JP2961725B2 - 金属焼結材の接合方法 - Google Patents
金属焼結材の接合方法Info
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Description
属焼結材または金属材を接合する方法に関する。
品の高い歩留り、良好な精度,高い生産性と経済性に加
え、複雑形状部品の増加と高精度化、プレス能力以上の
大型部品への焼結化、材質的高級化および機能の複合化
などに対応する1つであり、粉末焼結製品の2次元的
(平面的)な形状から、3次元形状の展開,異種材料と
の複合化などによる、機能性の向上を狙った粉末焼結法
独自の接合技術開発が期待されてきた。
用化された主なものには、焼結中の方法(炉中接合)と
して、焼結時の寸法変化を利用した焼きばめ効果や一部
固相拡散接合などの組み合せ焼結接合、成形時に層間を
圧力により絡ませその後の焼結にて固相拡散接合する多
層粉末成形接合や焼結時に液相を発生させその液相によ
り部品を接合する液相接合、ろう付などがある。また、
焼結後の接合方法(炉外接合)として、圧入,カシメ,
ボルト締めなどの機械的接合,溶接,摩擦圧接など溶融
による接合が知られている。
品接合法のうち、炉外接合としての溶接法は、焼結部品
同士の接合法として接合体の形状の自由度が比較的ある
ことや寸法精度が比較的良い利点を有するとされている
一般的な方法ではあるが焼結製品に適用される事例は比
較的少ない。これは機械部品に使われている焼結材の場
合、内部に空孔を有するため接合部が溶融中に空孔が集
合してブローホールを発生しやすくまた空孔内に油が残
存すると、溶接時に膨脹気化するためブローホールが生
じやすいことや、一般に炭素量が多く、溶接時には、一
瞬のうちに接合部の加熱,冷却が行われるため大きな熱
応力によりクラックが発生することや、熱影響部の硬度
上昇により切り欠き感受性が高くなり、強度が低下する
場合があるなどの問題点があることに起因する。また、
ポーラス内の防錆油などの存在も、溶接性、作業環境に
問題を発生する場合があり、事前に除去する必要がある
など作業性,接合強度の面で問題がある。さらに、焼結
材は空孔があるため、溶接する際に空孔の部分が溶ける
ことによって体積減少をきたし、このため通常の溶接で
は溶接部分の溶け込みが充分に行われず、不具合をきた
していた。すなわちプロジェクション溶接法又は溶接加
材(溶接棒等)を用いないと溶接部の肉が落ち込み十分
な溶け込みが得られない問題もある。前記プロジェクシ
ョン溶接法は、一方の部材の接合面に突起(プロジェク
ション)を形成し、他の部材の接合面と加圧当接させた
うえ、両部材を電極間にはさんで交流または直流電流を
通電し、その抵抗加熱により前記突起を溶融させ、両部
材を接合する方法である。このプロジェクション溶接法
では、相対密度90%以上では軟鋼同士の場合に近い評
価があるが、鉄系焼結材と軟鋼材との溶接では、密度
7.0gr/cm3以下ではより大きな突起(プロジェクシ
ョン)が必要であり、浸炭材や高炭素材は溶接部がもろ
くなり問題がある。
ロジェクション溶接を可能とするため、特開昭58−1
3480号公報では、接合する一対の金属焼結材のうち
熱容量が大きい側の接合面に突起を形成し、各部材の接
合面での昇温速度の差を小さくし、各接合面での溶融程
度を均一にして前記各課題を改善する提案がなされてい
る。
は、真空中でプロジェクション溶接を行うことにより、
予め金属焼結材の気孔中ガスを抜き、前記課題を改善す
る方法が開示されている。
は、焼結材に形成したプロジェクションを溶融すること
なく両部材の接合面に拡散させて接合することにより、
空孔中ガスによりブローホールが生じて接合面積が減少
し、接合強度が低下したり、溶融した金属が電極間の加
圧または空孔から噴出するガスで吹き飛ばされ、スパッ
タを生じて製品の美観を損ねる等の前記課題を改善する
方法も開示されている。
溶融する点では従来法と変わりがなく、接合強度の面で
問題を残すなど根本的な解決には至らないことが判明し
た。
により金属焼結材を強固に接合する方法を提供すること
を目的とする。
いてなされたもので、少なくとも一方の金属焼結材の接
合面に突起を形成し、この突起を他方の金属焼結材また
は金属材の接合面に加圧当接するとともに両部材間に通
電し、前記突起を加熱して両部材を溶接した後、400
〜600℃の加熱温度で加熱処理する金属焼結材の接合
方法である。
スチーム処理等の酸化被膜処理手段である。
段が表面処理手段である。
に加熱処理されて強固に接合することができる。
膜処理手段とすることによって、簡単に所定の強度を確
保できると共に、接合物全体に防錆等の効果を付与する
ことができる。
ることによって、簡単に所定の強度を確保できると共
に、接合物に窒化等の表面処理効果を付与することがで
きる。
図2を参照しながら説明する。図1、図2は鉄系焼結品
(Fe−2.0Cu−0.7C)同士をプロジェクショ
ン溶接し、その後熱処理したものである。
たものであり、測定位置0は溶接箇所を示すグラフであ
り、図1の(1)は熱処理しないもので最高約800
(MHv)、(2)は180℃で熱処理したもので最高
約700(MHv)、(3)は550℃で熱処理したも
ので最高約380(MHv)を示している。
および引張り強度に及ぼす影響を示すグラフであり、熱
処理温度が400℃で約32kgf/mm2、500℃
で約35kgf/mm2、600℃で約33kgf/m
m2となり、400℃〜600℃の温度範囲で熱処理す
ることによって、所定の引張り強度を確保することがで
きる。
4を参照しながら説明する。図3に示すように、この実
施例は鉄系焼結品(Fe−2.0Cu−0.7C)たる
スプロケット本体1の上面に、羽根2を四方向に突出さ
せた例えばSPCC、SSなどの溶製材からなる取付け
板3を、プロジェクション溶接法によって固着したスプ
ロケット4を示したものである。
1は、鉄粉末と、炭素粉末などの原料粉末を粉末成形プ
レスの金型により圧縮して成形し、この成形された圧粉
体を焼結炉において焼結することにより得られたもので
あり、前記スプロケット本体1の接合面5には数箇所、
実施例では8か所に突起6が形成されている。一方取付
け板3は鉄板をプレス装置等によって打抜き形成したも
のである。
3の接合は、まず一方の電極プラテン7上にスプロケッ
ト本体1を載置し、このスプロケット本体1の突起6上
に取付け板3を同軸状に載置し、さらにこの取付け板3
上に他方の電極プラテン8を加圧状態で当てる。そして
電極プラテン7、8間に交流或いは直流電流を流す。こ
のとき、前記スプロケット本体1と取付け板3とが突起
6で接触しているために、電流および荷重が突起6部分
に集中する。そして抵抗発熱によりスプロケット本体1
の突起6部分および取付け板3の対応する部分が溶融
し、両者が溶接部のナゲット9を介して接合する。この
後電極プラテン7、8から取出したスプロケット4を加
熱処理する。このスプロケット4の加熱処理は、スチー
ム炉(図示せず)中で400〜600℃に加熱し、スチ
ームを通すことによって行うものである。
えば5〜10μmの四三酸化鉄(Fe3O4)の被膜が生
成されると共に、この四三酸化鉄の被膜は表面のみなら
ず、スプロケット4の空隙近傍にも生成され、外部との
空気を遮断することによって発錆を防止する。さらに硬
さも著しく向上すると共に、スプロケット本体1と取付
け板3の連結強度も向上する。
ついてその強度を比較したものである。尚、ねじりモー
メントにおける径は14mmの場合を示している。そし
て表1によって、スチーム処理手段を行うと溶接部の引
張強さがスチーム処理手段をしないものに比較して約3
倍になることが判明する。
6を形成したスプロケット本体1と取付け板3とをプロ
ジェクション溶接したスプロケット4を、スチーム処理
手段により加熱することによって、金属焼結材を強固に
接合することができる。
している。図5および図6の第3実施例は鉄系焼結品
(Fe−2Cu−0.7C)たる円筒形のプーリ11に、
例えば、SPCCなどの溶製材からなるフランジ12を、
プロジェクション溶接法によって固着したエンジンのウ
ォータポンプ部品13を示したものである。前記フランジ
12の接合面14には数箇所に突起15が形成され、そして前
記突起15上に前記プーリ11を同軸状に載置し、そして第
1実施例と同様に上下に配設された電極プラテン16、17
によりプロジェクション溶接を行う。次に酸化被膜処理
手段を行う。この酸化被膜処理手段は、大気中にて40
0〜600℃で加熱した後徐冷することによって、表面
に薄膜の黒色酸化被膜を生じさせるようにするものであ
る。また前記処理温度が400〜600℃の表面処理手
段は塩溶窒化処理、PVD法によるTiN等がある。
酸化被膜処理手段を行ったウォータポンプ13の接合強度
を図7に示すように、支え部材18により支持された状態
でパンチ19を押圧した強度試験したものが図8である。
この図8に示したデータ(N=20)では平均接合強度
が863.8kgとなり、所定の強度を得ることができ
る。また図10は図9に示すように接合面14を中心として
接合部の硬度を示したものであり、接合面14よりややプ
ーリ11側に硬度の最高値があらわれている。
15を形成したプーリ11とフランジ12とをプロジェクショ
ン溶接したウォータポンプ部品13を、酸化被膜処理手段
により加熱することによって、引張り強度を簡単に確保
することができる。
ではなく、例えば実施例ではSPCC、SSなどの溶製
材と鉄系焼結品との接合の場合を示したが、鉄系焼結品
と鉄系焼結品の接合の場合でもよいなど種々の組み合せ
が可能である。
材または金属材とを接合する方法であって、少なくとも
一方の金属焼結材または金属材の接合面に突起を形成
し、この突起を他方の金属焼結材または金属材の接合面
に加圧当接するとともに両部材間に通電し、前記突起を
加熱して両部材を溶接した後、加熱手段を用いて400
〜600℃の加熱温度で加熱処理したことによって、ブ
ローホール等の発生なしに金属焼結材を強固に接合する
方法を提供できる。
等の酸化被膜処理手段とすることによって、簡単に所定
の強度を得て強固に接合する方法を提供できると共に、
接合物全体に防錆等の効果を付与することができる。
段を表面処理手段とすることによって、簡単に所定の強
度を得て強固に接合する方法を提供できると共に、接合
物に窒化等の表面処理効果を付与することができる。
布を示すグラフである。
度、熱影響最高硬さ示すグラフである。
図である。
フである。
面図である。
グラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属焼結材と、他の金属焼結材または金
属材とを接合する方法であって、少なくとも一方の金属
焼結材または金属材の接合面に突起を形成し、この突起
を他方の金属焼結材または金属材の接合面に加圧当接す
るとともに両部材間に通電し、前記突起を加熱して両部
材を溶接した後、加熱手段を用いて400〜600℃の
加熱温度で加熱処理することを特徴とする金属焼結材の
接合方法。 - 【請求項2】 前記溶接後の加熱手段がスチーム処理等
の酸化被膜処理手段であることを特徴とする請求項1記
載の金属焼結材の接合方法。 - 【請求項3】 前記溶接後の加熱手段が表面処理手段で
あることを特徴とする請求項1記載の金属焼結材の接合
方法。
Priority Applications (1)
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JP29540592A JP2961725B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | 金属焼結材の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06142942A JPH06142942A (ja) | 1994-05-24 |
JP2961725B2 true JP2961725B2 (ja) | 1999-10-12 |
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JP3548509B2 (ja) * | 2000-06-07 | 2004-07-28 | 諏訪熱工業株式会社 | パルス通電接合方法及び接合装置並びに接合体 |
JP4533401B2 (ja) * | 2007-05-14 | 2010-09-01 | Spsシンテックス株式会社 | 小接合面用パルス通電接合装置 |
-
1992
- 1992-11-04 JP JP29540592A patent/JP2961725B2/ja not_active Expired - Fee Related
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