JP2967770B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2967770B2 JP9307694A JP30769497A JP2967770B2 JP 2967770 B2 JP2967770 B2 JP 2967770B2 JP 9307694 A JP9307694 A JP 9307694A JP 30769497 A JP30769497 A JP 30769497A JP 2967770 B2 JP2967770 B2 JP 2967770B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイス等の
製造プロセスに用いられる半導体素子基板等のエッチン
グもしくは薄膜形成等のプラズマ処理を行う半導体製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】低ガス圧力に保った真空反応容器内にマ
イクロ波を導入することにより、ガス放電を起こし得ら
れたプラズマを、試料に照射することによりエッチング
や薄膜形成等の処理を行うプラズマ処理装置は、高集積
半導体素子や液晶の製造に欠かせない。
【0003】特に、プラズマ生成に関わるマイクロ波と
生成されたプラズマ中のイオンの加速を行うための電力
とをそれぞれ独立に制御できるプラズマ処理装置が、ド
ライエッチング技術及び薄膜形成技術において望まれ
る。
【0004】図3は従来のプラズマ処理装置を示すもの
であり、プラズマの生成とプラズマ中のイオンの加速と
を独立に制御することができるプラズマエッチング装置
を模式的に示した断面図である(T.Akimoto
et al.,J.J.A.P.,33(1994),
H.Mabuchiet al.,Proc.16th
Symp.DryProcess,P235(199
5))。
【0005】図中1は中空直方体形状の反応容器を示し
ている。反応容器1の上部はマイクロ波の透過性を有し
ており、誘電損失が小さく且つ耐熱性を有する、例え
ば、石英ガラスまたはAl23等を用いて形成された誘
電体板2によって気密状態に封止してある。
【0006】反応容器1の上方には、誘電体板2と所定
の空間18おいて対向し且つ誘電体板2を覆い得る大
きさの弗素樹脂製の誘電体線路3が設置してあり、この
誘電体線路3は誘電体材料で形成された誘電体層3を有
しており、この誘電体層3の上面にはAl等の金属板4
が設置してある。
【0007】誘電体線路3にはマイクロ波発振機5より
マイクロ波導波管6を介してマイクロ波が導入されるよ
うになっており、誘電体線路3の終端は金属で封止して
ある。また、誘電体板2の上部には、プラズマ均一性を
制御するために必要なAl等の金属で作成された、厚さ
が3mmのマイクロ波遮蔽板11が設置してある。
【0008】そして、反応容器1の内部には処理対象物
である試料Sを保持するための試料保持部7と試料台8
とが設けてあり、試料保持部7には試料Sの表面にバイ
アス電圧を発生させるための高周波電源9が接続してあ
る。また、反応容器1の下部には、反応容器1を真空に
排気するための排気装置に接続された排気管12が連結
してあり、反応容器1の側壁には、反応容器1内に必要
な反応ガスを供給するためガス供給管13が接続してあ
る。
【0009】反応容器1及び上部電極10にはそれぞれ
ヒーター14及び15が設置してあり、反応容器1及び
上部電極10を予め加熱している。また、それぞれのヒ
ーター14、15に対し、電力を供給するためのヒータ
ー電源16が設置してある。
【0010】上記のように構成されたプラズマ処理装置
にあっては、以下のようにして試料S表面にプラズマ処
理が施される。まず、排気管12から排気を行って反応
容器1内を所定の圧力に設定し、その後、ガス供給管1
3から反応ガスを供給する。
【0011】次に、マイクロ波発振機5においてマイク
ロ波を発振させ、導派管6を介して誘電体線路3に導入
する。すると誘電体線路3下方に電界が形成され、マイ
クロ波導入窓17を通り抜けて反応容器1内においてガ
スが励起されプラズマを発生する。同時に、前記プラズ
マ中のイオンのエネルギーを制御するため、高周波電源
により試料Sが載置されている試料保持部7に高周波
電源9を印加し、試料S表面にバイアス電圧を発生させ
る。このバイアス電圧により、イオンを試料Sに対して
垂直に入射させると共に、試料Sに入射するイオンのエ
ネルギーを制御する。
【0012】このようなプラズマ処理装置において試料
Sとしての基板を連続処理することにより、誘電体線路
3の温度は、プラズマからの入熱によって融点に近い2
50℃まで上昇し、誘電体線路3の熱膨張を原因とする
変形が発生した。これは、誘電体線路3の保持方法に問
題があると考えられ、その改善策として、図4に示すよ
うに誘電体線路3を、複数の弗素樹脂製のビス19で、
上部の金属板4に取り付けていた。
【0013】しかしながら、誘電体線路3そのものの熱
膨張によりビス19が変形し、誘電体線路3の固定が確
実にできなくなると共に、誘電体線路3の変形も観察さ
れた。図5の(1)、(2)に誘電体線路3の変形前後
の拡大図を示す。変形後は、図5の(2)に示すよう
に、金属板4と誘電体線路3の間に空間が生じ、経時変
化を起こすことが分かる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、テフ
ロン製の誘電体線路3は均一なプラズマを生成するため
の重要部品である。即ち、誘電体線路3に導入されたマ
イクロ波は、誘電体線路3の表面上に定在波を形成し、
その定在波が形成する電界によりプラズマが発生する。
したがって、誘電体線路3の歪みやガタは均一なプラズ
マの発生に対し、重大な影響を与える。このような経時
変化は、エッチング均一性の再現性を著しく悪化させ好
ましくない。ところが、すでに述べたように、従来のプ
ラズマ処理装置における誘電体線路3の固定では、テフ
ロン製ビス19の強度が足りず、誘電体線路3の熱膨張
による力でテフロン製ビス19が変形する。また、一度
変形した誘電体線路3もまた初期の形状を再現しない。
【0015】よって、従来のプラズマ処理装置の構造で
は、部品の経時変化によるエッチング均一性の再現性悪
化が顕著に観察される。ところで、この対策としてビス
19の本数を多くすることも考えられるが、多量のビス
19の設置は、誘電体線路3中に誘電率の異なる部位を
多量に存在させることになるため、大きくプラズマ均一
性を悪化させる可能性があって現実的ではない。したが
って、誘電体線路3の設置方法を見直し、経時変化を起
こさない構造の必要性が要請されていた。
【0016】本発明は、上記の事情に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、誘電体線路の
熱膨張による変形を抑制し、エッチング均一性の経時変
化を無くしたプラズマ処理装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係るプラズマ処理装置は、マイ
クロ波発振器と、マイクロ波を伝送するマイクロ波導波
と、前記マイクロ波導波管に接続された誘電体線路に
対向配置されるマイクロ波導入窓を有する反応容器と、
前記反応容器内に処理すべき試料基板を載置するために
設けられた試料保持部と、前記試料保持部に高周波電界
または直流電界を印加する手段と、試料と対向に配置さ
れたマイクロ波が通過できる窓が設けられ、プラズマの
均一性制御に有効なマイクロ波遮蔽板を備えたプラズマ
処理装置において、前記誘電体線路を、この誘電体線路
の上部に設けた金属板と、前記誘電体線路の下部に設け
たマイクロ波遮蔽板との間に、前記金属板及び前記マイ
クロ波遮蔽板に密着するように設置して、前記誘電体線
路がプラズマ処理中の温度上昇により変形することを抑
制するようにしたことを特徴とする。
【0018】かかる構成により、均一なプラズマの生成
に対し重要な部品である誘電体線路の歪みが抑制され、
経時変化のない良好なプラズマ処理が実現できるように
なる。
【0019】また、上記の目的を達成するために、請求
項2の発明に係るプラズマ処理装置は、請求項1に記載
のプラズマ処理装置において、前記反応容器の上部を封
止する誘電体板の上部に、前記マイクロ波遮蔽板を設置
し、このマイクロ波遮蔽板に重ねて前記誘電体線路を設
置し、前記誘電体線路の上部に金属板を設け、前記誘電
体板を前記マイクロ波遮蔽板を介して前記誘電体線路に
密着させると共に、前記誘電体線路を前記金属板に密着
させた。
【0020】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、従
来のプラズマ処理装置に比較し飛躍的にその再現性が向
上できる。
【0021】また、上記の目的を達成するために、請求
の発明に係るプラズマ処理装置は、請求項1又は請
求項2に記載のプラズマ処理装置において、前記誘電体
線路を前記金属板にビスで固定した。
【0022】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、従
来のプラズマ処理装置に比較し飛躍的にその再現性が向
上できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0024】(実施例1) 本発明の実施の実施例1を図1に示す。図1は本発明に
係るプラズマ処理装置(実施例1)の構成説明図であ
る。本発明に係るプラズマ処理装置は、Al、ステンレ
ス等の金属により形成された反応容器1を備えており、
この反応容器1の上部はマイクロ波の透過性を有してお
り、誘電損失が小さく且つ耐熱性を有している。すなわ
ち、反応容器1の容器本体1Aの上部には開口部1Bが
形成してあり、この開口部1Bが石英ガラスまたはAl
23等を用いて形成された誘電体板2によって気密状態
に封止してある。
【0025】そして、誘電体板2の上部には、プラズマ
均一性を制御するために必要なAl等の金属で作成され
た、厚さが3mmのマイクロ波遮蔽板11が設置してあ
り、更に、このマイクロ波遮蔽板11に重ねて、誘電体
板2を覆い得る大きさのテフロン製の誘電体線路3が設
置してある。この誘電体線路3は、誘電損失の小さい弗
素樹脂等の誘電体材料で形成された誘電体層3Aを有し
ており、この誘電体層3の上面にはAl等の金属板4が
設置してある。
【0026】この場合、誘電体板2は窓を有するマイク
ロ波遮蔽板11に密着し、また、マイクロ波遮蔽板11
は誘電体線路3の下部に密着しており、更には、誘電体
線路3はその上部において金属板4に密着していて、従
来のプラズマ処理装置における、誘電体線路3を固定す
るビス19は使用しない。これにより、誘電体線路3
は、その上部に設けた金属板4と、下部に設けたマイク
ロ波遮蔽板11との間に、金属板4及びマイクロ波遮蔽
板11に密着するように設置されていて、確実に面で上
下から固定されるために、プラズマ処理中の温度上昇に
より誘電体線路3が熱膨張して、この熱膨張による歪み
が抑制される。
【0027】誘電体線路3にはマイクロ波発振機5より
マイクロ波導波管6を介してマイクロ波が導入されるよ
うにしてあり、誘電体線路3の終端は金属で封止してあ
る。
【0028】反応容器1の内部には、処理対象物である
試料(試料基板)Sを保持するための試料保持部7と試
料台8が設けてあり、試料保持部7には、試料Sの表面
にバイアス電圧を発生させるための高周波電源(高周波
電界を印加する手段)9が接続してある。また、反応容
器1の下部には、反応容器1を真空に排気するための排
気装置に接続された排気管12が連結してあり、反応容
器1の側壁には反応容器1内に必要な反応ガスを供給す
るためガス供給管13が接続してある。
【0029】反応容器1及び上部電極10には、それぞ
れヒーター14及び15が設置してあり、反応容器1及
び上部電極10を予め加熱している。また、それぞれの
ヒーター14、15に対し電力を供給するためのヒータ
ー電源16が設置してある。
【0030】従来のプラズマ処理装置及び本発明に係る
プラズマ処理装置の双方において、新品の誘電体線路3
を取り付けた後、プラズマ処理を行った時のエッチング
均一性の経時変化は図2のようになった。この場合、圧
力20mTorr 、μ波パワー1800W、RFパワー600W、CHF3、4
0sccm、CD40sccmの実験条件で、基板1枚あたり300
秒照射し連続処理を行った。
【0031】なお、本発明に係るプラズマ処理装置にお
いて、誘電体線路3がマイクロ波遮蔽板11に接触する
ことで、このマイクロ波遮蔽板11の効果が変わり、エ
ッチング均一性が悪化したため、マイクロ波遮蔽板1の
位置や形状を見直すことで、従来のプラズマ処理装置と
ほぼ同等のエッチング性能が得られることを確認した。
【0032】その結果を図2に示す。従来のプラズマ処
理装置では、基板の処理枚数が500枚で均一性は±1
0%まで悪化した。一方、本発明に係るプラズマ処理装
置では、基板のプラズマ処理として500枚までの処理
で±5%までの均一性を維持し、本発明により経時変化
が改善された。
【0033】(実施例2) また、上記した本発明の実施例1においては、従来のプ
ラズマ処理装置における、誘電体線路3を固定するビス
19を無くしたが、このビス19を付けたまま、本発明
のプラズマ処理装置を構成することも可能である。この
ような構造にすることで、誘電体線路3を固定する強度
が飛躍的に増大し、なお一層の再現性向上が期待でき
る。また、これは、上記した本発明の実施例2への適用
も可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るプラ
ス処理装置にあっては、均一なプラズマの生成に対し重
要な部品である誘電体線路の歪みが抑制され、経時変化
のない良好なプラズマ処理が実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理装置の構成説明図で
ある。
【図2】エッチング均一性と処理枚数との関係図であ
る。
【図3】従来のプラズマ処理装置の構成説明図である。
【図4】従来のプラズマ処理装置における誘電体線路の
固定手段の断面図である。
【図5】(1)は従来のプラズマ処理装置における誘電
体線路の変形前の説明図である。 (2)は同誘電体線路の変形後の説明図である。
【符号の説明】
1 反応容器 1A 容器本体 1B 開口部 2 誘電体板 3 誘電体線路 3A 誘電体層 4 金属板 5 マイクロ波発振器マイクロ波導波管 7 試料保持部 8 試料台 9 高周波電源 10 上部電極 11 マイクロ波遮蔽板 12 排気管 13 ガス供給管 14 ヒーター 15 ヒーター 16 ヒーター電源 17 マイクロ波導入窓 S 試料(試料基板) 18 空間 19 ビス

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波発振器と、マイクロ波を伝送
    するマイクロ波導波管と、前記マイクロ波導波管に接続
    された誘電体線路に対向配置されるマイクロ波導入窓を
    有する反応容器と、前記反応容器内に処理すべき試料基
    を載置するために設けられた試料保持部と、前記試料
    保持部に高周波電界または直流電界を印加する手段と、
    試料と対向に配置されたマイクロ波が通過できる窓が設
    けられ、プラズマの均一性制御に有効なマイクロ波遮蔽
    を備えたプラズマ処理装置において、 前記誘電体線路を、この誘電体線路の上部に設けた金属
    板と、前記誘電体線路の下部に設けたマイクロ波遮蔽板
    との間に、前記金属板及び前記マイクロ波遮断板に密着
    するように設置して、前記誘電体線路がプラズマ処理中
    の温度上昇により変形することを抑制するようにしたこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記反応容器の上部を封止する誘電体板
    の上部に、前記マイクロ波遮断板を設置し、このマイク
    ロ波遮蔽板に重ねて前記誘電体線路を設置し、前記誘電
    体線路の上部に金属板を設け、前記誘電体板を前記マイ
    クロ波遮蔽板を介して前記誘電体線路に密着させると共
    に、前記誘電体線路を前記金属板に密着させた請求項1
    に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記誘電体線路を前記金属板にビスで固
    定した請求項1又は請求項2に記載のプラズマ処理装
    置。
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