JP2959294B2 - ねじ締め付け装置 - Google Patents

ねじ締め付け装置

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JP2959294B2 JP21041492A JP21041492A JP2959294B2 JP 2959294 B2 JP2959294 B2 JP 2959294B2 JP 21041492 A JP21041492 A JP 21041492A JP 21041492 A JP21041492 A JP 21041492A JP 2959294 B2 JP2959294 B2 JP 2959294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力によりねじを締め
付けるいわゆるねじ締め付け装置に関する。特に、電気
モータに速度サーボをかけてねじを締め付けるねじ締め
付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気モータにより、ドライバソケ
ットを回転させて自動的にねじを締め付けるいわゆるね
じ締め付け装置が広く用いられている。このねじ締め付
け装置の動作においては、ねじをその所定のトルクで締
め付けるために様々な手法が用いられていきた。
【0003】所定のトルクで締め付けるために古くから
用いられている手法にストール式がある。このストール
式は、モータの出力トルクの最大値をねじの締め付けト
ルクに設定しておき、その所定の締め付けトルクに達し
たならばモータが止まってしまう(いわゆるストールし
てしまう)ようにした方式である。この方式は簡易であ
り、ねじをねじ切る危険が少ないため、古くから広く用
いられていた。
【0004】しかしながら、このストール式は何らの速
度制御もなされていないため、ねじの締め付け速度が遅
いという短所があった。すなわち、ねじ締めが進み、ト
ルクが上昇してくるとモータの速度が徐々に遅くなって
くるのである。そこで、近年においては、モータ電流を
制御して速度制御を行ったねじ締め付け装置が専ら使用
されている。
【0005】このようなモータ電流の制御を行った典型
的なねじ締め付け装置の構成ブロック図が図7に示され
ている。図7に示されているように、本ねじ締め付け装
置500は、外部の設備PC(プログラマブルコントロ
ーラ)100からのスタート指令及び終了指令等によっ
てねじ締めを行う。そして、ねじ締め付け装置500
は、ねじ締めコントローラ200と、サーボアンプ30
0及びモータ部400とから構成されている。
【0006】ねじ締めコントローラ200は、CPU2
10や、ROM220、RAM230等からなるマイク
ロコンピュータであり、RAM230には、上記設備P
C100からの指令によって起動されるプログラムが格
納されている。このプログラムは、モータの速度やトル
クを指定する。このプログラムによって指定された速度
は速度指令発生部250に送出され、速度指令発生部2
50は具体的な速度の指令値をサーボアンプ300に供
給する。この指令値はアナログ信号であったり、あるい
はデジタル信号であってもよい。
【0007】このサーボアンプ300に供給される前記
指令値は、速度制御部340によって電流指令に変換さ
れてから電流出力部310に供給される。電流出力部3
10は、前記電流指令と、電流検出部320による電流
フィードバックから出力電流を決定し、モータ部400
にこの電流を供給する。なお、電流出力部310には、
外部駆動電源から電流が供給されている。
【0008】モータ部400は、モータ420と、その
モータと同軸に取り付けられている回転エンコーダ(以
下、単にエンコーダと称する)410及びトルクセンサ
430とから構成されている。このエンコーダ420が
出力するパルス列等の速度信号はねじ締めコントローラ
200の速度検出部260に入力される。これによっ
て、ねじ締めコントローラ200はモータ420の回転
速度を検知することができる。また、トルクセンサ43
0からのトルク信号は、ねじ締めコントローラ200の
A/D変換部に入力されている。これによって、ねじ締
めコントローラ200は、モータ420の回転トルクを
検知することができる。
【0009】なお、このような電流制御とは別に、モー
タの過負荷制御も行われている。過負荷検出は、過負荷
検出部330が電流検出部320からの電流を常時監視
することにより行われる。過負荷であるかどうかは例え
ば、図8に示されているグラフのように、電流値と、そ
の電流が流れる時間とによって判断される。すなわち、
時間が長ければ長いほど、また、電流が大きければ大き
いほど過負荷であると判断される。このようにして過負
荷であることが検知されると、過負荷検出部330は過
負荷信号をCPU210に送出する。すると、CPU2
10は、プログラムの実行を停止すると共に異常信号を
入出力部240を介して設備PC100に送出する。こ
れによって、オペレータは、設備PC100を介して過
負荷状態を把握することができる。
【0010】このような従来のねじ締め付け装置の締め
付け動作を図8,図9を用いて説明する。図8には、こ
のねじ締め付け装置によってねじ締めが行われていると
きの、モータ420の回転速度及び締め付けトルクを表
すグラフが示されている。このグラフの横軸は時間であ
り、縦軸は回転速度と締め付けトルクである。回転速度
の目盛りは左側に、締め付けトルクの目盛りは右側に示
されている。そして、回転速度のグラフは図中Sで示さ
れ、締め付けトルクのグラフは図中Tで示されている。
【0011】時刻t1 において、ねじの締め付けが開始
されると、最初はモータ420の回転速度は最高値に設
定される。このとき、締め付けトルクは低い値である。
【0012】ねじ締めが進むとやがてねじは着座する
が、このときから、締め付けトルクは増加を始める。そ
して、所定の締め付けトルク(例えば100kg・c
m)に達すると、ねじ締めコントローラ200は、着座
状態になったことを検知し(図中時刻t2 で示されてい
る)、速度指令値を低下させる。図9に示されている例
では100r.p.mに低下させられている。このよう
に、着座してからはゆっくりとねじ締めが行われ、正確
な締め付けトルクによるねじ締めを行えるようになって
いる。
【0013】最後に、時刻t3 において、所望の締め付
けトルクに達したならばねじ締めを終了するためモータ
420の回転を停止させる。一般的に、時刻t1 から時
刻tt2 までのねじ締め行為を「仮締め」と呼び、時刻
t2 から時刻t3 間でのねじ締め行為を「本締め」と呼
ぶ。
【0014】このようにして従来のねじ締め付け装置に
よるねじ締めが行われていた。また、このようなモータ
電流の制御を行ったねじ締め付け装置の例が特開昭63
−212425号公報に記載されている。ここに記載さ
れているねじ締め付け装置は特に、ねじの締め付けの不
良を検出する手段を設けたことを特徴とするねじ締め付
け装置である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のねじ締め付け装
置は以上のように構成され、動作していた。したがっ
て、定格に近いねじ締めを行っている場合には何ら問題
は生じない。しかし、近年、一つのねじ締め付け装置で
多くの種類のねじ締めを行うことが望まれている。この
ような用途に使用されるねじ締め付け装置は、手動でそ
の締め付けトルクを変化するものや、プログラムによっ
て制御され自動的に締め付けトルクの変更やソケットの
付け替えを行うものまで様々な種類があるが、基本的な
構成は上述したねじ締め付け装置と同一である。
【0016】このようなねじ締め付け装置においては、
様々な締め付けトルクに対応しなければならないので、
大きなシステム定格を有するモータを使用して、比較的
小さな締め付けトルクを要するねじ締めを行わなければ
ならない場合が生じる。
【0017】以上のような場合においては、通常プログ
ラムの変更によって、締め付けトルクの最大値が変更さ
れることにより対応可能である。ところが、モータその
ものが変更されているわけではないので、過負荷検出部
が検出する過負荷状態は、指定される締め付けトルクが
ねじによって変更されても、(モータの定格が変化する
わけではないので)常に同一のしきい値による過負荷状
態の検出しか行われていなかった。
【0018】そのため、締め付けトルクの最大値が小さ
なねじを締め付けているときには、トルクフィードバッ
ク系に故障が生じた場合には過大なトルクによって、ね
じを捩じ切ってしまう可能性があった。また、捩じ切っ
てしまうならばともかく、過大なトルクによってねじの
金属の結合状態に欠陥を生じさせてしまった場合には、
肉眼でその欠陥を発見することはほぼ不可能であるとい
う問題があった。
【0019】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、電流制御装置により速度制
御が行われているモータを用いたねじ締め付け装置であ
って、フィードバック系統に異常が生じてもそのねじの
締め付けトルク以上の過大なトルクがねじに加わらない
ようにし、ねじの破損、または肉眼で判断ができないね
じ内部の金属の結合状態の変化等を防止することができ
るねじ締め付け装置を得ることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、ねじの締め付けを行う動力を発生するモー
タと、前記モータと連動して回転し、前記モータの回転
速度信号を出力するエンコーダと、前記モータの回転速
度を指令する速度指令を出力する速度指令部と、前記速
度指令と、前記回転速度信号とを比較し、前記モータが
前記速度指令と合致した速度で回転するように制御され
た電流を前記モータに供給する電流制御部と、前記モー
タに流れるモータ電流を監視し、モータ電流の大きさ
と、その流れている時間と、前記モータの定格トルクと
から、過負荷状態を検出し、過負荷信号を出力する過負
荷検出部と、前記過負荷信号を受信した場合に、前記電
流制御部から前記モータへの電流の供給を停止させる過
負荷停止手段と、を備えたねじ締め付け装置において、
締め付け対象のねじ種類に応じて当該ねじを締め付ける
最大トルクを設定する設定手段と、前記電流制御部が前
記モータに供給する最大電流を、前記設定手段によっ
て設定された最大トルクに応じて制限する最大電流制限
部と、前記設定手段によって設定された最大トルクを、
前記モータの定格トルクとみなして、前記過負荷検出
に対し供給する定格トルク設定部と、を有し、前記過負
荷検出は、ねじ種類に応じて決定された定格トルクに
基づいて過負荷状態を検出し、過負荷状態であるならば
過負荷信号を前記過負荷停止手段に供給し、前記最大電
流値以下で回転しているモータ停止させることを特徴
とするねじ締め付け装置である。
【0021】
【作用】本発明における定格トルク設定部は、設定手段
によってねじ種類に応じて設定された最大トルクを定格
トルクとして過負荷検出部に供給する。したがって、過
負荷検出部は、最大トルクが変更されると、それに応じ
て変更された定格トルクを元にして過負荷状態の検出を
行う。したがって、エンコーダからの回転速度信号のフ
ィードバックに故障が生じても、過大な電流が流れよう
とすると過負荷状態が検出され、過負荷停止手段によっ
てモータへの電流の供給が抑制されるため、モータには
過大なトルクが発生しない。また、ねじ種類に応じて設
定された最大トルクに応じてモータに供給する最大電流
値を最大電流制限部によって制限するので、電流制御系
のフィードバックに故障が生じても過大な電流がモータ
に供給されないので、モータ過剰駆動によるねじの破損
を防止できる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の好適な一実施例を図に基づ
いて説明する。
【0023】図1は本実施例のねじ締め付け装置の構成
ブロック図である。本ねじ締め付け装置は図7に示され
ている従来のねじ締め付け装置の構成とほぼ同一であ
り、外部の設備PC(パーソナルコンピュータ)からの
スタート指令及び終了指令等によってねじ締めを行う装
置である。図1において、ねじ締め付け装置500は、
ねじ締めコントローラ200と、サーボアンプ300及
びモータ部400とから構成されている。
【0024】ねじ締めコントローラ200は、従来と同
様にCPU210や、ROM220、RAM230等か
らなるマイクロコンピュータである。RAM230に
は、上記設備PCからの指令によって起動されるプログ
ラムが格納されている。このプログラムは、モータの速
度を指定する。このプログラムによって指定された速度
は速度指令発生部250に送出され、速度指令発生部2
50は具体的な速度の指令値をサーボアンプ300に供
給する。この指令値はアナログ信号であり、例えば、1
ボルト/100r.p.mを表すように規定されてい
る。また、モータ部400のエンコーダ410からのパ
ルス信号が、速度検出部260に入力されることによっ
て、速度が検出される。この速度検出部からの速度信号
はサーボアンプ300の速度制御部340にも供給され
ている。
【0025】さらに、ねじ締めコントローラ200は定
格切り替え部290を備えている。本実施例において特
徴的なことはこの定格切り替え部290を備えているこ
とである。この定格切り替え部は、モータ420の定格
を、締め付けの対象であるねじによって最適な値に設定
する。これによって、締め付けトルクが小さなねじに対
しても、大きなトルクが誤って印加することによる破損
等を防ぐことができる。
【0026】サーボアンプ300に供給される前記指令
値は、従来と同様に、速度制御部340によって電流指
令に変換されてから電流出力部310に供給される。電
流出力部310は、前記電流指令による電流値を、電流
検出部320による電流フィードバックを用いて出力す
る。この電流はモータ部400に供給される。なお、電
流出力部310には、不図示の外部駆動電源から電流が
供給されている。
【0027】サーボアンプ300の電流出力部310と
過負荷検出部330との詳細な構成ブロック図が図2に
示されている。図2に示されているように、電流制御部
312は、速度制御部340からの電流指令を電流値に
変換する。この電流値は電流増幅部313によって増幅
されてからモータ部400に供給される。また、電流制
御部312は、電流値の最大値を定める最大値制御部3
12Aを含んでいる。この最大値は設定入力部311に
よって設定・保持されているが、設定入力部311は、
この値を上述した定格切り替え部290によって供給さ
れる定格から生成する。
【0028】本実施例において特徴的なことは、設定入
力部311が、定格切り替え部290が供給する定格
を、(電流制御部312が)出力する電流値の最大値に
変換することである。定格は、締め付けの対象であるね
じの種類に応じて設定されるが、定格とはモータ420
に定常的に供給される電流の最大値であるから、両者は
一対一に変換することが可能である。
【0029】また、過負荷判断部332は、電流検出部
320からの電流値を監視し、その大きさと、流れる時
間とから過負荷状態を検出する。もし、過負荷状態であ
ったならば過負荷信号を過負荷送信部333に出力し、
過負荷送信部333はこの過負荷信号を、図1に示すよ
うに、ねじ締めコントローラ200内のCPU210に
供給している。過負荷判断部332は、現在供給されて
いる定格に基づいて過負荷状態か否かを判断するが、こ
の判断の元になる定格は、設定入力部331によって設
定・保持されている。設定入力部331は、この値を上
述した定格切り替え部290によって供給される定格か
ら生成する。
【0030】本実施例において特徴的なことは、設定入
力部331が、定格切り替え部290が供給する定格を
保持しており、過負荷判断部332がこの定格を元に過
負荷を判断していることである。これによって、ねじの
最大締め付けトルクが小さい場合、すなわち定格の小さ
い場合にも、過負荷を正確に検出することが可能であ
る。
【0031】このように、本実施例においては、定格切
り替え部290の出力が電流出力部310及び過負荷検
出部330のそれぞれの設定入力部311及び331に
供給されているので、定格に合わせて電流出力の最大値
が制限されると同時に、過負荷状態の検出のための基準
値(しきい値)も定格に合わせて変更される。
【0032】図1に示されているように、モータ部40
0は、モータ420と、そのモータ420と同軸に取り
付けられているエンコーダ410及びトルクセンサ43
0とから構成されている。このエンコーダ410が出力
するパルス列等の速度信号はねじ締めコントローラ20
0の速度検出部260に入力される。これによって、ね
じ締めコントローラ200はモータ420の回転速度を
検知することができる。また、トルクセンサ430から
のトルク信号は、ねじ締めコントローラ200のA/D
変換部に入力されている。これによって、ねじ締めコン
トローラ200は、モータ420の回転トルクを検知す
ることができる。
【0033】次に、本実施例の動作をフローチャートを
用いて詳細に説明する。
【0034】図3には、ねじ締めコントローラ200の
動作のフローチャートが示されており、図4には、過負
荷検出部330の動作のフローチャートが示されてお
り、図5には、電流出力部310の動作のフローチャー
トが示されている。
【0035】図3に示されているように、ねじ締めコン
トローラ200は電源が投入されると、まずステップ6
00で自己診断を行う。
【0036】そして、ステップ610で、サーボアンプ
部300にシステムトルク定格値を送出する。システム
トルク定格値とは、モータ420そのものの定格であ
る。すなわち、本ネジ締め装置の最大の定格である。こ
のシステムトルク定格値を受信した過負荷検出部330
及び電流出力部310の動作が、図4及び図5に示され
ているフローチャートのX部に示されており、その説明
は後述する。
【0037】ステップ620では、RAM230にあら
かじめ書き込まれている作業プログラム中で指示されて
いる各ブロックごとの最終トルク設定値(上述した本締
めの最後における締め付けトルク。すなわち、締め付け
の最大トルク)を全て読み出し、定格切り替え部290
を介してサーボアンプ内の設定入力部311、331に
送出する。定格切り替え部は、この値を受信しブロック
ごとに記憶する。
【0038】作業プログラムとは、ねじ締め作業の手順
を示したプログラムであり、各作業単位ごとに、ねじの
種類、使用するソケットの種類、ねじの位置、ねじの締
め付けトルク等が定義されている。また、このような作
業単位を本文ではブロックと呼ぶ。
【0039】ステップ630では、設備PCからのスタ
ート指令を待ち、スタート指令があったならば、次のス
テップ640に移行する。
【0040】ステップ640では、プログラムの開始が
行われる。
【0041】ステップ650では、これから実行するブ
ロックのナンバーをサーボアンプに送出する。ブロック
ナンバーとは、各ブロックごとに割り当てられた番号で
あり、各ブロックは、このブロックナンバーにより識別
される。このブロックナンバーの送出は、定格切り替え
部290を介し、サーボアンプ内の設定入力部311、
331に対して行われる。
【0042】本実施例において特徴的なことは、このよ
うに、締め付けの対象となるねじごとに、締め付けの最
終トルク設定値と、過負荷状態の検出に用いられる定格
とが両方とも更新されることである。従来は、過負荷状
態の検出に用いられる定格はモータ420そのものの定
格が用いられており、ブロックが変わっても(すなわち
ねじの種類、最終トルク設定値が変わっても)、過負荷
状態の検出に用いられる定格は更新されなかった。その
ため、本実施例によれば、締め付けの最終トルク値の更
新に応じて過負荷状態検出のための定格も更新されるの
で、電流制御のフィードバックループが故障等により、
とぎれたとしても、過大な電流がモータ420に流れる
ことによりねじを破損等してしまう恐れが少ない。
【0043】本ステップ650において、ブロックナン
バーがサーボアンプ内の設定入力部311、331に対
して送出されると、それぞれの設定入力部はブロックナ
ンバーに応じて、最大電流値と定格とを設定・更新す
る。これは、上述したようにブロックナンバーとそれに
対する最終トルク設定値があらかじめ各設定入力部に受
信されていることにより、可能となる。このときの過負
荷検出部330、電流出力部310の動作は、図4及び
図5のフローチャートのY部に示されており、その説明
は後述する。
【0044】ステップ660において、実際のねじ締め
動作が実行される。
【0045】ステップ670において、処理すべき次の
ブロックがあるかどうかが検査され、もしブロックがあ
るならばステップ650に移行する。逆に、次のブロッ
クがない場合、すなわちねじ締めの処理が全て終了した
場合には、一切の処理を終了する。
【0046】以上述べたように、ねじ締めコントローラ
200は、ブロックごとにそのブロックナンバーをサー
ボアンプに送出する。したがって、後述するように最終
トルク値に基づき最大の電流量及び定格が設定される。
【0047】次に、過負荷検出部330の動作を図
フローチャートに基づいて説明する。まずステップ70
0で示されているように、電源が投入されると自己診断
が行われる。
【0048】そして、ステップ705にて、ねじ締めコ
ントローラ200からの入力待ち状態になる。そして、
入力があったならば次のステップ710に移行する。
【0049】ステップ710においては、ねじ締めコン
トローラからのシステム定格トルク値を、設定入力部3
31を介して、過負荷判断部332に転送する。過負荷
判断部332は、転送された値をシステム定格トルク値
として、すなわちモータ420そのものの定格トルク値
として記憶・保持する。本ステップは、X部の記号から
も理解されるように、図のX部に対応するステップで
ある。
【0050】ステップ720においては、ねじ締めコン
トローラ200からブロックナンバーが送出されてくる
のを待つ。ブロックナンバーが送出されたならば次のス
テップ740に移行する。このブロックナンバーの受信
は図4のY部に対応するものである。
【0051】ステップ740においては、設定入力部3
31が、その受信したブロックナンバーに対応した最終
トルク値を、過負荷判断部332に転送する。
【0052】ステップ750においては、過負荷判断部
332は、最終トルク値をシステム定格値で除算する。
この計算結果は、過負荷状態の判断の元となる定格値
の、システム定格値に対する比率となる。
【0053】ステップ760において、前ステップ75
0にて計算された値は、過負荷判断部にそのまま記憶保
持され、以後、この値を用いて過負荷状態であるか否か
の判断が行われる。なお、本ステップ760の後は、ス
テップ720に移行し、ブロックナンバーの入力から繰
り返される。
【0054】以上述べたように、過負荷検出部330
は、ねじ締めコントローラ200から送出されるブロッ
クナンバーに対応して最終トルク値を選び出し、以後
は、その最終トルク値を用いて過負荷状態の検出を行
う。
【0055】その結果、過負荷状態として検出される領
域は、図6に示されたグラフのように変化する。図6に
示されたグラフは図9に示された従来のグラフと同様
に、横軸がモータ電流であり、縦軸がその電流の流れる
時間である。図に示されているように、定格の変化によ
って、過負荷と見なす領域の境界が異なってくる。図中
Pで示されているのは、定格がモータ420自身の定格
と等しい場合の過負荷状態を識別する境界線である。す
なわち、このPで示される境界線は従来の境界線と同一
である。図に、ハッチングで示されているように、この
境界線から向かって右側の領域が過負荷状態であると判
断される領域である。
【0056】図中Qで示されているのは、設定された定
格がモータ420自身の定格の80%である場合の過負
荷状態を識別する境界線である。図から理解されるよう
に、本実施例においては、80%時の境界線Qは100
%のときの境界線Pを左に平行移動した曲線である。本
実施例においては、このように過負荷状態であるか否か
の境界線は、従来と同一の100%の曲線Pを向かって
左側に平行移動した曲線である。すなわち、定格が60
%のときには、その境界線は曲線Rで表され、定格が4
0%のときには、その境界線は曲線Sで表される。な
お、各境界線において、その右側のハッチングで示され
ている領域が過負荷状態と見なされる領域である。
【0057】次に、電流出力部310の動作を図のフ
ローチャートに基づいて説明する。まずステップ800
で示されているように、電源が投入されると自己診断が
行われる。
【0058】そして、ステップ805にて、ねじ締めコ
ントローラ200からの入力待ち状態になる。そして、
入力があったならば次のステップ810に移行する。
【0059】ステップ810においては、ねじ締めコン
トローラからのシステム定格トルク値を、設定入力部3
11を介して、電流制御部312に転送する。電流制御
部312は、転送された値をシステム定格トルク値とし
て、すなわちモータ420そのものの定格トルク値とし
て最大値制限部312Aに記憶・保持する。本ステップ
は、X部の記号からも理解されるように、図のX部に
対応するステップである。
【0060】ステップ820においては、ねじ締めコン
トローラ200からブロックナンバーが送出されてくる
のを待つ。ブロックナンバーが送出されたならば次のス
テップ840に移行する。このブロックナンバーの受信
は図のY部に対応するものである。
【0061】ステップ840においては、設定入力部3
11が、その受信したブロックナンバーに対応した最終
トルク値(最大電流値(トルクは電流に比例するので、
トルク値は電流値と同意である))を、最大値制限部3
12Aに転送する。
【0062】ステップ850においては、最大値制限部
312Aは、最終トルク値をシステム定格値で除算す
る。この計算結果は、電流制御部312における最大電
流の、システム定格値に対する比率となる。
【0063】ステップ855において、前ステップ85
0における計算結果を1.5倍する。本実施例において
は、モータ420の速度制御が行われているが、電流の
最大値がねじの最大トルク値を発生する値と完全に同一
であると、速度制御ができなくなる。そのため、本実施
例においては流れる電流の最大値を、最大トルク値の
1.5倍に設定している。なお、この値は適用されるシ
ステムに応じて、1.2倍や1.3倍でも好適である。
【0064】ステップ860において、前ステップ85
5にて1.5倍に計算された値は、最大値制御部312
Aにそのまま記憶保持され、以後、この値を電流の最大
値として電流制御が行われる。なお、本ステップ860
の後は、ステップ820に移行し、ブロックナンバーの
入力から繰り返される。
【0065】以上述べたように、本実施例によれば、ブ
ロックナンバーを定格切り替え部290を介して、各設
定入力部311、331に送出した。そして、各設定入
力部311、331はそのブロックナンバーに対応し
て、最大電流値及び定格を設定した。したがって、従来
最大電流値のみが設定・更新されていたのに対し、定格
までも更新したので、速度制御のフィードバックループ
が不測の事態によりとぎれた場合においても、過大な電
流がモータ420に供給されるのを防ぎ、過大なトルク
が印加されることによるねじの破損等を効果的に防止す
ることが可能である。
【0066】したがって、本実施例によれば、モータ電
流を制御することにより速度制御を行ったねじ締め付け
装置において、締め付けを行うねじの種類に応じてモー
タの過負荷状態を検出する際の基準値(敷居値)となる
定格を変化させたので、万一速度制御のフィードバック
やトルクセンサからの信号がとぎれたとしても、モータ
に大きな電流が流れ、過大なトルクによってねじが破損
したり、ねじの内部結合状態に異常が生じたりすること
を効果的に防止できる。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、設
定手段によって設定された最大トルクが変更に応じて電
流制御部の最大電流が最大電流制限部によって規定され
ると共に、定格トルク設定部は、上記変更に応じて変更
された定格トルクを、過負荷検出部に供給する。そのた
め、設定される最大トルクの変更に応じて過負荷状態の
検出の基礎となる定格トルクが変更されるので、電流制
御部のフィードバックループに異常が生じてもモータが
過大なトルクを発生することはない。
【0068】したがって、本発明によれば、速度制御を
用いて迅速にねじ締めが行うねじ締め付け装置におい
て、フィードバック制御に異常が生じた場合でも過大な
トルクによりねじを捩じ切ってしまったり、ねじの内部
結合状態に異常を生じさせてしまうことがないねじ締め
付け装置が得られる。その結果、ねじ締めが迅速に、か
つ安全に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例であるねじ締め付け装
置の構成ブロック図である。
【図2】電流出力部310と過負荷検出部330との詳
細な構成ブロック図である。
【図3】ねじ締めコントローラの動作のフローチャート
である。
【図4】過負荷検出部330の動作のフローチャートで
ある。
【図5】電流出力310の動作のフローチャートであ
る。
【図6】過負荷状態として検出される領域を示すグラフ
を表した図である。
【図7】従来のねじ締め付け装置の構成ブロック図であ
る。
【図8】従来のねじ締め付け装置による過負荷状態とし
て検出される領域を示すグラフを表した図である。
【図9】従来のねじ締め付け装置によるねじ締め動作の
説明図である。
【符号の説明】
200 ねじ締めコントローラ 210 CPU 220 ROM 250 速度指令発生部 260 速度検出部 290 定格切り替え部 300 サーボアンプ 310 電流出力部 311 設定入力部 312 電流制御部 312A 最大値制御部 313 電流増幅部 320 電流検出部 330 過負荷検出部 331 設定入力部 332 過負荷判断部 333 過負荷送信部 340 速度制御部 400 モータ部 410 エンコーダ 420 モータ 430 トルクセンサ 500 ねじ締め付け装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23P 19/06 B25B 23/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじの締め付けを行う動力を発生するモ
    ータと、 前記モータと連動して回転し、前記モータの回転速度信
    号を出力するエンコーダと、 前記モータの回転速度を指令する速度指令を出力する速
    度指令部と、 前記速度指令と、前記回転速度信号とを比較し、前記モ
    ータが前記速度指令と合致した速度で回転するように制
    御された電流を前記モータに供給する電流制御部と、 前記モータに流れるモータ電流を監視し、モータ電流の
    大きさと、その流れている時間と、前記モータの定格ト
    ルクとから、過負荷状態を検出し、過負荷信号を出力す
    る過負荷検出部と、 前記過負荷信号を受信した場合に、前記電流制御部から
    前記モータへの電流の供給を停止させる過負荷停止手段
    と、 を備えたねじ締め付け装置において、締め付け対象のねじ種類に応じて当該 ねじを締め付ける
    最大トルクを設定する設定手段と、 前記電流制御部が前記モータに供給する最大電流を、
    前記設定手段によって設定された最大トルクに応じて
    限する最大電流制限部と、 前記設定手段によって設定された最大トルクを、前記
    ータの定格トルクとみなして、前記過負荷検出に対し
    供給する定格トルク設定部と、 を有し、 前記過負荷検出は、ねじ種類に応じて決定された定格
    トルクに基づいて過負荷状態を検出し、過負荷状態であ
    るならば過負荷信号を前記過負荷停止手段に供給し、前
    最大電流値以下で回転しているモータ停止させる
    とを特徴とするねじ締め付け装置。
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