JP2957503B2 - 金型の設計方法 - Google Patents

金型の設計方法

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JP2957503B2
JP2957503B2 JP9005708A JP570897A JP2957503B2 JP 2957503 B2 JP2957503 B2 JP 2957503B2 JP 9005708 A JP9005708 A JP 9005708A JP 570897 A JP570897 A JP 570897A JP 2957503 B2 JP2957503 B2 JP 2957503B2
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    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/42Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C49/42398Simulation of the blow-moulding process

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック製品の
金型設計に利用する。本発明はプラスチック成形品を高
温で金型から取り出し、取り出し後の冷却に応じて変形
する形態をあらかじめ金型設計に折り込むことにより、
プラスチック成形工程の所要時間を短縮する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高温で熔融されたプラスチックをチュー
ブ状に押し出し、それを金型で挟み込み、チューブ内に
空気を吹き込んで膨らませるプラスチック成形方法が広
く行われている。この従来例を図9を参照して説明す
る。図9はブロー成形法により容器を製造する工程を示
す図である。図9(a)に示すように、チューブ状の熔
融プラスチック(パリソン)を分割された金型の中間位
置に抽出し、図9(b)に示すように、金型を閉鎖す
る。図9(c)に示すように、熔融プラスチックに空気
を吹き込むと熔融プラスチックは金型の内壁に密着し、
熔融プラスチックは金型の内壁と同じ形状を呈する。こ
の時点では、熔融プラスチックの温度は、例えば、20
0°Cの高温であり、金型内で高圧空気を吹き込んだま
ま保持することにより、プラスチックを冷却し固化す
る。この冷却時間はプラスチックの種類や、成形品の内
容によって異なるが、従来の冷却時間決定手段として
は、取り出し後の樹脂の熱収縮による変形が線形の範囲
になることを目安としていた。図9(d)に示すよう
に、金型を開放すると、成形品が取り出される。
【0003】図9に示した成形品は、液体を充填して販
売するための容器(ボトル)であり、通常金型を開放す
る樹脂温度の目安は50°C程度である。この冷却には
10数秒の時間を要する。
【0004】発明者らは先願、特願平8−089690
号(本願出願時に未公開)により、成形時間を短縮する
ための提案を行った。これによれば、冷却時間を短縮
し、未だ熱いうちに金型から成形品を取り出すことによ
り成形時間を短縮している。このとき、金型から取り出
した後に発生する非線形、局所的な変形をあらかじめ予
測し、その変形分を補償することができる金型形状とす
ることにより、成形品を希望どおりの形状とすることを
提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したブロー成形法
により成形された容器には、冷却後にラベルが貼付され
る。ところが、成形時にラベルの貼付も同時に行ってし
まうことができる方法があり、これは一般に、インモー
ルドラベルと呼ばれている。
【0006】インモールドラベルでは、金型の内側にあ
らかじめ合成樹脂製のラベルを配置しておき、容器を成
形するときに、その溶融された合成樹脂の熱によって容
器とラベルとが溶着することにより、容器とラベルとを
一体に成形することができる。
【0007】上記先願(特願平8−089690号)
は、成形時間を短縮することができる優れた技術である
が、ラベルを本体と一体に成形する成形方法への適用に
ついては考慮されていない。
【0008】インモールドラベルでは、材質の異なる二
種類の材料が重なり合って成形されるため、熱収縮率の
相違などの影響により先願(特願平8−089690
号)により開示した技術では充分に変形を予測すること
は困難である。
【0009】インモールドラベルを施した容器の成形方
法として既に知られているものには、ラベル面はその厚
みが薄く、さらに、金型に密着するために急速に低温と
なることから、金型から取り出した後にはラベル面より
も容器側に大きな収縮が発生し、ラベル面については容
器の外側(凸方向)に膨らむといった発想に基づいた変
形補償方法が提案されている。
【0010】しかし、ラベル面の変形は単にラベル材質
と容器材質との収縮率の相違に依存するものではない。
例えば、ラベル面は容器の収縮とともに、このラベル面
と平行な複数の方向からの圧縮荷重を受ける。その結
果、ラベル面の変形方向は容器の外側(凸方向)に膨ら
むとは限らない。
【0011】すなわち、樹脂厚み方向の温度差による曲
げ効果によれば、ラベル面変形は凸方向(外側)であ
る。ところが、ボトル高さ方向の肉厚分布による周方向
収縮差であれば、ラベル面は凹方向(内側)に変形す
る。ラベル材質と容器材質との収縮差であれば、ラベル
面の変形は容器初期状態に依存して凹方向となるか凸方
向となるか不明である。
【0012】したがって、前述した既知の変形補償方法
ではインモールドラベルを施した容器の変形を充分に補
償することは不可能である。
【0013】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、インモールドラベルを施した容器について、
プラスチック成形工程における冷却時間を短縮しても目
標とする成形品形状が得られる金型の設計方法および装
置を提供することを目的とする。本発明は、内容物の充
填による静水圧変形を補償する形状を有する成形品を製
造できる金型の設計方法および装置を提供することを目
的とする。本発明は、経験によらず金型の設計を行うこ
とができる金型の設計方法および装置を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】金型から開放されたプラ
スチックは、常温に冷える過程で収縮変形する。従来
は、低温取り出しのため、変形が線形という規則性があ
り、(1/収縮率)を目標成形品形状に反映させて金型
を大きく作ることにより、目的とする成形品形状の意匠
性(設計寸法値)を保証できる。ところが、高温取り出
しによる非線形の収縮過程では、上述のような巨視的な
規則性は見出せない。
【0015】特に、成形品の一部に積層構造となるイン
モールドラベル部分を含む場合には、ラベル材質と容器
材質との性質の相違からさらに複雑な変形を呈する。
【0016】そこで、発明者らは有限要素法を用いて変
形挙動をシミュレートすることにより、その変形を予め
考慮して金型形状を作成することによって、高温取り出
しにおいても目的の成形品形状が得られる金型設計方法
および装置を発明した。
【0017】すなわち、本発明の第一の観点は金型の設
計方法であって、金型から取出す直前の成形品の初期形
状に金型から取出した後に発生する変形についての変形
シミュレーションを施す第一のステップと、この第一の
ステップにより変形した形状と目標成形品形状との差分
を演算する第二のステップと、この差分と閾値とを比較
する第三のステップと、この差分が前記閾値を越えると
きこの差分に基づき前記初期形状の変更を演算する第四
のステップとを含む金型の設計方法である。
【0018】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記成形品は、主材料により形成される表面の一部にその
主材料と異なる材質のラベルが溶着され、前記第一のス
テップは、このラベルの材質について少なくとも熱伝導
率および線膨張係数を含むパラメータを加え変形シミュ
レーションを施すところにある。前記変形シミュレーシ
ョンは、有限要素法(FEM:Finite Element Method)
によることがよい(有限要素法については、電子情報通
信学会編、電子情報通信ハンドブック、P36〜P37
を参照)。
【0019】これまで、単に試行錯誤を繰り返したり、
あるいは、職人の経験に頼ってきたが、有限要素法を用
いることにより無駄となる試作金型を減らすことができ
るとともに、経験によることなく金型設計を行うことが
できる。
【0020】前記目標成形品形状は、内容物の充填によ
り生じる内部圧力による変形を含まないようにしてもよ
いし、あるいは、内容物の充填により生じる内部圧力に
よる変形を含むようにしてもよい。例えば、成形品が液
体を充填するためのプラスチック容器であるとき、これ
に液体を充填すればプラスチック容器は変形する。その
変形の分も考慮して、あらかじめ金型を設計することも
できる。
【0021】本発明の第二の観点は金型の設計装置であ
り、金型の初期形状(b0)を三次元情報として入力す
る手段と、この初期形状に等しい成形品を金型から取出
した後に生じる変形についての変形シミュレーションを
演算する第一の手段と、この変形シミュレーションを演
算した結果(ci)と目標成形品形状との差分(xi)
を演算する第二の手段と、この差分と閾値とを比較する
第三の手段と、この差分が閾値(ε)を越えるとき前記
差分に基づき前記初期形状の一部に変更を加える第四の
手段とを含み、前記第一ないし第四の手段を前記差分が
閾値を下回るまで繰り返して実行させる手段を備えた金
型の設計装置である。
【0022】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記成形品は、主材料により形成される表面の一部にその
主材料と異なる材質のラベルが溶着され、前記第一の手
段は、このラベルの材質について少なくとも熱伝導率お
よび線膨張係数を含むパラメータを加え変形シミュレー
ションを施すところにある。前記変形シミュレーション
は、有限要素法によることがよい。
【0023】前記目標成形品形状は、内容物の充填によ
り生じる内部圧力による変形を含まないようにしてもよ
いし、あるいは、内容物の充填により生じる内部圧力に
よる変形を含むようにしてもよい。
【0024】本発明の第三の観点は、前記各手段を実行
させるプログラムが記録された記録媒体である。
【0025】本発明の第四の観点は、前記設計装置によ
り設計された金型である。
【0026】
【発明の実施の形態】
【0027】
【実施例】
(第一実施例)本発明第一実施例を図1を参照して説明
する。図1は本発明第一実施例の金型設計方法のフロー
チャートである。
【0028】本発明は金型の設計方法であり、金型から
取出した直後の成形品の初期形状に金型から取出した後
に発生する変形についての変形シミュレーションを施す
第一のステップ(S1)と、この第一のステップにより
変形した形状と目標成形品形状との差分を演算する第二
のステップ(S2)と、この差分と閾値とを比較する第
三のステップ(S3)と、この差分が前記閾値を越える
ときこの差分に基づき前記初期形状の変更を演算する第
四のステップ(S4)とを含む金型の設計方法である。
【0029】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記成形品は、主材料により形成される表面の一部にその
主材料と異なる材質のラベルが溶着され、前記第一のス
テップ(S1)は、このラベルの材質について少なくと
も熱伝導率および線膨張係数を含むパラメータを加え変
形シミュレーションを施すところにある。
【0030】また、本発明の金型設計方法を実行するた
めの装置を図2に示す。図2は本発明実施例の金型設計
装置のブロック構成図である。
【0031】本発明は金型の設計装置であり、金型の初
期形状(b0)を三次元情報として入力する手段として
のキーボード6と、この初期形状に等しい成形品を金型
から取出した後に生じる変形についての変形シミュレー
ションを演算する第一の手段としての変形シミュレーシ
ョン演算部1と、この変形シミュレーションを演算した
結果と目標成形品形状との差分を演算する第二の手段と
しての差分演算部2と、この差分と閾値とを比較する第
三の手段としての差分判定部3と、この差分が閾値を越
えるとき前記差分に基づき前記初期形状の一部に変更を
加える第四の手段としての初期形状変更部4とを含み、
変形シミュレーション演算部1ないし初期形状変更部4
を前記差分が閾値を下回るまで繰り返して実行させる手
段としての演算制御部5を備えた金型の設計装置であ
る。
【0032】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記成形品は、主材料により形成される表面の一部にその
主材料と異なる材質のラベルが溶着され、変形シミュレ
ーション演算部1は、このラベルの材質について少なく
とも熱伝導率および線膨張係数を含むパラメータを加え
変形シミュレーションを施すところにある。
【0033】本発明第一実施例では、この演算には有限
要素法(FEM)を用いる。ここで有限要素法について
図3および図4を参照してごく簡単に説明する。図3は
ボトルの有限要素モデルを示す図である。図4は有限要
素法を説明するための図である。図3に示すように、変
形シミュレーション対象となる容器(形状)を格子状の
3角形または4角形の低次要素で近似する。図4(a)
に示すように、要素は節点{(xni、yni、zn
i)、i=1,4}で構成されている。変形シミュレー
ションを行うと、変形後の要素の節点座標は、図4
(b)に示すように、{(xdi、ydi、zdi、i
=1、4)}となる。ここで、図4(c)に示すよう
に、変形前の節点座標(xni、yni、zni)と変
形後の節点座標(xdi、ydi、zdi)との差分
{(xsi、ysi、zsi)、i=1、4}を求める
ことにより、一つの要素の変形具合を求めることができ
る。有限要素法ではこのように、図3に示したモデルの
すべての要素同様に変形具合を求めることにより容器全
体の変形形態を把握し、変形後の形状が目標成形品形状
に近づくように変形前の設計形状を少しずつ変えなが
ら、変形シミュレーションを繰り返し実行し、最終的な
設計形状を決定する。
【0034】インモールドラベルを施した容器における
変形シミュレーションについて図5および図6を参照し
て説明する。図5はインモールドラベルを施していない
容器の樹脂構造と諸パラメータを示す図である。図6は
インモールドラベルを施した容器のインモールドラベル
部分の樹脂構造と諸パラメータを示す図である。
【0035】インモールドラベルを施した容器における
変形シミュレーションを実行するためには、まず、イン
モールドラベルを施していない容器の樹脂物性値を求
め、続いて、インモールドラベルを施している容器の樹
脂物性値を求め、この二つの樹脂物性値について減算的
考察を行うことにより、ボトル樹脂(HDPE)および
ラベル(PP)のそれぞれについての樹脂物性値を導出
する。
【0036】このようにして導出した樹脂物性値を用い
て、インモールドラベルを施した容器についての熱収縮
による変形シミュレーションを行うことができる。
【0037】すなわち、図5に示すようなインモールド
ラベルを施していない容器に対してその熱伝導率および
線膨張係数を導出する。そのためには、熱伝導率λの
初期値および熱伝達係数αの初期値を与え、熱伝導解
析を実行する。さらに、熱応力解析を実行する。イ
ンモールドラベルを施す予定のラベル面の変形および周
方向収縮の傾向が実際の変形と合致すれば、高さ、
幅、奥行き寸法の実際の成形品との誤差を調べ、閾値よ
り小さければ演算を終了する。インモールドラベルを
施す予定のラベル面の変形および周方向収縮の傾向が実
際の変形と合致しなければ熱伝導率λを変更し、再び
熱伝導解析を行う。また、インモールドラベルを施す
予定のラベル面の変形および周方向収縮の傾向が実際の
変形と合致しても、高さ、幅、奥行き寸法の実際の成
形品との誤差を調べ、閾値より大きければ熱伝達係数α
を変更し、再び熱応力解析を実行する。この手順
〜を繰り返し行い、ラベル無しボトル樹脂の熱伝導率
および線膨張係数を導出する。
【0038】続いて、インモールドラベルを施した容器
に対しても上記〜を繰り返し行い、インモールドラ
ベルを施した容器に対してその熱伝導率および線膨張係
数を導出する。すなわち、図6に示すようなインモー
ルドラベルを施した容器に対してその熱伝導率および線
膨張係数を導出する。そのためには、熱伝導率λ1お
よびλ2の初期値および熱伝達係数α1およびα2の初
期値を与え、熱伝導解析を実行する。さらに、熱応
力解析を実行する。インモールドラベルを施すラベル
面の変形および周方向収縮の傾向が実際の変形と合致す
れば、高さ、幅、奥行き寸法の実際の成形品との誤差
を調べ、閾値より小さければ演算を終了する。インモ
ールドラベルを施すラベル面の変形および周方向収縮の
傾向が実際の変形と合致しなければ熱伝導率λ1および
λ2を変更し、再び熱伝導解析を行う。また、イン
モールドラベルを施すラベル面の変形および周方向収縮
の傾向が実際の変形と合致しても、高さ、幅、奥行き
寸法の実際の成形品との誤差を調べ、閾値より大きけれ
ば熱伝達係数α1およびα2を変更し、再び熱応力解
析を実行する。この手順〜を繰り返し行い、イン
モールドラベルを施したボトル樹脂の熱伝導率および線
膨張係数を導出する。
【0039】このようにして得られた、インモールドラ
ベルを施していない容器の樹脂物性値からインモールド
ラベルを施した容器の樹脂物性値を減算的に考察するこ
とにより、ボトル樹脂(HDPE)およびラベル(P
P)のそれぞれについての樹脂物性値を導出することが
できる。表1に本発明第一実施例で求めたボトル樹脂
(HDPE)およびラベル(PP)それぞれの熱伝導率
および線膨張率を示す。
【0040】
【表1】 このようにして導出した樹脂物性値を用いて、容器の熱
収縮による変形シミュレーションを行う。熱収縮による
変形シミュレーションと成形品実測の比較を図7に示
す。図7は熱収縮による変形シミュレーションと成形品
実測の比較結果を示す図である。横軸にボトル底面から
の距離(高さ)をとり、縦軸にボトル底面中心からの距
離をとる。表2に示すように、実測値と変形シミュレー
ションとの誤差をごく小さくすることができる。表2に
おける幅、奥行きは、高さ100mm部分での寸法であ
る。
【0041】
【表2】 以上説明したように、インモールドラベルを施した容器
についての熱収縮による変形シミュレーションを行うこ
とにより金型の設計を行う。
【0042】図1に示すように、金型の設計対象初期形
状(b0)に熱収縮による変形シミュレーションを行
い、その結果と目標成形品形状との差分を設計対象形状
に反映させ、目標成形品形状に収束するまでこれを繰り
返す。この時、変形の非線形性を考慮して、収束を安定
させるため、減速係数βを導入し、設計対象形状に反映
させる差分を調整する。この手法が有効に機能するため
には、有限要素法(FEM)の変形シミュレーションで
計算した変形量、変形形態がかなりの精度で現実の系と
一致する必要がある。
【0043】そこで、変形シミュレーション精度の向上
を図るために、実測可能な変形前後の形状を基に、変形
シミュレーション結果が実測変位に合うように物性パラ
メータを調整する。物性パラメータとしては、線膨張係
数、ヤング率、ポアソン比、熱伝導率、比熱、密度など
がある。表3には、パラメータ調整後の変形シミュレー
ション結果を示した。
【0044】
【表3】 相対誤差に相当する「差分×100/実測(%)」の列
を見ると最大で5%であり、パラメータの調整がうまく
出来ていることがわかる。
【0045】(第二実施例)本発明第二実施例を説明す
る。図8は本発明第二実施例の金型設計方法のフローチ
ャートである。本発明第二実施例では、成形されたボト
ルに内容物としての液体を充填した場合の静水圧変形ま
でも考慮した金型設計を行う。プラスチックは、金型か
ら取り出され(S11)、熱収縮変形を経て(S1
2)、成形品となる(S13)。この成形品に内容物で
ある液体を充填した結果、静水圧変形を受け(S1
4)、最終的な製品形状となるが(S15)、本発明第
二実施例では、この工程についても考慮する。
【0046】設計過程に注目すると、流れは逆向きとな
る。すなわち、意匠設計(S16)に基づいて製品設計
(S17)が行われ、内容物の充填後に静水圧変形して
製品寸法となる成形品の形状を算出することにより(S
18)、成形品が自動設計される(S19)。さらに、
収縮変形後成形品寸法となる金型形状を算出することに
より(S20)、金型形状が自動設計される(S2
1)。
【0047】このように、本発明第一実施例の工程に対
して本発明第二実施例では、さらに、空の成形品形状と
内容物が充填された後の成形品形状、即ち製品形状とを
比較してその差分を金型の設計形状に反映させる工程が
加えられる。その手順は、本発明第一実施例と同様であ
り、図1に示したフローチャートにしたがって行われ
る。第一実施例同様パラメータを実測変位に一致させる
ように調整する。
【0048】(実施例まとめ)本発明第一または第二実
施例で示した金型設計方法は、図2に示した金型設計装
置により実行される。キーボード6により金型の初期形
状(b0)を三次元情報として入力する。変形シミュレ
ーション演算部1はこの初期形状に等しい成形品を金型
から取出した後に生じる変形についての変形シミュレー
ションを演算する。差分演算部2はこの変形シミュレー
ションを演算した結果と目標成形品形状との差分を演算
する。差分判定部3はこの差分と閾値とを比較する。初
期形状変更部4はこの差分が閾値を越えるとき前記差分
に基づき前記初期形状に変更を加える。演算制御部5は
変形シミュレーション演算部1ないし初期形状変更部4
を前記差分が閾値を下回るまで繰り返して実行させる。
【0049】本発明第二実施例で示した静水圧変形も加
えて考慮するならば、変形シミュレーション演算部1で
は、初期形状に等しい成形品を金型から取出した後に生
じる変形についての変形シミュレーションを演算し、さ
らに、その変形後の成形品に内容物を充填したときの静
水圧変形による変形シミュレーションを演算する。
【0050】本発明の金型設計装置により、表4に示す
ように、良好な結果を得ることができた。
【0051】
【表4】 本発明第一または第二実施例において、金型の開放温度
の目安は、120°Cであり、冷却時間は5秒である。
従来例では、金型の開放温度の目安は、50°Cであ
り、冷却時間は10数秒であったので、単位時間の生産
量は2倍以上になったことがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インモールドラベルを施した容器について、冷却時間を
短縮しても目標とする成形品形状が得られる金型が実現
できる。さらに、内容物の充填による静水圧変形を補償
する形状を有する成形品を作るための金型の設計を行う
ことができる。このとき、経験によらず金型の設計を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の金型設計方法のフローチャ
ート。
【図2】本発明実施例の金型設計装置のブロック構成
図。
【図3】ボトルの有限要素モデルを示す図。
【図4】有限要素法を説明するための図。
【図5】インモールドラベルを施していない容器の樹脂
構造と諸パラメータを示す図。
【図6】インモールドラベルを施した容器のインモール
ドラベル部分の樹脂構造と諸パラメータを示す図。
【図7】熱収縮による変形シミュレーションと成形品実
測の比較を示す図。
【図8】本発明第二実施例の金型設計方法のフローチャ
ート。
【図9】ブロー成形法により洗剤容器を製造する工程を
示す図。
【符号の説明】
1 変形シミュレーション演算部 2 差分演算部 3 差分判定部 4 初期形状変更部 5 演算制御部 6 キーボード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅井 圭一郎 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 田宮 優子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平9−277260(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 33/38 B29C 49/20 B29C 49/48 B29C 49/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型から取出す直前の成形品の初期形状
    に金型から取出した後に発生する変形についての変形シ
    ミュレーションを施す第一のステップと、この第一のス
    テップにより変形した形状と目標成形品形状との差分を
    演算する第二のステップと、この差分と閾値とを比較す
    る第三のステップと、この差分が前記閾値を越えるとき
    この差分に基づき前記初期形状の変更を演算する第四の
    ステップとを含む金型の設計方法において、 前記成形品は、主材料により形成される表面の一部にそ
    の主材料と異なる材質のラベルが溶着され、前記第一の
    ステップは、このラベルの材質について少なくとも熱伝
    導率および線膨張係数を含むパラメータを加え変形シミ
    ュレーションを施すことを特徴とする金型の設計方法。
  2. 【請求項2】 前記変形シミュレーションは、有限要素
    法(FEM:Finite Element Method) による請求項1記
    載の金型の設計方法。
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