JP2969542B2 - テトラシクロ[7.3.1.▲02,7▼.▲17,11▼]テトラデカン誘導体 - Google Patents

テトラシクロ[7.3.1.▲02,7▼.▲17,11▼]テトラデカン誘導体

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JP2969542B2
JP2969542B2 JP25785993A JP25785993A JP2969542B2 JP 2969542 B2 JP2969542 B2 JP 2969542B2 JP 25785993 A JP25785993 A JP 25785993A JP 25785993 A JP25785993 A JP 25785993A JP 2969542 B2 JP2969542 B2 JP 2969542B2
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tetradecane
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浩一郎 苗村
義人 戸部
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Nisseki Mitsubishi KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なテトラシクロ
[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン誘
導体に関し、更に詳細には、生理活性物質あるいは機能
性物質等の中間体として、種々の用途に有用なテトラシ
クロ[7.3.1.02,7.17,1 ]テトラデカ
ン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】アダマンタンあるいはそのアルキル誘導
体に対して置換基を導入し、医薬品、高分子、潤滑油等
の用途に用いる研究は多くなされているが、この原料の
アダマンタンは高価であり、かつ昇華性があり、融点も
269℃と高く取り扱いにくいという欠点がある。
【0003】一方、下記構造式化2で表わされるテトラ
シクロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデ
カンは、安価に製造することができ、また融点が−70
℃と常温で液体でありアダマンタンよりもはるかに取扱
いが容易であることが知られている(例えば特開昭62
−197492号公報)。
【0004】
【化2】
【0005】しかしながら、この化合物の誘導体として
は、メチル基が骨格の各所に導入されたもの(たとえば
E.I.Bagrii et.al,Neftekhi
miya 1980,812 やS.S.Berman
et.al,Neftekhimiya 1974,
14(3),341等の報告)以外にはほとんど知られ
ていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生理
活性物質あるいは機能性物質として、またはそれらの中
間体として利用できるテトラシクロ[7.3.1.0
2,7.17,11]テトラデカンに各種の極性基を導
入した新規なテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン誘導体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化3(式中R、R及びRは、−COOH、−
COOCH−COOC、−CHOH、−CO
CH、−OCOCH、−OH、水素原子又は炭素数
1〜5のアルキル基を示し、Rは水素原子、−OH又
は炭素数1〜5のアルキル基を示す(但しRが水素原
子又は炭素数1〜5のアルキル基の場合には、R、R
及びRのいずれか1つの基が−COOH、−COO
CH、−COOC、−CHOH、−COCH
、−OCOCH又は−OHを示し、残りの2つの基
は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。また
が−OHの場合には、R、R及びRは、水素
原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す)。また式中
、R、R及びR以外の水素原子が炭素数1〜
5のアルキル基で置換されていても良い。)で表わされ
るテトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11
テトラデカン誘導体が提供される。
【0008】
【化3】
【0009】以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明のテトラシクロ[7.3.1.0
2,7.17,11]テトラデカン誘導体は、テトラシ
クロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカ
ンに、−COOH、−COOCH、−COOC
、−CHOH、−COCH、−OCOCH
又は−OHのいずれか1つの極性基を導入等した前記一
般式化3で表わされる新規な化合物である。
【0011】即ち前記一般式化3において、R、R
及びRのいずれか1箇所に−COOH、−COOCH
、−COOC、−CHOH、−COCH
は−OCOCHを導入した化合物、またはR
、R及びRのいずれか1箇所に−OHを導入し
た化合物であって、いずれの場合も前記特定の極性基が
導入されていない箇所の水素原子の一部若しくは全部
が、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソ
ブチル基あるいはペンチル基等の炭素数1〜5のアルキ
ル基で置換された化合物も含まれる。以下導入する各置
換基別に説明する。
【0012】本発明において、カルボン酸基あるいはカ
ルボン酸エステル基を有するテトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカン誘導体は、−
COOH、−COOCH又は−COOCで表わ
される置換基を、テトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカン骨格の1,9,1
1位、即ち一般式化3のR、R及びRのいづれか
1つの位置に有するものであって、導入されたカルボン
酸基あるいはカルボン酸エステル基以外における水素原
子の一部若しくは全部が、炭素数1〜5のアルキル基で
置換されていても良い。
【0013】前記一般式化3において前記カルボン酸基
あるいはカルボン酸エステル基を有するテトラシクロ
[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン誘
導体を調製するには、下記反応式化4で示される方法等
によって製造することができる。
【0014】
【化4】
【0015】反応式において、初めの反応はKoch−
Haaf反応と呼ばれる反応を利用して、例えば−20
℃〜30℃の温度範囲で1〜10時間という比較的穏和
な条件等で収率良く−COOHを導入した化合物を得る
ことができる。この反応ではテトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカン骨格の1,
9,11位、即ち一般式化3のR、R及びRのい
ずれか1つに選択的に前記置換基が導入され、他の位置
には全く導入されない。この場合3つの異性体は混合物
として得られるが、次いで上方のエステルか反応によ
り、−COOHを−COOCH又は−COOC
に変換することによって、例えばカラムクロマトグラフ
ィー等により容易に分離することができる。更に得られ
た−COOCH又は−COOCを有する化合物
を、加水分解等により該エステルをカルボン酸基とする
ことにより、それぞれの異性体を単独で利用することが
可能となる。
【0016】本発明においてヒドロキシメチル基を有す
るテトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11
テトラデカン誘導体は、−CHOHをテトラシクロ
[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン骨
格の1,9,11位、即ち一般式化3のR、R及び
のいづれか1つの位置に有するものであって、導入
されたヒドロキシメチル基以外における水素原子の一部
若しくは全部が、炭素数1〜5のアルキル基で置換され
ていても良い。
【0017】前記一般式化3において、ヒドロキシメチ
ル基を有するテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン誘導体を調製するには、下記反
応式化5で示される方法等によって製造することができ
る。
【0018】
【化5】
【0019】前記反応において、原料として前記反応式
化4で得られたカルボン酸基あるいはカルボン酸エステ
ル基を有する化合物の混合物をそのまま用いることもで
きるし、また各異性体を分離した後にそれぞれの異性体
に対して反応を行うこともできる。この際反応は、Li
AlH、NaBH等の水素化剤を用いて、−20℃
〜30℃の温度範囲で0.5〜10時間という条件等で
行なうことができる。
【0020】本発明においてアセチル基を有するテトラ
シクロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデ
カン誘導体は、−COCHをテトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカン骨格の1,
9,11位、即ち一般式化3のR、R及びRのい
づれか1つの位置に有するものであって、導入されたア
セチル基以外における水素原子の一部若しくは全部が、
炭素数1〜5のアルキル基で置換されていても良い。
【0021】前記一般式化3においてアセチル基を有す
るテトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11
テトラデカン誘導体を調製するには、下記反応式化6で
示される方法等によって製造することができる。
【0022】
【化6】
【0023】前記反応において用いる原料のカルボン酸
基を有する化合物は、前記化4で表わされる反応におい
て、単離された各異性体を用いることができる他、異性
体混合物を原料に用いて反応を行い、生成物をクロマト
グラフイー処理する方法等によってそれぞれの異性体を
単離することもできる。この際反応は、カルボン酸を塩
化チオニルによって酸塩化物とし、引き続いてリチウム
ジメチルキュプレート等のアルキル化剤と反応させる方
法等により行なうことができる。
【0024】本発明においてアセトキシ基又は水酸基を
有するテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン誘導体は、−OCOCHをテ
トラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テト
デカン骨格の1,9,11位、即ち一般式化3のR
及びRのいづれか1つの位置に有するものであっ
て、また−OHをテトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカン骨格の1,2,
9,11位、即ち一般式化3のR、R、R及びR
のいづれか1つの位置に有するものであって、導入さ
れたアセトキシ基又は水酸基以外における水素原子の一
部若しくは全部が、炭素数1〜5のアルキル基で置換さ
れていても良い。
【0025】前記一般式化3においてアセトキシ基又は
水酸基を有するテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカン誘導体を調製するには、下記
反応式化7〜9で示される方法等によって製造すること
ができる。
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】前記化7で表わされる反応式の方法は、四
酢酸鉛を用いてカルボン酸の酸化的脱炭酸反応等により
−OCOCHをテトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカン骨格の1,9,1
1位のいづれか1つの位置に有する化合物を合成するこ
とができる。この際反応は、反応温度50〜200℃、
好ましくは溶媒である酢酸の沸点で2〜10時間反応さ
せる方法等により行なうことができる。次いで加水分解
あるいはLiAlHを用いた還元反応等により−OH
をテトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11
テトラデカン骨格の1,2,9位のいづれか1つの位置
に有する化合物を得ることができる。加水分解は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液中で、加熱還
流させることにより、また水素化剤による還元は、−2
0℃〜30℃の温度範囲で0.5〜10時間という条件
等で行なうことができる。
【0030】前記化8で表わされる反応式の方法は、M
CPBA(m−クロロ過安息香酸)を用いてメチルケト
ンのBeayer−Villiger酸化反応等を利用
して−OCOCHをテトラシクロ[7.3.1.0
2,7.17,11]テトラデカン骨格の1,9,11
位のいづれか1つの位置に有する化合物を合成すること
ができる。この際若干過剰のMCPBAを用いて室温と
いう穏やかな条件等で行なうことができる。
【0031】前記化7及び8で表わされる反応において
原料は、前記化4又は化6で表わされる反応等によって
単離された各異性体を用いることができる他、異性体混
合物を用いて反応を行い、得られた−OCOCH有す
る化合物の段階で分離を行って生成物の各異性体を製造
することもできる。
【0032】前記化9で表わされる反応式の方法は、テ
トラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テト
ラデカン自体をMCPBAで酸化する方法で、−OHを
テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン骨格の1,2,9,11位のいづれか1つの
位置に有する化合物を合成することができる。この方法
において得られる−OHが2位の位置に導入された生成
物は、1,9,11位に−OHが導入された化合物とは
異なつてカラムクロマトグラフィーで容易に分離できる
という特徴を有している。
【0033】前記各々の方法により得られるテトラシク
ロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン
誘導体において、それぞれ水素原子の一部又は全部が炭
素数1〜5のアルキル基で置換された化合物を製造する
には、原料として、公知の方法により合成した炭素数1
〜5のアルキル基を有するテトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカンを使用することに
より調製することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明の新規なテトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカン誘導体は、テ
トラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テト
ラデカン骨格自体がアダマンタンよりも嵩高く、極めて
疎水性に優れた骨格に対して各種の置換基を導入したも
のであるので、耐水性、耐加水分解性に優れている。従
って耐水性、耐加水分解性等が要求される各種用途、例
えば生理活性物質、機能性物質として、またはそれらの
中間体として好適に用いることができる。また本発明の
テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン誘導体は、2位に水酸基が導入される例を除
いて、すべての場合において1,9,11位に置換基が
導入されており、他の位置には置換基が導入されないと
いう高い選択性も有している。またこれらの異性体は比
較的容易に分離できるために、高純度の位置異性体を入
手することが可能で、それぞれに応じた機能性、生理活
性等を発現させることができる。
【0035】
【実施例】以下実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【合成例1】 テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカンの合成 窒素置換した容量2リットルのステンレス製オートクレ
ープにジシクロペンタジエン399gとブタジエン43
2gを入れ、撹拌しながら、148℃で13時間反応さ
せた。反応終了後未反応のブタジエン、シクロペンタジ
エンをパージした後反応液の減圧蒸留を行なったとこ
ろ、未反応のジシクロペンタジエンが99g回収される
と共にブタジエンとジシクロペンタジエンとの1:1付
加物(A)(82℃/0.5mmHg)が239g得ら
れた。なおこのディールス・アルダー反応におけるジシ
クロペンタジエンの反応率は75%であり、付加物
(A)の収率は53%であった。次いで付加物(A)の
水素化を以下のとおり行なった。
【0037】容量1リットルのステンレス製オートクレ
ーブに前記付加物(A)290gとパラジウム5%担持
のパラジウム−炭素3.1gとを入れた後、水素圧を1
0Kg/cmに保ちながら40℃で反応させた。反応
時間が12時間経過したところで水素の追加を停止した
ところ水素の吸収がないことが判ったので反応を終了し
た。触媒を濾別した後減圧蒸留を行なったところ、ブタ
ジエンとジシクロペンタジエンとの1:1付加物の水素
化物(B)(106℃/3mmHg)が288g得られ
た。次いで水素化物(B)の異性化反応を以下のとおり
行なった。
【0038】撹拌器、冷却管及び滴下ロートを備えた容
量2リットルの3つ口フラスコに塩化アルミニウム12
gと1,2−ジクロロエタン250mlとを入れた後、
前記水素化物(B)290gと1,2−ジクロロエタン
250mlとからなる溶液を滴下ロートを用いて室温で
撹拌しながら2時間かけてゆっくりと滴下した。その後
45℃で3時間反応を続けた。反応終了後、水を添加し
て塩化アルミニウムを分解した後、油層を水洗し、次い
で脱水後減圧蒸留を行なったところ、沸点83℃/3m
mHgの留分が278g得られた。
【0039】生成物は、シリコンOV101をコーティ
ングした長さ50mの石英キャピラリーカラムを用いた
ガスクロマトグラフィーによる分析では、1本のピーク
を与えるのみであった。またこの生成物の質量分析を行
なったところ分子量は190であった。更に13C−N
MR分析よりこの生成物は、テトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカンであることが
明らかとなった。以下の実施例においては、このような
方法により得られたテトラシクロ[7.3.1.0
2,7.17,11]テトラデカンを使用する。
【0040】
【実施例1】 テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカンカルボン酸およびそのメチルエステルの製造 三つ口フラスコにシクロヘキサン100ml、テトラシ
クロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカ
ン19.0g(0.1mol)及び濃硫酸238mlを
入れ、10℃まで冷却して激しく撹拌しながらt−ブタ
ノール37ml(0.4mol)とギ酸45ml(1.
2mol)との混合物を2.5時間かけて滴下し、3時
間撹拌を続けて反応を行った。反応混合物に氷900g
を加えて反応を止め、有機層を分離した。次いで水層を
n−ヘキサンで抽出し、これを有機層に合わせて、1%
水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。抽出した水酸化ナ
トリウム水溶液層に濃塩酸を加えてpH2とし更にエー
テル抽出を行なった。水酸化ナトリウム水溶液抽出残渣
のn−ヘキサン層およびエーテル層をそれぞれ水洗し、
硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。次にn−ヘキサ
ン層を減圧蒸留して3.2gの原料テトラシクロ[7.
3.1.02,7.17,11]テトラデカンを回収
し、またエーテル層より14.6gのテトラシクロ
[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカンカ
ルボン酸基含有混合物を得た。
【0041】次いで1リットルの三つ口フラスコに、前
記カルボン酸基含有混合物13.0g(55mmo
l)、乾燥エーテル500mlおよびピリジン7.8m
l(96mmol)を入れて氷冷した後、撹拌下に塩化
チオニル6.8ml(93mmol)を滴下した。滴下
開始と同時に反応液が白濁し反応が進行していることが
確認できた。3時間撹拌を続け、さらに一夜放置して反
応を継続させた。反応液を吸引濾過によってピリジンの
塩酸塩より分離し、溶媒を留去することによってオレン
ジ色の油状生成物を得た。この油状生成物を単離精製す
ること無く、次のエステル化反応に用いた。すなわち、
1リットル三つ口フラスコにメタノール7.5ml
(0.185mol)およびジクロロメタン192ml
を入れ、氷冷下に酸塩化物を滴下して3時間撹拌反応を
行った。さらに室温まで温度を上げて2時間反応を続け
た。反応混合物を分液ロートに取り10%水酸化ナトリ
ウム水溶液で処理してジクロロメタン層と水酸化ナトリ
ウム水溶液層に分けた。水酸化ナトリウム水溶液層は濃
塩酸でpH1としてエーテルで抽出した。ジクロロメタ
ン層およびエーテル層をそれぞれ水洗、乾燥させた後に
溶媒の留去を行った。エーテル層からは黄色結晶状のカ
ルボン酸基含有化合物が0.4g得られた。これをジア
ゾメタンでメチルエステルとしシリカゲルを用いたカラ
ムクロマトグラフィーで精製したところ、テトラシクロ
[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン−
1−カルボン酸メチルエステル117mgが得られた。
一方ジクロロメタン層からは褐色油状物13.0g(9
4.8%)が得られた。これを減圧蒸留してメチルエス
テル混合物11.6g(89.2%)を得た。この留分
13C−NMR分析を行ったところ、カルボン酸メチ
ルエステル基が、テトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカン骨格の1,9又は
11位にそれぞれ導入された化合物が23:33:44
の割合で生成していることが確認できた。この留分をさ
らにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し
た。分析結果を以下に示す。
【0042】(分析結果)テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン−1−カルボン酸メチルエステル 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 3880,3840,1720,1430,1330,
1290,1230,1190,1140,1120,
1090,1040,960,840,820,79
0,740,700 H NMRスペクトル分析(CDCl);δ3.6
2(s,3H),2.10〜0.96(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) δ177.6(prim.),48.4(ter
t.),46.7(sec.)44.8(quar
t.),41.6(sec.),40.3(se
c.),37.1(sec.),34.6(se
c.),32.7(quart.),31.9(se
c.),28.8(tert.),28.3(ter
t.),26.7(sec.),24.1(se
c.),21.1(sec.) 質量分析(m/e);248(M+,26),189
(100) 高分解能質量分析;Calcd. 248.1776,
Found 248.1791テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン−9−カルボン酸メチルエステル 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 2920,2850,1730,1480,1450,
1440,1250,1330,1310,1240,
1220,1180,1150,1130,1110,
1105,1080,1070,1050,1040,
990,970,940,920,905,880,8
60,850,830,780,750,710,69
H NMRスペクトル分析(CDCl);δ3.6
4(s,3H),2.04〜1.01(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) δ178.3(quart.),51.5(pri
m.),46.6(tert.),46.4(se
c.),41.8(quart.),39.9(se
c.),39.7(sec.),38.2(se
c.),36.9(sec.),33.7(ter
t.),33.0(quart.),32.8(se
c.),29.0(tert.),27.2(se
c.),26.9(sec.),21.3(sec) 質量分析 (m/e); 248(M+,26),18
9(100) 高分解能質量分析; Calcd. 248.177
6, Found 248.1778テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン−11−カルボン酸メチルエステル 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 2930,2870,1730,1460,1440,
1350,1340,1320,1280,1240,
1220,1200,1190,1150,1140,
1110,1090,1080,1050,1040,
1000,980,950,930,910,880,
860,840,790,760,720,680 H NMRスペクトル分析(CDCl);δ3.6
3(s,3H),2.12〜0.95(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) δ177.9(quart.),51.4(pri
m.),48.3(sec.),46.7(ter
t.),42.0(quart.),40.5(se
c.),40.1(sec.),39.6(se
c.),34.5(sec.),33.5(ter
t.),32.8(quart.),30.2(se
c.),28.6(tert.),27.1(se
c.),27.0(sec.),21.4(sec.) 質量分析 (m/e); 248(M+,24),18
9(100) 高分解能質量分析; Calcd. 248.177
6, Found 248.1770テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカンカルボン酸(1,9,11位にCOOH基が
置換した混合物、ただし13C NMRだけは各異性体
に対する分析結果) 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 3450〜2450(bd),2910,2850,1
790,1450,1410,1290,1250,1
200,1150,1140,1110,940,70
H NMRスペクトル分析(CDCl); δ2.
30〜0.93(m)13 C NMRスペクトル分析(CDClテトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン−1−カルボン酸 δ184.1(quart.),48.2(ter
t.),46.7(prim.),44.8(quar
t.),41.6(sec.),40.3(se
c.),37.1(sec.),34.6(se
c.),32.7(quart.),31.6(se
c.),28.8(tert.),28.2(ter
t.),26.7(sec.),24.0(se
c.),21.2(sec.)テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン−9−カルボン酸 δ184.7(quart.),46.5(ter
t.),46.3(sec.),41.6(quar
t.),39.9(sec.),39.4(se
c.),38.1(sec.),36.6(se
c.),33.5(tert.),33.0(quar
t.),32.5(sec.),28.9(ter
t.),27.2(sec.),26.9(se
c.),21.3(sec)テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカン−11−カルボン酸 δ184.4(quart.),48.0(se
c.),46.7(tert.),41.8(quar
t.),40.1(sec.),40.0(se
c.),39.3(sec.),34.4(se
c.),33.4(tert.),32.7(quar
t.),30.2(sec.),28.5(ter
t.),27.1(sec.),26.9(se
c.),21.4(sec) 質量分析 (m/e); 234(M+,25),18
9(100) 高分解能質量分析; Calcd. 234.162
0, Found 234.1634
【0043】
【実施例2】 テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカンカルボン酸−1−エチルエステルの製造 300mlナス型フラスコに実施例1で得られたテトラ
シクロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデ
カンカルボン酸メチルエステルの混合物7.4g(2
9.8mmol)、水酸化カリウム3.0g(43.7
mmol)および95%エタノール60mlを入れ、7
日間加熱還流を行った。反応混合物を水300mlに加
えて希釈し、これをエーテル抽出した。エーテル層は水
洗の後硫酸マグネシウム上で乾燥させた。また水層は濃
塩酸でpH1とし、エーテルで抽出した。このエーテル
層も同様に処理した。最初のエーテル層より溶媒を留去
したところテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカンカルボン酸−1−エチルエステ
ル0.40g(1.5mmol,5.0%)が得られ
た。また水層より得られたエーテル層を濃縮したところ
黄色固体状のカルボン酸混合物6.61g(28.2m
mol,94.6%)が得られた。分析結果を以下に示
す。
【0044】(分析結果)テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカンカルボン酸−1−エチルエステル 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 2930,2850,1730,1450,1390,
1360,1340,1320,1300,1290,
1270,1230,1200,1180,1150,
1130,1110,1050,1020,970,9
60,950,920,900,870,860,85
0,840,790,750,710,690 H NMRスペクトル分析(CDCl) δ4.10(q.,J=7.17Hz,2H),1.2
3(t.,J=7.17Hz,3H),2.110〜
1.97(m),1.74〜1.66(m),1.60
〜1.33(m),1.30〜0.98(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) δ177.0(quart.),59.7(se
c.),48.4(tert.),46.8(se
c.),44.7(quart.),41.7(se
c.),40.3(sec.),37.2(se
c.),34.7(sec.),32.7(quar
t.),32.0(sec.),28.9(ter
t.),28.3(tert.),26.7(se
c.),24.0(sec.),21.2(sec),
14.2(prim.) 質量分析 (m/e);262(M+,24),189
(100) 高分解能質量分析 ;Calcd. 262.193
3, Found 262.1951
【0045】
【実施例3】 テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカンメタノールの製造 300ml三つ口フラスコに水素化リチウムアルミニウ
ム0.6g(15.8mmol)およびエーテル24m
lを入れて氷冷した。次いで実施例1で製造したテトラ
シクロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデ
カンカルボン酸メチルエステル混合物2.27g(9.
13mmol)をエーテル110mlに溶解し、この溶
解物を1時間かけて滴下し、氷冷下に3.5時間撹拌を
続けた。次に水を添加して反応を停止させ、希塩酸を加
えて室温で10分間撹拌した後、エーテルで抽出して水
洗および硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を留去
したところ粗生成物2.01gが得られた。シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製したところ、テトラシ
クロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカ
ンメタノールの異性体混合物1.95g(97%)が得
られた。分析結果を以下に示す。
【0046】(分析結果)テトラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テ
トラデカンメタノール 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 3320(bd),2920,2850,1450,1
380,1350,1170,1150,1120,1
090,1070,1030,1000,970,93
0,850,790 H NMRスペクトル分析(CDCl);δ3.2
(s,2H),2〜0.75(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) δ73.7,73.4,70.2,48.8,47.
3,47.2,47.1,47.0,41.3,40.
7,40.6,40.4,39.9,39.8,38.
8,37.9,37.0,36.8,35.8,35.
7,35.5,35.1,33.8,33.7,33.
3,33.1,32.9,32.8,32.7,30.
9,29.2,28.8,28.6,27.3,27.
2,27.1,27.0,26.9,22.0,21.
6,21,4,21.2 質量分析(m/e);220(M+,12),189
(100) 高分解能質量分析;Calcd. 220.1827,
Found 220.1837
【0047】
【実施例4】 アセチルテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカンの製造 常法に従って300ml三つ口フラスコを用いて40m
lのエーテル中でヨウ化銅8.59g(45mmol)
とメチルリチウム(1.5mol/リットル溶液)60
ml(90mmol)とから調製したリチウムジメチル
キュプレートをドライアイス−アセトン浴中で冷却した
後、実施例1と同様の方法によって調製したテトラシク
ロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン
カルボン酸混合物3.53g(13.7mmol)の酸
塩化物エーテル溶液24mlを滴下し、1時間撹拌を行
った。次いでメタノールを加えて反応を停止し、有機層
を分離した。水層をエーテル抽出し、先の有機層と併せ
て水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶媒を留去
した。次にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
したところ、アセチルテトラシクロ[7.3.1.0
2,7.17,11]テトラデカンの異性体混合物2.
81g(12.0mmol,92.8%)が得られた。
分析結果を以下に示す。
【0048】(分析結果)アセチルテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 2920,2850,1600,1450,1350,
1260,1230,1220,1150,1110,
1030,970 H NMRスペクトル分析(CDCl) δ2.10(s,1H),2.09(s,1H),2.
05(s,1H),2.13〜0.65(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl1−アセチルテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン δ213.6(quart.),46.7,40.2,
39.8,39.0,34.5,33.4,32.8
(quart.),30.3,28.6,27.1,2
6.9,24.3,21.49−アセチルテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン δ48.4,47.6,47.5,41.1,40.
4,37.2,34.7,31.4,29.6,28.
9,28.2,26.8,24.4,24.011−アセチルテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカン δ47.8,46.5,46.4,39.9,39.
2,38.2,36.1,33.6,33.0(qua
rt.),32.1,29.0,27.2,26.8,
24.3,21.3 質量分析 (m/e); 232(M+,11),18
9(100) 高分解能質量分析; Calcd. 232.182
7, Found 232.1839
【0049】
【実施例5】 1−アセトキシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカンの製造 50mlナス型フラスコにテトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカン−1−カルボン酸
408mg(1.73mmol)、四酢酸鉛1.4g
(2.72mmol)、酢酸カリウム0.8gおよび酢
酸11mlを入れて7時間還流反応を行った。反応混合
物をエーテル抽出し、有機層を水酸化ナトリウム水溶液
で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を留
去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
したところ、1−アセトキシテトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカン215mg
(50.7%)が得られた。分析結果を以下に示す。
【0050】(分析結果)1−アセトキシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカン 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 2920,2850,1730,1450,1370,
1350,1310,1280,1240,1210,
1180,1150,1130,1115,1105,
1090,1050,1020,950,920,88
0,860,830,810,780,740 H NMRスペクトル分析(CDCl);δ1.9
6(s,3H),2.22〜0.83(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) δ170.1(quart.),82.9(quar
t.),49.1(tert.),46.3(se
c.),41.6(sec.),39.7(se
c.),36.9(sec.),36.2(se
c.),35.7(quart.),34.6(se
c.),30.9(tert.),30.5(ter
t.),26.4(sec.),22.4(se
c.),21.8(sec.),21.2(sec.) 質量分析 (m/e); 248(M+,0.2),1
88(100),146(31) 高分解能質量分析; Calcd. 248.177
6, Found 248.1772
【0051】
【実施例6】 1−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカンの製造 三つ口フラスコに水素化リチウムアルミニウム50mg
(1.32mmol)及びエーテル3mlを入れ、氷冷
下に実施例5で製造した1−アセトキシテトラシクロ
[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン1
66mg(0.67mmol)をエーテル9mlに溶解
した溶解物を滴下した。1時間撹拌反応させた後に水お
よび希塩酸を加えて加水分解し、エーテルで抽出を行っ
た。水洗および硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、溶
媒を留去して1−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカン135mg
(98.2%)を得た。分析結果を以下に示す。
【0052】(分析結果)1−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカン 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 3270,2930,2870,2670,1720,
1470,1460,1450,1380,1360,
1350,1340,1330,1320,1300,
1270,1260,1240,1200,1190,
1160,1140,1120,1090,1070,
1050,1010,980,970,960,94
0,930,910,860,850,840,81
0,710,660 H NMRスペクトル分析 (CDCl);δ2.
16〜0.85(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) δ70.0(quart.),53.1(ter
t.),47.2(sec.),46.5(se
c.),39.6(sec.),38.6(se
c.),36.9(sec.),35.4(quar
t.),34.4(sec.),30.9(ter
t.),30.4(tert.),26.6(se
c.),21.30(sec.),21.25(se
c.) 質量分析 (m/e); 206(M+,82),14
9(100),95(38) 高分解能質量分析; Calcd. 206.167
1, Found 206.1688
【0053】
【実施例7】 アセトキシテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカンの製造 200mlナス型フラスコに、実施例4で製造したアセ
チルテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカンの異性体混合物2.62g
(11.2mmol)、クロロホルム39mlおよびメ
タクロロ過安息香酸3.0g(13.5mmol)を入
れ一夜撹拌を続けた。得られた反応混合物をチオ硫酸ソ
ーダ水溶液、水酸化ナトリウム水溶液および水で洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製したと
ころ、アセトキシテトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカンの異性体混合物
2.46g(84.6%)が得られた。分析結果を以下
に示す。
【0054】(分析結果)アセトキシテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 2930,2870,1730,1450,1370,
1350,1250,1230,1210,1180,
1150,1140,1110,1080,1050,
1030,960,870,860,760 H NMRスペクトル分析(CDCl);δ1.9
5(s,1H),1.94(s,1H),2.16〜
0.96(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl) (カッコ内の(9)および(11)はそれぞれ9位およ
び11位にアセトキシ基が置換された生成物に帰属され
るものである。) δ170.3(quart.),81.7(quar
t.(9)),80.8(quart.811)),5
0.3(tert.),46.5(tert.(1
1)),46.0(sec.),42.7(se
c.),41.9(sec.),39.3(se
c.),39.3(sec.),37.8(se
c.),36.7(quart.(9)),36.2
(tert.(9)),36.0(tert.(1
1)),35.3(sec.),34.2(se
c.),31.2(tert.(9)),31.0(t
ert.(11)),30.0(sec.),27.3
(sec.),26.9(sec.),26.9(se
c.),22.7(prim.),21.4(sec.
(11)),21.4(sec.(9)) 質量分析 (m/e);248(M+,8),188
(100),133(27),92(52) 高分解能質量分析;Calcd. 248.1776,
Found 248.1770
【0055】
【実施例8】 ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカンの製造 三つ口フラスコに、水素化リチウムアルミニウム0.4
g(9.4mmol)およびエーテル15mlを入れた
後、氷冷下に実施例7で製造したアセトキシテトラシク
ロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン
の異性体混合物2.34g(9.37mmol)をエー
テル100mlに溶解した溶解物を滴下した。2時間撹
拌反応させた後、水および希塩酸を加えて反応を停止し
た。反応混合物をエーテルで抽出し、水洗および硫酸マ
グネシウム上で乾燥させた。溶媒を留去させた後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製したところ、ヒ
ドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン1.99g(98.2%)が得
られた。分析結果を以下に示す。
【0056】(分析結果)ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7.1
7,11]テトラデカン 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 3300(bd),2910,2850,1440,1
340,131,1160,1110,1070,10
50,1030,960,930,920,900 H NMRスペクトル分析(CDCl);δ2.1
4〜0.87(m)13 C NMRスペクトル分析(CDCl9−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカン δ69.6(quart.),46.3(ter
t.),46.0(sec.),46.0(se
c.),43.4(sec),39.3(sec.),
37.7(sec.),36.7(quart.),3
6.2(sec.),31.3(tert.),27.
3(sec.),26.9(sec.),21.4(s
ec.)11−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカン δ68.6(quart.),54.6(sec.),
46.6(sec.),46.4(tert.),4
6.0(sec.),40.0(sec.),36.0
(tert.),35.6(quart.),34.1
(sec.),31.0(tert.),29.9(s
ec.),27.0(sec.),27.0(se
c.),21.5(sec.) 質量分析 (m/e); 206(M+,100),1
49(99),95(38) 高分解能質量分析; Calcd. 206.167
1, Found 206.1682
【0057】
【実施例9】 2−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカンの製造 200mlナス型フラスコにテトラシクロ[7.3.
1.02,7.17,11]テトラデカン9.8g(5
1.5mmol)、メタクロロ過安息香酸(純度67
%)15.0g(58.2mmol)および1,2−ジ
クロロエタン80mlを入れ、70℃の温度で25時間
加熱撹拌を行った。なお反応の途中でメタクロロ過安息
香酸を7.8g(30.3mmol)追加した。放冷後
副生したメタクロロ安息香酸を濾別し、亜硫酸水素ナト
リウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液および飽和食塩
水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥さ
せた。次いで溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製したところ、2−ヒドロキシテト
ラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラ
デカン1.85g(17%)および1−ヒドロキシテト
ラシクロ[7.3.1.02,7.17,11]テトラ
デカンと、9−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.
2,7.17,11]テトラデカンと、11−ヒドロ
キシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカンとの混合物(13C NMR
分析より異性体比は3:2:2の割合であった)5.4
0g(51%)が得られた。分析結果を以下に示す。
【0058】(分析結果) 2−ヒドロキシテトラシクロ[7.3.1.02,7
7,11]テトラデカ 赤外吸収スペクトル分析(cm−1,neat) 3450,2880,2850,1450,1340,
1310,1280,1250,1240,1200,
1150,1130,1090,1050,1030,
1010,980,960,950,930,932,
900,880,870,850,810,790,7
60,660 H NMRスペクトル分析(CDCl);δ2.2
7〜0.86(m)13 C NMRスペクトル分析 (CDCl) δ74.6(quart.),40.5(sec.),
39.6(tert.),38.9(sec.),3
8.4(sec.),36.2(quart.),3
4.7(sec.),34.4(sec.),33.1
(sec.),32.2(sec.),28.6(te
rt.),28.6(tert.),21.6(se
c.),20.45(sec.) 質量分析(m/e);206(M+,13),188
(100),131(35) 高分解能質量分析;Calcd. 206.1671,
Found 206.1697
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 61/125 C07C 61/125 69/753 69/753 Z 69/757 69/757 Z (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 13/68 C07C 31/137 C07C 35/44 C07C 49/323 C07C 61/125 C07C 69/753 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1(式中R、R及びR
    は、−COOH、−COOCH、−COOC
    、−CHOH、−COCH、−OCOC
    、−OH、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基
    を示し、Rは、水素原子、−OH又は炭素数1〜5の
    アルキル基を示す(但し Rが水素原子又は炭素数1
    〜5のアルキル基の場合には、R、R及びRのい
    ずれか1つの基が−COOH、−COOCH、−CO
    OC、−CHOH、−COCH、−OCOC
    又は−OHを示し、残りの2つの基は水素原子又は
    炭素数1〜5のアルキル基を示す。またRが−OHの
    場合には、R、R及びRは、水素原子又は炭素数
    1〜5のアルキル基を示す)。また式中R、R、R
    及びR以外の水素原子が炭素数1〜5のアルキル基
    で置換されていても良い。)で表わされるテトラシクロ
    [7.3.1.02,7.17,11]テトラデカン誘
    導体。 【化1】
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