JP2959732B2 - 表示・撮像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＴＶ電話やＴＶ会議シ
ステムなどに用いられる表示装置と撮像装置が組み合わ
さった表示・撮像装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、画像符号化技術等の通信技術の発
展により、遠隔地間を映像・音声通信網で結んだＴＶ電
話やＴＶ会議システム等の双方向映像通信が急速に普及
してきている。今後は、ＩＳＤＮ網の充実と伝送網の高
帯域化等により、より高臨場感に溢れた映像がサ−ビス
できることが期待されている。

【０００３】図５に現在双方向映像通信に用いられてい
る表示・撮像装置を示す。撮像装置２がＣＲＴディスプ
レイ等の表示装置１の上面または側面にあり、使用者Ｍ
の撮像を行う。しかし、このような装置を利用するもの
は、通常の表示装置１を見ているため、撮像装置２で撮
影を行っても、使用者Ｍは撮像装置２の方に視線を向け
ることはない。そのため、せっかくの高臨場感溢れる映
像が送信可能となっても、対話者同士の視線が一致しな
い不自然な会話になるという欠点があった。

【０００４】そこで、視線一致を実現した小型で安価な
表示・撮像装置を構成するため、微小半透鏡を複数組み
合わせて半透鏡を構成する方法が考案された（特願平２
−２７３４００号参照）。

【０００５】図６に微小半透鏡を組み合わせた半透鏡の
断面図を示す。この図で、３は透明基板、４は微小半透
鏡、５は半透鏡全体を示す。図中のθは微小半透鏡４の
傾きを示している。このような構成にすると図中に示し
たように、入射光の一部はある角度ψ方向に反射される
ことになる。その際、微小半透鏡４の幅Ｗは小さくする
ことが可能なため、従来の半透鏡を傾けて設置する方式
より表示・撮像装置の小型化が図れる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図６に
示したような半透鏡５を用いて撮像を行うと、撮像され
た画像は歪むことになる。例えば図７に示すように、半
透鏡５の上方から撮像を行う場合、円形の物体は上下方
向に圧縮されるため、撮像した画像をモニタ６に表示す
ると円形にはならず楕円形になる。さらに、反射像の上
部と下部とでは撮像装置２までの光路長が異なるため、
長方形の物体は上辺が長い台形になる、いわゆる台形歪
みを生じるという欠点もあった。

【０００７】本発明は、上記の欠点を解決するためにな
されたもので、ＴＶ電話やＴＶ会議システム等に用いら
れる微小半透鏡を複数組み合わせて視線一致を実現した
表示・撮像装置において、撮像画像に生じる画像の歪を
簡便に補正することができるようにすることを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、多数の微小半
透鏡からなる半透鏡を用いた表示・撮像装置において、
半透鏡からの反射像を歪を補正する方向のみ像の拡大ま
たは縮小を行う光学系、例えばレ−ザのビ−ム形を整形
するために用いられるビ−ムエクスパンダ−光学系を備
えたものである。

【０００９】

【作用】本発明は、光学系に半透鏡からの反射像を光学
系に通すことにより画像の歪が補正される。このような
光学系を付加されていることが従来の表示・撮像装置と
大きく異なる。

【００１０】

【実施例】（実施例１）図１に本発明による表示・撮像
装置の一実施例の構成を示す。この図で、図６，図７と
同じ符号は同じものを示す。半透鏡５からの反射像は、
円筒凹面レンズ８と円筒凸面レンズ９によって構成され
たビ−ムエクスパンダ−光学系７を通過した後、撮像装
置２で撮像される。ビ−ムエクスパンダ−光学系７で
は、像の歪を補正する方向に拡大または縮小するため、
半透鏡５により圧縮された反射像を逆に拡大することに
よって画像の歪を補正することができる。反射像の拡大
率または縮小率は、円筒面レンズの焦点距離や円筒凹面
レンズ８と円筒凸面レンズ９間の距離ｘに依存するた
め、焦点距離やレンズ間の距離ｘに分布を持たせること
により、反射像の台形歪も補正することができる。

【００１１】 図２は同じく円筒面レンズを用いた光学
系を備えた本発明による表示・撮像装置の別の構成例を
示す。半透鏡５からの反射像を図１と同様にビ−ムエク
スパンダ−光学系７を通過させるが、図１とは異なりビ
−ムエクスパンダ−光学系７の前に全反射鏡１０を設置
し、全反射鏡１０からの反射像を撮像装置２で撮像を行
うように構成してある。図１では半透鏡５からの反射像
を撮像するための像が左右反転しているが、図２の構成
によれば、半透鏡５および全反射鏡１０と２回反射を行
うため、像の左右反転が生じない。 （実施例２） 図３に光学系として曲面鏡を用いた場合の表示・撮像装
置の構成図を示す。半透鏡５は上方に像が反射されるよ
うに微小半透鏡４が構成されており、反射像は半透鏡５
の上方に設置された曲面鏡１１により反射され、表示装
置１の上方に設置された撮像装置２で撮像される。半透
鏡５からの反射像は上下方向に圧縮されるが、曲面鏡１
１に円筒凸面鏡を用いると、水平方向に同程度圧縮され
るため、この歪んだ画像を補正することができる。ここ
で用いる曲面鏡１１は、いわば円筒面レンズと鏡を組み
合わせた機能を持っていることになる。さらに、曲面鏡
１０による反射像の拡大・縮小率は曲面鏡１１の曲率に
依存するため、図４（ａ），（ｂ），（ｃ）に側面図，
正面図および平面図を示すように曲面鏡１１の曲率にあ
る分布を持たすことにより、台形歪をも補正することが
できる。さらに、実施例１で述べた構成に比べ、曲面鏡
１１がひとつだけの単純な光学系で構成できる利点があ
るため、表示・撮像装置の小型化・低価格化が図れる。

【００１２】 また、上記実施例では、円筒凸面鏡を用
いる場合を示したが、円筒凹面鏡を用いて半透鏡５から
の反射像を上下方向に拡大させても、この歪みを補正で
きることはいうまでもない。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、歪を補
正する方向に像を拡大または縮小を行うビ−ムエクスパ
ンダ−光学系などの光学系を付加することにより、半透
鏡で生じる反射像の歪を簡便に補正することができる。

【００１４】また、歪を補正する方向に像を拡大または
縮小を行う光学系として曲面鏡を用いることにより、複
雑な光学系を構成することなしに像の歪を補正すること
ができる。その結果、装置の小型化・低価格化が図れ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による表示・撮像装置の一実施例を示す
構成図である。

【図２】本発明による他の実施例を示す表示・撮像装置
の構成図である。

【図３】本発明による表示・撮像装置のさらに他の実施
例を示す構成図である。

【図４】本発明に用いる曲率分布を持たせた曲面鏡の実
施例を示す図である。

【図５】従来の表示・撮像装置の一例を示す構成図であ
る。

【図６】先に提案した微小半透鏡を複数組み合わせた半
透鏡の断面図である。

【図７】図６の微小半透鏡を複数組み合わせて半透鏡を
構成した場合の先に提案した表示・撮像装置の構成図で
ある。

【符号の説明】

１ 表示装置 ２ 撮像装置 ３ 透明基板 ４ 微小半透鏡 ５ 半透鏡 ７ ビ−ムエクスパンダ−光学系 ８ 円筒凹面レンズ ９ 円筒凸面レンズ １０ 全反射鏡 １１ 曲面鏡

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 秀樹 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日本電信電話株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H04N 7/14 - 7/15 H04N 5/225 - 5/247

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表示装置と撮像装置および多数の微小半透
   鏡からなる半透鏡とから構成され、前記表示装置の前面
   に前記半透鏡を設置し、前記表示装置前方の被写体を前
   記半透鏡からの反射像として前記表示装置の周囲に設置
   された前記撮像装置により撮像を行う表示・撮像装置に
   おいて、前記半透鏡からの反射像を前記撮像装置で撮像
   する前に歪を補正する方向に拡大または縮小を行う光学
   系を設けたことを特徴とする表示・撮像装置。
2. 【請求項２】光学系に曲面鏡を用いたことを特徴とする
   請求項１記載の表示・撮像装置。