JP2962124B2 - ナット自動締付用ソケット構造 - Google Patents

ナット自動締付用ソケット構造

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JP2962124B2
JP2962124B2 JP31336893A JP31336893A JP2962124B2 JP 2962124 B2 JP2962124 B2 JP 2962124B2 JP 31336893 A JP31336893 A JP 31336893A JP 31336893 A JP31336893 A JP 31336893A JP 2962124 B2 JP2962124 B2 JP 2962124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナットの自動締付装置
に用いる、ナット自動締付用ソケット構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ナット自動締付装置においては、ナット
ランナの先端にナット自動締付用ソケットが装着されて
いる。図10はこのような従来のナット自動締付用ソケ
ットについて要部を破断して示す側面図であるが、図1
0に示すように、このソケット51の先端部(図中、下
端部)には、ナット31の嵌入する凹部51Aが設けら
れている。この凹部51Aの周囲には、図示しない磁石
が設けられており、凹部51Aに嵌入したナット31は
この磁石の磁力により凹部51A内に保持されて、この
状態でボルトへの締め付けが行なわれるようになってい
る。
【0003】ところで、ソケット51の凹部51A内へ
のナット31の嵌入を確実に行なえるように、例えば図
11に示すように、凹部51Aの内面とナット31の外
面との間に隙間tが確保されるように設定されている。
しかしながら、この隙間tがあるために、ナット31を
ボルト32上に確実に位置決めすることができても、例
えば図12の(A)に示すように、ナット31がソケッ
ト51内で傾いて、両軸心線間に角度αが生じる。一
方、ナット31を締め付けるべきボルト32について
も、その取付精度に応じて正規取付角度(ソケット51
の軸心線に沿った角度)に対して角度βが生じる。
【0004】この結果、ナット31とボルト32との相
対角度θは、例えば図12の(B)に示すように、α+
βにまで達する場合がある。このようにナット31とボ
ルト32との相対角度θが大きくなると、ナット31内
にボルト32が進入できなくなり、図12の(C)に示
すように、締結不良が生じてしまう。このような締結不
良を回避するために、図13の(A)に示すような標準
ボルト33に代えて、例えば図13の(B)に示すよう
なナッドガイド付き尖り先ボルト34等を用いて、ナッ
ト31とボルト32との相対角度θが大きくても、尖り
先のガイドを通じてナット31内にボルト32が進入で
きるようにさせる手段がある。また、標準ナットに代え
て、ガイド付き等の特殊ナットを用いる手段もある。
【0005】さらに、ナットとボルトとの相対角度を検
出するセンサ等を設けてこの検出結果からナットとボル
トとの相対角度を補正して締結不良を回避する手段も考
えられる。例えば、相対角度を補正する手段として、特
開昭63−200930号公報に開示されたナットの自
動締付装置があるが、この装置では、ナットを保持する
ソケットとこのソケットの支持部材との間に、ボルトに
対してソケットの上下方向のずれを補正するカム機構
と、ボルトに対してソケットの相対角度を補正する弾体
とを設けるように構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の締結不良を回避する手段のうち、ボルト又はナッ
トに特殊な構造のものを用いるものでは、部品コストが
増大してしまうという課題がある。センサ等を用いて角
度補正を行なうものでは、一般に大幅なコスト増を招い
てしまうという課題がある。
【0007】さらに、特開昭63−200930号公報
に開示された装置では、例えばナットがボルトに完全に
締結せずに食いついた状態になると上下方向のずれの補
正が行なえず、カム機構等のメカニカルな部分の損傷を
招くおそれもある。また、弾体を通じた相対角度の補正
は、ソケットの角度の変化が許容されてはいるが、弾体
の弾性力では、ナットをボルトの軸心に積極的に整合さ
せるようなモーメントまでは与えにくく、締結不良を確
実に回避できないおそれがある。さらに、ソケット内で
ナットの動きを規制していないので、ソケットとナット
との間の隙間によりナットが不規則な動きをして安定し
た締結を得にくいという課題がある。
【0008】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、標準ボルトや標準ナットを使用しながらコス
ト増を招くことなくナットとボルトとの締結不良を確実
に回避できるようにした、ナット自動締付用ソケット構
造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のナッ
ト自動締付用ソケット構造は、ナットを保持しながら回
転駆動されることで、該ナットをボルトに締め付けるナ
ット自動締付用ソケット構造において、先端部にナット
保持空間を有するとともに該ナット保持空間の奥部に軸
心線方向に沿った穴部を有するソケット本体と、該穴部
内に先端部を該ナット保持空間に配置させて軸心線方向
へスライドしうるように装備されたスライダと、該スラ
イダの先端に揺動可能に装備されて、該ナットの内周に
嵌入する筒状部分及び該ナットの端面に当接するフラン
ジ状部分からなり該ナットをその軸心を合わせた状態で
保持するナット保持面と、該ボルトの先端部に当接して
該ナットと該ボルトとの軸心を整合させるナット方向調
整面とを有する、ナット規制治具と、該スライダを通じ
て該ナット規制治具を該ボルト側へ付勢する第1の付勢
手段と、該ナット規制治具にセットされた該ナットを該
ボルト側へ付勢する第2の付勢手段とをそなえているこ
とを特徴としている。
【0010】
【作用】上述の本発明のナット自動締付用ソケット構造
では、ソケット本体の先端部のナット保持空間のナット
規制治具にナットをセットして、このナット規制治具の
ナット保持面にナットをその軸心を合わせた状態で保持
させる。このとき、ナット保持面は、筒状部分がナット
の内周に嵌入しフランジ状部分がナットの端面に当接す
ることにより、ナット規制治具の軸心とナットの軸心と
がほぼ一致するようになる。この状態で、ナット規制治
具は該スライダの先端に揺動可能に装備されているの
で、このナット規制治具にセットされるナットもこのナ
ット規制治具とともに揺動できる。
【0011】そして、ソケット本体をボルトの先端側か
ら該ボルトに接近させると、該ナット規制治具が適当に
揺動して角度を変えながら、ナット方向調整面が該ボル
トの先端部に直接又は間接に当接して該ナットと該ボル
トとの軸心を整合させるようになる。このときには、第
1の付勢手段が、スライダを通じてナット規制治具をボ
ルト側へ付勢しているので、ナット方向調整面のボルト
先端部への当接は弾性的に行なわれ、該ナット姿勢の該
ボルト姿勢への整合が円滑に行なわれる。
【0012】また、ナットは、ナット規制治具を通じて
この第1の付勢手段によりボルト側へ付勢されるととも
に、第2の付勢手段によってもボルト側へ付勢される。
そして、この状態でソケット本体を回転駆動すると、該
ナットが一体回転しながらボルトに締結されていく。こ
の締結過程では、ナットはナット規制治具から次第に離
れていくが、このときには、第2の付勢手段の付勢力が
発揮されて、ナットのボルトへの締結が補助されるの
で、該ナットの締結が滑らかに行なわれるようになる。
【0013】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のナット自動締付用ソケット構造について説明すると、
図1はその縦断面図及び横断面図、図2はその取付状態
を示す縦断面図、図3は本ナット自動締付用ソケット構
造をそなえたツール全体の構成図、図4はその要部を示
す縦断面図、図5はその要部を示す横断面図、図6はそ
のスライダを示す側面図、図7はそのナット規制治具を
示す縦断面図、図8はその作用を示す模式的な縦断面
図、図9はその効果を示すグラフである。
【0014】まず、本ナット自動締付用ソケット構造を
そなえたツール全体の構成について説明すると、図3に
示すように、本ナット自動締付用ソケット1は、ナット
ランナ11の先端に装着されたスピンドル12に係止さ
れている。また、ナットランナ11は、このナットラン
ナ11を所要の位置へ駆動するロボット13に、ナット
ランナアダプタ14及びアダプタプレート15を介して
図示しないボルト等によって取り付けられている。な
お、20は、スライドガイドである。
【0015】本ソケット1は、メタルブッシュ18内に
軸方向へ摺動自在に支持されているが、メタルブッシュ
18は、図2,3に示すように、ナットランナアダプタ
14及びアダプタプレート15に取り付けられたフロー
ティング機構16に振れ止め治具17を介して取り付け
られている。フローティング機構16には例えばRCC
(Remote Center Complianc
e)と称される位置・姿勢補正機構を用いることができ
る。このRCCは、合成ゴム系の弾性体であるエラスト
マ・シアーパッドにより剪断方向への位置調整をできる
ようにしたもので、ソケット1の位置ずれを修正しうる
フローティング機能を有している。
【0016】したがって、ソケット1は、フローティン
グ機構16により水平方向への位置ずれを修正しうるよ
うにメタルブッシュ18に支持されることになる。この
ソケット1の本体2の基部には、拡径部2Cが設けられ
ており、この拡径部2Cが振れ止め治具17の内部空間
17Aに進退自在に遊嵌されていて、この内部空間17
Aに介装されたスプリング19によって、ソケット1が
突出側に付勢されている。
【0017】ソケット1とスピンドル12とは、ピン2
1を通じて、一体に回転するが軸方向へは相対動できる
ように結合されている。つまり、スピンドル12には軸
心線の方向へ延在する長穴12Aが形成されており、こ
の長穴12A内にソケット1側に固定されたピン21が
遊嵌されている。これにより、スピンドル12の回転力
は、スピンドル外周面とこれに接触するソケット拡径部
2C内の角穴内周面とによりソケット1側に伝えられる
が、この時ソケット1側は長穴12Aの長さに応じた分
だけスピンドル12に対して軸方向へ移動しうるように
なっているのである。
【0018】なお、22A〜22Dは各部材間を結合す
るピン又はボルトである。ここで、本ナット自動締付用
ソケット構造について詳述すると、図1の(A)に示す
ように、本ソケット1は、ソケット本体2と、スライダ
3と、ナット規制治具4と、第1の付勢手段としてのス
プリング5と、第2の付勢手段としてのスプリング6と
をそなえている。
【0019】ソケット本体2は、前述のように、基部に
拡径部2Cをそなえており、このソケット本体2の先端
部には、軸心線に沿った中央にナット保持空間2Aが形
成され、且つ、このナット保持空間2Aの奥部には、軸
心線に沿った中心部にナットプッシャ保持空間2D及び
このナットプッシャ保持空間2Dよりも小径の穴部2B
が形成されている。なお、ナット保持空間2Aを作る内
周面は、図1(B)に示すように、例えば6角ナットの
外周面が嵌入しやすく且つ締付トルクを伝達しうるよう
に、複数の凹凸が設けられている。
【0020】スライダ3はこの穴部2B内に、軸方向へ
移動しうるように挿入されており、スライダ3とソケッ
ト本体2とは、ソケット1とスピンドル12との場合と
同様に、ピン8を通じて、軸方向への相対動を許容する
ように接続されている。つまり、スライダ3には軸心線
の方向へ延在する長穴3Cが形成されており、この長穴
3C内にソケット本体2側に固定されたピン8が遊嵌さ
れている。これにより、スライダ3はソケット本体2に
対して長穴3Cの長さに応じた分だけ軸方向へ移動しう
るようになっているのである。
【0021】このスライダ3の先端部は、ナット保持空
間2Aに望むように配置されており、このスライダ3の
先端部には、図6に示すように、突起3Aが形成され、
さらにこの突起3Aの先端には凸状曲面部3Bが形成さ
れている。また、ナット規制治具4には、図7に示すよ
うに、凹状曲面部4Aが上方に開口するように形成され
ており、ナット規制治具4は、図1,4に示すように、
スライダ3の先端部において、凸状曲面部3Bに凹状曲
面部4Aを当接させるようにして装着されている。
【0022】このナット規制治具4は、スライダ3の先
端部において、自在に揺動できるようになっているが、
さらに、ナット規制治具4がスライダ3の先端部から離
脱しないようになっている。つまり、ナット規制治具4
には、図5,7に示すように、ピン穴4Bが形成されて
おり、このピン穴4B内に、図4,5に示すように、ピ
ン10が挿嵌されている。このピン10は、通常はスラ
イダ3に接触しないでナット規制治具4の動きを拘束し
ないが、ナット規制治具4が落下しようとする場合に
は、凸状曲面部3Bの裏面に当接してこれを阻止しうる
ようになっている。
【0023】また、ナット規制治具4の外周や基端(図
中、上端)には、ナット31をその軸心を合わせた状態
で保持するナット保持面4C,4Dが形成されている。
このナット保持面4C,4Dは、ナット31の端面に当
接するフランジ状部分4Cと内周に適当なクリアランス
をもって嵌入する筒状部分4Dとからなり、筒状部分4
Dを嵌入させながらナット31の軸心線をナット規制治
具4の軸心線と次第に一致させていき、最終的には、ナ
ット31の端面にフランジ状部分4Cが当接して、両者
の軸心線がほぼ一致するようになっている。
【0024】さらに、ナット規制治具4の先端(図中、
下端)には、ボルト32の先端面に当接してナット31
とボルト32との軸心線を整合させるナット方向調整面
4Eが設けられている。即ち、このナット方向調整面4
Eがボルト32の先端面に当接すると、ナット規制治具
4自体の軸心線がボルト32の軸心線とほぼ一致するよ
うに設定されており、ナット規制治具4自体の軸心線は
ナット31の軸心線と一致しているので、ナット31と
ボルト32との軸心線を整合するようになっているので
ある。なお、ナット規制治具4の先端外周(ナット方向
調整面4Eの外周)は、図1,4に示すように、面取り
が施されてもよい。
【0025】また、スプリング5は、ソケット本体2の
穴部2Bにそなえられ、スライダ3を突出方向(図中、
下方)へ付勢している。さらに、スプリング6は、ソケ
ット本体2の軸心方向に沿って、スライダ3の外周のナ
ットプッシャ保持空間2D内にそなえられ、ナット保持
空間2A内にセットされたナット31をボルト32への
締結方向即ち突出方向(図中、下方)へ付勢している。
【0026】このスプリング6はスプリング5よりも弱
いもの、即ち、スプリング5のバネ定数をK1 、スプリ
ング6のバネ定数をK2 として、K1 >K2 を満たすよ
うに設定されている。これにより、締結動作開始時に
は、ナット規制治具4の基端のナット保持面4Cがナッ
ト31の端面と当接してナット31の姿勢が規制される
が、締結動作開始後に、ナット規制治具4がボルト32
に押されて後退し、ナット31から離れていくと、今度
は、スプリング6がナット31を所要の姿勢で前進して
いくように付勢力を発揮するようになっている。
【0027】なお、ここでは、ナットプッシャ保持空間
2D内のスプリング6の端部にはナット31に直接当接
しうるナットプッシャ7が設けられており、スプリング
6の付勢力はこのナットプッシャ7を介してナット31
に伝えられるようになっている。そして、ソケット本体
2の下端部の、ナット保持空間2Aを作る内周面には、
図1に示すように、ナット31を保持するための磁石9
が設けられている。この例では、ナット31を包囲する
ように、複数(3つ)の磁石が等間隔で設置されてい
る。
【0028】上述の構成により、本実施例のナット自動
締付用ソケット構造では、ナットの自動締付にあたり、
ソケット本体2の先端部のナット保持空間2Aのナット
規制治具4にナット31をセットする。このとき、ナッ
ト規制治具4がナット保持面4C,4Dを通じてナット
31を軸心線をほぼ一致させるようにしながら保持す
る。
【0029】また、このナット規制治具4はスライダ3
の先端に揺動可能に装備されているので、ナット規制治
具4にセットされるナット31は、このナット規制治具
4とともに揺動できる。そして、ナット31がボルト3
2の直上に位置するように、ソケット本体2を移動させ
て、さらに、ソケット本体2を降下させながら、スプリ
ング5の付勢力を介して、ナット規制治具4のナット方
向調整面4Eをボルト32の先端面32Aに当接させて
いく。
【0030】このときに、ボルト32が傾斜している分
だけ(傾斜角度β)、ナット規制治具4の軸心線とボル
ト32の軸心線とが一致しなくなるが、この場合の補正
は、ナット方向調整面4Eとボルト32の先端面32A
との当接により、ナット規制治具4は、スライダ3の先
端で滑らかに傾きながら、図8に示すように、ナット規
制治具4の軸心線をボルト32の軸心線に確実に一致さ
せていくことで行なわれる。このようにして、ナット3
1の軸心線もボルト32の軸心線と一致するようにな
る。
【0031】また、このとき、ナット規制治具4及びナ
ット31とボルト32との間の位置ずれ(水平方向のず
れ)については、本ソケット1を支持するフローティン
グ機構16によって、ソケット1自体が水平移動できる
ことで許容される。さらに、このとき、ナット規制治具
4及びナット31とボルト32との間の上下方向のずれ
については、ソケット1自体を付勢するスプリング19
やスライダ3を付勢するスプリング5が伸縮するので、
容易に許容される。
【0032】そして、この状態で、ソケット本体2を回
転駆動して、ナット31をボルト32に螺合させて締結
させていく。この際には、既に、ナット31とボルト3
2との軸心線が整合しているので、ナット31はその回
転に伴って、ボルト32に円滑に螺合し締結されてい
く。この締結が進められていくと、ナット31はナット
規制治具4から後退してナット規制治具4から離れてい
くが、この後は、スプリング6の付勢力が発揮されて、
ナット31を所要の姿勢で前進していくように補助され
る。また、この締結が進む段階で、ナット規制治具4及
びナット31とボルト32との間の位置ずれが再び生じ
るが、これについても、フローティング機構16を通じ
て、ソケット1自体が水平移動できることで許容され
る。
【0033】このようにして、本ナット自動締付用ソケ
ット構造では、高価な特殊なボルトやナットを用いるこ
となく、先端のフラットな標準ボルト及びネジ穴が貫通
している(袋ナットではない)標準ナットを用いなが
ら、締結開始時において、ナット31の方向とボルト3
2の方向とを確実に一致させることができるようにな
り、極めて低コストで、ナットの締結不良を確実に防止
できるようになる。
【0034】なお、図9は、従来のナット自動締付用ソ
ケット構造と本発明のナット自動締付用ソケット構造と
によるナットの100%締結範囲の相違を示すもので、
図中、〇印が従来構造による実験結果を示し、●印が本
構造による実験結果を示している。図示するように、本
構造では、ナットとボルトとの角度ずれに対して100
%締結範囲が大きく拡大しており、位置ずれ(水平方向
へのずれ)に対しても100%締結範囲が拡大してい
る。このように、実験によって、本構造が、ナットとボ
ルトとの角度ずれを大幅に許容し、水平方向へのずれに
対しも許容が大きいことが確かめられた。
【0035】また、本ソケット構造は、ナットランナ1
1側への結合構造を従来のソケット構造と全く同様に構
成することができるので、ナットランナ11側の構成を
変更することなく、現状のソケットと本構造を有するソ
ケットとを交換するだけでも、上記効果を得られ、この
点からも、コスト面で有利である。なお、この実施例で
は、ナット規制治具4の先端のナット方向調整面4Eを
ボルト32の先端面32Aに直接当接させることで、ナ
ット規制治具4の軸心線をボルト32の軸心線に合わせ
るようにしているが、ナット規制治具4の先端をボルト
32の先端面32Aに直接当接させないで、ナット31
のボルト側端面をボルト32の先端面32Aに直接当接
させるようにして、ナット31の軸心線をボルト32の
軸心線に直接整合させるようにしてもよい。この場合に
は、ナット規制治具4のナット保持面を構成するフラン
ジ状部分4Cがナット方向調整面に相当するものにな
る。
【0036】また、図2,3で省略して示すように、ナ
ットプッシャ7を省略して、ナット31に直接スプリン
グ6が当接する構造も考えられる。さらに、各構成要素
の形状なども、本実施例のものに限定されるものではな
い。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のナット自
動締付用ソケット構造によれば、ナットを保持しながら
回転駆動されることで、該ナットをボルトに締結させる
ナット自動締付用ソケット構造において、先端部にナッ
ト保持空間を有するとともに該ナット保持空間の奥部に
軸心線方向に沿った穴部を有するソケット本体と、該穴
部内に軸心線方向へスライドしうるように装備されたス
ライダと、該ナット保持空間に配置されて該スライダの
先端に揺動可能に装備され、該ナットの内周に嵌入する
筒状部分及び該ナットの端面に当接するフランジ状部分
からなり該ナットをその軸心を合わせた状態で保持する
ナット保持面と、該ボルトの先端部に直接又は間接に当
接して該ナットと該ボルトとの軸心を整合させるナット
方向調整面とを有する、ナット規制治具と、該スライダ
を通じて該ナット規制治具を該ボルトの先端に当接させ
るように突出方向へ付勢する第1の付勢手段と、該ナッ
ト規制治具にセットされた該ナットを、該ボルトへの締
結方向へ付勢する第2の付勢手段とをそなえるという構
成により、高価な特殊なボルトやナットを用いることな
く、低コストで、ナットの締結不良を確実に防止できる
利点があり、ナット締付を要する製品の製造効率の向上
及び製造コストの低減を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造を示す図であり、(A)はその縦断面図、
(B)はその横断面図〔(A)のB−B矢視断面図〕で
ある。
【図2】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造の取付状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造をそなえツール全体の構成図である。
【図4】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造の要部を示す縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造の要部を示す横断面図であり、図4のA−A
矢視断面図である。
【図6】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造のスライダを示す側面図である。
【図7】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造のナット規制治具を示す縦断面図である。
【図8】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造の作用を示す模式的な縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例としてのナット自動締付用ソ
ケット構造による効果を示すグラフである。
【図10】従来のナット自動締付用ソケット構造につい
て要部を破断して示す全体側面図である。
【図11】従来のナット自動締付用ソケット構造の要部
拡大断面図であり、図10のC部拡大図である。
【図12】従来のナット自動締付用ソケット構造におけ
る課題を説明する図であり、(A)はナットをボルトに
当接させる前の状態を示し、(B)はナットをボルトに
当接させて締結させようとしている状態を示し、(C)
は締結工程終了後のナット及びボルトを示している。
【図13】従来のナットの締め付け自動締付用ソケット
構造における締結不良の防止手段を示す図であり、
(A)は通常使用される標準ボルトを示す側面図であ
り、(B)は締結不良の防止のために使用されるナット
ガイド付き尖り先ボルトを示す側面図である。
【符号の説明】
1 ナット自動締付用ソケット 2 ソケット本体 2A ナット保持空間 2B 穴部 2C 拡径部 2D ナットプッシャ保持空間 3 スライダ 3A 突起 3B 凸状曲面部 3C 長穴 4 ナット規制治具 4A 凹状曲面部 4B ピン穴 4C ナット保持面を構成するフランジ状部分 4D ナット保持面を構成する筒状部分 4E ナット方向調整面 5 第1の付勢手段としてのスプリング 6 第2の付勢手段としてのスプリング 7 ナットプッシャ 8 ピン 9 磁石 10 ピン 11 ナットランナ 12 スピンドル 12A 長穴 13 ロボット 14 ナットランナアダプタ 15 アダプタプレート 16 フローティング機構 17 振れ止め治具 17A 振れ止め治具17の内部空間 18 メタルブッシュ 19 スプリング 20 スライドガイド 21 ピン 22A〜22D ピン又はボルト 31 ナット 32 ボルト
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−143664(JP,U) 実開 平3−52034(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23P 19/06 B25B 23/14 640

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナットを保持しながら回転駆動されるこ
    とで、該ナットをボルトに締め付けるナット自動締付用
    ソケット構造において、 先端部にナット保持空間を有するとともに該ナット保持
    空間の奥部に軸心線方向に沿った穴部を有するソケット
    本体と、 該穴部内に先端部を該ナット保持空間に配置させて軸心
    線方向へスライドしうるように装備されたスライダと、 該スライダの先端に揺動可能に装備されて、該ナットの
    内周に嵌入する筒状部分及び該ナットの端面に当接する
    フランジ状部分からなり該ナットをその軸心を合わせた
    状態で保持するナット保持面と、該ボルトの先端部に直
    接又は間接に当接して該ナットと該ボルトとの軸心を整
    合させるナット方向調整面とを有する、ナット規制治具
    と、 該スライダを通じて該ナット規制治具を該ボルト側へ付
    勢する第1の付勢手段と、 該ナット規制治具にセットされた該ナットを該ボルト側
    へ付勢する第2の付勢手段とをそなえていることを特徴
    とする、ナット自動締付用ソケット構造。
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