JP2964654B2 - 摩耗評価試験方法 - Google Patents
摩耗評価試験方法Info
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- JP2964654B2 JP2964654B2 JP3009581A JP958191A JP2964654B2 JP 2964654 B2 JP2964654 B2 JP 2964654B2 JP 3009581 A JP3009581 A JP 3009581A JP 958191 A JP958191 A JP 958191A JP 2964654 B2 JP2964654 B2 JP 2964654B2
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- test piece
- disk
- wear
- friction
- test
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-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N3/00—Investigating strength properties of solid materials by application of mechanical stress
- G01N3/56—Investigating resistance to wear or abrasion
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- Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
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- Pathology (AREA)
- Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Description
【0001】この発明は、自動車、産業用車輌、産業機
械等に用いられるブレーキやクラッチ等の摩擦材と、こ
れを摺接させる相手材の摩耗特性を評価するための試験
方法に関する。
械等に用いられるブレーキやクラッチ等の摩擦材と、こ
れを摺接させる相手材の摩耗特性を評価するための試験
方法に関する。
【0002】さらに云うと、ディスクブレーキ付の車輌
がブレーキをかけないで走行しているときにパッドとデ
ィスクロータ(以下では単にディスクと云う)が接触し
て起こるディスクの摩耗量を評価するための方法に関す
る。
がブレーキをかけないで走行しているときにパッドとデ
ィスクロータ(以下では単にディスクと云う)が接触し
て起こるディスクの摩耗量を評価するための方法に関す
る。
【0003】
【従来の技術】摩擦材とこれを摺接させる相手材の摩耗
特性評価手段は多数あるが、摩耗試験は、いずれの手段
においても、相手材、摩擦材ともテストピースを用いて
その両者を摺接させる方法と、相手材、摩擦材とも現物
を用いてその両者を摺接させる方法のいずれかで行なわ
れている。
特性評価手段は多数あるが、摩耗試験は、いずれの手段
においても、相手材、摩擦材ともテストピースを用いて
その両者を摺接させる方法と、相手材、摩擦材とも現物
を用いてその両者を摺接させる方法のいずれかで行なわ
れている。
【0004】前者の方法の代表例は、JIS D4411,SAE J6
61a の試験機があり、一方、後者の方法の代表例は、図
4及び図5に示すように、回転軸1にディスク2を取付
け、このディスクの左右に摩擦材3、3を対向配置して
これ等の摩擦材で回転するディスクを挾み着け、制動を
加えるように構成された慣性式ダイナモメータがある。
61a の試験機があり、一方、後者の方法の代表例は、図
4及び図5に示すように、回転軸1にディスク2を取付
け、このディスクの左右に摩擦材3、3を対向配置して
これ等の摩擦材で回転するディスクを挾み着け、制動を
加えるように構成された慣性式ダイナモメータがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の各試験機は、摩
擦材の摩耗評価には適するが、ディスクの摩耗量を評価
するのには適していない。JIS D4411は相手材がディス
クの形状ではあるが、ディスクブレーキに用いられる現
物ディスクではなく、専用の形状となるため、、ディス
クの相違による評価内容のずれが避けられない。SAE J6
61a は相手材がドラムタイプであり、目的にそぐわな
い。しかも、μmオーダの計測や連続した摩耗痕の計測
に対しての配慮が全く見られず、そのためディスク側に
おいて詳細なデータを得ることは不可能である。また、
テスト時の押圧力も10Kg以上であり、微小押圧力での
テストが全く考慮されていない。
擦材の摩耗評価には適するが、ディスクの摩耗量を評価
するのには適していない。JIS D4411は相手材がディス
クの形状ではあるが、ディスクブレーキに用いられる現
物ディスクではなく、専用の形状となるため、、ディス
クの相違による評価内容のずれが避けられない。SAE J6
61a は相手材がドラムタイプであり、目的にそぐわな
い。しかも、μmオーダの計測や連続した摩耗痕の計測
に対しての配慮が全く見られず、そのためディスク側に
おいて詳細なデータを得ることは不可能である。また、
テスト時の押圧力も10Kg以上であり、微小押圧力での
テストが全く考慮されていない。
【0006】また、ディスク、摩擦材の双方ともテスト
ピースを用いる評価法では、ピースの切り出しの手間、
試験機への装着の手間等によるコストアップがあるほ
か、スケールダウンした試験となるために、実機との間
に条件差による評価内容のずれが生じ、従って、その補
正が必要であり、かつ、補正値の検証のための相関調査
等も必要になると云う問題もある。
ピースを用いる評価法では、ピースの切り出しの手間、
試験機への装着の手間等によるコストアップがあるほ
か、スケールダウンした試験となるために、実機との間
に条件差による評価内容のずれが生じ、従って、その補
正が必要であり、かつ、補正値の検証のための相関調査
等も必要になると云う問題もある。
【0007】一方、慣性式ダイナモメータは、現物同士
の摩擦であるので、ディスク、摩擦材双方の実際の摩耗
を評価できるが、テスタ自体が非常に高価であり、ま
た、摩擦材の形状が一定でないため、ディスクの摩耗の
評価に当っては摩擦材の形状の相違による補正を行わな
いと評価精度に問題が残る。
の摩擦であるので、ディスク、摩擦材双方の実際の摩耗
を評価できるが、テスタ自体が非常に高価であり、ま
た、摩擦材の形状が一定でないため、ディスクの摩耗の
評価に当っては摩擦材の形状の相違による補正を行わな
いと評価精度に問題が残る。
【0008】非制動時のディスクとパッドの接触摺動に
よるディスクの摩耗は、高速で長時間制動せずに走行す
ることが多い米国で特に問題となっている。即ち、パッ
ドとディスクの摺接が部分的に生じ、これによる局部摩
耗でディスク厚みが不均一になると、その後の制動時
に、左右からディスクを挟んでいるパッドがディスクの
回転による厚み変化に対応して押し戻されたり、前へ出
たりし、その動作の繰返しがブレーキ振動となってドラ
イバーに著しい不安感を与える。
よるディスクの摩耗は、高速で長時間制動せずに走行す
ることが多い米国で特に問題となっている。即ち、パッ
ドとディスクの摺接が部分的に生じ、これによる局部摩
耗でディスク厚みが不均一になると、その後の制動時
に、左右からディスクを挟んでいるパッドがディスクの
回転による厚み変化に対応して押し戻されたり、前へ出
たりし、その動作の繰返しがブレーキ振動となってドラ
イバーに著しい不安感を与える。
【0009】この対策としてディスク材質、パッド材質
の改善が不可欠であるが、これ等の材質の良否を定量化
するのに適した評価手段が見当らない。このケースで考
えられる手段は、実際のディスク摩耗を評価できる実車
でのテスト、又は前述のダイナモメータによるテストで
ある。ところが、実車によるテストは5000km以上の
走行を必要とし、かつ再現性が悪い。ダイナモメータに
よるテストも100時間以上のテストが必要で、同様に
再現性が悪い。
の改善が不可欠であるが、これ等の材質の良否を定量化
するのに適した評価手段が見当らない。このケースで考
えられる手段は、実際のディスク摩耗を評価できる実車
でのテスト、又は前述のダイナモメータによるテストで
ある。ところが、実車によるテストは5000km以上の
走行を必要とし、かつ再現性が悪い。ダイナモメータに
よるテストも100時間以上のテストが必要で、同様に
再現性が悪い。
【0010】また、摩耗に特定したとき、実車、ダイナ
モメータによる実物テストは以下の問題を含んでいる。
モメータによる実物テストは以下の問題を含んでいる。
【0011】通常、パッドはディスクとピストンの間に
挟まれており、制動時はピストンによりディスクに押圧
される。制動の解除でピストンは若干後退する。これに
よりパッドはピストンとディスクの間でフリーの状態に
なるが、走行中の振動でディスクに接触する。また、デ
ィスクはパッドもしくはピストンに対して完全に平行に
取付けることは不可能であり、0.05 〜0.10 mm/m程度
傾いていることから、パッド側に偏った面が1回転に1
回パッドを叩くことになる。これ等の接触は、フリー状
態のパッドの位置、ディスクやピストンの寸法、テスト
中の傾きの変化、パッドの摩耗状況等が一定しないため
テスト毎に大きなバラツキが生じる。従って、パッドも
しくはディスク自体の特性がこれ等の多数のバラツキ因
子によって隠されてしまうと云う致命的な欠点をもって
いる。
挟まれており、制動時はピストンによりディスクに押圧
される。制動の解除でピストンは若干後退する。これに
よりパッドはピストンとディスクの間でフリーの状態に
なるが、走行中の振動でディスクに接触する。また、デ
ィスクはパッドもしくはピストンに対して完全に平行に
取付けることは不可能であり、0.05 〜0.10 mm/m程度
傾いていることから、パッド側に偏った面が1回転に1
回パッドを叩くことになる。これ等の接触は、フリー状
態のパッドの位置、ディスクやピストンの寸法、テスト
中の傾きの変化、パッドの摩耗状況等が一定しないため
テスト毎に大きなバラツキが生じる。従って、パッドも
しくはディスク自体の特性がこれ等の多数のバラツキ因
子によって隠されてしまうと云う致命的な欠点をもって
いる。
【0012】この発明の目的は、上述の問題を生じない
摩耗評価試験方法を提供することである。
摩耗評価試験方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の方法は、ディ
スクは現物を、摩擦材は現物よりも小さなテストピース
を各々使用し、上記テストピースを、回転するディスク
の摩擦面の半径方向の一部に定位置において接触もしく
は低面圧で押し付け、摩耗を進行させるところに第1の
特徴を有する。
スクは現物を、摩擦材は現物よりも小さなテストピース
を各々使用し、上記テストピースを、回転するディスク
の摩擦面の半径方向の一部に定位置において接触もしく
は低面圧で押し付け、摩耗を進行させるところに第1の
特徴を有する。
【0014】例えば、図1においては、垂直な回転軸1
の上端に、摩擦面2aが水平になるように現物のディス
ク2をセットし、切り出された摩擦材のテストピース4
を摩擦面2aの半径方向中央部に摺接させる方法を採っ
ている。
の上端に、摩擦面2aが水平になるように現物のディス
ク2をセットし、切り出された摩擦材のテストピース4
を摩擦面2aの半径方向中央部に摺接させる方法を採っ
ている。
【0015】さらに、テストピースの摺接巾(ディスク
径方向寸法)をa、ディスク周方向中心長をb、ディス
クの摩擦面の摺接巾をA、その面のテストピース摺接中
心部の周長をBとしたとき、a=A/15〜A/1.5 、b
=B/150 〜B/15、b>a、ディスク回転数=300 〜
3000回転/分とし、この条件下でテストピース面圧を、
テストピースの自重による面圧以上3Kg/cm2 以下、か
つディスクに対する押圧力(面圧×テストピース面積)
<10Kgの範囲内で2点以上定めてそれぞれの面圧条件に
よる摩耗試験を行い、その結果を総合して評価を下すよ
うにしたところにもう1つの特徴がある。
径方向寸法)をa、ディスク周方向中心長をb、ディス
クの摩擦面の摺接巾をA、その面のテストピース摺接中
心部の周長をBとしたとき、a=A/15〜A/1.5 、b
=B/150 〜B/15、b>a、ディスク回転数=300 〜
3000回転/分とし、この条件下でテストピース面圧を、
テストピースの自重による面圧以上3Kg/cm2 以下、か
つディスクに対する押圧力(面圧×テストピース面積)
<10Kgの範囲内で2点以上定めてそれぞれの面圧条件に
よる摩耗試験を行い、その結果を総合して評価を下すよ
うにしたところにもう1つの特徴がある。
【0016】
【作用】実車、ダイナモメータ等によるテストのバラツ
キ因子の除去と安価で再現性ある評価法の確立のために
は、前項で述べた方法が最も好ましいことを見出した。
キ因子の除去と安価で再現性ある評価法の確立のために
は、前項で述べた方法が最も好ましいことを見出した。
【0017】即ち、このケースでの摺接圧力は、車輌、
ブレーキ、ディスク等の影響で一定しないこと、その圧
力は同一車輌でも変化すること、その絶対値は0〜3Kg
/cm2以下であることをつきとめた。
ブレーキ、ディスク等の影響で一定しないこと、その圧
力は同一車輌でも変化すること、その絶対値は0〜3Kg
/cm2以下であることをつきとめた。
【0018】一方、パッド材質によってその圧力とディ
スクの摩耗の関係は一定でなく、図2の様になること、
また、ディスクの回転数が300回転/分以下ではあま
り摩耗が進行しないこと、さらに、パッドとディスクの
接触は全面摺接ではなく、ディスク径方向には図1にお
いてAの1/1.5 以下、ディスク周方向にはBの1/15以下
で生じていることも確認した。
スクの摩耗の関係は一定でなく、図2の様になること、
また、ディスクの回転数が300回転/分以下ではあま
り摩耗が進行しないこと、さらに、パッドとディスクの
接触は全面摺接ではなく、ディスク径方向には図1にお
いてAの1/1.5 以下、ディスク周方向にはBの1/15以下
で生じていることも確認した。
【0019】そして、これ等をもとにテスト条件を限定
すればディスクは現物、パッドは必要範囲で小さくした
テストピースを用いて単純なテスタで再現性の良いテス
トを実施できること、及びテスト面圧を2点以上にして
総合評価を行えばバラツキ因子を除去してディスクやパ
ッドの特性を明確にすることができることを解明した。
すればディスクは現物、パッドは必要範囲で小さくした
テストピースを用いて単純なテスタで再現性の良いテス
トを実施できること、及びテスト面圧を2点以上にして
総合評価を行えばバラツキ因子を除去してディスクやパ
ッドの特性を明確にすることができることを解明した。
【0020】即ち、テストピースの大きさ、面圧及び押
付力を限定することにより加重方式は単純かつ低価格で
精度の良いテストができる。1つの手法として加重は重
垂を直接テストピース上に乗せる方法がある。この手法
は、テコ式、エアー、油圧式等に比べ単純で精度が良
い。かつコストも安い。
付力を限定することにより加重方式は単純かつ低価格で
精度の良いテストができる。1つの手法として加重は重
垂を直接テストピース上に乗せる方法がある。この手法
は、テコ式、エアー、油圧式等に比べ単純で精度が良
い。かつコストも安い。
【0021】また、テスト時の面圧が3Kg/cm2を超える
ことはこの特殊用途においては考えない。テストピース
が小さく、かつ面圧が小さければ押付力も小さくなる。
このことは仕事量(押付力×摩擦係数に比例する)が少
ないことを意味する。このように仕事量が少なければ、
ディスクの摩擦熱による温度上昇が小さく、ディスクの
冷却が不要もしくは小さな冷却能力で済む。
ことはこの特殊用途においては考えない。テストピース
が小さく、かつ面圧が小さければ押付力も小さくなる。
このことは仕事量(押付力×摩擦係数に比例する)が少
ないことを意味する。このように仕事量が少なければ、
ディスクの摩擦熱による温度上昇が小さく、ディスクの
冷却が不要もしくは小さな冷却能力で済む。
【0022】ディスクの大きさに比べテストピースを小
さくする理由、逆に云うとテストピースに比べ相手ディ
スクを大きくする理由は、同じ冷却の観点からも優れて
いる(放熱性が高まる)。
さくする理由、逆に云うとテストピースに比べ相手ディ
スクを大きくする理由は、同じ冷却の観点からも優れて
いる(放熱性が高まる)。
【0023】また、テストピースのサイズについてa<
bとするのは、回転数が同一の場合、ディスクの厚み方
向の摩耗はb寸法が大きい程大きくなってテスト時間の
短縮につながる。aを大きくすることはディスクの温度
上昇を伴うのでこの点からも好ましくない。ディスク回
転数も温度上昇に関係するので、上限を3000回転/
分にした。
bとするのは、回転数が同一の場合、ディスクの厚み方
向の摩耗はb寸法が大きい程大きくなってテスト時間の
短縮につながる。aを大きくすることはディスクの温度
上昇を伴うのでこの点からも好ましくない。ディスク回
転数も温度上昇に関係するので、上限を3000回転/
分にした。
【0024】なお、テストピースサイズを小さくする理
由には、次のこともある。即ち、図1のaを大きくする
と内周と外周で摺速が異なることから内外周の摩耗状況
が変化し、面圧の影響と摺速の影響が交絡する。また、
bを大きくするとディスクの回入側で面圧が大、回出側
で小となり(ディスクが入口側で喰い込む力を与えるの
でこのようになる)、面圧の影響がぼやけたものとなっ
て評価精度が落ちる。小さなテストピースであれば、こ
の問題が生じ難い。但し、テストピースがあまり小さい
とテストがやり難くなるのでa、bの下限を定めた。
由には、次のこともある。即ち、図1のaを大きくする
と内周と外周で摺速が異なることから内外周の摩耗状況
が変化し、面圧の影響と摺速の影響が交絡する。また、
bを大きくするとディスクの回入側で面圧が大、回出側
で小となり(ディスクが入口側で喰い込む力を与えるの
でこのようになる)、面圧の影響がぼやけたものとなっ
て評価精度が落ちる。小さなテストピースであれば、こ
の問題が生じ難い。但し、テストピースがあまり小さい
とテストがやり難くなるのでa、bの下限を定めた。
【0025】2点以上の面圧テストについては、例え
ば、図2において圧力P1 のみで評価すると、I、II、
III の3種のディスクの摩耗量は、I>II>III 、P2
のみの評価ではII>I>III 、P3 のみの評価ではII>
III >Iとなり、どのディスクが最も摩耗し難いかが判
らない。しかし、今仮にP1 、P2 、P3 の3つの圧力
で各々テストを実施したとすると、III のディスクが
I、IIよりも優れているとの評価を下すことができる。
前述のように、摺接圧力が不安定な実車においては、P
1 、P2 、P3 の摺接圧力がランダムに生じると考える
べきであるからである。
ば、図2において圧力P1 のみで評価すると、I、II、
III の3種のディスクの摩耗量は、I>II>III 、P2
のみの評価ではII>I>III 、P3 のみの評価ではII>
III >Iとなり、どのディスクが最も摩耗し難いかが判
らない。しかし、今仮にP1 、P2 、P3 の3つの圧力
で各々テストを実施したとすると、III のディスクが
I、IIよりも優れているとの評価を下すことができる。
前述のように、摺接圧力が不安定な実車においては、P
1 、P2 、P3 の摺接圧力がランダムに生じると考える
べきであるからである。
【0026】上述の方法によれば、形状の異なる摩擦材
でも、所定形状のテストピースを切り出して使用できる
ので、摩擦材間の特性比較が正確に実施できる。
でも、所定形状のテストピースを切り出して使用できる
ので、摩擦材間の特性比較が正確に実施できる。
【0027】また、テストピースのセット位置を共通に
すれば(図1における回転中心からの距離Dを一定にす
る)、材質、寸法、形状の異なるディスク間の特性比較
を行なうことも可能になる。
すれば(図1における回転中心からの距離Dを一定にす
る)、材質、寸法、形状の異なるディスク間の特性比較
を行なうことも可能になる。
【0028】さらに、テストピース4の寸法aが、ディ
スクの摩擦面の摺接巾Aよりも小さいため、図3に示す
ように、摩擦面の摩耗の生じていないテストピース非接
触部(図のイ部)を基準にした摩耗面の面粗度測定や平
均摩耗量δの計測を行なって高精度で詳細なデータを得
ることができる。特に、ディスク側の評価精度は、ディ
スク2が現物、例えばディスクブレーキのディスクロー
タそのものであり、テストピース接触部における実機と
の違いは、テストピース4のディスク回転方向寸法bが
図5のWに比して小さくなっているだけであるので、こ
の部分でのスケールダウンが無く、実機とのずれも少な
い。また、面圧条件を2点以上として総合評価を下すた
め、バラツキ因子が除去されて評価内容が信頼性の高い
ものとなる。
スクの摩擦面の摺接巾Aよりも小さいため、図3に示す
ように、摩擦面の摩耗の生じていないテストピース非接
触部(図のイ部)を基準にした摩耗面の面粗度測定や平
均摩耗量δの計測を行なって高精度で詳細なデータを得
ることができる。特に、ディスク側の評価精度は、ディ
スク2が現物、例えばディスクブレーキのディスクロー
タそのものであり、テストピース接触部における実機と
の違いは、テストピース4のディスク回転方向寸法bが
図5のWに比して小さくなっているだけであるので、こ
の部分でのスケールダウンが無く、実機とのずれも少な
い。また、面圧条件を2点以上として総合評価を下すた
め、バラツキ因子が除去されて評価内容が信頼性の高い
ものとなる。
【0029】
【効果】ブレーキや摩擦クラッチでは、相手材と摩擦材
との間に充分な間隔を確保し得ず、双方が軽く接触して
いることが多い。このようなケースでは、相手材の摩耗
が技術的に大きな意味をもつことがある。特に、ディス
クブレーキにおいては、摩擦パッドとディスクロータは
非制動時にも僅かに接触しているため、両者の材質によ
ってはディスクロータを著しく摩耗させることがある。
従って、材料の選択に当っては、実機とのずれのない評
価試験が重要になるが、この発明によれば、ディスクの
テストピース接触部では実機と比較してケールダウンの
ない摩耗試験が行なわれ、また、テストピースの非接触
部を基準にしたディスク摩擦面の正確な摩耗量、摩耗特
性に関するその他のデータが得られ、さらに、2点以上
での面圧条件による評価で測定のバラツキ因子も除去さ
れるため信頼性の高い評価を行って、最良の材料を選択
或いは開発することが可能になる。
との間に充分な間隔を確保し得ず、双方が軽く接触して
いることが多い。このようなケースでは、相手材の摩耗
が技術的に大きな意味をもつことがある。特に、ディス
クブレーキにおいては、摩擦パッドとディスクロータは
非制動時にも僅かに接触しているため、両者の材質によ
ってはディスクロータを著しく摩耗させることがある。
従って、材料の選択に当っては、実機とのずれのない評
価試験が重要になるが、この発明によれば、ディスクの
テストピース接触部では実機と比較してケールダウンの
ない摩耗試験が行なわれ、また、テストピースの非接触
部を基準にしたディスク摩擦面の正確な摩耗量、摩耗特
性に関するその他のデータが得られ、さらに、2点以上
での面圧条件による評価で測定のバラツキ因子も除去さ
れるため信頼性の高い評価を行って、最良の材料を選択
或いは開発することが可能になる。
【0030】また、異質のテストピースを共通位置にセ
ットした摩耗テストを実施してディスク材質と摩擦材質
の最良の組合せを見つけ出すことも可能になる。
ットした摩耗テストを実施してディスク材質と摩擦材質
の最良の組合せを見つけ出すことも可能になる。
【0031】しかも、ディスクは現物を使用しているの
でテストピースの切り出しは切断の容易な摩擦材のみで
よく、試験コストも安価に抑えられる。
でテストピースの切り出しは切断の容易な摩擦材のみで
よく、試験コストも安価に抑えられる。
【図1】この発明の試験方法の一例を示す斜視図
【図2】摺接圧力とディスクの摩耗の関係を示すグラフ
【図3】非摩耗面を基準にしたディスク摩擦面の平均摩
耗量を示す断面図
耗量を示す断面図
【図4】慣性ダイナモメータによる摩耗試験方法の断面
図
図
【図5】同上の方法の端面図
1 回転軸 2 現物のディスク 2a 摩擦面 4 摩擦材のテストピース a テストピースの摺接巾 A ディスク摩擦面の摺接巾 b テストピースのディスク周方向中心長 B ディスク摩擦面のテストピース摺接中心部の周長
Claims (2)
- 【請求項1】 回転するディスクとこのディスクの摩擦
面に摺接させる摩擦材が非制動時振動、取付け誤差等に
起因する接触で摩耗するケースを対象とした摩耗評価試
験法であって、ディスクは現物を、摩擦材は現物よりも
小さなテストピースを各々使用し、上記テストピース
を、定位置においてディスクの摩擦面の半径方向の一部
に接触もしくは低面圧で押し付け、ディスク側の摩耗状
況は摩擦面のテストピース非接触部基準で計測し、摩擦
材の摩耗状況は摩擦前後のテストピースの厚み差から求
めることを特徴とする摩耗評価試験方法。 - 【請求項2】 テストピースの摺接巾(ディスク径方向
寸法)をa、ディスク周方向中心長をb、ディスクの摩
擦面の摺接巾をA、その面のテストピース摺接中心部の
周長をBとしたとき、a=A/15〜A/1.5 、b=B/
150 〜B/15、b>a、ディスク回転数=300 〜3000回
転/分とし、この条件下でテストピース面圧を、テスト
ピースの自重による面圧以上3Kg/cm2 以下、かつディ
スクに対する押圧力(面圧×テストピース面積)<10Kg
の範囲内で2点以上定めてそれぞれの面圧条件による摩
耗試験を行い、その結果を総合して評価を下すようにし
た請求項1記載の摩耗評価試験方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3009581A JP2964654B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 摩耗評価試験方法 |
US07/827,709 US5343733A (en) | 1991-01-30 | 1992-01-27 | Abrasion testing method |
DE69202068T DE69202068T2 (de) | 1991-01-30 | 1992-01-28 | Verschleissprüfverfahren. |
EP92101331A EP0497263B1 (en) | 1991-01-30 | 1992-01-28 | Abrasion testing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3009581A JP2964654B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 摩耗評価試験方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04252937A JPH04252937A (ja) | 1992-09-08 |
JP2964654B2 true JP2964654B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=11724278
Family Applications (1)
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