波の波形を記憶し、記憶した反射波形に基いて当
    該波形のうち前記成形品の外方側からまず僅かに変位す
    る小変位波形と、その次に反対側に変位する波形とが存
    在するか否を判別し、前記反対側に変位する波形のピー
    クレベルに対して150%以上のピークレベルを有する
    中間層の外側境面に対応するピーク波形を判別し、当該
    ピーク波形と前記小変位波形との間に、これらとは反対
    側に変位した2つのピーク点が存在するか否かを判別
    し、前記2つのピーク点が存在する場合にはこれらのピ
    ーク点のうち前記小変位波形の次のピーク点と前記ピー
    ク波形との間の幅を算出してその値を外側接着層の厚み
    として出力し、前記2つのピーク点が存在しない場合に
    は前記外側接着層が存在することを出力してなる多層樹
    脂成形品の非破壊検査方法。
  2. 【請求項2】 内外2層の樹脂層と、この樹脂層の間に
    介在する樹脂製の中間層と、この中間層と前記両樹脂層
    とを接合する内外2層の接着層とを有する多層樹脂成形
    品における前記接着層の有無を非破壊で検査する多層樹
    脂成形品の非破壊検査方法において、前記樹脂成形品に
    照射した超音波のうち前記中間層と前記両接着層の部分
    の反射波の波形を記憶し、記憶した反射波形に基いて当
    該波形のうち前記中間層の内面側境面ピーク点を検索
    し、当該ピーク点よりも成形品における内方側の次のピ
    ーク点を検索して当該ピーク点と前記内面側境面ピーク
    点との間の伝播速度からこれらのピーク点間の距離を算
    出し、算出したピーク点間の距離が基準値以上となって
    いるか否かを比較し、基準値以上となっていれば内側接
    着層が存在することを出力し、基準値以下の場合には前
    記次のピーク点以降のピーク点の振幅が標準値以上とな
    っているか否かを比較して標準値以上となっていればそ
    のピーク点と前記内面側境面ピーク点との間の伝播速度
    からこれらピーク点間の距離を内側接着層の厚みとして
    出力してなる多層樹脂成形品の非破壊検査方法。
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