JP2958556B2 - 超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製造方法 - Google Patents
超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製造方法Info
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- JP2958556B2 JP2958556B2 JP32706095A JP32706095A JP2958556B2 JP 2958556 B2 JP2958556 B2 JP 2958556B2 JP 32706095 A JP32706095 A JP 32706095A JP 32706095 A JP32706095 A JP 32706095A JP 2958556 B2 JP2958556 B2 JP 2958556B2
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- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末冶金、焼結用
粉末、磁性体粉末、塗料の導電性等の付加用粉末、溶射
用粉末等に利用可能な微細球状金属粉末の製造方法に関
する。
粉末、磁性体粉末、塗料の導電性等の付加用粉末、溶射
用粉末等に利用可能な微細球状金属粉末の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
金属粉末は冶金用、焼結用、磁性体粉末等として利用さ
れ、また、塗料の高機能化(導電性等)のための付加、
溶射用粉末などとして利用されている。このような金属
粉末は、従来、金属を粉砕した後篩分けして所定の粒度
を得る粉砕法、溶融金属をノズルから噴射して急冷する
などの噴射(アトマイズ)法、金属イオンを還元するな
どの電気化学的方法等で製造されている。
金属粉末は冶金用、焼結用、磁性体粉末等として利用さ
れ、また、塗料の高機能化(導電性等)のための付加、
溶射用粉末などとして利用されている。このような金属
粉末は、従来、金属を粉砕した後篩分けして所定の粒度
を得る粉砕法、溶融金属をノズルから噴射して急冷する
などの噴射(アトマイズ)法、金属イオンを還元するな
どの電気化学的方法等で製造されている。
【0003】しかし、粉砕法では粒径の制御が極めて困
難であり、噴射法や電気化学的方法では装置が複雑で高
価になってしまうという問題がある。本発明は上記課題
を解決するためのもので、粒径の制御が容易であるとと
もに、安価に微細な球状粉末を製造可能な超高速切削加
工を利用した微細球状金属粉末の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
難であり、噴射法や電気化学的方法では装置が複雑で高
価になってしまうという問題がある。本発明は上記課題
を解決するためのもので、粒径の制御が容易であるとと
もに、安価に微細な球状粉末を製造可能な超高速切削加
工を利用した微細球状金属粉末の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンドミル状
工具を高速回転させて工具の周速(切削速度)を300
0m/分以上と大きくして超高速切削加工し、切削熱で
切屑が溶融して表面張力で球状になり、そのまま冷却す
ることにより微細な球状粉末が得られる。粒径の制御
は、切り込み深さ、工具送り量等の切削条件を変えるこ
とにより容易に行うことができる。
工具を高速回転させて工具の周速(切削速度)を300
0m/分以上と大きくして超高速切削加工し、切削熱で
切屑が溶融して表面張力で球状になり、そのまま冷却す
ることにより微細な球状粉末が得られる。粒径の制御
は、切り込み深さ、工具送り量等の切削条件を変えるこ
とにより容易に行うことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は本発明の微細球状
金属粉末の製造方法の原理を説明する図である。被削材
1は、例えば焼入鋼等の金属であり、エンドミル状工具
2を高速回転(30000rpm以上)させる。このと
き、切り込みを比較的小さくすると、切屑の熱容量が小
さいため切削時の発熱で瞬時に溶融し、表面張力によっ
て球状を呈する。この状態で大気で急冷されると内部の
ガスが抜けてその痕跡を残し、微細状金属粉末が得られ
る。図2はこのようにして得られた微細状金属粉末の例
を示す図である。
て、図面を参照して説明する。図1は本発明の微細球状
金属粉末の製造方法の原理を説明する図である。被削材
1は、例えば焼入鋼等の金属であり、エンドミル状工具
2を高速回転(30000rpm以上)させる。このと
き、切り込みを比較的小さくすると、切屑の熱容量が小
さいため切削時の発熱で瞬時に溶融し、表面張力によっ
て球状を呈する。この状態で大気で急冷されると内部の
ガスが抜けてその痕跡を残し、微細状金属粉末が得られ
る。図2はこのようにして得られた微細状金属粉末の例
を示す図である。
【0006】切屑を溶融するためには、エンドミル状工
具2を高速回転させて工具の周速(切削速度)を、例え
ば3000m/分以上、一刃送り量を、例えば0.01
mm以下にして、摩擦熱を発生させるようにすればよ
い。なお、一刃送り量は、これをSzとすると次式のよ
うに表される。 Sz=F/SN(mm/刃) F:エンドミル状工具の切削送り速度(mm/分) S:エンドミル状工具の回転数(rpm) N:エンドミル状工具の刃数 また、工具の周速(切削速度)Vは、図3のように工具
直径Rをとって、次式のように表される。 V=2πRS/1000(m/分) この周速、一刃送り量等の切削条件を選択することによ
り切屑を溶融して微細球とすることができ、また、工具
の切り込み、送り量を変えることにより切屑の大きさを
制御することができるので、必要な粒径の粉末が得られ
る。なお、エンドミル状工具は、その周速を大きくする
ために、例えば、35mm径程度の比較的大径のものが
望ましく、また刃具材質は、高温に耐えるとともに、摩
耗特性の良好な超硬合金、立方晶窒化ホウ素等が望まし
い。なお、金属は鋼に限定されるものではなく、アルミ
ニウム等の他の金属も適宜使用することができ、その場
合、切削条件も適宜変更すればよい。
具2を高速回転させて工具の周速(切削速度)を、例え
ば3000m/分以上、一刃送り量を、例えば0.01
mm以下にして、摩擦熱を発生させるようにすればよ
い。なお、一刃送り量は、これをSzとすると次式のよ
うに表される。 Sz=F/SN(mm/刃) F:エンドミル状工具の切削送り速度(mm/分) S:エンドミル状工具の回転数(rpm) N:エンドミル状工具の刃数 また、工具の周速(切削速度)Vは、図3のように工具
直径Rをとって、次式のように表される。 V=2πRS/1000(m/分) この周速、一刃送り量等の切削条件を選択することによ
り切屑を溶融して微細球とすることができ、また、工具
の切り込み、送り量を変えることにより切屑の大きさを
制御することができるので、必要な粒径の粉末が得られ
る。なお、エンドミル状工具は、その周速を大きくする
ために、例えば、35mm径程度の比較的大径のものが
望ましく、また刃具材質は、高温に耐えるとともに、摩
耗特性の良好な超硬合金、立方晶窒化ホウ素等が望まし
い。なお、金属は鋼に限定されるものではなく、アルミ
ニウム等の他の金属も適宜使用することができ、その場
合、切削条件も適宜変更すればよい。
【0007】次に、本発明において微粉末を製造するた
めに使用する切削装置の好ましい例について説明する。
図4は空気静圧スピンドルの構造を示す図である。空気
静圧スピンドル10は、ハウジング20内にACモータ
22が一体に結合された超高速回転主軸21が空気静圧
のスラスト軸受23及びラジアル軸受24で支持され、
ACモータ22で最高10数万rpmで駆動可能であ
り、主軸の先端部にはコレットチャック等の工具保持具
25でエンドミル状工具2が保持されている。スラスト
軸受23、ラジアル軸受24は、1/100mm程度の
空隙に圧力6kg/cm2 程度の空気が常時供給・排気さ
れ、そのためモータ22と主軸21はハウジング20内
で完全に浮いた状態で支持されている。このような空気
静圧スピンドルは、摩擦抵抗が小さいため、低電力で優
れた高速回転性を持つとともに、空気圧で周囲を拘束さ
れているため動的剛性が高く、高硬度材の切削に十分耐
えられる特徴を有しており、切削の衝撃力を吸収し、高
い回転精度(振れ精度0.5μm)が得られる。このよ
うに回転精度が高いため、刃先に振動的力が働かないた
め、工具寿命を極めて長くできる。なお、主軸材料とし
ては、発熱による変形を抑えるため低熱膨張材料である
インバー等が使用され、また、焼付きを防止するため固
体潤滑性の高い材料が使用される。
めに使用する切削装置の好ましい例について説明する。
図4は空気静圧スピンドルの構造を示す図である。空気
静圧スピンドル10は、ハウジング20内にACモータ
22が一体に結合された超高速回転主軸21が空気静圧
のスラスト軸受23及びラジアル軸受24で支持され、
ACモータ22で最高10数万rpmで駆動可能であ
り、主軸の先端部にはコレットチャック等の工具保持具
25でエンドミル状工具2が保持されている。スラスト
軸受23、ラジアル軸受24は、1/100mm程度の
空隙に圧力6kg/cm2 程度の空気が常時供給・排気さ
れ、そのためモータ22と主軸21はハウジング20内
で完全に浮いた状態で支持されている。このような空気
静圧スピンドルは、摩擦抵抗が小さいため、低電力で優
れた高速回転性を持つとともに、空気圧で周囲を拘束さ
れているため動的剛性が高く、高硬度材の切削に十分耐
えられる特徴を有しており、切削の衝撃力を吸収し、高
い回転精度(振れ精度0.5μm)が得られる。このよ
うに回転精度が高いため、刃先に振動的力が働かないた
め、工具寿命を極めて長くできる。なお、主軸材料とし
ては、発熱による変形を抑えるため低熱膨張材料である
インバー等が使用され、また、焼付きを防止するため固
体潤滑性の高い材料が使用される。
【0008】なお、上記説明では空気軸受を有する切削
装置について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のでなく、従来のベアリング軸受等を利用した切削装置
においても、30000回転数(rpm)以上が得られ
るものであれば、これを用いても微細球状金属粉末を得
ることが可能である。
装置について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のでなく、従来のベアリング軸受等を利用した切削装置
においても、30000回転数(rpm)以上が得られ
るものであれば、これを用いても微細球状金属粉末を得
ることが可能である。
【0009】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、エンドミ
ル状工具を高速回転させ、周速を大きくするとともに一
刃送り量を比較的小さくすることにより、切屑の熱容量
を小さくして溶融させ、その表面張力で球状粉末を簡単
に製造することができ、従来の粉末製造方法に比して低
コスト化を図ることができ、また、工具の切り込み量、
送り量を変えることにより、簡単に粒径を制御すること
が可能となる。
ル状工具を高速回転させ、周速を大きくするとともに一
刃送り量を比較的小さくすることにより、切屑の熱容量
を小さくして溶融させ、その表面張力で球状粉末を簡単
に製造することができ、従来の粉末製造方法に比して低
コスト化を図ることができ、また、工具の切り込み量、
送り量を変えることにより、簡単に粒径を制御すること
が可能となる。
【図1】 本発明で使用する超高速切削加工装置の概念
図である。
図である。
【図2】 得られた微細球状金属粉末の例を示す図であ
る。
る。
【図3】 エンドミル状工具を説明する図である。
【図4】 空気静圧スピンドルの構造を示す図である。
1…被削材、2…エンドミル状工具、20…ハウジン
グ、21…主軸、22…モータ、23…スラスト軸受、
24…ラジアル軸受、25…工具保持具。
グ、21…主軸、22…モータ、23…スラスト軸受、
24…ラジアル軸受、25…工具保持具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 9/04
Claims (3)
- 【請求項1】 エンドミル状工具を周速(切削速度)3
000m/分以上で高速回転させて金属被削材を切削し
て切屑を切削時の発熱で溶融し、溶融した切屑が表面張
力で球形になることを利用して微細球状金属粉末とする
超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製造方
法。 - 【請求項2】 エンドミル状工具を、主軸の回転数を3
0000rpm以上で高速回転させて金属被削材を切削
して切屑を切削時の発熱で溶融し、溶融した切屑が表面
張力で球形になることを利用して微細球状金属粉末とす
る超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製造方
法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の切削加工法にお
いて、一刃送り量が0.05mm以下であることを特徴
とする超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32706095A JP2958556B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32706095A JP2958556B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165605A JPH09165605A (ja) | 1997-06-24 |
JP2958556B2 true JP2958556B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=18194858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32706095A Expired - Fee Related JP2958556B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 超高速切削加工を利用した微細球状金属粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958556B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102294488A (zh) * | 2011-08-23 | 2011-12-28 | 浙江锐利硬质合金有限公司 | 一种钨钴硬质合金回收工艺 |
CN113059164B (zh) * | 2021-03-17 | 2023-11-17 | 宁波中机松兰刀具科技有限公司 | 粉末制备装置 |
-
1995
- 1995-12-15 JP JP32706095A patent/JP2958556B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09165605A (ja) | 1997-06-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |