JP2966123B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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JP2966123B2
JP2966123B2 JP3026918A JP2691891A JP2966123B2 JP 2966123 B2 JP2966123 B2 JP 2966123B2 JP 3026918 A JP3026918 A JP 3026918A JP 2691891 A JP2691891 A JP 2691891A JP 2966123 B2 JP2966123 B2 JP 2966123B2
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drum
damper
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washing machine
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水平の回転軸を備えた
ドラム式洗濯機の防振手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水平の回転軸を備えたドラムの内側で洗
濯、脱水、乾燥を行うドラム式洗濯機は例えば図4と5
に示すような構造でドラム4を支持している。
【0003】すなわち、ドラム4を回転自由に収装した
洗濯受槽2を床面10に載置したース1の内側に4本の
コイルスプリング3で吊り下げる一方、ケース1の下部
に一端を連結した2基のダンパ11でドラム4を下方か
ら支持している。
【0004】これは、脱水時に洗濯物がドラム4の内周
に均一に押し付けられず、ドラム4の回転がアンバラン
スになった時にドラム4が大きく振動するのを防止する
ためである。
【0005】なお、ドラム4を回転駆動するモータ7は
洗濯受槽2の下部に取り付けられ、ベルト9を介してド
ラム4に回転力を伝達するようになっている。また、洗
濯物はケース1の側面に設けたドア13を介してドラム
4に投入される。
【0006】
【発明の課題】この場合のドラム4の振動の吸収メカニ
ズムは図6のモデルに示される。このモデルによれば、
遠心力P、運動方程式及び床面10への振動伝達率τは
数1のようになる。
【0007】
【数1】
【0008】また、数1の式における振動伝達率τと
振動係数比ηの関係を減衰係数比ζをパラメータとして
グラフにしたものを図7に示す。
【0009】このグラフに明らかな通り、共振点(η=
1)付近の低速回転域においては減衰係数比ζが大きい
ほど振動伝達率τは小さく、したがって制振効果が高い
が、脱水時の定常回転域となる高速回転域では逆に減衰
係数比ζが大きいほど振動伝達率τも大きくなる。
【0010】ところが、脱水時にはドラム4の回転数が
0〜1000rpmへと増加し、その途中で共振点を通
過するので、グラフに示されるようにこの共振点におけ
る振動の抑制を目的としてダンパ11の減衰係数比ζを
設定すると、より高速の定常回転域ではかえって振動伝
達率τが高くなってしまい、好ましい制振効果が得られ
ないという問題があった。
【0011】これを解消するには、ダンパ11の発生減
衰力をドラム4の回転数に応じて変化させれば良いが、
そのためには減衰力を変化させるアクチュエータ、アク
チュエータを駆動するコントローラ、振動を検出するセ
ンサなどが必要で全体の構成が複雑になってしまう。
【0012】また、ケース1を床面10に支持する脚部
12をゴムで構成することも知られているが、ゴムの場
合にはばね定数を任意に設定することが困難なために十
分な制振効果を得ることは難しかった。
【0013】本発明は、以上の問題点を解決すべくなさ
れたもので、ドラム式洗濯機の振動を簡易な構成でより
効果的に抑制することを目的とする。
【0014】
【課題を達成するための手段】本発明は、回転ドラムを
内側に収装した洗濯受槽をケースの内側へ、洗濯受槽を
吊り下げるスプリングと、ドラム共振点付近の低速回転
域の振動を減衰させるダンパにより支持したドラム式洗
濯機において、両端を密閉したシリンダの内側に所定の
質量を持ったダイナミックマスを摺動自由に収装してス
プリングで中間位置に弾性保持するとともに、このダイ
ナミックマスの両側に画成されたガス室間をオリフィス
で連通したダイナミックダンパを前記洗濯受槽に付設し
て、脱水時の定常回転域である高速回転域で発生する上
記ダンパに起因する振動を減衰させた。
【0015】
【作用】脱水時の定常回転域におけるドラムの加振周波
数に一致した固有振動数のダイナミックダンパを備える
ことにより、定常回転域ではダイナミックダンパがドラ
ムと逆位相で変位してドラムの振動を打ち消すので振動
が大幅に低減する。
【0016】また、ダイナミックマスの変位に伴ってオ
リフィスを流通するガスの流通抵抗がマスの振幅を規制
するので、ダイナミックダンパの寸法を小さくする。
【0017】
【実施例】図1〜図3を用いて本発明の実施例を説明す
る。なお、前記従来例との同一構成部については同一番
号を付して詳しい説明を省略する。
【0018】図1に示すように洗濯受槽2にダイナミッ
クダンパ5を付設する。
【0019】ダイナミックダンパ5は図2に示すように
両端を密閉したシリンダ20の内側に円筒形のダイナミ
ックマス21を摺動自由に収装し、シリンダ20の両端
部との間に介装したコイルスプリング22により中間位
置に保持したものである。
【0020】シリンダ20の内側のダイナミックマス2
1の両側には空気室23と24が画成され、これらの空
気室23と24をダイナミックマス21の中心部を縦貫
して設けたオリフィス25が連通する。
【0021】シリンダ20の一端には取付ボルト26が
固着し、ダイナミックダンパ5はこの取付ボルト26を
介して洗濯受槽2の下面に取り付けられる。
【0022】なお、ダイナミックマス21の質量とコイ
ルスプリング22のばね定数はダイナミックマス21の
固有振動数がドラム4の脱水時の定常回転域における加
振周波数に一致するように設定される。その他の構成は
前記従来例と同一である。
【0023】次に作用を説明する。
【0024】コイルスプリング3とダンパ11に支持さ
れはドラム4は、洗濯機が脱水段階に入ると回転数を上
昇させ、上昇途中で共振周波数を通過する。この共振周
波数におけるドラム4の振動は前記従来例と同様にダン
パ11により減衰する。
【0025】また、ドラム4の回転数が増加して定常回
転域に至ると、ダイナミックダンパ5の内側のダイナミ
ックマス21がドラム4の振動に対応して振動する。こ
の時、ダイナミックマス21はドラム4(洗濯受槽2)
の変位と逆向きにシリンダ20内を摺動するので、ドラ
ム4の振動は打ち消され、ケース1には振動がほとんど
伝わらない。
【0026】このようにしてドラム4の定常回転域では
ダイナミックダンパ5の働きにより図3に示すように振
動伝達率τが大幅に低下する。
【0027】なお、ダイナミックマス21の摺動に伴な
ってコイルスプリング22が交互に撓み、拡縮する空気
室23と24の間をオリフィス25を介して空気が流通
するが、この時のオリフィス25の流通抵抗がもたらす
減衰力によりダイナミックマス21の振幅が規制される
ので、振動するダイナミックマス21がシリンダ20の
端面に衝突することはない。したがって、必要な制振作
用を維持しつつダイナミックダンパ5の寸法を小さくす
ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明は、回転ドラムを内
側に収装した洗濯受槽をケースの内側へ、洗濯受槽を吊
り下げるスプリングと、ドラム共振点付近の低速回転域
の振動を減衰させるダンパにより支持したドラム式洗濯
機において、ドラム式洗濯機のドラムを収装する洗濯受
槽にガスの流通抵抗で振幅を制限したダイナミックダン
パを付設したので、脱水時の定常回転域である高速回転
域で発生する上記ダンパに起因する振動を減衰させるこ
とが出来、簡単な構成で脱水時の定常回転域における防
振性を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すドラム式洗濯機の概略縦
断面図である。
【図2】ダイナミックダンパの拡大した縦断面図であ
る。
【図3】振動伝達率のグラフである。
【図4】従来例を示すドラム式洗濯機の概略縦断面図で
ある。
【図5】同じく概略斜視図である。
【図6】振動吸収モデルの正面図である。
【図7】振動伝達率のグラフである。
【符号の説明】
1 ケース 2 洗濯受槽 3,22 コイルスプリング 4 ドラム 5 ダイナミックダンパ 11 ダンパ 20 シリンダ 21 ダイナミックマス 23,24 空気室 25 オリフィス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−98667(JP,A) 特開 昭60−222630(JP,A) 実開 平3−92497(JP,U) 実公 昭46−1925(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06F 37/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ドラムを内側に収装した洗濯受槽を
    ケースの内側へ、洗濯受槽を吊り下げるスプリングと、
    ドラム共振点付近の低速回転域の振動を減衰させるダン
    パにより支持したドラム式洗濯機において、両端を密閉
    したシリンダの内側に所定の質量を持ったダイナミック
    マスを摺動自由に収装してスプリングで中間位置に弾性
    保持するとともに、このダイナミックマスの両側に画成
    されたガス室間をオリフィスで連通したダイナミックダ
    ンパを前記洗濯受槽に付設して、脱水時の定常回転域で
    ある高速回転域で発生する上記ダンパに起因する振動を
    減衰させたことを特徴とするドラム式洗濯機。
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JP2007061124A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 洗濯機
TR200808236T1 (tr) * 2006-06-21 2009-02-23 Arçeli̇k Anoni̇m Şi̇rketi̇ Bir çamaşır makinası
JP2008113980A (ja) * 2006-11-08 2008-05-22 Hitachi Appliances Inc ドラム式洗濯機

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