JP2957415B2 - 冷凍冷蔵庫の製氷ユニット - Google Patents

冷凍冷蔵庫の製氷ユニット

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JP2957415B2 JP9434594A JP9434594A JP2957415B2 JP 2957415 B2 JP2957415 B2 JP 2957415B2 JP 9434594 A JP9434594 A JP 9434594A JP 9434594 A JP9434594 A JP 9434594A JP 2957415 B2 JP2957415 B2 JP 2957415B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍室および冷蔵室を
有する冷凍冷蔵庫の製氷ユニットに関し、特に冷凍室内
の容積を拡大して冷凍食品の収納スペースを広く確保
し、加えて給水機構および氷排出機構を付加して自動製
氷ユニットとして機能させるようにした冷凍冷蔵庫の製
氷ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の冷凍冷蔵庫の一般的な断
面構成図である。この冷凍冷蔵庫は本体上部に冷凍室5
1が配置され、その下方に冷蔵室52、チルド室53、
野菜室54と続いている。冷凍冷蔵庫内を冷却する冷却
器55は冷凍室51内に設置され、ファン56によって
冷気を循環させて冷却し、冷却ダクト57によって冷蔵
室52、チルド室53、野菜室54へと冷気を送り、そ
れぞれの室内を冷却する構造となっている。
【0003】製氷部は冷凍室51の一部に設けられ、冷
凍室51内を循環する冷気によって水を凝固させて氷を
製造する。最近の冷凍冷蔵庫では、製氷部に給水機構お
よび氷排出機構を設置して自動製氷ユニットを形成して
いる。このユニットは、冷蔵室52内の上部に設置した
給水タンク60、給水タンク60の下部に設置した定量
カップ61、定量カップ61の水を汲み上げる給水ポン
プ62からなる給水機構と、冷凍室51に設置した製氷
皿63、製氷皿63を回転させるモータ64、製氷皿6
3の下部に設置した氷ストッカー65からなる氷排出機
構とからなり、給水ポンプ62で汲み上げた水を給水パ
イプ66から製氷皿63に送る構成となっている。
【0004】この構成による自動製氷ユニットは、給水
タンク60に入れた水を弁機構(図示せず)を経て定量
カップ61内に貯え、給水ポンプ62を一定時間駆動し
てカップ61内の水を給水パイプ66を経て製氷皿63
に送り込む。こうして製氷皿63内に送り込まれた水は
冷凍室51の冷気によって凝固して氷となる。一定時間
が経過して製氷が完了した頃になると、モータ64が回
転して製氷皿63内の氷を氷ストッカー65に落下させ
る。この一連の動作を繰り返すことによって氷ストッカ
ー65内に氷を蓄積する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の冷凍
冷蔵庫では、冷凍食品の大幅な普及やフリージング方法
の一般化に伴い、生鮮食品を保存する冷蔵庫よりもチル
ド室や冷凍室等の容積が重要視されるようになってき
た。このため、冷凍室内に占める製氷部の大きさが問題
となり、食品の保存という観点からデッドスペースと判
断するようになってきた。しかし、冷凍冷蔵庫において
製氷部を小さくしたり無くしたりすることは商品として
の使い勝手が悪くなり、商品としても成り立たないこと
になる。
【0006】また、自動製氷ユニットは構造上から冷凍
室と冷蔵室との間に給水パイプを通す空間が必要とな
る。この空間は冷凍室の冷気が冷蔵室に流れ込まない構
造にする必要があり、加えて冷蔵庫内の奥の片隅にある
ため、組み立て時に作業性が悪いといった不都合があ
る。
【0007】また、給水パイプは冷凍室内にも設ける必
要が有るため、パイプ自体の凍結による目詰まりを防ぐ
ために、冷凍室内を貫通する給水パイプ全体にヒータを
取り付けて凍結を防ぐ必要があり、構造が複雑になると
いった不都合もある。
【0008】そこで、本発明は冷凍室内の冷凍食品の収
納スペースを広く確保し、自動製氷ユニットとしてもコ
ンパクトに集約構成することが出来る製氷ユニットを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による冷凍冷蔵庫
の製氷ユニットは、冷凍室および冷蔵室を有し冷凍室内
の冷気を冷却ダクトを通して冷蔵室内に送る冷凍冷蔵庫
において、冷蔵室内に製氷室を設け、この製氷室内に製
氷皿を収納し、吸熱部が製氷室側に放熱部が冷却ダクト
側になるようにペルチェ素子を設置し、このペルチェ素
子の吸熱作用によって製氷室内を冷凍冷却するように構
成する。
【0010】この場合、ペルチェ素子に印加する直流電
源の極性を反転させてペルチェ素子の放熱部が製氷室側
に、吸熱部が冷却ダクト側になるように逆転させ、製氷
室の除霜を行うように構成することができる。
【0011】また、この場合、ペルチェ素子の吸熱部に
熱交換器を設置し、この熱交換器によって冷蔵室内の冷
気を冷却し、この冷却した冷気を製氷皿に直接当てるよ
うに構成することができる。
【0012】さらに、この場合、製氷室の上部または下
部に設置した給水タンク内の水を給水パイプを通して製
氷皿に供給する給水機構と、製氷皿を回転させて製氷後
の氷を排出する氷排出機構とを設けた構成とすることが
できる。
【0013】
【作用】本発明はペルチェ素子の吸熱作用を利用して製
氷ユニットを構成するようにしたので、製氷ユニットを
冷凍冷蔵庫の冷蔵室内に設置することができる。それに
よって冷凍室内のスペースが広くなり、冷凍食品を収納
するスペースを確保することができる。
【0014】また、ペルチェ素子は印加する直流電源の
極性によって吸熱部と放熱部とが反転するので、ペルチ
ェ素子の放熱部が製氷室側に、吸熱部が冷却ダクト側に
なるように極性を切り換えることにより製氷室の除霜を
行うことができる。
【0015】また、ペルチェ素子の吸熱部に熱交換器を
設置し、この熱交換器によって冷蔵室内の冷気をさらに
冷却し、この冷却した冷気をダクトを通して製氷皿に直
接当てることによって製氷時間を短縮することができ
る。
【0016】また、製氷室の上部または下部に給水タン
クを設置し、この給水タンク内の水を給水パイプを通し
て製氷皿に供給する給水機構と、製氷皿を回転させて製
氷後の氷を排出する氷排出機構とを冷蔵室内に集約して
設置することができるので、冷蔵室内にコンパクトな自
動製氷ユニットを設置することが出来る。
【0017】
【実施例】図1は、本発明が適用される冷凍冷蔵庫の一
部を表す概略的構成図である。この冷凍冷蔵庫は本体上
部に冷凍室1が配置され、その下部に冷蔵室2が配置さ
れたトップフリーザ型の冷凍冷蔵庫である。冷蔵庫内を
冷却する冷却器3は冷凍室1内に設置され、ファン4に
よって冷凍室1内の冷気を循環させて冷却するととも
に、冷却ダクト5を通じて冷蔵室2等へ冷気を送り込ん
でいる。
【0018】冷凍室1の温度は−18℃であり、食品を
まかなうために必要な冷蔵室2の温度は3℃である。冷
蔵室2の温度は冷却ダクト5内に設けたダンパ6を開閉
することによって調整する。このため、冷却ダクト5内
は冷凍室1を循環する冷気とほぼ同じ温度であり、とく
にダンパ6より上の部分はダンパ6が閉じていても常に
冷気が送られているので、冷凍室1とほぼ同じ温度であ
る。冷気の温度は冷蔵庫の構造により異なるが、−15
℃〜−20℃程度の冷気が冷却ダクト5内を流れてい
る。本発明による製氷ユニット10はこの部分を利用す
るために冷蔵室2の天井後方に配置されている。
【0019】図2は、本発明による製氷ユニット10の
第1の実施例を示す構成図である。本発明による製氷ユ
ニット10は冷蔵室2の天井後方に設置され、冷却部お
よび製氷部から成り立っている。冷却部は放熱板11の
フィン部が冷却ダクト5内の冷気と接する位置に取り付
けられ、放熱板11のフィン部と反対の面にはペルチェ
素子12が取り付けられている。製氷部はペルチェ素子
12を挟み込む形で製氷室13を形成し、その室内の上
方には製氷皿14、その下方には氷ストッカー15が配
置されている。そして、冷却部および製氷部の周辺には
断熱材16が取り付けられている。製氷室13は熱伝導
のよいアルミニウムや銅などの材料を絞り加工または曲
げ加工によって箱体に形成したものである。
【0020】ここで、ペルチェ素子について説明する。
ペルチェ素子は電流を印加すると片側から吸熱し、他の
片側から放熱を行う特性をもった半導体素子である。通
常、ペルチェ素子の吸熱部(低温部)表面と放熱部(高
温部)表面との温度差は、高温部をファンによって冷却
した使用状態で約40deg 程度である。
【0021】一例として周囲温度が20℃のときに高温
部をファンで冷却したとき、高温部素子の表面は約30
℃となり、40deg の温度差で低温部は−10℃まで冷
却されることになる。しかし、ペルチェ素子の表面温度
が−10℃としても、負荷(例えば庫内)への伝熱に熱
交換器を要するため、熱交換器および熱交換時にロスが
生じ、負荷の温度は0〜5℃程度となる。負荷である庫
内の温度が0〜5℃では食品の保冷程度の能力しかな
く、とても製氷能力はない。そこで、温度差を大きく得
るために素子を複数段重ねることが考えられるが、生産
性が悪いうえにコストアップの要因になる。
【0022】図3は、ペルチェ素子の冷却能力を測定す
るための試験機20である。この試験機20はファン装
置21によって風洞22内に風を送り込む。風洞22内
には放熱板11がフィン部に風が接するように取り付け
られており、放熱板11のフィン部と反対面の風洞22
外にはペルチェ素子12が冷却板23によって取り付け
られている。
【0023】この試験機20による風洞試験はファン装
置21をオンにして一定量の風を風洞22内に送り込ん
だ状態で、ペルチェ素子12に一定の電流を印加し、ペ
ルチェ素子12の低温部の表面温度Tcおよび高温部の
表面温度Thを測定し、同時に放熱板11および冷却板
23の温度も測定する。
【0024】この状態で試験機20を恒温槽内に据え付
け、周囲温度を変化させて素子表面温度を測定した結果
を図4に示す。図4の横軸は周囲温度、縦軸は素子表面
温度である。周囲温度の低下に伴ってファン装置21か
ら送り込まれる風の温度が低下し、放熱板11の冷却効
果が大きくなるので、ペルチェ素子12の高温部は放熱
板11の温度低下により排熱量が増大する。このとき高
温部の表面温度Thは周囲温度に対し約10℃程度高く
なり、それに伴いペルチェ素子12の低温部の吸熱量も
増大し、低温部と高温部の表面温度差を一定(30de
g)に保った特性を示す。
【0025】周囲温度が−5℃以下になると、温度差が
小さくなる傾向が見られるが、低温部は追従している。
周囲温度が−10℃のときペルチェ素子12の高温部の
表面温度Thは0.6℃に押さえられ、低温部の表面温度
Tcは−28.5℃まで冷却される。このことからペルチ
ェ素子12の高温部を−15℃〜−20℃程度の冷気が
流れている冷却ダクト5に取り付けることにより、高温
部は−5℃〜−10℃程度となり、低温部を最大約−3
5℃程度まで冷却することができる。
【0026】ペルチェ素子12による冷却がここまで可
能になると、製氷室13への熱伝導における損失が大き
くても製氷室13内を−20℃程度に保つことができ
る。製氷室13内を−20℃程度に保つことにより冷気
の自然対流により製氷皿14に入れた水が氷となり、こ
の氷を氷ストッカー15に保管することができる。
【0027】製氷室13内を−20℃に保ったときの冷
気の自然対流による製氷能力は、条件として、5℃の
水を−5℃まで冷却する、容量は110gとする(氷
8個分)、−15℃の冷気ダクト内にペルチェ素子の
高温部を設置する、素子−熱交換器間の損失を各々1
0℃とする、として実験したところ、78分間で製氷が
可能で、製氷に必要な冷凍能力は当初8.54ワットから
最終的には6.41ワットでまかなえることが判明した。
現行のペルチェ素子の冷凍能力は、印加する電流により
異なるが、5〜10ワット程度であり十分可能である。
【0028】ところで、製氷室13内を−20℃程度に
保った場合、霜の付着による冷凍能力の低下が問題とな
る。そこで、本発明はペルチェ素子12の特性を利用し
て除霜も行うようにしている。すなわち、ペルチェ素子
12は直流電源の極性を変えることにより吸熱方向を逆
転することができる特徴を有しているので、図2に示す
ように、製氷室13の天井に光センサ17を設け、この
光センサ17によって霜が付着したことを検知するとペ
ルチェ素子12にかかる直流電源の極性をリレー等によ
って反転させ、吸熱方向を逆転する。
【0029】すなわち、光センサ17は一方側に発光部
17a、他方側に受光部17bを有する凹型の形状をし
ており、発光部17aに一定電位を印加して発光させ、
受光部17bから出力電位を得る構造となっている。こ
の光センサ17は発光部17aおよび受光部17bがと
もに下向きになるように取り付けられている。
【0030】製氷室13に霜が付着していく状況は、最
初は製氷室13の壁面にうっすらと付着する程度である
が、時間の経過とともに製氷室13の内側に積もってい
く。この蓄積した霜によって発光部17aおよび受光部
17b間が塞がれると、受光部17bからの出力電位が
低下する。制御部では、低下した出力電位を読み取りペ
ルチェ素子12にかかる直流電源の極性を反転させる。
【0031】これによりペルチェ素子12は冷却ダクト
5側から熱を吸熱(冷却)し、製氷室13側へ放熱(加
熱)するように作用する。この熱で製氷室13内の霜を
融解して除霜を行う。時間の経過により霜が融解してい
くと、光センサ17に付着した霜が解け出して下へ落
ち、塞がれていた発光部17aおよび受光部17b間が
露出して出力の電位が上昇する。制御部は上昇した出力
電位を読み取り、ペルチェ素子12に印加する直流電源
の極性を再び反転し、除霜を終了させて製氷室13の冷
却運転を再開する。
【0032】なお、発光部17aに一定電位を印加する
方法は、発光部17aに絶えず電流を流す連続通電方式
でもよいが、霜が付着して蓄積するにはそれなりの時間
を要するため、一定時間毎に1回だけ電流を流す間欠通
電方式でもよい。
【0033】また、本実施例では光センサ17を製氷室
13の天井に設置したが、発光部17aおよび受光部1
7b間に付着した霜が下へ落下するように、発光部17
aおよび受光部17b間が横方向一列となるように製氷
室13の壁面に取り付けるようにしても同様の効果を得
ることができる。
【0034】また、本実施例では霜の付着検知を凹型の
形状を有する光センサ17によって行う方法を説明した
が、発光部から発した光を反射板にて反射させ、受光部
で反射光を受けて出力電位を得るタイプでも霜の付着に
より反射が減少するので着霜を検知することができる。
【0035】ところで、製氷室13内の除霜を行った場
合、霜が解け出してドレン水となり製氷室13内に残留
することになる。この状態で冷却運転を行うと製氷室1
3内が凍りつき、使用できない状況となる。これを防ぐ
にはドレイン水を製氷室13内から排出してやればよ
い。
【0036】そこで、本実施例では、図2に示すよう
に、製氷室13の床面片隅に排水口18を設け、排水口
18に向かってなだらかな傾斜を床面につけている。除
霜運転により解け出したドレイン水は製氷室13の床面
に流れ落ち、床面のなだらかな傾斜によって排水口18
に流れて行く。排水口18に流れ込んだ水はドレインホ
ース19によって冷蔵庫外に排出され、冷蔵庫本体下部
にあるドレインパン(図示せず)に溜まる構成となって
いる。
【0037】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図5は、本発明による製氷ユニットの第2の実施
例を示す要部拡大図で、図1および図2に示す実施例と
同一構成要素には同一符号を付して説明する。
【0038】本実施例は、冷蔵室2の天井後方に製氷ユ
ニット10を設置した構成を有し、放熱板11のフィン
部が冷却ダクト5内の冷気と接する位置に取り付けら
れ、放熱板11のフィン部と反対側の面にはベルチェ素
子12が取り付けられ、ペルチェ素子12を挟み込む形
で低温側熱交換器30および製氷室13がそれらの順に
取り付けられている。また、冷却ダクト5と製氷室13
との間は低温側熱交換器30の厚さと同じ幅を有するダ
クト31となっている。
【0039】また、ダクト31の下方向には冷蔵室2内
の冷気を吸い込む吸い込み口32およびファン33が設
けられている。また、ダクト31の反対方向は製氷室1
3の天井へ導かれ、複数の吹き出し口34によって製氷
室13と連通している。さらに、製氷室13およびダク
ト31の周囲には断熱材16が取り付けられ、冷蔵室2
への放熱を防いでいる。なお、製氷室13内の上方には
製氷皿14が、下方には氷ストッカー15がそれぞれ配
置されているのは前述の図2に示す実施例と同一であ
る。
【0040】この構成において、ペルチェ素子12に電
流を印加すると低温側熱交換器30および製氷室13が
吸熱作用によって冷却される。そして、ファン33の連
動により吸い込み口32から冷蔵室2内の冷気を吸入
し、低温側熱交換器30に送り込む。熱交換器30は送
り込まれた冷気をさらに冷却しダクト31を通って吹き
出し口34から製氷室13内へ送り込む。送り込まれた
冷気は製氷皿14に直接当たり内部の水を凍らせる。
【0041】この構成によれば、前述の実施例でも述べ
たが、ペルチェ素子12の高温部を冷却ダクト5内に設
置することによってペルチェ素子12の低温部が約−3
5℃まで冷却される。したがって、低温側熱交換器30
自体の温度も非常に低くなり熱交換器30自体の損失を
考慮しても、−25℃〜−30℃程度に保たれる。
【0042】冷蔵室2内は通常の冷凍サイクルによって
3℃に保たれているので、吸い込み口32から吸入され
る冷気の温度も約3℃程度になる。この約3℃の冷気が
−25℃〜−30℃程度の熱交換器30を通過すること
によりさらに冷却されて製氷室13へ送り込まれる。そ
して、この冷却された冷気が製氷皿14に直接当たるこ
とにより製氷皿14自体の温度が低下し、内部の水を素
早く凍らせることが出来る。
【0043】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図6は、本発明による冷凍冷蔵庫の第3の実施例
を示す要部拡大図で、図2に示す実施例と同一構成要素
には同一符号を付して説明する。
【0044】本実施例は、前述した図2に示す実施例構
成において、製氷皿14へ水を給水する自動給水機構お
よび製氷後の氷を氷ストッカー15に落下させる氷排出
機構を付加して自動製氷ユニットを構成したものであ
る。すなわち、冷蔵室2の天井後方に設置した製氷ユニ
ット10の下部に給水タンク40が入るスペースを確保
し、この給水タンク40を支持する支持枠41内に給水
カップ42を形成し、給水カップ42に嵌め込んだ給水
タンク40内の水を弁機構(図示せず)によって給水カ
ップ42内に蓄える構造となっている。
【0045】また、給水カップ42の一端に給水ポンプ
43を取り付け、給水カップ42内の水を給水パイプ4
4を通して製氷皿14内に送り込む構造となっている。
給水パイプ44は製氷室13を覆う断熱材16の内部に
設置し凍結を防いでいる。しかし、製氷室13を貫通す
る部分44aのみヒータによって凍結の防止を行ってい
る。
【0046】また、製氷皿14の一端にはモータ45が
設けられており、製氷皿14内で氷が形成されるとモー
タ45が起動し、製氷皿14を反転させて氷の排出を行
い、下方に設置した氷ストッカー15内に氷を蓄える。
【0047】このように、本発明によれば、製氷ユニッ
ト10を冷蔵室2内に設置したことにより自動製氷機構
を冷蔵室2内に集約して設置することができる。なお、
ここでは製氷ユニット10の下方に給水タンク40、給
水カップ42、給水ポンプ44等を設置したが、製氷ユ
ニット10の左右横方向どちらかに設置しても同様の効
果を得ることができる。
【0048】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図7は、本発明による冷凍冷蔵庫の第4の実施例
を示す要部拡大図で、図2および図6に示す実施例と同
一構成要素には同一符号を付して説明する。
【0049】本実施例は、前述した図6に示す実施例構
成において、冷蔵室2の天井後方に設置した製氷ユニッ
ト10の上部に給水タンク40が入るスペースを確保
し、製氷室13を覆う断熱材16の上に支持枠41を設
置し、この支持枠41内に給水カップ42を形成し、給
水カップ42に嵌め込んだ給水タンク40内の水を弁機
構(図示せず)によって給水カップ42内に蓄える構造
となっている。
【0050】給水カップ42の一端には電磁弁46が取
り付けられており、この電磁弁46を一定時間開いて給
水カップ42内の水を給水パイプ44を通して製氷皿1
4内に送り込む構造となっている。給水パイプ44は製
氷室13を覆う断熱材16の内部に設置し凍結を防ぐと
ともに、製氷室13を貫通する部分44aのみヒータに
よって凍結の防止を行っている。
【0051】また、製氷皿14の一端にはモータ45が
設けられ、製氷皿14内で氷が形成されるとモータ45
が起動し、製氷皿14を反転させて氷の排出を行い、下
方に設置した氷ストッカー15内に氷を蓄える。
【0052】本実施例は給水タンク40を製氷ユニット
10の上部に設け、水の自然落下によって製氷皿14に
給水を行うようにしたため、給水ポンプのような動力を
必要とせず、コストダウンにつながる利点がある。
【0053】なお、前述の実施例では冷凍室1の下方に
冷蔵室2を配置したトップフリーザ型の冷凍冷蔵庫を例
にあげて説明したが、冷蔵室2の下方に冷凍室1を設け
たミッドフリーザ型に本発明を適用してもよく、その場
合には製氷室13の上部の空間が広いため給水タンク4
0を設置しやすくなる利点がある。
【0054】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ペルチ
ェ素子の吸熱作用によって製氷を行う製氷ユニットを冷
蔵室内に設けるようにしたので、冷凍室内の製氷ユニッ
トが不要となり、冷凍室のスペースが広くなるため冷凍
食品の収容量を増大させることが可能となる。
【0055】また、請求項2に記載の発明によれば、ペ
ルチェ素子に印加する直流電源の極性を反転させ吸熱方
向を逆転させることによって製氷室内の除霜を行うよう
にしてので、霜の付着による冷却能力の低下を防止する
ことが可能となる。また、従来のような除霜用ヒータも
不要となる。
【0056】また、請求項3に記載の発明によれば、ペ
ルチェ素子の低温部に低温側熱交換器を設け、この熱交
換器に冷蔵室の冷気を送り込み、この冷却した冷気を製
氷皿に直接当てるようにしたので、製氷皿内部の水を素
早く凍らせることが可能となる。
【0057】また、請求項4に記載の発明によれば、製
氷ユニットに近接して給水タンクを設け、この給水タン
ク内の水を製氷皿に給水する給水機構を設置し、さらに
製氷皿で生成した氷を氷ストッカーに排出する氷排出機
構を設置し、これらの機構を自動製氷ユニットとして冷
蔵室内に集約設置するようにしたので、給水パイプが凍
結することもなく、組み立て時の作業性を向上させるこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される冷凍冷蔵庫の一部を表す概
略的構成図である。
【図2】本発明による製氷ユニットの第1の実施例を示
す構成図である。
【図3】ペルチェ素子の冷却能力を測定する試験機の構
成図である。
【図4】周囲温度の変化に伴うペルチェ素子の性能を表
す特性図である。
【図5】本発明による製氷ユニットの第2の実施例を示
す構成図である。
【図6】本発明による製氷ユニットの第3の実施例を示
す構成図である。
【図7】本発明による製氷ユニットの第4の実施例を示
す構成図である。
【図8】従来の冷凍冷蔵庫の構成図である。
【符号の説明】
1 冷凍室 2 冷蔵室 3 冷却器 4 ファン 5 冷却ダクト 6 ダンパ 10 製氷ユニット 11 放熱板 12 ペルチェ素子 13 製氷室 14 製氷皿 15 氷ストッカー 16 断熱材 17 光センサ 18 排出口 19 ドレインホース 30 低温側熱交換器 31 ダクト 32 吸い込み口 33 ファン 34 吹き出し口 40 給水タンク 41 支持枠 42 給水カップ 43 給水ポンプ 44 給水パイプ 45 モータ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍室および冷蔵室を備え前記冷凍室内
    の冷気を冷却ダクトを通して前記冷蔵室内に送る冷凍冷
    蔵庫において、 前記冷蔵室内に製氷室を設け、前記製氷室内に製氷皿を
    収納し、吸熱部が前記製氷室側に放熱部が前記冷却ダク
    ト側になるようにペルチェ素子を設置し、前記ペルチェ
    素子の吸熱作用によって前記製氷室内を冷凍冷却するこ
    とを特徴とする冷凍冷蔵庫の製氷ユニット。
  2. 【請求項2】 前記ペルチェ素子に印加する直流電源の
    極性を反転させて前記ペルチェ素子の放熱部が前記製氷
    室側に、前記吸熱部が前記冷却ダクト側になるように逆
    転させ、前記製氷室の除霜を行うことを特徴とする請求
    項1記載の冷凍冷蔵庫の製氷ユニット。
  3. 【請求項3】 前記ペルチェ素子の吸熱部に熱交換器を
    設置し、前記熱交換器によって前記冷蔵室内の冷気を冷
    却し、この冷却した冷気を前記製氷皿に直接当てるよう
    に構成したことを特徴とする請求項1記載の冷凍冷蔵庫
    の製氷ユニット。
  4. 【請求項4】 前記製氷室の上部または下部に設置した
    給水タンク内の水を給水パイプを通して前記製氷皿に供
    給する給水機構と、前記製氷皿を回転させて製氷後の氷
    を排出する氷排出機構とを設けたことを特徴とする請求
    項1記載の冷凍冷蔵庫の製氷ユニット。
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