JP2963011B2 - スズ(ii)テレフタレートの溶融合成法 - Google Patents

スズ(ii)テレフタレートの溶融合成法

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G79/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing atoms other than silicon, sulfur, nitrogen, oxygen, and carbon with or without the latter elements in the main chain of the macromolecule
    • C08G79/12Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing atoms other than silicon, sulfur, nitrogen, oxygen, and carbon with or without the latter elements in the main chain of the macromolecule a linkage containing tin

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリ(金属芳香族エステ
ル)樹脂組成物の溶融合成法に係り、特に、生成する副
生物が揮発性であるポリ(金属芳香族エステル)樹脂を
製造するための改良された方法に係る。
【0002】
【関連技術の説明】カルシウムテレフタレートポリマ
ー、亜鉛テレフタレートポリマーおよびスズテレフタレ
ートポリマーのようなポリ(金属芳香族エステル)樹脂
は公知であり、痕跡の水の捕捉剤としての用途、ポリマ
ー性潤滑剤としての用途、イオウ促進剤架橋系用の活性
化剤としての用途、および熱可塑性組成物中で発泡防炎
性チャーを生成するための用途といったような特性のた
めに熱可塑性組成物用の添加剤として使われている。こ
のような添加剤を配合するのに適した樹脂組成物として
は、ポリプロピレン組成物、ポリエステル組成物、およ
びスチレンブタジエンゴムやEPDMのようなエラスト
マー性組成物がある。
【0003】ポリ(金属芳香族エステル)樹脂を製造す
る方法としては、金属テレフタレート(たとえばテレフ
タル酸ナトリウム)の水溶液をハロゲン化第一スズ水溶
液と反応させてポリ(スズ(II)テレフタレート)とハ
ロゲン化ナトリウム(ハロゲン化金属塩)を形成すると
いった公知の方法がある。生成したポリマーは溶液から
析出し、耐溶剤性であるためさらに精製するのが困難で
ある。したがってポリマーマトリックス中にトラップさ
れたハロゲン化金属塩を除去することができないことに
なり、そのために汚染の問題が生じる。すなわち、上記
のようにして得られる生成物は、汚染物としてのハロゲ
ン化金属塩を100重量ppm過剰に含んでいる。
【0004】したがって、ポリ(金属芳香族エステル)
樹脂を製造するための改良された方法であって、揮発性
の副生物しか発生せず、かつ得られるポリ(金属芳香族
エステル)樹脂中に非揮発性の副生物を含まないような
方法の提供が望まれている。
【0005】
【発明の概要】本発明によってポリ(金属芳香族エステ
ル)樹脂を製造するための改良された方法が提供され、
この方法によると望ましい中間生成物および最終製品か
ら容易に分離される揮発性の副生物しか生じない。本方
法では、芳香族モノカルボン酸を金属酸化物と反応させ
て金属芳香族エステルと水とを生成する。この水は金属
芳香族エステルから容易に蒸留することができる。次に
この金属芳香族エステルを芳香族ジカルボン酸のジアル
キルエステルと反応させて金属‐ジ‐(モノアルキル芳
香族カルボキシレート)を得ることができ、このカルボ
キシレートはその後金属芳香族エステルと反応させて所
望のポリ(金属芳香族エステル)樹脂を得ることができ
る。
【0006】
【発明の詳細な開示】本発明のポリ(金属芳香族エステ
ル)樹脂の製造方法では、(a)(i)芳香族モノカル
ボン酸を、(ii)金属酸化物と反応させて、金属芳香族
エステルと水とを生成させ、(b)この水を金属芳香族
エステルから分離し、(c)金属芳香族エステルを芳香
族ジカルボン酸のジアルキルエステルと反応させて、金
属‐ジ‐(芳香族ジカルボン酸モノアルキルエステル)
と芳香族モノカルボン酸のアルキルエステルとを生成さ
せ、(d)この金属‐ジ‐(芳香族ジカルボン酸モノア
ルキルエステル)を金属芳香族エステルと反応させて、
ポリ(金属芳香族エステル)を生成させる。
【0007】芳香族モノカルボン酸は次式のものが好ま
しい。
【0008】
【化24】
【0009】ただし、二価のR基は芳香族の基であり、
特に次式のものが好ましい。
【0010】
【化25】
【0011】この二価の芳香族基はオルト、メタおよび
/またはパラ位に置換基をもっていてもよい。Xは水素
が好ましいが、ハロゲン、アミン、アルキル(好ましく
は1〜4個の炭素原子をもつ)、およびニトロ基より成
る群の中から選択されたものでよい。適切なX基は、た
とえばCH3 −、H2 N−、BrおよびO2 Nである。
好ましい芳香族モノカルボン酸は次式で表わされる安息
香酸である。
【0012】
【化26】
【0013】本発明の溶融プロセスで使用するのに適し
た金属酸化物は次の一般式で表わすことができる。MO
ここで、Mは二価の金属であるのが好ましく、II族、IV
族およびVIII族の金属の中から選択されるのが好まし
く、さらにBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、S
n、Pb、Ge、Hg、Cd、Zn、Cu、Ni、P
d、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Os、T
i、Zr、Hf、Cr、Mo、W、およびMnのような
金属の中から選択するのが好ましい。最も好ましいのは
スズ(II)である。好ましい金属酸化物は単に酸化スズ
ともいわれる酸化第一スズ(SnO)である。
【0014】第一の反応段階の生成物は、次の一般式で
示される金属芳香族エステルである。
【0015】
【化27】
【0016】ここで、R、M、Xはすでに定義した通り
である。好ましい金属芳香族エステルはスズ(II)ベン
ゾエートである。芳香族モノカルボン酸と金属酸化物を
反応させて金属芳香族エステルを形成する第一の反応段
階の間には副生物として水も生成する。この水は蒸留の
ような方法で容易に金属芳香族エステルから分離でき
る。
【0017】芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステル
は次の一般式で表わすことができる。
【0018】
【化28】
【0019】ここで、Rは上で定義した通りであり、R
1 は一価のアルキル基、好ましくは1〜4個の炭素原子
を有する一価のアルキル基の中から選択され、メチル基
であるのが最も好ましい。芳香族ジカルボン酸のジアル
キルエステルのうちで好ましいのは次式で表わすことが
できるテレフタル酸ジメチルである。
【0020】
【化29】
【0021】R1 はメチル、エチル、プロピルおよびブ
チルのアルキル基の中から選択するのが好ましい。芳香
族モノカルボン酸のアルキルエステルは次の一般式で表
わすことができる。
【0022】
【化30】
【0023】ここで、R、R1 、Xは上で定義した通り
であり、次式のものが好ましい。
【0024】
【化31】
【0025】すなわち、安息香酸メチルが好ましい。金
属‐ジ‐(芳香族ジカルボン酸モノアルキルエステル)
は次の一般式で表わすことができる。
【0026】
【化32】
【0027】ここで、R1 、R、Mは上で定義した通り
である。次式で表わされるスズ‐ジ‐(モノメチルテレ
フタレート)が好ましい。
【0028】
【化33】
【0029】最終生成物のポリ(金属芳香族エステル)
樹脂は次式の単位を含んでいる。
【0030】
【化34】
【0031】(金属芳香族エステル)樹脂は上記単位が
連続して繰返されるのが好ましく、上記単位のみで構成
されているかまたはほとんどが上記単位で構成されてい
るものがさらに好ましい。このポリ(金属芳香族エステ
ル)樹脂全体はたとえば次式で表わすことができる。
【0032】
【化35】
【0033】ただし、末端基としてはポリマーに所望さ
れる末端基に応じていろいろなものを使用できる。nの
値は10から10,000までとすることができ、10
0から2,000までが好ましい。このポリ(金属芳香
族エステル)樹脂にはすでに述べたものを含めて多くの
極めて特殊な製品用途がある。本方法には生成する副生
物が揮発性のものだけであるという利点がある。このよ
うな副生物は、蒸留プロセスでの熱またはエタノールの
ような熱アルコールでの洗浄によって容易に分離するこ
とができる。したがって、本発明の方法によると生成物
の純度も改善される。
【0034】本発明の方法はポリ(金属芳香族エステ
ル)樹脂の溶融製造法であって、(たとえばXが水素で
ある場合)以下の段階(A)〜(C)を含んでなる。 (A)(i)
【0035】
【化36】
【0036】を (ii) MO と反応させて
【0037】
【化37】
【0038】とH2 Oを生成させる。 (B)(i)
【0039】
【化38】
【0040】を、(ii)
【0041】
【化39】
【0042】と反応させて、
【0043】
【化40】
【0044】と
【0045】
【化41】
【0046】とを生成させる。 (C)
【0047】
【化42】
【0048】を
【0049】
【化43】
【0050】と反応させて、ポリ(金属芳香族エステ
ル)を生成させる。このポリ(金属芳香族エステル)は
次式の単位を含んでいる。
【0051】
【化44】
【0052】ただし、RとR1 は上で定義した通りであ
る。段階(A)と(B)の間で水を除去し、段階(B)
と(C)の間で芳香族モノカルボン酸のアルキルエステ
ルを除去するのが好ましい。段階(A)の副生物である
水は蒸留のような方法で除去できる。段階(B)の副生
物である芳香族モノカルボン酸アルキルエステルは、蒸
留および/または熱エタノールのような熱アルコールに
よる洗浄のような方法によって除去できる。上で(A)
と称した段階は芳香族モノカルボン酸を溶融させるのに
充分な温度で実施するのが好ましい。また160℃より
高い温度で、反応の間温度を上昇させて反応混合物の最
終温度が(金属芳香族エステルの溶融温度より高い)1
90℃を越えるようにして金属芳香族エステルを確実に
溶融させるのが好ましい。同様に、上記段階(B)と
(C)の反応も、それぞれの段階の反応体および生成物
の溶融温度より高い温度で実施するのが好ましい。
【0053】
【実施例の記載】160℃より高い温度の無溶媒反応で
SnOは2当量の安息香酸と反応して安息香酸スズ(I
I)と水を生じることが観察された。この水を蒸留によ
って除去する。反応終了時温度は190℃より高く、安
息香酸スズ(II)は確実に溶融している。この溶融物に
1当量のテレフタル酸ジメチルを添加する。この安息香
酸スズ(II)はエステル交換反応の触媒であり、添加さ
れたエステルと反応してまず安息香酸メチルを生じる。
安息香酸メチルを蒸留によって除去する。安息香酸メチ
ルの除去後ポリマーを単離する。必要であれば、残留し
ているテレフタル酸ジメチルと安息香酸メチルを熱エタ
ノールで洗浄することによって除去することができる。
【0054】
【化45】
【0055】
【化46】
【0056】
【化47】
【0057】この合成法はイソフタル酸やフタル酸(こ
れらに限定されることはない)のような他の芳香族ジカ
ルボン酸残基を含有するSn(II)ポリマーに拡張でき
ると期待される。さらに、ブタンジオール、エチレング
リコール、シクロヘキサンジオール、2,2,4,4‐
テトラメチルシクロブタンジオール、1,1,3,3‐
テトラメチル‐1,3‐ビス(4‐カルボキシメチルフ
ェニル)ジシロキサン(ジメチルDACS)(これらに
限定されることはない)のような他のセグメントを含ま
せることも可能であろう。また、ポリマー骨格中にB
e、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sn、Pb、G
e、Hg、Cd、Zn、Cu、Ni、Pd、Pt、C
o、Rh、Ir、Fe、Ru、Os、Ti、Zr、H
f、Cr、Mo、WおよびMn(これらに限定されるこ
とはない)のような他の金属を含ませることも可能であ
ろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−67722(JP,A) 特開 昭54−16431(JP,A) 特公 昭38−24747(JP,B1) 米国特許4211859(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/00 - 63/91 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ(金属芳香族エステル)樹脂の製造
    方法であって、 (a)式 【化1】 の化合物を、式 MO の化合物と反応させて、次式 【化2】 の化合物を生成させ、 (b)前記式 【化3】 の化合物を、式 【化4】 の化合物と反応させて、次式 【化5】 の化合物と 【化6】 とを生成させ、 (c)前記式 【化7】 の化合物を、式 【化8】 の化合物と反応させて、次式 【化9】 の単位を含むポリ(金属芳香族エステル)を生成させる
    ことを含んでなる方法[ただし、MはBe、Mg、C
    a、Sr、Ba、Ra、Sn、Pb、Ge、Hg、C
    d、Zn、Cu、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、I
    r、Fe、Ru、Os、Ti、Zr、Hf、Cr、M
    o、W、およびMnから選択される二価の金属であり、
    Xは水素、ハロゲン、アミン、ニトロおよびアルキル基
    より成る群の中から選択され、Rは二価の芳香族基であ
    り、R1 は一価の炭化水素基である]。
  2. 【請求項2】 R1 が1〜4個の炭素原子を有するアル
    キル基であり、 Rが式 【化10】 のものであり、そしてMがII族金属およびIV族金属の中
    から選択される金属である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Xが水素であり、(a)においてH2
    が生成し前記 【化11】 から蒸留によって分離される、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリ(スズ(II)芳香族エステル)の製
    造方法であって、 (a)式 【化12】 の化合物を、 SnO と反応させて、式 【化13】 の化合物とH2 Oを生成させ、 (b)前記式 【化14】 の化合物を前記H2 Oから分離し、 (c)前記式 【化15】 の化合物を、式 【化16】 の化合物と反応させて、次式 【化17】 の化合物と、次式 【化18】 の化合物とを生成させ、 (d)前記式 【化19】 の化合物と、前記式 【化20】 の化合物を分離し、 (e)前記式 【化21】 の化合物を、式 【化22】 の化合物と反応させて、次式 【化23】 の単位を含むポリ(スズ(II)芳香族エステル)を生成
    させることを含んでなる方法。
  5. 【請求項5】 リ(金属芳香族エステル)樹脂の百万
    重量部を基準にして10重量部未満のハロゲン化金属を
    含んでいる、請求項1記載のポリ(金属芳香族エステ
    ル)樹脂の製造方法によって製造されたポリ(金属芳香
    族エステル)樹脂。
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