JP2971082B2 - ガスタービン設備及びその運転方法 - Google Patents

ガスタービン設備及びその運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ガスタービンを組み込んだプラント、即ち
ガスタービン設備とその運転方法に関するものである。
従来の技術 従来の一般的なガスタービン設備の構成例を、第18図
(a),(b),(c)に基づき説明すると、符号1は
圧縮機、2は燃焼器、3はタービン、4は発電機、5は
冷却空気冷却器、6は煙突、7はボイラ、8は蒸気ター
ビン、9は復水器を示している。
ガスタービンを運転する際の流体の作動流動状況を説
明すると、第18図(a)では、圧縮機1は、濾過されか
つ必要に応じて消音された空気(又は吸気)aを吸込
み、ここで昇圧された燃焼用空気b及び燃料dは燃焼器
2内に投入されて、高温の燃焼ガスを発生させ、タービ
ン3の必要な入口温度を確保する。そして、燃焼ガスの
膨張作用によりタービン翼、ロータが回転し、タービン
3に直結された発電機4が駆動される。
この場合、タービン翼やロータを空気冷却する際に
は、タービン段落に見合った圧力の一部の圧縮空気eを
圧縮機1から抽気し、冷却空気冷却器5で所定の温度に
調整し、冷却空気としてタービン3部に投入する。
そして、タービン3で動力回収した後のタービン排気
cは煙突6から系外(大気)に放出される。
又、第18図(b)に示すタービン排気cから熱回収を
行う場合は、タービン3の後流側にボイラ7を設け、更
に温度の低下したボイラ排気fを煙突6から系外に放出
する。
ボイラ7で発生する蒸気gはプロセス用など多目的に
利用されるが、第18図(c)のコンバインド発電の場合
は、ガスタービンと同軸直結あるいは別置された蒸気タ
ービン8の駆動蒸気として用いた後、排蒸気を復水器9
で復水させ、ボイラ7用の給水hとして循環使用され
る。この給水hは蒸気gとバランスが取れるように適宜
補給される。
発明が解決しようとする課題 以上述べた従来のガスタービン設備は、しかし、次の
ような問題がある。
第19図(a)〜(d)には、吸気温度15℃、定格出力
時の設計基準値を100%として相対的に表示した、ガス
タービンの性能特性の例が示されている。即ち、(a)
はガスタービン出力、(b)はガスタービン効率、
(c)は吸気流量であって、これらを各縦軸に、そして
吸気温度(℃)を各横軸に取ったものである。又、
(d)はガスタービン部分負荷効率の特性を示してお
り、ガスタービン効率を縦軸に、ガスタービン出力
(%)を横軸に取ったものである。
これらの性能特性から、次の相関関係が導き出され
る。即ち、ガスタービン出力は、タービン3の入口温度
一定運転にて、圧縮機の空気吸込流量、即ちタービン通
過ガス量の少ないものほど低くなる。
これは、発電用の一定回転数運用では段落を流れる流
体の容積流量、つまり流速がほぼ一定に保たれるという
軸流機械の特徴によっており、吸気温度が高いと圧縮機
吸込流量が減少することによるものである。
ここで、(a)〜(d)のいずれの特性の場合にも、
吸気温度の高いガスタービンほどその出力・効率が悪
く、吸気流量が低いという傾向をもつことがわかるが、
この現象の基本的な原因は、前述の如く、(c)におけ
る吸気温度の上昇に対して吸気流量が減少することであ
り、他の特性(a),(b),(c)については(c)
の特性によって派生したものである、と考えることがで
きる。
そこで、ガスタービン3の出力及び効率を向上させる
ために、タービン入口温度を高め、定格運転点Aからい
わゆるピーク運転点Pとすることができるが、実際に
は、タービン材料の強度上及び寿命上、短時間の運転に
限られ、ベースとして連続運転を行うことが困難であ
る。
ガスタービン排熱まで利用する設備についても同様の
特性をもっている。例えば、第20図に排熱を蒸気タービ
ン発電にて利用するコンバインドプラントの性能特性を
示す。この例でも、吸気温度15℃、定格出力時の設計基
準値を100%として相対的に表示している。
第20図の例は、ガスタービンの排熱回収で発生した蒸
気で蒸気タービン発電をも行い、プラント総出力がガス
タービンの約1.5倍となる場合を示している。前記のガ
スタービン傾向がプラント性能傾向の多くを支配するこ
とから、コンバインドプラントにおいても吸気温度を操
作することによって大幅な性能改善を図ることができ
る。
但し、エネルギを総合利用するプラントでは、第20図
(b)に見られるように、ガスタービン単独の場合の第
19図(d)と逆の吸気温度特性となる場合がある。同一
プラント出力では吸気温度が高い場合に、ガスタービン
負荷が定格に近くなる。吸気温度特性の傾向は、高い吸
気温度での効率低減と部分負荷による効率低減との兼合
で決り、第20図(b)の例は、後者の低減量が勝ってい
る場合といえる。
又、ガスタービン及びそれを適用した系統は、ISO
(大気温度15℃、大気湿度60%相対湿度)の大気条件で
設計することが多い。従って、中近東、東南アジアなど
の高温地域での保証点(例えば30℃)性能は低下せざる
を得ず、本来の性能が出せない上に、出力換算の設備費
が割高となる。
課題を解決するための手段 本発明は、このような従来技術における課題を解決す
るために、吸気ラインを有するガスタービン圧縮機と、
前記吸気ラインに設けられた熱交換器と、該熱交換器の
冷却媒体として供給される低温流体を貯留するための冷
熱貯槽と、該冷熱貯槽に前記低温流体を供給する冷凍機
と、前記低温流体の制御を行って前記ガスタービン圧縮
機への吸気温度の制御を行う制御手段と、前記熱交換器
及び前記ガスタービン圧縮機の間又は前記熱交換器と平
行に設けられた加温用熱交換器と、該加温用熱交換器に
接続された温熱貯槽とを有するガスタービン設備を提供
している。冷熱貯槽を設けることにより、エネルギの時
間差利用が可能になり、また加熱用熱交換器を設けるこ
とにより、圧縮機への吸気温度の制御性向上が可能とな
る。
また、本発明は、同様に上述の課題を解決するため
に、冷熱貯槽に冷凍機からの低温流体を供給し、ガスタ
ービン圧縮機の吸気ラインに設けた熱交換器の冷却媒体
として、前記冷熱貯槽に貯留された前記低温流体を供給
し、該低温流体の制御を行って前記ガスタービン圧縮機
への吸気温度の制御を行い、前記熱交換器及び前記ガス
タービン圧縮機の間又は前記熱交換器と平行に設けられ
た加温用熱交換器と該加温用熱交換器に接続された温熱
貯槽とにより、ガスタービンの吸気温度を冷却及び加温
操作する、ガスタービン設備の運転方法を提供する。
作用 上記手段によれば、ガスタービン圧縮機の吸気ライン
に熱交換器を設け、冷却媒体として冷凍機からの低温流
体、即ちその冷凍機が吸収式冷凍機であれば冷水又は冷
媒を、又、ターボ式冷凍機であれば冷水、ブライン又は
冷媒等を制御手段により流量制御して熱交換器に直接又
は冷熱貯槽を介して供給するので、吸気ラインを流れる
空気を所定の温度に調整することができる。
又、加温用熱交換器を追設することで、ガスタービン
の吸気温度を冷却及び加温操作することができ、タービ
ン設備の運用範囲を拡大することができる。
ガスタービンをベースロード(タービン入口温度一
定)で運転する場合、系統の効率は望み得る最良の値と
なることが多い。そのことも含め、出力と効率との関係
は吸気温度毎に一義的に決ってしまうので、制御手段が
吸気温度を系統が必要とする固有の特定値に設定し、制
御することで系統の効率を最高点に保持できる。
実施例 以下第1〜17図を参照して、本発明の実施例について
詳述する。なお、これらの図において第18図と同一の部
分には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略す
る。
第1図〜第4図に本発明によるガスタービン設備の各
種構成例を示す、 これらの図において、吸気フィルタ・吸気消音器(図
示しない)を通過した後の清浄な空気(又は吸気)aを
圧縮機1に導く前に熱交換器を通過させるようにしてい
る。この熱交換器は、好適な実施例では吸気冷却器8と
している。
第1図は吸気冷却幅が湿分析出まで至らないか、又は
析出湿分(ヒューム、水滴など)を積極的に圧縮機1に
投入する場合で、冷水、不凍液等のブラインの吸気冷却
流体iを冷凍機から直接供給される例を示す。
第2図は吸気ラインに設けたデミスタ10により析出湿
分を除去し、水分飽和状態の空気を圧縮機1に投入する
場合で、同じく吸気冷却流体iを冷却機から直接受ける
例を示す。
第3図は冷凍機と吸気冷却器8との間に冷熱貯槽Bを
設け、吸気冷却流体iを冷熱貯槽Bに貯めてから吸気冷
却器8に供給する別の実施例を示したもので、この冷熱
貯槽Bは冷却流体の生成と使用の過不足をその容量で保
証するリザーバとして、あるいは最小限の容量で冷却流
体の供給・戻りをスムーズにし、又、流体脈動・膨張を
キャンセルするクッションタンクとして使用する場合で
ある。
第4図は吸気ラインに加温用熱交換器11を設け、吸気
冷却器8における吸気冷却で析出する湿分をデミスタ10
で除去した後、加温用熱交換器11で若干吸気加温して空
気aの湿度調整をする場合を示したもので、加温用熱交
換器11への吸気加温流体kは温熱貯槽Gから供給され
る。冷熱貯槽B及び温熱貯槽Gをリザーバとして使用す
るときは、吸気冷却流体i及び吸気加温流体kの貯留と
系統での消費とを必ずしも同時に行う必要はなく、いわ
ゆる時間差供給が可能である。
第5図にタービン設備の制御手段の構成を示す。
第5図に示した構成において、ガスタービン系統A及
びガスタービン制御系統Eが従来の設備であり、本発明
では、これに冷熱貯槽B、冷凍機系統C、吸気温度制御
系統D、吸気温度相関パターン生成系統DD、吸気冷却系
統F、吸気加温系統FF、温熱貯槽Gを追設している。こ
の構成は、設備の新設、既設の別を問わず適用すること
ができる。
冷凍機駆動エネルギ(電力、蒸気、温水)、低温流体
又は高温流体の往還は、まず系内でバランスさせるよう
にし(系内からの冷凍機駆動エネルギ源の流れI)、過
不足がある場合に系外と連係させるようにしている(系
外からの冷凍機駆動エネルギ源の流れII,別系統との間
の低温流体又は高温流体III)。
系統出力αを目標値PTにする場合、従来は所定値との
差をガスタービン制御系統Eで評価して燃料制御βを実
施しており、出力の上限は大気温度T1に対するベース定
格出力P1である。
これに対し、本発明では吸気温度制御系統Dによって
以下に記載する制御を行う。
吸気温度制御系統Dではまず、目標値PTとベース定格
出力P1との比較を行い、PT≦P1の場合は従来と同じく燃
料制御のみを行い(γ)、PT>P1の場合はベースロー
ド上で目標値PTに対応する吸気温度TTに吸気冷却を行う
(γ)。
なお、温熱貯槽Gと吸気加温系統FFとが併設されてい
る場合であって、PT<P1のときでも、ガスタービンベー
スロード特性に沿わせる方が良好な特性となる場合に
は、吸気温度TTに吸気加温を行うこともある(γ)。
吸気温度制御系統Dは又、冷熱貯槽B及び温熱貯槽G
の温度調整及びレベル調整を行い、必要に応じて、冷凍
機系統Cを制御し(δ)、あるいは別系統との間の低
温流体又は高温流体IIIを制御する(δ)。
冷熱貯槽B及び温熱貯槽Gは、吸気冷却流体i及び吸
気加温流体kの各温度、更には吸気仕上り温度を木目細
かく制御するための容積要素で、特に系外から流体III
を受け入れる場合は必ず使用する。系外からの流体III
の導入がなく、制御温度に変動幅が許容される場合には
省略することができる。
吸気温度制御形態Dでは、吸気温度に対する系統出力
の特性パターンをいくつか設定しておき、モード指定に
よってパターン選択を行い、選ばれた吸気温度−出力の
相関関係(パターン)上で目標出力に対応する吸気温度
となるよう制御する。このような出力制御では予め決め
たパターン上で特定された吸気温度(目標)は目標出力
に対応しているが、この温度で設定された出力は、ガス
タービン性能の変化等で目標出力との間にずれが出てく
る。ベースロード以下の出力域ではガスタービン制御系
統Eヘフィードバックし、燃料量の加減で対応できる
が、ベースロード上の出力についてはガスタービン制御
系統Eで制御できない。
この点を解決するため、この出力の違いを吸気温度相
関パターン生成系統DDにフィードバックして、更に吸気
温度を若干量加減するか又は、吸気温度相関パターン生
成系統DDは当初のパターン計画値で構成しておき、上述
の変更が生じた場合は必要に応じてその変更量を電算処
理し、吸気温度−出力の相関関係(パターン)の変更を
行うようにする。この変更後は、訂正制御の完了時間は
短くなる。
第6図にガスタービン設備の制御特性を示す。
第6図(a)において、ガスタービン設備の制御領域
は定格点Aよりも高出力(領域I)側と、低出力(領域
II)側とに2分され、いずれもガスタービンはベースロ
ードを保持しつつ吸気温度を操作することで制御が達成
される。
設備上達成できる吸気温度の上下限(Tmax,Tmin)は
吸気冷却流体iの温度と吸気冷却器8の伝熱設計、吸気
加温流体kの温度と加温用熱交換器11の伝熱設計から規
定される。大気温度Tmaxにおいて吸気温度Tminが達成で
きる冷却設計においては大気温度が低くなるに従って交
換熱量が減少する。これは冷えば、吸気冷却流体iの供
給温度を一定にした状況を考えた場合、吸気との対数平
均温度差が小さくなるためである。
一方、発電機容量で決る系統の最大出力Pmaxに対応す
る吸気温度Tminから加温でTmaxとする加温設計でも同様
に、大気温度が高くなるに従って交換熱量が低下する。
以上の2点から伝熱能力に対応する系統出力は定格点A
と平行ではなく、Δ1だけ能力低下したB′,C′と
なる。
このB′−C′間の領域が、ガスタービンベースロー
ド運転(タービン入口温度一定)のままで制御できる出
力範囲である。
第6図(b)は系統出力増減操作の基本を示したもの
である。
系統出力増加の場合は、大気温度T1でのベースロード
運転出力P1よりも高いP2を得るには、吸気冷却によって
吸気温度をT1からT2に減じて出力向上を図る。
この場合、性能特性上での運転点は点1から点2に移
動し、見掛け上は点1から点2′の出力変化となる。
出力低減の場合は、点2から点1へは吸気冷却量を減
少させ、それ以下は点1から点3又は点4の2通りで対
応できる。
点1から点3へは、吸気温度をT1で一定のままにし、
燃料量(タービン入口温度)を減じる部分負荷とすれば
よい。
点1から点4へは、ベースロード運転を維持しながら
吸気温度を増加させる制御をすればよい。
第6図(c)は出力維持を説明したもので、大気温度
T1のときの定格点出力P1を大気温度変化範囲で維持する
場合、領域Iで吸気冷却、領域IIで吸気加温(又は部分
負荷運転)を行えばよい。
第7図(a),(b),(c),(d)にガスタービ
ンの制御特性を示す。
これらは吸気温度冷却によるガスタービン出力と効率
の改善状況を示したものである。
例えば大気温度30℃のときに15℃の減温を行った場
合、ピーク運転(第19図(a)のP)より若干良好な出
力・効率Hとなる。定格点Aはベース運転であるのに対
してピーク運転点Pは機械強度が限界に達し各部の寿命
消費が著しいために運転時間は短く制約される。
従って、吸気温度を15℃冷却する場合には、ベース運
転の寿命消費においてピーク運転又はそれ以上の性能を
発揮することが可能になる。
第7図(a),(b)のF1,F2のように、ガスタービ
ン出力、ガスタービン効率の吸気温度特性を制御するこ
とにより、大気温度の影響を相殺してフラットな特性と
することができる。
又、第7図(c)のI1,I2のように吸気温度を0℃ま
で下げる場合は、大気温度30℃ではX2%〜X3%の負荷範
囲、15℃ではX1%〜100%の範囲を各々の定格負荷での
効率に維持することができ、ガスタービン効率が部分負
荷で低下する傾向を改善することができる。ガスタービ
ン効率においては吸気温度を低く保つほど出力全域にお
いて高い効率を保つことができる。
一方、ガスタービンを組み込んだ複合発電プラントの
例では吸気温度の高い方が効率の良くなる条件が存在し
得る。その際は吸気加温を行うものとする。第7図
(d)の例において、吸気加温及び吸気冷却の最大能力
をTa℃、Tb℃とすると、XTa以下の出力域では吸気をTa
まで加温し、XTaとXTbとの間の出力域では吸気を出力に
対応する温度へ加温又は冷却(最小Ta)する操作によっ
て、望み得る最大のプラント効率を達成できる。ガスタ
ービンの負荷状態はXTa以下では、Taでの部分負荷、XTa
〜XTbでは、ベースロード運転となるよう吸気温度を設
定している。
次に、吸気冷却器8の吸気冷却流体iに関する系統及
び加温用熱交換器11の吸気加熱流体kに関する系統の具
体例について説明する。
第8図において、ガスタービン圧縮機の吸気ラインに
は吸気冷却器8、デミスタ10及び加温用熱交換器11を直
列に接続した構成が設置されており、これに冷熱貯槽
B、温熱貯槽G、冷凍機系統C及び冷却塔12が接続され
ている。
冷熱貯槽B及び温熱貯槽Gは、吸気冷却流体i及び吸
気加温流体kの供給槽と戻り槽とが完全に分れているも
の、図示のように中に仕切りがあって、互いにオーバフ
ローできるようにしたもの、あるいは供給槽を二重槽と
し、内槽のオーバフロー分を戻り槽へ供給するようにし
たものなど、各種のものが採用される。冷凍機系統Cは
そのエネルギ源として系内及び系外より電力、蒸気、温
水の形で供給され、ここで作られた冷却流体は冷熱貯槽
Bへ供給される。
加温用熱交換器11用の吸気加温流体kは、ここでは冷
凍機系統Cにおける冷凍機冷却水を利用している。冷却
塔12は加温用熱交換器11で使用した残余の冷却水を放冷
する。温熱貯槽Gは必要に応じて別途熱源を受けること
ができるように構成されている。
吸気加温流体kは別の例として、ガスタービン冷却器
の冷却流体、例えば冷却空気冷却器及び潤滑油冷却器の
冷却流体を使用してもよい。
又、吸気ラインに吸気冷却器8、デミスタ10及び加温
用熱交換器11が並ぶ構成では、加温用熱交換器11を第2
の冷却器として作用させることができる。この場合、加
温用冷却器11は、第8図の温熱貯槽Gの代りに設けられ
て冷熱貯槽Bより若干温度の高い冷熱貯槽に接続され、
加温用熱交換器11の冷却に伴う回収熱をその冷熱貯槽に
接続された図示しない冷熱熱交換器を介して冷凍機系統
Cで冷却するようになる。
吸気冷却器8での吸気の冷却能力を高めるには、この
位置に冷媒蒸発伝熱管を配し、これに吸収冷凍機、ター
ボ冷凍機を接続するとよい。
逆に、吸気を大気温度以上に加温するには、加温用熱
交換器11の後流に別の加温手段を追設するなどすればよ
い。
第9図は、冷熱貯槽Bへの冷熱源として電動ターボ冷
凍機の冷媒を使用した例を示す。この電動ターボ冷凍機
はターボ冷凍機15及びターボ冷凍機駆動用電動機16を備
え、その電源は発電機4又は受電のいずれかが選択され
る。
冷熱貯槽Bは、ガスタービン停止中に、商用電源によ
りターボ冷凍機15を運転して冷却流体を貯えるリザーバ
として機能し、ガスタービン及びターボ冷凍機15が同時
運転の場合はクッションタンクとして機能し、更に、系
外で生成される冷却流体を供給側に加える場合又は消費
される冷却流体を受け取り側に加える場合には系外の冷
却流体との交換を行うに十分なバランス容量を備えてバ
ランスタンクとしての機能も有する。
又、図示はしないが、第9図の電動機駆動のターボ冷
凍機15は、電動機の代りに、歯車装置及び嵌脱装置又は
嵌脱装置のみから成る伝達手段を介してタービン3から
動力を得るようにしてもよい。
第10図は冷熱貯槽Bへの冷熱源として蒸気熱源冷凍機
の冷媒を使用した例を示すもので、ガスタービンと蒸気
タービン駆動ターボ冷凍機及び蒸気及び温水熱源の吸収
冷凍機とを組み合わせた系統を示している。
タービン3から出たタービン排気cは、排熱回収、助
燃、再燃などのボイラ7で廃熱を回収され、ボイラ排気
fとして放出される。
ボイラ7への給水は、系外のプロセス・負荷側系統24
からの戻り水と系内の戻り水S2とが使われ、ボイラ7で
蒸気gに転換される。
蒸気gは一部がプロセス・負荷側系統24へ、残りの蒸
気g1が系内冷凍系へ供給される。
蒸気g1はまず背圧蒸気タービン25でターボ冷凍機26を
作動させた後、蒸気を熱源とする吸収冷凍機22で高温の
ドレン戻り水S1となり、更に、温水熱源吸収冷凍機23で
より低温の戻り水S2となる。
この系統の特徴は、発生蒸気gを蒸気タービン25、吸
収冷凍機22,23でシリーズ的に使用する点(トッピング
システムと称す)で吸気冷却熱量を徹底的に取り出すこ
とにある。
第10図の別の実施例として、ボイラ7からの蒸気gで
単圧又は復圧蒸気タービンを駆動し、この蒸気タービン
からの抽気でトッピングシステムを駆動するようにし
て、蒸気タービンに連結された発電機からもエネルギを
得る構成にしてもよい。
又、第10図の別の実施例として、トッピングシステム
の代りにボイラ7からの蒸気gの一部を利用した蒸気熱
源吸収冷凍機22だけの構成、ボイラ温水を利用した温水
熱源吸収冷凍機23だけの構成、ボイラ7からの蒸気gを
利用した蒸気タービン及び発電機と電動機駆動による電
動ターボ冷凍機との組み合わせ、又はボイラ7からの蒸
気gを利用した蒸気タービン及び発電機とその蒸気ター
ビンから抽気した蒸気g1を利用する蒸気熱源吸収冷凍機
22とそのドレン戻り水S1を利用した温水熱源吸収冷凍機
23との組み合わせとすることもできる。
第11図はガスタービン内熱源を利用した系統の例であ
る。即ち、圧縮機1の出口空気の一部である冷却空気e
(又は圧縮機段間抽気)でタービン3の高温部品の冷却
を行っている系において、冷却空気冷却器5にて回収し
た冷却空気eからの熱を吸収冷凍機23の熱源としてい
る。この例では、冷却塔29を備えて、吸収冷凍機23の停
止時又は低負荷時に、冷却器冷却流体wを所用の供給温
度に制御している。
この第11図の別な実施例として、冷却空気冷却器5の
代りに蒸発器、給水加熱器、熱媒気液分離装置、及びそ
の関連機器を設け、そこで発生された蒸気を熱源として
蒸気熱源吸収冷凍機を駆動するようにしてもよい。
又、冷熱貯槽Bに系外からの別途エネルギを受けるよ
うに構成して、高負荷運用あるいはガスタービン停止で
系内熱源が使用できない場合に冷熱貯槽Bへの蓄熱操作
を行うようにすることができる。
更に、ガスタービン内熱源として潤滑油冷却器があ
り、これに係る機器を併設することによって、別の温水
熱源吸収冷凍機を運用して吸気冷却流体を生成すること
もできる。
第12図は吸気ラインに挿置される吸気冷却及び加温系
統が直列配列された構成及びその制御系統の構成の例を
示す。
機器構成としては吸気冷却部分及び吸気加温部分から
成り、吸気冷却部分は吸気冷却器8、デミスタ10、冷熱
貯槽B1、伝熱機器H、及び冷凍機系統Cを包含し、吸気
加温部分は加温用熱交換器11、温熱貯槽G、冷熱貯槽
B2、及び冷熱熱交換器46を包含している。なお、吸気冷
却器8上流側の吸気ライン上にある符号47は吸気フィル
タ・吸気消音器である。
系統制御手順として、モード指定及び目標出力指定が
ある。
モード指定の手順において、系統出力の特性曲線が例
えば高効率特性を有する場合、低温制御が高効率の場
合、高温制御が高効率の場合等、系統の特性によって増
出力・減出力と吸気温度との兼ね合いが異なる。
このような高効率パターンの他、数パターンの吸気温
度−出力の関係を取り決めておき、モード指定によって
パターン選択を行う。
次に、吸気温度−出力の変更経路も数通り存在するの
でモード指定により経路選択を行う。
但し、パターン・経路とも一種類に固定できる場合は
このモード指定は不要である。
目標出力指定の手順においては、モード指定で選ばれ
た、吸気温度−出力の相関関係(パターン)上で目標出
力に対応する吸気温度が特定され、吸気温度TC2が吸気
温度制御系統Dによってその特定値に調整される。系統
出力はその時々の吸気温度がいかなる値となってもガス
タービン制御系統Eにて正確に設定される。
ガスタービン制御系統Eはそれ単独にてガスタービン
を安定運転できるもので、一例を示すと、ガスタービン
排気温度TC3がベースロード等の運転制御範囲を守るよ
うに燃料制御弁V−11にて燃料dの流量を加減した上で
目標出力に制御する、という方法が挙げられる。
運転出力が目標出力とずれる場合は必要に応じて吸気
温度にフィードバックし、目標温度を変更する。その変
更量は電算処理し、必要に応じて吸気温度−出力の相関
関係(パターン)を実情に合ったものに更新する。
吸気温度制御系統DはD1,D2の基本系統とD3〜D9の制
御調整系統で構成される。
系統D1はモード指定による吸気温度−出力の相関関係
(パターン)上で目標出力に対応する吸気温度TC2の目
標値を特定するとともに、加温用熱交換器11への加温流
体の熱源を中温の冷熱貯槽B2と温熱貯槽Gとから温度調
整に必要な組み合わせ量にて流量配分(供給弁V−6、
戻り弁V−10)を行い、温度調整弁V−1によってTC2
の制御を行う。冷熱貯槽B2と温熱貯槽Gとの流量配分は
必要に応じて、冷熱貯槽B2のみ又は温熱貯槽Gのみに完
全に切り替えてもよい。
中温水供給ポンプP−6及び温水供給ポンプP−5で
送り出された加温流体は温度調整弁V−1で加温用熱交
換器11をバイパス制御する。このため中温水供給ポンプ
P−6及び温水供給ポンプP−5は一定循環運用であ
る。
系統D2は系統D1からの目標温度TC2とそのときの吸気
温度T1との相関を予め設定した減温・加温モードと照合
し、除湿後の加温量Δを加味した冷却目標温度TC1を特
定するとともに吸気冷却器8への吸気冷却流体の温度調
整弁V−2によってTC1の制御を行う。
冷却流体供給ポンプP−1で送り出された冷却流体は
温度調整弁V−2で吸気冷却器8をバイパス制御する。
この冷却流体ポンプP−1も一定循環運用である。
系統D3は冷熱貯槽B11槽のレベルLS1の下限、温度TC4
の制御のために調整弁V−3を操作する。
系統D4は冷熱貯槽B11のレベルLS1の上限を液位調整弁
V−4で制御する。
系統D5は伝熱機器H内監視温度TC6及び送り出し温度T
C5を温度調整弁V−5で制御する。伝熱機器H内には必
要に応じて蓄冷能力(氷蓄冷、クラスレート蓄熱他)の
機能を併設できる。
系統D6は冷凍機系統Cの送り出し温度TC7を制御する
ために冷凍機系統Cを操作する。
系統D7は中温冷熱貯槽B21のレベルLS2の下限、温度TC
8の制御のために温度調整弁V−7を操作する。
系統D8は中温冷熱貯槽B21のレベルLS2の上限を液位調
整弁V−8で制御する。
系統D9は冷熱交換器46の送り出し温度TC9を温度調整
弁V−9で制御する。冷熱貯槽B11から循環ポンプP−
4で送り出された冷却流体は冷熱熱交換器46で必要熱量
を交換吸収した後、冷熱貯槽B12へ送り戻される。
第13図は、ガスタービン圧縮機の吸気ラインに設けら
れる吸気冷却用の熱交換器を冷媒気液分離装置38及び冷
媒蒸発伝熱管39で構成し、その冷却媒体として冷媒を用
いた場合の例を示している。この冷媒には冷凍機の冷媒
を直接使用することができ、例えば、第9図に示した電
動ターボ冷凍機15、第10図に示したタービン駆動ターボ
冷凍機26、蒸気熱減吸収冷凍機22及び第10図及び第11図
に示した温水熱源吸収冷凍機23の冷媒を使用することが
できる。
第14図及び第15図は、第13図の構成例の冷媒として、
ターボ冷凍機冷媒を使用する場合及び吸収冷凍機冷媒を
利用する場合の構成例をそれぞれ示す。
第14図において、ターボ冷凍機15の冷媒は冷媒気液分
離装置38に供給され、冷媒蒸発伝熱管39で空気aを冷却
して蒸発され、その冷媒蒸気は冷媒気液分離装置38から
ターボ冷凍機15に戻されて循環再使用される。
第14図はターボ冷凍機の駆動機として電動機を使用し
ているが、蒸気タービン、ガスエンジン、ディーゼルエ
ンジンを使用してもよく、又、ガスタービンを駆動機と
しこれと軸直結又は歯車装置を介して結合するようにし
てもよい。
第15図は冷媒気液分離装置38及び冷媒蒸発伝熱管39を
吸収冷凍機サイクルの蒸発器として熱回収部とする吸気
ラインに配置した場合の例である。この吸収冷凍機サイ
クルにおいて、その再生器としてボイラ7の出口に再生
器気液分離装置56及び再生器伝熱管57を配置し、更に吸
収器58及び凝縮器59を備えて、排熱回収型の吸収冷凍機
60を構成している。
冷媒機液分離装置38及び冷媒蒸発伝熱管39において、
液体の冷媒は圧縮器1の入口の吸気ダクト内に配置した
冷媒蒸発伝熱管39の中で強制循環又は自然循環されて蒸
発され、冷媒気液分離装置38にて冷媒蒸気と分離され
る。再生器気液分離装置56及び再生器伝熱管57において
は、希溶液x1がボイラ7の出口の排気中に配置した再生
器伝熱管57の中を強制循環又は自然循環されて、濃溶液
x2を得るようにし、この濃溶液x2は吸収器58に供給され
て、冷媒蒸気の吸収にあてられる。
再生器気液分離装置56で再生された冷媒蒸気x3は凝縮
器59において液体の冷媒となる。この凝縮器59へは冷却
水が凝縮用に供給され、又、吸収器58に対しても吸収熱
の放散用に冷却水が供給されている。
なお、この実施例において、コンパクトな配置とする
場合には、冷媒気液分離装置38、冷媒蒸発伝熱管39、再
生器気液分離装置56及び再生器伝熱管57は一体構造とす
ることができる。
ボイラ7の排気温度は再生器伝熱管57の中を流れる溶
液の耐熱性を考慮して決定される。
第16図は冷媒で吸気冷却を行う場合のより具体的な制
御系統の例を示す。
第16図の構成において、吸気冷却部分は冷媒気液分離
装置38、冷媒蒸発伝熱管39、及びターボ冷凍機15を包含
し、吸気加温部分は加温用熱交換器11′、中温冷熱貯槽
B2、蒸発器40、加温用熱交換器11及び温熱貯槽G1を包含
している。又、冷凍機冷却水を加温用に使用している関
係で温熱貯槽G1、凝縮機42の系統が加わっている。な
お、本例では冷凍機としてターボ冷凍機15を使用してい
るが、他の型式の冷凍機、例えば第15図に示したような
吸収冷凍機60を使用してもよい。この吸収冷凍機60を使
用する場合には、その吸収器58及び凝縮器59の冷却水と
して、温熱貯槽B1の流体が使用され、加温用熱交換器1
1′及び中温冷熱貯槽B2は省かれる。
系統制御手順は第12図の例と共通であり、吸気温度制
御系統Dの基本系統D1,D2及び制御調整系統D7〜D9も共
通の思想によっている。
この系統において、凝縮器42の冷却水kは冷熱貯槽G1
へ回収熱を供給し、加温用熱交換器11又は冷却塔12を使
用する制御調整系統D10によって所定値TC10に冷却され
た後、凝縮器42に循環使用される。冷却水は循環ポンプ
P−9で移送され、凝縮器42への冷却水温度TC11はバイ
パス弁V−12によって制御される。TC10が既定値上昇す
るときは冷各塔12とバイパス弁V−13とを使用して調整
制御を行う。
大気温度T1及び冷却温度TC1に対するTC2との差を加温
するが、加温量の小さいときは温度調整弁V−1Aのバイ
パス制御で温水供給ポンプP−5Aを介して加温用熱交換
器11′を使用し、更に加温が必要な場合は加温用熱交換
器11を温度調整弁V−1バイパス制御して所定のTC2
得る。
加温熱源は冷凍機冷却水の温熱貯槽G1と更に高温の温
熱貯槽Gの2種であり、加温量の小さいときは温熱貯槽
G1から、加温量が増加するに従って温熱貯槽Gからも混
入を行えるよう供給弁V−6と戻り弁V−10で流量配分
を行う。
第17図はガスタービン圧縮機の吸気ラインに設置され
る吸気冷却及び吸気加温系統を平行に構成した例の吸気
バイパス系統制御を示している。
第17図において、冷却ダクトにダンパ弁48,49が設け
られ、加温ダクトにはダンパ弁50,51が設けられて各吸
気a1,a2の流量を按分するようにしている。これら冷却
ダクト側ダンパ弁48,49及び加温ダクト側ダンパ50,51の
開閉操作は、ガスタービンの吸気圧力損失が過大となら
ないよう相互に連動されている。
機器構成としては、吸気冷却部分は吸気冷却器8、デ
ミスタ10、及び図示はしないが冷熱貯槽B1、伝熱機器H
及び冷凍機系統C、それに吸気温度制御系統Dの基本系
統D1,D2及び制御調整系統D3〜D6を包含し、吸気加温部
分は加温用熱交換器11、及び図示はしないが温熱貯槽
G1、冷熱貯槽B2及び冷熱熱交換器46、それに吸気温度制
御系統Dの基本系統D1及び制御調整系統D7〜D9を包含し
ている。
系統D1では、特定のTC1,TC2,TC及び吸気量の按分特
定値を設定し、更に各ダンパ弁に対する操作信号を発信
する。TC2が特定値に合致しないときは、按分特定値又
は特定値TC,TC1の変更を行うようにしたフィードバッ
ク機能が作用する。
発明の効果 本発明のガスタービン設備によれば、以下のような効
果を奏することができる。
(1)ガスタービンならびにガスタービンを組み込んだ
プラントの設備を望み得る最大の性能(出力、効率)に
維持することができる。
即ち、積極的に高性能(高出力、高効率)を発揮する
ために最適の吸気温度−出力の相関関係(パターン)を
決めて、吸気温度を制御するので、ガスタービン設備の
効率は定格−部分負荷の全出力域で最高効率点を保持で
きる。
一方、吸気温度は大気温度よりも冷却する場合と加温
する場合との両方に対応できるダクト構成、機器構成と
しているので、現実の大気温度変化幅よりも低温域、高
温域を拡張でき、吸気温度の自由な制御が可能である。
(2)ガスタービン設備の性能が吸気温度特性を持つの
で、高温の夏季あるいは砂漠・熱帯地方で性能(出力、
効率)が低下する場合は、吸気温度の下げ幅を調整する
ことによって低下傾向を緩和することができる。
又、ガスタービン設備の性能が長時間使用で経時的に
低下する場合も同様に吸気温度の下げ幅の調整で低下傾
向の緩和が図れる。冷えば、中近東や東南アジアでは設
計気温が30〜40℃であるため、本来の15℃設計標準品だ
と設備費が割高となってしまうが、本発明によれば、 a.15℃標準温度あるいは0〜15℃の低温域での高性能
を設計値として提供できる、 b.更に、年間を通じて一定出力(しかもガスタービン
はベース運用)に保持できる、 等の技術的にも経済的にも優れたものとすることができ
る。
(3)タービン入口温度を一定(ベース、設計値)にし
たままでガスタービン設備の性能(出力、効率)を高め
ることができ、ピーク運転やシステムリザーブ(短期最
大)運転のようにタービン入口温度を上昇させる場合の
ようなタービン寿命の消耗は起らない。
(4)冷熱源が電動ターボ冷凍機による場合、電力の貯
蔵ができる。即ち、電動ターボ冷凍機によって余剰電力
を冷熱に転換し、冷水(氷も含む)、ブラインあるいは
冷媒の形で貯蔵する。電力が必要なときに、この冷熱を
冷却流体によってガスタービンに時間差供給し、吸気冷
却することで系統性能(出力、効率)を向上させること
ができる。
例えば夜間電力を貯蔵して昼間に系統出力を高めるこ
とが可能であり、この場合、経済上の効果も非常に大き
い。
(5)冷却流体の時間差供給、同時供給のいずれにおい
ても冷熱に転換したエネルギ以上の電力エネルギを系統
から取り出せる。例えば、ISO(大気温度15℃)で10,00
0kWの定格出力を発揮するガスタービンは、大気温度30
℃では出力が低く、8,900kWとなるが、120kWの電動ター
ボ入力で吸気温度を15℃とすることにより、10,000kW
に、250kWの電動ターボ入力で0℃吸気とすることによ
り11,200kWにもなり、それぞれ1,100kW,2,300kWの電力
増強となる。
(6)吸気冷却流体をもって出力増強(電力、駆動力)
を図ることができるが、その冷却流体を作るエネルギ源
は、余剰電力、余剰蒸気、余剰温水、系内の冷却損失
(回収熱として)、系外の蒸気・温水など、多種多様な
ものが使用でき、これらを蓄積して利用する場合は一種
類のエネルギ量が多量である必要はない。
(7)吸気冷却により水噴射あるいは蒸気噴射に相当す
る出力、効率の増強やNOx低減が図れる。特に高湿度の
時期や地方に有効で、噴射水や蒸気を別途投入すること
なく水分(湿分)が得られるため、噴射ラインが不要あ
るいは少量化できる。
(8)吸気冷却部の平行ダクト構成では、不要の伝熱管
側のダクトを閉止できる点、及びダクト混用の場合は一
方のダクトだけを使用するときよりもダクト内流速が減
る点から、直列配列に比べて圧力損失を小さくできる。
又、平行ダクト混用の場合は、圧縮機入力空気温度制御
要因が、吸気冷却流体(温度、流量)多び吸気加温流体
(温度、流量)の他に、ダクト間空気量配分が付加さ
れ、より木目の細かな吸気温度制御が可能となる。
(9)吸気冷却器や冷媒蒸発伝熱管の伝熱器構成は管群
として消音効果を有するため、吸気騒音の軽減に寄与す
る。これにより、吸気ダクトに設ける吸気消音器を省略
又は小型化できる。デミスタ10を併用する場合は邪魔板
が加わるため、さらに消音効果が高まる。
(10)吸収冷凍機の熱源にガスタービン及び系統内の冷
却器の冷却媒体を活用することで、本来熱損失として系
統内から差し引いていたエネルギを無料熱源として電力
又は動力に転換できたり、冷却媒体を冷却使用するため
の放熱用例各塔が省略又は小型化でき、設備が節減でき
る、といった経済効果が得られる。このように、系統内
の各種エネルギ損失(冷却損失、機械損失)を電力又は
動力へ転換するのと同様に、系統外の余剰エネルギを受
入れて動力又は動力に転換することもできる。又、冷熱
装置(冷凍機、貯槽)を若干大容量とすることによって
余剰エネルギを受入れることができるとともに貯蔵冷熱
を別途周辺地域への冷房用として活用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明によるガスタービン設備の
実施例を示す構成図、第5図は系統制御の構成図、第6
図は系統の制御特性図、第7図はガスタービンの特性
図、第8図は冷凍機冷却水利用の吸気温度処理の構成
図、第9図は電動ターボ冷凍機併設ガスタービンの系統
図、第10図は蒸気タービン駆動ターボ冷凍機併設ガスタ
ービンの系統図、第11図はガスタービン内熱源(冷却空
気)利用系統図、第12図は系統制御の全体構成図、第13
図は冷却流体及び冷却機器の構成図、第14図はターボ冷
凍機冷媒利用の構成図、第15図は吸収冷凍機冷媒利用の
構成図、第16図は系統制御の全体構成図、第17図は吸気
バイパス系統制御の全体構成図、第18図は従来のガスタ
ービン及びコンバインドを示す構成図、第19図は従来の
ガスタービンの性能特性図、第20図は従来のコンバイン
ドプラントの性能特性図である。 1……圧縮機、2……燃焼器、3……タービン、4……
発電機、5……冷却空気冷却器、7……ボイラ、8……
吸気冷却器、10……デミスタ、11′,11……加温用熱交
換器、12……冷却塔、15……ターボ冷凍機、16……電動
機、22,23……吸収冷凍機、24……プロセス・負荷側系
統、25……蒸気タービン、26……ターボ冷凍機、29……
冷却塔、40……蒸発器、42……凝縮器、46……冷熱熱交
換器、47……吸気フィルタ・吸収消音器、48,49,50,51
……ダンパ弁。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気ラインを有するガスタービン圧縮機
    と、前記吸気ラインに設けられた熱交換器と、該熱交換
    器の冷却媒体として供給される低温流体を貯留するため
    の冷熱貯槽と、該冷熱貯槽に前記低温流体を供給する冷
    凍機と、前記低温流体の制御を行って前記ガスタービン
    圧縮機への吸気温度の制御を行う制御手段と、前記熱交
    換器及び前記ガスタービン圧縮機の間又は前記熱交換器
    と平行に設けられた加温用熱交換器と、該加温用熱交換
    器に接続された温熱貯槽とを有するガスタービン設備。
  2. 【請求項2】冷熱貯槽に冷凍機からの低温流体を供給
    し、ガスタービン圧縮機の吸気ラインに設けた熱交換器
    の冷却媒体として、前記冷熱貯槽に貯留された前記低温
    流体を供給し、該低温流体の制御を行って前記ガスター
    ビン圧縮機への吸気温度の制御を行い、前記熱交換器及
    び前記ガスタービン圧縮機の間又は前記熱交換器と平行
    に設けられた加温用熱交換器と該加温用熱交換器に接続
    された温熱貯槽とにより、ガスタービンの吸気温度を冷
    却及び加温操作する、ガスタービン設備の運転方法。
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