JP2965039B1 - 人工衛星の高帯域姿勢制御方法及び高帯域姿勢制御装置 - Google Patents

人工衛星の高帯域姿勢制御方法及び高帯域姿勢制御装置

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JP2965039B1
JP2965039B1 JP10314522A JP31452298A JP2965039B1 JP 2965039 B1 JP2965039 B1 JP 2965039B1 JP 10314522 A JP10314522 A JP 10314522A JP 31452298 A JP31452298 A JP 31452298A JP 2965039 B1 JP2965039 B1 JP 2965039B1
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Abstract

【要約】 【課題】 低周波から高周波帯域でのサンプリングによ
って姿勢制御できる人工衛星の高帯域姿勢制御方法及び
その装置を提供することにある。 【解決手段】 人工衛星の高帯域姿勢制御方法におい
て、恒星センサにより観測した恒星のCCD座標と恒星
カタログと比較して衛星の姿勢を検出する工程と機械式
ジャイロを使用した慣性基準装置によって衛星の角度速
度を検出する工程とから成る低周波姿勢決定工程と、高
周波センサとローパスフィルタとフィードバック型姿勢
検出フィルタとを使用して高帯域の姿勢を決定する工程
とを備え、低周波域では、前記恒星センサと慣性基準装
置とから成る低周波姿勢決定部からの出力に系全体を追
従させ、それより高い高周波域では前記高周波センサを
含む高周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させ、
フィードバックによって各センサのゲイン特性の重複に
よる乱れを自動的に平坦化するので、高周波の微小振動
にも高精度で姿勢制御が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星の姿勢制
御方法及びその姿勢制御装置に関するものであり、特に
詳しくは、人工衛星の高帯域姿勢制御方法及びその装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、人工衛星などの宇宙航行体は、
姿勢センサや慣性基準装置を組み合わせて航行体の姿勢
角度、及び姿勢角速度を検出/推定している。人工衛星
は、この検出/演算された姿勢角度及び姿勢角速度を夫
々の目標値と比較して、その差違が0となるようなアル
ゴリズムを姿勢制御回路で演算し、アクチュエータを駆
動し人工衛星の姿勢制御が行われている。衛星が自身の
姿勢角度及び姿勢角速度を検出/推定する機能を姿勢決
定と云う。従来は、姿勢決定に際してサンプリングの遅
い姿勢センサ、例えば地球センサ、恒星センサを使用し
て衛星の姿勢を制御していた。図5は、従来の衛星の姿
勢制御方式を示し、従来の姿勢決定部の一例を示すブロ
ック図、図6は、従来の姿勢決定部の一例を示す伝達関
数Gを示す説明図である。図5において、慣性基準装置
1は、衛星の姿勢角速度を検出する。姿勢角速度は、一
般に10Hz程度までの帯域を検出する。また、恒星セ
ンサ2は、衛星の姿勢角Aを1Hz程度までの帯域で検
出する。
【0003】慣性基準装置1からの信号は、レートドリ
フト推定手段3と合成されて、姿勢伝播手段4へ伝えら
れる。一方、恒星センサ2からの低周波域の信号はレー
トドリフト推定手段3と姿勢更新手段5へと伝えられ
る。姿勢更新手段5からの信号は、姿勢伝播手段4から
の信号と合成されて、姿勢決定値B(s)として出力さ
れる。この場合の伝達関数Gは、図6に示す如く、10
Hz程度が限界である。
【0004】また、ジャイロである慣性基準装置を高帯
域化して、姿勢制御の帯域を拡大する例もあるが、その
場合でも、数10Hz程度が限界である。更に、これを
改良するものとして、上述した構成に高周波センサ6を
組み合わせ、慣性基準装置で検出不可能な周波数を検出
する構成を図11に示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述のよ
うな従来の人工衛星の高帯域姿勢制御方法及び装置で
は、それぞれ問題点を有している。即ち、第1の問題点
は、近年人工衛星のコストダウン及び機器の高性能化に
伴って衛星が小型化する傾向にある。この衛星の小型化
によって人工衛星自体の慣性モーメントが小さくなり、
高周波の微少振動に対して衛星本体の振動振幅が大きく
なり、高精度の観測や通信のミッションに悪影響を与え
ている。
【0006】第2の問題点は、地球観測衛星や天文観測
衛星等が近年高分解画像を要求されて来た事である。つ
まり、衛星の精度要求が飛躍的に高くなったために、今
まで問題とならなかった、アンテナ駆動やホイール、太
陽電池パドル駆動などで誘起される微少振動が画像取得
に大きな影響を与える事を意味する。これらの問題を解
決するために、図7に示すように高周波センサ6を加
え、姿勢角Aの検出を行うものが提案されていた。これ
によって、高周波を検出する事ができるが、従来の検出
方式の姿勢決定の周波数特性とマージされてしまう為、
図8に示すようにフラットなゲイン特性が得られない。
図8において、0dbを超えているところは、従来姿勢
決定系のゲインとハイパス特性を有する高周波センサの
特性が加算されてしまっている箇所である。一般に高周
波まで検知できるセンサは、バイアス分や低周波の検出
はできないか、不明確であり、数Hzより上の角度を検
出できる。これは、慣性基準装置のサンプリング間を高
周波センサを用いて早いサンプリングで姿勢伝播した時
も同様な特性となってしまう。
【0007】図9は、図5に示す従来例1の構成による
姿勢制御機構による姿勢決定結果である。図9(A)
は、実際の衛星の姿勢角度を示すもので、擾乱を受けて
いる事を示している。また、図9(B)は、低周波姿勢
決定系の出力を示し、図9(C)は、姿勢決定誤差であ
り、姿勢決定系が検出できない誤差分を表すものであ
る。従来例1の方式では、バイアス〜10Hzまでの姿
勢角度を正確に推定しているが、高周波の姿勢変動は、
そのまま決定誤差として残るために姿勢決定誤差が大き
い。
【0008】図10は、高周波角速度センサからのデー
タを積分して、高帯域姿勢決定部へ伝達する場合を示す
ブロック図である。このような高周波用のセンサは、数
KHzまでの姿勢検出を行う事ができるが、ハイパス特
性を有し、バイアスから低周波(数Hz)までの感度が
悪いと云う欠点が存在する。また、その周波数特性も温
度/センサ個体によるバラツキが大きいものであった。
図12は、高周波角加速度センサからのデータを2階積
分して、高帯域姿勢決定部へ伝達する場合を示すブロッ
ク図である。また、図13は高周波センサの出力特性を
示す説明図である。このように、低域での検出ゲインの
小さいハイパス特性を示す。
【0009】図11は、従来例2による姿勢決定結果を
示すものである。図11(A)は、実際の衛星の姿勢角
度を示すもので、やはり擾乱を受けている事を示す。ま
た、図11(B)は、低周波姿勢決定系の出力を示し、
図11(C)は、(A)(B)の姿勢決定誤差であり、
姿勢決定系が検出できない誤差分を表すものである。
(B)において、一見高周波までの姿勢決定をしている
ように見えるが、図6に示す如く、ゲインの増大の為に
低周波姿勢決定系と高周波角度センサの帯域が重なる周
波数での姿勢変動が増幅されて姿勢決定の出力となるた
め、姿勢決定誤差は大きい。つまり、高周波(100H
z)の姿勢決定はできても、低帯域姿勢決定系と高周波
姿勢決定系が同時にカバーする周波数の姿勢決定の誤差
が大きくなる。
【0010】また、特開昭60−38300号公報に示
す人工衛星の姿勢制御装置では、人工衛星に搭載された
姿勢制御用の回転体が発生する外乱を、これと同じ周波
数と大きさ、位相が同期した信号によって打ち消す装置
である。したがって、本発明のように高帯域でのサンプ
リングによって姿勢制御をするものではない。更に、特
開昭62−222701号公報に示す人工衛星用アンテ
ナ指向方向制御装置では、微小振幅の周期信号(ディザ
信号)を操作量信号に加えてアンテナに振動を与え、こ
のアンテナの指向方向を高周波センサによって検出した
信号のうち、ディザ信号による成分を分離し、この分離
信号と操作量信号に加えたディザ信号との振幅を比較す
る事によって、高周波センサの利得を算出し、利得を1
に保つように補正するものである。したがって、本願発
明のように低周波から高周波帯域まで、安定した伝達関
数を得るものではない。
【0011】本発明の目的は、上記した従来の技術の欠
点を改良し、人工衛星の高周波帯域での微少振動をも制
御する事の出来る人工衛星の高帯域姿勢制御方法及びそ
の装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成する為、以下に示す様な基本的な技術構成を採用す
るものである。即ち、本発明に係る第1の態様として
は、人工衛星の高帯域姿勢制御方法において、恒星セン
サにより観測した恒星のCCD座標と恒星カタログと比
較して衛星の姿勢を検出する工程と機械式ジャイロを使
用した慣性基準装置によって衛星の角度速度を検出する
工程とから成る低周波姿勢決定工程と、高周波センサと
ローパスフィルタとフィードバック型姿勢検出フィルタ
とを使用して高帯域の姿勢を決定する工程とを備え、低
周波域では、前記恒星センサと慣性基準装置とから成る
低周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させ、それ
より高い高周波域では前記高周波センサを含む高周波姿
勢決定部からの出力に系全体を追従させ、フィードバッ
クによって各センサのゲイン特性の重複による乱れを自
動的に平坦化する人工衛星の高帯域姿勢制御方法であ
り、又本発明に係る第2の態様としては、人工衛星の高
帯域姿勢制御装置において、観測した恒星のCCD座標
と恒星カタログと比較して衛星の姿勢を検出する恒星セ
ンサと機械式ジャイロによって衛星の角度速度を検出す
る慣性基準装置とから成る低周波姿勢決定部と、高周波
センサとローパスフィルタとフィードバック型姿勢検出
フィルタとからなる高帯域姿勢決定部とを備え、低周波
域では、前記恒星センサと慣性基準装置とから成る低周
波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させる為に、前
記高周波センサを含む高周波姿勢決定部で、フィードバ
ックループを構成した人工衛星の高帯域姿勢制御装置で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の人工衛星の高帯域姿勢制
御方法は、上記した従来技術に於ける問題点を解決する
為、恒星センサにより観測した恒星のCCD座標と恒星
カタログと比較して衛星の姿勢を検出する工程と機械式
ジャイロを使用した慣性基準装置によって衛星の角度速
度を検出する工程とから成る低周波姿勢決定工程と、高
周波センサとローパスフィルタとフィードバック型姿勢
検出フィルタとを使用して高帯域の姿勢を決定する工程
とを備え、低周波域では、前記恒星センサと慣性基準装
置とから成る低周波姿勢決定部からの出力に系全体を追
従させ、それより高い高周波域では前記高周波センサを
含む高周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させ、
フィードバックによって各センサのゲイン特性の重複に
よる乱れを自動的に平坦化するので低周波帯域から高周
波帯域までの広い範囲で安定した姿勢決定が可能であ
る。
【0014】また、本発明の人工衛星の高帯域姿勢制御
装置は、上記した従来技術に於ける問題点を解決する
為、人工衛星の高帯域姿勢制御装置において、観測した
恒星のCCD座標と恒星カタログと比較して衛星の姿勢
を検出する恒星センサと機械式ジャイロによって衛星の
角度速度を検出する慣性基準装置とから成る低周波姿勢
決定部と、高周波センサとローパスフィルタとフィード
バック型姿勢検出フィルタとからなる高帯域姿勢決定部
とを備え、低周波域では、前記恒星センサと慣性基準装
置とから成る低周波姿勢決定部からの出力に系全体を追
従させ、それより高い高周波域では前記高周波センサを
含む高周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させ、
フィードバックによって各センサのゲイン特性の重複に
よる乱れを自動的に平坦化するので、低周波帯域から高
周波帯域までの広い範囲で安定した姿勢決定が可能とな
る。
【0015】
【実施例】以下に、本発明に係る人工衛星の姿勢制御装
置の具体的構成を図面を用いながら説明する。図1は、
本発明の人工衛星の高帯域姿勢制御装置の構成を示すブ
ロック図、図2は、本発明の人工衛星の高帯域姿勢制御
装置の具体的構成を示すブロック図である。図3は、本
発明の高帯域姿勢制御装置による姿勢決定結果を示す説
明図である。図から明らかな様に、本発明に係る、人工
衛星の高帯域姿勢制御装置において、観測した恒星のC
CD座標と恒星カタログと比較して衛星の姿勢を検出す
る恒星センサと機械式ジャイロによって衛星の角度速度
を検出する慣性基準装置とから成る低周波姿勢決定部
と、高周波センサとローパスフィルタとフィードバック
型姿勢検出フィルタとからなる高帯域姿勢決定部とを備
え、低周波域では、前記恒星センサと慣性基準装置とか
ら成る低周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従さ
せ、それより高い高周波域では前記高周波センサを含む
高周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させるもの
である。
【0016】図1において、ハイパス特性を有する高周
波センサ10は、高周波(数1000Hz)の姿勢検出
を行う。高周波センサ10からの信号は、フィードバッ
ク型姿勢検出フィルタ11からの信号と結合される。結
合された信号は、本発明の姿勢決定による出力として姿
勢制御装置(アクチュエータ)12へ出力される。この
出力に従って、衛星13の姿勢が制御される。また、衛
星には、外乱及び内部擾乱15が常に発生している。こ
の時、衛星の状態は、積分された後、慣性基準装置14
へ伝達される。慣性基準装置14は、衛星の角速度を検
出するジャイロであり、通常10Hz程度までの応答特
性を有している。一方、衛星の状態が2階積分された姿
勢角16として、恒星センサ17へ伝達される。恒星セ
ンサ17は、前述したように観測した恒星のCCD座標
と恒星カタログを比較し、姿勢を検出する。恒星センサ
17は、約1Hz程度の応答特性を有している。また、
慣性基準装置14と恒星センサ17は、破線で示す低周
波姿勢決定部18を構成する。低周波姿勢決定部18
は、恒星センサ17及び慣性基準装置14の特性からし
て、バイアス(0Hzの定常誤差)から低周波までの姿
勢制御を行う。
【0017】一方、高帯域姿勢制御部20は、高周波セ
ンサ10とローパスフィルタ19とフィードバック型姿
勢検出フィルタ11とから構成されている。ここで、高
周波センサは、一般に前述した如く低域の検出ゲインの
小さいハイパス特性を有している。そこで、本発明で
は、バイアスから低周波までは、低周波姿勢決定部18
の出力に図1に示す系全体が追従するように高帯域姿勢
制御部20でフィードバックループを構成する。これに
より高周波センサ10の低域での欠落を自動補償しなが
ら周波数的にフラットな姿勢決定特性を取る事ができる
(図4参照)。フィードバックを構成しているため、高
周波センサ10のハイパス特性が不正確であったり、変
動しても大きな影響を受けずに高帯域姿勢決定を実現で
きる。なお、フィードバック型姿勢検出フィルタ11は
フィードバックループにおけるPI制御系である。
【0018】本発明では、高帯域姿勢制御部20は、高
周波に関しては、高周波センサ10の出力を用い、バイ
アスから低周波に関しては、低周波姿勢決定部18の出
力を用いるので、自動的にバイアスから高帯域までのフ
ラットな周波数特性を出力する(図4参照)。ここで、
高周波センサ10は、角度検出センサを使用する例を図
1に示したが、高周波検出用のジャイロや角加速度計或
るいは、加速度であっても、サンプリング後の角速度或
るいは、角加速度を計算機により積分し、角度として出
力すれば本発明に使用できる。
【0019】図3は、本発明による姿勢決定結果であ
る。図3(A)は、実際の衛星の姿勢角度であり、擾乱
を受けている事を意味する。図3(B)は、低周波姿勢
決定系よりの出力を示している。図3(C)は、(A)
(B)の姿勢決定誤差であり、姿勢決定系が検出できな
い誤差分を表す。(C)より明らかなように姿勢決定誤
差が非常に小さく、バイアスから高周波まで正確に姿勢
決定を行っている事を示している。図4は、本発明の伝
達関数G(s)を示すものであり、高帯域のフラットな
姿勢決定系を構成している。
【0020】図2は、本発明の人工衛星の高帯域姿勢制
御装置の具体的構成を示すブロック図である。姿勢セン
サ17'は、恒星センサ17や地球センサを使用する事
ができる。慣性基準装置14は、ジャイロ等であり、近
年衛星の指向方向の精度を良くするために帯域を拡大す
る要求が出て来ている。高周波センサ10は、角加速
度、角速度或るいは、角度を検出するハイパス特性を有
する使用センサである。高周波センサ10,慣性基準装
置14,姿勢センサ17'からの信号は、姿勢決定系ソ
フトウエア21に伝達される。また、姿勢決定系ソフト
ウエア21へは、GSP時刻や衛星内部クロック等の基
準クロック22からのクロック信号が伝えられる。
【0021】姿勢決定系ソフトウエア21からは、バイ
アスから高周波までの姿勢決定値が姿勢制御用補償トル
ク演算ソフトウエア23へ伝達される。姿勢決定系ソフ
トウエア21と姿勢制御用補償トルク演算ソフトウエア
23は、姿勢制御電子回路100を構成している。姿勢
制御用補償トルク演算ソフトウエア23からの信号は、
高帯域制御用アクチュエータ24へ伝えられ、補償トル
クが生成される。以上は、Aに示すオンボードで高周波
までの姿勢制御を行う場合である。
【0022】次に、Bに示す如くオンボードで高周波ま
での姿勢制御を行わない場合について説明する。衛星本
体13に取り付けられた観測センサ25(例えば、リモ
ートセンシングセンサや天体観測センサ等のミッション
機器をいう)からの画像データまたは、画像取得時刻ヘ
ッダデータは、基準クロック22からの基準クロック付
きの観測画像データとして、高周波までの姿勢情報と共
にテレメトリ26で地上へ伝達し、高精度の画像処理を
可能とする。以上のようにすれば、衛星の微小姿勢変動
を高周波まで検出し、画像補正を行い、高精度の画像が
得られる。
【0023】なお、本発明の高帯域姿勢決定方式におけ
るシュミレーション条件を以下に示す。 1)衛星の姿勢変動 バイアス(0Hz) 低周波(0.1Hz、1Hz) 高帯域(30Hz、100Hz)でそれぞれ同等の振幅
(約0.01度から0.02度)で衛星 が動いてい
る。 2)センサ特性 恒星センサ 帯域5Hz、サンプリング1Hz 慣性基準装置 帯域10Hz、サンプリング10Hz 高周波センサ 帯域1000Hz、サンプリング1000H
z 3)低周波姿勢決定部の構成 慣性基準装置による姿勢伝播であり、恒星センサ出力を
用いたカルマンフィルタによる姿勢更新及び慣性基準装
置のドリフト推定を行う。 4)高帯域姿勢決定部の構成 本発明では、高周波センサ出力をフィードバックループ
に挿入する。これに対して、従来では、高周波センサが
存在しないか或るいは低周波姿勢決定部の出力に高周波
センサの出力を単純に加算するのみである。
【0024】尚、本発明は以上の実施例に限ることなく
本発明の技術思想に基づいて種々の設計変更が可能であ
る。
【0025】
【発明の効果】第1の効果は、バイアスから高周波まで
の広い帯域において、人工衛星をの姿勢を安定して制御
する事が出来る。その理由は、高帯域姿勢決定部におい
て、フィードバックループを形成して、高周波センサの
低域での欠落を自動補償して広い帯域において、フラッ
トな姿勢決定特性を得る事ができるからである。第2の
効果は、人工衛星の姿勢制御の精度が向上する事によ
り、地球観測衛星や天文観測衛星が高分解画像を得る事
ができる。本発明の人工衛星の高帯域姿勢制御装置によ
って、0.0001°程度の精度を達成する事が出来
る。
【0026】また、本発明の人工衛星の姿勢制御装置で
は、従来の低周波姿勢決定系をそのまま使用する事が出
来る。更に、低周波姿勢決定系の帯域と高周波センサの
帯域が重なっていると云う唯一の条件を満足すれば、高
周波センサのハイパス周波数特性が何Hzから始まるか
について影響を受けない。したがって、厳密なセンサ選
択/キャリブレーション/フィルタ特性調整を必要とし
ない。また、バイアスから高周波(高周波センサの帯
域)までフラットな姿勢決定出力を得る事ができる。更
にまた、高帯域姿勢決定系の出力は、オンボードでの姿
勢制御系の入力として使用できると共に姿勢制御系電子
回路の演算速度やアクチュエータの帯域が低く、従来の
姿勢決定系(低周波姿勢決定系)の出力のみ必要とする
でも、従来の低周波の姿勢決定値を姿勢制御系電子回路
の入力にする事は容易であり、従来と同一の設計を用い
る事ができる。この場合、高帯域姿勢決定系の出力は時
刻付きのテレメトリとして地上に伝送し、事後処理で高
帯域の姿勢決定値を知る事ができる。
【0027】更に、オンボードでの高帯域姿勢決定処理
が計算機の能力で間に合わないとき、高周波センサの生
の出力データを時刻付きでテレメトリとして地上に伝送
し、フィードバック処理を行う事により、同一の効果を
得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の人工衛星の高帯域姿勢制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の人工衛星の高帯域姿勢制御装
置の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)(B)(C)は、本発明の高帯域姿
勢制御装置による姿勢決定結果を示す説明図である。
【図4】図4は、本発明の高帯域姿勢制御装置によるフ
ィードバックを構成する高帯域姿勢制御決定方法の伝達
関数を示す説明図である。
【図5】図5は、従来の姿勢決定部の一例を示すブロッ
ク図である。
【図6】図6は、従来の姿勢決定部の一例を示す伝達関
数Gを示す説明図である。
【図7】図7は、従来の高周波センサを組み合わせてい
るがフィードバックを構成していない姿勢決定部の例を
示すブロック図である。
【図8】図8は、図11に示す従来例の伝達関数G
(S)を示す説明図である。
【図9】図9は、従来の方式による姿勢決定結果を示す
説明図である。
【図10】図10は、高周波角速度センサからのデータ
を積分して、高帯域姿勢決定部へ伝達する場合を示すブ
ロック図である。
【図11】図11は、従来の別の方式による姿勢決定結
果を示す説明図である。
【図12】図12は、高周波角加速度センサからのデー
タを2階積分して、高帯域姿勢決定部へ伝達する場合を
示すブロック図である。
【図13】図13は、高周波センサの出力特性を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 慣性基準装置 2 恒星センサ 3 レートドリフト推定手段 4 姿勢伝播手段 5 姿勢更新手段 6 高周波センサ 10 高周波センサ 11 フィードバック型姿勢検出フィルタ 12 姿勢制御装置 13 衛星 14 慣性基準装置 15 外乱及び内部擾乱 16 衛星姿勢角 17 恒星センサ 18 低周波姿勢決定部 19 ローパスフィルタ 20 高帯域姿勢制御部 21 姿勢決定系ソフトウエア 22 基準クロック 23 姿勢制御用補償トルク演算ソフトウエア 24 高帯域制御用アクチュエータ 25 観測センサ 26 テレメトリ

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星の高帯域姿勢制御方法におい
    て、恒星センサにより観測した恒星のCCD座標と恒星
    カタログと比較して衛星の姿勢を検出する工程と機械式
    ジャイロを使用した慣性基準装置によって衛星の角度速
    度を検出する工程とから成る低周波姿勢決定工程と、高
    周波センサとローパスフィルタとフィードバック型姿勢
    検出フィルタとを使用して高帯域の姿勢を決定する工程
    とを備え、低周波域では、前記恒星センサと慣性基準装
    置とから成る低周波姿勢決定部からの出力に系全体を追
    従させ、それより高い高周波域では前記高周波センサを
    含む高周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させ、
    フィードバックによって各センサのゲイン特性の重複に
    よる乱れを自動的に平坦化する事を特徴とする人工衛星
    の高帯域姿勢制御方法。
  2. 【請求項2】 前記低周波姿勢決定工程と前記高帯域の
    姿勢を決定する工程とは、一部において重複する帯域が
    ある事を特徴とする請求項1項記載の人工衛星の高帯域
    姿勢制御方法。
  3. 【請求項3】 人工衛星の高帯域姿勢制御装置におい
    て、観測した恒星のCCD座標と恒星カタログと比較し
    て衛星の姿勢を検出する恒星センサと機械式ジャイロに
    よって衛星の角度速度を検出する慣性基準装置とから成
    る低周波姿勢決定部と、高周波センサとローパスフィル
    タとフィードバック型姿勢検出フィルタとからなる高帯
    域姿勢決定部とを備え、低周波域では、前記恒星センサ
    と慣性基準装置とから成る低周波姿勢決定部からの出力
    に系全体を追従させ、それより高い高周波域では前記高
    周波センサを含む高周波姿勢決定部からの出力に系全体
    を追従させ、フィードバックによって各センサのゲイン
    特性の重複による乱れを自動的に平坦化する事を特徴と
    する人工衛星の高帯域姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 前記低周波姿勢決定部と高帯域姿勢決定
    部とのセンサ帯域が一部で重複していることを特徴とす
    る請求項3記載の人工衛星の高帯域姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】前記高周波センサは、数Hzから数KHz
    までの姿勢決定帯域を有することを特徴とする請求項3
    記載の人工衛星の高帯域姿勢制御装置。
  6. 【請求項6】 前記姿勢決定部からの出力は、オンボー
    ドの姿勢制御系にフィードバックにし、高周波の姿勢変
    動を補償する事を特徴とする請求項3記載の人工衛星の
    高帯域姿勢制御装置。
  7. 【請求項7】 前記姿勢決定部からの出力は、同一のク
    ロックで時刻ヘッダを付した姿勢決定値と観測画像とを
    地上に伝送し、観測画像の補償を行う事を特徴とする請
    求項3記載の人工衛星の高帯域姿勢制御装置。
  8. 【請求項8】 前記高周波センサは、水銀を使用したも
    のである事を特徴とする請求項3記載の人工衛星の高帯
    域姿勢制御装置。
  9. 【請求項9】 前記高周波センサは、角度検出センサで
    ある事を特徴とする請求項3記載の人工衛星の高帯域姿
    勢制御装置。
  10. 【請求項10】 前記高周波センサは、角速度検出セン
    サである事を特徴とする請求項3記載の人工衛星の高帯
    域姿勢制御装置。
  11. 【請求項11】 前記高周波センサは、角加速度検出セ
    ンサである事を特徴とする請求項3記載の人工衛星の高
    帯域姿勢制御装置。
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