JP2964592B2 - コイルスプリング組付機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は円形状のスプリング溝にコイルスプリングを
圧縮して自動的に取付けるコイルスプリング自動組付機
に関するものである。

〔従来技術〕

自動車用ドアーロツクの機能として、ドアーロツク
（D/L）ボデイに設けたほぼ360゜円形状のスプリング溝
にコイルスプリングを組付けており、このコイルスプリ
ングのスプリング溝への組付けは作業者が手作業で行つ
ている。

（発明が解決しようとする課題） 前記D/Lボデイーにコイルスプリングの組付け作業は
熟練を要する手組工程であり、また熟練の作業者といえ
ども組付け時に、コイルスプリングの飛び出し等の不具
合が多発し、作業効率、歩留まりがあまり良くないとい
う問題点があつた。

第14図はD/Lボデイーにコイルスプリングを手作業で
組付ける状況を示すもので、（ａ）に示す１は直線状の
コイルスプリングで、（ｂ）は円形状に曲げたコイルス
プリング２でこれを（ｃ）に示すD/Lボデイー13の円形
溝14にはめ込むものでストツパー22の端面22aにコイル
スプリング端面を正し接触されるものである。

この場合手作業で行うとスプリング力が強いために
（ｄ）に示すように円形溝14より飛び出すとか、又、
（ｅ）に示すようにスプリングが正しく納まらずに片寄
つたりする、という問題点があつた。

本発明は自動車用ドアーロツク、及び一般的機械なら
びに電化製品等における円形状のスプリング溝にコイル
スプリングを圧縮して組み立てられている部品の組付作
業に於いて人手によることなくすべての作業を自動化す
ることを技術的課題とするものである。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 課題を解決するために溝じた技術的手段は次のようで
ある。

内部に形成された溝16に直線状のコイルスプリング１
を押し込み棒５を用いて押し込むことにより、前記溝16
に圧縮された円形状のコイルスプリング２を弾性的に保
持する巻き込み型４、前記巻き込み型４と重畳したとき
にイジェクタ７により下方に押し出された前記円形状の
スプリング２を圧縮された状態のまま受容・保持する搬
送治具11、前記搬送治具11上の第１の位置に変移された
ときに下側から押し出された圧縮された状態の前記円形
状のスプリング２を受容・保持し且つその後に第２の位
置に変移されるホルダー9a（9b）、前記第２の位置にあ
る前記ホルダー9a（9b）の下に位置し且つ前記ホルダー
9a（9b）から押し出し棒23により押し出された前記圧縮
された円形のコイルスプリング２を受容するスプリング
溝14が形成されたボデー13及び前記スプリング溝14内に
嵌着された前記圧縮された円形のコイルスプリング２の
飛び出しを防止する押さえ板25を備えたコイルスプリン
グ組付機を構成したことである。

（作用） 上記した構成においては、ボデイ13のスプリング溝14
内に嵌着された圧縮された円形のコイルスプリング２
は、押さえ板25の作用により飛び出しを防止されるの
で、従来のような不具合が惹起されることはない。

（実施例） 以下実施例について説明する。

本実施例はドアーロツク（D/L）アクチユエーター・
ホイール・ギヤ作動用コイルスプリング（以下スプリン
グという）をD/Lボデイーに自動組付けする例で説明す
る。

第１図は本自動組付け機の基本構成図で第２図〜第13
図は各構成部及び作動の説明である。

本機は円形状スプリング圧縮機構Ａと組付けハンド機
構Ｂならびに両機構間の搬送装置Ｃより構成されてい
る。

各部品の各称及び番号は次のとおりである。

1:直線状のコイルスプリング、2:円形状になつたコイ
ルスプリング、3:D/Lの溝に組付けられたコイルスプリ
ング、4:円形状スプリング巻き込み型、5:スプリング押
し込み棒、6:押し込み棒用穴、7:C形スプリングイジエ
クター、8:回転式ローター、9a,9b:組付ホルダー、10:L
Mガイド、11:搬送治具、12:搬送パレツト、13:D/Lボデ
イー、14:スプリング溝、15:スプリング搬入口、16:円
形状スプリング巻き込み型の斜線部、17:スプリング収
容筒、18:C形ブロツク、19:端面ストツパーブロツク
（スプリング収容筒内）20:端面ストツパー（組み付け
ホルダー内）、21:扇状凹部、22:スプリング止め、23:
スプリング押し出し棒、24:外筒部、25:スプリング飛び
出防止押さえ板、とする。

円形状スプリング圧縮機構Ａは円形状スプリング巻き
込み形４とスプリング１を巻き込み型４へ押し込むスプ
リング押し込み棒５ならびに搬送装置Ｃへスプリング１
を移し換えるＣ形スプリングイジエクター７によつて構
成される。

組付けハンド機構Ｂは回転ローダ８と１対の組付けホ
ルダー9a,9bにより構成される。

搬送装置Ｃはリニヤーモーシヨン（LM）ガイド10と搬
送治具11より構成される。

以上の各装置が相互に連動し、最終的には搬送パレツ
ト12上にあるD/Lボデイー13のスプリング溝14に、スプ
リング３が円形に圧縮され組付けられるものである。

尚各装置はエアーシリンダ、ロータリーアクチユエー
ターにより駆動される。

以下実際の作動順序に従つて説明する。

（１）第１図〜第２図に示すように円形状スプリング巻
き込み形４は直線部と円形部をもつた９字形の閉空間を
もち、閉空間はコイルスプリング１に対して適度なクリ
アランスをもつた滑らかな長方形断面をしている。ただ
し、直線部上面にスプリング投入口15が開口している。
また、円形部の斜視部16では第４図でも示されるよう
に、Ｃ形スプリングイジエクター７により上部が閉鎖さ
れ、下部は円形状スプリング巻き込み形４の下側に密着
して待機している搬送治具11に向けて開放された形態を
とつている。

まず、スプリング投入口15にコイルスプリング１を水
平に投入する。

（２）第１図〜第２図に示すように巻き込み型の長方形
断面と同じ断面形状の先端部をもつスプリング押し込み
棒５が前進しスプリング１は巻き込み形の円形部に滑ら
かに押し込まれ、円周に沿つてＣ形スプリングイジエク
ター７、ならびに、搬送治具Ｃと一致するＣ字形、すな
わち、斜線部16に圧縮される。この時、第４図に示すよ
うに押し込められたスプリング２は自らの張力により巻
き込み型外壁と張り合うため下部の搬送治具11へ落下す
ることはない。

（３）第３図に示すように搬送治具11は三重円筒構造の
スプリング収容筒17をもち、その中筒部は、さらにＣ字
形に圧縮されたスプリング２を収容する凹部となつたＣ
形ブロツク18とスプリング２の端面を保持するため突出
している扇形の凸部分の端面ストツパーブロツク19に二
分割されている。また、端面ストツパーブロツク19には
後述する組み付けホルダー９の端面ストツパー20と噛み
合う扇形凹部21がある。

（４）第４図に示すようにＣ形スプリングイジエクター
７がスプリング収容筒17の上部に密着するまで下降す
る。そして、Ｃ字形に圧縮されているスプリング２はＣ
形スプリングイジエクター７によつて下方へ水平に押し
出され、スプリング収容筒17のＣ形ブロツク18へＣ字形
に圧縮された状態のまま移送される。

（５）第１図に示すように搬送治具11はLMがガイド10上
をスライドし、第５図に示すスプリング受け取り位置に
ある空の組付けホルダー9aの直下へ移動する。

（６）第６図〜第７図に示すように空の組付けホルダー
9aに向かつてスプリング収容筒17全体が組付けホルダー
に密着するまで搬送治具11より上昇する。その後、Ｃ形
ブロツク18と端面ストツパー部ブロツク19は更に上昇し
Ｃ字形に圧縮され収容されていたスプリング２を、組み
付けホルダー9aの内部へ水平に押し出す。

（７）組付けホルダー９の内部には第９図に示されるよ
うに、スプリング２の端面を保持するため、スプリング
収容筒17の端面ストツパーブロツク19と同様に突出した
扇形の端面ストツパー20をもつ。この端面ストツパー20
は、スプリング収容筒17の扇形凹部21と噛み合うため、
前述の（６）に示すの移送時では、Ｃ形ブロツク18と端
面ストツパーブロツク19の上昇動作を妨げない。

また、第10図に示されるように、D/Lボデイー13のス
プリング溝14へ最終的にスプリング２を組付ける際に、
スプリング２の端面がスプリング止め22と干渉し、端面
の傾きや、噛み込みが発生しないように、この扇形の端
面ストツパー20の大きさはスプリング止め22の角度ｂよ
り大きな角度ａとなつている。

（８）第９図に示すようにスプリング収容筒17が組付け
ホルダー9aより搬送治具11へ下降する。下降する順序は
組付けホルダー9aへスプリング２の移送を確実なものに
するために次の順序でおこなう。

まず、端面ストツパーブロツク19が下降し、そのスプ
リング２の端面を保持する機能を噛み合つていた端面ス
トツパー20を移行する。端面ストツパー20が端面ストツ
パーブロツク19より抜けきり、保持する機能の移行が完
了した後に、Ｃ形ブロツク18が下降し、それに連動しス
プリング収容筒17全体が下降する。

（９）回転式ローダー８が180゜回転し、第１図に示す
ように組付けホルダー9aが、搬送パレツト12上にあるD/
Lボデイー13のスプリング溝14直上のスプリング組付位
置へ移動する。この時、いままで搬送パレツト12の上空
にあつた組付けホルダー9bは入れ替わりスプリング受取
位置へ移動する。

（10）第12図に示すように組付けホルダー9a全体がD/L
ボデイー13に密着するまで下降する。その後、組付けホ
ルダー9a内のスプリング押し出し棒23は更に下降し、Ｃ
字形に圧縮され収容されていたスプリング２を、組付け
ホルダー9aよりやや直径の大きなスプリング溝14に押し
出し組付ける。

この時、Ｃ字形に圧縮されているスプリング５の端面
を保持している組付けホルダー9aの端面ストツパー20
は、第１図に破線で示すようにスプリング止め22の間に
入り込み、スプリング止め22とスプリング３の端面の干
渉を防ぎ、端面の傾きや、噛み込みの発生を防止する、 （11）第13図に示すように、まず、組付けホルダー9aの
外筒部24がD/Lボデイー13より上昇する。一方、スプリ
ング押し出し棒23は、第１図で示されるように搬送パレ
ツト12に付属しているスプリング飛び出し防止押さえ板
25が作動しスプリング３を押さえつけるまで、スプリン
グ３がスプリング溝14より飛び出さないように、そのま
まの状態で保持し続ける。

（12）スプリング飛び出し防止押さえ板25が作動しスプ
リング３を押さえつけた後にスプリング押し出し棒23も
上昇する。

スプリング押し出し棒23の先端部とスプリング飛び出
し防止押さえ板25の先端部には、互いに噛み合う切り欠
きが作られているため、相互に干渉せずスプリング３を
充分に抑えることができる。

以上の１〜12の作動順序により全ての組付け作業を終
了する。

上記実施例において、組付けハンド機構Ｂの回転式ロ
ーダー８は平行移動式ローダーでもよく、また、組付け
ホルダー９は一対とは限らない。搬送装置Ｃについても
搬送治具11はLMガイドによる平行移動方式ではなく回転
式のものでも同様の組付け作業が可能である。

このように本実施例はすべて自動で、かつ人手による
補助作業もなく、コイルスプリングD/Lボデイー内にバ
ラツキもなく組付けることができるものである。

（効果） 本発明は次の効果を有する。すなわち、 （１）従来、熟練作業者により行われていた組付け作業
を自動化することにより省人化を計ることができた。

（２）熟練度による組付け品質の差がなくなり、組付け
不良が極小となり、安定して高い組付け品質の製品を高
い歩留まりで得ることができるようになつた。

（３）手作業による組付けに対して35％程高速化するこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の基本構成図、第２図（ａ）及び
（ｂ）はスプリング投入口の説明図、第３図は搬送治具
の平面説明図、第４〜第５図は搬送治具の断面図、第６
〜８図は搬送治具のスプリング収容筒の断面図、第９図
はスプリング収容筒の平面図、第10図は組付けホルダー
の端面ストツパーの下から見た図、第11図〜第13図は組
付けホルダーがD/Lボデイーにコイルスプリングを移動
してスプリング溝に入れる図。第14図（ａ）〜（ｅ）は
従来例の説明図である。 Ａ……円形市場スプリング圧縮機構、Ｂ……組付けハン
ド機構、Ｃ……搬送治具、1,2,3……コイルスプリン
グ、５……スプリング押し込み棒、７……Ｃ形スプリン
グイジエクター。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に形成された溝16に直線状のコイルス
   プリング１を押し込み棒５を用いて押し込むことによ
   り、前記溝16に圧縮された円形状のコイルスプリング２
   を弾性的に保持する巻き込み型４、前記巻き込み型４と
   重畳したときにイジェクタ７により下方に押し出された
   前記円形状のスプリング２を圧縮された状態のまま受容
   ・保持する搬送治具11、前記搬送治具11上の第１の位置
   に変移されたときに下側から押し出された圧縮された状
   態の前記円形状のスプリング２を受容・保持し且つその
   後に第２の位置に変移されるホルダー9a（9b）、前記第
   ２の位置にある前記ホルダー9a（9b）の下に位置し且つ
   前記ホルダー9a（9b）から押し出し棒23により押し出さ
   れた前記圧縮された円形のコイルスプリング２を受容す
   るスプリング溝14が形成されたボデー13及び前記スプリ
   ング溝14内に嵌着された前記圧縮された円形のコイルス
   プリング２の飛び出しを防止する押さえ板25を備えたコ
   イルスプリング組付機。