JP2970864B2 - 防護衣用材 - Google Patents

防護衣用材

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JP2970864B2
JP2970864B2 JP12179495A JP12179495A JP2970864B2 JP 2970864 B2 JP2970864 B2 JP 2970864B2 JP 12179495 A JP12179495 A JP 12179495A JP 12179495 A JP12179495 A JP 12179495A JP 2970864 B2 JP2970864 B2 JP 2970864B2
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迪彦 加藤
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有害物質の取り扱い作
業において作業者を保護するための防護衣服に供する用
材に関し、詳細には、農薬散布作業、あるいは化学薬品
の製造若しくはその使用といった有毒な化学薬品とりわ
け有機リン系化合物等の様に皮膚から吸収され人体に悪
影響を及ぼす有害物質の取り扱い作業において作業者を
保護する防護衣服に供する用材に関するものである。
【0002】
【従来技術】有毒化学剤から人体を保護する防護衣服と
しては、従来より種々提案されている。例えばゴム引き
布のように、液状及びガス状の有害物質が浸透しない材
料で構成されたものがあり、防護性能に優れている。し
かし生地の重量が重く着用時の作業性に劣り、さらに通
気性が全く無いため、暑熱環境下や身体の運動を要する
作業の下ではヒートストレスが加わり、作業者に重大な
障害を及ぼすものであった。
【0003】特開昭60−92777あるいは特開昭6
0−96267には、多孔膜を生地の表面あるいは裏面
に形成して液体の化学物質を防御させ、かつ蒸れ感を軽
減させる技術が開示されている。しかしガス状化学物質
を完全に防御することはできず、また透湿性あるいは通
気性が不十分である為、過度の暑熱下や過大な運動時に
は蒸れ感の解消は無理である。
【0004】特開平4−255342には、液体不透過
性層とガス通過阻止層から構成された材料が提示されて
いる。ガス通過阻止層には、有害ガスを吸収、吸着、無
毒化する固体粒子が用いられており、液体及びガス状の
化学物質を防御できる。しかしながらこの構成では液体
防御用に多孔質膜が使用されているので、上記の従来例
と同様に透湿性あるいは通気性が不十分であり、着用感
に問題がある。
【0005】特開平2−190328には、活性炭布と
それに接着した補強織物からなる防護服のための積層織
物が例示されている。これは補強織物による高い機械強
度と活性炭布によるガス状化学物質の防御を図るもので
あるが、液状化学物質に対する防御が不十分である。
【0006】特開昭57−156036あるいは実開昭
61−133508には、はっ水・はつ油性を有するパ
イルを表層に配置し、その下層に活性炭層を配置した防
護衣用材が提案されている。この構造により、表面層で
液状化学物質を防御し、且つガス状化学物質を活性炭で
吸着させている。しかもこれらの素材は通気性を有する
ので、暑熱環境下においてもヒートストレスが少ない。
しかしながら実際に防護衣として着用し作業する場合に
生じる加圧条件、すなわち着座時や伏臥時の人体体重に
よる加圧、作業用装備品を装着した場合に生じる圧力、
その他作業現場の物品との接触による加圧等により表面
パイル層が変形し、液状化学物質が浸透するといった問
題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は液状お
よびガス状の有毒化学物質の浸透、特に加圧下での液滴
の浸透を防ぎ、且つ通気性および透湿性に優れ着用時に
おいても暑熱感、蒸れ感の少ない防護衣用材を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するにあ
たり本発明者らは鋭意検討の結果本発明に至った。すな
わち本発明は、(a)液状有毒化学物質防護層,(b)
ガス状有毒化学物質吸着層,(c)吸着材保護層の積層
構造物からなる防護衣用材であって、前記液状有毒化学
物質防護層がカットパイル布帛で構成されると共に、該
カットパイル布帛を構成するパイル糸が、繊度:50〜
350デニールのモノフィラメントである合成繊維フィ
ラメント糸よりなり、はっ水度:80以上、はつ油度:
4級以上、見掛比重:0.10〜0.30であり、該カ
ットパイルの先端は熱溶融によって球状物を形成し、該
カットパイル布帛の厚みは、7gf/cm2加重時:3.0m
m以下、1kgf/cm2 加重時:0.5mm以上であることを
要旨とする防護衣用材である。
【0009】尚(b)のガス状有毒化学物質吸着層とし
ては、繊維状活性炭布帛で構成されたものを用いること
が推奨される。また上記防護衣用材では3層のものを示
したが、(a)の液状有毒化学物質防護層の外側にパイ
ル保護層を配置して4層構成とすることは特に好ましい
態様である。
【0010】
【作用】(a)の液状有毒物質防護層は防護衣用材のう
ち人体から遠い側、即ち外側に配置され、液状有毒物質
が本層に付着し、通常の着用状態で生じる状態、即ち液
状有毒物質の上からの加圧に対してもその浸透を防ぐこ
とができる。液状有毒物質は一般的にミスト状あるいは
液滴状で衣服材料に付着する。これら液状物質が材料に
浸透することを防ぐには、液状物質に濡れにくいことが
必須である。様々な特性を有する液体の浸透を防ぐに
は、はっ水性のみならず、はつ油性も必要である。はっ
水度が80未満、あるいははつ油度が4級未満である
と、液状物質が容易に浸透し人体に害を及ぼす恐れがあ
る。はっ水度が80以上及びはつ油度が4級以上の両特
性を得るための有効な手段のひとつとしては、合成繊維
よりなるカットパイル布帛をフッ素系のはっ水・はつ油
剤で処理する方法を例示することができる。
【0011】本発明の目的とする加圧下での液滴の浸透
を防止するには、布帛の表面をはっ水・はつ油性にする
だけでは不十分で、布帛を構成する糸の間隙からの圧力
による透過を防ぐ必要がある。そのためにはパイル糸と
して、50〜350デニールの熱可塑性合成繊維のモノ
フィラメントを用いることが有用である。パイル糸の繊
度が50デニール未満であると、加圧によりパイル糸が
倒れ、付着した液滴が繊維の間隙に浸透し、布帛の裏面
に透過する。他方350デニールを超えると、布帛が剛
くなり、衣服用材料としては着用性に劣るものとなる。
【0012】また更に他の好適条件としては、カットパ
イル布帛のパイル先端に熱溶融による球状物を形成した
構造とすることが有効である。パイル糸の先端が熱溶融
固化し球状物が形成されていると、加圧によってパイル
糸が倒れても隣接するパイル糸の先端同士が接して沈み
込むことがなく、布帛の表面又は繊維間隙に液滴を保持
でき、裏面への透過を防ぐことができる。
【0013】またカットパイル布帛の厚みは、無加重・
無加圧時(7gf/cm2):3.0mm以下、好ましくは
2.0mm以下、圧力を加えたとき(1kgf/cm2 ):
0.5mm以上であるのが好ましい。無加重・無加圧時
(7gf/cm2):3.0mm超であると、着用状態での活
動性が悪くなり、加圧時(1kgf/cm2 ):0.5mm未満
であると、液滴が加圧により容易に裏面に透過するが、
0.5mm以上であると液滴が液状化学物質防護層内に保
持され液滴の透過を防御できる。
【0014】上記カットパイル布帛を構成する繊維とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系
合成繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊
維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル繊維、塩化ビニル系繊維、ビ
ニロン繊維など、熱可塑性合成繊維であれば特に規定さ
れるものではない。
【0015】カットパイル布帛の見掛比重は、0.10
〜0.30であるのが好ましい。この範囲より低いと、
液状化学物質の浸透及び透過を防御することができず、
また0.30を超えると布帛が剛くなり、衣服用材料と
して不適切なものとなる。
【0016】(b)のガス状有毒化学物質吸着層として
は、粒状あるいは粉末状活性炭を熱硬化性あるいはホッ
トメルト型の接着剤と共に、(c)の吸着剤保護層に熱
固定形成させたもの、あるいは比表面積600〜250
0m2/gの繊維状活性炭よりなる布帛が挙げられる。い
ずれの場合も、(b)のガス状有毒化学物質吸着層の厚
みは、着用性を考慮すると3mm以下にすることが好ま
しく、このような薄い層でもガス状有毒化学物質を完全
に吸着除去する必要がある。この様な観点からは、特に
繊維状活性炭布帛が、柔軟性、通気性が付与されるのみ
ならず揮散ガスに対する吸着速度が極めて高いという点
で最も実用的である。更に繊維状活性炭布帛は、その外
側面に積層配置されたカットパイル布帛を通して仮に液
状の有毒化学物質が若干浸透してきたとしても、繊維状
活性炭布帛が速い吸着速度を発揮するので、浸透してき
た液状化学物質を容易にガス化し、しかも揮散ガス化物
を素早く吸着するので、繊維状活性炭布帛の厚さ方向に
対する液状化学物質の浸透を抑制する上で極めて優れた
防護効果を持ち合わせている。
【0017】上記繊維状活性炭布帛としては、綿、麻と
いった天然セルロース繊維の他、レーヨン、ポリノジッ
ク、溶剤紡糸法によるといった再生セルロース繊維、さ
らにはポリビニルアルコール繊維、アクリル系繊維、芳
香族ポリアミド繊維、架橋ホルムアルデヒド繊維、リグ
ニン繊維、フェノール系繊維、石油ピッチ繊維等の合成
繊維を原料として製造することができる。具体的には、
これら原料繊維の短繊維あるいは長繊維を用いて製織、
製編、不織布化した布帛を必要に応じて適当な耐炎化剤
を含有させた後、450℃以下の温度で耐炎化処理を施
し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭化賦
活する公知の方法によって繊維状活性炭布帛が製造でき
る。
【0018】この際用いられる原料繊維は、得られる繊
維状活性炭の物性(強度等)が高いこと、優れた吸着性
能が得られること等から、再生セルロース繊維、フェノ
ール系繊維、アクリル系繊維が好ましく、また賦活処理
としては、水蒸気、二酸化炭素等の賦活ガスを10〜7
0容量%含有した状態で、700℃以上に加熱すること
により行うことが好ましい。賦活の温度、時間、賦活ガ
ス濃度等の条件を選定することにより、比表面積が60
0〜2500m2/gの任意の活性度を有する繊維状活性
炭布帛が得られる。
【0019】繊維状活性炭布帛の形態としては、織物
状、編物状、不織布状、フェルト状、紙状等が挙げられ
るが、通気性、積層の容易性、薄さ、柔軟性などの面か
ら勘案して、織物状または編物状であることが好まし
い。また炭化賦活工程は前記原料繊維を炭化賦活した
後、布帛状に形成することも可能であるが、ハンドリン
グの面からは、布帛形成後に炭化賦活処理を施すのが好
ましい。
【0020】(c)の吸着材保護層としては、疎水性繊
維からなる薄く、粗い密度で製織あるいは製編された織
物あるいは編物が用いられるが、柔軟性の面から、トリ
コット編地が好ましい。本吸着材保護層の目的は、前記
(b)のガス状有毒化学物質吸着層を形成する粉末状あ
るいは粒状活性炭を接着するための基布でること、また
繊維状活性炭布帛の機械的強度を補うことにある。また
防護衣着用者の発汗が著しく、汗が吸着層を濡らして有
毒化学物質に対する吸着性能が低下するのを抑制する効
果もある。
【0021】汗の蒸気を防護衣用材の外側へ容易に通過
させるには、(c)の該吸着材保護層としては疎水性繊
維布帛を用いることが望まれる。親水性繊維で構成する
と、該吸着材保護層自体が汗を吸湿、吸水した状態にな
り、衣服内の熱・水分を効果的に外部に移行して放熱・
放湿する機能を損ない好ましくない。ここで言う疎水性
繊維とは、20℃、65%RHにおける水分率が3%以
下の繊維であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル等の合成繊維が挙げられる。
【0022】(c)の吸着材保護層は、既述の様に薄
く、粗密度の織物あるいは編物が望まれる他、吸着層と
吸着材保護層のかさ密度の比が1:1〜2であることが
好ましい。即ち吸着材保護層の密度が吸着材の密度より
小さくなると、汗蒸気が吸着層に接触し易くなり、吸着
性能を低下させる。また2倍より大きくなると汗蒸気の
外部への移行が困難となり着用性が低下する。
【0023】(a)の液状有毒化学物質防護層、(b)
のガス状有毒化学物質吸着層、及び(c)の吸着材保護
層は、着用時の熱・水分の移行を容易にするために、各
層が相互に密着した積層体となっている必要がある。積
層手段としては、接着剤塗布による貼り合わせ、粉体、
粒体、あるいは不織布状ホットメルト接着剤による接
着、またはキルティングによる積層、及びこれらの組み
合わせ等が挙げられる。
【0024】(b)のガス状有毒化学物質吸着層の吸着
性能を損なわずに薄く積層する手段としては、不織布状
ホットメルト接着剤による接着が好ましい。不織布状ホ
ットメルト接着剤としては、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、酢酸ビニル系等種々あるが、融点150℃以下、
好ましくは120℃以下のものであると、熱接着時に液
状有毒化学物質防護層のかさ密度を著しく増大すること
がないので良い。
【0025】本発明において所望により設けられるパイ
ル保護層とは、薄い織物、編物あるいは不織布のことで
あり、好ましくははっ水・はつ油加工が施されている織
物、編物あるいは不織布のことである。本パイル保護層
の目的は、土、泥、ほこり等のパイルへの付着を抑制す
ること、もしくは作業時の引っ掛かり、摩擦等によるパ
イルの抜け落ちや摩耗による損傷を抑制することにあ
る。また飛散してくる液滴や大粒の液滴が直接防護材に
接触し液滴が貫通することを干渉する効果もある。更に
必要に応じて外層布や補強布等が配置されても構わな
い。図3は本発明の構成例を模式図として示したもの
で、最外層としてパイル保護層を設けている。パイル保
護層の見掛比重は0.80以下であることが好ましい。
0.80を超えると布帛の通気性が低くなり、衣服用材
料として不適切なものとなる。
【0026】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限され
るものではない。尚実施例に記載の評価方法は以下に記
す方法による。尚実施例及び比較例の条件及び結果につ
いては、本項の最後に表1としてまとめた。
【0027】吸着性能:四塩化炭素の吸着量をJIS−
K−1474に記載の方法により測定した。 加圧耐液浸透性:ガラス板上に濾紙を置き、更にその上
へ、本発明の積層材料を、そのパイル面が上になる様に
置き、その上に液状化学物質(赤色染料を溶解したテト
ラクロロエタン)を3μl滴下した。そしてその上に底
面積6cm2 の錘りを所定荷重(0.2〜2.0kgf
/cm2 )置き、1時間後の濾紙の着色により、液の浸
透を判定した。 はっ水度:JIS−L−1092 5.2スプレー試験
による。 はつ油度:AATCC Test Method 118 による。 剛軟性 :JIS−L−1096 6.22.2 B法
(スライド法)による。 通気性 :JIS−L−1018 6.34 による。 見掛比重:JIS−L−1018 6.9.1 による。
【0028】実施例1 22ゲージ6枚筬ダブルラッセル機により、地糸としてナ
イロンフィラメント糸(70d、24フィラメント)を、ま
たパイル糸としてナイロンフィラメント(220d、モノ
フィラメント)を夫々供給し、図1の組織及び糸配列で
経編地を編成した後、定法により精練した。その後酸性
染料で染色し、次いでフッ素系はっ水・はつ油加工剤
(旭硝子(株)製アサヒガードAG710 )溶液にパッド
乾燥後、160 ℃でキュアし、樹脂固形分で2.0 重量%付
着させた。次に該編地を半裁しカットパイルとした後、
パイル先端部を熱溶融し球状物を形成した。このように
して得られた編地は、無加圧時(7gf/cm2)厚み1.88m
m、加圧時(1kgf/cm2 )厚み0.92mm、目付310g/ m2
見掛比重0.16、剛軟度1.95gf・cm で,通気性は水位計1.
27cmの圧力差で8100cc/cm2/min、はっ水度は100 、はつ
油度は6級であった。
【0029】一方、単糸2.0デニール20sのノボラ
ック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる目付85g/
の平織物を410℃の不活性雰囲気中で30分間加
熱し、次に870℃まで20分間、不活性雰囲気中で加
熱し炭化を進行させ、次に水蒸気を12容量%含有する
雰囲気中、870℃の温度で2時間加熱賦活した。得ら
れた織物状の繊維状活性炭の目付は50g/m、比表
面積1400m/g、厚さ0.40mm、通気度28
000cc/cm/minであった。
【0030】一方、28ゲージ2枚筬トリコット機によ
り、フロント筬にポリエステルフィラメント糸(75デニ
ール、36フィラメント)を、またバック筬にポリエステ
ルフィラメント(20デニール、モノフィラメント)を各
々フルセットして、フロント1−2/1−0、バック1
−0/2−3の組織で経編地を編成後、定法により精練
し、更に分散染料により染色した。このようにして得ら
れた編地は、厚み0.28mm、目付60g/m2、通気度40000cc/
cm2/min であった。
【0031】前記繊維状活性炭布帛を中間層として、該
トリコット編地の裏面及び前記カットパイル編地のパイ
ル層と反対の面を、目付20g/mのポリエステル系
不織布状熱可塑性接着材(呉羽テック(株)ダイナッ
クES−20、融点115℃)により、加熱ローラによ
ってラミネートした。このようにして得られた複合材
は、厚み2.3mm、目付480g/m、通気度71
00cc/cm/minであり、防護材として十分な
通気性、強度、柔軟性を有していた。四塩化炭素の飽和
吸着量は45g/mであり、防護材として十分なガス
吸着性能を有していた。
【0032】一方、該防護材の液浸透抑制効果を検討し
た。該防護材のパイル層に3μl微量液滴(テトラクロ
ロエタン)を付着させた後、上部より錘りをのせ浸透性
を評価した結果、該防護材は良好な液浸透抑制効果を示
し、1.5kgf/cm2の加圧条件下においても液滴は裏面まで
浸透せず、基布パイル層内に保持されつつ揮散するこ
と、2kgf/cm2の加圧条件下においても活性炭布帛層に僅
かの滲み出しが認められる程度で、液状での貫通はない
ことが分かった。
【0033】実施例2 22ゲージ6枚筬ダブルラッセル機により、地糸として
ポリエステルフィラメント糸(50d、24フィラメン
ト)を、またパイル糸としてナイロンフィラメント(1
60d、モノフィラメント)を夫々供給し、図1の組織
及び糸配列で経編地を編成後、半裁しカットパイルとし
た。該編地のパイル先端部を熱溶融し球状物を形成した
後、フッ素系はっ水・はつ油加工剤処理を施し、樹脂固
形分で2.0重量%付着させた。このようにして得られ
た編地は、無加圧時(7gf/cm)厚み1.30m
m、加圧時(1kgf/cm)厚み0.73mm、目
付166g/m、見掛比重0.13、剛軟度0.82
gf・cmで、通気性は水位計1.27cmの圧力差で
24000cc/cm/min、はっ水度は100、
はつ油度は5級であった。一方、単糸2.0デニール2
sのノボラック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる
目付170g/mの平織物に、実施例1と同様の炭化
賦活を実施し、目付96g/m、比表面積1400m
/g、無加圧時(7gf/cm)厚み0.40m
m、加圧時(1kgf/cm)厚み0.73mm、通
気度9500cc/cm/minの織物状の繊維状活
性炭布帛を得た。
【0034】該繊維状活性炭布帛を中間層として、前記
カットパイル編地及び実施例1に記載のトリコット編地
を実施例1に記載の方法でラミネートした。このように
して得られた複合材は、厚み1.8mm 、目付360g/m2 、通
気度8000cc/cm2/minであり、防護材として十分な通気
性、強度、柔軟性を有していた。該防護材のJIS K 1474
に基づく四塩化炭素の飽和吸着量は80g/m2であり、防護
材として十分なガス吸着性能を有していた。一方、該防
護材の加圧条件下における耐液浸透性を検討した結果、
1.5kgf/cm2の加圧条件下においては僅かに液の滲み出し
が認められたが、1.0kgf/cm2以下の加圧条件下において
は問題がなかった。
【0035】実施例3 22ゲージ6枚筬ダブルラッセル機により、地糸としてポ
リエステルフィラメント糸(50d、24フィラメント)
を、またパイル糸としてナイロンフィラメント(160
d、モノフィラメント)を夫々供給し、図2の組織及び
糸配列で経編地を編成した。該編地を半裁しカットパイ
ルとした。該編地のパイル先端部を熱溶融し球状物を形
成した後、フッ素系はっ水・はつ油加工剤処理を施し、
樹脂固形分で2.0 重量%付着させた。このようにして得
られた編地は、無加圧時(7gf/cm2)厚み1.03mm、加圧
時(1kgf/cm2 )厚み0.64mm、目付126g/m2 、見掛比重
0.12、剛軟度0.74gf・cm で、通気性は水位計1.27cmの圧
力差で23500cc/cm2/min 、はっ水度は100 、はつ油度は
4級であった。該編地と、実施例1で使用したのと同じ
繊維状活性炭布帛と、補強用トリコット編地を、実施例
1で使用したのと同じ接着材によりラミネートした。こ
のようにして得られた複合材は、厚み1.6mm 、目付280g
/m2 、通気度17000cc/cm2/min であり、防護材としては
良好な着用性を有していた。一方複合材のガス吸着性能
は実施例1と同様で良好であった。
【0036】一方、綿糸40sを使った平織物に、フッ
素系はっ水・はつ油加工を施し、樹脂固形分で3.0重
量%付着した。得られた織物は、厚み0.22mm、目
付120g/m、剛軟度0.56gf・cmで、通気
性は水位計1.27cmの圧力差で3500cc/cm
/min、はっ水度は100、はつ油度は5級であっ
た。
【0037】該織物に、前記防護材をパイル保護層とし
て重ね合わせ、加圧条件下における耐液浸透性を検討し
た結果、1.5kgf/cm2の加圧条件下においては僅かに液の
滲み出しが認められたが、1.0kgf/cm2以下の加圧条件下
においては問題がなかった。
【0038】比較例1 22ゲージ6枚筬ダブルラッセル機により、地糸としてポ
リエステルフィラメント糸(50d、24フィラメント)
を、またパイル糸としてナイロンフィラメント(160
d、モノフィラメント)を夫々供給し、図2の組織及び
糸配列で経編地を編成した。該編地を半裁しカットパイ
ルとした後、フッ素系はっ水・はつ油加工剤処理を施
し、樹脂固形分で2.0 重量%付着させた。このようにし
て得られた編地は、無加圧時(7gf/cm2) 厚み1.40mm、
加圧時(1kgf/cm2 )厚み0.70mm、目付125g/m2 、見掛
比重0.089 、剛軟度0.75gf・cm で、通気性は水位計1.27
cmの圧力差で21700cc/cm2/min 、はっ水度は100 、はつ
油度は4級であった。該編地と、実施例1で使用したの
と同じ繊維状活性炭布帛と、補強用トリコット編地を、
実施例1で使用したのと同じ接着材によりラミネートし
た。このようにして得られた複合材は、厚み1.8mm 、目
付280g/m2 、通気度16500cc/cm2/min であり、防護材と
しては良好な着用性を有していた。一方複合材のガス吸
着性能は実施例1の結果と同様で良好であったが、加圧
条件下における耐液浸透性は不良で、0.2kgf/cm2の加圧
条件下においても容易に裏面まで液滴が浸透し実用的で
はなかった。
【0039】比較例2 28ゲージ2枚筬トリコット機により、フロント筬にナイ
ロンフィラメント糸(70デニール、17フィラメント)
を、またバック筬にナイロンフィラメント(20デニー
ル、モノフィラメント)を各々フルセットして、フロン
ト1−2/1−0、バック1−0/2−3の組織で経編
地を編成し、MD方向に伸張させてループパイルを発現
させてフレンチパイルとした後、フッ素系はっ水・はつ
油加工剤処理を施し、樹脂固形分で2.0 %付着させた。
このようにして得られた編地は、無加圧時(7gf/cm2
厚み1.18mm、加圧時(1kgf/cm2 )厚み0.26mm、目付14
5g/ m2、見掛比重0.12、剛軟度は0.65gf・cm で、通気性
は水位計1.27cmの圧力差で15000cc/cm2/min 、はっ水度
は100 、はつ油度は7級であった。該編地と、実施例2
で使用したのと同じ繊維状活性炭布帛と、補強用トリコ
ット編地を、実施例2で使用したのと同じ接着材により
ラミネートした。このようにして得られた複合材は、厚
み1.7mm 、目付350g/m2 、通気度6600cc/cm2/minであっ
た。複合材のガス吸着性能は実施例2の結果と同様で良
好であったが、加圧条件下における耐液浸透性は不良
で、0.2kgf/cm2の加圧条件下においても容易に裏面まで
液滴が浸透した。
【0040】比較例3 実施例2で用いたカットパイル編地を、はっ水・はつ油
加工を施さないこと以外は実施例2と同様に行った。こ
のカットパイル編地は、厚み1.30mm、目付162g/m2 、見
掛比重0.13、剛軟度0.82gf・cm 、通気性24000cc/cm2/mi
n 、はっ水度50、はつ油度2級であった。
【0041】このカットパイル編地と、実施例2で用い
た繊維状活性炭織物と、実施例1で用いたトリコット編
物を、実施例1記載の方法で不織布状接着剤を用いて、
ラミネート法により接着積層した。得られた積層布は、
厚み1.8mm 、目付360g/m2 、通気度8000cc/cm2/minであ
り、防護材として十分な通気性、強度、柔軟性を有して
いた。該防護材のJIS K 1474に基づく四塩化炭素の飽和
吸着量は80g/m2であり、防護材として十分なガス吸着性
能を有していた。一方、該防護材の加圧条件下における
耐液浸透性を検討した結果、0.2kgf/cm2の加圧条件下に
おいても裏面まで容易に液滴が浸透し実用的ではなかっ
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明により有毒化学物質に対する防護
性、特に加圧下での液状化学物質の透過浸透防止性が優
れ、且つ着用時の暑熱感や蒸れ感といった着用性の低下
が少ない防護衣用材が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例2のパイル布の組織図。
【図2】比較例1のパイル布の組織図。
【図3】本発明における防護衣用材の断面概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 弘生 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 太田 昌三 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 川合 祥一 大阪市北区堂島浜2丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A62B 17/00 A62D 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状有毒化学物質防護層 ガス状有毒化学物質吸着層 吸着材保護層 の積層構造物からなる防護衣用材であって、前記液状有
    毒化学物質防護層がカットパイル布帛で構成されると共
    に、該カットパイル布帛を構成するパイル糸が、繊度:
    50〜350デニールのモノフィラメントである合成繊
    維フィラメント糸よりなり、はっ水度:80以上、はつ
    油度:4級以上、見掛比重:0.10〜0.30であ
    り、該カットパイルの先端は熱溶融によって球状物を形
    成し、該カットパイル布帛の厚みは、7gf/cm2加重時:
    3.0mm以下、1kgf/cm2 加重時:0.5mm以上であ
    ることを特徴とする防護衣用材。
  2. 【請求項2】 ガス状有毒化学物質吸着層が繊維状活性
    炭布帛で構成される請求項1記載の防護衣用材。
  3. 【請求項3】 液状有毒化学物質防護層の外側にパイル
    保護層が配置されている請求項1または2記載の防護衣
    用材。
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